JP2003193400A - 偽造防止用紙およびそれを用いた偽造防止用印刷物 - Google Patents

偽造防止用紙およびそれを用いた偽造防止用印刷物

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JP2003193400A
JP2003193400A JP2001386625A JP2001386625A JP2003193400A JP 2003193400 A JP2003193400 A JP 2003193400A JP 2001386625 A JP2001386625 A JP 2001386625A JP 2001386625 A JP2001386625 A JP 2001386625A JP 2003193400 A JP2003193400 A JP 2003193400A
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Takao Hiraoka
孝朗 平岡
Masahisa Tanaka
昌久 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の偽造防止用紙に電子写真方式で印刷す
る際に、電場に乱れが生じて、印刷品質が低下する等の
支障があった点を解消した偽造防止用紙およびそれを用
いた偽造防止用印刷物を提供する。 【解決手段】 重ねられた紙層2の間もしくは最上層の
紙層のない開孔部3に非導電性のスレッドを挿入し、積
層することにより課題を解決した。スレッド4として
は、非導電性プラスチックフィルム5上に、ホログラム
層6、非導電性反射層7、および非導電性模様層8を有
するもの等が使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホログラム等のス
レッドの導電性を低下させたものを用いて抄き込むこと
により、使用時の問題点を改良した非導電性の偽造防止
用紙と、これを用いた偽造防止用印刷物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来のスレッドが抄き込まれた偽造防止
用紙として、特開平10−226996号公報には、ポ
リエステルフィルム等に金属蒸着薄膜や、ホログラム層
を積層して構成されたスレッドが、窓開き部に露出して
いるスレッド入り紙からなる偽造防止用紙が開示されて
いる。このようなスレッド入り紙は、製造に極めて高度
な技術を必要とするので、偽造防止に大きな効果がある
と言われ、種々の偽造防止を必要とする用途や、各国の
紙幣向け等に用いられている。
【0003】上記のような紙幣の場合には、番号が一枚
ずつ異なることを除くと、一定の図柄と金額のものを、
通常の印刷方式を利用して大量に印刷して作製するもの
であるので、上記のような偽造防止用紙は、印刷に必要
な適性を備えていればよく、特に問題は生じていない。
しかし、紙幣以外にも、偽造防止用紙を必要とする分野
は多く、例えば、領収書、請求書、もしくは証明書等の
ように、該当する個人毎に異なる個人情報や個別の番号
等の、用紙毎に異なる可変情報を設けた印刷物について
も、偽造防止用紙に印刷することが望まれている。
【0004】このような可変情報を印刷するには、入力
された情報に基づいて、印刷物の一部毎に異なる印刷が
可能であり、印刷品質がよく、コンピュータ出力に基づ
いた印刷を可能にするための処理速度の速い点で、コン
ピュータ出力用のプリンタを用いることが好ましい。と
りわけ、印刷品質、および処理速度の点で、レーザーも
しくはLEDで書込みを行ない、電子写真方式でトナー
を転移させるノンインパクトプリンタを用いることがよ
り好ましい。
【0005】ところが、ノンインパクトプリンタを用
い、高電位をかけて生じる電場内を、上記のような従来
の偽造防止用紙が通過するとき、金属蒸着薄膜を有する
スレッドが抄き込まれた偽造防止用紙は、その金属蒸着
薄膜の存在により、電場に乱れが生じるため、印刷品質
が低下したり、ノンインパクトプリンタの故障が起きる
こともある。あるいは、用紙に施された着色や印刷も、
そのために用いられる着色剤が導電性を有していると、
同様に問題を生じ得る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、従
来の偽造防止用紙にノンインパクトプリンタで印刷する
際に、電場に乱れが生じて、印刷品質が低下したり、ノ
ンインパクトプリンタの故障が起こっていた点を解消可
能な偽造防止用紙を提供することを課題とするものであ
る。また、本発明においては、そのような偽造防止用紙
を用いたことにより、印刷品質が高く、ノンインパクト
プリンタの故障をまねくことなく形成可能な偽造防止用
印刷物を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決する手段】紙層の間に抄き込むスレッドの
素材として、いずれも非導電性、もしくは実質的に非導
電性であるものを使用することにより、上記の課題を解
決することができた。
【0008】第1の発明は、複数の紙層が積層されてい
ると共に、前記紙層間に非導電性スレッドが積層されて
いることを特徴とする偽造防止用紙に関するものであ
る。第2の発明は、第1の発明において、前記複数の紙
層のうち、前記スレッドよりも表面側の紙層が部分的に
開孔しているか、もしくは厚みが薄くなっていることか
らなる窓開き部を有していることを特徴とする偽造防止
用紙に関するものである。第3の発明は、第1または第
2の発明において、前記スレッドが、着色された非導電
性プラスチックフィルムからなることを特徴とする偽造
防止用紙に関するものである。第4の発明は、第1また
は第2の発明において、前記スレッドが、非導電性プラ
スチックフィルムと非導電性透明樹脂層とが積層され、
前記非導電性透明樹脂層の前記非導電性プラスチックフ
ィルムとは反対側の面に光回折構造が設けられ、前記光
回折構造上に非導電性反射層が積層されたものであるこ
とを特徴とする偽造防止用紙に関するものである。第5
の発明は、第1または第2の発明において、前記スレッ
ドが、(1)非導電性プラスチックフィルムに非導電性
模様層を有するものであるか、(2)着色された非導電
性プラスチックフィルムに非導電性模様層を有するもの
であるか、または、(3)非導電性プラスチックフィル
ムと樹脂層とが積層され、前記樹脂層の前記非導電性プ
ラスチックフィルムとは反対側の面に光回折構造が設け
られ、前記光回折構造上に非導電性反射層が積層され、
かつ、前記非導電性プラスチックフィルムの露出面もし
くは前記反射層の露出面に非導電性模様層を有するもの
であることを特徴とする偽造防止用紙に関するものであ
る。第6の発明は、第1〜第5いずれかの発明の偽造防
止用紙上に、印刷が施されていることを特徴とする偽造
防止用印刷物に関するものである。第7の発明は、第6
の発明において、可変情報の印刷が施されていることを
特徴とする偽造防止用印刷物に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の偽造防止用紙の
典型例を示す図で、図1(a)に斜視図で示すように、
2a、2b、および2cの三層の各々の紙層からなる紙
層の積層体2が積層されており、最上層の紙層2cの手
前から奥側に向かって、幅を有する開孔部3が形成され
たことによる窓開き部を有し、開孔部3の幅方向の中央
に、非導電性のスレッド4が積層されて偽造防止用紙1
が構成されている。スレッド4は、厚み方向の位置とし
ては、最上層の紙層と、最上層に接する次の紙層との間
に位置している。
【0010】スレッド4は、数mm〜0.3mm程度の
幅のごく狭い糸状とも見えるテープ状の装飾片を意味
し、基本的には紙層どうしが積層された間に適当な間隔
で挿入される。スレッド4は、図1(b)に示すよう
に、例えば、非導電性プラスチックフィルム5を基材と
し、その上に、ホログラム層6、および非導電性反射層
7が順に積層されたものであって、図示の例では、さら
に、非導電性反射層7上に非導電性模様層8が積層され
たものであって、以上の各層の性質から、スレッド全体
が非導電性、もしくは、電子写真方式のノンインパクト
プリンターによる印字に支障の無い程度に、実質的に非
導電性である。以降においては、実質的に非導電性であ
るものも「非導電性」の範囲に含め、ここで、実質的に
非導電性とは10-8Ω-1cm-1以下のものを指す。な
お、図示しないが、スレッド4の上面または/および下
面には、紙層との接着を向上させるため、接着剤層が積
層されていてもよく、上記の積層構造以外のスレッド4
に関しても、同様である。
【0011】偽造防止用紙1は、図示した典型例以外に
も、最上層の紙層の開孔部の代わりに、その部分の厚み
が薄くなっている薄肉部からなる窓開き部を有してい
て、薄肉部の下にスレッドが積層されたものであっても
よい。いずれにせよ、スレッド4の視認性がよい。偽造
防止用紙1は、厚みが均一な紙層どうしの単なる積層構
造の紙層間にスレッドが積層されたものであってもよ
く、この場合、スレッドの視認性は、開孔部からなる窓
開き部を有するものより若干低下するが、表面に凹凸が
なく、印刷、印字の適性がよい。
【0012】スレッド4は、上記の典型例では、種々の
層が積層し多層の積層構造を有するものとして説明した
が、次の(1)〜(3)に列挙するような、もっと簡単
な構造のものも含めた種々の構造を有するものであって
もよい。
【0013】(1)着色された非導電性プラスチックフ
ィルムのみからなるもの。着色は非導電性プラスチック
フィルムの成膜時に、原料プラスチックに着色剤、例え
ば、顔料もしくは染料を含有させたことによって行なう
か、または、透明(無着色)なプラスチックフィルムに
塗料やインキで着色することによって着色を行なったも
のであってよい。あるいは、非導電性の金属酸化物等で
構成された薄膜の積層により着色されたものであっても
よい。着色に使用する顔料もしくは染料の着色剤として
は、導電性のものを除き、非導電性のものを用い、具体
的には、非導電性模様層8を形成する際に用いることが
可能な着色剤(後述)と同様である。
【0014】(2)ホログラム等の光回折構造を有する
もの。工業的には、プラスチックフィルムを基材とする
積層構造とすることが好ましい。例えば、図2(c)に
示すような、非導電性プラスチックフィルム5上に非導
電性のホログラム層6が形成され、ホログラム層6の微
細凹凸上に、非導電性反射層7が積層されたものであ
る。ここでホログラム層6は、透明な樹脂層の上面にホ
ログラム等の光回折構造の微細凹凸が形成されたもので
あり、単にホログラム層というときは、回折格子等も含
むものとする。
【0015】(3)非導電性模様層を有するもの。例え
ば、図2(a)に示すように、無着色の非導電性プラス
チックフィルム5上に非導電性模様層8が積層されたも
の、図2(b)に示すように、着色された非導電性プラ
スチックフィルム5’上に、非導電性模様層8が積層さ
れたもの、もしくは、図1(b)を引用して説明した非
導電性プラスチックフィルム5、非導電性のホログラム
層6、非導電性反射層7、および非導電性模様層8が積
層されたものが挙げられる。
【0016】スレッド4を構成するための非導電性プラ
スチックフィルム5としては、ポリエステル系樹脂フィ
ルム、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、もし
くはポリエチレンナフタレート樹脂のフィルム、ポリエ
チレン樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、ビ
ニル系樹脂フィルム、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂フィ
ルム、または、ポリアミド系樹脂フィルム、例えば、ナ
イロンフィルム、等を挙げることができ、厚みとして
は、5μm〜20μm程度あることが好ましい。
【0017】ホログラム層6を構成するための非導電性
透明樹脂層は、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(例、P
MMA)、ポリスチレン、もしくはポリカーボネートな
どの熱可塑性樹脂以外に、熱硬化性樹脂、例えば、不飽
和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステル
(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレー
ト、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メ
タ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、
メラミン(メタ)アクリレート、もしくはトリアジン系
アクリレート等を用いて形成することができ、これらの
樹脂は、それぞれ単独、または、熱可塑性樹脂どうし、
熱硬化性樹脂どうし、もしくは熱可塑性樹脂と熱硬化性
樹脂とを混合して使用することができ、これら樹脂とし
ては、導電性のある物質を実質的に含まないものを用い
る。
【0018】上記の樹脂からなる非導電性透明樹脂層へ
の光回折構造の形成は、上記の材料を用いて、従来既知
の方法によって形成することができる。例えば、回折格
子やホログラムの干渉縞を表面凹凸のレリーフとして記
録する場合には、回折格子や干渉縞が微細凹凸の形で記
録された原版をプレス型として用い、上記の樹脂からな
る透明な樹脂層上に原版を重ねて加熱ロールなどの適宜
手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の微
細凹凸を複製することができる。また、フォトポリマー
を用いる場合は、前記積層シートの保護層上に、フォト
ポリマーを同様にコーティングした後、前記原版を重ね
て紫外線等の電離放射線を照射することにより複製する
ことができる。このような非導電性のホログラム層6の
厚みは、0.1〜6μmの範囲が好ましく、0.1〜4
μmの範囲が更に好ましい。
【0019】ホログラム層6が、その表面に、回折格子
やホログラムの干渉縞を微細凹凸として有する場合に
は、その回折効率を高めるために、反射層を微細凹凸面
に形成することが好ましい。一般的なホログラムにおけ
る典型的な反射層は、アルミニウム等の金属を蒸着等に
より薄膜として形成したものであるが、本発明において
は、スレッド4が金属蒸着薄膜を有すると、電場に乱れ
が生じて、支障を生じるので、金属薄膜等の導電性で反
射層を構成することを避けることが望ましく、従って、
反射層を非導電性のものとして構成する。
【0020】非導電性反射層7を構成する具体的な材料
としては、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、A
u、Ge、Al、Mg、Zn、Sb、Pb、Cd、B
i、Sn、Se、Ti、In、Ga、もしくはRb等の
金属の酸化物、もしくはそれら金属の窒化物を単独で、
もしくは組合わせて形成する。これらは、真空蒸着法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法などの薄膜
形成法によって薄膜とすることができ、層の厚みとして
は、300Å〜1000Å程度であることが好ましい。
【0021】非導電性反射層7は、ホログラム層6とは
光の屈折率の異なる物質からなる有色透明もしくは無色
透明な連続薄膜であってもよい。また、透明とするため
に、層7の厚みが、300Å程度未満であることが好ま
しく、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーテ
ィング法などの薄膜形成法によって形成する。連続薄膜
は、その屈折率が光回折構造層64より大きくても小さ
くてもよいが、屈折率の差が0.3以上あることが好ま
しく、差が0.5以上、更には1.0以上あることがよ
り好ましい。
【0022】ホログラム層6よりも屈折率が大きい連続
薄膜としては、ZnS、TiO2、Al23 、Sb2
3 、SiO、TiO、もしくはSiO2 等で構成した
薄膜を挙げることができ、また、ホログラム層6よりも
屈折率が小さい連続薄膜としては、LiF、MgF2
もしくはAlF3 等で構成した薄膜を挙げることができ
る。
【0023】上記の他、ホログラム層6とは屈折率の異
なる透明な合成樹脂、例えば、ポリテトラフルオロエチ
レン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、もしくはポリメチ
ルメタクリレート等の層を、導電性物質を実質的に含ま
ない状態で、非導電性反射層7として用いることもでき
る。
【0024】非導電性模様層8は、非導電性組成物を用
いて形成されたものである。一般的に言って、模様層6
を設けるのは、顔料や染料等の着色剤をバインダ樹脂、
溶剤等に分散させたインキ組成物、もしくは塗料組成物
を用いて、印刷等により行なう。しかし、インキ組成物
中、もしくは塗料組成物中の、主に顔料に由来して、模
様層が導電性を帯びることがあるので、模様層形成用の
インキ組成物もしくは塗料組成物としては、非導電性の
着色剤を配合したものを用いることが望ましい。
【0025】一般に、インキ組成物もしくは塗料組成物
に配合される着色剤のうち、導電性の高いものは、黒色
用として用いられるカーボンブラック、金属色用として
用いられるアルミニウム粉末、ブロンズ(銅と亜鉛の合
金)粉末、亜鉛粉末(=亜鉛末)であるので、これらを
除き、さらにほかの金属粉もしくは合金粉を除いた、即
ち、導電性着色剤を除いた非導電性インキ組成物もしく
は非導電性塗料組成物を用いる。
【0026】非導電性模様層8は、上記の非導電性イン
キ組成物もしくは非導電性塗料組成物を用いる以外は、
通常用いられる印刷方式、もしくは塗装方式によって形
成することができる。なお、以上に説明した、非導電性
インキ組成物もしくは非導電性塗料組成物を用い、通常
用いられる印刷方式、もしくは塗装方式によって形成す
る点は、非導電性プラスチックフィルムに着色する際と
共通である。
【0027】スレッド4を複数の紙層2の積層構造に挿
入するには、従来技術の説明に際して挙げた特開平10
−226996号公報に記載されるような、次に例示す
る公知の種々の方法を利用すればよい。
【0028】2層以上の抄合わせにより偽造防止用紙を
製造するに際しては、多槽式円網抄紙機を使用し、最初
の槽で抄紙した紙層上に、二槽目の円網シリンダー上に
設けられた凸状部により抄紙された紙層が抄き合わせら
れる際に、スレッドを挿入する等の方法で行なうことが
できる。あるいは、内壁に凹凸を設けた送管を使用して
スレッドを送り込む方法や、凹凸状に加工した網を円網
抄紙機の上網に使用し、スレッドを網表面の凹凸部に接
触させながら挿入して開孔部3にスレッド4を抄き込む
方法等を利用して行なうことができる。
【0029】上記の方法によれば、スレッド4を開孔部
3からなる窓開き部から露出させることができるが、凸
状部を有するローラを抄紙網上の湿紙に接触させて押圧
することにより、凸状部に相当する部分では湿紙の繊維
が押し退けられて、紙層が薄くなったことによる窓開き
部が形成される。なお、以上のような窓開き部を設けず
に、紙層間にスレッドをはさんで積層しても、スレッド
4上の紙層が薄ければ、スレッド4を透視できる。
【0030】本発明の偽造防止用紙1は、非導電性のス
レッド4が挿入され積層されたものであって、従来の偽
造防止用紙と同様に、偽造防止用印刷物を作製する際の
用紙として用いることができるが、特に、電子写真方式
を利用したノンインパクトプリンターを用いて印刷する
(印字する)用途に適している。偽造防止用印刷物を作
製する際には、偽造防止用紙1に、好ましくは可変情報
を印字することにより、用紙の一枚毎に異なる可変情報
が施された偽造防止用印刷物の複数枚、より好ましくは
多数枚からなる組が作製される。また、偽造防止用紙1
には、可変情報を印刷する以外に、固定情報や固定図柄
を、通常のオフセット印刷方式、凸版印刷方式、もしく
はグラビア印刷方式等の公知の印刷方式により、予め印
刷して設けておくことが好ましい。
【0031】
【実施例】(実施例1)厚みが12μmのポリエチレン
テレフタレート樹脂フィルム上に、オフセット印刷によ
り絵柄を形成したものを1mm幅にスリットしてスレッ
ドを得た。得られたスレッドを抄紙時に挿入し、厚み5
0μmの紙層上に、同じ厚みの紙層が積層した部分と積
層しない部分とを有し、上層の紙層が積層しない部分に
スレッドが積層した本発明の偽造防止用紙を作製した。
【0032】これとは別に、厚み12μmのポリエチレ
ンテレフタレート樹脂フィルム上に、透明樹脂の表面に
ホログラムの微細凹凸を有するホログラム層、およびア
ルミニウム蒸着層が順に積層した従来の偽造防止用紙を
準備した。本発明の偽造防止用紙および従来の偽造防止
用紙を、電子写真方式のノンインパクトプリンターを用
いて文字を印字したところ、本発明の偽造防止用紙に印
字したものは、紙面全面で支障なく印字が行なえたが、
従来の偽造防止用紙に印字したものは、部分的にトナー
の転写が行なわれず、文字の一部に欠けが生じた。
【0033】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、スレッドとし
て非導電性のものを使用したので、電子写真方式のノン
インパクトプリンターを用いての印字の際に、電場の乱
れに基づく、支障が生じることがない偽造防止用紙を提
供することができる。請求項2の発明によれば、請求項
1の発明の効果に加え、スレッド上が窓開き部を形成し
ているので、スレッドの視認性のよい偽造防止用紙を提
供することができる。請求項3の発明によれば、請求項
1または請求項2の発明の効果に加え、着色されたスレ
ッドを視認できる偽造防止用紙を提供することができ
る。請求項4の発明によれば、請求項1または請求項2
の発明の効果に加え、スレッドがホログラムの外観を備
えた偽造防止用紙を提供することができる。請求項5の
発明によれば、請求項1または請求項2の発明の効果に
加え、スレッドが、模様層を有するか、着色されたベー
ス上に模様層を有するか、もしくはホログラムの外観に
加えて模様層を有する偽造防止用紙を提供することがで
きる。請求項6の発明によれば、請求項1〜請求項5い
ずれかの発明の効果を発揮し得る用紙を用いた偽造防止
用印刷物を提供することができる。請求項7の発明によ
れば、請求項6の発明の効果に加え、可変情報が施され
た偽造防止用印刷物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の偽造防止用紙およびスレッドの例を示
す図である。
【図2】ほかのタイプのスレッドを示す図である。
【符号の説明】
1 偽造防止用紙 2 紙層の積層体(2a、2b、2c;各紙層) 3 開孔部 4 スレッド 5 非導電性プラスチックフィルム(5’;着色され
たもの) 6 ホログラム層 7 非導電性反射層 8 非導電性模様層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 HA01 HB10 JA09 JB09 KA02 KA48 4L055 AJ01 AJ02 AJ05 AJ10 BD16 BD17 BD20 FA30 GA45

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の紙層が積層されていると共に、前
    記紙層間に非導電性スレッドが積層されていることを特
    徴とする偽造防止用紙。
  2. 【請求項2】 前記複数の紙層のうち、前記スレッドよ
    りも表面側の紙層が部分的に開孔しているか、もしくは
    厚みが薄くなっていることからなる窓開き部を有してい
    ることを特徴とする請求項1記載の偽造防止用紙。
  3. 【請求項3】 前記スレッドが、着色された非導電性プ
    ラスチックフィルムからなることを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の偽造防止用紙。
  4. 【請求項4】 前記スレッドが、非導電性プラスチック
    フィルムと非導電性透明樹脂層とが積層され、前記非導
    電性透明樹脂層の前記非導電性プラスチックフィルムと
    は反対側の面に光回折構造が設けられ、前記光回折構造
    上に非導電性反射層が積層されたものであることを特徴
    とする請求項1または2記載の偽造防止用紙。
  5. 【請求項5】 前記スレッドが、(1)非導電性プラス
    チックフィルムに非導電性模様層を有するものである
    か、(2)着色された非導電性プラスチックフィルムに
    非導電性模様層を有するものであるか、または、(3)
    非導電性プラスチックフィルムと樹脂層とが積層され、
    前記樹脂層の前記非導電性プラスチックフィルムとは反
    対側の面に光回折構造が設けられ、前記光回折構造上に
    非導電性反射層が積層され、かつ、前記非導電性プラス
    チックフィルムの露出面もしくは前記反射層の露出面に
    非導電性模様層を有するものであることを特徴とする請
    求項1または2記載の偽造防止用紙。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5いずれか記載の偽造
    防止用紙上に、印刷が施されていることを特徴とする偽
    造防止用印刷物。
  7. 【請求項7】 可変情報の印刷が施されていることを特
    徴とする請求項6記載の偽造防止用印刷物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011173379A (ja) * 2010-02-25 2011-09-08 Toppan Printing Co Ltd 表示体及びその製造方法
WO2013187484A1 (ja) * 2012-06-15 2013-12-19 凸版印刷株式会社 偽造防止用紙

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