JP2003194132A - 油圧緩衝器の減衰力調整装置 - Google Patents

油圧緩衝器の減衰力調整装置

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JP2003194132A JP2001398320A JP2001398320A JP2003194132A JP 2003194132 A JP2003194132 A JP 2003194132A JP 2001398320 A JP2001398320 A JP 2001398320A JP 2001398320 A JP2001398320 A JP 2001398320A JP 2003194132 A JP2003194132 A JP 2003194132A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧緩衝器において、簡単な機構で、アジャ
スタの最大設定時に減衰力が急峻に立上がることを防止
すること。 【解決手段】 中空ピストンロッド12の取付部材15
に形成した装着孔56内に、プッシュロッド52の基端
部に当接するテーパ状のカム面57Cを外周に形成した
アジャスタ57を進退自在に装着し、バイパス流路51
のピストン側油室38Aの開口に弁シート54を設け、
弁シート54の弁流路54Aに、プッシュロッド52の
先端に設けたニードル部52Aを臨ませ、該弁流路54
Aの開口面積を調整する油圧緩衝器10の減衰力調整装
置50において、弁シート54をアジャスタ57の前進
端又は後退端を規制するストッパ60とし、かつ、バイ
パス流路51に、弁シート54の弁流路54Aと並列に
ピストン側油室38Aに開口するオリフィス流路61を
形成したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動二輪車等に用い
て好適な油圧緩衝器の減衰力調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、油圧緩衝器として、ダンパシリン
ダ内に、先端部にピストンを設けた中空ピストンロッド
を摺動自在に挿入し、前記ダンパシリンダ内に前記ピス
トンロッドを収容しないピストン側油室と、前記ピスト
ンロッドを収容するロッド側油室を区画し、前記ピスト
ンに、前記ピストン側油室と前記ロッド側油室に連通す
るメイン流路を設け、該メイン流路に減衰力発生装置を
設け、前記中空ピストンロッド内に、一端を前記ピスト
ン側油室に開口し、他端を前記ロッド側油室に開口する
バイパス流路を設け、前記中空ピストンロッド内のバイ
パス流路に先端にニードル部を設けたプッシュロッドを
進退自在に挿入し、前記中空ピストンロッドの取付部材
に形成した装着孔内に、前記プッシュロッドの基端部に
当接するテーパ状のカム面を外周に形成したアジャスタ
を進退自在に装着し、前記パイパス流路のピストン側油
室の開口に弁シートを設け、該弁シートの弁流路に、前
記プッシュロッドの先端に設けたニードル部を臨ませ、
該弁流路の開口面積を調整するものがある。
【0003】この油圧緩衝器では、ピストン速度が低速
側にあるとき、アジャスタが設定した弁流路の開口面積
に応じた絞り抵抗により減衰力を生ずる。また、ピスト
ン速度が中高速になると、ピストンのメイン流路の減衰
力発生装置により減衰力を生ずる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】油圧緩衝器では、アジ
ャスタによる減衰力の最大設定時に、プッシュロッドの
ニードル部が弁シートの弁流路に当接してこれを全閉し
てしまうと、低速側で減衰力が得られず、中高速時に減
衰力が急峻に立上がるという不具合がある。
【0005】従来技術では、アジャスタの最大設定時に
減衰力が急峻に立上がることを防止するため、アジャス
タの最大進み量を規制するストッパ機構を取付部材に設
けたストッパ機能専用のストッパプラグにより形成して
いる。即ち、ピストンロッドの取付部材に形成した装着
孔内で、アジャスタの進み方向にストッパプラグを対向
配置させ、アジャスタを回転させて前進させ、プッシュ
ロッドのニードル部が弁シートに当接した位置を基準位
置とし、この基準位置から約半回転だけアジャスタを逆
転して戻し、このアジャスタの端面によってストッパプ
ラグを螺進させて突き当て、ストッパプラグをこの位置
で取付部材に加締固定する。アジャスタは約半回転戻し
た位置をストッパプラグに規制される最大進み位置とさ
れ、この位置でニードル部と弁シートの間に必ず僅かな
隙間のオリフィス流路を確保し、結果として、減衰力の
急峻な立上がりを防止可能とする。
【0006】しかしながら、アジャスタのためのストッ
パ機構としてストッパ専用部品たるストッパプラグを用
いる従来技術では、機構が複雑で部品点数も多くなり、
加工コスト、組立コストも増大する。
【0007】本発明の課題は、油圧緩衝器において、簡
単な機構で、アジャスタの最大設定時に減衰力が急峻に
立上がることを防止することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ダン
パシリンダ内に、先端部にピストンを設けた中空ピスト
ンロッドを摺動自在に挿入し、前記ダンパシリンダ内に
前記ピストンロッドを収容しないピストン側油室と、前
記ピストンロッドを収容するロッド側油室を区画し、前
記ピストンに、前記ピストン側油室と前記ロッド側油室
に連通するメイン流路を設け、該メイン流路に減衰力発
生装置を設け、前記中空ピストンロッド内に、一端を前
記ピストン側油室に開口し、他端を前記ロッド側油室に
開口するバイパス流路を設け、前記中空ピストンロッド
内のバイパス流路に先端にニードル部を設けたプッシュ
ロッドを進退自在に挿入し、前記中空ピストンロッドの
取付部材に形成した装着孔内に、前記プッシュロッドの
基端部に当接するテーパ状のカム面を外周に形成したア
ジャスタを進退自在に装着し、前記パイパス流路のピス
トン側油室の開口に弁シートを設け、該弁シートの弁流
路に、前記プッシュロッドの先端に設けたニードル部を
臨ませ、該弁流路の開口面積を調整する油圧緩衝器の減
衰力調整装置において、前記弁シートを前記アジャスタ
の前進端又は後退端を規制するストッパとし、かつ、前
記バイパス流路に、前記弁シートの弁流路と並列に前記
ピストン側油室に開口するオリフィス流路を形成したも
のである。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て更に、前記アジャスタの装着孔を、一端側を開口し他
端側を閉塞する有底状に形成し、前記アジャスタのカム
面を前記装着孔の閉塞端側から前記プッシュロッドの基
端部に当接することにより、該アジャスタを前記装着孔
から抜け止めするようにしたものである。
【0010】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明
において更に、前記バイパス流路のうち、前記プッシュ
ロッドの外周と前記中空ピストンロッド内周との間の環
状空間をチョーク流路としたものである。
【0011】請求項4の発明は、請求項1〜4のいずれ
かの発明において更に、前記弁シートに前記オリフィス
流路を形成したものである。
【0012】請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれ
かの発明において更に、前記弁シートが、円筒状の大径
部と小径部を有し、小径部の中心部に前記弁流路を形成
してなり、前記中空ピストンロッドのピストン側油室に
開口する開口部に、前記弁シートの大径部を固定し、該
弁シートの前記小径部の外周と前記ピストンロッドの内
周との間に環状の隙間を形成し、前記弁シートの前記小
径部に前記環状の隙間と前記ピストン側油室を連通する
小孔を設け、該小孔を前記オリフィス流路としたもので
ある。
【0013】請求項6の発明は、請求項1〜4のいずれ
かの発明において更に、前記弁シートが環状体からな
り、該環状体の前記弁流路の周辺端面に該弁流路に連通
する溝部を設け、該溝部を前記オリフィス流路としたも
のである。
【0014】
【作用】請求項1の発明によれば下記、の作用があ
る。 アジャスタの最大移動量を規制するストッパとして、
プッシュロッドのニードル部が当接する弁シートを用い
るようにしたから、アジャスタのためのストッパ機構と
してストッパ専用部品を付加するものに比して、機構を
簡単にし、コスト低減できる。
【0015】弁シートの弁流路と並列をなすオリフィ
ス流路をバイパス流路に設けたから、アジャスタの最大
設定時に、弁流路がプッシュロッドのニードル部により
全閉になったときにも、オリフィス流路の存在によりバ
イパス流路を全閉にすることがない。従って、アジャス
タの最大設定時にも、オリフィス流路の絞り抵抗に基づ
く減衰力を確保でき、減衰力が急峻に立上がることを防
止できる。
【0016】請求項2の発明によれば下記の作用があ
る。 アジャスタのカム面を装着孔の閉塞端側からプッシュ
ロッドの基端部に当接することとした。従って、プッシ
ュロッドの基端部にてアジャスタの抜け止めができる。
また、アジャスタの装着孔を非貫通孔とし、プラグを無
用としてコスト低減できる。
【0017】請求項3の発明によれば下記の作用があ
る。 バイパス流路に環状のチョーク流路を形成したから、
このチョーク流路を流れる作動油の流路抵抗が実車走行
時のフィーリングを向上する。
【0018】請求項4〜6の発明によれば下記の作用
がある。 弁シートそのものにオリフィス流路を形成したから、
オリフィス流路を設けるための部品点数を削減できる
し、加工コスト、組立コストも低減できる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は油圧緩衝器を示す断面図、
図2は図1のアジャスタを示す拡大断面図、図3は図1
の弁シートを示す拡大断面図、図4は弁シートの変形例
を示し、(A)は拡大断面図、(B)は斜視図である。
【0020】油圧緩衝器10は、図1に示す如く、シリ
ンダ11に中空ピストンロッド12を挿入し、シリンダ
11とピストンロッド12の外側部に懸架スプリング1
3(不図示)を介装している。
【0021】シリンダ11は車体側取付部材14を備
え、ピストンロッド12に車輪側取付部材15を備え
る。シリンダ11の外周部にはばね受け調整リング16
(不図示)とばね受け17(不図示)が螺着され、ピス
トンロッド12にはばね受け18(不図示)が固定され
ており、ばね受け17とばね受け18の間に懸架スプリ
ング13を介装し、ばね受け調整リング16とばね受け
17の螺動により懸架スプリング13の設定長さを調整
可能としている。懸架スプリング13の弾発力が、車両
が路面から受ける衝撃力を吸収する。
【0022】シリンダ11はピストンロッド12が貫通
するロッドガイド21を備える。ロッドガイド21は、
Oリング22を介してシリンダ11に液密に装着される
とともに、オイルシール23、ブッシュ24、ダストシ
ール25を備える内径部にピストンロッド12を液密に
摺動自在としている。尚、シリンダ11は、ロッドガイ
ド21の外側に圧側バンパ26を備え、最圧縮時に、ピ
ストンロッド12が備えるバンパストッパ27にこの圧
側バンパ26を衝合して最圧縮ストロークを規制可能と
している。また、シリンダ11は、ロッドガイド21の
内側に伸側バンプラバー28を備えている。
【0023】油圧緩衝器10は、ピストンバルブ装置
(伸側減衰力発生装置)30を有している。油圧緩衝器
10は、ピストンバルブ装置30が発生する減衰力によ
り、懸架スプリング13による衝撃力の吸収に伴うシリ
ンダ11とピストンロッド12の伸縮振動を抑制する。
【0024】(ピストンバルブ装置30)ピストンバル
ブ装置30は、シリンダ11に挿入されたピストンロッ
ド12の先端部にバルブストッパ31、圧側バルブ3
2、ピストン33、伸側バルブ34、バルブストッパ3
5を装着し、これらをナット36で固定してある。
【0025】ピストン33は、外周部に備えたOリング
37A、ピストンリング37Bを介してシリンダ11の
内部を液密に摺接し、シリンダ11の内部をピストンロ
ッド12が収容されないピストン側油室38Aと、ピス
トンロッド12が収容されるロッド側油室38Bとに区
画する。ピストン33は、圧側バルブ32を備えてピス
トン側油室38Aとロッド側油室38Bとを連通可能と
する圧側メイン流路39と、伸側バルブ34を備えてピ
ストン側油室38Aとロッド側油室38Bとを連通可能
とする伸側メイン流路40とを備える。圧側バルブ32
の支持中心(ピストン33の中心と同じ)から圧側メイ
ン流路39の流路中心までの距離Raと、伸側バルブ3
4の支持中心(ピストン33の中心と同じ)から伸側メ
イン流路40の流路中心までの距離Rbとは、Ra>R
bに設定されており、伸側バルブ34の撓み変形に基づ
く伸側減衰力の方が圧側バルブ32の撓み変形に基づく
圧側減衰力より大きくなるように設定されている。
【0026】また、ピストンバルブ装置30は、図2、
図3に詳細に示す減衰力調整装置50を有している。
【0027】減衰力調整装置50は、ピストンロッド1
2内に、一端をピストン側油室38Aに開口し、他端を
ロッド側油室38Bに開口するバイパス流路51を形成
し、このバイパス流路51をピストン側油室38Aに開
口する縦孔51Aとロッド側油室38Bに開口する横孔
51Bにより構成している。
【0028】減衰力調整装置50は、ピストンロッド1
2内のバイパス流路51(縦孔51A)に、先端にニー
ドル部52Aを設けたプッシュロッド52を進退自在
に、かつOリング53を介して液密に挿入している。
【0029】減衰力調整装置50は、バイパス流路51
(縦孔51A)のピストン側油室38Aに対する開口に
弁シート54を固定的に設け、弁シート54の弁流路5
4Aに、プッシュロッド52の先端に設けたニードル部
52Aを臨ませ、ニードル部52Aにより弁流路54A
の開口面積を調整する。
【0030】このとき、プッシュロッド52は、その基
端部をピストンロッド12から取付部材15に設けてあ
るスライド孔55の側に延在し、その基端部の端面を当
接部52Bとしている。そして、プッシュロッド52
は、ピストン側油室38Aの油圧に基づくスラスト力に
より、その当接部52Bを後述するアジャスタ57のカ
ム面57Cに衝合する方向に突出せしめられている。
【0031】減衰力調整装置50は、ピストンロッド1
2の外端部に固定されている取付部材15に設けられ、
プッシュロッド52とスライド孔55の軸方向に交差す
る、車幅方向に穿設された装着孔56に、プッシュロッ
ド52の基端部の当接部52Bに当接するテーパ状のカ
ム面57Cを外周に形成したアジャスタ57を進退自在
に装着している。
【0032】このとき、アジャスタ57の装着孔56
は、一端側を開口し、他端側を閉塞する有底状に形成し
ている。アジャスタ57は、装着孔56の開口から挿入
され、先端側のねじ部57Aを装着孔56のねじ孔56
Aに螺着され、基端側の支軸部57Bを装着孔56の支
持孔56BにOリング58を介して液密に枢支され、中
間のテーパ状のカム面57Cを装着孔56の閉塞端側か
らプッシュロッド52の当接部52Bに当接することに
より、アジャスタ57を装着孔56から抜け止めしてい
る。
【0033】これにより、アジャスタ57は、装着孔5
6の開口に位置している支軸部57Bの端面の溝付操作
部59の溝に係入せしめられる回転操作工具により回転
されて螺動され、カム面57Cの変位によりプッシュロ
ッド52を軸方向に進退させ、プッシュロッド52のニ
ードル部52Aによりバイパス流路51(縦孔51A)
に設けてある弁シート54の弁流路54Aの開口面積を
調整し、弁流路54Aの開口面積に応じた絞り抵抗に起
因して発生する減衰力を調整可能とする。尚、アジャス
タ57は操作部59を右回転したときに、プッシュロッ
ド52が弁流路54Aを閉める方向に前進、換言すれば
アジャスタ57が操作側に後退移動するようにねじ部5
7Aを左ねじ(逆ねじ)としている。
【0034】しかるに、減衰力調整装置50は、アジャ
スタ57による減衰力の最大設定時に減衰力が急峻に立
上がることを防止するため、以下の構成を備える。
【0035】即ち、減衰力調整装置50にあっては、図
3に示す如く、ピストンロッド12に形成したバイパス
流路51(縦孔51A)のピストン側油室38Aに対す
る開口に設けた弁シート54をアジャスタ57の後退端
を規制するストッパ60としている。即ち、アジャスタ
57による減衰力の最大設定のために、アジャスタ57
を右回転して後退させてプッシュロッド52を前進させ
たとき、プッシュロッド52のニードル部52Aが弁シ
ート54の弁流路54Aに当接してプッシュロッド52
が前進停止せしめられる位置を、アジャスタ57の最大
後退位置として定める。
【0036】このとき、減衰力調整装置50にあって
は、バイパス流路51に、弁シート54の弁流路54A
と並列にピストン側油室38Aに開口するオリフィス流
路61を形成した。これにより、ストッパ60として機
能する弁シート54の弁流路54Aが、アジャスタ57
の最大設定時に、プッシュロッド52のニードル部52
Aにより全閉になっても、オリフィス流路61の存在が
バイパス流路51を全閉にしない。
【0037】具体的には、弁シート54が、円筒状の大
径部62と小径部63を有し、小径部63の中心部に弁
流路54Aを形成してなり、ピストンロッド12のピス
トン側油室38Aに開口する開口部64に弁シート54
の大径部62を圧入する等により固定し、小径部63の
外周とピストンロッド12の内周との間に環状の隙間6
5を形成する.そして、弁シート54の小径部63に環
状の隙間65とピストン側油室38Aを連通する小孔6
6を設け、この小孔66を前記オリフィス流路61とす
る。
【0038】尚、減衰力調整装置50にあっては、図3
に示す如く、バイパス流路51のうち、プッシュロッド
52の外周とピストンロッド12の内周との間の環状の
空間をチョーク流路67としている。
【0039】また、油圧緩衝器10は、シリンダ11に
リザーバ71を形成する仕切部材72を固定化し、この
リザーバ71の内部をフリーピストン型(ダイヤフラム
型でも可)の隔壁部材73により、油室74Aとガス室
74Bとに区画している。油室74Aは仕切部材72に
設けた小孔72Aを介してピストン側油室38Aに連絡
している。
【0040】そして、油圧緩衝器10の圧縮時に、シリ
ンダ11に進入したピストンロッド12の進入容積分の
油が、ピストン側油室38Aから小孔72Aを通ってリ
ザーバ71の油室74Aに排出されるに際し、小孔72
Aの絞り抵抗に基づく減衰力を得る。また、油圧緩衝器
10の伸長時には、シリンダ11から退出するピストン
ロッド12の退出容積分の油が、リザーバ71の油室7
4Aから小孔72Aを通ってピストン側油室38Aに供
給される。
【0041】尚、リザーバ71のガス室74Bに封入さ
れた加圧ガスは、シリンダ11内の作動油を加圧し、圧
縮時に、ピストン側油室38Aからリザーバ71の油室
74Aに油が吹き上がるのを防止し、これにより油中に
エア等が混入するキャビテーションの発生を防止し、ま
た伸長時に続く圧縮時の減衰力発生の遅れ(さぼり)も
回避する。
【0042】従って、油圧緩衝器10は以下の如くに減
衰作用を行なう。 (圧縮時)油圧緩衝器10の圧縮時には、(a)仕切部材
72において、小孔72Aを通る油により圧側減衰力を
生ずるとともに、(b)ピストンバルブ装置30におい
て、ピストンロッド12のバイパス流路51、或いはピ
ストン33の圧側メイン流路39に設けた圧側バルブ3
2を通る油により圧側減衰力を生ずる。
【0043】(伸長時)油圧緩衝器10の伸長時には、
ピストンバルブ装置30において、ピストンロッド12
のバイパス流路51、或いはピストン33の伸側メイン
流路40に設けた伸側バルブ34を通る油により伸側減
衰力を生ずる。
【0044】これらの圧側と伸側の減衰力により、油圧
緩衝器10の伸縮振動が制振される。
【0045】本実施形態によれば、以下の作用がある。 アジャスタ57の最大移動量を規制するストッパ60
として、プッシュロッド52のニードル部52Aが当接
する弁シート54を用いるようにしたから、アジャスタ
57のためのストッパ機構としてストッパ専用部品を付
加するものに比して、機構を簡単にし、コスト低減でき
る。
【0046】弁シート54の弁流路54Aと並列をな
すオリフィス流路61をバイパス流路51に設けたか
ら、アジャスタ57の最大設定時に、弁流路54Aがプ
ッシュロッド52のニードル部52Aにより全閉になっ
たときにも、オリフィス流路61の存在によりバイパス
流路51を全閉にすることがない。従って、アジャスタ
57の最大設定時にも、オリフィス流路61の絞り抵抗
に基づく減衰力を確保でき、減衰力が急峻に立上がるこ
とを防止できる。
【0047】アジャスタ57のカム面57Cを装着孔
56の閉塞端側からプッシュロッド52の基端部に当接
することとした。従って、プッシュロッド52の基端部
にてアジャスタ57の抜け止めができる。また、アジャ
スタ57の装着孔56を非貫通孔とし、プラグを無用と
してコスト低減できる。
【0048】バイパス流路51に環状のチョーク流路
67を形成したから、このチョーク流路67を流れる作
動油の流路抵抗が実車走行時のフィーリングを向上す
る。
【0049】弁シート54そのものにオリフィス流路
61を形成したから、オリフィス流路61を設けるため
の部品点数を削減できるし、加工コスト、組立コストも
低減できる。
【0050】図4の減衰力調整装置50は図1〜図3の
減衰力調整装置50と同様に、弁シート54をストッパ
60とする。図4の減衰力調整装置50が図1〜図3の
減衰力調整装置50と異なる点は、弁シート54の形態
を環状体とし、この弁シート54に、前述のオリフィス
流路61に代わるオリフィス81を形成したことにあ
る。即ち、弁シート54を環状体とし、この環状体にお
ける弁流路54Aの周辺端面に、該弁流路54Aに連通
する溝部82、82を設け、この溝部82を前記オリフ
ィス流路81とした。
【0051】尚、図1〜図4の実施形態では、アジェス
タ57のカム面57Cをプッシュロッド52の基端部5
2Bに対する装着孔56の閉塞端側(反操作側)に配置
し、アジェスタ57を操作側に近づくように後退移動す
ることによりプッシュロッド52が弁流路54Aを閉め
る方向に前進する構造としたから、弁シート54はアジ
ャスタ57の後退端を規制するものとなる。これに対
し、アジャスタ57のカム面57Cをプッシュロッド5
2の基端部52Bに対する装着孔56の開口端側(操作
側)に配置し、アジャスタ57を操作側から離れる方向
に前進移動することによりプッシュロッド52が弁流路
54Aを閉める方向に前進する構造とする場合には、弁
シート54がアジャスタ57の前進端を規制するものに
なる。
【0052】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0053】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、油圧緩衝
器において、簡単な機構で、アジャスタの最大設定時に
減衰力が急峻に立上がることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は油圧緩衝器を示す断面図である。
【図2】図2は図1のアジャスタを示す拡大断面図であ
る。
【図3】図3は図1の弁シートを示す拡大断面図であ
る。
【図4】図4は弁シートの変形例を示し、(A)は拡大
断面図、(B)は斜視図である。
【符号の説明】
10 油圧緩衝器 11 ダンパシリンダ 12 ピストンロッド 15 取付部材 30 ピストンバルブ装置(減衰力発生装置) 33 ピストン 38A ピストン側油室 38B ロッド側油室 39 圧側メイン流路(メイン流路) 40 伸側メイン流路(メイン流路) 50 減衰力調整装置 51 バイパス流路 52 プッシュロッド 52A ニードル部 54 弁シート 54A 弁流路 56 装着孔 57 アジャスタ 57C カム面 60 ストッパ 61、81 オリフィス流路 62 大径部 63 小径部 64 開口部 65 環状の隙間 66 小孔 67 チョーク流路 82 溝部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダンパシリンダ内に、先端部にピストン
    を設けた中空ピストンロッドを摺動自在に挿入し、 前記ダンパシリンダ内に前記ピストンロッドを収容しな
    いピストン側油室と、前記ピストンロッドを収容するロ
    ッド側油室を区画し、 前記ピストンに、前記ピストン側油室と前記ロッド側油
    室に連通するメイン流路を設け、該メイン流路に減衰力
    発生装置を設け、 前記中空ピストンロッド内に、一端を前記ピストン側油
    室に開口し、他端を前記ロッド側油室に開口するバイパ
    ス流路を設け、 前記中空ピストンロッド内のバイパス流路に先端にニー
    ドル部を設けたプッシュロッドを進退自在に挿入し、 前記中空ピストンロッドの取付部材に形成した装着孔内
    に、前記プッシュロッドの基端部に当接するテーパ状の
    カム面を外周に形成したアジャスタを進退自在に装着
    し、 前記パイパス流路のピストン側油室の開口に弁シートを
    設け、該弁シートの弁流路に、前記プッシュロッドの先
    端に設けたニードル部を臨ませ、該弁流路の開口面積を
    調整する油圧緩衝器の減衰力調整装置において、 前記弁シートを前記アジャスタの前進端又は後退端を規
    制するストッパとし、かつ、前記バイパス流路に、前記
    弁シートの弁流路と並列に前記ピストン側油室に開口す
    るオリフィス流路を形成したことを特徴とする油圧緩衝
    器の減衰力調整装置。
  2. 【請求項2】 前記アジャスタの装着孔を、一端側を開
    口し他端側を閉塞する有底状に形成し、 前記アジャスタのカム面を前記装着孔の閉塞端側から前
    記プッシュロッドの基端部に当接することにより、該ア
    ジャスタを前記装着孔から抜け止めする請求項1に記載
    の油圧緩衝器の減衰力調整装置。
  3. 【請求項3】 前記バイパス流路のうち、前記プッシュ
    ロッドの外周と前記中空ピストンロッド内周との間の環
    状空間をチョーク流路とした請求項1又は2に記載の油
    圧緩衝器の減衰力調整装置。
  4. 【請求項4】 前記弁シートに前記オリフィス流路を形
    成した請求項1〜3のいずれかに記載の油圧緩衝器の減
    衰力調整装置。
  5. 【請求項5】 前記弁シートが、円筒状の大径部と小径
    部を有し、小径部の中心部に前記弁流路を形成してな
    り、前記中空ピストンロッドのピストン側油室に開口す
    る開口部に、前記弁シートの大径部を固定し、該弁シー
    トの前記小径部の外周と前記ピストンロッドの内周との
    間に環状の隙間を形成し、 前記弁シートの前記小径部に前記環状の隙間と前記ピス
    トン側油室を連通する小孔を設け、該小孔を前記オリフ
    ィス流路とした請求項1〜4のいずれかに記載の油圧緩
    衝器の減衰力調整装置。
  6. 【請求項6】 前記弁シートが環状体からなり、該環状
    体の前記弁流路の周辺端面に該弁流路に連通する溝部を
    設け、該溝部を前記オリフィス流路とした請求項1〜4
    のいずれかに記載の油圧緩衝器の減衰力調整装置。
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