JP2003195274A - 光偏向素子、光路切替デバイスおよび画像表示装置 - Google Patents

光偏向素子、光路切替デバイスおよび画像表示装置

Info

Publication number
JP2003195274A
JP2003195274A JP2001400240A JP2001400240A JP2003195274A JP 2003195274 A JP2003195274 A JP 2003195274A JP 2001400240 A JP2001400240 A JP 2001400240A JP 2001400240 A JP2001400240 A JP 2001400240A JP 2003195274 A JP2003195274 A JP 2003195274A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
optical path
liquid crystal
path switching
switching device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001400240A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4282263B2 (ja
Inventor
Hidenori Tomono
英紀 友野
Hitoshi Kondo
均 近藤
Toshiaki Tokita
才明 鴇田
Yumi Matsuki
ゆみ 松木
Hiroyuki Sugimoto
浩之 杉本
Yasuyuki Takiguchi
康之 滝口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2001400240A priority Critical patent/JP4282263B2/ja
Publication of JP2003195274A publication Critical patent/JP2003195274A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4282263B2 publication Critical patent/JP4282263B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Projection Apparatus (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 入射光に対する出射光の偏向角度を高速で切
り替える。 【解決手段】 光偏向素子は、高分子マトリックス中に
液晶材料を分散保持した液晶/高分子複合体14とその
表面に配された光透過性の電極13とを有する。出射面
12は、入射面11に対して傾斜するように構成され、
これによって入射光20は、偏向角度θをもって出射す
る。電極13による電圧の制御によって液晶/高分子複
合体14の屈折率を変化させることにより、出射光の偏
向角度θが変化する。このような動作によって、高速な
光路切替を行う光偏向素子が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気信号によって
光の方向を変える光偏向素子、光路切替デバイスおよび
該光偏向素子又は光路切替デバイスを用いた画像表示装
置に関し、プロジェクションディスプレイ、ヘッドマウ
ントディスプレイなどの電子ディスプレイ装置に応用可
能な光路切替装置および画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気信号などの外部からの信号により光
の光路を偏向、すなわち入射光に対して出射光の光軸を
平行にシフトさせるか、ある角度をもって回転させる
か、あるいはその両者を組み合わせて光路を切り替える
ことが可能な光偏向素子として、従来、KH2PO4(K
DP),NH42PO4(ADP),LiNbO3,Li
TaO3,GaAs,CdTeなど1次の電気光学効果
(ポッケルス効果)の大きな材料や、KTN,SrTi
3,CS2,ニトロベンゼン等の2次の電気光学効果の
大きな材料を用いた電気光学デバイスや、ガラス、シリ
カ、TeO2などの材料を用いた音響光学デバイスが知
られている(例えば、青木昌治編;「オプトエレクトロ
ニックデバイス」、昭晃堂)。これらは、一般的に、十
分大きな光偏向量を得るためには光路長を長く取る必要
があり、また、材料が高価であるため用途が制限されて
いる。一方で、液晶材料を用いた光偏向素子なる光学素
子も各種提案されており、その数例を挙げると、以下に
示すような提案例がある。
【0003】例えば、特開平6−18940号公報によ
れば、光空間スイッチの光の損失を低減することを目的
に、人工複屈折板からなる光ビームシフタが提案されて
いる。内容的には、2枚のくさび形の透明基板を互いに
逆向きに配置し、該透明基板間に液晶層を挟んだ光ビー
ムシフタ、及びマトリクス形偏向制御素子の後面に前記
光ビームシフタを接続した光ビームシフタが提案され、
併せて、2枚のくさび形の透明基板を互いに逆向きに配
置し、該透明基板間にマトリクス駆動が可能で、入射光
ビームを半セルシフトする液晶層を挟んだ光ビームシフ
タを半セルずらして多段接続した光ビームシフタが提案
されている。しかし上記特開平6−18940号公報例
においては、液晶材料にネマチック液晶を用いているた
め、応答速度をサブミリ秒にまで速めることは困難であ
り、高速なスイッチングが必要な用途には用いることは
できない。
【0004】また、特開平9−133904号公報によ
れば、大きな偏向を得ることが可能で、偏向効率が高
く、しかも、偏向角と偏向距離とを任意に設定すること
ができる光偏向スイッチが提案されている。具体的に
は、2枚の透明基板を所定の間隔で対向配置させ、対向
させた面に垂直配向処理を施し、透明基板間にスメクチ
ックA相の強誘電性液晶を封入し、前記透明基板に対し
て垂直配向させ、スメクチック層と平行に交流電界を印
加できるように電極対を配置し、電極対に交流電界を印
加する駆動装置を備えた液晶素子である。即ち、スメク
チックA相の強誘電性液晶による電傾効果を用い、液晶
分子の傾斜による複屈折によって、液晶層に入射する偏
光の屈折角と変位する方向を変化できるようにしたもの
である。しかし上記特開平9−133904号公報の例
においては、スメクチックA相の強誘電液晶を用いてい
るが、スメクチックA相は自発分極を持たないため、高
速動作は望めない。
【0005】次にピクセルシフト素子に関して従来提案
されている技術を数例挙げて説明する。ここでいうピク
セルシフト素子とは、少なくとも画像情報にしたがって
光を制御可能な複数の画素を二次元的に配列した画像表
示素子と画像表示素子を照明する光源と、画像表示素子
に表示した画像パターンを観察するための光学部材と、
画像フィールドを時間的に分割した複数のサブフィール
ドごとに画像表示素子と光学部材との間の光路を偏向す
る光偏向手段とを有し、光偏向手段によりサブフィール
ドごとの光路の偏向に応じて表示位置がずれている状態
の画像パターンを表示させることで、画像表示素子の見
かけの画素数を倍増して表示する画像表示装置における
光偏向手段を意味する。
【0006】例えば、特許第2939826号に示され
るように、表示素子に表示された画像を投影光学系によ
り、スクリーン状に拡大投影する投影表示装置におい
て、前記表示素子から前記スクリーンに至る光路の途中
に透過光の偏光方向を旋回できる光学素子を少なくとも
一つ以上と、複屈折効果を有する透明素子を少なくとも
一つ以上有してなる投影画像をシフトする手段と、前記
表示素子の開口率を実効的に低減させ、表示素子の各画
素の投影領域が前記スクリーン上で離散的に投影される
手段とを備えた投影表示装置がある。
【0007】同公報の例では、偏光方向を旋回できる光
学素子(旋光素子と呼ぶ)を少なくとも一つ以上と複屈
折効果を有する透明素子(複屈折素子と呼ぶ)を少なく
とも一つ以上有してなる投影画像シフト手段(ピクセル
シフト手段)によりピクセルシフトを行っているが、問
題点として、旋光素子と複屈折素子とを組み合わせて使
用するため、光量損失が大きいこと、光の波長によりピ
クセルシフト量が変動し解像度が低下しやすいこと、旋
光素子と複屈折素子との光学特性のミスマッチから、本
来、画像が形成されないピクセルシフト外の位置に漏れ
光によるゴーストなどの光学ノイズが発生しやすいこ
と、素子化のためのコストが大きいことが挙げられる。
特に、複屈折素子に前述したようなKH2PO4(DK
P)、NH42PO4(ADP)、LiNbO3、LiT
aO3、GaAs、CdTeなど一次の電気光学効果
(ポッケルス効果)の大きな材料を使用した場合に顕著
である。
【0008】また、特開平5−313116号公報に示
される投影機においては、制御回路により、画像蓄積回
路に蓄積した本来表示すべき画像を市松状に画像選択回
路へサンプリングして順次空間光変調器に表示し、投影
させ、さらに、制御回路により、この表示に対応させて
パネル揺動機構を制御して空間光変調器の隣接画素ピッ
チ距離を整数分の一ずつ移動させることで、本来表示す
べき画像を時間的な合成により再現するようにしてい
る。これにより、空間光変調器の画素の整数倍の分解能
で画像を表示可能にするとともに、画素の粗い空間光変
調器と簡単な光学系を用いて安価に投影機を構成可能と
している。
【0009】ところが、同公報の例では、画像表示用素
子自体を画素ピッチよりも小さい距離だけ高速に揺動さ
せるピクセルシフト方式が記載されており、この方式で
は、光学系は固定されているので諸収差の発生が少ない
が、画像表示素子自体を正確かつ高速に平行移動させる
必要があるため、可動部の制度や耐久性が要求され、振
動や音が問題となる。
【0010】さらに、特開平6−324320号公報に
よれば、LCDなどの画像表示装置の画素数を増加させ
ることなく、表示画像の解像度を見かけ上向上させるた
め、縦方向および横方向に配列された複数個の画素のお
のおのが、表示画素パターンに応じて発光することによ
り画像が表示される画像表示装置と、観測者またはスク
リーンとの間に光路をフィールドごとに変更する光学部
材を配し、また、フィールドごとに、前記光路の変更に
応じて表示位置がずれている状態の表示画素パターンを
画像表示装置に表示させるようにしている。ここに、屈
折率が異なる部位が画像情報のフィールドごとに交互に
画像表示装置と観測者又はスクリーンとのあいだの光路
中に現れるようにすることで、前記光路の変更が行われ
るものである。
【0011】同公報の例では、光路を変更する手段とし
て、電気光学素子と複屈折材料との組み合わせ機構、レ
ンズシフト機構、バリアングルプリズム、回転ミラー、
回転ガラスなどが記述されており、上記旋光素子と複屈
折素子を組み合わせてなる方式の他に、ボイスコイル、
圧電素子などによりレンズ、反射板、複屈折板などの光
学素子を変位(平行移動または傾斜)させて光路を切り
替える方式が提案されているが、この方式では、光学素
子を駆動するために構成が複雑となり、コストが高くな
る。
【0012】また、特開平10−133135号公報に
よれば、回転機械要素を不要化でき、全体の小型化、高
精度・高分解能化を実現でき、しかも外部からの振動の
影響を受けにくい光ビーム偏向装置が提案されている。
具体的には光ビームの進行路上に配置される透光性の圧
電素子と、この圧電素子の表面に設けられた透明の電極
と、圧電素子の光ビーム入射面Aと光ビーム出射面Bと
の間の光路長を変化させて光ビームの光軸を偏向させる
ために電極を介して圧電素子に電圧を印加する電圧印加
手段とを備えている。
【0013】同公報の例では、透光性の圧電素子を透明
の電極で挟み、電圧を印加することで厚みを変化させて
光路をシフトさせる方式が提案されているが、比較的大
きな透明圧電素子を必要とし装置コストがアップするな
ど、前述の特開平6−324320号公報の場合と同様
の問題点がある。
【0014】上記の従来技術では不充分であった高速性
を改善し、構成の簡素化と低コスト化を目的に、本発明
者らは先に透明な一対の基板と、これら基板間に充填さ
れたホモジニアス配向されたキラルスメクチックC相よ
りなる液晶とを、一対手の前記基板と前記液晶との間に
形成された電極対による電界印加手段とを備え、光の入
射方向が基板面法線方向と異なる方向に設定されている
光偏向素子および、透明な一対の基板と、これらの基板
間に充填されたキラルスメクチックC相よりなる液晶
と、少なくとも一組以上の電界印加手段とを備え、前記
液晶を挟む前記両基板面が光偏向方向に対応して傾斜し
て対向する光偏向素子および、光進行方向上に所定距離
を隔てて上記の光偏向素子を二組備える光路切替デバイ
スを提供した。
【0015】上記本発明者らが提出した光偏向素子およ
び光路切替デバイスでは、液晶材料としてキラルスメク
チックC相の液晶を用いているので上記従来技術と比べ
て高速なスイッチングが可能であるが、入射光として偏
光を使わなければならないため、偏光変換が必要となっ
て素子およびデバイスの大型化やコストアップとなって
しまう。また、キラルスメクチックC相は均一な配向が
難しく、とくに基板間隔が非平行の場合には困難であ
る。さらにキラルスメクチックC相の液晶は高速動作す
るとはいえ、その動作速度はサブミリ秒(数100μ
s)であり、充分でない場合がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決し、高速な光偏向素子、光路切替デバイスおよび該
光偏向素子又は光路切替デバイスを用いた画像表示装置
を提供することを目的とする。より具体的には、(1)
偏光依存性がなく、高速で動作する簡易な構成の光偏
向素子を提供すること(請求項1)、(2) 上記に加
え、さらに、高速で動作する光偏向素子を提供すること
(請求項2)、(3) 光偏向角の大きな光偏向素子を
提供すること(請求項3)、(4) 上記に加えて大面
積でも光路シフトが可能であり、低電圧で駆動可能な光
偏向素子を提供すること(請求項4)、(5) 安定性
の高い光偏向素子を提供すること(請求項5)、(6)
光路を平行に偏向させる光路切替デバイスを提供する
こと(請求項6)、(7) 低コストな光路切替デバイ
スを提供すること(請求項7)、(8) 入射光の波長
が変化しても一定の光路シフト量が得られる光路切替デ
バイスを提供すること(請求項8)、(9) 入射光の
波長が変化しても一定の光路シフト量が得られる光路切
替デバイスを提供すること(請求項9)、(10) 光
路を直交する二方向にシフトさせることができる光路切
替装置を提供すること(請求項10)、(11) 画素
数の少ない画像表示素子を用いて、見かけ上高精細で光
利用効率の高い画像表示装置を提供すること(請求項1
1)、をその目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、高分
子マトリクス中に液晶材料を分散保持した液晶/高分子
複合体と、該液晶/高分子複合体の屈折率を変化させる
ための電圧を印加する光透過性の電極とを有し、該液晶
/高分子複合体の屈折率の変化に応じて入射光に対する
出射光の偏向角度が変化する光偏向素子であって、前記
液晶/高分子複合体は、光路上で対向する二面におい
て、一方の面が他方の面に対して所定の角度で傾斜する
傾斜領域を有し、前記電極は、前記対向する二面の表面
に配されていることを特徴としたものである。
【0018】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記液晶は、入射光の波長以下の粒径を有するドロ
ップレットであることを特徴としたものである。
【0019】請求項3の発明は、請求項1または2の発
明において、前記液晶/高分子複合体における全ての液
晶分子が電圧無印加時に一方向に配列していることを特
徴としたものである。
【0020】請求項4の発明は、請求項1乃至3のいず
れか1の発明において、前記傾斜領域は、断面が鋸歯形
状の周期構造を有することを特徴としたものである。
【0021】請求項5の発明は、請求項1乃至4のいず
れか1の発明において、前記液晶/高分子複合体の対向
する二面の表面に保持基板を設けることを特徴としたも
のである。
【0022】請求項6の発明は、請求項1乃至5のいず
れか1に記載の光偏向素子を二つ有する光路切替デバイ
スであって、第一の光偏向素子で偏向された光が、一定
間隔をおいて設置された第二の光偏向素子によって入射
光と平行になるように該第一の光偏向素子および該第二
の光偏向素子が配置されていることを特徴としたもので
ある。
【0023】請求項7の発明は、請求項6の発明におい
て、前記第一の光偏向素子と前記第二の光偏向素子とし
て請求項5に記載の光偏向素子を用い、前記第一の光偏
向素子の出射側保持基板と前記第二の光偏向素子の入射
側保持基板とが一枚の基板によって一体に構成されてい
ることを特徴としたものである。
【0024】請求項8の発明は、請求項6または7の発
明において、入射光の波長に応じて前記第一の光偏向素
子と前記第二の光偏向素子とに印加する電圧を制御する
電圧制御機構を有することを特徴としたものである。
【0025】請求項9の発明は、請求項6または8の発
明において、入射光の波長に応じて前記第一の光偏向素
子と前記第二の光偏向素子との間隔を変動させる変動機
構を有することを特徴としたものである。
【0026】請求項10の発明は、請求項6乃至9のい
ずれか1に記載の光路切替デバイスを2つ有する光路切
替装置であって、第一の光路切替デバイスの前記傾斜領
域の最大傾斜方向と、第二の光路切替デバイスの前記傾
斜領域の最大傾斜方向とが直交するように配置されてな
ることを特徴としたものである。
【0027】請求項11の発明は、少なくとも、画像情
報にしたがって光を制御することが可能な複数の画素を
二次元的に配列した画像表示素子と、該画像表示素子を
照明する光源と、前記画像表示素子に表示した画像パタ
ーンを観察するための光学部材と、画像フィールドを時
間的に分割した複数のサブフィールドごとに前記画像表
示素子と前記光学部材との間の光路を偏向する請求項6
乃至9のいずれか1に記載の光路切替デバイスまたは請
求項10に記載の光路切替装置による光路切替手段とを
備えることを特徴としたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】(構成・動作)本発明の特徴は、
高分子マトリクス中に液晶材料を分散保持した液晶/高
分子複合体(以下、液晶/高分子複合体と記す)の対向
する二面が所定の角度で対向するような傾斜領域を有
し、前記対向する二面の表面に光を透過する電極を設け
ることを特徴とする光偏向素子にある(請求項1)。
【0029】光が液晶/高分子複合体の所定の角度(α
とする)で対向する二面のうちの一面(入射面と記す)
から入射して、対向する面(出射面と記す)から出射す
るとすると、この二面は所定の角度で対向しているの
で、入射光は液晶/高分子複合体の屈折率と空気の屈折
率および入射時の入射角で決まる角度だけ偏向する。い
ま、入射光が入射面に垂直に入射する場合を考えると、
次の式(1)の関係がある。 n・sinα=sin(θ+α) (1)
【0030】ここでnは液晶/高分子複合体の屈折率、
θは入射光に対する出射光の偏向角である。式(1)か
らわかるように、液晶/高分子複合体の屈折率が変化す
ると偏向角θが変化する。後述するように、液晶/高分
子複合体は光路に対して垂直に電界を印加する場合には
入射光の偏光状態に依存せずに高速で屈折率を変えるこ
とができる。
【0031】液晶/高分子複合体としては、例えば液晶
材料を高分子被膜で包含した微小なカプセルをバインダ
ー樹脂を用いて接合したものや、液晶材料と高分子材料
(あるいはその前駆体)の混合体から液晶材料を相分離
させた、いわゆる高分子分散液晶などがある。いずれに
してもその構造は液晶ドロップレットを高分子マトリク
ス中に分散したものとなり、その応答速度は液晶ドロッ
プレットの粒径を小さくするにつれて速くなることが実
験的にわかっており、特に入射光の波長程度以下の粒径
にすることが、散乱が減少し光透過率が高くなる、すな
わち光損失が著しく小さくなることから好ましい(請求
項2)。
【0032】電圧無印加時に全ての液晶分子が一方向に
配列していてもよい。この方向を電圧印加時に液晶分子
が揃う方向(電界方向)とほぼ直交させることにより大
きな屈折率差が得られる。このとき入射光の偏光方向に
よって屈折率差の依存性が生じるが、入射光の偏光方向
を電圧無印加時の液晶分子の配列方向と一致させること
で、大きな偏向角変化を得ることが可能となる(請求項
3)。
【0033】前記の傾斜領域は、断面が鋸歯形状の周期
構造であることが望ましい。これにより、傾斜領域が大
きくなっても入射面と出射面との面間隔がほぼ一定とな
るので、大面積の光偏向素子を形成することが容易とな
る(請求項4)。
【0034】さらに、光路となる前記液晶/高分子複合
体の対向する二面の表面に保持基板を設けることで液晶
/高分子複合体の保持性および表面の面精度が向上した
り、液晶/高分子複合体が保護されるため、高信頼性が
得られる(請求項5)。
【0035】本発明の別の形態は、上記の光偏向素子を
二つ用いて、第一の光偏向素子で偏向された光が一定間
隔を置いて設置された第二の光偏向素子に入射し、第二
の光偏向素子を出射した光が元の入射光と平行になるよ
うに第一の光偏向素子と第二の光偏向素子が配置されて
いることを特徴とする光路切替デバイスである(請求項
6)。これによって光路を平行に切り替えることが可能
となる。
【0036】さらに、上記光路切替デバイスのうち、保
持基板を設けた光偏向素子を用いた光路切替デバイスに
おいて、第一の光偏向素子の出射側保持基板と第二の光
偏向素子の入射側保持基板とが一枚の基板で一体的に構
成されていることを特徴としている(請求項7)。これ
により低コストな光路切替デバイスを提供することがで
きる。
【0037】また、別の形態は、上記光路切替デバイス
で、入射光の波長に応じて第一の光偏向素子と第二の光
偏向素子に印加する電圧を制御する電圧制御機構を有す
ることを特徴としている(請求項8)。これにより、入
射光の波長が変化しても一定の光路シフト量が得られる
光路切替デバイスを提供することができる。
【0038】さらにべつの形態では、上記光路切替デバ
イスで、入射光の波長に応じて前記第一の光偏向素子と
前記第二の光偏向素子との間隔を変動させる変動機構を
有することを特徴としている(請求項9)。これによ
り、入射光の波長が変化しても一定の光路シフト量が得
られる光路切替デバイスを提供することができる。
【0039】本発明のさらに別の形態は、上記の光路切
替デバイスを二つ用いて、第一の光路切替デバイスの傾
斜領域の最大傾斜方向と、第二の光路切替デバイスの傾
斜領域の最大傾斜方向とがおおむね直交するように配置
されてなることを特徴とする光路切替装置である(請求
項10)。これにより直交する二方向に独立に光路を切
り替えることが可能となる。
【0040】さらに、二次元の画像表示素子の画像を、
上記の光路切替デバイスまたは光路切替装置を用いて、
画像フィールドを時間分割した複数のサブフィールドご
とに光路切替を行うことで、画像表示素子の画素数以上
の画像を形成することが可能となる(請求項11)。画
像表示素子は画素数が多くなると歩留まりその他の問題
などで、製作することが困難となってくる。しかし、本
発明を用いることで、比較的容易に画素数を増大するこ
とが可能となる。
【0041】実施の形態1(請求項1、請求項2の発
明) 図1は、本発明の第一の実施形態を説明するための図で
ある。入射面11および出射面12が所定の角度αをも
って対向している液晶/高分子複合体14の入射面11
に光線20を入射する。前述の式(1)に示したよう
に、光線20は出射面12で液晶/高分子複合体14の
屈折率nとその周りの雰囲気(通常は空気)の屈折率お
よび入射面11と出射面12とのなす角αで決まる角度
θだけ、入射光に対して偏向される。液晶/高分子複合
体の屈折率が変化するとそれに応じて偏向角θが変化す
る。液晶/高分子複合体の屈折率を変化させるために、
入射面11および出射面12には光透過性の電極13が
設けられている。
【0042】本発明の液晶/高分子複合体14は、液晶
材料を高分子マトリクス中に分散保持した液晶/高分子
複合体であり、より具体的には図2に示すように液晶ド
ロップレット15をポリマー16中に分散した高分子分
散液晶である。以下に高分子分散液晶についてさらに詳
しく述べる。
【0043】液晶材料としてはネマチック液晶、スメク
チック液晶、コレステリック液晶等を用いることがで
き、単一もしくは2種類以上の液晶性化合物や液晶性化
合物以外の物質も含んだ混合物であってもよい。高分子
マトリクス材料としては透明なポリマーが好ましく、熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂のいずれであ
ってもよい。高分子分散液晶の製法としては、(1)液
晶と熱あるいは光硬化(重合)性モノマーやオリゴマー
もしくはプレポリマーで溶液を作り、重合によって相分
離させる重合相分離法、(2)液晶と高分子と溶剤で溶
液を作り、溶剤を蒸発させることによって相分離させる
溶媒蒸発相分離法、(3)液晶と熱可塑性高分子を加熱
溶解させた後、冷却によって相分離させる熱相分離法な
どを用いることができる。
【0044】ポリマーとしては、製造工程の容易さ、液
晶相との分離性等の点から紫外線硬化型の樹脂を用いる
のが好ましい。具体的な例として紫外線硬化性アクリル
系樹脂が例示され、特に紫外線照射によって重合硬化す
るアクリルモノマー、アクリルオリゴマーを含有するも
のが好ましい。このようなモノマーまたはオリゴマーと
しては(ポリ)エステルアクリレート、(ポリ)ウレタ
ンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリブタジエ
ンアクリレート、シリコーンアクリレート、メラミンア
クリレート、(ポリ)ホスファゼンメタクリレート等が
ある。その他の例として、チオール−エン系も光硬化速
度が速いことから好適に使用できる。
【0045】重合を速やかに行うために光重合開始剤を
用いてもよく、この例としてジクロロアセトフェノンや
トリクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類、1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェ
ノン、ミヒラーケトン、ベンゾイル、ベンゾインアルキ
ルエーテル、ベンジルジメチルケタール、モノサルファ
イド、チオキサントン類、アゾ化合物、ジアリルヨード
ニウム塩、トリアリルスルフォニウム塩、ビス(トリク
ロロメチル)トリアジン化合物等を挙げることができ
る。また光透過性電極は、金属の薄膜蒸着膜やITOな
ど公知の材料を用いることができる。
【0046】図2に示すように、電界を印加していない
場合には、液晶/高分子複合体14中の液晶ドロップレ
ット15は、液晶分子のダイレクタがランダムな方向を
向いており、全体としては無配向の状態、すなわち屈折
率は等方的となっている。図2(B)に示すように電界
17を印加すると、液晶ドロップレット15中の液晶分
子のダイレクタはほぼ一方向に配列する。図では電界方
向に配列する液晶の例を示している。このとき屈折率は
液晶ダイレクタの配向した方向には大きく、液晶ダイレ
クタと垂直な方向には小さくなる。いま、電界と平行に
光路を取るとすると、光路に垂直な面内の屈折率は等方
的に小さくなる。以上のように、電界と平行な方向に光
路を取ると、液晶/高分子複合体に電界を印加すること
で、光の偏向に依存することなく屈折率を変化させるこ
とができる。液晶/高分子複合体の成形は、紫外線透過
性の型に充填して紫外線を照射することで、型の形状を
転写してもよいし、後加工で所望の形状に加工しても構
わない。
【0047】高分子分散液晶における液晶ドロップレッ
トの大きさは、プレポリマーの組成、液晶の混合濃度、
硬化時の紫外線強度等を変えることによって変化させる
ことができる。図3は、液晶ドロップレットサイズと応
答速度との関係の一例を示したグラフを示すものであ
る。液晶材料として、E7およびBL24(メルク
社)、プレポリマーとして、NOA60,65および8
1(ノーランド社)を適宜用いた。
【0048】図4は、高分子分散液晶の応答速度を測定
するための装置の構成例を示す図で、図中、31はレー
ザ、32は偏光子、33はレンズ、34は試料、35は
Au電極、36は高分子分散液晶層、37はSi基板、
38はレンズ、39は検光子、40はパワーメータであ
る。応答速度の測定については、図4に示す装置を用い
て、試料34にパルス電圧(200V)を印加した時の
光出力の立ち上がり時間(Ton)と立ち下がり時間
(Toff)を測定した。ただし、図3には、液晶ドロ
ップレットのサイズの影響をより顕著に受ける立ち下が
り時間(電圧をオンからオフにしたときの時間)だけを
示している。立ち上がり時間(電圧をオフからオンにし
た時の時間)は主に電界強度に依存し、本光偏向素子を
駆動する電界強度では立ち上がり時間は立ち下がり時間
よりも速いため、立ち下がり時間で本光偏向素子の応答
特性を表すことができる。なお、試料34は高分子分散
液晶層36の厚さを20μm、光路長を1mmとした。
【0049】高分子分散液晶層36に電界が印加されて
いない時と印加されている時の様子は前述したように図
2に示すとおりである。電界が印加されていない時には
液晶ドロップレットの向きはランダムであるので、x
軸、y軸、z軸方向の屈折率はどれも等しく、層全体が
光学的に等方な媒体になっている。z方向に電界を印加
すると、液晶分子の分子軸がこの方向にそろうため、z
軸方向の屈折率は大きくなり、x軸およびy軸方向の屈
折率はお互いに等しいまま、その大きさが小さくなる。
図4のように光が電界方向とは垂直のx方向から入射さ
れる場合、yz平面に複屈折が生じるために偏光状態を
変化させることができ、検光子を通した光出力が変化す
る。本発明ではこのような複屈折現象は利用しないが、
電界印加時の液晶分子の挙動とそれに伴う屈折率変化を
利用するので、図3の応答速度は本発明においても同様
に適用できる。図3から液晶ドロップレットサイズが小
さくなるにつれて応答速度が速くなることがわかる。
【0050】さらには、液晶ドロップレットの粒径を入
射光の波長程度以下、より望ましくは1/2以下にする
ことが光透過率の観点から好ましい。以下にレイリー散
乱理論から光透過率を計算した結果を示す。体積Vの球
形散乱体が数密度Nで存在する場合、厚さLの媒体の光
透過率Tは下記式(2)のように表される。 T=exp(−NRL),R=24π3((m2−1)/(m2+2))22/λ4 …(2)
【0051】ここで、Rは散乱断面積、mは散乱体の屈
折率と媒体の屈折率の比、λは使用する光の波長であ
る。m=1.05、L=3μmとした時の透過率Tを散
乱体すなわち液晶ドロップレットの粒径d、体積分率
(=NV)および波長λをパラメータとして計算した。
式(2)からわかるようにdが大きくなる(すなわちV
が大きくなる)ほど、またλが小さくなるほどTが減少
する。また、透過率としては、80%(T=0.8)以
上であることが光利用効率の点から好ましい。図5はT
=0.8となる粒径を体積分率が10%(d(0.
1))、30%(d(0.3))および50%(d(0.
5))の場合について、波長に対してプロットしたもの
である。体積分率が小さいと屈折率変化量が小さく偏向
角が小さくなるので、体積分率は10%以上が好まし
く、30〜50%程度がより好ましい。これ以上の体積
分率では作製が極めて困難になる。この観点から、図5
より、光偏向素子として適用される可視〜赤外領域の波
長に対しては、dが波長λ程度以下であるのが好ましく
(d(0.1)の時)、λ/2以下であることがより好
ましい(d(0.5)の時)ことがわかる。なお、この
計算ではmおよびLを固定したが、実デバイスにおいて
はこれより小さい値であると考えられるため、上記の粒
径範囲であれば問題はない。
【0052】具体的な例を示す。ネマチック液晶BL2
4(no=1.513,ne=1.717,メルク社)を
紫外線硬化性プレポリマーNOA81(ノーランド社)
に溶解(液晶重量濃度45%)し、紫外線(400mW
/cm2)を照射したもの(液晶ドロップレットの平均
粒径は約60nm)を用いて、液晶/高分子複合体の厚
さは薄いところで3μm、厚いところで6μm、入射面
と出射面とのなす角が1°の光偏向素子を形成した。無
偏向のレーザ光(He−Neレーザ:波長0.6328
μm)を入射したところ、電界を印加していないときに
は、偏向角は0.57°であり、300Vの電圧(平均
電界強度20V/μm)を印加したときには屈折角が
0.54°となり、電界のオン・オフで0.03°の光路
偏向を行うことができた。また、このとき光路偏向に要
した時間は10μsのオーダーであり、非常に高速に光
路偏向を行うことができた。さらに、偏光子を使って入
射光を偏光とし、偏光方向を様々な方向に変えて入射さ
せても、無偏光光を入射させた場合と同様に光路偏向を
行うことができた。
【0053】図6は、本発明の第二の実施形態を説明す
るための図である。液晶/高分子複合体14中の液晶ド
ロップレット15に含まれる液晶分子が概略一方向に配
列している(図6(A))。この配列方向は電界印加時
(図6(B)の時)に液晶分子が揃う方向(電界方向)
とほぼ直交する方向にする。図6(A)では光路に垂直
で紙面に平行な方向に配向させている(図6のz方
向)。このとき液晶/高分子複合体14の屈折率は光路
に垂直な方向に大きく、光路方向には小さい値となる。
電界を印加すると(図6(A)の時)液晶分子は電界方
向(図6のx方向)に配向する。このときの液晶/高分
子複合体14の屈折率は光路方向に大きく、光路に垂直
な方向には小さくなる。したがって、入射光を直線偏光
とし、偏光方向を電圧を印加していないときの液晶分子
の配向方向(図6のz方向)にすると、電界のオン・オ
フによる入射光に対する屈折率変化は実施の形態1の場
合よりも大きな値となるので、偏向角θの変化量を大き
くすることができる。具体的な例を示す。第一の実施形
態と同じ材料および処方の高分子液晶を用いて、紫外線
を照射して重合するときに図6のz方向に電界を印加す
ることで図6(A)のように液晶ドロップレット15内
の液晶分子を配向させた。z方向に偏光したレーザ光
(He−Neレーザ、波長0.6328μm)を入射し
たところ、電界を印加していないときには偏向角は0.
61°であり、300Vの電圧(平均電界強度20V/
μm)を印加したときには偏向角が0.54°となり、
電界のオン・オフによって0.07°の光路偏向を行う
ことができた。
【0054】実施の形態3(請求項4の発明) 図7は、本発明の第三の実施形態を説明するための図
で、光偏向素子の異なる構成例を各々図7(A),図7
(B)に示すものである。ここでは、光偏向素子の入射
面11に対して傾斜して設けられる出射面12により形
成される領域を傾斜領域とする。入射面11を基準とし
たとき、基準面と傾斜面とのなす角をα、基準面と平行
な方向における傾斜面の長さをL、傾斜面における基準
面からの距離の差の最大値を最大段差dとするとき、傾
斜領域を形成する方法として図7(A)に示したように
一つの斜面で形成する場合には、最大段差dはLtan
αとなり、傾斜領域の長さLが長くなると最大段差dも
大きくなってしまう。液晶/高分子複合体に電界を印加
する電極は液晶/高分子複合体表面に設けているため、
最大段差dが大きくなると電界強度が低くなり液晶/高
分子複合体の屈折率変化量が小さくなって屈折率変化量
が不足する。あるいは充分な屈折率変化を得るために非
常に高電圧を印加しなければならなくなる。また、電極
間隔が場所によって変わるので、印加電界の強度が場所
によって変わってしまい、屈折率変化に分布が発生して
しまう。そこでより低電圧で均一に電界を印加するため
に図7(B)に示すように断面が鋸歯形状の周期構造を
設ける。これにより大面積になっても最大段差dを小さ
くすることができるので、低電圧で駆動することが可能
となる。
【0055】具体例を示す。実施の形態1と同様の材料
および方法で厚い部分が2μm、薄い部分が1μm、鋸
歯形状のピッチが57μm、入射面と出射面のなす角が
1°の光偏向素子を形成した。印加電圧が0Vおよび3
0V(平均電界強度20V/μm)で実施の形態1と同
様に0.03°の光路偏向を行うことができた。
【0056】実施の形態4(請求項5の発明) 図8は、本発明の第四の実施形態を説明するための概略
構成図である。光偏向素子50は、液晶/高分子複合体
14の入射面11および出射面12の表面に保持基板1
8を設けて構成されている。これにより液晶/高分子複
合体14の保持性が向上し、入射面11および出射面1
2の面精度が向上して光線の方向性が安定する。また、
液晶/高分子複合体14を保護することにもなるので、
信頼性が向上する。
【0057】具体例を示す。光学ガラスBK7(屈折
率:nd=1.517)の表面を深さ(段差d)=1μ
m、傾斜角(α)=1°、ピッチ(p)=57μmの鋸
歯形状にエッチングした。その後、鋸歯形状の表面にI
TOを蒸着し、1μmのスペーサーで周辺部を保持して
別のITO付きBK7の平板と張り合わせた。内部にで
きた空間に実施の形態1と同様の材料を注入し、実施の
形態1の条件で紫外線を照射して光偏向素子を形成し
た。0Vおよび30Vの電圧印加によって0.03°の
光路偏向を確認した。保持基板が設けられているので、
取り扱いが容易で、光路の偏向量の信頼性も実施の形態
2の場合に較べて良好であった。
【0058】実施の形態5(請求項6の発明) 図9は、本発明の第五の実施形態について説明するため
の図で、本発明の光偏向素子を用いた光路切替デバイス
の構成例を示すものである。光路切替デバイス60は、
実施の形態4で示した光偏向素子を二つ用意し(光偏向
素子50a,50b)、第一の光偏向素子50aに入射
して偏向された光が第二の光偏向素子50bを通ること
で、第一の偏向素子50aへの入射光と平行に出射する
ように、第二の光偏向素子50bを配置して構成する。
具体的には第二の光偏向素子50bは、入射面が第一の
光偏向素子50aとは逆の面(例えば、第一の光偏向素
子50aが平面側を入射面に取った場合には第二の光偏
向素子50bは鋸歯形状側を入射面とする)で、傾斜領
域の傾斜方向が第一の光偏向素子50aと同じ方向(第
一及び第二の光偏向素子の傾斜面が互いに平行)になる
ように設ける。二つの光偏向素子間の距離は、必要な光
路シフト量が得られるように設定する。光路シフト量を
Δ、第一の光偏向素子50aの傾斜領域と第二の光偏向
素子50bの傾斜領域との平均距離をD、第一の光偏向
素子50aでの液晶/高分子複合体の屈折率変化に応じ
た偏向角をθ1およびθ2とすると次の式のようになる。 Δ=D(tanθ2−tanθ1) (3)
【0059】偏向角θ1およびθ2は式(1)によって液
晶/高分子複合体14の屈折率と関係づけられているの
で、式(1)および式(3)によって必要な光路シフト
量Δから各光偏向素子50a,50bの間隔を決めるこ
とが可能となる。以上のように構成した光路切替デバイ
ス60は第一の光偏向素子50aと第二の光偏向素子5
0bの両方に同時に同じ電圧を印加する。これによって
第一の光偏向素子50aで偏向された光が、第二の光偏
向素子50bを通ることで入射光と平行になり、平行な
光路シフト素子を実現できる。具体例を示す。実施の形
態3の光偏向素子を図8の配置でD=19mmとなるよ
うに設置した。二つの光偏向素子に同時に0Vまたは3
0Vの電圧を印加することで、10μmの光路シフトが
得られた。
【0060】実施の形態6(請求項7の発明) 図10は、本発明の第六の実施形態について説明する図
で、光路切替デバイスの他の構成例を示すものである。
光路切替デバイス60’は、液晶/高分子複合体14は
実施の形態4と同様に設けられているが、実施の形態4
に示されている第一の光偏向素子50aと第二の光偏向
素子50bに対応する液晶/高分子複合体14間に一つ
の中間基板19が一体的に設けられている。このときの
光路シフト量をΔ、中間基板19の長さをD’、第一の
光偏向素子部(入射側の液晶/高分子複合体14と中間
基板19との間の偏向角)での偏向角をθ1およびθ2
すると次の式のようになる。 Δ=D’(tanθ2−tanθ1) (4) 偏向角θ1およびθ2は式(1)によって液晶/高分子複
合体の屈折率と関係づけられているので、式(1)およ
び式(4)によって必要な光路シフト量から中間基板1
9の厚さを決めることが可能となる。
【0061】具体例を示す。厚さ29μmの光学ガラス
BK7(屈折率:nd=1.517)の板の両面を図1
0に示す中間基板19の形状(深さ(d)1μm、傾斜
角(α)1°、ピッチ(p)57μmの鋸歯形状)とな
るようにエッチングした。その後、鋸歯形状の表面にI
TOを蒸着して電極13を形成し、1μmのスペーサー
で周辺部を保持して別のITO付きBK7の平板を中間
基板19の両面に張り合わせた。内部にできた空間に実
施の形態1と同様の材料を注入し、実施の形態1の条件
で紫外線を照射して光路切替デバイス60’を形成し
た。二つの液晶/高分子複合体14に同時に0Vまたは
30Vの電圧を印加することで、10μmの光路シフト
が得られた。
【0062】実施の形態7(請求項8の発明) 図11は、本発明の第七の実施形態を説明するための図
で、光路切替デバイスの更に他の構成例を示すものであ
る。本実施の形態では、入射光の波長に応じて電圧を制
御できる電圧制御機構61を介して、実施の形態5に示
した光路切替デバイス60’に電圧を印加する。一般に
液晶/高分子複合体や保持基板、空気などはその屈折率
が光の波長によって異なるので、実施の形態4に示した
構成では入射光の波長が変化すると偏向角が変化し、そ
のため光路シフト量Δが波長によって変わってしまうお
それがある。電圧制御機構61はこの波長による光路シ
フト量Δのずれを補正するほうに液晶/高分子複合体1
4の屈折率を制御することで、常に一定の光路シフト量
Δが得られるようにする。
【0063】実施の形態8(請求項9の発明) 図12は、本発明の第八の実施形態を説明するための図
で、光路切替デバイスの更に他の構成例を示すものであ
る。本実施形態では、実施の形態5に示した光路切替デ
バイス60で、第一の光偏向素子50aに、第一の光偏
向素子50aと第二の光偏向素子50bとの間隔Dを変
動させるための変動機構62を設けている。この変動機
構62は、入射光20の波長に応じて第一の光偏向素子
50aと第二の光偏向素子50bとの間隔Dを変化させ
る。変動機構62はこの波長による光路シフト量Δのず
れを補償するように光偏向素子間隔Dを変動させること
で、常に一定の光路シフト量が得られるようにする。偏
向機構62としては、静電気力による方式、磁気による
方式、電歪や磁歪による方式など様々な既存の方法を挙
げることができる。
【0064】実施の形態9(請求項10の発明) 図13は、本発明の第九の実施形態について説明するた
めの図で、光路切替装置の構成例を示すものである。上
述の光路切替デバイス60’を二つ用意し(光路切替デ
バイス60’a,60’b)、第一の光路切替デバイス
60’aの傾斜領域の最大傾斜方向と、第二の光路切替
デバイス60’bの傾斜領域の最大傾斜方向とがおおむ
ね直交するように配置する。入射光20は、第一の光路
切替デバイス60’aによって、縦方向の光路シフトを
受け、第二の光路切替デバイス60’bによって、横方
向の光路シフトを受ける。これによってX、Y両方向の
光路シフトを実現できる。
【0065】具体例を示す。実施の形態6の光路切替デ
バイス60’を二つ、図13に示すように配置し(光路
切替デバイス60’a,60’b)、図14に示すシー
ケンスで各光路切替デバイスに電圧を印加する。このと
き、図中のA〜Dのタイミングでは図15に示すような
光路シフトが行われ、二次元の光路シフトが実現でき
た。
【0066】実施の形態10(請求項11の発明) 図16は、本発明の第十の実施形態を説明するための図
で、本発明の光路切替デバイスを用いた画像表示装置の
構成例を示すものである。画像表示装置70において、
71はLEDランプを2次元アレイ状に配列した光源で
あり、この光源71からスクリーン76に向けて発せら
れる光の進行方向には拡散板72、コンデンサレンズ7
3、画像表示素子としての透過型液晶パネル74、画像
パターンを観察するための光学部材としての投射レンズ
75が順に配設されている。また図中、77は光源71
に対する光源ドライブ部、78は透過型液晶パネル74
に対する液晶ドライブ部である。
【0067】ここに、透過型液晶パネル74と投射レン
ズ75との間の光路上にはピクセルシフト素子として機
能する光路切替手段80が介在されており、ドライブ部
79に接続されている。このような光路切替手段80と
しては、前述の実施の形態で例示したような光路切替デ
バイスもしくは光路切替装置が用いられる。
【0068】光源ドライブ部77で制御されて光源71
から放出された照明光は、拡散板72により均一化され
た照明光となり、コンデンサレンズ73により液晶ドラ
イブ部78で照明光源と同期して制御されて透過型液晶
パネル74をクリティカル照明する。この透過型液晶パ
ネル74で空間光変調された照明光は、画像光として光
路切替手段80に入射し、この光路切替手段80によっ
て画像光が画素の配列方向に任意の距離だけシフトされ
る。この光は投射レンズ75で拡大されスクリーン76
上に投射される。
【0069】ここに、光路切替手段80により画像フィ
ールドを時間的に分割した複数のサブフィールド毎の光
路の偏向に応じて表示位置がずれている状態の画像パタ
ーンを表示させることで、透過型液晶パネル74の見掛
け上の画素数を増倍して表示する。このように光路切替
手段80によるシフト量は透過型液晶パネル74の画素
の配列方向に対して2倍の画素増倍を行うことから、画
素ピッチの1/2に設定される。光路シフト量に応じて
透過型液晶パネル74を駆動する画像信号をシフト量分
だけ補正することで、見掛け上高精細な画像を表示する
ことができる。この際、光路切替手段80として、前述
した各実施の形態のような光路切替デバイスまたは光路
切替装置を用いているので、光の利用効率を向上させ、
光源の負荷を増加することなく観察者により明るく高品
質の画像を提供できる。
【0070】また、入射光として無偏光光を用いること
ができる構成の場合には、画像表示素子として上述の透
過型液晶パネルに限らず、光散乱型液晶パネルやDMD
(デジタルマイクロミラーデバイス)など、あらゆる画
像表示素子をそのまま利用することも可能となる。
【0071】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の光偏向素子によれば、高分子マトリクス中に液晶材料
を分散保持した液晶/高分子複合体の対向する二面が所
定の角度で対向するような傾斜領域を有し、前記対向す
る二面の表面に光透過性の電極を設けることにより、偏
光依存性がなく、高速で動作する簡易な構成の光偏向素
子を提供することができる。また、液晶を入射光の波長
程度以下の粒径を有するドロップレットとすることによ
り、上記に加えて、さらに、高速で動作する光偏向素子
を提供することができる。
【0072】また、電圧無印加時に全ての液晶分子が一
方向に配列しているようにすることにより、偏向角の変
化量が大きな光偏向素子を提供することができる。
【0073】また光偏向素子の傾斜領域を、断面が鋸歯
形状の周期構造とすることにより、上記に加えて大面積
でも光路シフトが可能であり、低電圧で駆動可能な光偏
向素子を提供することができる。また液晶/高分子複合
体の対向する二面の表面に保持基板を設けることによ
り、安定性の高い光偏向素子を提供することができる。
【0074】本発明の光偏向素子を二つ有し、第一の光
偏向素子で偏向された光が、一定間隔をおいて設置され
た第二の光偏向素子によって入射光と平行になるように
第一の光偏向素子および第二の光偏向素子が配置するこ
とにより、光路を平行に偏向させる光路切替デバイスを
提供することができる。
【0075】また保持基板を設けた光偏向素子を前記第
一の光偏向素子と前記第二の光偏向素子として用い、第
一の光偏向素子の出射側保持基板と第二の光偏向素子の
入射側保持基板とを一枚の基板で一体的に構成すること
により、低コストな光路切替デバイスを提供することが
できる。
【0076】また入射光の波長に応じて第一の光偏向素
子と第二の光偏向素子に印加する電圧を変化させる電圧
制御機構を有することにより、入射光の波長が変化して
も一定の光路シフト量が得られる光路切替デバイスを提
供することができる。また、入射光の波長に応じて第一
の光偏向素子と第二の光偏向素子との間隔を変動させる
変動機構を設けることにより、入射光の波長が変化して
も一定の光路シフト量が得られる光路切替デバイスを提
供することができる。
【0077】また本発明の光路切替デバイスを2つ有
し、第一の光路切替デバイスの傾斜領域の最大傾斜方向
と、第二の光路切替デバイスの傾斜領域の最大傾斜方向
とがおおむね直交するように配置することにより、光路
を直交する二方向にシフトさせることができる光路切替
装置を提供することができる。
【0078】また少なくとも、画像情報にしたがって光
を制御することが可能な複数の画素を二次元的に配列し
た画像表示素子と、該画像表示素子を照明する光源と、
前記画像表示素子に表示した画像パターンを観察するた
めの光学部材と、画像フィールドを時間的に分割した複
数のサブフィールドごとに前記画像表示素子と前記光学
部材の間の光路を偏向する本発明の光路切替デバイスま
たは光路切替装置による光路切替手段とを備えることに
より、画素数の少ない画像表示素子を用いて、見かけ上
高精細で光利用効率の高い画像表示装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施形態を説明するための図
である。
【図2】 液晶/高分子複合体として用いる高分子分散
液晶について概念的に示す図である。
【図3】 液晶ドロップレットサイズと応答速度との関
係の一例を示したグラフを示すものである。
【図4】 高分子分散液晶の応答速度を測定するための
装置の構成例を示す図である。
【図5】 透過率が80%となる粒径を波長に対してプ
ロットしたグラフである。
【図6】 本発明の第二の実施形態を説明するための図
である。
【図7】 本発明の第三の実施形態を説明するための図
である。
【図8】 本発明の第四の実施形態を説明するための概
略構成図である。
【図9】 本発明の第五の実施形態について説明するた
めの図である。
【図10】 本発明の第六の実施形態について説明する
図である。
【図11】 本発明の第七の実施形態を説明するための
図で、光路切替デバイスの更に他の構成例を示すもので
ある。
【図12】 本発明の第八の実施形態を説明するための
図で、光路切替デバイスの更に他の構成例を示すもので
ある。
【図13】 本発明の第九の実施形態について説明する
ための図で、光路切替装置の構成例を示すものである。
【図14】 光路切替デバイスに印加する電圧のシーケ
ンスの例を示す図である。
【図15】 図14のシーケンスに対応する光路シフト
について説明するための図である。
【図16】 本発明の第十の実施形態を説明するための
図である。
【符号の説明】
11…入射面、12…出射面、13…電極、14…液晶
/高分子複合体、15…液晶ドロップレット、16…ポ
リマー、17…電界、18…保持基板、19…中間基
板、20…光線、31…レーザ、32…偏光子、33…
レンズ、34…試料、35…Au電極、36…高分子分
散液晶層、37…Si基板、38…レンズ、39…検光
子、40…パワーメータ、50,50a,50b…光偏
向素子、60,60’…光路切替デバイス、60’a…
第一の光路切替デバイス、60’b…第二の光路切替デ
バイス、61…電圧制御機構、62…変動機構、70…
画像表示装置、71…光源、72…拡散板、73…コン
デンサレンズ、74…透過型液晶パネル、75…投射レ
ンズ、76…スクリーン、77…光源ドライブ部、78
…液晶ドライブ部、79…ドライブ部、80…光路切替
手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03B 21/00 G03B 21/00 E 21/14 21/14 Z (72)発明者 鴇田 才明 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 松木 ゆみ 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 杉本 浩之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 滝口 康之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H049 AA43 AA50 AA60 AA63 AA65 2H088 EA10 EA12 EA20 GA06 HA18 KA04 MA03 MA06 MA09 MA10 2H089 JA01 JA03 KA02 KA03 KA04 KA05 KA06 KA07 KA08 KA09 NA30 QA16 RA03 TA02 TA15 UA05 UA09 2H091 FA07X FA07Z FB03 FB04 FC22 FC23 GA02 GA03 JA01 JA02 MA02 MA07 2K002 AA07 AB07 AB10 BA06 CA14 DA02 EA10 HA03

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子マトリクス中に液晶材料を分散保
    持した液晶/高分子複合体と、該液晶/高分子複合体の
    屈折率を変化させるための電圧を印加する光透過性の電
    極とを有し、該液晶/高分子複合体の屈折率の変化に応
    じて入射光に対する出射光の偏向角度が変化する光偏向
    素子であって、前記液晶/高分子複合体は、光路上で対
    向する二面において、一方の面が他方の面に対して所定
    の角度で傾斜する傾斜領域を有し、前記電極は、前記対
    向する二面の表面に配されていることを特徴とする光偏
    向素子。
  2. 【請求項2】 前記液晶は、入射光の波長以下の粒径を
    有するドロップレットであることを特徴とする請求項1
    に記載の光偏向素子。
  3. 【請求項3】 前記液晶/高分子複合体における全ての
    液晶分子が電圧無印加時に一方向に配列していることを
    特徴とする請求項1または2に記載の光偏向素子。
  4. 【請求項4】 前記傾斜領域は、断面が鋸歯形状の周期
    構造を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    か1に記載の光偏向素子。
  5. 【請求項5】 前記液晶/高分子複合体の対向する二面
    の表面に保持基板を設けることを特徴とする請求項1乃
    至4のいずれか1に記載の光偏向素子。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1に記載の光
    偏向素子を二つ有する光路切替デバイスであって、第一
    の光偏向素子で偏向された光が、一定間隔をおいて設置
    された第二の光偏向素子によって入射光と平行になるよ
    うに該第一の光偏向素子および該第二の光偏向素子が配
    置されていることを特徴とする光路切替デバイス。
  7. 【請求項7】 前記第一の光偏向素子と前記第二の光偏
    向素子として請求項5に記載の光偏向素子を用い、前記
    第一の光偏向素子の出射側保持基板と前記第二の光偏向
    素子の入射側保持基板とが一枚の基板によって一体に構
    成されていることを特徴とする請求項6に記載の光路切
    替デバイス。
  8. 【請求項8】 入射光の波長に応じて前記第一の光偏向
    素子と前記第二の光偏向素子とに印加する電圧を制御す
    る電圧制御機構を有することを特徴とする請求項6また
    は7に記載の光路切替デバイス。
  9. 【請求項9】 入射光の波長に応じて前記第一の光偏向
    素子と前記第二の光偏向素子との間隔を変動させる変動
    機構を有することを特徴とする請求項6または8に記載
    の光路切替デバイス。
  10. 【請求項10】 請求項6乃至9のいずれか1に記載の
    光路切替デバイスを2つ有する光路切替装置であって、
    第一の光路切替デバイスの前記傾斜領域の最大傾斜方向
    と、第二の光路切替デバイスの前記傾斜領域の最大傾斜
    方向とが直交するように配置されてなることを特徴とす
    る光路切替装置。
  11. 【請求項11】 少なくとも、画像情報にしたがって光
    を制御することが可能な複数の画素を二次元的に配列し
    た画像表示素子と、該画像表示素子を照明する光源と、
    前記画像表示素子に表示した画像パターンを観察するた
    めの光学部材と、画像フィールドを時間的に分割した複
    数のサブフィールドごとに前記画像表示素子と前記光学
    部材との間の光路を偏向する請求項6乃至9のいずれか
    1に記載の光路切替デバイスまたは請求項10に記載の
    光路切替装置による光路切替手段とを備えることを特徴
    とする画像表示装置。
JP2001400240A 2001-12-28 2001-12-28 光路切替装置および画像表示装置 Expired - Fee Related JP4282263B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001400240A JP4282263B2 (ja) 2001-12-28 2001-12-28 光路切替装置および画像表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001400240A JP4282263B2 (ja) 2001-12-28 2001-12-28 光路切替装置および画像表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003195274A true JP2003195274A (ja) 2003-07-09
JP4282263B2 JP4282263B2 (ja) 2009-06-17

Family

ID=27604925

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001400240A Expired - Fee Related JP4282263B2 (ja) 2001-12-28 2001-12-28 光路切替装置および画像表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4282263B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100730253B1 (ko) 2004-10-26 2007-06-20 후지쯔 가부시끼가이샤 광 편향 소자 및 광 스위치
JP2007532958A (ja) * 2004-04-16 2007-11-15 ディ.ケイ. アンド イー.エル. マクフェイル エンタープライジーズ プロプライエタリー リミテッド 空洞構造を備えた光学的活性基材
JP2014529103A (ja) * 2011-09-07 2014-10-30 アルコン リサーチ, リミテッド 電気的に操向可能な光ビームを有するレーザプローブ
KR20170084951A (ko) * 2016-01-13 2017-07-21 삼성전자주식회사 광 편향기 및 디스플레이 장치
JP2018084822A (ja) * 2016-11-25 2018-05-31 中強光電股▲ふん▼有限公司 接眼ディスプレイ
CN109031848A (zh) * 2018-08-03 2018-12-18 北京航空航天大学 一种蓝相液晶光偏转器
JP2019049704A (ja) * 2017-09-07 2019-03-28 中強光電股▲ふん▼有限公司 光学素子及び表示装置
JP2019053295A (ja) * 2017-09-08 2019-04-04 ヴァレオ ビジョンValeo Vision 発光デバイス用光分配素子、および発光デバイス
JP2021504736A (ja) * 2017-11-21 2021-02-15 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated 導波結合器の製造方法
US11327218B2 (en) 2017-11-29 2022-05-10 Applied Materials, Inc. Method of direct etching fabrication of waveguide combiners

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007532958A (ja) * 2004-04-16 2007-11-15 ディ.ケイ. アンド イー.エル. マクフェイル エンタープライジーズ プロプライエタリー リミテッド 空洞構造を備えた光学的活性基材
KR100730253B1 (ko) 2004-10-26 2007-06-20 후지쯔 가부시끼가이샤 광 편향 소자 및 광 스위치
JP2014529103A (ja) * 2011-09-07 2014-10-30 アルコン リサーチ, リミテッド 電気的に操向可能な光ビームを有するレーザプローブ
EP2753975B1 (en) * 2011-09-07 2018-09-19 Alcon Research, Ltd. Laser probe with an electrically steerable light beam
KR20170084951A (ko) * 2016-01-13 2017-07-21 삼성전자주식회사 광 편향기 및 디스플레이 장치
JP2018084822A (ja) * 2016-11-25 2018-05-31 中強光電股▲ふん▼有限公司 接眼ディスプレイ
JP7202777B2 (ja) 2016-11-25 2023-01-12 中強光電股▲ふん▼有限公司 接眼ディスプレイ
JP7039421B2 (ja) 2017-09-07 2022-03-22 中強光電股▲ふん▼有限公司 光学素子及び表示装置
JP2019049704A (ja) * 2017-09-07 2019-03-28 中強光電股▲ふん▼有限公司 光学素子及び表示装置
JP2019053295A (ja) * 2017-09-08 2019-04-04 ヴァレオ ビジョンValeo Vision 発光デバイス用光分配素子、および発光デバイス
JP7274838B2 (ja) 2017-09-08 2023-05-17 ヴァレオ ビジョン 発光デバイス用光分配素子、および発光デバイス
JP2021504736A (ja) * 2017-11-21 2021-02-15 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated 導波結合器の製造方法
JP2022163081A (ja) * 2017-11-21 2022-10-25 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド 導波結合器の製造方法
US11327218B2 (en) 2017-11-29 2022-05-10 Applied Materials, Inc. Method of direct etching fabrication of waveguide combiners
US11662516B2 (en) 2017-11-29 2023-05-30 Applied Materials, Inc. Method of direct etching fabrication of waveguide combiners
CN109031848A (zh) * 2018-08-03 2018-12-18 北京航空航天大学 一种蓝相液晶光偏转器

Also Published As

Publication number Publication date
JP4282263B2 (ja) 2009-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4537664B2 (ja) 光路偏向素子、光路偏向装置、画像表示装置、光書込み装置、光インターコネクション装置、光学素子及びその製造方法
EP1688783A1 (en) Optical element using liquid crystal having optical isotropy
JP4728515B2 (ja) 光路素子、空間光変調器および画像表示装置
JP4282263B2 (ja) 光路切替装置および画像表示装置
JP2003091013A (ja) 液晶素子、光偏向素子、該光偏向素子を用いた画像表示装置、光偏向素子の製造方法、及び該光偏向素子の駆動方法
JP2009294604A (ja) 光変調液晶素子および可変光減衰器
JP2002328402A (ja) 光偏向方法、光偏向素子、光偏向デバイス及び画像表示装置
JP2003279947A (ja) 光偏向素子、光路切替デバイスおよび画像表示装置
JP4889643B2 (ja) ホログラフィック高分子分散型液晶を使用した光学スイッチ
JP4520099B2 (ja) 光学素子、光偏向素子及び画像表示装置
JP2776351B2 (ja) 表示装置およびその製造方法
JP3970067B2 (ja) 光路切替素子、空間光変調器および画像表示装置
JP2004233659A (ja) 光偏向素子及び光偏向装置及び画像表示装置
JP4043260B2 (ja) 光路切替装置、空間光変調器および画像表示装置
JP4785023B2 (ja) 光路切替素子、空間光変調器、及び画像表示装置
JP4063547B2 (ja) 光路切替素子、空間光変調器および画像表示装置
JP4950396B2 (ja) 光路切替素子、空間光変調器、及び画像表示装置
JP4014396B2 (ja) 光路切替素子、および該素子を用いた空間光変調器
JP2003255410A (ja) 光路切替素子、空間光変調器および画像表示装置
JP2004286961A (ja) 光学素子、光偏向素子及び画像表示装置
JP2002311410A (ja) 光スイッチング素子、空間光変調器および画像表示装置
JP2003149620A (ja) 光路切替素子、空間光変調器及び画像表示装置
JP2004029393A (ja) 光偏向デバイス、画像表示装置及び光偏向デバイスの製造方法
JP2003329994A (ja) 光路切替素子、空間光変調器および画像表示装置
JP3980390B2 (ja) 光偏向素子、光偏向デバイス、光偏向装置及び画像表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041004

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061101

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070508

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070627

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090317

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090317

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120327

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130327

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140327

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees