JP2003195341A - 積層型液晶表示素子 - Google Patents

積層型液晶表示素子

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JP2003195341A
JP2003195341A JP2001391134A JP2001391134A JP2003195341A JP 2003195341 A JP2003195341 A JP 2003195341A JP 2001391134 A JP2001391134 A JP 2001391134A JP 2001391134 A JP2001391134 A JP 2001391134A JP 2003195341 A JP2003195341 A JP 2003195341A
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JP
Japan
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crystal display
substrate
crystal material
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JP2001391134A
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Nobuyuki Kobayashi
信幸 小林
Shoji Kotani
昌二 小谷
Hideaki Ueda
秀昭 植田
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 コレステリック相特性を有する積層型液晶表
示素子であって、黒色などの背景色を利用して画像表示
を行う場合、背景色品位(例えば黒色品位)が高く、コ
ントラスト良好な積層型液晶表示素子を提供する。 【解決手段】 上下一対の基板11、12間に挟持さ
れ、可視波長域の光を選択反射可能であるコレステリッ
ク相特性を有する液晶材料層r、g、bが積層型液晶表
示素子において、液晶材料層r、g、bのうち一つの液
晶材料層と該液晶材料層を挟持している基板11、12
に関して、該基板面に対して垂直方向に両基板11、1
2から離れた領域Mにおける液晶材料21r、21g、
21bは二つの分子配列状態について双安定状態を示
し、領域M外の両基板11、12の近傍領域N1 、N2
における液晶材料21r、21g、21bの分子配列状
態は互いに異なり、且つ、それぞれの分子配列状態は前
記二つの安定状態のうちいずれかと同じ又は略同じ状態
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層型液晶表示素
子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、基本的に一対の基板と
これら基板間に挟持された液晶材料層とを含んでいる。
この液晶材料層に駆動電圧を印加することで液晶分子の
配列を制御し、素子に入射される外光を変調して目的と
する画像の表示等を行う。
【0003】液晶表示方式は様々なものが提案されてい
る。近年、ネマティック液晶にカイラル材料を添加する
ことにより、室温においてコレステリック相を示すよう
にしたカイラルネマティック液晶などのコレステリック
相を示す液晶を用いた液晶表示素子が研究されている。
【0004】このタイプの液晶表示素子は、例えば、カ
イラルネマティック液晶の選択反射能を利用した低消費
電力駆動可能の反射型の液晶表示素子として用い得るこ
とが知られている。この反射型液晶表示素子では高低の
パルス電圧を印加することにより液晶をプレーナ状態
(着色状態)とフォーカルコニック状態(透明状態)に
切り替えて表示を行なうことができる。そして、これら
のプレーナ状態及びフォーカルコニック状態は電圧印加
を停止した後も保持されるという、いわゆる双安定性或
いはメモリー性を示し、これにより、電圧の印加を停止
した後も表示が保たれるようにすることが可能である。
【0005】この反射型の液晶表示素子には、黒色など
の背景色を利用したモノクロ(モノカラー)画像表示や
2色画像表示及びフルカラー画像表示を行うものがあ
る。
【0006】例えば、フルカラー表示を実現する一つの
方法として、赤色表示を行う赤色液晶材料層、緑色表示
を行う緑色液晶材料層及び青色表示を行う青色液晶材料
層の少なくとも三つの液晶材料層を含む積層型液晶表示
素子を採用することができる。かかる積層型液晶表示素
子では、プレーナ状態(着色状態)のときに赤色、緑
色、青色等を表示でき、フォーカルコニック状態(透明
状態)のときに黒色などの背景色を表示できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このコ
レステリック相を示す液晶を用いた反射型の液晶表示素
子においては、例えば、黒色などの背景色を利用して画
像表示を行う場合、背景色品位(黒色品位)があまり良
くないため、コントラストを向上させることが難しい。
【0008】そこで本発明は、それぞれが上下一対の基
板間に挟持され、可視波長域の光を選択反射可能である
コレステリック相特性を有する液晶材料層を複数積層し
た積層型液晶表示素子であって、例えば、黒色などの背
景色を利用して画像表示を行う場合、背景色品位(例え
ば黒色品位)が高く、ひいてはコントラスト良好な積層
型液晶表示素子を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するため鋭意研究を重ねたところ、次のことを見出
した。
【0010】すなわち、それぞれが上下一対の基板間に
挟持され、室温(例えば25℃)で可視波長域の光を選
択反射可能であるコレステリック相特性を有する液晶材
料層を複数積層した積層型液晶表示素子においては、前
記複数の液晶材料層のうち少なくとも一つの液晶材料層
と該液晶材料層を挟持している上下一対の基板に関し
て、該基板面に対して垂直方向に該両基板から十分に離
れた領域における液晶材料は、例えば、電界などの外部
刺激によりプレーナ状態(液晶分子のプレーナ配列状
態)及びフォーカルコニック状態(液晶分子のフォーカ
ルコニック配列状態)の二つの分子配列状態について双
安定状態を示し、該領域外の該両基板の近傍領域におけ
る液晶材料の分子配列状態は互いに異なり、且つ、それ
ぞれの分子配列状態は前記二つの安定状態のうちいずれ
かと同じ又は略同じ状態であるとき、例えば、黒色など
の背景色を利用して画像表示を行う場合、背景色(例え
ば黒色)を表示した際の視感反射率(Y値)が小さくな
る。このためコントラストを向上させることができる。
【0011】なお、コントラストを客観的に表すものと
してコントラスト比がある。コントラスト比は、例え
ば、黒色などの背景色を利用して画像表示を行った場
合、着色表示時の視感反射率(Y値)Y1 と背景色(例
えば黒色)表示時の視感反射率(Y値)Y2 との比(Y
1 /Y2 又はY1 :Y2 )で示すことができる。このY
1が大きいほど、またY2 が小さいほど素子のコントラ
ストが向上する。
【0012】このようにコントラストを向上させること
ができる理由としては、次のことが考えられる。すなわ
ち、前記液晶材料層を挟持している上下一対の基板との
液晶界面での液晶分子の配向状態について、片方の基板
においては、例えばフォーカルコニック状態に近い分子
配列状態をとっているため、該液晶界面での光の散乱が
少なく結果として背景色(例えば黒色)を表示したとき
の視感反射率(Y値)が小さくなったものと考えられ
る。
【0013】本発明はかかる知見に基づくものであり、
前記課題を解決するため、それぞれが上下一対の基板間
に挟持され、(室温(例えば25℃)で)可視波長域の
光を選択反射可能であるコレステリック相特性を有する
液晶材料層を複数積層した積層型液晶表示素子におい
て、前記複数の液晶材料層のうち少なくとも一つの液晶
材料層と該液晶材料層を挟持している上下一対の基板に
関して(従って前記複数の液晶材料層のそれぞれと該各
液晶材料層を挟持している上下一対の基板に関してでも
よい)、該基板面に対して垂直方向に該両基板から(十
分に)離れた領域における液晶材料は二つの分子配列状
態について双安定状態を示し、該領域外の該両基板の近
傍領域における液晶材料の分子配列状態は互いに異な
り、且つ、それぞれの分子配列状態は前記二つの安定状
態のうちいずれかと同じ又は略同じ状態である積層型液
晶表示素子を提供する。
【0014】本発明に係る積層型液晶表示素子は、コレ
ステリック相特性を有する液晶材料層の選択反射能を利
用した反射型の積層型液晶表示素子として用いることが
できる。この場合、例えば、黒色などの背景色を利用し
てモノクロ(モノカラー)画像表示や2色画像表示、さ
らにはフルカラー画像表示を行うことができる。
【0015】本発明に係る積層型液晶表示素子による
と、前記複数の液晶材料層のうち少なくとも一つの液晶
材料層と該液晶材料層を挟持している上下一対の基板に
関して、該基板面に対して垂直方向に該両基板から十分
に離れた領域における液晶材料は二つの分子配列状態に
ついて双安定状態を示し、該領域外の該両基板の近傍領
域における液晶材料の分子配列状態は互いに異なり、且
つ、それぞれの分子配列状態は前記二つの安定状態のう
ちいずれかと同じ又は略同じ状態であるので、例えば、
黒色などの背景色を利用して画像表示を行う場合、背景
色(例えば黒色)を表示した際の視感反射率(Y値)が
小さくなり、ひいてはコントラストを向上させることが
できる。
【0016】前記二つの分子配列状態について双安定状
態を示す場合としては、代表例として、電界などの外部
刺激によりプレーナ状態(液晶分子のプレーナ配列状
態)及びフォーカルコニック状態(液晶分子のフォーカ
ルコニック配列状態)の二つの分子配列状態について双
安定状態を示す場合を挙げることができる。なお、液晶
分子のプレーナ配列状態では液晶分子が基板面に対し平
行又は略平行な配向状態となり、可視波長領域の光を選
択反射可能な状態となる。また、液晶分子のフォーカル
コニック配列状態では基板面に対し垂直又は略垂直な配
向状態をとる液晶分子が多くなり、入射光を透過可能な
状態となる。
【0017】前記少なくとも一つの液晶材料層を挟持し
ている一対の基板のうち一方の基板の液晶に接する側の
表面には液晶分子の配向を該基板面に対して垂直又は略
垂直に揃えるための処理が施されていてもよい。こうす
ることで、該一方の基板との液晶界面での液晶分子の配
列をフォーカルコニック配列又はフォーカルコニック配
列に近い配列にできる。これにより該液晶界面での光の
散乱を少なくでき、結果として背景色(例えば黒色)を
表示したときの視感反射率(Y値)を小さくできる。こ
の場合、他方の基板の液晶に接する側の表面に施す処理
としては、液晶分子の配向を該基板面に対して平行又は
略平行に揃えるための処理を例示できる。
【0018】いずれにしても、前記液晶分子の配向を前
記基板面に対して垂直又は略垂直に揃えるための処理と
しては、例えば、ラビング処理やシランカップリング剤
などの垂直配向膜材料を基板上に被着する処理を挙げる
ことができる。例えば、基板面に垂直配向膜を設け、該
垂直配向膜をラビングすることで、該垂直配向膜の、液
晶分子の配向を揃える効果をより引き出させることがで
きる。
【0019】前記コレステリック相特性を有する液晶材
料層は、コレステリック相を示す液晶を含んでいてもよ
い。前記コレステリック相を示す液晶としては、代表例
として、コレステリック液晶、カイラルネマティック液
晶組成物を挙げることができる。
【0020】カイラルネマティック液晶組成物として
は、ネマティック液晶組成物にカイラル材料をネマティ
ック液晶組成物とカイラル材料の合計量に対して8重量
%〜40重量%程度混合することで得ることができるも
のを例示できる。いずれにしてもカイラルネマティック
液晶組成物は、必要に応じてイオン交換樹脂・吸着剤等
と接触させて精製を行い、水分や不純物を除去してもよ
い。このようなコレステリック相を示す液晶を用い、メ
モリ性を利用して表示を行う液晶表示素子においては、
原理的に配向膜は不要であり、配向膜を設ける場合でも
本質的に配向膜へのラビング処理は不要である。しか
し、上記構成、すなわち、前記両基板から離れた領域に
おける液晶材料は二つの分子配列状態について双安定状
態を示し、該領域外の該両基板の近傍領域における液晶
材料の分子配列状態は互いに異なり、且つ、それぞれの
分子配列状態は前記二つの安定状態のうちいずれかと同
じ又は略同じ状態である構成を実現するために、配向膜
を設けるのは極めて有効である。
【0021】いずれにしても、カイラルネマティック液
晶組成物に色素を添加してもよい。その場合、添加され
る色素としては、従来知られている各種色素を使用する
ことができ、液晶と相溶性の良好なものが好ましい。例
えば、アゾ化合物、キノン化合物、アントラキノン化合
物等からなる色素、或いは二色性色素等が使用可能であ
り、これらの色素を複数種類用いてもよい。添加量とし
ては、例えば、ネマティック液晶組成物とカイラル材料
の合計量に対して3重量%以下が望ましい。添加量が多
すぎると液晶の選択反射量が低くなり逆にコントラスト
が下がってしまう。
【0022】また、カイラルネマティック液晶組成物へ
の色素添加に代えてカラーフィルターを採用することも
できる。この場合、例えば液晶表示素子にフィルター層
を設けることができる。このフィルタ層に用いられる材
料としては、例えば、無色透明物質に色素を添加したも
のであってもよいし、色素を添加せずとも本質的に着色
状態にあるものであってもよい。例えば、フィルタ層が
色素と同様の働きをする特定の物質からなる薄膜であっ
てもよい。液晶表示素子を構成するための基板自体を以
上のようなフィルタ層材料で形成しても同様の効果が得
られる。
【0023】
【発明の実施の形態】(実施形態の構成と表示動作)図
1は本発明の一実施形態である反射型積層型液晶表示素
子の断面構造を示す概略図であり、図1(A)に高電圧
パルスを印加したときの液晶分子のプレーナ配列の安定
状態(R(赤色)G(緑色)B(青色)着色状態)を示
し、図1(B)に低電圧パルスを印加したときの液晶分
子のフォーカルコニック配列の安定状態(透明/黒色表
示状態)を示す。なお、この液晶表示素子はメモリー性
を有しており、液晶分子のプレーナ配列状態及びフォー
カルコニック配列状態の二つの安定状態はパルス電圧印
加後も維持できる。
【0024】図1に示す積層型液晶表示素子は、赤色表
示を行なう赤色液晶表示素子R、緑色表示を行なう緑色
液晶表示素子G、青色表示を行なう青色液晶表示素子B
の三つの液晶表示素子をこの順で積層したものである。
【0025】各液晶表示素子(R、G、B)は、それぞ
れ少なくとも一方(ここではいずれも)が透明な上下一
対の基板11、12間に、液晶材料である室温で可視光
中の特定波長の光を選択反射可能のカイラルネマティッ
ク液晶組成物21r、21g、21bと、基板11、1
2間のスペースを保持するスペース保持材(ここではス
ペーサー18及び柱状構造物20)とを含む液晶材料層
(赤色液晶材料層r、緑色液晶材料層g、青色液晶材料
層b)を挟持したものである。
【0026】図1の各液晶表示素子R、G、Bにおいて
は、11、12は透光性を有する透明基板であり、透明
基板11、12のそれぞれの表面に、互いに平行な複数
の帯状に形成された透明電極13、14が設けられてい
る。これらの電極13、14は基板に垂直な方向から見
て互いに交差するように向かい合わされている。電極上
には絶縁性薄膜がコーティングされていることが好まし
い。ここでは電極13、14上にそれぞれ絶縁性薄膜1
5がコーティングされている。また、絶縁性薄膜15の
上には配向膜16a、16bが設けられている。この配
向膜による液晶分子の配向は基板11、12ごとに異な
り、ここでは基板11側の絶縁膜15上には液晶分子の
配向を該基板面に対して平行又は略平行に揃えるための
配向膜16aが設けられており、基板12側の絶縁膜1
5上には液晶分子の配向を該基板面に対して垂直又は略
垂直に揃えるための配向膜16bが設けられている。
【0027】なお、各液晶表示素子R、G、Bのいずれ
においても液晶分子の配向を前記基板面に対して平行又
は略平行に揃えるための配向膜16aが設けられた基板
11は素子観察側Pに配置されている。以上説明したよ
うな配向膜配置により黒品位良好な素子を得ることがで
きる。
【0028】また光を入射させる側とは反対側の基板の
外面(裏面)には、必要に応じて、可視光吸収層が設け
られる。ここでは赤色素子Rにおける基板12の裏面に
可視光吸収層17が設けられている。
【0029】18、20はそれぞれスペース保持部材と
してのスペーサー、柱状構造物であり、21r、21
g、21bは、ここでは室温でコレステリック相を示す
カイラルネマティック液晶組成物である。24はシール
材であり、液晶組成物21r、21g、21bを基板1
1、12間に封入するためのものである。
【0030】25はパルス印加装置であり、各液晶表示
素子R、G、Bの前記電極13、14間にパルス状の所
定電圧を印加するためのものである。
【0031】この積層型液晶表示素子では、液晶材料層
r、g、bと該液晶材料層r、g、bをそれぞれ挟持し
ている上下一対の基板11、12に関して、該基板面に
対して垂直方向に両基板11、12から十分に離れた領
域における液晶材料21r、21g、21bは、高電圧
パルスの印加によるプレーナ状態(液晶分子のプレーナ
配列状態)及び低電圧パルスの印加によるフォーカルコ
ニック状態(液晶分子のフォーカルコニック配列状態)
の二つの分子配列状態について双安定状態を示し、該領
域外の両基板11、12の近傍領域における液晶材料2
1r、21g、21bの分子配列状態は互いに異なり、
且つ、それぞれの分子配列状態は前記二つの安定状態の
うちいずれかと同じ又は略同じ状態である。これについ
て図2を参照しながらさらに詳しく説明する。
【0032】図2は各液晶表示素子R、G、Bにおける
液晶材料21r、21g、21bの分子配列状態を説明
するための模式図である。図2(A)に高電圧パルスを
印加したときの液晶分子のプレーナ配列の安定状態及び
基板近傍領域における液晶分子の配列状態を示し、図2
(B)に低電圧パルスを印加したときの液晶分子のフォ
ーカルコニック配列の安定状態及び基板近傍領域におけ
る液晶分子の配列状態を示す。なお、図2では電極、絶
縁性薄膜等は図示を省略してある。
【0033】図2に示すように、基板面に対して垂直方
向(図中X方向)に両基板11、12から十分に離れた
領域Mにおける液晶材料21r、21g、21bは、プ
レーナ配列状態(図2(A)参照)及びフォーカルコニ
ック配列状態(図2(B)参照)の二つの分子配列状態
について双安定状態を示している。
【0034】そして、領域M外の基板11の近傍領域N
1 における液晶材料21r、21g、21bの分子配列
状態と、領域M外の基板12の近傍領域N2 における液
晶材料21r、21g、21bの分子配列状態とは互い
に異なっている。さらに説明すると、液晶分子aの配向
を基板面に対して平行又は略平行に揃えるための配向膜
16aが設けられた基板11近傍領域N1 における液晶
材料21r、21g、21bの分子配列状態は図2
(A)に示す領域Mのプレーナ配列の安定状態と同じ又
は略同じであり、液晶分子aの配向を基板面に対して垂
直又は略垂直に揃えるための配向膜16bが設けられた
基板12近傍領域N2 における液晶材料21r、21
g、21bの分子配列状態は図2(B)に示す領域Mの
フォーカルコニック配列の安定状態と同じ又は略同じで
ある。なお、プレーナ状態の領域とフォーカルコニック
状態の領域との界面部分(すなわち、図2(B)の領域
MとN1 の間、図2(A)の領域MとN2 の間)は、詳
細は不明であるが、図示するようにヘリカル軸の傾いた
領域が存在するものと推定される。
【0035】なお、本例の積層型液晶表示素子のいずれ
の液晶表示素子R、G、Bにおいても液晶分子の配向を
基板面に対して平行又は略平行に揃えるための配向膜1
6aが設けられた基板11が素子観察側Pに配置されて
いるが、それに限定されるものではなく、液晶分子の配
向を基板面に対して垂直又は略垂直に揃えるための配向
膜16bが設けられた基板12が素子観察側Pに配置さ
れていてもよい。また、これら一対の基板11、12を
各液晶表示素子R、G、Bで任意に配置してもよい。本
発明者らの研究したところでは、観察側に垂直配向膜
(反対側に水平配向膜)を設けた場合は素子の明るさを
向上させる点で有利であり、観察側に水平配向膜(反対
側に垂直配向膜)を設けた場合は素子の黒品位向上の点
で有利であることが判明している。 (基板)基板11、12は、既述のとおり、いずれも透
光性を有しているが、少なくとも画像観察のために可視
光を透過させるものを透光性を有するものとすればよ
い。透光性を有する基板としては、ガラス基板を例示で
きる。ガラス基板以外にも、例えばポリカーボネート
(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアリ
レート(PAr)、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)等のフレキシブル基板を使用することができる。 (電極)電極としては、例えば、Indium Tin
Oxide(ITO:インジウム錫酸化物)、Ind
ium Zinc Oxide(IZO:インジウム亜
鉛酸化物)等の透明導電膜や、アルミニウム、シリコン
等の金属電極、或いは、アモルファスシリコン、BSO
(Bismuth Silicon Oxide)等の
光導電性膜等を用いることができる。
【0036】図1に示す各液晶表示素子R、G、Bにお
いては、既述のとおり、透明基板11、12の表面に互
いに平行な複数の帯状の透明電極13、14が形成され
ており、これらの電極13、14は基板に垂直な方向か
ら見て互いに交差するように向かい合わされている。
【0037】電極をこのように形成するには、例えば透
明基板上にITO膜をスパッタリング法等でマスク蒸着
するか、ITO膜を全面形成した後、フォトリソグラフ
ィ法でパターニングすればよい。 (絶縁性薄膜)液晶表示素子は電極間の短絡を防止した
り、ガスバリア層として液晶表示素子の信頼性を向上さ
せる機能を有する絶縁性薄膜を形成してもよい。既述の
とおり、ここでは電極13、14上にそれぞれ絶縁性薄
膜15がコーティングされている。
【0038】絶縁性薄膜の材料としては、酸化シリコ
ン、酸化チタン、酸化ジルコニウムやそのアルコキシド
等からなる無機材料や、ポリイミド樹脂、アクリル樹
脂、ウレタン樹脂等の有機材料を例示できる。
【0039】絶縁性薄膜は、これらの材料を用いて蒸着
法、スピンコート法、ロールコート法などの公知の方法
によって形成することができる。
【0040】絶縁性薄膜は前記の材料に色素を添加すれ
ばカラーフィルタとしても機能する。さらに絶縁性薄膜
は柱状構造物に用いることができる高分子樹脂材料と同
様の材料を用いて形成することもできる。 (配向膜)配向膜としては、ポリイミド樹脂、ポリアミ
ドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルブ
チラ−ル樹脂、アクリル樹脂等の有機膜や、酸化シリコ
ン、酸化アルミニウム等の無機膜を例示できる。これら
の材料を用いて形成した配向膜にはラビング処理等を施
してもよい。なお、配向膜は必要に応じて設ければよ
く、特に設けなくてもよい。 (スペーサー)液晶表示素子は、一対の基板間に、該基
板間のギャップを均一に保持するためのスペーサーが設
けられていてもよい。本例の各液晶表示素子R、G、B
には、基板11、12間にスぺーサー18を配置してあ
る。
【0041】このスぺーサーとしては、樹脂製又は無機
酸化物製の球体を例示できる。また、表面に熱可塑性の
樹脂がコーティングしてある固着スペーサーも好適に用
いられる。なお、本例のようにスペーサー及び柱状構造
物をいずれも設けてもよいが、柱状構造物に代えて、ス
ぺーサーのみをスペース保持部材として使用してもよ
い。図3に図1に示す各液晶表示素子R、G、Bにおい
て、スぺーサー18のみをスペース保持部材として使用
した状態を示す。 (液晶組成物)液晶材料層に含まれる液晶組成物は、こ
こでは、屈折率異方性が0.11〜0.30、誘電率異
方性が5〜40であり、さらにカイラル材料を8重量%
〜40重量%添加しているカイラルネマティック液晶で
ある。
【0042】なお、カイラル材料の添加量はネマティッ
ク液晶組成物とカイラル材料の合計量を100重量%と
したときの値である。
【0043】カイラルネマティック液晶の屈折率異方性
は0.11以上であることが望ましい。屈折率異方性が
小さすぎると光反射率が低くなり、視角依存性が大きく
なってしまう。
【0044】誘電率異方性は、ここでは5〜40である
が、これが低すぎると駆動電圧が高くなってしまい、逆
に高すぎると素子としての安定性や信頼性が悪くなり、
画像欠陥、画像ノイズが発生し易くなってしまう。
【0045】(柱状構造物)液晶表示素子は、強い自己
保持性を付与するために、一対の基板間が構造物で支持
されていてもよい。本例の各液晶表示素子R、G、Bに
は、基板11、12間に柱状構造物20が設けられてい
る。
【0046】柱状構造物に関しては、まず、構造面につ
いて説明する。柱状構造物としては、例えば、格子配列
等の所定のパターンに一定の間隔で配列された、円柱状
体、四角柱状体、楕円柱状体、台形柱状体、円錐柱状体
等の柱状構造物を挙げることができる。また、所定間隔
で配置されたストライプ状のものでもよい。柱状構造物
はランダムな配列ではなく、等間隔な配列、間隔が徐々
に変化する配列、所定の配置パターンが一定の周期で繰
り返される配列等、基板の間隙を適切に保持でき、且
つ、画像表示を妨げないように考慮された配列であるこ
とが好ましい。柱状構造物は適度な強度を保持しつつ液
晶表示素子として実用上満足できる特性を得るために、
液晶表示素子の表示領域に占める面積の割合が1%〜4
0%程度であればよい。
【0047】次に、材料について説明する。柱状構造物
は、例えば、樹脂材料を用いて形成できる。樹脂材料と
しては、一般的な樹脂であれば使用可能であり、例え
ば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリエーテル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリイミド樹脂
等を挙げることができる。
【0048】次に、樹脂構造物の作製方法について説明
する。まず、樹脂を溶剤に溶かした溶液や樹脂を溶融し
た溶液を用いて、スクリーン印刷などの印刷法で樹脂溶
液を基板に印刷することで、所定形状・所定サイズ・所
定位置に樹脂を配置する。そして、溶剤を蒸発させるな
どして樹脂溶液を固体化させて樹脂構造物とする。特
に、熱可塑性樹脂の場合、2つの基板を重ねる際又は重
ねた後に加熱することで、両基板を接合することができ
る。光硬化性樹脂材料を用いてフォトリソ法により樹脂
構造物を形成することもできる。
【0049】液晶表示素子とするには、柱状構造物を挟
持した基板間に液晶組成物を真空注入法等によって注入
すればよい。或いは、基板を貼り合わせる際に、液晶組
成物を滴下しておき、基板の貼り合わせと同時に液晶組
成物を封入するようにしてもよい。
【0050】さらに、基板間ギャップ制御の精度向上の
ため、柱状構造物を形成するときに、基板間に柱状構造
物の膜厚より小さいサイズのスペーサー材料、例えば、
ガラスファイバー、ボール状のガラスやセラミックス
粉、或いは有機材料からなる球状粒子を配置し、加熱や
加圧でギャップが変化しないようにする。こうすること
で、よりギャップ精度を向上させることができ、それだ
け電圧ムラ、表示ムラ等を低減できる。
【0051】本例のように複数の液晶表示素子を積層し
た積層型液晶表示素子においては、隣り合う液晶表示素
子について、その両者間の基板を共通にしてもよい。図
4(A)及び図4(B)にそれぞれ図1及び図3の積層
型液晶表示素子において、隣り合う液晶表示素子BとG
間、GとR間の基板11、12を共通にした状態を示
す。なお、図4では高電圧パルスを印加したときの液晶
分子のプレーナ配列状態(着色状態)を示している。
【0052】以上説明した積層型液晶表示素子による
と、パルス印加装置25から所定の電圧を印加すること
によって液晶材料層r、g、bにおいてプレーナ状態
(着色状態)とフォーカルコニック状態(透明状態)と
に切り替えて表示が行われる。なお、液晶材料層r、
g、bをいずれも着色状態にすると白色表示となり、い
ずれも消色状態にすると背景色(黒色)表示となる。
【0053】各液晶材料層r、g、bと該各液晶材料層
r、g、bをそれぞれ挟持している上下一対の基板1
1、12に関して、該基板面に対して垂直方向に両基板
11、12から十分に離れた領域Mにおける液晶材料2
1r、21g、21bは液晶分子aのプレーナ配列状態
及びフォーカルコニック配列状態の二つの分子配列状態
について双安定状態を示し、領域M外の両基板11、1
2の近傍領域N1 、N2における液晶材料21r、21
g、21bの分子配列状態は互いに異なり、且つ、それ
ぞれの分子配列状態は前記二つの安定状態のうちいずれ
かと同じ又は略同じ状態であるので、黒色の背景色を利
用して画像表示を行うことで、黒色を表示した際の視感
反射率(Y値)が小さくなり、ひいてはコントラストを
向上させることができる。
【0054】次に本発明に係る積層型液晶表示素子の性
能評価実験を行なったので、比較実験とともに具体的に
説明する。但し、本発明はそれらの実験例に限定される
ものではない。
【0055】以下の各実験例、比較実験例において、カ
イラルネマティック液晶組成物の屈折率異方性は25℃
で、アッベ屈折計により測定した。誘電率異方性はLC
Rメータ(ヒューレットパッカード(HP)社製インピ
ーダンスアナライザー4192)で測定した。
【0056】積層型液晶表示素子の視感反射率(Y値)
は分光測色計CM3700d(ミノルタ社製)を用いて
測定した。消色時のY値が小さいほど透明で黒表示が良
好であり、着色時のY値が大きいほど色表示が良好であ
る。また、コントラストは[高反射率状態(着色)での
Y値:低反射率状態(消色)でのY値]で与えられる。
以下に説明する各実験例、比較実験例における積層型液
晶表示素子においては、各液晶表示素子をプレーナ状態
としたときに高反射率状態となり、フォーカルコニック
状態としたときに低反射率状態となる。 (実験例1)ネマティック液晶組成物E44(メルク社
製)にカイラル材料CB15(メルク社製)をネマティ
ック液晶組成物とカイラル材料の合計重量に対して34
重量%、41重量%、46重量%混合したカイラルネマ
ティック液晶組成物A、B、Cをそれぞれ調製した。こ
のカイラルネマティック液晶組成物は、コレステリック
相を示し、液晶組成物Aは690nm付近に、Bは55
0nm付近に、Cは480nm付近にピーク波長がある
選択反射特性を示した。
【0057】これらのカイラルネマティック液晶組成物
A、B、Cは誘電率異方性Δεがそれぞれ18、14、
10であり、屈折率異方性Δnがそれぞれ0. 20、
0.18、0.16であった。
【0058】次に、ITO(インジウム錫酸化物)の透
明電極を有するポリカーボネート(PC)フィルム基板
を6枚用意し、そのうち3枚の第1のPCフィルム基板
上に設けられたITO透明電極上に垂直配向膜材料JA
LS204(JSR社製)を用いて垂直配向膜を800
Åの厚みでそれぞれ形成し、その上にポリエステル樹脂
材料をスクリーン印刷して柱状構造物をそれぞれ形成し
た。さらにその上に5μm径のスペーサ(積水ファイン
ケミカル社製)をいずれも散布した。
【0059】また残りの3枚の第2のPCフィルム基板
上のITO透明電極上には、水平配向膜材料AL455
2(JSR社製)を用いて水平配向膜を800Åの厚み
でそれぞれ形成し、各水平配向膜にラビング処理を施し
た。
【0060】続いて、3枚の第1基板上の周縁部にシー
ル材XN21S(三井化学社製)をスクリーン印刷して
シール壁をそれぞれ形成した後、該3枚の第1基板上に
カイラルネマティック液晶組成物A、B、Cをそれぞれ
滴下した。その後それぞれの第1基板上に1枚ずつ第2
基板を重ね合わせてから重ね合わされた2枚の基板をそ
れぞれ加熱硬化させた。このようにして赤色表示用の液
晶表示素子(Rパネル)、緑色表示用の液晶表示素子
(Gパネル)、青色表示用の液晶表示素子(Bパネル)
をそれぞれ作製した。
【0061】さらに、Rパネルの裏面(水平配向膜が形
成された基板の外面)に黒色の光吸収膜を設け、3枚の
R、G、Bパネルを、いずれも光を入射させる側の基板
が垂直配向膜が形成された基板となるとともに光を入射
させる側とは反対側の基板が水平配向膜が形成された基
板となるように、上からB、G、Rの順に積層した。か
くして積層型液晶表示素子を得た。
【0062】前記の各パネルを所定電圧(着色時にはR
パネル:75V、Gパネル:80V、Bパネル:85V
で5ms幅のパルス電圧、消色時にはRパネル:40
V、Gパネル:45V、Bパネル:50Vで5ms幅の
パルス電圧)で駆動したところ、黒色表示時のY値が
5. 8、着色表示時のY値が29. 5であり、コントラ
スト比は5.1:1であった。 (実験例2)ネマティック液晶組成物ZLI1565
(メルク社製)にカイラル材料S−811(メルク社
製)をネマティック液晶組成物とカイラル材料の合計重
量に対して27重量%、31.5重量%、35.3重量
%混合したカイラルネマティック液晶組成物D、E、F
をそれぞれ調製した。このカイラルネマティック液晶組
成物は、コレステリック相を示し、液晶組成物Dは69
0nm付近に、Eは550nm付近に、Fは480nm
付近にピーク波長がある選択反射特性を示した。
【0063】これらのカイラルネマティック液晶組成物
D、E、Fは誘電率異方性Δεがそれぞれ11、8、6
であり、屈折率異方性Δnがそれぞれ0. 14、0.1
2、0.10であった。
【0064】次に、ITO(インジウム錫酸化物)の透
明電極を有するポリカーボネート(PC)フィルム基板
を6枚用意し、そのうち3枚の第1のPCフィルム基板
上に設けられたITO透明電極上に垂直配向膜材料JA
LS204(JSR社製)を用いて垂直配向膜を800
Åの厚みでそれぞれ形成し、その上に5μm径のスペー
サ(積水ファインケミカル社製)をいずれも散布した。
【0065】また残りの3枚の第2のPCフィルム基板
上のITO透明電極上には、水平配向膜材料AL455
2(JSR社製)を用いて水平配向膜を800Åの厚み
でそれぞれ形成した。
【0066】続いて、3枚の第1基板上の周縁部にシー
ル材XN21S(三井化学社製)をスクリーン印刷して
液晶注入口を残してシール壁をそれぞれ形成し、それぞ
れの第1基板上に1枚ずつ第2基板を重ね合わせてそれ
ぞれ加熱硬化させた。このようにして一対の基板を3組
用意した。
【0067】その後、この3組の一対の基板に液晶注入
口からカイラルネマティック組成物D、E、Fをそれぞ
れ真空注入装置を用いて注入した。さらに、該注入口を
エポキシ樹脂によって封止した。このようにして赤色表
示用の液晶表示素子(Rパネル)、緑色表示用の液晶表
示素子(Gパネル)、青色表示用の液晶表示素子(Bパ
ネル)をそれぞれ作製した。
【0068】また、Rパネルの裏面(水平配向膜が形成
された基板の外面)に黒色の光吸収膜を設け、3枚の
R、G、Bパネルを、いずれも光を入射させる側の基板
が垂直配向膜が形成された基板となるとともに光を入射
させる側とは反対側の基板が水平配向膜が形成された基
板となるように、上からB、G、Rの順に積層した。か
くして積層型液晶表示素子を得た。
【0069】前記の各パネルを所定電圧(着色時にはR
パネル:80V、Gパネル:85V、Bパネル:90V
で5ms幅のパルス電圧、消色時にはRパネル:45
V、Gパネル:50V、Bパネル:55Vで5ms幅の
パルス電圧)で駆動したところ、黒色表示時のY値が
4. 9、着色表示時のY値が26. 2であり、コントラ
スト比は5.3:1であった。 (実験例3)カイラルネマティック液晶組成物は実験例
1と同様のものを使用した。
【0070】次に、ITO(インジウム錫酸化物)の透
明電極を有するポリカーボネート(PC)フィルム基板
を6枚用意し、そのうち3枚の第1のPCフィルム基板
上に設けられたITO透明電極上に垂直配向膜材料JA
LS204(JSR社製)を用いて垂直配向膜を800
Åの厚みでそれぞれ形成し、その上に5μm径のスペー
サ(積水ファインケミカル社製)をいずれも散布した。
【0071】また残りの3枚の第2のPCフィルム基板
上のITO透明電極上には、水平配向膜材料AL455
2(JSR社製)を用いて水平配向膜を800Åの厚み
でそれぞれ形成し、各水平配向膜にラビング処理を施し
た。
【0072】以下、実験例1と同様の方法でR、G、B
パネルを作製した。
【0073】さらに、Rパネルの裏面(垂直配向膜が形
成された基板の外面)に黒色の光吸収膜を設け、3枚の
R、G、Bパネルを、いずれも光を入射させる側の基板
が水平配向膜が形成された基板となるとともに光を入射
させる側とは反対側の基板が垂直配向膜が形成された基
板となるように、上からB、G、Rの順に積層した。か
くして積層型液晶表示素子を得た。
【0074】前記の各パネルを所定電圧(着色時にはR
パネル:75V、Gパネル:80V、Bパネル:85V
で5ms幅のパルス電圧、消色時にはRパネル:40
V、Gパネル:45V、Bパネル:50Vで5ms幅の
パルス電圧)で駆動したところ、黒色表示時のY値が
4. 8、着色表示時のY値が28. 5であり、コントラ
スト比は5.9:1であった。 (比較実験例1)カイラルネマティック液晶組成物は実
験例1と同様のものを使用した。
【0075】次に、ITO(インジウム錫酸化物)の透
明電極を有するポリカーボネート(PC)フィルム基板
を6枚用意し、そのうち3枚の第1のPCフィルム基板
上に設けられたITO透明電極上に水平配向膜材料AL
4552(JSR社製)を用いて水平配向膜を800Å
の厚みでそれぞれ形成し、各水平配向膜にラビング処理
を施した後、その上にポリエステル樹脂材料をスクリー
ン印刷して柱状構造物をそれぞれ形成した。さらにその
上に5μm径のスペーサ(積水ファインケミカル社製)
をいずれも散布した。
【0076】また残りの3枚の第2のPCフィルム基板
上のITO透明電極上には、水平配向膜材料AL455
2(JSR社製)を用いて水平配向膜を800Åの厚み
でそれぞれ形成し、各水平配向膜にラビング処理を施し
た。
【0077】以下、実験例1と同様の方法でR、G、B
パネルを作製した。
【0078】さらに、Rパネルの片面に黒色の光吸収膜
を設け、3枚のR、G、Bパネルを、Rパネルについて
黒色の光吸収膜が設けられた基板が光を入射させる側と
は反対側の基板となるように、上からB、G、Rの順に
積層した。かくして積層型液晶表示素子を得た。
【0079】前記の各パネルを所定電圧(着色時にはR
パネル:75V、Gパネル:80V、Bパネル:85V
で5ms幅のパルス電圧、消色時にはRパネル:40
V、Gパネル:45V、Bパネル:50Vで5ms幅の
パルス電圧)で駆動したところ、黒色表示時のY値が
8. 8、着色表示時のY値が30. 3であり、コントラ
スト比は3.4:1であった。 (比較実験例2)カイラルネマティック液晶組成物は実
験例1と同様のものを使用した。
【0080】次に、ITO(インジウム錫酸化物)の透
明電極を有するポリカーボネート(PC)フィルム基板
を6枚用意し、そのうち3枚の第1のPCフィルム基板
上に設けられたITO透明電極上に垂直配向膜材料JA
LS204(JSR社製)を用いて垂直配向膜を800
Åの厚みでそれぞれ形成し、その上に5μm径のスペー
サ(積水ファインケミカル社製)をいずれも散布した。
【0081】また残りの3枚の第2のPCフィルム基板
上のITO透明電極上には、垂直配向膜材料JALS2
04(JSR社製)を用いて垂直配向膜を800Åの厚
みでそれぞれ形成した。
【0082】以下、実験例1と同様の方法でR、G、B
パネルを作製した。
【0083】さらに、Rパネルの片面に黒色の光吸収膜
を設け、3枚のR、G、Bパネルを、Rパネルについて
黒色の光吸収膜が設けられた基板が光を入射させる側と
は反対側の基板となるように、上からB、G、Rの順に
積層した。かくして積層型液晶表示素子を得た。
【0084】前記の各パネルを所定電圧(着色時にはR
パネル:75V、Gパネル:80V、Bパネル:85V
で5ms幅のパルス電圧、消色時にはRパネル:40
V、Gパネル:45V、Bパネル:50Vで5ms幅の
パルス電圧)で駆動したところ、黒色表示時のY値が
3. 9、着色表示時のY値が18. 9であり、コントラ
スト比は4.8:1であった。 (実験例4)カイラルネマティック液晶組成物は実験例
1と同様のものを使用した。
【0085】次に、ITO(インジウム錫酸化物)の透
明電極を有するポリカーボネート(PC)フィルム基板
を6枚用意し、そのうち3枚の第1のPCフィルム基板
上に設けられたITO透明電極上にn−ヘキサデシルト
リメトキシシラン(東レダウ社製)を用いて垂直配向膜
を800Åの厚みでそれぞれ形成し、その上に5μm径
のスペーサ(積水ファインケミカル社製)をいずれも散
布した。
【0086】また残りの3枚の第2のPCフィルム基板
上のITO透明電極上には、水平配向膜材料AL455
2(JSR社製)を用いて水平配向膜を800Åの厚み
でそれぞれ形成し、各水平配向膜にラビング処理を施し
た。
【0087】以下、実験例1と同様の方法でR、G、B
パネルを作製した。
【0088】さらに、Rパネルの裏面(平行配向膜が形
成された基板の外面)に黒色の光吸収膜を設け、3枚の
R、G、Bパネルを、いずれも光を入射させる側の基板
が垂直配向膜が形成された基板となるとともに光を入射
させる側とは反対側の基板が水平配向膜が形成された基
板となるように、上からB、G、Rの順に積層した。か
くして積層型液晶表示素子を得た。
【0089】前記の各パネルを所定電圧(着色時にはR
パネル:75V、Gパネル:80V、Bパネル:85V
で5ms幅のパルス電圧、消色時にはRパネル:40
V、Gパネル:45V、Bパネル:50Vで5ms幅の
パルス電圧)で駆動したところ、黒色表示時のY値が
5. 0、着色表示時のY値が29. 0であり、コントラ
スト比は5.8:1であった。このように実験例1〜4
ではコントラスト比が5.1:1〜5.9:1と高かっ
た。これは垂直配向膜と液晶の界面での光の散乱が減少
し、液晶分子の配向の乱れが少なくなり、3枚のパネル
それぞれの黒色品位が向上したためと考えられる。これ
に対し、比較実験例1ではコントラスト比が3.4:1
と低かった。これは平行配向膜と液晶の界面での散乱が
多いため、液晶分子の配向の乱れが多く、3枚のパネル
それぞれの黒色品位が低下したためと考えられる。ま
た、比較実験例2ではコントラスト比が4.8:1と比
較実験例1の場合より高かった。これは垂直配向膜と液
晶の界面での散乱が減少し、液晶分子の配向の乱れが少
なく、3枚のパネルそれぞれの黒色品位が向上したため
と考えられるが、着色表示時のY値が小さすぎるため明
るさが不足し、暗い表示となってしまった。 (実験例5)カイラルネマティック液晶組成物は実験例
1と同じものを使用した。
【0090】次に、ITO透明電極を有するPCフィル
ム基板を6枚用意し、そのうち3枚の第1のPCフィル
ム基板上に設けられたITO透明電極上に垂直配向膜材
料JALS204(JSR社製)を用いて垂直配向膜を
800Åの厚みでそれぞれ形成し、各垂直配向膜にラビ
ング処理を施した。さらに、その上に5μm径のスペー
サ(積水ファインケミカル社製)をいずれも散布した。
【0091】また残りの3枚の第2のPCフィルム基板
上のITO透明電極上には、水平配向膜材料AL455
2(JSR社製)を用いて水平配向膜を800Åの厚み
でそれぞれ形成し、各水平配向膜にラビング処理を施し
た。
【0092】以下、実験例1と同様の方法でR、G、B
パネルを作製した。
【0093】さらに、Rパネルの裏面(垂直配向膜の形
成された基板の外面)に黒色の光吸収膜を設け、3枚の
R、G、Bパネルを、いずれも光を入射させる側の基板
が水平配向膜が形成された基板となるとともに光を入射
させる側とは反対側の基板が垂直配向膜が形成された基
板となるように、上からB、G、Rの順に積層した。か
くして積層型液晶表示素子を得た。
【0094】前記の各パネルを所定電圧(着色時には、
Rパネル:75V、Gパネル:80V、Bパネル:85
Vで5ms幅のパルス電圧、消色時には、Rパネル:4
0V、Gパネル:45V、Bパネル:50Vで5ms幅
のパルス電圧)で駆動したところ、黒色表示時のY値が
4.0、着色表示時のY値が28.0であり、コントラ
スト比は7.0:1であった。
【0095】この結果は、主に、配向膜と液晶との界面
での散布が減少し液晶分子の配向の乱れが少なくなり、
3枚のパネルの黒品位が向上したためと考えられるが、
垂直配向膜側もラビングすることでより配向効果が大き
くなったことも寄与しているものと思われる。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、そ
れぞれが上下一対の基板間に挟持され、可視波長域の光
を選択反射可能であるコレステリック相特性を有する液
晶材料層を複数積層した積層型液晶表示素子であって、
例えば、黒色などの背景色を利用して画像表示を行う場
合、背景色品位(例えば黒色品位)が高く、ひいてはコ
ントラスト良好な積層型液晶表示素子を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である反射型積層型液晶表
示素子の断面構造を示す概略図であり、図(A)は高電
圧パルスを印加したときの液晶分子のプレーナ配列の安
定状態(R(赤色)G(緑色)B(青色)着色状態)を
示す図であり、図(B)は低電圧パルスを印加したとき
の液晶分子のフォーカルコニック配列の安定状態(透明
/黒色表示状態)を示す図である。
【図2】図1に示す積層型液晶表示素子の各液晶表示素
子における液晶材料の分子配列状態を説明するための模
式図であり、図(A)は高電圧パルスを印加したときの
液晶分子のプレーナ配列の安定状態及び基板近傍領域に
おける液晶分子の配列状態を示す図であり、図(B)は
低電圧パルスを印加したときの液晶分子のフォーカルコ
ニック配列の安定状態及び基板近傍領域における液晶分
子の配列状態を示す図である。
【図3】図(A)及び図(B)は、図1(A)及び図1
(B)に示す積層型液晶表示素子の各液晶表示素子にお
いて、スぺーサーのみをスペース保持部材として使用し
た状態を示す図である。
【図4】図(A)及び図(B)はそれぞれ図1及び図3
の積層型液晶表示素子において、隣り合う液晶表示素子
間の基板を共通にした状態を示す図である。
【符号の説明】
11、12 上下一対の基板 13、14 透明電極 15 絶縁性薄膜 16a 液晶分子の配向を基板面に対して平行又は略平
行に揃えるための配向膜 16b 液晶分子の配向を基板面に対して垂直又は略垂
直に揃えるための配向膜 17 可視光吸収層 18 スペーサー 20 柱状構造物 21r、21g、21b カイラルネマティック液晶組
成物 24 シール材 25 パルス印加装置 B 青色表示を行なう青色液晶表示素子 G 緑色表示を行なう緑色液晶表示素子 R 赤色表示を行なう赤色液晶表示素子 M 両基板11、12から十分に離れた領域 N1 領域M外の基板11近傍領域 N2 領域M外の基板12近傍領域 P 素子観察側 b 青色液晶材料層 g 緑色液晶材料層 r 赤色液晶材料層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植田 秀昭 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 2H088 HA03 HA12 JA14 MA02 2H089 HA32 LA09 LA19 QA16 RA11 TA04 TA12 2H090 HB03Y HB08Y HB12Y HC06 KA09 LA02 LA15 MA01 MA02 MB01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれが上下一対の基板間に挟持され、
    可視波長域の光を選択反射可能であるコレステリック相
    特性を有する液晶材料層を複数積層した積層型液晶表示
    素子において、前記複数の液晶材料層のうち少なくとも
    一つの液晶材料層と該液晶材料層を挟持している上下一
    対の基板に関して、該基板面に対して垂直方向に該両基
    板から離れた領域における液晶材料は二つの分子配列状
    態について双安定状態を示し、該領域外の該両基板の近
    傍領域における液晶材料の分子配列状態は互いに異な
    り、且つ、それぞれの分子配列状態は前記二つの安定状
    態のうちいずれかと同じ又は略同じ状態であることを特
    徴とする積層型液晶表示素子。
  2. 【請求項2】前記少なくとも一つの液晶材料層を挟持し
    ている一対の基板のうち一方の基板の液晶に接する側の
    表面には液晶分子の配向を該基板面に対して垂直又は略
    垂直に揃えるための処理が施されている請求項1記載の
    積層型液晶表示素子。
  3. 【請求項3】前記液晶分子の配向を前記基板面に対して
    垂直又は略垂直に揃えるための処理はラビング処理であ
    る請求項2記載の積層型液晶表示素子。
  4. 【請求項4】前記少なくとも一つの液晶材料層を挟持し
    ている一対の基板のうち一方の基板の液晶に接する側の
    表面には液晶分子の配向を該基板面に対して垂直又は略
    垂直に揃えるための処理が施されており、他方の基板の
    液晶に接する側の表面には液晶分子の配向を該基板面に
    対して平行又は略平行に揃えるための処理が施されてい
    る請求項1記載の積層型液晶表示素子。
  5. 【請求項5】前記複数の液晶材料層のそれぞれと該各液
    晶材料層を挟持している上下一対の基板に関して、該基
    板面に対して垂直方向に該両基板から離れた領域におけ
    る液晶材料は二つの分子配列状態について双安定状態を
    示し、該領域外の該両基板の近傍領域における液晶材料
    の分子配列状態は互いに異なり、且つ、それぞれの分子
    配列状態は前記二つの安定状態のうちいずれかと同じ又
    は略同じ状態である請求項1から4のいずれかに記載の
    積層型液晶表示素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101223474B (zh) * 2005-07-08 2010-07-14 富士通株式会社 层叠型反射式液晶显示元件

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