JP2003196110A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2003196110A
JP2003196110A JP2002263644A JP2002263644A JP2003196110A JP 2003196110 A JP2003196110 A JP 2003196110A JP 2002263644 A JP2002263644 A JP 2002263644A JP 2002263644 A JP2002263644 A JP 2002263644A JP 2003196110 A JP2003196110 A JP 2003196110A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】メモリの使用効率の向上を図ることができる画
像形成装置を得ることを目的とする。 【解決手段】書き換え可能メモリ上に、オペレーティン
グシステムが管理する仮想メモリ領域と、オペレーティ
ングシステム以外が管理する画像データ格納用の画像メ
モリ領域とを確保するメモリ確保手段と、プログラムの
起動要求があったときに、読み出し専用メモリ上に組み
込まれたプログラムのうち起動要求のあったプログラム
を、仮想メモリ領域又は画像メモリ領域に転送する転送
手段(S401〜S414)と、転送手段により転送さ
れたプログラムを起動する起動手段(S415)とを備
えたことにより上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、画像形成装置に
係り、特にメモリ領域の配分を行う画像形成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、プリンタ、コピー、ファクシミ
リ、スキャナなどの各装置の機能を1つの筐体内に収納
した画像形成装置(以下、「複合機」という。)が一般
的に知られている。この複合機は、1つの筐体内に表示
部、印刷部および撮像部などを設けるとともに、プリン
タ、コピーおよびファクシミリ装置にそれぞれ対応する
3種類のソフトウェアを設け、ソフトウェアの切り替え
によって、当該装置をプリンタ、コピー、スキャナまた
はファクシミリ装置として動作させるものである。
【0003】このような従来の複合機は、内部にプリン
タ、コピー、スキャナおよびファクシミリ装置に対応す
るソフトウェア(汎用OSを含む)をそれぞれ別個に設
ける構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の複合
機では、プリンタ、コピーおよびファクシミリなどの機
能単位で、それぞれに対応する別個のソフトウェアを備
えている。各ソフトウェアを実行する際に必要となるメ
モリ上の領域は各ソフトウェアごとにそれぞれ別個に確
保されるため、各領域のサイズが各ソフトウェアのサイ
ズに応じて過大なものとなり、メモリ上で確保または解
放される領域サイズが過大となり、メモリの使用効率が
悪いという問題がある。
【0005】また、複合機は、プリンタ、コピー、ファ
クシミリおよびスキャナなどの画像形成処理を行うもの
であるため、画像形成処理を行う過程において生成され
る画像データの数およびサイズは一般のPC(Personal
Computer)などに比べて膨大なものとなる。このた
め、画像形成処理で生成される画像データを一時的に格
納するための画像メモリの容量は、予め十分に確保して
おく必要があり、かつ画像メモリを画像形成処理の実行
中に別の目的で使用することは好ましくない。
【0006】さらに、複合機の動作中にプロセス実行用
のメモリが消費されてプロセスの実行に支障をきたす場
合もある。このような場合、画像メモリの一部をプロセ
ス実行のために利用することも考えられるが、従来の複
合機では各ソフトウェアのサイズが過大であるため、画
像メモリに空きがある場合でもプロセス実行用に画像メ
モリを使用すると画像データの一時的な格納などが不可
能になるなど、複合機で重要な画像形成処理に支障をき
たしてしまう。
【0007】このため、メモリ全体に空きがある場合で
も、プロセス実行と画像データの格納とをともに支障な
く実行することが不可能な場合が多く、この点でもメモ
リの使用効率が悪いという問題がある。
【0008】例えば特開平9−16380号公報には、
システム設定ファイルに予めメモリ領域使用の設定を記
述しておくことで、メモリの管理を行うシステムが記載
されている。また、特開平11−129558号公報に
は、ROM(Read Only Memory)に収納されたプログラ
ムをROM或いはRAMで選択的に実行することで、メ
モリの使用量を調整するプリンタが記載されている。
【0009】ところで、従来の複合機では、内部にプリ
ンタ、コピー、スキャナおよびファクシミリ装置に対応
するソフトウェア(汎用OSを含む)をそれぞれ別個に
設ける構成となっており、各ソフトウェアの開発に多大
の時間を要する。
【0010】このため、出願人は、表示部、印刷部およ
び撮像部などの画像形成処理で使用されるハードウェア
資源を有し、プリンタ、コピーまたはファクシミリなど
の各ユーザサービスにそれぞれ固有の処理を行うアプリ
ケーションを複数搭載し、これらのアプリケーションと
ハードウェア資源との間に介在して、ユーザサービスを
提供する際に、アプリケーションの少なくとも2つが共
通的に必要とするハードウェア資源の管理、実行制御並
びに画像形成処理を行う各種コントロールサービスから
なるプラットホームを備えた画像形成装置(特開200
2−82806号公報)を発明し、ソフトウェア開発効
率を向上させた。
【0011】このような複合機では、複数のアプリケー
ションおよびコントロールサービスのソフトウェアをそ
れぞれ別個のプロセスとして動作させる。したがって、
各プロセスが動作する上で必要となるメモリ上の領域サ
イズは、プリンタ、コピー、ファクシミリなどの機能単
位でソフトウェアを備えている従来の複合機に比べて小
さいため、かかる特徴的な構成をメモリ管理に利用でき
ることが好ましい。
【0012】この発明は上記に鑑みてなされたもので、
メモリの使用効率の向上を図ることができる画像形成装
置を得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる発明は、書き換え可能メモリ上
に、オペレーティングシステムが管理する仮想メモリ領
域と、オペレーティングシステム以外が管理する画像デ
ータ格納用の画像メモリ領域とを確保するメモリ確保手
段と、プログラムの起動要求があったときに、読み出し
専用メモリ上に組み込まれたプログラムのうち前記起動
要求のあったプログラムを、前記仮想メモリ領域又は画
像メモリ領域に転送する転送手段と、前記転送手段によ
り転送された前記プログラムを起動する起動手段とを備
えたことを特徴とする。
【0014】この請求項1の発明では、領域確保手段に
よって、あらかじめ定められた容量の画像メモリ領域
と、各プログラムが実行時に格納される仮想メモリ領域
とを書き換え可能メモリに確保しておく。画像メモリ領
域のあらかじめ定められた容量は、画像形成装置に搭載
されている機能に応じて画像データの格納に必要な容量
を予想して十分なサイズに定めておけばよい。
【0015】そして、画像形成装置の実行中に、プログ
ラムの起動要求があったときに、起動要求のあったプロ
グラムを仮想メモリ領域又は画像メモリ領域に転送し、
転送したプログラムを起動手段によって起動すること
で、起動要求のあったプログラムを、仮想メモリ領域又
は画像メモリ領域に転送して実行することができる。
【0016】すなわち、読み出し専用メモリ上に格納さ
れたプログラムが書き換え可能メモリの仮想メモリ領域
に限られず画像メモリ領域でも実行可能となるため、仮
想メモリ領域の容量制限などにより仮想メモリ領域に起
動要求のあったプログラムを転送することが不可能な場
合でも、仮想メモリ領域の代わりに画像メモリ領域にプ
ログラムを転送して起動できる。従って、この請求項1
の発明によれば、画像形成処理に支障をきたすことな
く、書き換え可能メモリの利用効率を高めることが可能
となる。
【0017】また、請求項2にかかる発明は、前記プロ
グラムごとに予め定められている転送先に基づいて、前
記起動要求のあったプログラムの転送先を、前記仮想メ
モリ領域又は画像メモリ領域の何れかに決定する転送先
判断手段を更に備えたことを特徴とする。
【0018】この請求項2の発明によれば、プログラム
の起動要求があったときに、プログラムごとに予め定め
られている転送先に基づいて、プログラムを仮想メモリ
領域または画像メモリ領域に転送して実行することがで
きる。
【0019】また、請求項3にかかる発明は、前記書き
換え可能メモリの利用状況に基づいて、前記起動要求の
あったプログラムの転送先を、前記仮想メモリ領域又は
画像メモリ領域の何れかに決定する転送先判断手段を更
に備えたことを特徴とする。
【0020】この請求項3の発明によれば、プログラム
の起動要求があったときに、書き換え可能メモリの利用
状況に基づいて、プログラムを仮想メモリ領域または画
像メモリ領域に転送して実行することができる。
【0021】ここで、書き換え可能メモリの利用状況と
は、仮想メモリ領域の空き容量、仮想メモリ領域と画像
メモリ領域の割合、書き換え可能メモリの容量など種々
の条件があげられるが、この発明では特に限定されるも
のではない。
【0022】すなわち、この発明によれば、このような
書き換え可能メモリの利用状況に基づき、読み出し専用
メモリ上に格納されたプログラムが書き換え可能メモリ
の仮想メモリ領域に限られず画像メモリ領域でも実行可
能となるため、仮想メモリ領域の容量制限などにより仮
想メモリ領域に起動要求のあったプログラムを転送する
ことが不可能な場合でも、仮想メモリ領域の代わりに画
像メモリ領域にプログラムを転送して起動することによ
りプロセスの生成が可能となる。
【0023】また、請求項4にかかる発明は、前記画像
形成装置は、画像形成処理で使用されるハードウェア資
源と、画像形成処理に係るユーザサービスおよびコント
ロールサービスの処理を行う1つ以上のプログラムのプ
ロセスとを備えたことを特徴とする。
【0024】この請求項4の発明によれば、サイズの比
較的小さな多数のプログラムにより起動される複数のプ
ロセスによりユーザサービスの提供を行う構成としてい
るため、各プロセスの生成および消滅で書き換えメモリ
上に確保および解放される領域のサイズも比較的小さく
なり、画像メモリ領域でプロセスの生成を行った場合で
も、プリント、コピーなどの機能単位の大きなサイズの
プログラムで構成される従来の画像形成装置に比べて、
画像形成処理に及ぼす影響は小さい。
【0025】従って、この発明によれば、画像形成処理
に支障をきたすことなく、書き換え可能メモリの利用効
率を高めることが可能となる。
【0026】また、請求項5にかかる発明は、前記転送
先判断手段は、前記仮想メモリ領域の空き容量が前記起
動要求があった前記プログラムのサイズより小さいとき
に、前記転送先を前記画像メモリ領域に決定することを
特徴とする。
【0027】この請求項5の発明によれば、仮想メモリ
領域の容量制限によりプロセス生成が不可能な場合で
も、画像メモリ領域でプロセスの生成が可能となり、メ
モリの利用効率を向上させることができる。
【0028】また、請求項6にかかる発明は、前記転送
先判断手段により前記転送先が前記画像メモリ領域に決
定された場合に、その旨をユーザに通知する通知手段を
さらに備えたことを特徴とする。
【0029】この請求項6の発明によれば、画像メモリ
領域が消費されることを事前に画像形成装置のユーザに
報知することができ、ユーザの便宜が図られる。
【0030】また、請求項7にかかる発明は、前記転送
手段は、前記起動要求のあった前記プログラムが前記読
み出し専用メモリ上に圧縮形式で格納されているとき
に、圧縮形式の前記プログラムを、転送の際に伸張する
ことを特徴とする。
【0031】この請求項7の発明によれば、読み出し専
用メモリの容量制限のためプログラムを通常の形式で組
み込めない場合でも、読み出し専用メモリに圧縮形式の
プログラムを組み込めば転送時に伸張するので、読み出
し専用メモリの容量に制限がある場合でも、多数のプロ
グラムにより多機能のユーザサービスを提供することが
できる。
【0032】また、請求項8にかかる発明は、前記転送
手段は、前記プログラムごとに予め定められている優先
度に基づいて、前記プログラムを前記仮想メモリ領域又
は画像メモリ領域に転送することを特徴とする。
【0033】この請求項8の発明によれば、プログラム
の実行に優先度が設けられている場合でも優先度に従っ
てプログラムを、仮想メモリ領域又は画像メモリ領域に
転送することができる。
【0034】また、請求項9にかかる発明は、前記起動
手段は、前記優先度に基づいて前記仮想メモリ領域又は
画像メモリ領域の何れかに転送された前記プログラムを
起動することを特徴とする。
【0035】この請求項9の発明によれば、プログラム
の実行に優先度が設けられている場合でも優先度に従っ
てプログラムの起動を行うことができ、プログラムの起
動が不可能な状態を回避することができる。
【0036】また、請求項10にかかる発明は、前記コ
ントロールサービスは、前記ユーザサービスより高い優
先度を有するものであり、前記転送手段は、優先度の高
いプログラムを優先的に前記転送先に転送することを特
徴とする。
【0037】この請求項10の発明によれば、コントロ
ールサービス層の上で動作するユーザサービスを起動す
る前にコントロールサービスを起動することができ、コ
ントロールサービスのプロセスが生成されていないこと
に起因してユーザサービスのプロセス生成が不可能にな
るという障害を未然に防止することができる。
【0038】また、請求項11にかかる発明は、前記転
送手段は、前記起動要求があった前記コントロールサー
ビスまたはユーザサービスのプログラムに関連する他の
プログラムがすでに前記書き換え可能メモリ上に存在し
ているときに、前記起動要求のあったプログラムを前記
転送先に転送することを特徴とする。
【0039】この請求項11の発明によれば、関連する
プログラムがまだ起動されていないことに起因するコン
トロールサービスまたはユーザサービスの起動時の障害
を防止することができ、起動順序に沿ったプログラム実
行を行うことができる。
【0040】また、請求項12にかかる発明は、前記転
送手段は、前記コントロールサービスのプログラムがす
でに前記書き換え可能メモリ上に存在しているときに、
前記読み出し専用メモリ上に格納された前記ユーザサー
ビスのプログラムを前記転送先に転送することを特徴と
する。
【0041】この請求項12の発明によれば、コントロ
ールサービス層の上で動作するユーザサービスを起動す
る前にコントロールサービスを起動することができ、コ
ントロールサービスのプロセスが生成されていないこと
に起因するコントロールサービスのプロセス生成が不可
能になるという障害を未然に防止することができる。
【0042】また、請求項13にかかる発明は、前記ユ
ーザサービスは、前記転送手段,転送先判断手段および
前記起動手段として動作するプログラム起動アプリをさ
らに備えたことを特徴とする。
【0043】この請求項13の発明によれば、コントロ
ールサービスとユーザサービス間のアプリケーションイ
ンタフェースを利用してコントロールサービスまたはユ
ーザサービスの起動要求の受信をすることができ、コン
トロールサービスおよびユーザサービスと別個に転送先
判断手段や起動手段を設ける場合に比べて、ソフトウェ
ア開発の労力を軽減することができる。
【0044】また、請求項14にかかる発明は、前記コ
ントロールサービスは、システムの制御およびリソース
の管理を行うシステムコントロールサービスのプロセス
を備え、前記システムコントロールサービスのプロセス
は、前記転送手段,転送先判断手段および前記起動手段
として動作することを特徴とする。
【0045】この請求項14の発明によれば、別途、転
送手段,転送先判断手段や起動手段のプロセスを設ける
場合に比べて、ソフトウェア開発の労力を軽減すること
ができる。
【0046】また、請求項15にかかる発明は、前記シ
ステムコントロールサービスのプロセスは、ユーザサー
ビスを提供する際に実行される通常モードスレッドと、
前記転送手段,転送先判断手段および前記起動手段とし
て動作するプログラム起動モードスレッドとを含んでい
ることを特徴とする。
【0047】この請求項15の発明によれば、同一のシ
ステムコントロールサービスのプロセス内で、各スレッ
ドを並列実行することができ、ユーザサービスを停止せ
ずに起動要求のあったコントロールサービスまたはユー
ザサービスの起動を実現することができる。
【0048】また、請求項16にかかる発明は、前記プ
ログラムの起動要求は、前記画像形成装置の起動後に行
う前記プログラムごとの起動要求であることを特徴とす
る。
【0049】この請求項16の発明によれば、画像形成
装置の起動後、プログラムの起動要求があったときに、
起動要求のあったプログラムを、仮想メモリ領域又は画
像メモリ領域に転送して実行することができる。
【0050】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この
発明にかかる画像形成装置の好適な実施の形態を詳細に
説明する。 (実施の形態1)図1は、この発明の実施の形態1であ
る画像形成装置(以下、「複合機」という)の構成を示
すブロック図である。図1に示すように、複合機100
は、白黒ラインプリンタ(B&W LP)101と、カラー
ラインプリンタ(Color LP)102と、スキャナ、フ
ァクシミリなどのハードウェアリソース103などを有
するとともに、プラットホーム120とアプリケーショ
ン130とから構成されるソフトウェア群110と、複
合機起動部140とを備えている。
【0051】プラットホーム120は、アプリケーショ
ンからの処理要求を解釈してハードウェア資源の獲得要
求を発生させるコントロールサービスと、一または複数
のハードウェア資源の管理を行い、コントロールサービ
スからの獲得要求を調停するSRM(システムリソース
マネージャ)123と、汎用OS121とを有する。
【0052】コントロールサービスは、複数のサービス
モジュールから形成され、SCS(システムコントロー
ルサービス)122と、ECS(エンジンコントロール
サービス)124と、MCS(メモリコントロールサー
ビス)125と、OCS(オペレーションパネルコント
ロールサービス)126と、FCS(ファックスコント
ロールサービス)127と、NCS(ネットワークコン
トロールサービス)128とから構成される。
【0053】なお、このプラットホーム120は、あら
かじめ定義された関数により前記アプリケーション13
0から処理要求を受信可能とするアプリケーションプロ
グラムインタフェース(API)を有する。
【0054】汎用OS121は、UNIX(登録商標)
などの汎用オペレーティングシステムであり、プラット
ホーム120並びにアプリケーション130の各ソフト
ウェアをそれぞれプロセスとして並列実行する。
【0055】SRM123のプロセスは、SCS122
とともにシステムの制御およびリソースの管理を行うも
のである。SRM123のプロセスは、スキャナ部やプ
リンタ部などのエンジン、メモリ、HDDファイル、ホ
ストI/O(セントロI/F、ネットワークI/F、I
EEE1394 I/F、RS232C I/Fなど)
のハードウェア資源を利用する上位層からの要求にした
がって調停を行い、実行制御する。
【0056】具体的には、このSRM123は、要求さ
れたハードウェア資源が利用可能であるか(他の要求に
より利用されていないかどうか)を判断し、利用可能で
あれば要求されたハードウェア資源が利用可能である旨
を上位層に伝える。また、SRM123は、上位層から
の要求に対してハードウェア資源の利用スケジューリン
グを行い、要求内容(例えば、プリンタエンジンにより
紙搬送と作像動作、メモリ確保、ファイル生成など)を
直接実施している。
【0057】SCS122のプロセスは、プロセス内に
通常モードスレッドとプログラム起動モードスレッドと
を起動し、各スレッドを並列実行する。通常モードスレ
ッドは、アプリ管理、操作部制御、システム画面表示、
LED表示、リソース管理、割り込みアプリ制御などを
行う。また、プログラム起動モードスレッドは、アプリ
ケーションやコントロールサービスの起動要求のメッセ
ージを受信し、後述するSDRAM203の利用状況に
従って、起動要求のあったアプリケーションやコントロ
ールサービスのプログラムをフラッシュROM204か
らSDRAM203にコピーして起動する。
【0058】SCS122のプログラム起動モードスレ
ッドは、本発明における転送手段,転送先判断手段、起
動手段および通知手段を構成する。なお、SCS122
のプログラム起動モードスレッドの動作の詳細について
は後述する。
【0059】ECS124のプロセスは、白黒ラインプ
リンタ(B&W LP)101、カラーラインプリンタ(Col
or LP)102、スキャナ、ファクシミリなどからなる
ハードウェアリソース103のエンジンの制御を行う。
【0060】MCS125のプロセスは、画像メモリの
取得および解放、ハードディスク装置(HDD)の利
用、画像データの圧縮および伸張などを行う。
【0061】OCS126のプロセスは、オペレータと
本体制御間の情報伝達手段となる操作パネル(オペレー
ションパネル)の制御を行う。
【0062】FCS127のプロセスは、システムコン
トローラの各アプリ層からPSTN/ISDN網を利用
したファクシミリ送受信、BKM(バックアップSRA
M)で管理されている各種ファクシミリデータの登録/
引用、ファクシミリ読みとり、ファクシミリ受信印刷、
融合送受信を行うためのAPIを提供する。
【0063】NCS128は、ネットワークI/Oを必
要とするアプリケーションに対して共通に利用できるサ
ービスを提供するためのプロセスであり、ネットワーク
側から各プロトコルによって受信したデータを各アプリ
ケーションに振り分けたり、アプリケーションからデー
タをネットワーク側に送信する際の仲介を行う。
【0064】アプリケーション130は、プリンタ、コ
ピー、スキャナまたはファクシミリなどの画像形成処理
にかかるユーザサービスにそれぞれ固有の処理を行うも
のである。
【0065】アプリケーション130は、ページ記述言
語(PDL)、PCLおよびポストスクリプト(PS)
を有するプリンタ用のアプリケーションであるプリンタ
アプリ111と、コピー用アプリケーションであるコピ
ーアプリ112と、ファクシミリ用アプリケーションで
あるファックスアプリ113と、スキャナ用アプリケー
ションであるスキャナアプリ114と、ネットワークフ
ァイル用アプリケーションであるネットファイルアプリ
115と、工程検査用アプリケーションである工程検査
アプリ116とを有している。
【0066】複合機起動部140は、複合機100の電
源投入時にまずはじめに実行され、SDRAM203に
後述する画像メモリ領域、仮想メモリ領域およびカーネ
ル用領域を確保し、汎用OS121、プラットホーム1
20やアプリケーション130を起動する。なお、複合
機起動部140は、本発明における領域確保手段を構成
する。
【0067】図2は、図1に示した実施の形態1の複合
機のハードウェア構成図である。図2に示すように、こ
の複合機は、CPU202、SDRAM203、SRA
M208、フラッシュメモリ204、HDD205およ
びネットワークインターフェースコントローラ209な
どをASIC201に接続したコントローラボード20
0と、オペレーションパネル210と、ファックスコン
トロールユニット(FCU)220と、USBデバイス
230と、IEEE1394デバイス240と、エンジン部
250とから構成されている。
【0068】オペレーションパネル210は、ASIC
201に直接接続されている。FCU220、USBデ
バイス230、IEEE1394デバイス240およびエン
ジン部250は、PCIバスを介してASIC201に
接続されている。例えばFCU220は、電話網に接続
されている。また、USBデバイス230およびIEE
E1394デバイス240は、他の端末に接続されてい
る。
【0069】フラッシュメモリ(以下、「ROM」とい
う。)204は、本発明における読み出し専用メモリを
構成するものであり、上述のプラットホーム120およ
びアプリケーション130を構成する各コントロールサ
ービス,SRM123,各アプリのプログラムが格納さ
れている。なお、コントロールサービスまたはアプリの
一部又は全部は、圧縮形式で格納されている。また、R
OM204には、後述する設定ファイルも格納されてい
る。
【0070】SRAM208は、バッテリを用いた不揮
発性メモリである。ネットワークインターフェースコン
トローラ209は、ネットワークに接続されている他の
機器とMACアドレスなどを用いて通信する。
【0071】SDRAM(以下、「RAM」という。)
203は、本発明における書き換え可能メモリを構成す
るものである。このRAM203には、複合機100の
起動時に、複合機起動部140によって、汎用OS12
1などが使用するカーネル用の領域と、画像データを格
納する画像メモリ領域と、各種アプリやコントロールサ
ービスが使用する仮想メモリ領域が確保される。
【0072】図3(a)は、実施の形態1にかかる複合
機100におけるRAM203のメモリマップを示す説
明図である。また、図3(b)は、仮想メモリ領域のメ
モリマップを示す説明図である。
【0073】画像メモリ領域は、複合機100の起動
時、複合機起動部140により、搭載されているアプリ
の数などから予想される画像データの格納に十分なサイ
ズで確保される。また、画像メモリ領域はMCS125
により管理される。
【0074】仮想メモリ領域は、RAM203の画像メ
モリ領域を除いた領域の中から確保される。SCS12
2のプログラム起動モードスレッドは、ROM204に
格納されている各アプリおよび各コントロールサービス
のプログラムをこの仮想メモリ領域にコピーする。仮想
メモリ領域は、複合機100の起動時に複合機起動部1
40によってRAM203に確保される。しかし、実際
にプログラムが占有する領域は、各プログラムがその実
行時(ロード時)にコピーされるときに確保されること
になる。
【0075】このように、RAM203にコピーされた
プログラムにアクセスすることにより、RAM203が
ROMとみなされるため、プログラムの実行処理速度が
向上することになる。
【0076】次に、以上のように構成された実施の形態
1にかかる複合機100によるROM204に格納され
たプログラムのRAM203への転送およびプログラム
の起動処理について説明する。
【0077】実施の形態1の複合機100では、かかる
転送処理および起動処理はSCS122のプロセスのプ
ログラム起動モードスレッドによって通常モードスレッ
ドと並列に実行される。このため、アプリやコントロー
ルサービスのプログラム起動要求があった場合でも、S
CS122によるシステム制御やリソース管理などのユ
ーザサービス提供時に行われる処理を停止することな
く、転送処理とプログラム起動処理を実行することが可
能となる。
【0078】図4は、SCS122のプロセスのプログ
ラム起動モードスレッドによって実行されるプログラム
の転送処理および起動処理の手順を示すフローチャート
である。
【0079】まず、複合機100の動作中に、RAM2
03にまだロードされていないプログラムの起動要求メ
ッセージがSCS122のプロセスに対して送信され
る。ここで、この起動要求メッセージは、例えばユーザ
がオペレーションパネル210でコピー、プリンタ、フ
ァックスなどの機能を選択したときに、キーイベントを
OCS126で取得することによって、選択された機能
に該当するプログラムの起動要求として生成される。
【0080】生成された起動要求メッセージは、SCS
122のプロセスに対しメッセージ送信というプロセス
間通信によって送信される。例えば、ユーザがファック
ス機能を選択した場合には、ファックスアプリ113お
よびFCS127のプログラムの起動要求メッセージが
SCS122のプロセスに送信される。また、この起動
要求メッセージには、ネットワークに接続された他の複
合機からNCS128を介してSCS122に送信され
るようなものも含まれる。SCS122のプログラム起
動モードスレッドは、アプリやコントロールサービスの
プログラム起動要求メッセージを受信すると(ステップ
S401)、ROM204に格納されている設定ファイ
ルを読み込む(ステップS402)。
【0081】図5は、実施の形態1の複合機100で使
用される設定ファイルの一例を示す説明図である。図5
に示すように、設定ファイルには、ROM204に格納
されたアプリおよびコントロールサービスのプログラム
名と、各プログラム名に対応した優先度が記述されてい
る。この優先度は、プログラムの起動順序を示すもので
ある。例えば、図5において優先度1のECSプログラ
ム(ecs_prg)は、優先度2のコピーアプリプロ
グラム(copy_app)より先に起動されていなけ
ればならないことを示している。
【0082】図6は、実施の形態2の複合機100で使
用される設定ファイルの他の一例を示す説明図である。
図6の設定ファイルでは、ROM204に格納されたア
プリおよびコントロールサービスのプログラム名と,各
プログラム名に対応した転送先と,各プログラム名に対
応した優先度と,各プログラム名に対応したMUST/
WANTが記述されている。
【0083】図6の転送先は、プログラムの転送先を示
すものである。例えば、図6において転送先VMのEC
Sプログラム(ecs_prg)は、RAM203の仮
想メモリ領域に転送される。また、転送先PREMAP
のFCSプログラム(fcs_prg)は、RAM20
3の画像メモリ領域に転送される。
【0084】なお、転送先がVM,PREMAPのプリ
ンタアプリプログラム(print_app)は、まず
RAM203の仮想メモリ領域に転送され、仮想メモリ
領域に転送できないときにRAM203の画像メモリ領
域に転送される。
【0085】図6のMUST/WANTは、必ず転送す
る必要があるか否かを表すものである。MUSTは、そ
のプログラムが必ず転送する必要のあるプログラムであ
ることを表している。また、WANTは、そのプログラ
ムが必ずしも転送する必要のないプログラムであること
を表している。
【0086】例えば、図6においてMUSTのECSプ
ログラム(ecs_prg)は、必ず仮想メモリ領域に
転送される。また、WANTのFCSプログラム(fc
s_prg)は、必ずしもRAM203の画像メモリ領
域に転送されない。
【0087】ステップS402で読み込む設定ファイル
は、図5,図6に示した設定ファイルの何れでも良い
が、以下、図5の設定ファイルの例について説明する。
SCS122のプログラム起動モードスレッドでは、読
み込んだ設定ファイルから起動要求のあったプログラム
の優先度より高い優先度のプログラムがRAM203に
すでにロードされているか否かをチェックする(ステッ
プS403)。
【0088】そして、まだロードされていない場合に
は、起動順序が正しくないため起動要求のあったプログ
ラムの転送および起動は行わず処理を終了する。一方、
すでにRAM203にロードされている場合には、起動
要求のあったコントロールサービスまたはアプリのRO
M204に格納されているプログラムのサイズをファイ
ル情報などから取得する(ステップS404)。ここ
で、プログラムがROM204に圧縮形式で格納されて
いる場合には、圧縮形式のプログラムのファイル情報な
どから伸張後のサイズを取得する。
【0089】ついで、RAM203の仮想メモリ領域の
空き容量を取得し(ステップS405)、ステップS4
04で取得したプログラムサイズと比較する(ステップ
S406)。
【0090】そして、比較の結果、仮想メモリ領域の空
き容量がプログラムサイズ以上のときには、ROM20
4上のプログラムが圧縮形式か否かを判断する(ステッ
プS407)。圧縮形式でない場合には、起動要求のあ
ったプログラムを単にROM204からRAM203に
コピーする(ステップS409)。起動要求のあったプ
ログラムが圧縮形式でROM204に格納されている場
合には、伸張処理を行った上で(ステップS408)、
仮想メモリ領域にコピーする(ステップS409)。そ
して、仮想メモリ領域にコピーされたプログラムを起動
する(ステップS415)。
【0091】ステップS406の比較の結果、仮想メモ
リ領域の空き容量がプログラムサイズより小さいときに
は、画像メモリ領域をプログラムの実行に使用する旨の
メッセージをオペレーションパネルに表示するなどを行
ってユーザに通知し(ステップS410)、ユーザの応
答待ち状態となる。ユーザからプログラムを起動しない
旨の応答があった場合には(ステップS411)、プロ
グラムの転送処理および起動処理を行わずに処理を終了
する。
【0092】ユーザからプログラムを起動する旨の応答
があった場合には(ステップS411)、ステップS4
07およびS408と同様に、ROM204に格納され
たプログラムが圧縮形式の場合に伸張処理を行い(ステ
ップS412、S413)、圧縮形式でない場合にその
ままROM204上のプログラムをRAM203の画像
メモリ領域にコピーする(ステップS414)。そし
て、画像メモリ領域にコピーされたプログラムを起動す
る(ステップS415)。
【0093】これらの処理によって、プログラムの優先
度と仮想メモリ領域の空き容量に従って、起動要求のあ
ったコントロールサービスまたはアプリのプログラムが
ROM204からRAM203にコピーされて起動さ
れ、プロセスが生成されることになる。
【0094】次に、このようなプログラムの転送および
起動処理を、具体的な例を示して説明する。図7は、実
施の形態1にかかる複合機100におけるROM204
上のファックスアプリのプログラムfax_appとF
CS127のプログラムfcs_prgの配置を一例と
して示した説明図である。
【0095】図7に示すように、fax_appは圧縮
形式となっており、圧縮前のプログラムサイズは800
kByte、圧縮後のプログラムサイズは400kBy
teとなっている。また、fcs_prgは圧縮形式で
はなく、プログラムサイズは500kByteとなって
いる。
【0096】図8(a)は、RAM203の容量が64
MByteであるときのプログラムの転送処理および起
動処理の実行前のRAM203の状態を示す説明図であ
る。図8(b)は、図7に示したROM204上のプロ
グラムを、仮想メモリの空き容量と図5に示した設定フ
ァイルの優先度に基づいてRAM203へ転送して起動
処理を実行した後のRAM203の状態を示す説明図で
ある。図8(a)に示すように、実行前では、RAM2
03の仮想メモリ領域の空き容量は800kByteと
なっている。
【0097】ここで、ユーザ操作によりファックスアプ
リ113とFCS127のプログラムの起動要求があっ
た場合を考える。なお、図8(a)において、他のアプ
リ、他のコントロールサービスおよびSRM123はす
でに仮想メモリ領域にロードされているものと仮定す
る。
【0098】この場合、まずファックスアプリ113の
プログラムfax_appの転送処理を開始する。図5
の設定ファイルではfax_appの優先度が4であ
り、fcs_prgの優先度が3で、fcs_prgの
優先度の方がfax_appより高い。また、RAM2
03にはfcs_prgがまだロードされておらず存在
しないため、fax_appのRAM203への転送お
よび起動はfcs_prgの転送および起動後に行われ
る。
【0099】fcs_prgのプログラムサイズが50
0kByteで、仮想メモリ領域の空き容量800kB
yteより小さいため、fcs_prgは仮想メモリ領
域にコピーされて起動される。これにより、仮想メモリ
領域の空き容量は300kByteに減少する。
【0100】ついで、fax_appの転送処理を開始
する。すでにfcs_appがRAM203の仮想メモ
リ領域にロードされて存在しているため、fax_ap
pの転送が可能な状態となっている。しかし、fax_
appの圧縮前のプログラムサイズが800kByte
で、現時点における仮想メモリ領域の空き容量300k
Byteより大きいため、fax_appの転送先は仮
想メモリ領域ではなく画像メモリ領域と決定される。そ
して、図8(b)に示すように、fax_appは伸張
されて画像メモリ領域にコピーされ、その後起動され
る。
【0101】このように実施の形態1にかかる複合機1
00では、SCS122のプログラム起動モードスレッ
ドがアプリまたはコントロールサービスの起動要求メッ
セージを受信したときに、ROM204に格納されてい
る起動要求のあったアプリまたはコントロールサービス
のプログラムを、仮想メモリ領域の空き容量に基づいて
仮想メモリ領域にコピーするか、あるいは画像メモリ領
域にコピーするかを決定している。
【0102】決定された転送先にプログラムをコピーし
て起動しているので、実施の形態1にかかる複合機10
0は、仮想メモリ領域の空き容量が十分でない場合であ
っても、画像メモリ領域を利用してプログラムの起動が
可能となり、RAM203の利用効率を高めることがで
きる。
【0103】とくに、ファックスアプリ113やFCS
127のプログラムサイズの例に示すように、各コント
ロールサービスおよび各アプリのプログラムサイズは、
せいぜい1MByte以内の小さなものである。したが
って、RAM203にプロセス単位で確保および解放さ
れる領域のサイズは小さくなり、画像メモリ領域にプロ
グラムをコピーした場合でも画像形成処理に及ぼす影響
は小さくなる。このため、画像形成処理にかかるユーザ
サービスに支障をきたすことなく、メモリの利用効率を
高めることが可能となる。
【0104】また、実施の形態1にかかる複合機100
では、設定ファイルに定められたプログラムの優先度に
基づいてプログラムのRAM203へのコピーの可否を
判断しているので、コントロールサービスが起動した状
態で、コントロールサービス層の上で動作する各アプリ
を起動することができ、起動順序の誤りが原因で各アプ
リのプロセス生成が不可能になるという障害を防止する
ことができる。
【0105】なお、実施の形態1にかかる複合機100
では、優先度を設定した設定ファイルを用いてプログラ
ムのRAM203へのコピーの可否を判断しているが、
設定ファイルを用いずにSCS122のプログラムに各
プログラムごとの優先度の記述を組み込んで判断するよ
うに構成してもよい。
【0106】また、実施の形態1にかかる複合機100
では、設定ファイルをROM204に組み込んでいる
が、HDD205などに格納して、設定ファイルを任意
に書き換え可能として構成しても良い。
【0107】さらに、実施の形態1の複合機100で
は、RAM203の利用状況として仮想メモリ領域の空
き容量を採用しているが、RAM203の全体容量や仮
想メモリ領域と画像メモリ領域の割合など他の利用状況
に基づいて転送先を判断しても良い。 (実施の形態2)実施の形態1の複合機100では、R
AM203へのプログラムのコピーの可否を、優先度に
基づいて判断するものであったが、この実施の形態2に
かかる複合機100は、起動要求のあったプログラムに
関連する他のプログラムがすでにRAM203に存在し
ているか否かをチェックしてコピーの可否を判断するも
のである。
【0108】実施の形態2にかかる複合機100の構
成、ハードウェア構成およびRAM203の仮想メモリ
領域と画像メモリ領域のメモリマップについては、実施
の形態1の複合機100と同様であるので説明を省略す
る。
【0109】実施の形態2の複合機100におけるSC
S122のプログラム起動モードスレッドによるプログ
ラムの転送処理および起動処理は次のように行われる。
図9は、SCS122のプロセスのプログラム起動モー
ドスレッドによって実行されるプログラムの転送処理お
よび起動処理の手順を示すフローチャートである。
【0110】まず、SCS122のプログラム起動モー
ドスレッドでは、実施の形態1と同様にアプリやコント
ロールサービスのプログラム起動要求メッセージを受信
すると(ステップS801)、ROM204に格納され
ている設定ファイルを読み込む(ステップS802)。
【0111】図10は、実施の形態2の複合機100で
使用される設定ファイルの一例を示す説明図である。図
10に示すように、設定ファイルには、ROM204に
格納されたアプリケーションおよびコントロールサービ
スのプログラム名と、各プログラムに関連する他のプロ
グラムのプログラム名が記述されている。
【0112】この関連するプログラムは、プログラムの
起動時に、すでに実行されている必要があるプログラム
を示すものである。例えば、図10においてファックス
アプリプログラム(fax_app)は、FCSプログ
ラム(fcs_prg)とprint_subがともに
RAM203にロードされて実行されている状態で、起
動しなければならないことを示している。
【0113】SCS122のプログラム起動モードスレ
ッドは、読み込んだ設定ファイルから起動要求のあった
プログラムに関連するプログラム名を取得し、当該関連
するプログラムがRAM203にすでにロードされてい
るか否かをチェックする(ステップS803)。
【0114】まだロードされていない場合には、起動順
序が正しくないため起動要求のあったプログラムの転送
および起動は行わず処理を終了する。一方、すでにRA
M203にロードされている場合には、起動要求のあっ
たコントロールサービスまたはアプリのプログラムのサ
イズをファイル情報などから取得する(ステップS80
4)。ここで、プログラムがROM204に圧縮形式で
格納されている場合には、圧縮形式のプログラムのファ
イル情報などから伸張後のサイズを取得する。
【0115】これ以降の転送処理および起動処理(ステ
ップS805〜S815)については、実施の形態1で
説明した図4のステップS405からS415までの処
理と同様であるため説明を省略する。
【0116】次に、このようなプログラムの転送および
起動処理を、具体的な例を示して説明する。図11
(a)は、RAM203の容量が96MByteである
ときのプログラムの転送処理および起動処理の実行前の
RAM203の状態を示す説明図である。図11(b)
は、図7に示したROM204上のプログラムを、仮想
メモリの空き容量と図10に示した設定ファイルの関連
プログラムに基づいてRAM203へ転送して起動処理
を実行した後のRAM203の状態を示す説明図であ
る。
【0117】図11(a)に示すように、実行前では、
RAM203の仮想メモリ領域の空き容量は1.5MB
yteとなっている。ここで、ユーザ操作によりファッ
クスアプリ113とFCS127のプログラムの起動要
求があった場合を考える。なお、図11(a)におい
て、他のアプリ、他のコントロールサービスおよびSR
M123はすでに仮想メモリ領域にロードされているも
のと仮定する。
【0118】この場合、まずファックスアプリ113の
プログラムfax_appの転送処理を開始する。ここ
で、図10の設定ファイルはfax_appの関連プロ
グラムがfcs_prgとprint_subであるこ
とを表している。
【0119】print_subはプリンタアプリプロ
グラムprint_appの中であるためRAM203
にロードされている。なお、fcs_prgはまだロー
ドされていない。このため、fax_appのRAM2
03への転送および起動はfcs_prgの転送および
起動後に行われる。
【0120】fcs_prgのプログラムサイズが50
0kByteで、仮想メモリ領域の空き容量1.5MB
yteより小さいため、fcs_prgは仮想メモリ領
域にコピーされて起動される。これにより、仮想メモリ
領域の空き容量は1MByteに減少する。
【0121】ついで、fax_appの転送処理を開始
する。すでにprint_appおよびfcs_app
がRAM203の仮想メモリ領域にロードされて実行さ
れているため、fax_appの転送が可能な状態とな
っている。fax_appの圧縮前のプログラムサイズ
が800kByteで、現時点における仮想メモリ領域
の空き容量1MByteより小さいため、fax_ap
pの転送先は仮想メモリ領域と決定される。そして、図
11(b)に示すように、fax_appは伸張されて
仮想メモリ領域にコピーされ、その後起動される。
【0122】このように実施の形態2にかかる複合機1
00では、SCS122のプログラム起動モードスレッ
ドが、起動要求があったコントロールサービスまたはア
プリのプログラムの実行に必要な他のプログラムがすで
にRAM203上に存在しているときに、起動要求のあ
ったプログラムをRAM203に転送して起動してい
る。したがって、実施の形態2にかかる複合機100
は、必要なプログラムがまだ起動されていないことに起
因するコントロールサービスまたはアプリの起動時のエ
ラーの発生を防止することができ、起動順序に沿ったプ
ログラム実行を行えるようになっている。
【0123】なお、実施の形態2にかかる複合機100
では、関連プログラムを設定した設定ファイルを用いて
プログラムのRAM203へのコピーの可否を判断して
いるが、設定ファイルを用いずにSCS122のプログ
ラムに各プログラムごとの関連プログラムの記述を組み
込んで判断するように構成してもよい。
【0124】また、実施の形態2にかかる複合機100
では、設定ファイルをROM204に組み込んでいる
が、ハHDD205などに格納して、設定ファイルを任
意に書き換え可能として構成しても良い。
【0125】さらに、実施の形態2の複合機100で
は、RAM203の利用状況として仮想メモリ領域の空
き容量を採用しているが、RAM203の全体容量や仮
想メモリ領域と画像メモリ領域の割合など他の利用状況
に基づいて転送先を判断しても良い。 (実施の形態3)実施の形態1および2にかかる複合機
100では、起動要求のあったプログラムのRAM20
3への転送処理および起動処理をSCS122のプログ
ラム起動モードスレッドで行っている。この実施の形態
3の複合機100は、かかる転送処理および起動処理を
アプリケーションで行うものである。
【0126】図12は、実施の形態3にかかる複合機の
構成を示すブロック図である。実施の形態3の複合機1
00が実施の形態1の複合機と異なる点は、図12に示
すとおり、プログラム起動アプリ117を備えた点であ
る。なお、ハードウェア構成および仮想メモリ領域と画
像メモリ領域のメモリマップは実施の形態1で説明した
図3と同様であるので説明を省略する。
【0127】プログラム起動アプリ117は、本発明に
おける転送手段,転送先判断手段、起動手段および通知
手段を構成するものである。プログラム起動アプリ11
7はアプリケーション層のプロセスとして動作し、アプ
リやコントロールサービスの起動要求のメッセージを受
信する。
【0128】プログラム起動アプリ117は、仮想メモ
リ領域の空き容量に従って起動要求のあったアプリやコ
ントロールサービスのプログラムをROM204からR
AM203にコピーして起動する。また、プログラム起
動アプリ117は、プログラムごとの優先度が設定され
た設定ファイルに基づいてプログラムのコピーの可否を
判断する。なお。プログラム起動アプリ117によるプ
ログラムのRAM203への転送処理および起動処理
は、実施の形態1の複合機100と同様であるため説明
を省略する。
【0129】このように実施の形態3にかかる複合機で
は、プログラムのRAM203への転送処理および起動
処理を行うプログラム起動アプリ117を有しているの
で、コントロールサービスとアプリ間のアプリケーショ
ンインタフェース(API)を利用してコントロールサ
ービスまたはアプリの起動要求の受信をすることができ
る。コントロールサービスおよびアプリは、別個に転送
処理および起動処理を行うプロセスを生成する場合に比
べて、ソフトウェア開発の労力を軽減することができ
る。
【0130】なお、実施の形態3にかかる複合機100
では、図12に示すように、プログラムのRAM203
への転送処理および起動処理を行うプロセスをアプリケ
ーション層に設けているが、同様の機能を実行するプロ
セスをコントロールサービス層にSCS122と別個に
設けた構成としても良い。
【0131】前述した実施の形態1〜3では、プリン
タ,FAXなどの機能単位の各アプリおよび各コントロ
ールサービスのプログラムを、ROM204からRAM
203に転送する例について説明したが、機能単位を構
成するモジュール群に限ることなく、モジュール単位に
転送先を決定してもよい。
【0132】例えばプリンタアプリプログラムを構成す
る一部のモジュール又はモジュール群を仮想メモリ領域
に転送し、残りのモジュール又はモジュール群を画像メ
モリ領域に転送することも可能である。
【0133】本発明は、上記の実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の範囲内で種々の変形や変更が可能で
ある。
【0134】
【発明の効果】以上説明したように、発明によれば、画
像形成処理に支障を来すことなく、書き換え可能メモリ
の利用効率を高めることが可能な画像形成装置を実現で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1にかかる複合機の構成を示すブロ
ック図である。
【図2】実施の形態1の複合機のハードウェア構成図で
ある。
【図3】SDRAMのメモリマップを示す説明図であ
る。
【図4】実施の形態1にかかる複合機において、SCS
のプロセスのプログラム起動モードスレッドによって実
行されるプログラムの転送処理および起動処理の手順を
示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1の複合機で使用される設定ファイ
ルの一例を示す説明図である。
【図6】実施の形態1の複合機で使用される設定ファイ
ルの他の一例を示す説明図である。
【図7】実施の形態1の複合機におけるROM上のファ
ックスアプリのプログラムとFCSのプログラムの配置
を一例として示した説明図である。
【図8】実施の形態1の複合機においてRAMの容量が
64MBであるときのプログラムの転送処理および起動
処理の実行前及び実行後のRAMの状態を示す説明図で
ある。
【図9】実施の形態2にかかる複合機において、SCS
プロセスのプログラム起動モードスレッドによって実行
されるプログラムの転送処理および起動処理の手順を示
すフローチャートである。
【図10】実施の形態2の複合機で使用される設定ファ
イルの一例を示す説明図である。
【図11】実施の形態2の複合機において、RAMの容
量が96MBであるときのプログラムの転送処理および
起動処理の実行前及び実行後のRAMの状態を示す説明
図である。
【図12】実施の形態3にかかる複合機の構成を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
100 複合機 101 白黒ラインプリンタ 102 カラーラインプリンタ 103 ハードウェアリソース 110 ソフトウェア群 111 プリンタアプリ 112 コピーアプリ 113 ファックスアプリ 114 スキャナアプリ 115 ネットファイルアプリ 116 工程検査アプリ 117 プログラム起動アプリ 120 プラットホーム 121 汎用OS 122 SCS 123 SRM 124 ECS 125 MCS 126 OCS 127 FCS 128 NCS 130 アプリケーション 140 複合機起動部 200 コントローラボード 201 ASIC 202 CPU 203 SDRAM(RAM) 204 フラッシュメモリ(ROM) 205 HDD 208 SRAM 209 ネットワークインターフェースコントローラ 210 オペレーションパネル 230 USBデバイス 240 IEEE1394デバイス 250 エンジン部

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 書き換え可能メモリ上に、オペレーティ
    ングシステムが管理する仮想メモリ領域と、オペレーテ
    ィングシステム以外が管理する画像データ格納用の画像
    メモリ領域とを確保するメモリ確保手段と、 プログラムの起動要求があったときに、読み出し専用メ
    モリ上に組み込まれたプログラムのうち前記起動要求の
    あったプログラムを、前記仮想メモリ領域又は画像メモ
    リ領域に転送する転送手段と、 前記転送手段により転送された前記プログラムを起動す
    る起動手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記プログラムごとに予め定められてい
    る転送先に基づいて、前記起動要求のあったプログラム
    の転送先を、前記仮想メモリ領域又は画像メモリ領域の
    何れかに決定する転送先判断手段を更に備えたことを特
    徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記書き換え可能メモリの利用状況に基
    づいて、前記起動要求のあったプログラムの転送先を、
    前記仮想メモリ領域又は画像メモリ領域の何れかに決定
    する転送先判断手段を更に備えたことを特徴とする請求
    項1記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記画像形成装置は、画像形成処理で使
    用されるハードウェア資源と、画像形成処理に係るユー
    ザサービスおよびコントロールサービスの処理を行う1
    つ以上のプログラムのプロセスとを備えたことを特徴と
    する請求項1乃至3何れか一項記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記転送先判断手段は、前記仮想メモリ
    領域の空き容量が前記起動要求があった前記プログラム
    のサイズより小さいときに、前記転送先を前記画像メモ
    リ領域に決定することを特徴とする請求項3に記載の画
    像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記転送先判断手段により前記転送先が
    前記画像メモリ領域に決定された場合に、その旨をユー
    ザに通知する通知手段をさらに備えたことを特徴とする
    請求項3又は5記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記転送手段は、前記起動要求のあった
    前記プログラムが前記読み出し専用メモリ上に圧縮形式
    で格納されているときに、圧縮形式の前記プログラム
    を、転送の際に伸張することを特徴とする請求項1乃至
    6何れか一項記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記転送手段は、前記プログラムごとに
    予め定められている優先度に基づいて、前記プログラム
    を前記仮想メモリ領域又は画像メモリ領域に転送するこ
    とを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記起動手段は、前記優先度に基づいて
    前記仮想メモリ領域又は画像メモリ領域の何れかに転送
    された前記プログラムを起動することを特徴とする請求
    項8記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記コントロールサービスは、前記ユ
    ーザサービスより高い優先度を有するものであり、 前記転送手段は、優先度の高いプログラムを優先的に前
    記転送先に転送することを特徴とする請求項8又は9記
    載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記転送手段は、前記起動要求があっ
    た前記コントロールサービスまたはユーザサービスのプ
    ログラムに関連する他のプログラムがすでに前記書き換
    え可能メモリ上に存在しているときに、前記起動要求の
    あったプログラムを前記転送先に転送することを特徴と
    する請求項4記載の画像形成装置。
  12. 【請求項12】 前記転送手段は、前記コントロールサ
    ービスのプログラムがすでに前記書き換え可能メモリ上
    に存在しているときに、前記読み出し専用メモリ上に格
    納された前記ユーザサービスのプログラムを前記転送先
    に転送することを特徴とする請求項4記載の画像形成装
    置。
  13. 【請求項13】 前記ユーザサービスは、前記転送手
    段,転送先判断手段および前記起動手段として動作する
    プログラム起動アプリをさらに備えたことを特徴とする
    請求項4記載の画像形成装置。
  14. 【請求項14】 前記コントロールサービスは、システ
    ムの制御およびリソースの管理を行うシステムコントロ
    ールサービスのプロセスを備え、 前記システムコントロールサービスのプロセスは、前記
    転送手段,転送先判断手段および前記起動手段として動
    作することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  15. 【請求項15】 前記システムコントロールサービスの
    プロセスは、ユーザサービスを提供する際に実行される
    通常モードスレッドと、前記転送手段,転送先判断手段
    および前記起動手段として動作するプログラム起動モー
    ドスレッドとを含んでいることを特徴とする請求項14
    記載の画像形成装置。
  16. 【請求項16】 前記プログラムの起動要求は、前記画
    像形成装置の起動後に行う前記プログラムごとの起動要
    求であることを特徴とする請求項1乃至15何れか一項
    記載の画像形成装置。
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