JP2003191615A - インクジェット用被記録材、これを用いた記録物、及び記録物の使用方法 - Google Patents

インクジェット用被記録材、これを用いた記録物、及び記録物の使用方法

Info

Publication number
JP2003191615A
JP2003191615A JP2001394649A JP2001394649A JP2003191615A JP 2003191615 A JP2003191615 A JP 2003191615A JP 2001394649 A JP2001394649 A JP 2001394649A JP 2001394649 A JP2001394649 A JP 2001394649A JP 2003191615 A JP2003191615 A JP 2003191615A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
recording material
layer
recorded
inkjet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001394649A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Miyamoto
憲一 宮本
Kenichi Mori
憲一 森
Chikao Morishige
地加男 森重
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2001394649A priority Critical patent/JP2003191615A/ja
Publication of JP2003191615A publication Critical patent/JP2003191615A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラミ強度及び擦過性に優れたインクジェット
用被記録材、特に顔料インクを用いてインクジェット記
録した場合に、記録像の品位に優れる記録物、及び該記
録物の使用方法を提供する。 【解決手段】 シリコン系界面活性剤を含有し、かつ多
孔質構造を有するインク受容層を基材上に設けたインク
ジェット用被記録材であって、前記シリコン系界面活性
剤は、25℃での動粘度が300mm2/s以下で、か
つ25℃での1質量%水溶液の表面張力が28mN/m
以下であることを特徴とするインクジェット用被記録
材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録における記録特性およびラミ特性が良好であるインク
ジェット用被記録材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピューターの性能向上および
コンピューターの普及とともに、ハードコピー技術が急
速に発達した。ハードコピーの記録方式としては、昇華
転写記録方式、電子写真方式、インクジェット方式等の
方式が知られている。
【0003】中でも、インクジェット方式によるプリン
ターは、カラー化、小型化がしやすいこと、印字騒音が
低いことから、オフィス、ホーム、パーソナルコンピュ
ーター等の端末として、近年急速に普及しつつある。さ
らに、銀塩写真に迫る記録品質の向上、大型化の容易さ
から、大型看板、特に電飾看板等の産業分野への応用が
期待されている。
【0004】インクジェット方式によるプリンターは、
ノズルから被記録紙に向けてインク液滴を高速で噴射す
る方式である。そのため、インクジェット方式による記
録は、ハードの性能だけではなく、インクの性質、イン
クジェット用被記録材の性質、さらにインクとインクジ
ェット用被記録材との相性により大きく左右される。
【0005】インクジェット記録に使用されるインクと
しては、像を形成する着色剤と着色剤を分散又は溶解さ
せるための液媒体(主に、水)を必須成分とし、各種の
分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、比抵抗調整剤、pH
調整剤、防カビ剤、記録剤の溶解又は分散安定化剤等を
必要に応じて添加される。
【0006】着色剤としては、直接染料、反応染料、酸
性染料、塩基性染料、食用色素、分散染料、有機顔料、
無機顔料が使用されている。そのため、インク製造メー
カー及びインクの種類により性質が大きく異なる。ま
た、染料を水に溶解した染料インクは鮮やかな画像が得
られるが、耐候性に劣るという問題がある。顔料を水に
分散した顔料インクは耐候性に優れる。近年、顔料イン
クの特性が向上し、画像の鮮やかさ、目詰まり等の安定
性が改良され、一般的に使用されつつある。
【0007】一方、インクジェット用被記録材として
は、染料インク及び顔料インクに対して記録品質を満足
させるべく、各種のものが提案されている。例えば、
(1)顔料と樹脂を含有した多孔質層を支持体上に設け
たもの(特開昭55−11829号公報、特開昭56−
157号公報、特開昭56−99692号公報、特開昭
56−148582号公報、特開昭56−148583
号公報、特開昭57−107879号公報、特開昭57
−126691号公報、特開昭58−136480号公
報、特開昭60−222281号公報、特開昭62−2
33284号公報、特開平3−56552号公報、特開
平3−24905号公報、特開平2−76775号公
報、特開平4−128091号公報、特開平5−221
115号公報)、(2)水溶性樹脂を支持体上に設けた
もの(特開昭59−45188号公報、特開昭60−5
6587号公報、特開昭60−234879号公報、特
開昭61−172786号公報、特開昭61−1899
85号公報、特開平1−190483号公報、特開平4
−263984号公報、特開平4−201595号公
報、特開昭63−162674号公報)、(3)透明支
持体上に不透明な受理層を設けて画像を記録した面と反
対面から鑑賞するバックプリント方式(特開昭61−9
2885号公報、特開昭61−40181号公報、特開
昭61−135786号公報、特開昭61−14809
1号公報、特開昭61−148092号公報、特開昭6
1−35275号公報、特開昭61−35276号公
報、特開昭61−35986、特開昭61−3598
8、特開昭61−35989号公報、特開昭61−92
886、特開昭61−135787号公報、特開昭61
−135788号公報、特開昭61−49884号公
報、特開昭61−49885号公報、特開昭61−57
378号公報、特開昭61−41587号公報、特開昭
61−41588号公報、特開昭61−41589号公
報、特開昭62−222885号公報、特開昭62−2
22887号公報)、等が提案されている。
【0008】これらの中で、インク受容層がインク吸収
層とインク通過層の2層以上の構成からなるインクジェ
ット用被記録材を、インク付与面と鑑賞面を逆にしたバ
ックプリント方式で使用する記録物は、鑑賞面が基材側
であることから均一な光沢が得られ高画質に見え、か
つ、記録面から光を照射するとコントラストの高い電飾
看板が得られるという特徴がある。
【0009】しかしながら、上記のバックプリント方式
で使用するインクジェット用被記録材は全てのインクに
対して良好な記録が得られるわけではない。特に、顔料
インクを用いた場合には、インク通過層にインク中の顔
料が吸着されるため、反射濃度の低い記録になるという
問題がある。さらに、インク通過層はインクを通過させ
るために多孔質構造とすることが必須であり、擦過性等
の表面強度が弱く施工時に傷が入る等の実用上の欠点が
ある。表面強度を強くするためには粒子の比率を下げる
方法が考えられるが、その場合にはインク通過性が不良
となりニジミ等の問題が発生する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の従来の問題点に鑑み、ラミ強度及び擦過性に優れたイ
ンクジェット用被記録材、特に顔料インクを用いてイン
クジェット記録した場合に、記録像の品位に優れる記録
物、及び該記録物の使用方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
状況に鑑みなされたものであって、上記の課題を解決す
ることができたインクジェット用被記録材、これを用い
た記録物、及び記録物の使用方法とは、以下の通りであ
る。
【0012】すなわち、本願発明のインクジェット用被
記録材は、シリコン系界面活性剤を含有し、かつ多孔質
構造を有するインク受容層を基材上に設けたインクジェ
ット用被記録材であって、前記シリコン系界面活性剤
は、25℃での動粘度が300mm2/s以下で、かつ
25℃での1質量%水溶液の表面張力が28mN/m以
下であることを特徴とする。
【0013】また、本発明の記録物は、インクジェット
用被記録材のインク受容層面に、顔料インクを用いてイ
ンクジェット方式で記録することを特徴とする。
【0014】また、本発明の記録物の使用方法は、前記
記録物をインク受容層の反対側の基材面から鑑賞する、
バックプリント方式で使用することを特徴とする。
【0015】さらに、本発明の記録物の使用方法は、前
記記録物をインク受容層側から光を照射して電飾看板に
使用することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において、基材は特に限定されるものではない
が、例えばポリエステルフィルム、ポリスチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ナイロン、ポリカーボネ
ート、ノルボルネン、ビニロン、アクリル等のプラステ
ィックフィルム又はシート、ガラス、および前記基材を
2種類以上貼り合わせたものが挙げられる。
【0017】これらの基材の中でも、耐熱性及びコスト
の面、ポリエステル系フィルムが好ましい。より好まし
くは、ポリエチレンテレフタレートフィルムである。好
ましい基材の透明度は、透過の光学濃度で0.1以下で
ある。透過の光学濃度が0.1よりも大きい、すなわ
ち、透明性が低い場合には、記録後に鑑賞面である基材
側から観察すると白ボケた記録物になり好ましくない。
【0018】前記ポリエステルとは、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のごとき芳香族ジ
カルボン酸又はそのエステルと、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、1、4−ブタンジオール、ネオ
ペンチルグリコールのごときグリコールとを重縮合させ
て製造される樹脂である。
【0019】前記ポリエステル樹脂のペレットを真空乾
燥後、押出し機で溶融し、Tダイスよりチルロール上に
静電密着させながらシート状に押出し、未延伸フィルム
を得る。次いで、機械的強度等の点から二軸延伸するこ
とが好ましい。延伸方法としては、チューブラ法延伸、
同時二軸延伸、逐次二軸延伸等が挙げられるが、平面
性、寸法安定性、厚みムラ等から逐次二軸延伸が好まし
い。逐次二軸延伸法の具体例としては、長手方向にポリ
エステルのガラス転移温度(Tg)〜(Tg+30℃)
で、2.0〜5.0倍にロール延伸し、引き続き、12
0〜150℃で倍率を1.2〜5.0倍にテンター延伸
する。さらに、延伸後に220℃以上で3〜8%緩和さ
せながら熱固定を行なう方法が挙げられる。
【0020】フィルムには、用途に応じて滑材、着色
材、蛍光増白剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤などを添加することも可能である。
【0021】本発明においては、表層と中心層を積層し
たいわゆる複合フィルムとしてもよい。その方法は特に
限定されるものではない。しかし生産性を考慮すると、
表層と中心層の原料は別々の押出機から押出し、1つの
ダイスに導き未延伸シートを得た後、少なくとも1軸方
向に配向させる、いわゆる共押出法による積層がもっと
も好ましい。
【0022】本発明において、基材の厚みは特に限定さ
れるものではないが、25〜250μmの範囲が好まし
い。基材の厚みが25μm未満の場合にはフィルムの腰
が不十分となり、一方250μmを超える場合にはフィ
ルムの腰が強すぎるため、施工性に問題が発生する。
【0023】本発明において、このような基材上にイン
ク受容層を設けることによりインクジェット用被記録材
が得られるが、基材とインク受容層の間にアンカー層を
設けることが好ましい。アンカー層とは、基材とインク
受容層の密着性を向上させる目的の層である。層を構成
する樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン
樹脂、アクリル系樹脂、メラミン樹種などの化合物、共
重合物及びそれらの混合等が適用可能である。
【0024】アンカー層中には、滑り性の改善、インク
受容層との密着力向上を目的に各種の粒子を添加しても
良い。例えば、シリカ、カオリナイト、タルク、炭酸カ
ルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カー
ボンブラック、酸化亜鉛、酸化チタン、等の無機粒子、
アクリル、ナイロン、スチレン、ポリエステル、ベンゾ
グアナミン・ホルマリン縮合物、等の有機粒子が挙げら
れる。さらに、アンカー層には、必要に応じて、界面活
性剤、帯電防止剤、蛍光染料、蛍光増白剤、紫外線吸収
剤等を添加してもよい。
【0025】また、アンカー層を設ける方法としては、
グラビアコート方式、キスコート方式、ディップ方式、
スプレイコート方式、カーテンコート方式、エアナイフ
コート方式、ブレードコート方式、リバースロールコー
ト方式など通常用いられている方法が適用でき、フィル
ムの製膜工程でアンカー層を設けるインラインコート方
式、あるいは製膜後にアンカー層を設けるオフラインコ
ート方式が適用される。これらの中で、インラインコー
ト方式が、コスト的の点で好ましい。
【0026】本発明において、インク受容層はインク吸
収層とインク通過層の少なくとも2層以上から構成させ
ることが好ましい。インク吸収層とは、インク通過層表
面に付与されたインクがインク通過層中を通過した後に
インクを素早く吸収、定着する機能を所有する層であ
る。インク通過層とは、表面に付与されたインクを吸
収、定着せずに下層のインク吸収層に導く機能を所有す
る層である。
【0027】インク吸収層としてはインクを吸収できる
ものであれば特に限定されないが、顔料インクを用いて
記録する際に、インク中の溶剤のみならず顔料も吸収で
きる粒子と結着剤から主に構成される多孔質構造を有し
ていることが好ましい。
【0028】粒子としては、シリカ、カオリナイト、タ
ルク、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオ
ライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、
酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、二酸化チタン、サチン
ホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシ
ウム、水酸化アルミニウム、加水ハロイサイト、炭酸マ
グネシウム、水酸化マグネシウム、等の無機粒子、アク
リルあるいはメタアクリル系、塩化ビニル系、酢酸ビニ
ル系、ナイロン、スチレン/アクリル系、スチレン/ブ
タジエン系、ポリスチレン/アクリル系、ポリスチレン
/イソプレン系、ポリスチレン/イソプレン系、メチル
メタアクリレート/ブチルメタアクリレート系、メラミ
ン系、ポリカーボネート系、尿素系、エポキシ系、ウレ
タン系、フェノール系、ジアリルフタレート系、ポリエ
ステル系等の樹脂粒子が挙げられるが、インク吸収性に
優れる吸水性ポリマー粒子が好ましい。
【0029】吸水性ポリマー粒子としては、自重の50
〜1000倍程度の吸水性を有する粒子が好適に使用で
きる。吸水性ポリマー粒子の平均粒子径(走査型電子顕
微鏡法)は特に限定は無いが、0.1μm以上10μm
以下が好ましい。さらに好ましくは、0.5μm以上3
μm以下が好ましい。吸水性ポリマー粒子の平均粒子径
が10μmよりも大きすぎる場合にはベタ記録した際
に、インク吸収性にムラが発生したり、記録されたドッ
トの真円性が劣ったり、また、未記録部との境界が不均
一になるという問題が発生する。一方、吸水性ポリマー
粒子の平均粒子径が0.1μmよりも小さすぎる場合に
は、インク中の顔料を吸収することができないため、記
録後に鑑賞面である基材側から観察した際に白ボケた記
録物になり好ましくない。
【0030】吸水性ポリマー粒子の製造方法としては特
に限定はないが、具体例として以下が挙げられる。水溶
性ビニル単量体及び架橋性単量体を含有する水溶液を、
疎水性界面活性剤を含む有機分散液中に乳化させ、次い
でラジカル重合開始剤等を用いて乳化重合させることに
より、吸水性ポリマーの油中水型(W/O型)エマルジ
ョンを製造できる。このエマルジョンを乾燥固化させて
吸水性ポリマー粒子を分離した後にインク吸収層を形成
するコート液に混合させても良いが、W/O型エマルジ
ョンの場合には、エマルジョンのままインク吸収層を形
成するコート液に用いることが好ましい。
【0031】水溶性ビニル単量体としては、カチオン性
吸水ポリマーの場合にはジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ートなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレ
ートの中和塩又は4級化物、ジメチルアミノメチル(メ
タ)アクリルアミド及びジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミドなどのようなジアルキルアミノアル
キル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。アニオ
ン性吸水ポリマーの場合には、(メタ)アクリル酸、2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビ
ニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、イタコン酸、マ
レイン酸、フマール酸、アリールスルホン酸などが挙げ
られる。
【0032】架橋性単量体としては、水溶性ビニル単量
体と共重合可能なものであればよく、例えば、N,N´
−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジビニルベン
ゼン、(メタ)アクリル酸ビニルなどのジビニル化合
物、メチロール(メタ)アクリルアミドなどのビニルメ
チロール化合物、アクロレインなどのビニルアルデヒド
化合物及びメチルアクリルアミドグリコレートメチルエ
ーテルなどが挙げられる。
【0033】吸水ポリマー粒子としては、インクがアル
カリ性の場合にはカチオン系吸水ポリマーを、インクが
酸性の場合にはアニオン系吸水ポリマーを用いるのが吸
収量及び吸水速度の観点から好ましい。
【0034】これらの吸水性ポリマー粒子として、アニ
オン性ではアコジェル−A(三井サイテック株式会社
製)、カチオン性ではアコジェル−C(三井サイテック
株式会社製)が市販されている。
【0035】インク吸収層中には結着剤として各種の樹
脂を混合させることが好ましい。混合方法としては、吸
水性ポリマーを主体とするコート液を塗布して形成した
塗布層上に、結着剤を含有するコート液を塗布するオー
バーコート法、あるいは吸水性ポリマー粒子を主体とす
るコート液に結着剤を混合して塗布乾燥させる方法があ
る。好ましくは製造工程の少ない後者の方法である。
【0036】混合する結着剤としては、各種のものが使
用できるが、具体的には、ポリエステル系樹脂、ポリウ
レタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル系樹
脂、メラミン樹種、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ
ビニルピロリドン、メチルセルロース等の化合物及びそ
れらの混合等が適用可能である。好ましくは、アクリル
系樹脂である。
【0037】また、インク吸収層中に活性水素を有する
化合物を含有させることにより、インク吸収層とインク
通過層の界面で、後述する、インク通過層に含まれる結
着剤を構成するブロック型イソシアネートとの架橋反応
が起こり、両層の密着性を向上させることができる。
【0038】吸水性ポリマー粒子と混合する樹脂の比率
としては、質量比(吸水性ポリマー粒子/樹脂)で99
/1〜25/75が好ましい。より好ましくは95/5
〜40/60である。混合樹脂の比率が99/1よりも
少なすぎると、膜強度の向上が不十分となる。また、混
合樹脂の比率が25/75よりも多すぎる場合には、多
孔質構造を形成することができなくなる。インク吸収層
を多孔質構造にすることにより、顔料を分散した顔料イ
ンクを使用して記録しても顔料がインク吸収層の内部ま
で進入することができ、発色濃度を向上させることがで
きる。
【0039】本発明でいう多孔質構造とは、主に粒子と
結着剤から構成した石垣構造のことであり、内部に空洞
を多数存在し、また空洞が表面から内部にまでつながっ
ている構造のことを意味する。
【0040】インク吸収層には、各種の添加剤をインク
吸収能力及び他の物性を損なわない程度に加えても構わ
ない。例えば、蛍光染料、蛍光増白剤、可塑剤、紫外線
吸収剤、無機顔料、有機顔料、界面活性剤、カチオン性
ポリマー等が挙げられる。
【0041】インク吸収層を設ける方法は特に限定され
ないが、グラビアコート方式、キスコート方式、ディッ
プ方式、スプレイコート方式、カーテンコート方式、エ
アナイフコート方式、ブレードコート方式、リバースロ
ールコート方式、バーコート方式など通常用いられてい
る方法が適用できる。
【0042】コート量は特に限定されないが、下限は1
g/m2が好ましく、特に好ましくは2g/m2である。
上限は50g/m2が好ましく、特に好ましくは10g
/m 2である。コート量が1g/m2よりも少なすぎる場
合には、インク吸水性が不足してニジミ等の問題が発生
する。一方、コート量が50g/m2よりも多すぎる場
合には、不透明となりやすく、鑑賞面から観察した場合
に画像の鮮やかさが低下する。
【0043】本発明のインクジェット用被記録材は、イ
ンク吸収層上に少なくとも1層以上のインク通過層を設
けることが好ましい。インク通過層は主に粒子と結着剤
で構成させ、多孔質構造にすることが好ましい。インク
通過層に含有させる粒子としてはシリカ、オリナイト、
タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸
バリウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化チタン、
有機白色顔料、ベンゾグアナミン粒子、架橋ポリスチレ
ン、架橋アクリル粒子、水酸化アルミニウムなどの粒子
等が挙げられるが、水分を吸着しない有機粒子(非吸水
性粒子)が好ましい。また、インク通過層の厚みを薄く
してもある程度の隠蔽性が得られる、屈折率の高い粒子
が好ましい。
【0044】本発明において、非吸水性粒子とは、自重
の10質量%以上の水を吸収しない粒子のことであり、
水の吸収性は表面付着水程度であり、かつ、実質的に粒
子内部に水分を吸収して膨潤しない粒子を意味する。
【0045】本発明において、上記の粒子を結合する結
着剤は、活性水素を有する化合物とブロック型イソシア
ネートを反応させて得られた樹脂を主に含有することが
好ましい。
【0046】活性水素を有する化合物(以下、活性水素
化合物という。)としては、例えば、公知のポリオール
などが挙げられる。ポリオールとしては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、トリエチレングリコー
ル、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリ
コール、1,6−ヘキシレングリコール、ブタンジオー
ル、ヘキサメチレングリコール、キシリレングリコー
ル、ソルビトール、しょ糖などの多価アルコール、これ
らの多価アルコールあるいはポリアミンにエチレンオキ
サイド又はプロピレンオキサイドを、あるいは両者を付
加重合して得られるポリエーテルポリオール類、ポリカ
ーボネートポリオール類、ポリカプロラクトンポリオー
ル類、さらに上記多価アルコールとたとえばアジピン
酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、セバシン
酸、フマル酸、マレイン酸、アゼライン酸などの多塩基
酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール類、
ポリブタジエンポリオール類、アクリルポリオール類、
ヒマシ油、ポリエーテルポリオール又はポリエステルポ
リオールにビニルモノマーをグラフトして得られるポリ
マーポリオール類、エポキシ変性ポリオール類などが挙
げられる。これらの中で、耐候性等の点でアクリルポリ
オール類、ポリエステルポリオール類が好ましい。
【0047】前記ブロック型イソシアネートは、イソシ
アネート化合物のフリーのイソシアネート基をブロック
剤によってブロック化してなる化合物である。ブロック
剤としては、フェノール、クレゾールなどのフェノール
系ブロック剤、ホルムアルドキシム、アセトアルドキシ
ム、メチルエチルケトキシム、メチルイソブチルケトキ
シム、シクロヘキサノンオキシム、アセトキシム、ジア
セチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシムなどのオ
キシム系ブロック剤、アセトアニリド、ε−カプロラク
タム、γ−ブチロラクタムなどの酸アミド系ブロック
剤、マロン酸ジメチル、アセト酢酸メチルなどの活性メ
チレン系ブロック剤、ブチルメルカプタンなどのメルカ
プタン系ブロック剤、コハン酸イミド、マレイン酸イミ
ドなどのイミド系ブロック剤、イミダゾール、2−メチ
ルイミダゾールなどのイミダゾール系ブロック剤、尿
素、チオ尿素などの尿素系ブロック剤、ヒドラジン、エ
チレン−1,2−ジヒドラジン、プロピレン−1,3−
ジヒドラジン、ブチレン−1,4−ジヒドラジン等のヒ
ドラジン系ブロック剤、N−フェニルカルバミン酸フェ
ニル等のカルバミン酸系ブロック剤、ジフェニルアミ
ン、アニリン等のアミン系ブロック剤、エチレンイミ
ン、ポリエチレンイミンなどのイミン系ブロック剤など
が挙げられる。
【0048】これらの中で、オキシム系、ヒドラジン
系、活性メチレン系ブロック剤等の低温解離タイプのブ
ロック型イソシアネートが好ましい。しかしながら、フ
ェノール系等の高温解離タイプのブロック型イソシアネ
ートを用いた場合には、十分な架橋効果を得るために高
温で長時間を必要とするため、基材の黄変あるいは熱シ
ワ等の問題が発生しやすくなる。
【0049】上記ブロック化する前のイソシアネート化
合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネー
トもしくはトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート
の如き脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレン
ジイソシアネートもしくはイソホロンジイソシアネート
の如き環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソ
シアネートもしくは4,4´−ジフェニルメタンジイソ
シアネートの如き芳香族ジイソシアネート類の如き有機
ジイソシアネートそれ自体、またはこれらの各有機ジイ
ソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル
樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した如き各
有機ジイソシアネート同士の環化重合体、さらにはイソ
シアネート・ビウレット体等が挙げられる。これらの中
でも、黄変等の問題が少ない点から、脂肪族系イソシア
ネート化合物が好ましい。
【0050】ブロック型イソシアネートと活性水素を有
する化合物の比率は、活性水素に対して1〜3倍のNC
O当量であることが好ましい。イソシアネートの量が1
倍当量よりも少なすぎる場合には十分な架橋効果が得ら
れず、逆に3倍当量よりも多すぎる場合にはインク受容
層が脆くなる。
【0051】ブロック型イソシアネートのブロック剤の
解離を促進するには硬化触媒が好適であり、好適な硬化
触媒として、例えば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2
−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2−エチ
ルヘキサノエート)、ジブチル錫ジラウレート、ジブチ
ル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、2−エチル
ヘキサン酸鉛などの有機金属触媒などを挙げることがで
きる。
【0052】非吸水性粒子と結着剤の比率は、質量比
(非吸水性粒子/結着剤)で2/1〜20/1の間であ
ることが好ましい。さらに好ましくは、3/1〜15/
1である。粒子量が2/1よりも少なすぎると、粒子間
の隙間が結着剤で埋まりインクが通過しにくくなる。ま
た、逆に粒子量が20/1よりも多すぎると、インク通
過層の強度が低下してしまう。
【0053】ブロック型イソシアネートと活性水素を有
する化合物とを反応させた樹脂は、結着剤に対し50〜
100質量%含有させることが好ましい。前記樹脂の含
有量が少なすぎると、表面強度を強くするという効果が
十分に得られにくくなる。
【0054】本発明では、インク受容層にシリコン系界
面活性剤を含有させる必要があり、特にインク通過層に
含有させることが好ましい。シリコン系界面活性剤は、
インク通過層を形成するときのレベリング、消泡等の効
果があるが、本発明ではインク通過性の向上剤として機
能する。
【0055】インク通過性を向上するためには、シリコ
ン系界面活性剤の25℃での動粘度が300mm2/s
以下で、かつ25℃での1質量%水溶液の表面張力が2
8mN/m以下であることが必要である。さらに好まし
くは、シリコン系界面活性剤の25℃での動粘度が25
0mm2/s以下である。
【0056】例えば、1質量%水溶液とした際の25℃
での表面張力が28mN/m以下のシリコン系界面活性
剤であっても、25℃での動粘度が300mm2/sを
越えるようなシリコン系界面活性剤を用いた場合、例え
ば顔料インクを用いて被記録材のインク受容層にインク
ジェット方式で記録した際に、インクとの相分離を生
じ、インク通過層の表面に界面活性剤が濃縮するため、
ムラが発生しやすくなる。そのため、記録面から光を照
射せずに非記録面から目視で記録像を観察した際に記録
像の品位が低下する。また、被記録材のインク受容層の
ラミ強度も低下し、ラミネート時に粘着不良となる。さ
らに、擦過性も悪化する。
【0057】さらに、インクの通過性はインクの液物性
の影響も受けるため、使用するインクの液物性に応じ
て、シリコン系界面活性剤の25℃での動粘度及び25
℃での1質量%水溶液の表面張力を前記範囲内で適宜調
整することが好ましい。
【0058】本発明では、インク受容層中にシリコン系
界面活性剤を含有させることが必須であるが、表面張力
が低下する効果を有するものであれば、その他の界面活
性剤を併用しても構わない。例えば、フッ素系界面活性
剤が挙げられる。
【0059】シリコン系界面活性剤としては、アルキレ
ンオキシド変性シロキサン、アルキル・アルキレンオキ
シド変性シロキサンなどが挙げられる。
【0060】フッ素系界面活性剤としては、4フッ化エ
チレン、パーフルオロアルキルアンモニウム塩、パーフ
ルオロアルキルスルホン酸アミド、パーフルオロアルキ
ルスルホン酸ナトリウム、パーフルオロアルキルカリウ
ム塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオ
ロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルエチレ
ンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルア
ンモニウム塩、パーフルオロアルキルアミノスルホン酸
塩、パーフルオロアルキルりん酸エステル、パーフルオ
ロアルキルアルキル化合物、パーフルオロアルキルアル
キルベタイン、パーフルオロアルキルハロゲン化物など
が挙げられる。これらは単独もしくは2種以上を併用し
て使用することができる。
【0061】シリコン系界面活性剤をインク通過層に含
有させる場合、シリコン系界面活性剤は、インク通過層
の固形分に対して1〜20質量%含有させることが好ま
しく、より好ましくは2〜10質量%である。シリコン
系界面活性剤の含有量が少なすぎる場合には、インク通
過性を向上させる効果が不十分となり、逆に含有量が多
すぎる場合にはインク通過層の強度が低下する。
【0062】インク通過層を設ける方法は特に限定され
ないが、グラビアコート方式、キスコート方式、ディッ
プ方式、スプレイコート方式、カーテンコート方式、エ
アナイフコート方式、ブレードコート方式、リバースロ
ールコート方式、バーコート方式など通常用いられてい
る方法が適用できる。
【0063】インク通過層の塗布量は特に限定されない
が、電飾看板として使用する場合には適度な隠蔽性が必
要となるため、得られるインクジェット用インクジェッ
ト用被記録材の透過の光学濃度で0.3〜0.5になる
ように塗工量を調節することが好ましい。透過の光学濃
度が前記範囲の場合には、通常使用される電飾装置で最
適なコントラストのある電飾看板が得られる。透過の光
学濃度が0.3未満の場合には、非記録部の白さは優れ
るが、記録部も薄い画像になり不鮮明な電飾看板にな
る。一方、透過の光学濃度が0.5を超える場合には、
非記録部が黒くなり、全体的に暗い電飾看板となる。
【0064】また、本発明においては、基材の、インク
吸収層を設けた面とは反対側の面に各種の加工を施して
も構わない。例えば、帯電防止処理、粘着加工、隠蔽性
付与層、紫外線吸収層、ハードコート等が挙げられる。
【0065】本発明のインクジェット用被記録材に対し
て使用されるインクは、水を主成分とする水系インクで
あれば使用できる。像を形成する着色剤と着色剤を分散
又は溶解させるための液媒体(主成分が水)であればよ
く、必要に応じて各種の分散剤、界面活性剤、粘度調整
剤、比抵抗調整剤、pH調整剤、防カビ剤、記録剤の溶
解又は分散安定化剤等を添加してもかまわない。
【0066】着色剤としては、直接染料、反応染料、酸
性染料、塩基性染料、食用色素、分散染料、有機顔料、
無機顔料が使用できるが、本発明のインクジェット用被
記録材は顔料を着色剤として用いた顔料インクに対し
て、従来技術のインクジェット用被記録材と比べ特に優
れた記録特性を発現する。
【0067】かくして得られたインクジェット用被記録
材は、顔料インクを用いてインクジェット記録した場合
に優れた記録物が得られ、かつラミ特性の優れたインク
ジェット用被記録材とすることができる。
【0068】
【実施例】次に本発明の実施例および比較例を示す。ま
ず、本発明に用いる測定・評価方法を以下に示す。
【0069】(1)動粘度 25℃において、オストワルド型毛管粘度計を用い、動
粘度既知の基準溶剤との比により求めた。
【0070】(2)表面張力 界面活性剤をイオン交換水で溶解させた1質量%水溶液
について、協和界面科学社製 KYOWA CBVP−
A3を用い、25℃で測定した。
【0071】(3)記録品位1 インクジェットプリンター(ローランド ディージー社
製、FJ−50)と純正の顔料インク(FPG−MG、
FPG−YE、FPG−CY、FPG−BK、FPG−
LC、FPG−LM)を用いて、単方向の条件で写真調
の画像とイラストを720dpiでインクジェット用被
記録材のインク受容層面に記録し、コクヨトレース台上
で記録面から光を照射して非記録面から目視で記録像を
観察し、下記の基準にてランク付けを行った。 ◎:鮮やかで、発色性に非常に優れている ○:鮮やかで、発色性に優れている △:若干発色性が劣るが、問題無いレベルである ×:くすみがある、あるいは発色性が乏しい
【0072】(4)記録品位2 インクジェットプリンター(ローランド ディージー社
製、FJ−50)と純正の顔料インク(FPG−MG、
FPG−YE、FPG−CY、FPG−BK、FPG−
LC、FPG−LM)を用いて、単方向の条件で写真調
の画像とイラストを720dpiでインクジェット用被
記録材のインク受容層面に記録し、コクヨトレース台上
で記録面から光を照射せずに非記録面から目視で記録像
を観察し、下記の基準にてランク付けを行った。 ◎:鮮やかで、発色性に非常に優れている ○:鮮やかで、発色性に優れている △:若干発色性が劣るが、問題無いレベルである ×:くすみがある、あるいは発色性が乏しい
【0073】(5)光学濃度 インク受容層側から光を照射する様にして、マクベス濃
度計TR−927を用いて測定した。
【0074】(6)ラミ強度 ラミネートフィルム(東洋インキ製造社製、S−153
M)をインク受容層に貼り、23℃の環境下で1時間放
置した後に、引張り速度300mm/分で180度方向
に剥離し、ラミ強度(g/25mm)を測定した。
【0075】(7)擦過性 JIS L−0849に記載されている摩擦試験機II形
を用いて、往復10回の摩擦試験(摩擦子の質量:約2
00g、移動距離:100mm、移動速度:毎分30回
往復、摩擦用ガーゼ:日本薬局方タイプIを2枚重ねし
たもの)を行い、下記の基準で目視によりランク付けを
行った。 〇:表面に傷が付かない △:傷は付くが受容層が全て取れない ×:インク受容層が削り取られる
【0076】実施例1 (アンカー層を有する基材)両面に易接着性を有するア
ンカー層を設けた二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋
紡績社製、A4300)を用いた。該フィルムは、厚み
が100μmであり、透過の光学濃度が0.01であっ
た。
【0077】(インク吸収層)下記の組成のコート液を
上記で得られた基材上にマイクログラビア方式で塗工
し、温度180℃、風量15m/secの乾燥炉内を1
分間通過、乾燥させてインク吸収層を形成した。塗布量
は乾燥後で5g/m2であった。
【0078】 ・シクロヘキサン 70質量% ・吸水性ポリマー粒子(1) 12質量% (三井サイテック社製、アコジェル−C、固形分濃度:40質量%) ・吸水性ポリマー粒子(2) 12質量% (三井サイテック社製、アコジェル−A、固形分濃度:40質量%) ・アクリル系粒子 1質量% (日本触媒社製、エポスターMA1006) ・アクリル系樹脂 3質量% (DIC社製、アクリディックA−1300、固形分濃度:60質量%) ・活性水素化合物 2質量% (DIC社製、アクリディックHu−596、固形分濃度:50質量%)
【0079】(インク通過層)下記の組成のコート液
を、上記で形成したインク吸収層上にマイクログラビア
方式で塗工し、温度180℃、風量15m/secの乾
燥炉内を1分間通過、乾燥させてインク通過層を形成
し、インクジェット用被記録材を得た。得られたインク
ジェット用被記録材の透過の光学濃度は0.38であっ
た。
【0080】 ・メチルエチルケトン 35質量% ・シクロヘキサノン 15質量% ・有機粒子 30質量% (日本触媒社製、エポスターMS) ・活性水素化合物 10質量% (DIC社製、アクリディックHu−596、固形分濃度:50質量%) ・活性メチレン系ブロックイソシアネート 5質量% (住友バイエルウレタン社製、デスモジュールBL3475、 固形分濃度:75質量%) ・シリコン系界面活性剤 5質量% (日本ユニカー社製、FZ−2105;動粘度50mm2/s、表面張力2 2.5mN/m)
【0081】実施例2 実施例1において、インク通過層の塗工量を少なくして
インク通過層を設けた後の透過の光学濃度を0.35に
したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット用
被記録材を得た。
【0082】実施例3 実施例1において、インク通過層の塗工量を多くして、
インク通過層を設けた後の透過の光学濃度を0.46に
したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット用
被記録材を得た。
【0083】実施例4 実施例1において、基材とアンカー層を下記のように変
更すること以外は実施例1と同様にしてインクジェット
記録材を得た。 (基材)固有粘度0.62dl/gのポリエチレンテレ
フタレ−ト樹脂を2軸スクリュ−押出機に投入し、T−
ダイスより290℃で溶融押出しし、静電気的に冷却回
転ロ−ルに密着固化させ、重合体混合物の未延伸シ−ト
を得た。引き続き、該未延伸シ−トをロ−ル延伸機で9
0℃に加熱して3.5倍縦延伸を行った後、下記組成の
アンカー層を乾燥後で0.2g/m2になるように塗工
し、110℃、20m/secの乾燥炉で乾燥した。引
き続き、テンタ−で140℃に加熱して3.7倍横延伸
した後、235℃で幅方向に4%緩和させながら熱処理
してフィルムを得た。得られたフィルムは厚みが100
μm、透過の光学濃度が0.06であった。 (アンカー層) ・イオン交換水 50.1質量% ・イソプロピルアルコール 28.9質量% ・ウレタン樹脂 20.0質量% (武田薬品社製、W−635、固形分濃度:35質量%) ・有機粒子 1.0質量% (日本触媒社製、エポスター MA1001) ・界面活性剤 0.1質量% (DIC社製、メガファック F−144D)
【0084】実施例5 インク通過層中のシリコン系界面活性剤として、25℃
での動粘度が120mm2/sで、かつ25℃での1質
量%水溶液の表面張力が25.6mN/mであるシリコ
ン系界面活性剤(日本ユニカー社製、FZ−2118)
に変更したこと以外は実施例1と同様にインクジェット
用被記録材を得た。
【0085】実施例6 インク通過層中のシリコン系界面活性剤として、25℃
での動粘度が170mm2/sで、かつ25℃での1質
量%水溶液の表面張力が23.7mN/mであるシリコ
ン系界面活性剤(GE東芝シリコン社製、TSF444
0)に変更したこと以外は実施例1と同様にインクジェ
ット用被記録材を得た。
【0086】比較例1 インク通過層中のシリコン系界面活性剤として、25℃
での動粘度が2100mm2/sで、かつ25℃での1
質量%水溶液の表面張力が21.3mN/mであるシリ
コン系界面活性剤(日本ユニカー社製、FZ−213
6)に変更したこと以外は実施例1と同様にインクジェ
ット用被記録材を得た。
【0087】比較例2 インク通過層中のシリコン系界面活性剤として、25℃
での動粘度が1000mm2/sで、かつ25℃での1
質量%水溶液の表面張力が28.8mN/mであるシリ
コン系界面活性剤(日本ユニカー社製、FZ−210
4)に変更したこと以外は実施例1と同様にインクジェ
ット用被記録材を得た。
【0088】比較例3 インク通過層中のシリコン系界面活性剤として、25℃
での動粘度が400mm2/sで、かつ水に不溶なシリ
コン系界面活性剤(日本ユニカー社製、FZ―213
0)に変更したこと以外は実施例1と同様にインクジェ
ット用被記録材を得た。
【0089】実施例1〜6及び比較例1〜3について、
評価結果を表1に示す。表1より、以下のことがいえ
る。
【0090】実施例1〜6の被記録材は、ラミ強度及び
擦過性に優れており、インクジェット方式で記録した際
の記録像の品位に優れている。しかしながら、比較例1
〜3の被記録材では、25℃での動粘度が300mm2
/sを越えていたり、及び/または25℃での1質量%
水溶液の表面張力が28mN/mを越えるシリコン系界
面活性剤を用いたために、ラミ強度、擦過性の少なくと
もいずれかが劣っており、インクジェット方式で記録し
た際の記録像の品位も不十分であった。
【0091】
【表1】
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、ラミ強度及び擦過性に
優れたインクジェット用被記録材を得ることができる。
そのため、顔料インクを用いてインクジェット方式で被
記録材のインク受容層面に記録し、記録面から光を照射
せずに非記録面から目視で記録像を観察した場合におい
て、特に記録像の品位に優れた記録物が得られる。前記
記録物は、インク受容層の反対側の基材面から鑑賞す
る、バックプリント方式で使用したり、インク受容層側
から光を照射して電飾看板として使用するのに好適であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森重 地加男 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社フィルム開発研究所堅田フィル ムセンター内 Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06 2H086 BA12 BA13 BA15 BA19 BA31 BA32 BA34 BA41 BA51

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン系界面活性剤を含有し、かつ多
    孔質構造を有するインク受容層を基材上に設けたインク
    ジェット用被記録材であって、前記シリコン系界面活性
    剤は、25℃での動粘度が300mm2/s以下で、か
    つ25℃での1質量%水溶液の表面張力が28mN/m
    以下であることを特徴とするインクジェット用被記録
    材。
  2. 【請求項2】 前記基材が透光性であることを特徴とす
    る請求項1記載のインクジェット用被記録材。
  3. 【請求項3】 前記インク受容層がインク吸収層とイン
    ク通過層の少なくとも2層以上から構成され、インク通
    過層にシリコン系界面活性剤を含有することを特徴とす
    る請求項1または2記載のインクジェット用被記録材。
  4. 【請求項4】 前記インク吸収層が多孔質構造を有し、
    かつ吸水性ポリマー粒子と結着剤を含有することを特徴
    とする請求項3記載のインクジェット用被記録材。
  5. 【請求項5】 前記インク通過層が多孔質構造を有し、
    かつ非吸水性粒子とブロック型イソシアネートと活性水
    素を有する化合物を反応させた樹脂を含有することを特
    徴とする請求項3または4記載のインクジェット用被記
    録材。
  6. 【請求項6】 前記インク吸収層が活性水素を有する化
    合物を含有することを特徴とする請求項3または4記載
    のインクジェット用被記録材。
  7. 【請求項7】 基材とインク受容層の間にポリエステル
    樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂から
    選ばれる少なくとも1種以上の樹脂を含有するアンカー
    層を設けることを特徴とする請求項1、2、3、4、
    5、または6のいずれかに記載のインクジェット用被記
    録材。
  8. 【請求項8】 前記基材がポリエステルを主体とする少
    なくとも1軸以上に延伸されたフィルムであることを特
    徴とする請求項1、2、3、4、5、6、または7のい
    ずれかに記載のインクジェット用被記録材。
  9. 【請求項9】 前記基材の透過の光学濃度が0.1以下
    であり、かつインクジェット用被記録材の透過の光学濃
    度が0.3〜0.5であることを特徴とする請求項1、
    2、3、4、5、6、7、または8のいずれかに記載の
    インクジェット用被記録材。
  10. 【請求項10】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、または9のいずれかに記載のインクジェット用被記
    録材のインク受容層面に、顔料インクを用いてインクジ
    ェット方式で記録することを特徴とする記録物。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の記録物をインク受容
    層の反対側の基材面から鑑賞する、バックプリント方式
    で使用することを特徴とする記録物の使用方法。
  12. 【請求項12】 前記10記載の記録物をインク受容層
    側から光を照射して電飾看板に使用することを特徴とす
    る記録物の使用方法。
JP2001394649A 2001-12-26 2001-12-26 インクジェット用被記録材、これを用いた記録物、及び記録物の使用方法 Pending JP2003191615A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001394649A JP2003191615A (ja) 2001-12-26 2001-12-26 インクジェット用被記録材、これを用いた記録物、及び記録物の使用方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001394649A JP2003191615A (ja) 2001-12-26 2001-12-26 インクジェット用被記録材、これを用いた記録物、及び記録物の使用方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003191615A true JP2003191615A (ja) 2003-07-09

Family

ID=27601332

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001394649A Pending JP2003191615A (ja) 2001-12-26 2001-12-26 インクジェット用被記録材、これを用いた記録物、及び記録物の使用方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003191615A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6605337B1 (en) Recording material
JPH10329413A (ja) 記録シート
JP2003191615A (ja) インクジェット用被記録材、これを用いた記録物、及び記録物の使用方法
JP4006992B2 (ja) 記録材料の製造方法
JP4524690B2 (ja) 記録材料
JP2003191613A (ja) インクジェット用被記録材、これを用いた記録物、及び記録物の使用方法
JP2003191610A (ja) インクジェット用被記録材、これを用いた記録物、及び記録物の使用方法
JP2003191612A (ja) インクジェット用被記録材、これを用いた記録物、及び記録物の使用方法
JP2003191608A (ja) インクジェット用被記録材、これを用いた記録物、及び記録物の使用方法
JP2003191614A (ja) インクジェット用被記録材、これを用いた記録物、及び記録物の使用方法
JP2003191609A (ja) インクジェット用被記録材、これを用いた記録物、及び記録物の使用方法
JP2003191611A (ja) インクジェット用被記録材、これを用いた記録物、及び記録物の使用方法
JP2002274008A (ja) 記録材及びこれを用いた記録物
JP2003191618A (ja) インクジェット用被記録材、これを用いた記録物、及び記録物の使用方法
JP2003191620A (ja) インクジェット用被記録材、これを用いた記録物、及び記録物の使用方法
JP2003118227A (ja) 記録材、これを用いた記録物、及び記録物の使用方法
JP2003191622A (ja) インクジェット用被記録材、これを用いた記録物、及び記録物の使用方法
JP2002274006A (ja) 記録材及びこれを用いた記録物
JP2003191621A (ja) インクジェット用被記録材、これを用いた記録物、及び記録物の使用方法
JP2003191619A (ja) インクジェット用被記録材、これを用いた記録物、及び記録物の使用方法
JPH11138979A (ja) 記録シート
JP2002274007A (ja) 記録材及びこれを用いた記録物
JP3960024B2 (ja) 記録媒体の製造方法
JP4440629B2 (ja) 記録材
JP4048920B2 (ja) 記録材