JP2003192720A - オレフィン類重合用触媒及びオレフィン類の重合方法 - Google Patents

オレフィン類重合用触媒及びオレフィン類の重合方法

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JP2003192720A
JP2003192720A JP2001399894A JP2001399894A JP2003192720A JP 2003192720 A JP2003192720 A JP 2003192720A JP 2001399894 A JP2001399894 A JP 2001399894A JP 2001399894 A JP2001399894 A JP 2001399894A JP 2003192720 A JP2003192720 A JP 2003192720A
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halogen
atom
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carbon atoms
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JP2001399894A
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English (en)
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Masayoshi Saito
雅由 齋藤
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Toho Titanium Co Ltd
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Toho Catalyst Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 対水素活性に優れ、従来と同等の活性を示
し、かつ、高メルトフローレイト領域においても結晶性
を高度に維持した重合体を得ることができるオレフィン
類重合用触媒を提供する。 【解決手段】 (A)マグネシウム化合物(a)、4価
のチタンハロゲン化合物(b)および電子供与性化合物
(c)を接触させることにより調製される固体触媒成
分、(B)一般式R1 pAlQ3-p で表される有機アル
ミニウム化合物、(C)一般式R2 lSi( OR3)4-l-m
1 m およびR4 qSi(OR5)4-qで表される有機ケイ素
化合物の1種または2種以上、及び(E)一般式R6 r
nX2 2-rで表される有機亜鉛化合物から形成されるオレ
フィン類重合用触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対水素活性が良好
であり、従来と同等の活性を示し、かつ高メルトフロー
であると共に結晶性を高度に維持したポリマーを得るこ
とができるオレフィン類重合用触媒及び該オレフィン類
重合用触媒の存在下にオレフィン類を重合又は共重合す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プロピレンなどのオレフィン類の
重合においては、マグネシウム、チタン、電子供与性化
合物及びハロゲンを必須成分として含有する固体触媒成
分が知られている。また該固体触媒成分、有機アルミニ
ウム化合物及び有機ケイ素化合物から成るオレフィン類
重合用触媒の存在下に、プロピレンを重合もしくは共重
合させるオレフィン類の重合方法が数多く提案されてい
る。例えば、特開昭57−63310号並びに特開昭5
7−63311号公報においては、マグネシウム化合
物、チタン化合物及び電子供与体を含有する固体触媒成
分と、有機アルミニウム化合物及びSi−O−C結合を
有する有機ケイ素化合物との組み合わせから成る触媒を
用いて、特に炭素数が3以上のオレフィン類を重合させ
る方法が提案されている。しかしながら、これらの方法
は、高立体規則性重合体を高収率で得るには、必ずしも
充分に満足したものではなく、より一層の改良が望まれ
ていた。
【0003】一方、特開平9−169808号公報にお
いては、ジエトキシマグネシウム又はジアリールオキシ
マグネシウム、チタン化合物、芳香族ジカルボン酸ジエ
ステルおよび環状または鎖状ポリシロキサンを用いて調
製される固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物及び
有機ケイ素化合物より成るオレフィン類重合用触媒及び
該触媒の存在下でのオレフィン類の重合方法が提案され
ている。
【0004】上記従来技術は、その目的が生成重合体中
に残留する塩素やチタン等の触媒残渣を除去する所謂脱
灰行程を省略し得る程の高活性を有すると共に、併せて
立体規則性重合体の収率の向上や、重合時の触媒活性の
持続性を高めることに注力したものであり、それぞれ優
れた成果を上げている。
【0005】ところで上記のような触媒を用いて得られ
るポリマーは、自動車あるいは家電製品等の成型品の
他、容器やフィルム等種々の用途に利用されている。こ
れらは、重合により生成したポリマーパウダーを溶融
し、各種の成型機により成型されるが、特に射出成型等
でかつ大型の成型品を製造する際に、溶融ポリマーの流
動性(メルトフローレイト)が高いことが要求される場
合があり、そのためポリマーのメルトフローレイトを上
げるべく多くの研究が為されている。
【0006】メルトフローレイトは、ポリマーの分子量
に大きく依存する。当業界においてはプロピレンの重合
に際し、生成ポリマーの分子量調節剤として水素を添加
することが一般的に行われている。このとき低分子量の
ポリマーを製造する場合、すなわち高メルトフローレイ
トのポリマーを製造するためには通常多くの水素を添加
するが、リアクターの耐圧にはその安全性から限度があ
り、添加し得る水素量にも制限がある。このため、より
多くの水素を添加するためには重合するモノマーの分圧
を下げざるを得ず、この場合生産性が低下することにな
る。また、水素を多量に用いることからコストの面の問
題も生じる。従って、より少ない水素量で高メルトフロ
ーレイトのポリマーが製造できるような、いわゆる対水
素活性の高い触媒の開発が望まれていた。上記従来技術
のようにポリマーの立体規則性あるいは結晶性を向上さ
せると、対水素活性は極端に低下してしまい、高メルト
フローレイトのポリマーは製造できない。また触媒の対
水素活性を向上させて、高メルトフローレイトのポリマ
ーを製造すると、該ポリマーの立体規則性あるいは結晶
性が低下してしまうという問題があり、従来の触媒では
係る課題を解決するには充分ではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】すなわち本発明の目的
は、より高い対水素活性を有するとともに、従来と同等
の活性を示し、高メルトフローレイトの領域においても
結晶性を高度に維持したポリマーを得ることができるオ
レフィン類重合用触媒を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記従来技
術に残された課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、
特定の固体触媒成分と、特定の有機アルミニウム化合物
と、特定の有機ケイ素化合物と、特定の有機亜鉛化合物
とを組合せた触媒が、より高い対水素活性を有し、従来
と同等の活性を示し、かつ高メルトフローレイトであっ
ても立体規則性あるいは結晶性を高度に維持できるポリ
マーが得られ上記問題を解決し得ることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明(1)は、(A)マグネ
シウム化合物(a)、4価のチタンハロゲン化合物
(b)および電子供与性化合物(c)を接触させること
により調製される固体触媒成分、(B)下記一般式
(1); R1 pAlQ3-p (1) (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Qは
水素原子あるいはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3
の実数である。)で表される有機アルミニウム化合物、
(C)下記成分(C1)及び下記成分(C2)から選択さ
れる1種または2種以上のハロゲン含有有機ケイ素化合
物;(C1)下記一般式(2); R2 lSi( OR3)4-l-m1 m (2) (式中、R2は炭素数1〜12のアルキル基、シクロア
ルキル基、フェニル基、ビニル基、アリル基、アラルキ
ル基のいずれかで、同一または異なっていてもよく、R
3は炭素数1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、フ
ェニル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基を示し、
同一または異なっていてもよく、X1は塩素原子、臭素
原子、ヨウ素原子から選ばれるハロゲン原子を示し、l
は0または1〜2の整数、mは1〜3の整数であり、1
≦l+m≦3である。)で表されるハロゲン含有有機ケ
イ素化合物、(C2)下記一般式(3); R4 qSi(OR5)4-q (3) (式中、R4は炭素数1〜12の直鎖状あるいは分岐鎖
状のアルキル基の1〜3つの水素原子がハロゲン原子に
置換したものであって、同一または異なっていてもよ
く、R5は炭素数1〜4のアルキル基、シクロアルキル
基、フェニル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基を
示し、同一または異なっていてもよく、qは1≦q≦3
の整数である。)で表されるハロゲン含有有機ケイ素化
合物、および(E)下記一般式(5); R6 r Zn X2 2-r (5) (式中、R6は炭素数1〜12のアルキル基、シクロア
ルキル基、フェニル基のいずれかで、同一または異なっ
ていてもよく、X2は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子
から選ばれるハロゲン原子を示し、rは1または2であ
る。)で表される有機亜鉛化合物、から形成されること
を特徴とするオレフィン類重合用触媒を提供するもので
ある。
【0010】また、本発明(2)は、(A)マグネシウ
ム化合物(a)、4価のチタンハロゲン化合物(b)、
およびフタル酸ジエステルを接触させることにより調製
される固体触媒成分、(B)下記一般式(1); R1 pAlQ3-p (1) (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Qは
水素原子あるいはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3
の実数である。)で表される有機アルミニウム化合物、
(D)下記一般式(4); Si(OR5)4 (4) (式中、R5は前記と同義である。)で表される有機ケ
イ素化合物の1種又は2種以上、および(E)下記一般
式(5); R6 r Zn X2 2-r (5) (式中、R6は炭素数1〜12のアルキル基、シクロア
ルキル基、フェニル基のいずれかで、同一または異なっ
ていてもよく、X2は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子
から選ばれるハロゲン原子を示し、rは1または2であ
る。)で表される有機亜鉛化合物、から形成されること
を特徴とするオレフィン類重合用触媒を提供するもので
ある。
【0011】また、本発明(3)は、上記発明(1)又
は上記発明(2)のオレフィン類重合用触媒の存在下
に、オレフィン類を重合もしくは共重合させることを特
徴とするオレフィン類の重合方法を提供するものであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のオレフィン類重合用触媒
のうち固体触媒成分(A)(以下、「成分(A)」とい
うことがある。)の調製に用いられるマグネシウム化合
物(以下単に「成分(a)」ということがある。)とし
ては、ジハロゲン化マグネシウム、ジアルキルマグネシ
ウム、ハロゲン化アルキルマグネシウム、ジアルコキシ
マグネシウム、ジアリールオキシマグネシウム、ハロゲ
ン化アルコキシマグネシウムあるいは脂肪酸マグネシウ
ム等が挙げられる。これらのマグネシウム化合物の中で
もジアルコキシマグネシウムが好ましく、具体的には、
ジメトキシマグネシウム、ジエトキシマグネシウム、ジ
プロポキシマグネシウム、ジブトキシマグネシウム、エ
トキシメトキシマグネシウム、エトキシプロポキシマグ
ネシウム、ブトキシエトキシマグネシウム等が挙げら
れ、ジエトキシマグネシウムが特に好ましい。また、こ
れらのジアルコキシマグネシウムは、金属マグネシウム
を、ハロゲンあるいはハロゲン含有金属化合物等の存在
下にアルコールと反応させて得たものでもよい。また、
上記のジアルコキシマグネシウムは、単独あるいは2種
以上併用することもできる。
【0013】更に、本発明において成分(A)の調製に
用いられるジアルコキシマグネシウムは、顆粒状又は粉
末状であり、その形状は不定形あるいは球状のものを使
用し得る。例えば球状のジアルコキシマグネシウムを使
用した場合、より良好な粒子形状と狭い粒度分布を有す
る重合体粉末が得られ、重合操作時の生成重合体粉末の
取扱い操作性が向上し、生成重合体粉末に含まれる微粉
に起因する閉塞等の問題が解消される。
【0014】上記の球状ジアルコキシマグネシウムは、
必ずしも真球状である必要はなく、楕円形状あるいは馬
鈴薯形状のものを用いることもできる。具体的にその粒
子の形状は、長軸径lと短軸径wとの比(l/w)が3
以下であり、好ましくは1から2であり、より好ましく
は1から1.5である。
【0015】また、上記ジアルコキシマグネシウムの平
均粒径は1から200μmのものが使用し得る。好まし
くは5から150μmである。球状のジアルコキシマグ
ネシウムの場合、その平均粒径は1から100μm、好
ましくは5から50μmであり、更に好ましくは10か
ら40μmである。また、その粒度については、微粉及
び粗粉の少ない、粒度分布の狭いものを使用することが
望ましい。具体的には、5μm以下の粒子が20%以下
であり、好ましくは10%以下である。一方、100μ
m以上の粒子が10%以下であり、好ましくは5%以下
である。更にその粒度分布をln(D90/D10)
(ここで、D90は積算粒度で90%における粒径、D
10は積算粒度で10%における粒径である。)で表す
と3以下であり、好ましくは2以下である。
【0016】上記の如き球状のジアルコキシマグネシウ
ムの製造方法は、例えば特開昭58−41832号公
報、特開昭62−51633号公報、特開平3−743
41号公報、特開平4−368391号公報、特開平8
−73388号公報などに例示されている。
【0017】本発明における成分(A)の調製に用いら
れる4価のチタンハロゲン化合物(b)(以下「成分
(b)」ということがある。)は、チタンハライドもし
くはアルコキシチタンハライド群から選択される化合物
の1種あるいは2種以上である。
【0018】具体的には、チタンハライドとしてチタン
テトラクロライド、チタンテトラブロマイド、チタンテ
トラアイオダイド等のチタンテトラハライド、アルコキ
シチタンハライドとしてメトキシチタントリクロライ
ド、エトキシチタントリクロライド、プロポキシチタン
トリクロライド、n−ブトキシチタントリクロライド、
ジメトキシチタンジクロライド、ジエトキシチタンジク
ロライド、ジプロポキシチタンジクロライド、ジ−n−
ブトキシチタンジクロライド、トリメトキシチタンクロ
ライド、トリエトキシチタンクロライド、トリプロポキ
シチタンクロライド、トリ−n−ブトキシチタンクロラ
イド等が例示される。このうち、チタンテトラハライド
が好ましく、特に好ましくはチタンテトラクロライドで
ある。これらのチタン化合物は単独あるいは2種以上併
用することもできる。
【0019】本発明における固体触媒成分(A)の調製
に用いられる電子供与性化合物(以下、単に成分(c)
ということがある。)は、酸素あるいは窒素を含有する
有機化合物であり、例えばアルコール類、フェノール
類、エーテル類、エステル類、ケトン類、酸ハライド
類、アルデヒド類、アミン類、アミド類、ニトリル類、
イソシアネート類、Si−O−C結合を含む有機ケイ素
化合物等が挙げられる。
【0020】具体的には、メタノール、エタノール、n
−プロパノール、2−エチルヘキサノール等のアルコー
ル類、フェノール、クレゾール等のフェノール類、メチ
ルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、ブチ
ルエーテル、アミルエーテル、ジフェニルエーテル、
9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレン、2−イソ
プロピル−2−イソペンチル−1,3―ジメトキシプロ
パン等のエーテル類、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビ
ニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシ
ル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、安息香酸メチ
ル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチ
ル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息
香酸フェニル、p−トルイル酸メチル、p−トルイル酸
エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル等のモノカル
ボン酸エステル類、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジ
ブチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、ア
ジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸
ジイソデシル、アジピン酸ジオクチル、フタル酸ジメチ
ル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸
ジブチル、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジヘキシル、
フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ
ノニル、フタル酸ジデシル等のジカルボン酸エステル
類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケト
ン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等のケトン類、フ
タル酸ジクロライド、テレフタル酸ジクロライド等の酸
ハライド類、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデ
ヒド類、メチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミ
ン、ピペリジン、アニリン、ピリジン等のアミン類、オ
レイン酸アミド、ステアリン酸アミド等のアミド類、ア
セトニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリル等のニト
リル類、イソシアン酸メチル、イソシアン酸エチル等の
イソシアネート類等を挙げることができる。
【0021】また、Si−O−C結合を含む有機ケイ素
化合物としては、フェニルアルコキシシラン、アルキル
アルコキシシラン、フェニルアルキルアルコキシシラ
ン、シクロアルキルアルコキシシラン、シクロアルキル
アルキルアルコキシシラン等を挙げることができる。
【0022】上記の電子供与性化合物のうち、エステル
類、とりわけ芳香族ジカルボン酸ジエステルが好ましく
用いられ、特にフタル酸ジエステルが好適である。これ
らのフタル酸ジエステルの具体例としては、フタル酸ジ
メチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−プロピ
ル、フタル酸ジ−iso−プロピル、フタル酸ジ−n−
ブチル、フタル酸ジ−iso−ブチル、フタル酸エチル
メチル、フタル酸メチル(iso−プロピル)、フタル
酸エチル(n−プロピル)、フタル酸エチル(n−ブチ
ル)、フタル酸エチル(iso−ブチル)、フタル酸ジ
−n−ペンチル、フタル酸ジ−iso−ペンチル、フタ
ル酸ジ−neo−ペンチル、フタル酸ジヘキシル、フタ
ル酸ジ−n−ヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フ
タル酸ビス(2,2−ジメチルヘキシル)、フタル酸ビ
ス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジ−n−ノニル、
フタル酸ジ−iso−デシル、フタル酸ビス(2,2−
ジメチルヘプチル)、フタル酸n−ブチル(iso−ヘ
キシル)、フタル酸n−ブチル(2−エチルヘキシ
ル)、フタル酸n−ペンチルヘキシル、フタル酸n−ペ
ンチル(iso−ヘキシル)、フタル酸iso−ペンチ
ル(ヘプチル)、フタル酸n−ペンチル(2−エチルヘ
キシル)、フタル酸n−ペンチル(iso−ノニル)、
フタル酸iso−ペンチル(n−デシル)、フタル酸n
−ペンチルウンデシル、フタル酸iso−ペンチル(i
so−ヘキシル)、フタル酸n−ヘキシル(2,2−ジ
メチルヘキシル)、フタル酸n−ヘキシル(2−エチル
ヘキシル)、フタル酸n−ヘキシル(iso−ノニ
ル)、フタル酸n−ヘキシル(n−デシル)、フタル酸
n−ヘプチル(2−エチルヘキシル)、フタル酸n−ヘ
プチル(iso−ノニル)、フタル酸n−ヘプチル(n
eo−デシル)、フタル酸2−エチルヘキシル(iso
−ノニル)が例示され、これらの1種あるいは2種以上
が使用される。
【0023】また、電子供与性化合物(c)として、下
記一般式(6);
【0024】
【化1】
【0025】(式中、R7は炭素数1〜8のアルキル基
又はハロゲン原子を示し、R8およびR 9は炭素数1〜1
2のアルキル基を示し、R8とR9は同一であっても異な
ってもよく、また、置換基R7の数nは1又は2であ
り、nが2のとき、R7は同一であっても異なってもよ
い。)で表わされるフタル酸ジエステル誘導体を用いる
ことも好ましい。
【0026】上記一般式(6)において、R7 の炭素
数1〜8のアルキル基は、具体的にはメチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペ
ンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキ
シル基、2,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチル
ペンチル基、イソオクチル基、2,2−ジメチルヘキシ
ル基であり、R7のハロゲン原子はフッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子である。R7は好ましくはメ
チル基、臭素原子又はフッ素原子であり、より好ましく
はメチル基または臭素原子である。
【0027】上記一般式(6)において、R8 および
9 はメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプ
ロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル
基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル
基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、2,2−ジメチ
ルブチル基、2,2−ジメチルペンチル基、またはイソ
オクチル基、2,2−ジメチルヘキシル基、n−ノニル
基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル基、n−
ドデシル基である。この中でもエチル基、n−ブチル
基、イソブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、イ
ソヘキシル基、イソオクチル基が好ましく、エチル基、
n−ブチル基、ネオペンチル基が特に好ましい。
【0028】また、置換基R7 の数nは1又は2であ
り、nが2のとき、R7 は同一でもあっても異なって
もよい。nが1の場合、R7 は上記一般式(1)のフ
タル酸エステル誘導体のベンゼン環の3位、4位又は5
位の位置の水素原子と置換し、nが2の場合、R7
ベンゼン環の4位および5位の位置の水素原子と置換す
ると好ましい。
【0029】上記一般式(6)で表されるフタル酸ジエ
ステル誘導体としては、4−メチルフタル酸ジエチル、
4−メチルフタル酸ジ−n−ブチル、4−メチルフタル
酸ジイソブチル、4−ブロモフタル酸ジネオペンチル、
4−ブロモフタル酸ジエチル、4−ブロモフタル酸ジ−
n−ブチル、4−ブロモフタル酸ジイソブチル、4−メ
チルフタル酸ジネオペンチル、4,5−ジメチルフタル
酸ジネオペンチル、4−メチルフタル酸ジネオペンチ
ル、4−エチルフタル酸ジネオペンチル、4−メチルフ
タル酸−t−ブチルネオペンチル、4−エチルフタル酸
−t−ブチルネオペンチル、4,5−ジメチルフタル酸
ジネオペンチル、4,5−ジエチルフタル酸ジネオペン
チル、4,5−ジメチルフタル酸−t−ブチルネオペン
チル、4,5−ジエチルフタル酸−t−ブチルネオペン
チル、3−フルオロフタル酸ジネオペンチル、3−クロ
ロフタル酸ジネオペンチル、4−クロロフタル酸ジネオ
ペンチル、4−ブロモフタル酸ジネオペンチルが挙げら
れる。
【0030】なお、上記のエステル類は、2種以上組み
合わせて用いることも好ましく、その際用いられるエス
テルのアルキル基の炭素数合計が他のエステルのそれと
比べ、その差が4以上になるように該エステル類を組み
合わせることが望ましい。
【0031】本発明においては、上記成分(a)、
(b)および(c)を、芳香族炭化水素(d)(以下単
に「成分(d)」ということがある。)中で接触させる
ことによって成分(A)を調製する方法が調製方法の好
ましい態様であるが、この成分(d)としては具体的に
はトルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの沸点が5
0〜150℃の芳香族炭化水素が好ましく用いられる。
また、これらは単独で用いても、2種以上混合して使用
してもよい。
【0032】本発明における固体触媒成分(A)の調製
においては、上記成分(a)〜(c)、または成分
(d)の他、更に、ポリシロキサン(以下単に「成分
(e)」ということがある。)を使用することが好まし
く、ポリシロキサンを用いることにより生成ポリマーの
立体規則性あるいは結晶性を向上させることができ、さ
らには生成ポリマーの微粉を低減することが可能とな
る。ポリシロキサンは、主鎖にシロキサン結合(−Si
−O−結合)を有する重合体であるが、シリコーンオイ
ルとも総称され、25℃における粘度が2〜10000
センチストークス、より好ましくは3〜500センチス
トークスを有する、常温で液状あるいは粘稠状の鎖状、
部分水素化、環状あるいは変性ポリシロキサンである。
【0033】鎖状ポリシロキサンとしては、ジメチルポ
リシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンが、部分
水素化ポリシロキサンとしては、水素化率10〜80%
のメチルハイドロジェンポリシロキサンが、環状ポリシ
ロキサンとしては、ヘキサメチルシクロトリシロキサ
ン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチル
シクロペンタシロキサン、2,4,6−トリメチルシク
ロトリシロキサン、2,4,6,8−テトラメチルシク
ロテトラシロキサンが、また変性ポリシロキサンとして
は、高級脂肪酸基置換ジメチルシロキサン、エポキシ基
置換ジメチルシロキサン、ポリオキシアルキレン基置換
ジメチルシロキサンが例示される。これらの中で、デカ
メチルシクロペンタシロキサン、及びジメチルポリシロ
キサンが好ましく、デカメチルシクロペンタシロキサン
が特に好ましい。
【0034】以下に、本発明の成分(A)の調製方法に
ついて述べる。具体的には、ジアルコキシマグネシウム
(a)を、アルコール、ハロゲン化炭化水素溶媒、4価
のチタンハロゲン化合物(b)または芳香族炭化水素
(d)に懸濁させ、フタル酸ジエステルなどの電子供与
性化合物(c)及び/または4価のチタンハロゲン化合
物(b)を接触して固体成分を得る方法が挙げられる。
該方法において、球状のマグネシウム化合物を用いるこ
とにより、球状でかつ粒度分布のシャープな固体触媒成
分を得ることができ、また球状のマグネシウム化合物を
用いなくとも、例えば噴霧装置を用いて溶液あるいは懸
濁液を噴霧・乾燥させる、いわゆるスプレードライ法に
より粒子を形成させることにより、同様に球状でかつ粒
度分布のシャープな固体触媒成分を得ることができる。
【0035】各成分の接触は、不活性ガス雰囲気下、水
分等を除去した状況下で、撹拌機を具備した容器中で、
撹拌しながら行われる。接触温度は、各成分の接触時の
温度であり、反応させる温度と同じ温度でも異なる温度
でもよい。接触温度は、単に接触させて撹拌混合する場
合や、分散あるいは懸濁させて変性処理する場合には、
室温付近の比較的低温域であっても差し支えないが、接
触後に反応させて生成物を得る場合には、40〜130
℃の温度域が好ましい。反応時の温度が40℃未満の場
合は充分に反応が進行せず、結果として調製された固体
成分の性能が不充分となり、130℃を超えると使用し
た溶媒の蒸発が顕著になるなどして、反応の制御が困難
になる。なお、反応時間は1分以上、好ましくは10分
以上、より好ましくは30分以上である。
【0036】本発明の好ましい固体触媒成分(A)の調
製方法としては、成分(a)を成分(d)に懸濁させ、
次いで成分(b)を接触させた後に成分(c)を接触さ
せ、反応させることにより固体触媒成分(A)を調製す
る方法、あるいは、成分(a)を成分(d)に懸濁さ
せ、次いで成分(c)を接触させた後に成分(b)を接
触させ、反応させることにより固体触媒成分(A)を調
製する方法を挙げることができる。成分(e)を固体触
媒成分(A)の調製に用いる場合、成分(a)を成分
(d)に懸濁させて、得られた懸濁液に、成分(b)及
び成分(c)を任意の順序で接触させた後、成分(e)
を接触させて、反応させることにより固体触媒成分
(A)を調製する方法が好ましい。
【0037】以下に、本発明の固体触媒成分(A)を調
製する際の好ましい接触順序をより具体的に例示する。 (1)(a)→(d)→(b)→(c)→《中間洗浄→
(d)→(b)》→最終洗浄→固体触媒成分(A) (2)(a)→(d)→(c)→(b)→《中間洗浄→
(d)→(b)》→最終洗浄→固体触媒成分(A) (3)(a)→(d)→(b)→(c)→《中間洗浄→
(d)→(b)→(c)》→最終洗浄→固体触媒成分
(A) (4)(a)→(d)→(b)→(c)→《中間洗浄→
(d)→(c)→(b)》→最終洗浄→固体触媒成分
(A) (5)(a)→(d)→(c)→(b)→《中間洗浄→
(d)→(b)→(c)》→最終洗浄→固体触媒成分
(A) (6)(a)→(d)→(c)→(b)→《中間洗浄→
(d)→(c)→(b)》→最終洗浄→固体触媒成分
(A) (7)(a)→(d)→(b)→(c)→(e)→《中
間洗浄→(d)→(b)》→最終洗浄→固体触媒成分
(A) (8)(a)→(d)→(c)→(b)→(e)→《中
間洗浄→(d)→(b)》→最終洗浄→固体触媒成分
(A)
【0038】なお、上記の各接触方法において、二重か
っこ(《 》)内の工程については、必要に応じ、複数
回繰り返し行なうことで一層活性が向上する。かつ
《 》内の工程で用いる成分(b)あるいは成分(d)
は、新たに加えたものでも、前工程の残留分のものでも
よい。また、上記(1)〜(8)で示した洗浄工程以外
でも、各接触段階で得られる生成物を、常温で液体の炭
化水素化合物で洗浄することもできる。
【0039】以上を踏まえ、本願における固体触媒成分
(A)の特に好ましい調製方法としては、ジアルコキシ
マグネシウム(a)を沸点50〜150℃の芳香族炭化
水素(d)に懸濁させ、次いでこの懸濁液に4価のチタ
ンハロゲン化合物(b)を接触させた後、反応処理を行
う。この際、該懸濁液に4価のチタンハロゲン化合物
(b)を接触させる前又は接触した後に、フタル酸ジエ
ステルなどの電子供与性化合物(c)の1種あるいは2
種以上を、−20〜130℃で接触させ、さらに電子供
与性化合物(c)を接触させた後に、必要に応じて、直
鎖状あるいは環状ポリシロキサン(e)を20〜130
℃で接触させ、反応処理を行い、固体反応生成物(1)
を得る。この際、電子供与性化合物の1種あるいは2種
以上を接触させる前または後に、低温で熟成反応を行な
うことが望ましい。この固体反応生成物(1)を常温で
液体の炭化水素化合物で洗浄(中間洗浄)した後、再度
4価のチタンハロゲン化合物(b)を、芳香族炭化水素
化合物の存在下に、−20〜100℃で接触させ、反応
処理を行い、固体反応生成物(2)を得る。なお必要に
応じ、中間洗浄及び反応処理を更に複数回繰り返しても
よい。次いで固体反応生成物(2)を、常温で液体の炭
化水素化合物で洗浄(最終洗浄)し、固体触媒成分
(A)を得る。
【0040】上記の処理あるいは洗浄の好ましい条件は
以下の通りである。 ・低温熟成反応:−20〜70℃、好ましくは−10〜
60℃、より好ましくは0〜30℃で、1分〜6時間、
好ましくは5分〜4時間、特に好ましくは10分〜3時
間。 ・反応処理:40〜130℃、好ましくは70〜120
℃、特に好ましくは80〜115℃で、0.5〜6時
間、好ましくは0.5〜5時間、特に好ましくは1〜4
時間。 ・洗浄:0〜110℃、好ましくは30〜100℃、特
に好ましくは30〜90℃で、1〜20回、好ましくは
1〜15回、特に好ましくは1〜10回。なお、洗浄の
際に用いる炭化水素化合物は、常温で液体の芳香族ある
いは飽和炭化水素が好ましく、具体的には、芳香族炭化
水素としてトルエン、キシレン、エチルベンゼンなど、
飽和炭化水素としてヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサ
ンなどが挙げられる。好ましくは、中間洗浄では芳香族
炭化水素を、最終洗浄では飽和炭化水素を用いることが
望ましい。
【0041】固体触媒成分(A)を調製する際の各成分
の使用量比は、調製法により異なるため一概には規定で
きないが、例えばマグネシウム化合物(a)1モル当た
り、4価のチタンハロゲン化合物(b)が0.5〜10
0モル、好ましくは0.5〜50モル、より好ましくは
1〜10モルであり、電子供与性化合物(c)が0.0
1〜10モル、好ましくは0.01〜1モル、より好ま
しくは0.02〜0.6モルであり、芳香族炭化水素
(d)が0.001〜500モル、好ましくは0.00
1〜100モル、より好ましくは0.005〜10モル
であり、ポリシロキサン(e)が0.01〜100g、
好ましくは0.05〜80g、より好ましくは1〜50
gである。
【0042】また本発明における固体触媒成分(A)中
のチタン、マグネシウム、ハロゲン原子、電子供与性化
合物の含有量は特に規定されないが、好ましくは、チタ
ンが1.0〜8.0重量%、好ましくは2.0〜8.0
重量%、より好ましくは3.0〜8.0重量%、マグネ
シウムが10〜70重量%、より好ましくは10〜50
重量%、特に好ましくは15〜40重量%、更に好まし
くは15〜25重量%、ハロゲン原子が20〜85重量
%、より好ましくは30〜85重量%、特に好ましくは
40〜80重量%、更に好ましくは45〜75重量%、
また電子供与性化合物が合計0.5〜30重量%、より
好ましくは合計1〜25重量%、特に好ましくは合計2
〜20重量%である。
【0043】本発明のオレフィン類重合用触媒を形成す
る際に用いられる有機アルミニウム化合物(B)(以下
単に「成分(B)」ということがある。)としては、上
記一般式(1)で表される化合物であれば、特に制限さ
れないが、R1としては、エチル基、イソブチル基が好
ましく、Qとしては、水素原子、塩素原子、臭素原子が
好ましく、pは、2又は3が好ましく、3が特に好まし
い。このような有機アルミニウム化合物(B)の具体例
としては、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニ
ウムクロライド、トリイソブチルアルミニウム、ジエチ
ルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムハイ
ドライドが挙げられ、1種あるいは2種以上が使用でき
る。好ましくは、トリエチルアルミニウム、トリイソブ
チルアルミニウムである。
【0044】本発明のオレフィン類重合用触媒を形成す
る際に用いられる有機ケイ素化合物(C)(以下単に
「成分(C)」ということがある。)としては、上記一
般式(2)で表される化合物(C1)及び上記一般式
(3)で表される化合物(C2)から選ばれる少なくと
も1種が用いられる。
【0045】上記一般式(2)で表される有機ケイ素化
合物(C1)はケイ素原子に直接ハロゲン原子が結合し
たハロゲン化有機ケイ素化合物である。また上記一般式
(2)において、R2としては、メチル基、エチル基、
n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−
ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペン
チル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチ
ル基、イソオクチル基、シクロヘキシル基、シクロペン
チル基を挙げることができ、これらの基のうち、メチル
基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、
シクロペンチル基が好ましく、メチル基が特に好まし
い。また、R3としては、炭素数1〜4のアルキル基が
好ましく、メチル基、エチル基が特に好ましく、X
1は、塩素原子、臭素原子が好ましく、塩素原子が特に
好ましい。さらに、lは、0又は1が好ましく、0が特
に好ましい。mは、1又は2が好ましい。このような有
機ケイ素化合物としては、トリアルコキシクロルシラ
ン、トリアルコキシブロムシラン、ジアルコキシジクロ
ルシラン、ジアルコキシジブロムシラン、アルキルジア
ルコキシクロルシラン、アルキルジアルコキシブロムシ
ラン、シクロアルキルジアルコキシクロルシラン、及び
シクロアルキルジアルコキシブロムシランが好ましく、
トリアルコキシクロルシラン、ジアルコキシジクロルシ
ラン、アルキルジアルコキシクロルシラン、及びシクロ
アルキルジアルコキシクロルシランが特に好ましい。
【0046】上記一般式(2)で表されるハロゲン含有
有機ケイ素化合物の好ましい化合物を挙げると、トリメ
トキシクロルシラン、トリエトキシクロロシラン、トリ
メトキシブロムシラン、トリエトキシブロムシラン、ジ
メトキシジクロルシラン、ジエトキシジクロルシラン、
ジメトキシジブロムシラン、ジエトキシジブロムシラ
ン、メチルジメトキシクロルシラン、メチルジエトキシ
クロルシラン、メチルジメトキシブロムシラン、メチル
ジエトキシブロムシラン、エチルジメトキシクロルシラ
ン、エチルジエトキシクロルシラン、エチルジメトキシ
ブロムシラン、エチルジエトキシブロムシラン、n−プ
ロピルジメトキシクロルシラン、n−プロピルジエトキ
シクロルシラン、n−プロピルジメトキシブロムシラ
ン、n−プロピルジエトキシブロムシラン、イソプロピ
ルジメトキシクロルシラン、イソプロピルジエトキシク
ロルシラン、イソプロピルジメトキシブロムシラン、イ
ソプロピルジエトキシブロムシラン、n−ブチルジメト
キシクロルシラン、n−ブチルジエトキシクロルシラ
ン、n−ブチルジメトキシブロムシラン、n−ブチルジ
エトキシブロムシラン、イソブチルジメトキシクロルシ
ラン、イソブチルジエトキシクロルシラン、イソブチル
ジメトキシブロムシラン、イソブチルジエトキシブロム
シラン、t−ブチルジメトキシクロルシラン、t−ブチ
ルジエトキシクロルシラン、t−ブチルジメトキシブロ
ムシラン、t−ブチルジエトキシブロムシラン、n−ペ
ンチルジメトキシクロルシラン、n−ペンチルジエトキ
シクロルシラン、n−ペンチルジメトキシブロムシラ
ン、n−ペンチルジエトキシブロムシラン、イソペンチ
ルジメトキシクロルシラン、イソペンチルジエトキシク
ロルシラン、イソペンチルジメトキシブロムシラン、イ
ソペンチルジエトキシブロムシラン、ネオペンチルジメ
トキシクロルシラン、ネオペンチルジエトキシクロルシ
ラン、ネオペンチルジメトキシブロムシラン、ネオペン
チルジエトキシブロムシラン、n−ヘキシルジメトキシ
クロルシラン、n−ヘキシルジエトキシクロルシラン、
n−ヘキシルジメトキシブロムシラン、n−ヘキシルジ
エトキシブロムシラン、n−ヘプチルジメトキシクロル
シラン、n−ヘプチルジエトキシクロルシラン、n−ヘ
プチルジメトキシブロムシラン、n−ヘプチルジエトキ
シブロムシラン、n−オクチルジメトキシクロルシラ
ン、n−オクチルジエトキシクロルシラン、n−オクチ
ルジメトキシブロムシラン、n−オクチルジエトキシブ
ロムシラン、イソオクチルジメトキシクロルシラン、イ
ソオクチルジエトキシクロルシラン、イソオクチルジメ
トキシブロムシラン、イソオクチルジエトキシブロムシ
ラン、シクロヘキシルジメトキシクロルシラン、シクロ
ヘキシルジエトキシクロルシラン、シクロヘキシルジメ
トキシブロムシラン、シクロヘキシルジエトキシブロム
シラン、シクロペンチルジメトキシクロルシラン、シク
ロペンチルジエトキシクロルシラン、シクロペンチルジ
メトキシブロムシラン、シクロペンチルジエトキシブロ
ムシランが挙げられる。これらの化合物のなかでさらに
好ましい化合物としては、トリエトキシクロロシラン、
ジエトキシジクロルシラン、メチルジメトキシクロルシ
ラン、メチルジエトキシクロルシラン、n−ブチルジエ
トキシクロルシラン、t−ブチルジメトキシクロルシラ
ン、t−ブチルジエトキシクロルシラン、シクロヘキシ
ルジメトキシクロルシラン、シクロペンチルジメトキシ
クロルシランを挙げることができ、トリエトキシクロロ
シラン、ジエトキシジクロルシラン、及びメチルジメト
キシクロルシランが特に好ましい。
【0047】上記一般式(3)で表される有機ケイ素化
合物(C2)としては、ハロゲン化アルキルトリアルコ
キシシラン、ジハロゲン化アルキルジアルコキシシラ
ン、トリハロゲン化アルキルアルコキシシランが挙げら
れるが、このうち、ハロゲン化アルキルトリアルコキシ
シラン、及びジハロゲン化アルキルジアルコキシシラン
が好ましく、テトラアルコキシシランおよびハロゲン化
アルキルトリアルコキシシランが特に好ましい。上記一
般式(3)において、R4としては、1又は2の水素原
子がハロゲンで置換された炭素数1〜12の直鎖状また
は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、1又は2の水素原
子がハロゲンで置換された炭素数1〜4のアルキル基が
より好ましく、クロロメチレン基(ClCH2基)、ジ
クロロメチリジン基(Cl2CH基)、ブロモメチレン
基(BrCH2基)、ジブロモメチリジン基(Br2CH
基)、クロロエチリデン基(ClC24基)、ジクロロ
エチリジン基(Cl223)、ブロモエチリデン基
(BrC24基)、及びジブロモエチリジン基(Br2
23基)が特に好ましく、qが2以上である場合に
は、R4が同一であることが好ましい。また、R5として
は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、
及びエチル基が特に好ましい。
【0048】上記一般式(3)の好ましい化合物を挙げ
ると、ClCH2Si(OCH33、ClCH2Si(O
253、Cl2CHSi(OCH33、Cl2CHS
i(OC253、BrCH2Si(OCH33、BrC
2Si(OC253、Br 2CHSi(OCH33
Br2CHSi(OC253、ClC24Si(OCH
33、ClC24Si(OC253、Cl223Si
(OCH33、Cl223Si(OC253、BrC
24Si(OCH33、BrC24Si(OC
253、Br223Si(OCH33、Br223
Si(OC253、(ClCH22Si(OC
32、(ClCH22Si(OC252、(Cl2
H)2Si(OCH32、(Cl2CH)2Si(OC2
52、(BrCH22Si(OCH32、(BrC
22Si(OC252、(Br2CH)2Si(OC
32、(Br2CH)2Si(OC252、(ClC2
42Si(OCH32、(ClC242Si(OC2
52、(Cl2232Si(OCH32、(Cl2
232Si(OC252、(BrC242Si
(OCH32、(BrC242Si(OC252
(Br2232Si(OCH32、(Br 2232
Si(OC252、(ClCH23Si(OCH3)、
(ClCH23Si(OC25)、(Cl2CH)3Si
(OCH3)、(Cl2CH)3Si(OC25)、(B
rCH23Si(OCH3)、(BrCH23Si(O
25)、(Br2CH)3Si(OCH3)、(Br2
H)3Si(OC25)、(ClC243Si(OCH
3)、(ClC243Si(OC25)、(Cl22
33Si(OCH3)、(Cl2233Si(OC2
5)、(BrC243Si(OCH3)、(BrC
243Si(OC25)、(Br2233Si(O
CH3)、(Br2233Si(OC25)であっ
て、この中でもClCH2Si(OCH33、ClCH2
Si(OC253、BrCH2Si(OCH33、Br
CH2Si(OC253、(ClCH22Si(OCH
32、(ClCH 22Si(OC252、(BrC2
42Si(OCH32、(BrC242Si(OC2
52が好ましく用いられ、ClCH2Si(OC253
が特に好ましく用いられる。これらのハロゲン含有有機
ケイ素化合物は、1種単独でまたは2種以上を併用して
用いることができる。
【0049】上記一般式(2)の1種または2種以上
を、上記一般式(3)の化合物を併用することなく、使
用することが好ましい。また、上記一般式(3)の1種
または2種以上を、上記一般式(2)の化合物を併用す
ることなく、使用することが好ましい。
【0050】上記一般式(4)で表される有機ケイ素化
合物(D)(以下、単に成分(D)ということがある)
としては、テトラアルコキシシランが好ましく、具体的
には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、
テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランを挙げ
ることができ、テトラエトキシシランが特に好ましい。
【0051】上記成分(C)あるいは成分(D)の有機
ケイ素化合物の他に、他の有機ケイ素化合物も合わせて
使用することができる。このような有機ケイ素化合物と
しては、例えば、下記一般式(7); R10 s Si(OR11)4-s (7) (式中、R10は炭素数1〜12のアルキル基、シクロア
ルキル基、フェニル基、ビニル基、アリル基、又はアラ
ルキル基を示し、同一または異なっていてもよく、R11
は炭素数1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、フェ
ニル基、ビニル基、アリル基、又はアラルキル基を示
し、同一または異なっていてもよく、sは1≦s≦3の
整数である。)で表される有機ケイ素化合物を挙げるこ
とができ、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジイソ
プロピルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシ
シラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジ−t−ブチ
ルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラ
ン、t−ブチルトリメトキシシラン、ジシクロヘキシル
ジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラ
ン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘ
キシルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルエチル
ジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジエトキシシ
ラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロペ
ンチルジエトキシシラン、シクロペンチルメチルジメト
キシシラン、シクロペンチルメチルジエトキシシラン、
シクロペンチルエチルジエトキシシラン、シクロヘキシ
ルシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルシ
クロペンチルジエトキシシラン、3−メチルシクロヘキ
シルシクロペンチルジメトキシシラン、4−メチルシク
ロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン、及び3,
5−ジメチルシクロヘキシルシクロペンチルジメトキシ
シランが好ましく用いられる。該有機ケイ素化合物は1
種単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができ
る。
【0052】本発明のオレフィン類重合用触媒を形成す
る際に用いられる有機亜鉛化合物(E)(以下単に「成
分(E)」ということがある。)としては、上記一般式
(5)で表される化合物が用いられる。上記一般式
(5)において、R6が炭素数1〜4のアルキル基であ
ると好ましく、R6がメチル基、エチル基であると特に
好ましい。また、X2としては塩素原子、臭素原子が好
ましくrは2が好ましい。具体的な化合物としてはジメ
チル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジプロピル亜鉛、ジイソプロ
ピル亜鉛、ジブチル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジシク
ロペンチル亜鉛、ジシクロヘキシル亜鉛、ジフェニル亜
鉛、クロロメチル亜鉛、クロロエチル亜鉛、ブロモメチ
ル亜鉛、ブロモエチル亜鉛等を挙げることができ、これ
らの中でもジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛が好ましく用い
られ、ジエチル亜鉛が特に好ましく用いられる。
【0053】本発明のオレフィン類重合用触媒の存在下
にオレフィン類の重合もしくは共重合を行う。オレフィ
ン類としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1
−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロ
ヘキサン等であり、これらのオレフィン類は1種あるい
は2種以上併用することができる。とりわけ、エチレ
ン、プロピレン及び1−ブテンが好適に用いられる。特
に好ましくはプロピレンである。プロピレンの重合の場
合、他のオレフィン類との共重合を行うこともできる。
共重合されるオレフィン類としては、エチレン、1−ブ
テン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニ
ルシクロヘキサン等であり、これらのオレフィン類は1
種あるいは2種以上併用することができる。とりわけ、
エチレン及び1−ブテンが好適に用いられる。
【0054】各成分の使用量比は、本発明の効果に影響
を及ぼすことのない限り任意であり、特に限定されるも
のではないが、通常成分(B)は成分(A)中のチタン
原子1モル当たり、1〜2000モル、好ましくは50
〜1000モルの範囲で用いられる。成分(C)あるい
は成分(D)は、合計で、(B)成分1モル当たり、
0.002〜10モル、好ましくは0.01〜2モル、
特に好ましくは0.01〜0.5モルの範囲で用いられ
る。成分(E)は成分(A)中のチタン原子1モル当た
り、1〜1000モル、好ましくは10〜800モル、
特に好ましくは50〜500の範囲で用いられる。
【0055】各成分の接触順序は任意であるが、重合系
内にまず有機アルミニウム化合物(B)を装入し、次い
で有機ケイ素化合物(C)あるいは有機ケイ素化合物
(D)及び有機亜鉛化合物(E)を接触させ、更に固体
触媒成分(A)を接触させることが望ましい。あるいは
重合系内にまず有機アルミニウム化合物(B)を装入
し、一方で成分(A)と成分(C)及び成分(D)とを
予め接触させ、接触させた成分(A)、成分(C)ある
いは成分(D)及び成分(E)を重合系内に装入接触さ
せ触媒を形成することを特徴とすることも好ましい態様
である。このように予め成分(A)と成分(C)あるい
は成分(D)及び成分(E)とを接触させて処理するこ
とによって、触媒の対水素活性および生成ポリマーの結
晶性をより向上させることが可能となる。
【0056】本発明における重合方法は、有機溶媒の存
在下でも不存在下でも行うことができ、またプロピレン
等のオレフィン単量体は、気体及び液体のいずれの状態
でも用いることができる。重合温度は200℃以下、好
ましくは100℃以下であり、重合圧力は10MPa以
下、好ましくは5MPa以下である。また、連続重合
法、バッチ式重合法のいずれでも可能である。更に重合
反応を1段で行ってもよいし、2段以上で行ってもよ
い。
【0057】更に、本発明において成分(A)、成分
(B)、成分(C)あるいは成分(D)及び成分(E)
を含有する触媒を用いてオレフィンを重合するにあたり
(本重合ともいう。)、触媒活性、立体規則性及び生成
する重合体の粒子性状等を一層改善させるために、本重
合に先立ち予備重合を行うことが望ましい。予備重合の
際には、本重合と同様のオレフィン類あるいはスチレン
等のモノマーを用いることができる。具体的には、オレ
フィン類の存在下に成分(A)、成分(B)および成分
(C)あるいは成分(D)を接触させ、成分(A)1g
あたり0.1〜100gのポリオレフィンを予備的に重
合させ、さらに成分(B)及び成分(E)を接触させ触
媒を形成する。
【0058】予備重合を行うに際して、各成分及びモノ
マーの接触順序は任意であるが、好ましくは、不活性ガ
ス雰囲気あるいはプロピレンなどの重合を行うガス雰囲
気に設定した予備重合系内にまず成分(B)を装入し、
次いで成分(A)を接触させた後、プロピレン等のオレ
フィン及び/または1種あるいは2種以上の他のオレフ
ィン類を接触させる。
【0059】本発明のオレフィン類重合用触媒の存在下
で、オレフィン類の重合を行った場合、従来の触媒を使
用した場合に較べ、同じ水素量で生成ポリマーのメルト
フローレイト(MI)が向上しており、更に触媒活性及
び生成ポリマーの立体規則性も従来の触媒と同等の性能
を示す。すなわち、本発明の触媒をオレフィン類の重合
に用いると、活性及びポリマーの結晶性を高度に維持し
つつ、対水素活性が改善されるという作用が確認され
た。
【0060】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限
するものではない。
【0061】実施例1 〈固体触媒成分の調製〉撹拌機を具備し、窒素ガスで充
分に置換された、容量2000mlの丸底フラスコに、
ジエトキシマグネシウム150g及びトルエン750m
lを装入し、懸濁状態とした。次いで、該懸濁液を、撹
拌機を具備し、窒素ガスで充分に置換された、容量20
00mlの丸底フラスコに予め装入されたトルエン45
0ml及びチタンテトラクロライド300mlの溶液中
に添加した。次いで、該懸濁液を5℃で1時間反応させ
た(低温熟成処理)。その後、フタル酸ジ−n−ブチル
22.5mlを添加して、90℃まで昇温した後、撹拌
しながら2時間反応処理(第1処理)を行った。反応終
了後、生成物を80℃のトルエン1300mlで4回洗
浄(中間洗浄)し、新たにトルエン1200ml及びチ
タンテトラクロライド300mlを加えて、撹拌しなが
ら112℃で2時間の反応処理(第2処理)を行った。
この後、中間洗浄及び第2処理を、更にもう一度繰り返
した。次いで、生成物を40℃のヘプタン1300ml
で7回洗浄し、濾過、乾燥して、粉末状の固体触媒成分
(A)を得た。この固体触媒成分中のチタン含有量を測
定したところ、2.9重量%であった。
【0062】<重合用触媒の形成及び重合>窒素ガスで
十分に乾燥し、次いでプロピレンガスで置換された内容
積1800mlの攪拌装置付きステンレス製オートクレー
ブに、n−ヘプタン700mlを装入し、プロピレンガス
雰囲気下に保ちつつ、トリエチルアルミニウム2.1mm
ol、トリエトキシクロルシラン0.21mmol、ジエチル
亜鉛2.1mmol及び前記固体触媒成分をTiとして0.0
053mmol装入し、重合用触媒を形成した。次いで、
0.2MPaのプロピレン圧をかけ、攪拌を保ちながら2
0℃で30分間予備的な重合を行った。その後、150
mlの水素を装入し、系内のプロピレン圧を0.7MPa と
して70℃で2時間重合を継続した。なお、重合が進行
するにつれて低下する圧力は、プロピレンのみを連続的
に供給することにより補い、重合中一定の圧力に保持し
た。上記重合方法に従い、プロピレンの重合を行い、生
成された重合体をろ別し、減圧乾燥して固体重合体を得
た。一方、ろ液を凝縮して重合溶媒に溶存する重合体を
得、その量を(M) とし、固体重合体の量を(N) とす
る。また、得られた固体重合体を沸騰n−ヘプタンで6
時間抽出し、n−ヘプタンに不溶解の重合体を得、この
量を(P) とする。固体触媒成分当たりの重合活性(Y)を
下記式で表す。 (Y)=[ (M) +(N)](g)/固体触媒成分量(g) また、n−ヘプタンに不溶な全ポリマー(HI)を下記式で
表わす。 (HI)=[ (P) (g)/ [(M)+(N) ] (g) ] ×100 なお、キシレン溶解成分(XS)は以下の方法で測定し
た。 キシレン溶解成分の測定方法:4.0g のポリマーを2
00mlのパラキシレンに装入し、沸点下(138℃)で
2時間かけてポリマーを溶解した。その後23℃まで冷
却し、溶解成分と不溶解成分とをろ過分別した。その溶
解成分を加熱乾燥し、得られたポリマーをキシレン溶解
成分(XS)とした(重量%)。さらに、生成固体重合
体のメルトフローレート(MFR) 、嵩比重(BD)を測定した
ところ、表1に示すような結果が得られた。
【0063】実施例2 トリエトキシクロルシランの代わりにジエトキシジクロ
ルシランを用いた以外は実施例1と同様に実験を行っ
た。得られた結果を表1に示す。
【0064】実施例3 トリエトキシクロルシランの代わりにClCH2Si
(OC253を用いた以外は実施例1と同様に実験を
行った。得られた結果を表1に示す。
【0065】実施例4 トリエトキシクロルシランの代わりにテトラエトキシシ
ランを用いた以外は実施例1と同様に実験を行った。得
られた結果を表1に示す。
【0066】実施例5 〈固体触媒成分の調製〉撹拌機を具備し、窒素ガスで充
分に置換された、容量2000mlの丸底フラスコに、
ジエトキシマグネシウム150g及びトルエン750m
lを装入し、懸濁状態とした。次いで、該懸濁液を、撹
拌機を具備し、窒素ガスで充分に置換された、容量20
00mlの丸底フラスコに予め装入されたトルエン45
0ml及びチタンテトラクロライド300mlの溶液中
に添加した。次いで、該懸濁液を5℃で1時間反応させ
た(低温熟成処理)。その後、フタル酸ジ−n−ブチル
22.5mlを添加して、100℃まで昇温した後、環
状ポリシロキサン(デカメチルシクロペンタシロキサ
ン、東芝シリコン製TFS−405)30mlを添加
し、さらに105℃に昇温して、撹拌しながら2時間反
応処理(第1処理)を行った。反応終了後、生成物を8
0℃のトルエン1300mlで4回洗浄(中間洗浄)
し、新たにトルエン1200ml及びチタンテトラクロ
ライド300mlを加えて、撹拌しながら112℃で2
時間の反応処理(第2処理)を行った。この後、中間洗
浄及び第2処理を、更にもう一度繰り返した。次いで、
生成物を40℃のヘプタン1300mlで7回洗浄し、
濾過、乾燥して、粉末状の固体触媒成分(A)を得た。
この固体触媒成分中のチタン含有量を測定したところ、
3.1重量%であった。
【0067】<重合用触媒の形成及び重合>上記のよう
にして得られた固体触媒成分を用いた以外は実施例2と
同様に実験を行った。得られた結果を表1に示す。
【0068】実施例6 ジエトキシジクロルシランの代わりにテトラエトキシシ
ランを用いた以外は実施例1と同様に実験を行った。得
られた結果を表1に示す。
【0069】比較例1 ジエチル亜鉛を用いなかった以外は実施例1と同様に実
験を行った。得られた結果を表1に示す。
【0070】比較例2 ジエチル亜鉛を用いなかった以外は実施例2と同様に実
験を行った。得られた結果を表1に示す。
【0071】比較例3 ジエチル亜鉛を用いなかった以外は実施例3と同様に実
験を行った。得られた結果を表1に示す。
【0072】比較例4 ジエチル亜鉛を用いなかった以外は実施例4と同様に実
験を行った。得られた結果を表1に示す。
【0073】比較例5 ジエチル亜鉛を用いなかった以外は実施例6と同様に実
験を行った。得られた結果を表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】以上の結果から、重合時に有機ケイ素化合
物及びジエチル亜鉛を用いると、従来の触媒と同等の活
性を有するとともに、対水素活性が飛躍的に向上してポ
リマーのメルトフローレイトが向上することがわかる。
また通常ポリマーのメルトフローレイトが向上するとポ
リマーの立体規則性あるいは結晶性の指標であるキシレ
ン溶解成分(XS)は向上する。しかしながら、上記実
施例および比較例より、本発明の触媒は、メルトフロー
レイトが同等の場合あるいはより高い場合であっても、
キシレン溶解成分(XS)が少なく、高メルトフローレ
イト領域においてもポリマーの結晶性が高度に維持され
るか、あるいは向上することがわかる。
【0076】また、従来ジエチル亜鉛のような有機亜鉛
化合物を重合時の触媒成分として用いると、生成したポ
リマーに刺激臭が生じたり、さらにポリマーが灰色ある
いは黒色に着色してしまうため、有機亜鉛化合物は触媒
成分として工業的には用いられていなかった。しかしな
がら本発明の触媒を用いた上記実施例で得られたポリマ
ーには臭いがまったくなく、さらに着色もないため、本
発明のオレフィン類重合用触媒は工業的に適用し得る。
【0077】
【発明の効果】本発明の触媒は良好な対水素活性を有
し、且つ従来と同等の活性を示す。本発明の重合触媒を
用いてオレフィン類を重合することにより、高メルトフ
ローレイトでかつ、結晶性が高度に維持されたオレフィ
ン重合体を得ることができる。これにより、設備改善や
使用水素量増加などによるコストの増加、あるいは生産
性低下などの問題を解決し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の触媒成分及び重合触媒を調製する工程
を示すフローチャート図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)マグネシウム化合物
    (a)、4価のチタンハロゲン化合物(b)および電子
    供与性化合物(c)を接触させることにより調製される
    固体触媒成分、(B)下記一般式(1); R1 pAlQ3-p (1) (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Qは
    水素原子あるいはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3
    の実数である。)で表される有機アルミニウム化合物、
    (C)下記成分(C1)及び下記成分(C2)から選択さ
    れる1種または2種以上のハロゲン含有有機ケイ素化合
    物;(C1)下記一般式(2); R2 lSi( OR3)4-l-m1 m (2) (式中、R2は炭素数1〜12のアルキル基、シクロア
    ルキル基、フェニル基、ビニル基、アリル基、アラルキ
    ル基のいずれかで、同一または異なっていてもよく、R
    3は炭素数1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、フ
    ェニル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基を示し、
    同一または異なっていてもよく、X1は塩素原子、臭素
    原子、ヨウ素原子から選ばれるハロゲン原子を示し、l
    は0または1〜2の整数、mは1〜3の整数であり、1
    ≦l+m≦3である。)で表されるハロゲン含有有機ケ
    イ素化合物、(C2)下記一般式(3); R4 qSi(OR5)4-q (3) (式中、R4は炭素数1〜12の直鎖状あるいは分岐鎖
    状のアルキル基の1〜3つの水素原子がハロゲン原子に
    置換したものであって、同一または異なっていてもよ
    く、R5は炭素数1〜4のアルキル基、シクロアルキル
    基、フェニル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基を
    示し、同一または異なっていてもよく、qは1≦q≦3
    の整数である。)で表されるハロゲン含有有機ケイ素化
    合物、および(E)下記一般式(5); R6 r Zn X2 2-r (5) (式中、R6は炭素数1〜12のアルキル基、シクロア
    ルキル基、フェニル基のいずれかで、同一または異なっ
    ていてもよく、X2は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子
    から選ばれるハロゲン原子を示し、rは1または2であ
    る。)で表される有機亜鉛化合物、から形成されること
    を特徴とするオレフィン類重合用触媒。
  2. 【請求項2】(A)マグネシウム化合物(a)、4価の
    チタンハロゲン化合物(b)、およびフタル酸ジエステ
    ルを接触させることにより調製される固体触媒成分、
    (B)下記一般式(1); R1 pAlQ3-p (1) (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Qは
    水素原子あるいはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3
    の実数である。)で表される有機アルミニウム化合物、
    (D)下記一般式(4); Si(OR5)4 (4) (式中、R5は前記と同義である。)で表される有機ケ
    イ素化合物の1種又は2種以上、および(E)下記一般
    式(5); R6 r Zn X2 2-r (5) (式中、R6は炭素数1〜12のアルキル基、シクロア
    ルキル基、フェニル基のいずれかで、同一または異なっ
    ていてもよく、X2は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子
    から選ばれるハロゲン原子を示し、rは1または2であ
    る。)で表される有機亜鉛化合物、から形成されること
    を特徴とするオレフィン類重合用触媒。
  3. 【請求項3】 前記固体触媒成分(A)がジアルコキ
    シマグネシウム、四塩化チタン、フタル酸ジエステルお
    よび芳香族炭化水素を接触させることにより調製される
    固体触媒成分であることを特徴とする請求項1又は2に
    記載のオレフィン類重合用触媒。
  4. 【請求項4】 前記ハロゲン含有有機ケイ素化合物
    (C)が、トリエトキシクロルシラン又はClCH2
    i(OC253であることを特徴とする請求項1に記
    載のオレフィン類重合用触媒。
  5. 【請求項5】 前記有機ケイ素化合物(D)が、テトラ
    エトキシシランであることを特徴とする請求項2に記載
    のオレフィン類重合用触媒。
  6. 【請求項6】 前記有機亜鉛化合物(E)がジエチル亜
    鉛であることを特徴とする請求項1又は2に記載のオレ
    フィン類重合用触媒。
  7. 【請求項7】 (A)マグネシウム化合物(a)、4価
    のチタンハロゲン化合物(b)および電子供与性化合物
    (c)を接触させることにより調製される固体触媒成
    分、(B)下記一般式(1); R1 pAlQ3-p (1) (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Qは
    水素原子あるいはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3
    の実数である。)で表される有機アルミニウム化合物、
    (C)下記成分(C1)及び下記成分(C2)から選択さ
    れる1種または2種以上のハロゲン含有有機ケイ素化合
    物;(C1)下記一般式(2); R2 lSi( OR3)4-l-m1 m (2) (式中、R2は炭素数1〜12のアルキル基、シクロア
    ルキル基、フェニル基、ビニル基、アリル基、アラルキ
    ル基のいずれかで、同一または異なっていてもよく、R
    3は炭素数1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、フ
    ェニル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基を示し、
    同一または異なっていてもよく、X1は塩素原子、臭素
    原子、ヨウ素原子から選ばれるハロゲン原子を示し、l
    は0または1〜2の整数、mは1〜3の整数であり、1
    ≦l+m≦3である。)で表されるハロゲン含有有機ケ
    イ素化合物、(C2)下記一般式(3); R4 qSi(OR5)4-q (3) (式中、R4は炭素数1〜12の直鎖状あるいは分岐鎖
    状のアルキル基の1〜3つの水素原子がハロゲン原子に
    置換したものであって、同一または異なっていてもよ
    く、R5は炭素数1〜4のアルキル基、シクロアルキル
    基、フェニル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基を
    示し、同一または異なっていてもよく、qは1≦q≦3
    の整数である。)で表されるハロゲン含有有機ケイ素化
    合物、および(E)下記一般式(5); R6 r Zn X2 2-r (5) (式中、R6は炭素数1〜12のアルキル基、シクロア
    ルキル基、フェニル基のいずれかで、同一または異なっ
    ていてもよく、X2は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子
    から選ばれるハロゲン原子を示し、rは1または2であ
    る。)で表される有機亜鉛化合物、から形成されるオレ
    フィン類重合用触媒の存在下に、オレフィン類を重合も
    しくは共重合させることを特徴とするオレフィン類の重
    合方法。
  8. 【請求項8】 (A)マグネシウム化合物(a)、4価
    のチタンハロゲン化合物(b)、およびフタル酸ジエス
    テルを接触させることにより調製される固体触媒成分、
    (B)下記一般式(1); R1 pAlQ3-p (1) (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Qは
    水素原子あるいはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3
    の実数である。)で表される有機アルミニウム化合物、
    (D)下記一般式(4); Si(OR5)4 (4) (式中、R5は前記と同義である。)で表される有機ケ
    イ素化合物の1種又は2種以上、および(E)下記一般
    式(5); R6 r Zn X2 2-r (5) (式中、R6は炭素数1〜12のアルキル基、シクロア
    ルキル基、フェニル基のいずれかで、同一または異なっ
    ていてもよく、X2は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子
    から選ばれるハロゲン原子を示し、rは1または2であ
    る。)で表される有機亜鉛化合物、から形成されるオレ
    フィン類重合用触媒の存在下に、オレフィン類を重合も
    しくは共重合させることを特徴とするオレフィン類の重
    合方法。
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