JP2003194904A - 核磁気共鳴(nmr)分光器、及びその操作方法 - Google Patents

核磁気共鳴(nmr)分光器、及びその操作方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超伝導素子を含むRFコイルを有するNMR
分光器において擾乱となる横方向磁化の初期発生を防止
する核磁気共鳴(NMR)分光器、及びその操作方法を
提供する。 【解決手段】 z軸の方向に均一な静磁場B0を発生す
る磁石装置(1)と、測定容積からのNMR信号を受信
するための1つ以上の超伝導素子を有するラジオ周波数
(RF)共振器(2)とを有する核磁気共鳴(NMR)
分光器は、RF共振器(2)の超伝導素子に作用する均
一磁場B0に対して横方向の磁場成分BTを一定に保つ安
定化デバイスが設けられていることを特徴とする。安定
化デバイスはアクティブ又はパッシブに働きかけること
ができる。それによって超伝導素子を有するRF共振器
に対する擾乱的な横方向磁化の発生を抑制することがで
きる。さらに、消磁されたコイルは、その後の動作の全
体にわたって消磁されたままにとどまる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核磁気共鳴(NM
R)分光器に関し、詳しくは、z軸方向に均一な静磁場
0を生成する磁石装置と、測定容積からのNMR信号
を受信する一つ以上の超伝導素子を含むラジオ周波数
(RF)共振器とを有する核磁気共鳴分光器に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の装置は従来技術1(例えば、特
許文献1参照)によって公知である。
【0003】NMRは化合物の構造を分析するためのき
わめて明快且つ精密な方法である。しかし、その感度は
あまり高くない。このため、NMRにおいては、最高の
検出感度を有する共振器、すなわち、最大のS/N比を
有する共振器を備えることが最も重要になる。
【0004】冷却された、特に超伝導性の、RF共振器
を用いることによって共振器における損失が極小にな
り、感度をかなり高めることができる。現在最も適した
超伝導体は高温超伝導(HTS)物質である。これらの
物質は転移温度が高く、他の超伝導体に比べて静磁場に
ずっと影響されにくい。
【0005】測定しようとする物質は、通常液体であ
り、普通室温にある測定チューブに収められ、中間チュ
ーブ及び真空チャンバによって約20Kという温度にあ
る低温のNMR共振器から隔てられている。
【0006】冷却された超伝導RFコイルを用いる装置
は、例えば上述の従来技術1や従来技術7(例えば、特
許文献7参照)に記載されている。図2は、シム・コイ
ル系を有するNMR磁石と冷却された超伝導RFコイル
(共振器)を有する低温プローブ・ヘッドの概略断面図
を示している。このタイプのRFコイル装置が図3
(a),図3(b)に概略図で示されている。図3
(a)は透視図であり、図3(b)はxz平面の断面図
である。
【0007】超伝導体をNMR受信システム(RF受信
コイル)で用いる場合の大きな問題はその靜的な磁化に
ある。制御されない場合、磁化はサンプル内部に線幅が
許容できないほど拡げる大きさの擾乱磁場を生ずる可能
性がある。この望ましくない磁化を最小にする従来技術
2(例えば、特許文献2参照)や従来技術3(例えば、
特許文献3参照)、又は少なくとも最小にしようとする
従来技術4(例えば、特許文献4参照)等が公開されて
いる。
【0008】しかし、記載されている方法は以下で述べ
るような重大な欠点を含んでいる。特に、擾乱を生じな
いコイルにおいても、後で印加される望ましくない横方
向磁場のために再び大きな擾乱磁場が生ずるという問題
がある。
【0009】したがって、本発明の根底にある目的は、
従来技術1のRFコイルにおける擾乱磁場の発生を防止
することである。従来技術2及び従来技術3による方法
をこれらのコイルで用いれば、それらの磁化を実質的に
なくすことができるが、その後の動作において大きな問
題が生ずる。その後の動作で磁石に対して望ましくない
機械的な傾きが生じ、これらのコイルが再び磁化する可
能性があるからである。本発明はまた、いったん消磁さ
れたコイルがその後の動作の間ずっと消磁された状態に
とどまることを可能にする。
【0010】従来技術1のコイル・タイプの他に、従来
技術5(例えば、特許文献5参照)や従来技術6(例え
ば、特許文献6参照)に開示される別のタイプの超伝導
RFコイルであって、可能な擾乱的な横方向磁場に対し
て既にきわめて影響されにくくなっているものが公知で
ある。
【0011】本発明のデバイスの有利な効果は、これら
従来技術5,6に開示される別のコイル・タイプとも両
立するものであり、実はそれに対して累積的である、す
なわち、本発明は、それらのコイル・タイプに残される
非常に小さな擾乱をさらに相当な因子だけ減少させる。
【0012】これらのコイルのある種の形態は、その応
用範囲が拡大される。本発明との組み合わせの結果、き
わめて擾乱が少ない、長期的に安定な、擾乱の小ささと
安定性に関して従来の基準をはるかに超えて最高の基準
に合致し、したがって新しい応用分野を開くRFコイル
装置が得られる。
【0013】従来技術2,6に詳しく示されているよう
に、第2種超伝導体の内部の閉路を流れる電流はその超
伝導体の全体的な磁化を生ずる。電流はその超伝導体の
過去の履歴によって決まり、外部条件が変化しない限
り、超伝導体の抵抗はゼロであるから本質的に限りない
長さの時間にわたって残る。
【0014】従来用いられている薄層コイル(例えば、
従来技術1、又は図3(a),図3(b)の場合、この
磁化は主に基材に直角な方向で圧倒的に重要になる。関
連する電流が流れる面積が最大になるからである。横方
向の磁化MT(図6(a))は、長手方向の(z方向)
磁化よりも実質的に大きな影響を及ぼす。層はきわめて
薄く、長手方向の磁化(これは電流ループと共に二重極
モーメントを生ずる)に利用できる面積として非常に小
さな面積しか与えないからである。
【0015】いずれにせよ、磁化は超伝導体の外側に付
加的な磁場を生じ、それがサンプル容積内に強い望まし
くない擾乱磁場を生ずる可能性がある。図6(b)は、
横方向磁化がRFコイルの外側の擾乱磁場に、特にNM
Rサンプルの内部のBz成分に及ぼす影響を模式的に示
している。
【0016】したがって、直接の課題は、動作に大きな
擾乱を及ぼす可能性がある横方向磁化MTを最小にする
ことである。
【0017】用語 以下では、磁石の静磁場B0に対して傾斜している超伝
導コイルが詳しく論じられる。そのためには用語を、特
に用いられる座標系を、精密に定義する必要がある。
【0018】“横方向磁場変化”という用語は、この変
化の前に存在する静磁場B0の方向に対して直角な方向
の超伝導コイルの座標系における余分な磁場成分dBT
を意味する。これはまた、超伝導コイルの座標系で一次
的に、超伝導コイルに対する静磁場の回転に対応し、そ
れは静磁場に対するコイルの回転と同等である。
【0019】ここで主に考察される平坦な又はシート状
の、実質的に磁場と平行に向いている超伝導構造の場
合、これは超伝導体の表面に直角の方向に超伝導体の磁
化を生ずる。我々はこれを“横方向磁化”と呼ぶ。この
磁化MTは一次的には静磁場B0に直角に向いている。
【0020】静磁場の不均一性によるスペクトルの擾乱
を最小にするための従来のアプローチは次のような戦略
を用いていた。
【0021】1.可能な最大磁化の大きさを小さくする
(コイルを十分に狭い帯に細分することによる従来技術
1,5)。
【0022】2.磁場内の超伝導体をゆっくり冷却する
ことによって可能な残留磁化の発生を抑制するように努
める従来技術4。
【0023】3.一連の減少する横方向磁場による超伝
導コイルの“消磁”のための後処理の従来技術2,3
(それによって狭い間隔で向きが反対になる電流領域か
ら成り、個々の磁場寄与分の合計が良い近似で打ち消し
合う電流構造を誘発する)。
【0024】4.磁場の擾乱は許すがRFアクティブ磁
場を非常にわずかな擾乱しかない磁場に常伝導素子によ
って制限するようにコイルの超伝導構造を設計する従来
技術5。
【0025】5.磁場の擾乱は許すが、RF中断部を含
んで超伝導物質の分布が巨視的に均一である細長い構成
のコイルによってz方向磁化の一様な分布を実現するよ
うに超伝導コイル構造を設計する従来技術6。これらの
コイルは磁場のBx及びBy成分は擾乱されるが、Bz
分は非常にわずかなうねりを除いて擾乱されないという
ことが示される。NMRで重要なのはBz成分だけなの
で、スペクトルに人為結果はほとんど生じない。
【0026】
【特許文献1】米国特許第5,610,140号明細書
【特許文献2】国際公開第99/24845号パンフレ
ット
【特許文献3】国際公開第99/24821号パンフレ
ット
【特許文献4】米国特許第5,572,127号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第197 33 57
4 A1号明細書
【特許文献6】独国特許出願第101 50 131.
5号明細書(未公開)
【特許文献7】米国特許第5,585,723号明細書
【0027】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法には次のよ
うな欠点がある。
【0028】1.従来技術1に記載されているタイプの
コイルは従来技術2,3の方法によって消磁することが
できる。問題は、後に動作中に起こる。図3(a),図
3(b)に示されているような従来技術1によるHTS
コイルの典型的な形状寸法の場合(サファイヤ基材上の
YBCO薄層のコイルで、実質的に静磁場B0と平行に
向き、コイル導体の全幅は数mmで、それが10〜20
μmの幅で互いの間隔が数μmの小さな帯に分割され、
層の厚さは約300nm、調べられるNMRサンプルか
らコイルまでの側方間隔は数mm、普通は1〜5mmで
ある)、1Gの大きさの横方向磁場の変化dBTが超伝
導層に作用するだけでもそれまで磁化していなかった
(又は前に消磁された)コイルに横方向磁化を生ずるに
十分であり(図6(a))、それはさらに、サンプル内
の陽子共鳴周波数に顕著な変化を生ずる。
【0029】超伝導体の横方向磁化に伴う磁力線の空間
的拡がりと曲がりは隣接するサンプルにおいてNMRに
関わりがあるBz成分に影響を及ぼす(図6(b))。
これはNMRスペクトルに擾乱となる線の拡がりと歪み
を生ずる。サンプルにおけるBz成分に1mG未満とい
うきわめて小さな擾乱があってもスペクトルに大きな人
為結果を生ずるに十分である。Bz成分における0.0
00234Gの変化が陽子の周波数変化1Hzに対応す
る。
【0030】典型的な形状寸法の場合、コイルの領域に
おける1Gあたりの横方向磁場の変化dBTが0.03
〜6Hzの擾乱が生ずるが、擾乱の係数及び正確な形は
正確な幾何的関係に依存する。横方向成分の変化dBT
=1Gは、B0が10Tの磁石の場合、磁石に対するコ
イルの傾きで0.00057度に対応する。これは10
μm/m(1mで10μm)というきわめて小さな傾き
に対応する(0.1度の傾きでは−>5〜1000
G)。
【0031】2.上記の大きさの横方向磁場でもすでに
スペクトルにマイナスの影響があるが、一般にその影響
はまだ可逆的である、すなわち、横方向磁場が消滅すれ
ば擾乱も消滅する。横方向磁場が20G以上になると、
超伝導体の磁化は不可逆的に変化する、すなわち、物質
の臨界電流密度を超える遮蔽電流が生じ、超伝導体の中
で(縁からスタートして)その領域が拡がり続ける。こ
のため、増大するヒステリシス(履歴)挙動が生じ、そ
の結果、傾いた後、測定容積内の静磁場が不可逆的に不
均一になる。
【0032】上記の典型的な形状寸法の場合、サンプル
内に0.6〜120Hzのオーダーの磁場擾乱を生じ、
高分解能用途では全く役に立たないスペクトルになって
しまう。20Gという横方向磁場は、B0が10Tの場
合、0.011度の傾きに対応する(200μm/m、
又は2μm/cmの傾きに対応する)。
【0033】3.可逆限界を超える磁場は最終的には約
500Gという横方向磁場で(10Tでは約0.28度
又は5mm/mに対応する)各個別超伝導素子において
臨界電流密度に達し、したがって従来技術2に記載され
ているような超伝導コイル要素の完全な磁化に至る。こ
れはサンプルの周波数擾乱では3〜1000Hzのオー
ダーになる。
【0034】4.この傾きは超伝導コイルに対する磁石
の磁場の傾きであるということに注意しなければならな
い。図4は、磁力線がRFコイルの超伝導層に平行な磁
石システムを示している。
【0035】上記の傾きはプローブ・ヘッド内部でのコ
イルの動きによって発生させることもでき(図5
(a))、プローブ・ヘッド又はジュワーに対する磁石
の動きによっても発生させることができる(図5
(b))。
【0036】上記の傾きの角度の大きさは、「1.」で
は、擾乱の係数及び正確な形が正確な幾何的関係となる
とき10μm/mとなることを示し、「2.」では約2
00μm/mで不可逆性にまで達することを示してい
る。ジュワー内での低温磁石の柔らかい(特に側方の)
サスペンションを考えると、普通の状況では上記の条件
を維持できないことがすぐに分かる。
【0037】したがって、その後の従来技術2,4の方
法はうまくゆくとしても、従来技術1に記載されている
システムは実際には満足できる形で機能しない、特に長
い時間にわたっては機能しない(振動吸収材上の磁石の
動き、低温生成液体の蒸発に伴う重量減少等を考えてみ
るだけでよい)。
【0038】5.従来技術5,6のコイルはこれら横方
向の変化によってほとんど影響されず、したがって、実
際に形状寸法の自由度と設計の効率がかなり制限され、
どちらの場合もRF性能をある程度低下させるというコ
ストと引き替えに最初の実用的な長期的に安定なNMR
システムを生み出すことができる。
【0039】6.従来技術6のコイルが横方向の磁場に
さらされると、個々の幾何的設計にもよるがコイルはB
z磁場に小さなうねり(waviness)を生じ、それは形状
寸法によっては非常に小さいが擾乱的な影響を及ぼす可
能性がある。このコイルのいくつかの実施の形態従来技
術6は、ある最大横方向磁場(可逆限界より小さい、上
記「2.」参照)までしか機能できない。補償の効果は
そこで失われ、コイルの特性はかなり低下して、B0
場に平行な臨界電流と直角の臨界電流の比及び素子の形
状寸法によるが、従来技術1のコイルに比べて小さな利
点しかなくなる。
【0040】したがって、このサブクラスのコイルの場
合、(Tcより低い温度に冷却された後)過度に高い横
方向磁場に決してさらされないことが非常に重要にな
る。このような理由により、従来技術6に開示するサブ
クラスコイルの場合、横方向磁場がある限界内にとどま
ることが有利であり、それは必ずしも過度に狭くなくて
もよい。
【0041】従来技術6のタイプ全てのコイルに残るう
ねりも横方向磁化に比例する。これも横方向磁場によっ
て制御することができる。磁場が小さくとどまる限りこ
の横方向磁化も小さくなり、残留する擾乱もさらに小さ
くなる。
【0042】従来技術1,3はすべて、超伝導コイルを
冷却すると磁場に対して傾きが生じるという仮定に基づ
いている。このため、生ずる横方向磁化を除去する方法
が開発されたが、その後の問題は議論されなかった。
【0043】従来技術6は傾きに関連した問題を認識し
て、そのような傾きにあまり影響されない新しいコイル
構造を提案した。
【0044】この傾きの絶対サイズはきわめて小さいも
のであり、与えられた不可避の条件と見なされた。
【0045】本発明はそれと対極的な観点に立ち、横方
向磁場成分の変化を最初から防止するデバイスを提供す
ることによって上記の問題をすべて回避する。
【0046】したがって、超伝導素子含むRFコイルを
有する上記の種類のNMR分光器において擾乱となる横
方向磁化の初期発生を防止する核磁気共鳴(NMR)分
光器、及びその操作方法を提供することが本発明の根底
にある目的である。
【0047】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、本発明に
従って、RF共振器の超伝導素子に作用する、均一磁場
0に対して横方向である磁場成分BTを一定に保つ安定
化デバイスを提供することによって、驚くほど簡単かつ
効果的な方法で達成される。
【0048】本発明の装置は、従来の技術による第2種
超伝導体から成るほぼ全てのコイルを、それによって静
磁場に生ずる擾乱をきわめて小さく抑えながら使用する
ことを可能にする。
【0049】本発明の驚くべき効果は実質的に以下の点
に基づいている。
【0050】傾きはきわめて小さく、それをどのように
制御できるか最初は明らかではない。その大きさは、上
記のように、約10〜100μm/m又は約100nm
〜1μm/cmという領域にある。細かい条件による
が、超伝導コイルの角度の方向づけはこの範囲になけれ
ばならない。上記の値は、磁場が10Tの磁石に基づい
ている。磁場がもっと大きい場合、角度の要求条件はも
っと厳しくなる。
【0051】上記の精度を有する位置はまた長期にわた
って絶対的に安定していなければならない。全ての機械
的成分は“漸動”する傾向があり、電子部品は不安定で
あり、ドリフトがあるということを考えると、これは望
みがなさそうに思われるだろう。さらに、横方向磁場を
測定するデバイスが磁場の均一性を乱さないようにしな
ければならない。
【0052】超伝導コイルに作用する横方向磁場を実際
に制御することが従来試みられなかった理由は上記によ
って明らかである。
【0053】さらに、システマティックな一貫性のある
制御が必要であるということを最初に認識しておかなけ
ればならない。何故なら、超伝導コイルの角度の方向づ
けの問題は、単にプローブ・ヘッド内部のRFコイルの
角度の方向づけと安定性に関わるだけでなく、上記の限
界内に維持することができない磁石に対するRFコイル
全体の角度の方向づけと安定性に関わるからである。し
たがって、横方向磁場変化の問題をプローブ・ヘッドと
超伝導コイルという全くの剛構造だけによって解決しよ
うという試みは必ず失敗に終わる。この点の認識は非常
に重要である。
【0054】これに関連して、さらに次の2つの点が注
意される。
【0055】a)常伝導金属から作られたRFコイルを
有し、他に全く余分な超伝導素子を有しないプローブ・
ヘッドの場合、全ての素子によって生ずる磁化は実質的
にB 0磁場と平行である。その場合この磁化は大きさと
方向に関して磁場に比例する。本質的に小さな擾乱しか
生じない材料及び/又は磁気的に補償される物質から成
る材料(高分解能用途では体積透磁率が約10-7MK
S)しか使用されないので、磁化の大きさはきわめて小
さい。磁場に対する傾きが変化しても、小さな擾乱は小
さな擾乱にとどまる。磁気的に補償される装置の場合、
z方向に連続した同一の透磁率の物質(例えば、サンプ
ル・チューブとサンプル自身)に基づいているが、傾き
によって生ずる擾乱は傾き角の二乗に依存し、したがっ
て、小さな傾き角では無視できる。もしもこの特徴がな
かったら、プローブ・ヘッドに対する磁石のサスペンシ
ョンは比較的柔らかいので実用的に動作するNMR装置
を製造することは不可能であろう。
【0056】b)しかし、超伝導素子は磁場変化に対し
てきわめて感度がよい。超伝導体に対する磁石の傾きか
ら生ずる横方向磁場変化は、一次的に、傾き角に依存す
る。この横方向磁場変化は超伝導体の横方向磁化を生ず
るが、この磁化は差動的な反磁性のためにきわめて強い
(完全反磁石:体積透磁率約−1MKS、すなわち、
約100MKSのオーダー、これは磁気的に補償される
物質の場合より7けたも強い)。幸いなことに、差動透
磁率から生ずる磁化は磁場の変化に比例する。超伝導体
がクールダウンするときには無視できるほど小さな擾乱
しか生じないが、磁場のその後の変化に応答してサンプ
ル容積内にBzのかなりの変化が生じ、NMRスペクト
ルに擾乱が生ずる可能性がある。これは、一次的に、傾
き角に依存し一般に非常に強い。
【0057】長手方向の磁化も同じように扱うことがで
きる。B0の変化も超伝導体の長手方向の磁化にかなり
の変化を生ずる。しかし、次の2つの理由によりこれは
実際にはあまり影響がない。
【0058】i)10Tの場合、B0の1Gの変化は10
ppmという変化に対応し、陽子ではそれはスペクトル
の幅全体になる。最新の分光器ではロック・システムが
設けられており、磁場は約10-10まで一定に保たれ、
それは10-5Gに対応する。したがって、長手方向の磁
場は、擾乱になるとして言及されたほど変化しない。
【0059】ii)起こりうるもっと大きな磁場変化で
も、例えばパルス磁場勾配が印加されたときでも、臨界
電流は、非常に薄い層及び誘導電流が囲む面積の小ささ
と協働して、z方向の磁化の最大の大きさを低く抑え
る。
【0060】したがって、横方向磁場を約1Gの精度で
正確に一定に保つことが技術的に可能であれば、超伝導
RFコイルの磁化によって生ずる静磁場の追加の擾乱は
本質的に除くことができる。
【0061】しかし、磁場(すなわち、横方向成分
T)を安定化するという問題は解決できる。以下で示
すようにパッシブ・デバイス及びアクティブ・デバイス
が原理的にそれに適する。
【0062】本発明のNMR分光器の好ましい実施の形
態では、安定化デバイスは常伝導体から成る、好ましく
は冷却された横方向磁場シールドであって、オプション
として付加的な超伝導素子を含み、且つRF共振器の周
囲を囲むものを有し、それと剛体的に相対的な傾きを制
御するように、好ましくは傾きを防止して、RF共振器
に作用する横方向磁場成分BTを少なくとも減衰させる
ように、結合される。
【0063】高周波擾乱はこれによって非常に簡単にフ
ィルターされて除去される。振動で生じ、磁場の変調と
スペクトルの乱れを生ずる擾乱をフィルターして除去で
きるので、これは非常に有効に全く他の手段なしに適用
できる。以下で述べる補償法は遅すぎるので、これは高
周波擾乱に対処する唯一の合理的な方法かもしれない。
この実施の形態はまた、高い周波数領域(例えば、10
〜100Hzという領域)のアクティブ補償法を補っ
て、0Hzから無限までの全範囲にわたって全体的な広
域安定化を実現するために理想的である。さらに、この
シールドには全く不利益がなく、シム機能に関しても、
応答が少し遅れるだけなので全てのシム機能は維持され
る。
【0064】本発明の別の有利な実施の形態では、安定
化デバイスは超伝導体の横方向磁場シールドを有し、こ
れは平らなシート状の、又は離散的なワイヤ状又は層状
の導体によってRF共振器の周囲を囲み、相対的な傾き
を制御するように、特にRF共振器に作用する横方向磁
場成分BTを一定に保つように傾きなしにそれと剛体的
に結合される。
【0065】このタイプのシールドには永続的な電流が
流れる。したがって、これは原理的にはゼロまでの低周
波のシールドに適している。理想的な場合、このシール
ドを実施することによって、他の計測方式は、アクティ
ブな計測方式も含めて不要になる。しかし、シム機能と
0制御(ロック)に関して問題が起こる可能性があ
る。このような装置は冷却のために多少複雑になるが、
完全な制御の自由度のためには超伝導コイルと独立でな
ければならない。転移温度より低く冷却した後、シムの
値が十分な精度で維持できるかどうか、疑問がある。さ
らに、この実施の形態ではその後のシム調整は、実際に
必要ではないかもしれないが、通常不可能である。
【0066】上記の実施の形態の特に有利な別の発展例
は、横方向磁場シールドが、均一な静磁場のz成分が妨
げられることなく通過できるスリットによってz方向に
一つ以上の箇所で中断されていることを特徴とする。こ
の実施の形態では磁場ロックを好適に使用できるが、シ
ム調整は別に手段を講じなければ(例えば、シム調整時
のTc以上のに加熱、又はインナーシム系)不可能であ
る。
【0067】本発明のNMR分光器の特に好ましい別の
実施の形態は、横方向磁場成分BTを測定する検出デバ
イスが設けられ、安定化デバイスはアクティブ補償デバ
イスを有し、測定された横方向磁場成分BTがフィード
バック又は制御手段によってそれに供給され、アクティ
ブ補償デバイスがRF共振器の超伝導素子の領域におけ
る横方向磁場成分を一定に保つということを特徴とす
る。これは適当な努力によって実現できる非常に効果的
且つ弾力的な方法であるが、きわめて安定な検出器を必
要とし、かつ周波数応答に上限がある。
【0068】本発明のNMR分光器のある実施の形態も
好ましいものである。この実施の形態では、安定化デバ
イスは、RF共振器の超伝導素子を均一な磁場B0と平
行でないある軸のまわりで回転させる手段を含む。
【0069】超伝導素子の回転は、その座標系で所望の
横方向磁場を生成するために非常に効果的な方法で利用
できる。磁場コイルに比べて、非常に高いBT成分を有
利に容易に得ることができ、コイルで必要な(多分非常
に高い)動作電流による散逸は全くない。この横方向磁
場はまたきわめて均一であり、それは磁場コイルでは容
易に実現できない。最初に傾きによって生じた擾乱に対
して、傾けることは全く正しい物理的な対応である。あ
る平面内に配置された、又はある平面と平行に配置され
た薄い層状のコイルの場合、この平面に直角でなく、B
0と平行でない1つの軸で十分である。
【0070】別に、他の実施の形態では、安定化デバイ
スはRF共振器の超伝導素子を相互に平行でなく、均一
磁場B0とも平行でない2つの軸のまわりに回転させる
手段を含む。単一の平面に向いていない超伝導(SC)
コイルの場合、BTの両方の成分を制御しなければなら
ない。それは本発明のこの実施の形態では容易である。
しかし、その配置は複雑になる。
【0071】本発明のNMR分光器の、別の有利な実施
の形態では、安定化デバイスは、RF共振器の超伝導素
子の領域に横方向磁場を生ずる一つ以上の磁場コイルを
含む。可動部分を含まない高速アクチュエータを使用す
ることができる。しかし、コイルの設計で磁場の均一性
を考慮しなければならない。
【0072】別の発展例では、検出デバイスが横方向磁
場成分BTを測定する一つ以上のホール・プローブを有
する。この方法は非常に簡単で金もかからないが、長期
安定性、ドリフト、及び擾乱的な温度係数に関して問題
が起こる可能性がある。さらに、この装置では電流源が
必要になり、それが磁場擾乱を生ずる可能性もある。
【0073】ホール・プローブの少なくとも一つは、測
定しようとする横方向磁場成分に対するプローブ感度を
高めるような形で超伝導ループと結合されることが好ま
しい。これにより、複雑さを増す代償としての装置の安
定性をも高める。変圧器ループがNMRサンプルの領域
におけるB0磁場を乱してはならない。ゼロ点設定のた
めの加熱手段も必要になるかもしれない。ループが何ら
かの理由によって“クエンチ”した場合、ゼロ点基準が
失われる。
【0074】別のある発展例では、横方向磁場成分BT
を測定する検出デバイスは、一つ以上の超伝導ループに
よって横方向磁場と結合した一つ以上のSQUIDセン
サを含む。SQUIDセンサは、≪1Gという磁場を検
出できるので、この装置はきわめて感度が高い。
【0075】別の特に好ましいある発展例では、検出デ
バイスは横方向磁界成分BTを測定するための一つ以上
の導電ピックアップ・ループから成り、それが周期的に
傾けられて誘導される電流が評価される。この装置は十
分に感度が高く、全く“異種の”技術を利用せず、正し
く操作すれば絶対ゼロ位置(コイル面が正確にB0と直
角)は常に保証される。大きな信号挙動は取り扱いが明
快である。原理的に、ゼロ基準は失われない。増幅器が
高度に抵抗性であれば(FET)、電圧は誘導されるが
電流は流れないので、B0磁場は乱されない。さらに、
この装置は温度に依存しない。したがって、このような
検出器はこの用途に理想的であるように思われる。
【0076】この発展例は、ピックアップ・ループを平
均として、また動作位置で、その面が実質的に均一磁場
と直角になるような角度の方向づけをすることによって
さらに改良される。その場合、動作位置での出力電圧は
正確にゼロである。これは、システムが常にゼロに調節
されるので、増幅器エレクトロニクスにおける利得の不
安定さが全くマイナスの影響を及ぼさないという利点が
ある。最適な効果を得るためには、このシステムの機構
が精密に調整されなければならない。
【0077】別の改良例では、検出デバイスはピックア
ップ・ループに誘導される電圧の位相感度検波のための
手段を有する。これによって好適な信号分析が可能にな
り、有用な信号がゼロ以外の周波数に変調されているた
め増幅器エレクトロニクスの静的なゼロ点ドリフトが重
要でなくなるという利点がある。
【0078】基本周波数fにおけるBT成分についての
所望の情報を得て、それを静磁場B0から発生する望ま
れない2f成分と区別するために、ピックアップ・ルー
プに誘導される電圧の位相感度分析は傾きの運動の基本
周波数で行われなければならない。
【0079】逆の周期で傾けられる2つ以上のピックア
ップ・コイルがBT信号成分が加え合わされるように切
り替えされると、fにおける有用な信号の増大と同時に
2fにおける擾乱的な信号の減少が生ずる。
【0080】この別の発展例は、逆の周期で傾けられる
コイルを、均一磁場B0によって生ずる信号成分ができ
るだけ高い精度で打ち消し合うように寸法設計し、傾け
る振幅で作動させて切り替えするとさらに大きく改良で
きる。これはfにおける有用な信号を増加させると同時
に2fにおける擾乱信号を除去する。これによってもっ
と大きな傾き振幅を用いることが可能になり、したがっ
て有用な信号が大きくなって感度と安定性が改善され
る。
【0081】2つの必要なBT成分を検出する基本的な
実施の形態では、横方向磁場成分BTに関連した各自由
度が1つのピックアップ・コイル、1つのコイル対、又
はいくつかのピックアップ・コイルを含む1つのコイル
系を有する。
【0082】あるいはまた、横方向磁場成分BTに関連
する2つの自由度がただ1つのピックアップ・コイル、
1つのコイル対、又は周期的に2つの平行でない軸に対
して傾けられる1つのコイル系を有する。これによって
1つのコイルが不要になる。
【0083】これは、傾き運動を一時的に、好ましくは
90°、位相シフトさせ、誘導される電圧の分析を2つ
の位相同期した検出器によって、基準位相を互いに位相
シフトさせ傾き運動と同期させることによって改善でき
る。これは多分、両方の傾き軸で同じ周波数を使用する
ときに2つの信号を分離する最も簡単な方法である。
【0084】高い精度と長期的な安定性が別の発展例で
達成できる。この発展例では検出デバイスが横方向磁場
成分BTを測定するNMR送信/受信システムを含み、
それが核の共鳴周波数を決定することによって測定容積
における磁場の絶対値を決定し、隣接する超伝導構造に
よって横方向磁場成分の変化dBTを長手方向磁場変化
dB0に変換する。このSC(超伝導)構造は超伝導コ
イル自身と同じ基板上に配置される。これによってきわ
めて精密な測定が可能になる。
【0085】別の有利な発展例では、検出デバイスに作
用する横方向磁場成分の変化dBTはRF共振器の超伝
導素子に作用するものにほとんどが該当し、調節手段、
好ましくはPI又はPIDレギュレータ、が設けられ、
それが検出デバイスで測定された横方向磁場成分BT
連続的に、好ましくはゼロに、調節する。
【0086】別の有利なある発展例では、検出デバイス
は補償デバイスの半径方向外側に配置され、補償デバイ
スは測定された横方向磁場成分に対応して、横方向磁場
成分BTがRF共振器の超伝導素子の領域で一定に保た
れるように制御される。スペースが問題であるならば、
検出器は超伝導コイルからさらに遠くに配置することが
できる。
【0087】検出器のためのスペースが十分にあるなら
ば、正しい横方向磁場成分BTはRF共振器の超伝導素
子のすぐ近くに検出デバイスを配置して測定できる。
【0088】本発明のNMR分光器のある有利な実施の
形態では、検出デバイスは均一静磁場B0を生ずる磁石
装置の磁気中心のすぐ近くに、詳しくは|dB0/dz
|<100G/mmである領域内に、配置される。磁場
が不均一である場合、BTの測定は検出器の正確な場所
に依存する。これは、上記の実施の形態では除去される
測定誤差を生ずる可能性がある。しかし、その領域に十
分なスペースがなければならない。
【0089】別の有利な実施の形態では、検出デバイス
は勾配システムの半径方向外側に配置される。これによ
り、検出デバイスは依然として超伝導コイルに非常に近
く配置されながらも、勾配磁場の影響は減少する。グラ
ジエント・コイルのまわりにスペースを設けなければな
らない。
【0090】有利な形としては、遮蔽された勾配システ
ムを用いて勾配磁場の影響が無視できるようにする。
【0091】別の好ましい実施の形態では、検出デバイ
スが磁石軸上に配置されるか又はz軸のまわりに配置さ
れるいくつかの部分検出器から構成され、z軸上に発生
する横方向磁場成分BTを効果的に測定できるようにな
っている。検出器を正確に超伝導コイルの場所に配置す
ることはできないので、超伝導コイルの場所におけるB
Tの最良の近似は個々の測定値を平均することによって
決定される。
【0092】超伝導コイルを傾けると、小さな側方への
移動が生じ、機械的な衝突や可能な傾き角の制限に導く
ことがある。ある有利な実施の形態では、補償デバイス
の回転軸がRF共振器の超伝導素子を通って延びる。
【0093】別の実施の形態では、補償デバイスの回転
軸が検出デバイスを通って延びる。検出器は調節プロセ
スの際に移動されず、調節の質を損なうような余分の測
定誤差は導入されない。
【0094】本発明のNMR分光器のきわめて好ましい
ある実施の形態では、補償デバイスはさらに、別の影響
因子によって生ずる、特に素子の機械的漸動や熱変形に
よって生ずる横方向磁場の補正を行うための信号入力を
有する。これによって、既知の人為結果、誤動作の補償
が容易になり、微調節が可能になる。
【0095】補償デバイスがRF共振器の超伝導素子を
傾けるための1つ以上の圧電アクチュエータを有するこ
とが有利である。圧電アクチュエータは磁場の中でも機
能し、磁場擾乱を生じない。作業行程は小さな傾き角に
対しては十分である。静止位置では全く電力は入力され
ない。
【0096】別の好ましい実施の形態では、補償デバイ
スはRF共振器の超伝導素子を傾けるための1つ以上の
導体ループを有し、制御エレクトロニクスから発生され
る電流がRF共振器に供給されてローレンツ力によって
磁場の中で動かされる。ほとんどどんな任意の行程も実
現でき、金がかからず、高電圧も、例えば圧電アクチュ
エータの場合のような高電圧も必要とされない。
【0097】本発明のNMR分光器を操作する方法も本
発明の範囲内にあり、この方法ではシム系によって生ず
る既知の影響を考慮に入れて擾乱を評価して横方向磁場
成分の制御を最適化する。
【0098】本発明のNMR分光器を操作するある好適
な方法では、シム系の設定の変化によって生ずる新たな
磁場が補正に含められる。
【0099】別の好ましい変形例の方法では、擾乱が勾
配システムの既知の影響を考慮に入れて評価される。勾
配システムによって生ずる擾乱は、構造的な設計手段に
よって十分に小さくならない場合、その調節を防止する
ことができる。
【0100】この変形例の方法のある改良例では、勾配
切り換えで発生する付加的な磁場が補正で考慮に入れら
れ、且つ/又は、勾配切り替えの間は全く補正を行わな
い。“ブランキング(blanking)”が上記の擾乱を除去
できる最も簡単な可能性である。ディジタル・インター
フェースが必要であるが、校正は行われない。
【0101】別の好ましい変形例の方法では、補償デバ
イスはRF共振器の超伝導素子の冷却前又は冷却中に既
に起動され、転移温度TCよりも低い温度に冷却されて
いる間起動されたままである。このようにして、SC共
振器に後で発生する遮蔽電流が防止されるだけでなく、
その発生が最初から阻止される。共振コイル装置はこの
タイプの動作に適するものであることが好ましい。超伝
導コイルの転移温度T Cより上で既に起動されて全温度
範囲で必要な精度を有する検出器とアクチュエータが用
いられるのでその機能は温度に依存しない。
【0102】別の変形例の方法では、補償デバイスはい
つでも、特にRF共振器の超伝導素子の消磁の後、この
時点で印加されるBT磁場を一定に保つために、切り替
えがオンにされる。いったん擾乱がない状態に(どんな
方法であっても)達したら、それを“凍結する”ことが
できる。
【0103】本発明のNMR分光器を操作する最後の特
に好ましい方法では、アクティブ制御の他に、高周波横
方向磁場成分は同時に横方向磁場シールドによって減衰
される。パッシブな方法とアクティブな方法の組み合わ
せは、精度を高め、且つ/又は、制御できない又は調節
を損なう擾乱をかなり減らすのに非常に有利である。
【0104】調節では、ある最大値を超えるBTの偏差
を防止しなければならない。さもないとSC共振器は、
その臨界電流を超えたときに不可逆的に磁化し、消磁又
は加熱することが必要になるからである。短時間の、不
規則な逸脱、例えばショック(jolt)、に応答して臨界
電流を超える可能性がある。リアルタイムの調節が十分
な幅とスピードで行われない場合、これは常に起こるで
あろう。したがって、常伝導体のシールドは、制御され
ない急速なBT磁場の変化を防ぐために非常に重要であ
る。大きなBT磁場の変化は実際に起こりうるが、調節
/制御が追従できるような限定された変化速度でしか起
こらない。
【0105】その他の利点は図面及び記述から明らかに
なる。上述の特徴及び以下で述べる特徴は、本発明に従
って、単独でも又は任意の組み合わせによっても利用で
きる。図示され記述される実施の形態は、全てを列挙す
るものではなく、本発明を説明するための例示的な性格
のものと理解すべきである。
【0106】
【発明の実施の形態】以下では、本発明の実施の形態を
図面によってさらに詳しく説明する。
【0107】本発明は、核磁気共鳴(NMR)の分野に
関し、詳しくはサンプルからのRF信号を受信する超伝
導RFコイルの磁化と磁気的調整に関する。
【0108】図2は、従来技術によるNMR分光器の縦
断面を示す概略図であり、これはz軸方向に均一静磁場
0を生成する主磁場磁石から成る磁石装置1、及びサ
ンプル・チューブ3を含む測定容積からのNMR信号を
受信する、1つ以上の超伝導素子から成る超伝導RFコ
イルが収容された高周波(RF)共振器2を含む。
【0109】磁石装置1は、室温の内孔6を有する低温
槽5内の液体ヘリウム容器4に収容されている1つ以上
の超伝導コイルを含む。熱伝導をできるだけ小さく抑え
るために、容器4は低温槽5内の熱絶縁真空7の中に垂
直サスペンション8と側方サスペンション9によって配
置されている。この装置はまた、シム系10と、RF共
振器を収容するプローブ・ヘッド11を含む。冷却配管
13が、熱交換器15によってRF共振器2に収容され
る超伝導素子から成る超伝導RFコイルを冷却するため
に熱絶縁真空12を通って導かれる。最後に、装置はプ
ローブ・ヘッド11内のサンプル・チューブ3に温度制
御された空気を送る送給ライン14を有する。
【0110】あらゆる周知の超伝導RFコイルによって
静磁場に生ずる擾乱とそれによってスペクトルに生ずる
人為結果を本質的に除去すること、又は従来技術に比べ
て大きく減少させ、その作動時間全体にわたって低く保
つことが本発明の目的である。
【0111】これは、RF共振器2の超伝導RFコイル
に作用する横方向磁場をきわめて精密に制御することに
よって実行される。これによって擾乱的な磁化の発生を
最初から防止できる。さらに、本発明のデバイスは擾乱
なしの長期動作を保証できる。これは横方向磁場成分の
アクティブ制御、及び/又は、常伝導又は超伝導シール
ドを用いるパッシブシールドによって達成される。
【0112】A.パッシブシールド 次のようなデバイスを含む。
【0113】a)純粋に受動的な装置でRF共振器2の
超伝導RFコイルに最初は剛体的に結合された超伝導シ
ールドによるプローブ・ヘッドを遮蔽するもの。第一の
可能性はシールド17を直接プローブ・ヘッド11に設
置することである。図20はプローブ・ヘッド11にお
ける冷却装置16によって冷却されるシールド17の可
能な配置を示す。シールド17内にオプションの勾配シ
ステム18、オプションの磁場センサ21、ならびにオ
プションの回転軸19が半径方向に設けられている。
【0114】これは、例えば、シム調整(shimming)の
際このシールド17を貫通できないという欠点がある。
この問題を解決するために、シールド17は、コイルに
無関係にTcより低い温度に望むまま冷却して、それに
よって内側の磁場を凍結することも、Tcより高い温度
に加熱することでシム調節に対して磁気的に透過するこ
ともできるように熱的に設計されなければならない。
【0115】第二の可能性は、シールド17をシム系の
外側に配置して、いつでもTcより高い温度に加熱で
き、大きなシムの変化又は磁石の再充電が必要ならばT
cより低い温度に冷却できるようにすることである。
【0116】シム系の外側にシールド17を配置するこ
とは、囲まれる磁場に対してシールド17は実際に磁石
の機能を帯びるので、装置全体の機械的剛性によるが、
RF共振器2の超伝導コイルに対するシールド17の傾
きを生ずる可能性がある。このようなシールドは、寸法
が小さいので磁石自身よりもずっと剛性をもって保持さ
れうる。
【0117】b)別の実施の形態は、常伝導物質のシー
ルド17がRF共振器の超伝導コイルのまわりに配置さ
れ、純粋に受動的な配置で最初はそれと剛体的に機械的
に結合されるというものである。常伝導シールドは横方
向磁場変化のDC成分をブロックすることができない
が、高周波振動及び過渡効果を減衰させることができ
る。特にシールドが低温に冷却される場合、これは横方
向磁場に対して非常に効果的な低域フィルタとなり(例
えば、Cuの導電率は室温に比べて因子100程度増大
する)、例えば磁石の振動によって生ずる影響は非常に
効果的にフィルターされて除かれる。勾配システム1
8,磁場センサ21,及び回転軸19をシールド17に
対して半径方向内側に任意に設けることができる。
【0118】図21(a)〜図21(f)は、上記a)
又はb)によるこのようなシールドの形の実施の形態を
示す。図21(a)〜図21(c)までは、簡単な変形
例を遮蔽の効果が増加する順に示している。両端が狭ま
っているほど、それらの端から貫通してくる磁場変化が
小さくなると言うことに注意すべきである。しかし、い
ずれにしても、サンプル自身及び温度制御する空気のた
めの開口がなければならない。
【0119】最後に、図21(d)〜図21(f)は、
静磁場B0の変化を許しながら横方向磁場BTの貫通を防
止又はフィルターするいろいろな溝付きシールドの変形
例を示す。これは、サンプルを変えて異なる透磁率のサ
ンプルに対して正確な共鳴周波数を制御し、ロック・シ
ステムの正常な動作を可能にするために必要になること
がある。図21では、分かり易くするために磁場変化の
減衰される成分は黒い矢印で表されている。
【0120】c)例えば、磁場と平行に向く磁針で、N
MRコイルの角度の方向づけを機械的に合わせること
は、磁針の磁場がNMRのB0磁場の均一性をこわし、
また実効的な力が非常に弱いので、不可能である。した
がって、このようなシステムの精度は問題にもならない
ので詳しく述べない。
【0121】B.アクティブシールド このタイプのシステムは、実際の横方向成分を測定して
アクティブ調節デバイスによってそれを補正する。この
ようなシステムは、以下で述べるように、技術的に容易
に実現されるので好ましい。また、このタイプのシステ
ムはその実施と動作に関して非常に柔軟性がある。その
ような訳で、本発明の記述の主要な部分は、発生する擾
乱を測定してNMRスペクトルにはっきりと擾乱が現れ
る前に補償デバイスによってそれを補償するアクティブ
シールドに関するものになる。
【0122】補償デバイスは、超伝導RFコイルをアク
ティブに機械的に傾けることによって、又は別の横方向
磁場コイルによって、容易に実現できる。NMR磁石コ
イル全体の向きを制御する他の変形例も可能である。
【0123】アクティブ装置の難しさは、きわめて小さ
な横方向磁場を感度良く安定に測定するために適した検
出器を見つけることにある。本発明のアクティブ装置の
実現可能性は、十分に良い検出器の実現可能性と密接に
結びついている。このような横方向磁場検出器のいろい
ろな実施の形態が図13(a)〜図13(d)に示され
ている。
【0124】一貫性を保つために、検出器は常に円環体
で表され、それは最も単純な場合、例えば、横方向磁場
のある成分(例えば、By)を測定するホール・プロー
ブだけを含み(図13(a))円環体はプローブ・ヘッ
ド11の対称軸のまわりに配置されている(例えば、図
1の横方向磁場検出器20参照)。内部のシステム設計
は全く異なる方法で、例えば2つ又は4つのホール・プ
ローブを有するように(図13(b),図13(c))
又は振動するピックアップ・コイルを有するように(図
13(d)、以下参照)実現することもできる。
【0125】検出器は、必ずしもプローブ・ヘッド11
自身の中に設置する必要はなく、原理的にはNMRシス
テムの中でNMRコイルの角度の方向づけと検出器の関
係が定められるどんな位置にも設置できる。特に、検出
器自身をシム系又は磁石系の一部として実施することも
できる。
【0126】驚くべきことに、全ての必要条件を満たす
きわめて精密な検出器が、下で例によって説明されるよ
うに実現できる。横方向磁場成分のこのような検出器の
ある実施の形態(振動コイル)は精密に分析できる。こ
の実施の形態は、非常に強い長手方向静磁場(>100
000G)の存在下で横方向磁場成分を<1Gの精度
で、長期的に安定な方法で測定するデバイス(以下“検
出器”という。)を構成することが技術的に可能である
ということを示している。
【0127】このような検出器の技術的な実現に関する
簡単な注意 1.最も簡単な実施の形態 検出器が図15(a)に模式的に示されている。細いワ
イヤが100〜1000巻き巻かれた約1cm2の面積
を有するコイルは最初はその面をB0磁場に正確に直角
に向けている。コイルには1つ以上の機械的アクチュエ
ータ22があって、それがコイルを最初の位置のまわり
で、コイル面内にあってB0と直角な1つの(又は2つ
の)軸のまわりで周期的に振動させる。振動の周波数は
普通1kHzから10kHzまでの間にある。振幅は非
常に小さく、普通約100〜1000nmである。コイ
ルは、1nV/Hz0.5という典型的なスペクトル・ノ
イズ密度で高感度電圧増幅器に接続される。
【0128】図16(a)〜図16(f)は、分析の概
略を示す。図16(a)は、B0と直角なxy平面内の
その静止位置に対するy軸のまわりでのコイルの周期的
傾きα(t)を示す。
【0129】増幅器の出力で次の2つの異なる周波数の
特性信号が生成される。
【0130】a)長手方向信号U(z):B0方向の実効面
積が傾き角のコサインで減少するために振動の周波数の
2倍となるのきわめて小さな信号。これは両側の傾きで
減少する時間依存する磁束Φz(α)を生じ(図16
(b))、U=dΦ/dtによる誘導電圧を結果として
もたらす(図16(c)に示される)。この信号の振幅
は、振動の振幅の二乗の値によって決まるためにきわめ
て小さい。
【0131】b)横方向信号U(x):全く横方向磁場が
ない場合、励起周波数で全く信号はない(対称性によ
り)(図16(d))。しかし、(非常に小さくても)
横方向磁場BTxが(振動軸及びB0と直角な方向に)印
加されると、BTxの振幅に比例する信号がコイルに誘導
される。位相同期検出の場合、位相はBTの符号に依存
する(図16(e)、又はマイナスの符号のBTでは図
16(f))。
【0132】要約すると、機械的励起と同期した位相検
出による上記の装置は傾き軸と直角な横方向磁場成分に
比例する信号に導くと結論される。簡単な計算から、1
Gの磁場偏差を検出できるだけの十分に大きい信号(1
00nV〜10μVのオーダー)が得られる。
【0133】この有用な信号がB0から生ずるバックグ
ラウンド信号に重ねられる。バックグラウンド信号は有
用な信号の2倍の周波数を有するので、これはロックイ
ン増幅器を用いて容易に分離される。振動の振幅に対し
てバックグラウンド信号は二乗で依存し、有用な信号は
それに比例するので、十分に小さな振幅の適当な選択に
よって有用な信号に比べたバックグラウンド信号による
擾乱を所望の度合いにまで減少させることができる。
【0134】2.改良された実施の形態 振幅の減少は有用な信号も減少させるので、技術的な理
由により振幅をある値より低く減少させることはできな
い。逆に、振幅及びそれに伴う有用な信号はできるだけ
大きくしなければならない。バックグラウンド信号によ
って生ずる擾乱は次のような簡単な方法によってかなり
減らすことができる。
【0135】2つのコイルを平行に配置し、平行な軸の
まわりで同期して、しかし逆の位相で振動させるという
組み合わせを用いる(図15(b))。2つのコイルの
出力は直列に結合されて増幅器に供給される。直列結合
の極性は横方向信号が加え合わされるように選ばれる。
【0136】簡単な分析から、面積と振幅(すなわち、
もっと正確にはそれらの積)が等しい実施の形態では、
0のバックグラウンドの寄与が正確にかつ同時に差し
引かれるということが示される。これを利用して振幅を
かなり大きくすることができる。それによって、(横方
向磁場BTから生ずる)有用な信号はずっと大きくな
り、2倍の周波数でのB0磁場からの寄与によって分析
が擾乱されることはない。
【0137】3.2つの横方向成分の測定 上の装置によって、横方向成分BTの1つ、例えばBx
を測定することができる。一般に、もう1つの成分、B
y、も測定することが望ましい。これはいろいろな方法
で実行できる。
【0138】a)2組のコイルを用いる(上のセクショ
ン1又は2にしたがって)、1組のコイルはその傾き軸
(単数又は複数)がy軸に平行であり(Bx成分を測定
する)、他の組はその傾き軸(単数又は複数)がx軸に
平行である(By成分を測定する)。
【0139】b)1又は2によるコイルが2つの互いに
直角な回転軸(例えば、ユニバーサル・ジョイントのよ
うに)を備えている場合、ハードウエアの条件は実質的
に単純になる。ユニバーサル・ジョイントを用いない簡
単な実施の形態が図17(a),図17(b)に示され
ている。コイルは同時に両方の軸のまわりで傾けられる
が位相は90°ずれている(ウオッブリング(wobblin
g)の一種)。電圧は、ダブル・ロックイン増幅器で測
定され、0及び90度の2つの位相成分を別々に評価
し、それから2つの信号BxとByが得られる。この装置
は一組のコイルと1つの増幅器、そしてただ1つの信号
路だけしか必要なく、スペースとコストが少なくて済む
ので有利である。
【0140】4.安定性に関する注意 上記の信号はすべてある搬送周波数で変調されるので、
エレクトロニクスのドリフトはゼロ点のドリフトを生じ
ない。多くの場合、傾きデバイスは安定な振幅を有する
必要はなく、増幅の利得は長期的に安定している必要が
ない。信号がゼロに調整されている装置で用いる場合こ
れは重要でないからである。これらを合わせて、きわめ
て良い短期的及び長期的なシム安定性によって必要な1
Gという絶対精度を実現して長期的に維持することが可
能になる。
【0141】5.実施の形態に関するその他の注意 上の説明では、傾きは特別の専用アクチュエータ22に
よって発生されている。しかし、これは絶対に必要とい
う訳ではない。別の周期的信号によって補償デバイスを
同時に信号を発生するために用いる装置(以下参照)も
可能である。
【0142】横方向磁場の検出器の他の技術的な実現も
可能である、例えば、感度のよい方向がB0磁場と直角
であるように配置されたホール・プローブを用いて(図
13(b))磁場の横方向磁場成分を測定することも可
能である。必要なら小さな超伝導変圧器を用いて感度を
さらに高めることができる(図14(a),図14
(b))。
【0143】さらにもっと高度な方法も、例えば、図1
8のSQUID23とピックアップ・ループ24を含む
SQUID検出器も使用できる。SQUID(“超伝導
量子干渉デバイス”)自身は磁場中で機能しないので、
磁場及び磁化測定の用途にSQUIDを用いる場合は通
常行われるように磁束変換器を使用しなければならな
い。超伝導ループ25のリードにおける遮蔽された信号
線は加熱デバイス26によって加熱できる。
【0144】ピックアップ・ループ25はB0磁場と直
角に測定する横方向磁場成分の方向に向けなければなら
ないということに注意すべきである。
【0145】超伝導素子が横方向磁場変化dBTをサン
プルの場所における長手方向磁場変化dBzに(排除さ
れると思われる実際の擾乱のメカニズムと同じ原理によ
って)変換するような形状寸法を持つ超伝導素子(図1
9(a)では、サンプル3’に隣接する適当な位置に不
連続がある超伝導表面27,又は好ましくは、図19
(b)に示されているような超伝導変換ループ28)に
隣接して配置される小さな別のNMRサンプル3’によ
って横方向磁場を間接的に測定するといった別の実施の
形態も実現できる。このサンプル3’のNMR共鳴周波
数を連続的又は周期的測定(NMR磁場ロックと同様)
で、補助NMR分光器デバイスに供給するRF共振器
2’に収容されるRFコイルによって測定する。所望の
周波数からのずれが、超伝導表面27又はループ28と
直角の方向に作用する横方向磁場成分BTの値を直接与
える。
【0146】このようなシステムの感度は十分であるこ
とが明らかである。何故なら、望ましくない擾乱を生ず
るのと同じメカニズムが測定に利用されるからである。
さらに、このようなシステムの感度は、超伝導素子2
7,28の適当な(できるだけ“不利な”)形状寸法に
よってかなり高めることができる。
【0147】超伝導変換素子を有する全ての実施の形態
は(図18,図19(a),図19(b)及びオプショ
ンで図14(a),図14(b))では、システムの基
準位置で変換器の電流、したがって出力信号、をゼロに
することができるように小さなヒーター26を設けるこ
とが好ましいということを注意しておくべきである。
【0148】上記その他の可能な実施の形態の変形例で
横方向磁場検出器を用いて横方向磁場の1つ(例えば、
x)又は両方(例えば、By)を測定することができ
る。例えば従来技術1による、1つの向きの平行な平面
だけに配置された超伝導コイルの場合(図3(a),図
3(b))、RFコイルの超伝導体平面に直角のB
T(すなわち、ここではBx)の制御だけで十分である。
【0149】もっと複雑な装置又は従来技術1による直
交するコイルの組み合わせの場合、横方向磁場の両方の
方向を制御しなければならず(図7の2次元的な傾きに
よって示される)、したがってまた両方の方向を測定し
なければならない。
【0150】図1は、本発明のデバイスの好ましい実施
の概略図を示す。横方向磁場検出器20は横方向磁場成
分BTを測定する。検出器20の出力は、制御/調節デ
バイスを介して補償デバイスのアクチュエータ22(回
転軸19のまわりのコイルの傾き)につながっている。
この補償デバイスの制御/調節ループ29は、偏差が生
じてもRF共振器2の超伝導RFコイルの場所における
横方向磁場成分BTが常に元の状態に戻ることを保証す
る。
【0151】超伝導コイルを傾ける補償デバイスでは機
械的なデバイスを使用することが好ましい。それが擾乱
に対抗する横方向磁場成分を生成する。言い換えると、
例えば、磁石が傾くと、超伝導コイルが磁石と平行に同
じ方向に正確に同じ角度傾けられる。
【0152】したがって、コイルは常に磁石の方向に追
従して横方向磁場の変化を防止する。
【0153】傾きの機構は、好ましくは圧電アクチュエ
ータによって、又は好ましくはNMR磁石の磁場B0
にある磁場コイルに作用する電磁力によって駆動され
る。他の駆動装置、例えば圧電モーター、電磁モータ
ー、ステップ・モーター、なども実現できる。
【0154】補償デバイスはまた、所望の強さと方向の
別の横方向磁場を生ずる磁場コイル30で構成すること
もできる。それは、コイル位置の横方向磁場成分BT
不変を維持するように制御される(両成分Bx及びBy
関する図11及び図12)。これらの磁場コイル30は
プローブ・ヘッド11,シム系、又は低温磁石に取り付
けることができる。
【0155】好ましい実施の形態では、実際にコイルに
作用する横方向磁場成分の測定ができるだけ精密になる
ように、図1に示される横方向磁場検出器20が超伝導
コイルにできるだけ近く定常的に配置される、すなわ
ち、プローブ・ヘッド11に剛体的に結合される(図9
の検出器20”参照)。制御/調節デバイスは、超伝導
RFコイルが常に一定の横方向磁場中にあるように超伝
導RFコイルを傾けるデバイスを有する補償デバイスを
制御する。
【0156】別の好ましい実施の形態では、横方向磁場
検出器20がRF共振器2の超伝導RFコイルにできる
だけ近く配置され、角度という観点から見て剛体的にそ
れに結合される(図10参照)。補償デバイスは、RF
共振器2の超伝導RFコイルを検出器20と一緒に回転
軸19’のまわりで傾ける。調節デバイスは、検出器2
0が、したがってまたRF共振器2のRFコイルが、常
に一定の横方向磁場の中にとどまるように補償デバイス
を制御する。
【0157】検出器における偏差ゼロへの同様な調節
は、補償コイルを用いる場合にも適用でき、その場合、
補償コイルはコイルと検出器の両方に同じ方法で作用す
る(図11,位置A)。
【0158】いずれにしても、検出器を均一磁場領域に
配置することは、RF共振器2の超伝導RFコイルが受
けていると同じ磁場を検出器が測定することになるとい
う利点がある。検出器は、磁場の勾配が100G/mm
よりも小さな領域に配置するのが有利である。
【0159】別の実施の形態では、技術的な理由又は構
成上の理由から必要な場合、検出器をRF共振器2のR
Fコイルからある程度離して配置することができる(図
11,位置B)。このような場合、検出器が測定する擾
乱は必ずしも超伝導RFコイル2に作用する擾乱とは同
一でない。特に、補償デバイスはもはやRFコイルと検
出器に同じように作用しない。この場合、BT磁場を一
定に保つためには(補償角度の単純な制御又は検出器の
ゼロ調節を超える)複雑なアルゴリズムが必要である。
いろいろな場所にいくつかセンサーを配置し、それによ
ってコイルの場所における実効BT磁場と必要な補償を
決定するということも可能である。
【0160】制御アルゴリズム一般に関していうと、そ
れらは大体この問題に適応させることができる。アナロ
グ及びディジタル制御が可能であり、調節の帯域幅は、
例えばゆっくりとした擾乱だけが補償されるように、又
は速い調節ループによって振動も補償されるように選択
することができる。
【0161】非常に有利な形態は、常伝導磁場シールド
17と補償デバイスとの組み合わせである(図20)。
高周波の擾乱(振動、等)はフィルターされて除かれ、
低周波及び準靜的な擾乱は補償デバイスによって調節で
きる。
【0162】好ましい実施の形態では、シールド17は
プローブ・ヘッド11に剛体的に結合され、RF共振器
2と検出器21の装置を回転軸19のまわりでプローブ
・ヘッド11に対して制御された方法で傾けて、シール
ド17によって減衰されて残っている、したがって、ゆ
っくりしたBT変化が十分に速い調節ループによって容
易にかつ正確に調節できるようにする。
【0163】パッシブな安定化とアクティブな安定化を
組み合わせるというこの原理は超伝導シールドにも適用
できる。
【0164】傾けることによって補正するデバイスは別
の変形例もある。特に、回転軸19’(1つ又は2つの
方向)を磁石中心に好適に配置することができる(図1
0参照)。それによって、RF共振器2の超伝導RFコ
イルの側方への移動が小さくなるので有利である。
【0165】検出器20がRF共振器2の超伝導RFコ
イルと直に接しない位置にあると、回転軸19が好適に
検出器20を通るようにすることができる(図1参
照)。これによって補正の運動自身が、それに伴う検出
器20の運動で検出器20の側方位置のエラーを生ずる
ことがなくなる。さもないと、このエラーが別の測定誤
差を生ずる可能性がある。
【0166】同じ横方向成分が検出器20とRF共振器
2の超伝導RFコイルに作用する上記のシステムは基本
的に調節/補償モードで動作する、すなわち、検出器信
号がゼロにフィードバック調節される、ということに注
意すべきである(例えば、図1参照)。
【0167】他方、アクチュエータ22が検出器20に
作用しないようにシステムを構築することもできる。そ
の場合、RF共振器2の超伝導RFコイルに作用する横
方向磁場が一定に保たれるようにアクチュエータ22は
検出器信号によって制御される。しかし、これには十分
な精度を達成するために非常に正確なシステムの校正が
必要である(図8,図9に同等な例を示す)。
【0168】通常NMR装置に含まれる次の2つの追加
システムを考察しなければならない。
【0169】1.シム系 図2は、シム調整(shimming)の際にさらに付加的な磁
場変化を生ずるシム系10を模式的に示している。これ
らは一般に非常に小さく(シム強度の大きさは最大でも
通常数G/cmである)、無視できる程度である、特に
小さなシム変化しかもたらされない場合は、普通RF共
振器2の超伝導RFコイルにも検出器20にも影響を及
ぼさないので無視できる。この擾乱は既知であるから、
必要ならば、シム系10によって生ずる付加的な成分を
自動的に計算して望むならばそれを補正するように、調
節アルゴリズムに取り込むことができる。
【0170】2.勾配システム 多くのプローブ・ヘッドは、比較的強い、切り替えされ
る磁場勾配を生成する勾配システムを組み込んでいる。
勾配システム18(図9,図10,図20に示される)
は、サンプル容積にx、y、又はzに比例するBz依存
性を有する直線的に変化するBz成分を発生する付加的
な磁場を生ずる。これらの勾配は、“X、Y、又はZ勾
配”と呼ばれる。これらは、横方向磁場に10G/cm
以上の大きさの顕著な変化を生じ、望まれないシステム
調節作用を生ずる可能性がある。
【0171】勾配はほんの短時間(普通、例えば、5m
sec)切り替えられるだけなので、この調節作用は適
当でない。この時間の間、磁場はいずれにしても非常に
不均一であり、補償は必要でもなく、望ましくもない。
この強いパルスの間の補償の動きがパルスが減衰した後
も残る調節作用を発生して、調節が最初の状態(グラジ
エント・パルスの前)に戻るのにある一定の時間を必要
とするかもしれない。調節が安定するまで待つことが必
要になるので、パルスの後の回復が不必要に遅れてしま
う。これは次のような手段によって解決できる。
【0172】i.勾配の外側にz方向で軸方向に十分な
間隔をおいて検出器を設置する(図9,検出器2
0’)。勾配システム18から外側に間隔が増すと漂遊
磁場はかなり減衰する。
【0173】ii.勾配の半径方向外側に検出器を設置す
る(図9,検出器20”)。普通、勾配システムは非常
に良くアクティブシールドされ、外部の磁場は無視でき
るほど小さくなる。
【0174】iii.X又はY勾配の場合、平面z=0で
のBT磁場は対称性によって正確にゼロである。この平
面上に又は平面に対称に検出器を配置すると全く信号は
生じない。
【0175】iv.Z勾配が用いられる場合、勾配磁場と
漂遊磁場は回転対称である。したがって、回転対称な検
出器の配置では全く信号は生じない。これは、z軸上の
どこかで、又は例えば2つ以上のホール・プローブを対
向する点に、又はz軸のまわりに同じ間隔で一様な角度
で並べる対称配置で見られる(図13(c))。これは
また、z軸のまわりに対称に配置されるピックアップ・
コイルにもあてはまる(図13(d))。
【0176】v.勾配が作用する時間の影響も計算によ
って補償できる。
【0177】vi.最後に、グラジエント時間の間システ
ムを“保留”にして、入力の変化を無視し、全く補正を
行わないようにすることができる。
【0178】全体として、シム系磁場や切り替えされる
磁場勾配に関する要求は、本発明の安定化の実施を妨げ
ないようにして満たすことができる。
【0179】本発明のデバイスの動作モードに関して次
のことを付け加えることができる。
【0180】1.上述のように、このシステムは消磁さ
れた状態にあるコイルに対する横方向磁場を安定化する
のに使用できる。RFコイルが消磁されたときにシステ
ムの切り替えをオンにする(任意の方法で、例えば従来
技術2)。すると、RFコイルは一定にとどまり、この
システムが作動して正しく機能する限り、恒久的に消磁
されたままでいる。
【0181】2.どんな超伝導コイルの磁場擾乱も非常
に低く一定に抑えられる。
【0182】3.横方向磁場に対して感度が悪い性質の
RFコイル(従来技術1,6参照)は、横方向磁場に対
する感度の低さに加えて、そのような磁場が小さく抑え
られるので、このシステムの動作中はさらに安定にな
る。これによって擾乱磁場は二重に(二乗で)制御さ
れ、サンプル位置におけるNMR擾乱はきわめて小さく
なる。この組み合わせは、例えば超伝導NMRコイルと
きわめて小さなサンプルで必要とされる新しい低レベル
の磁場擾乱の基礎を形成する。
【0183】4.得られた低擾乱の他に、この方法は別
の非常に興味ある利点を有する。もしもこの安定化シス
テムを超伝導RFコイルを冷却する前に、及び冷却手順
の間にまだコイルがTcよりも高温である間に作動させ
て、SC転移の間も後の動作の間も中断なく作動させ続
けると、横方向磁化の発生を完全に防止することができ
る。もしもSC層が常に均一磁場B0と正確に平行であ
るならば、横方向磁化は単に対称性の理由だけからして
も発生させることができない。したがって、SCは横方
向磁化を免れるように冷却することができ、従来技術
2,3による方法は省略できる。
【0184】5.補償/調節システムは付加的な信号入
力を好適に含むことができる。既知の擾乱を補償するた
めに必要ならば補正入力を提供することができる(例え
ば、エラーが発生する場合又は冷却中の既知の系統的偏
差を補正するための付加的なシム調整の可能性。これは
薄い層のコイルを正確にB0と平行に維持して横方向磁
化を精密にゼロにするために用いることが好ましい)。
【0185】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1記
載の核磁気共鳴(NMR)分光器によれば、RF共振器
の超伝導コンポーネントに作用する、均一磁場B0に対
して横方向である磁場成分BTを一定に保つ安定化デバ
イスを提供するので、超伝導コンポーネントを含むRF
コイルを有するNMR分光器において擾乱となる横方向
磁化の初期発生を防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の概略縦断面図である。
【図2】従来技術による超伝導磁石コイルと低温槽を有
するNMR分光器の概略縦断面図である。
【図3】従来技術による超伝導RF受信コイル装置の一
例であり、(a)は透視図、(b)はxz平面での断面
図である。
【図4】擾乱がないときの主磁場コイルの磁力線を示す
図である。
【図5】擾乱があるときの主磁場コイルの磁力線を示す
図であり、(a)はRF受信コイル装置の傾きによる擾
乱を示し、(b)は磁石コイル系の傾きによる擾乱を示
す。
【図6】(a)は、横方向磁化MTを示す図であり、
(b)は、横方向磁場成分の変化dBTがサンプルの場
所における磁場成分Bzの均一性に及ぼす影響を示す図
である。
【図7】2つの自由度(傾き)によってBxとByを制御
する本発明の装置を示す概略透視図である。
【図8】傾けられるコイルと固定検出器を有する装置の
概略縦断面図である。
【図9】勾配システムの外側に検出器を有する装置を示
す図である。
【図10】回転軸がRF受信コイル装置の領域内にある
装置を示す図である。
【図11】磁場コイルを用いて補償する装置を示す図で
ある。
【図12】磁場成分BxとByを制御する2つの磁場コイ
ルを有する装置を示す透視図である。
【図13】(a)〜(d)は、いくつかの実施の形態に
おける本発明の検出デバイスの概略配置を示す図であ
る。
【図14】(a)〜(b)は、SC変圧器を用いるホー
ル・プローブの感度増大を示す図である。
【図15】(a)は、誘導ループを有する検出器の基本
配置を示す図であり、(b)は、均一磁場B0の 影響が
補償される検出器配置を示す図である。
【図16】(a)〜(f)は、誘導ループを有する検出
器配置の機能の分析を示す図である。
【図17】誘導ループと2つの検出方向を有する検出器
配置の実施の形態を示す図であり、(a)は非対称な配
置、(b)は対称な配置を示す。
【図18】SQUIDを用いる横方向磁場検出器を示す
図である。
【図19】NMR信号を用いる横方向磁場検出器であ
り、(a)は、サンプル3'に隣接する適当な位置に不
連続がある超伝導表面27を有するもの、(b)は、超
伝導変換ループ28を有するものを示す図である。
【図20】横方向磁場シールドを通る概略縦断面図であ
る。
【図21】(a)〜(f)は、実施の形態に係る横方向
磁場シールドを示す図である。
【符号の説明】
1 磁石装置 2 RF共振器 3 サンプル・チューブ 4 液体ヘリウム容器 5 低温槽 10 シム系 11 プローブ・ヘッド 17 常伝導磁場シールド 18 勾配システム 19 回転軸 20 横方向磁場検出器 22 アクチュエータ 29 制御/調節ループ

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 z軸の方向に均一な静磁場B0を生成す
    る磁石装置(1)と、測定容積からのNMR信号を受信
    するための1つ以上の超伝導素子を有するラジオ周波数
    (RF)共振器(2)とを含む核磁気共鳴(NMR)分
    光器であって、該RF共振器の超伝導素子に作用する、
    該均一磁場B0に対して横方向の磁場成分BTを一定に保
    つ安定化デバイスが設けられていることを特徴とする核
    磁気共鳴(NMR)分光器。
  2. 【請求項2】 該安定化デバイスが、常伝導素子及びオ
    プションとして付加的な超伝導素子を含む横方向磁場シ
    ールド(17)を備え、該シールド(17)は該RF共
    振器(2)の周りを囲んで、少なくとも該RF共振器
    (2)に作用する横方向磁場成分BTを減衰させるため
    の相対的な傾きに関して、特に傾かないように制御され
    た方法で、それと剛体的に結合されていることを特徴と
    する請求項1記載のNMR分光器。
  3. 【請求項3】 該安定化デバイスが、該RF共振器
    (2)の超伝導素子を、互いに平行でも、該均一磁場B
    0と平行でもない1つ又は2つの軸のまわりで回転させ
    る手段(22)を含むことを特徴とする請求項1又は2
    記載のNMR分光器。
  4. 【請求項4】 該横方向磁場成分BTを測定する検出デ
    バイス(20)が設けられ、該安定化デバイスはアクテ
    ィブ補償デバイスを含み、測定された横方向磁場成分B
    Tがフィードバック/制御手段(29)を通してそれに
    供給され、該アクティブ補償デバイスが該RF共振器
    (2)の超伝導素子の領域において該横方向磁場成分を
    一定に保つことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    1項に記載のNMR分光器。
  5. 【請求項5】 該横方向磁場成分BTを測定する該検出
    デバイス(20)が1つ以上のホール・プローブを備
    え、少なくとも1つの該ホール・プローブは超伝導ルー
    プと、測定される横方向磁場成分に対する該ホール・プ
    ローブの感度を該ループが高めるように結合されること
    を特徴とする請求項4記載のNMR分光器。
  6. 【請求項6】 該横方向磁場成分BTを測定する該検出
    デバイス(20)が1つ以上の導電ピックアップ・ルー
    プ(24)を含み、該ピックアップ・ループ(24)が
    周期的に傾けられてその誘導電圧が評価されることを特
    徴とする請求項4又は5記載のNMR分光器。
  7. 【請求項7】 該検出デバイス(20)が該ピックアッ
    プ・ループ(単数又は複数)(24)の誘導電圧の位相
    感度検出のための手段を含み、該ピックアップ・ループ
    (24)の誘導電圧の位相感度評価が傾き運動の基本周
    波数で行われることを特徴とする請求項6記載のNMR
    分光器。
  8. 【請求項8】 反対に周期的に傾けられる2つ以上のピ
    ックアップ・ループ(24)がBT信号成分が加え合わ
    されるように切り替えされ、該反対に傾けられるコイル
    は、該均一磁場B0から生ずる信号成分が最高の精度で
    打ち消し合うように寸法設計され、傾きの振幅が操作さ
    れ、切り替えされることを特徴とする請求項6又は7記
    載のNMR分光器。
  9. 【請求項9】 該横方向磁場成分BTを測定する該検出
    デバイス(20)が核の共鳴周波数の決定によって測定
    容積内の磁場の絶対値を決定するNMR送信/受信シス
    テムを含み、横方向磁場成分の変化dBTが隣接する超
    伝導構造によって長手方向磁場の変化dB0に変換され
    ることを特徴とする請求項4乃至8のいずれか1項に記
    載のNMR分光器。
  10. 【請求項10】 該検出デバイス(20”)が磁石軸上
    に配置され、又はz軸のまわりに配置されるいくつかの
    部分検出器で構成され、z軸における該横方向磁場成分
    Tを効果的に測定することを特徴とする請求項4乃至
    9のいずれか1項に記載のNMR分光器。
  11. 【請求項11】 該補償デバイスが該RF共振器(2)
    の超伝導素子を傾けるための1つ以上の圧電アクチュエ
    ータ(22)を有することを特徴とする請求項4乃至1
    0のいずれか1項に記載のNMR分光器。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至11のいずれか1項に記
    載のNMR分光器を操作する方法であって、シム系(1
    0)によって生ずる既知の影響を考慮に入れて擾乱が評
    価され、該シム系(10)の設定の変化によって生ずる
    付加的な磁場が補正で考慮に入れられることを特徴とす
    る方法。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至11のいずれか1項に記
    載のNMR分光器を操作する方法であって、勾配システ
    ム(18)によって生ずる既知の影響を考慮に入れて擾
    乱が評価され、勾配切り替えによって生ずる付加的な磁
    場が補正で考慮に入れられ、且つ/又は勾配切り替えさ
    れている間は全く補正が行われないことを特徴とする方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項4乃至11のいずれか1項に記
    載のNMR分光器を操作する方法であって、該補償デバ
    イスが該RF共振器(2)の超伝導素子の冷却前又は冷
    却中に既に起動され、転移温度TCより低く冷却中は起
    動されたままにとどまることを特徴とする方法。
  15. 【請求項15】 請求項1乃至11のいずれか1項に記
    載のNMR分光器を操作する方法であって、アクティブ
    制御の他に、高周波横方向磁場成分が請求項2に記載の
    横方向磁場シールド(17)によって同時に減衰される
    ことを特徴とする方法。
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