JP2003191345A - 歯付ベルトの製造方法 - Google Patents

歯付ベルトの製造方法

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JP2003191345A
JP2003191345A JP2001393848A JP2001393848A JP2003191345A JP 2003191345 A JP2003191345 A JP 2003191345A JP 2001393848 A JP2001393848 A JP 2001393848A JP 2001393848 A JP2001393848 A JP 2001393848A JP 2003191345 A JP2003191345 A JP 2003191345A
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rubber sheet
reinforcing member
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rubber
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Mamoru Sawada
守 澤田
Yosuke Suefuji
陽介 末藤
Takayuki Tagawa
孝之 田川
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Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯部の補強部材として伸張性の高い特別なも
のを用いる必要がないと共に筒状に成形したものを用い
る必要がなくて生産性を改善し、また心線の密度を高く
してベルト幅を狭小化することが可能になる歯付ベルト
の製造方法を提供する。 【解決手段】 歯付ベルトの製造方法であり、ゴムシー
ト1の表面に歯部2と歯底部3からなる歯型を付ける成
形を行ない、金属繊維と有機繊維から作製されこの歯部
2と歯底部3に対応する凹凸形状に加工された補強部材
4を歯部の表面から歯底部の表面にかけてゴムシート1
に張り付け、次にこのゴムシート1を歯型を付けた面を
内側にして、外周に歯部と歯底部に対応する加硫用歯型
を設けた加硫用金型6に被せ、このゴムシート1の外周
に心線7を巻き付けると共にその外側に背部用ゴムシー
ト8を巻き付けた後、加硫を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯付ベルトの製造
方法に係り、詳しくは未加硫ゴムシートと金属繊維と有
機繊維で作製された補強部材を密着して歯部と歯底部を
型付けによって、生産性を改善し、また心線の密度を高
くしてベルト幅を狭小化することが可能になる歯付ベル
トの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】歯付ベルトは、その内面側において長手
方向に沿って複数設けられる歯部と、心線を埋設した背
部とからなるものであり、歯部の表面及び隣り合う歯部
間の歯底部の表面に沿って歯布が貼着してある。この歯
布は歯付ベルトの長手方向と平行な緯糸と、これと交差
するように織った織布が用いられる。
【0003】このような歯付ベルトを製造するにあたっ
ては、従来から圧入法で行なっていた。すなわち、外周
に歯部形成用の凹部を複数設けて形成した円筒状の加硫
用金型を用い、この加硫用金型の外周に筒状の歯布を被
せた後、その外側に心線をらせん状に巻き付け、さらに
その外側に未加硫のゴムシートを巻き、これを高圧蒸気
で加硫する。このように高圧蒸気で加熱すると、その際
の蒸気圧で、ゴムシートのゴムを加硫用金型の凹部に圧
入させて、歯部を成形することができ、歯付ベルトを製
造することができるのである。
【0004】また、このようにゴムシートのゴムが円筒
状金型の凹部に圧入されて歯部が成形される際に、歯部
の表面及び歯部間の歯底部の表面に歯布が貼着される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしこのような圧入
法による製造方法では、ゴムシートのゴムが加硫用金型
の凹部に圧入されて歯部が成形される際に歯布も凹部内
に押し込まれて伸張されるために、歯布としてベルト長
手方向への伸びが高いものが要求される。このため、歯
布としてベルト長手方向の緯糸にウレタン弾性糸など高
伸張率の弾性糸を混入したものを使用する必要があり、
しかも歯布を製造するにあたって伸張を与えた状態で歯
布を製織して水中にて振動を加えることによって歯布を
予め収縮しておく工程が必要になり、歯布の生産性が悪
くなる。このように歯布として伸張性の高いものを用い
ると、材料コスト等の面で問題が生じるものであった。
【0006】また、歯布は予め両端を突き合わせてジョ
イントすることによって筒状にした状態で加硫用金型に
被せる必要があり、歯布を筒状に成形する工程が必要に
なって、この点で生産性に問題を有するものであった。
【0007】さらに、上記のような圧入法で製造を行な
う場合、ゴムシートのゴムを螺旋状に巻き付けた心線の
間の隙間を通して円筒状金型の凹部に流入させて歯部を
成形する必要があるため、心線の巻き付け密度を大きく
するには限界がある。従って、歯付ベルトにおけるベル
ト幅当りの心線の埋入本数を確保するためには、ベルト
幅をある程度大きくしなければならず、ベルト幅を狭小
化してベルト伝動システムをコンパクト化することに限
界を有するという問題があった。
【0008】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、歯部の補強部材として伸張性の高い特別なものを
用いる必要がないと共に筒状に成形したものを用いる必
要がなくて生産性を改善し、また心線の密度を高くして
ベルト幅を狭小化することが可能になる歯付ベルトの製
造方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
歯付ベルトの製造方法は、長さ方向に沿って所定間隔で
歯部と歯底部を交互に配置し、心線を背部に埋設し、上
記歯部の表面に補強部材を貼着した歯付ベルトの製造方
法において、ゴムシートの表面に歯部と歯部間の歯底部
からなる歯型を付ける成形を行ない、金属繊維と有機繊
維から作製されこの歯部と歯底部に対応する凹凸形状に
加工された補強部材を歯部の表面から歯底部の表面にか
けてゴムシートに張り付け、次にこのゴムシートを歯型
を付けた面を内側にして、外周に歯部と歯底部に対応す
る加硫用歯型を設けた加硫用金型に被せ、このゴムシー
トの外周に心線を巻き付けると共にその外側に背部用ゴ
ムシートを巻き付けた後、加硫を行なう、歯付ベルトの
製造方法にあり、補強部材として伸張性の高い特別なも
のを用いる必要がないと共に筒状に成形したものを用い
る必要がなくて生産性を改善できる効果がある。
【0010】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、ゴムシートの背面に補強フィルムを張った後、ゴム
シートの表面を加圧して歯部と歯部間の歯底部からなる
歯型を付ける成形を行なう歯付ベルトの製造方法にあ
る。
【0011】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、ゴムシートの歯型を付けた面に金属繊維と有機
繊維からなる補強部材を重ね、歯部と歯底部に対応する
加圧用歯型を設けた加圧用金型で補強部材をゴムシート
の歯型を付けた表面に加圧することによって、ゴムシー
トの歯部の表面から歯底部の表面にかけて補強部材を張
り付ける歯付ベルトの製造方法にある。
【0012】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、ゴムを圧延してゴムシートを長尺に
作製し、この長尺のゴムシートの背面側に長尺の補強フ
ィルムを張り付けながら長手方向に送ると共に、歯型成
形ロールとフラットロールの間にこのゴムシートを通し
てゴムシートの表面に歯型成形ロールで歯部と歯部間の
歯底部からなる歯型を成形し、一方、金属繊維と有機繊
維で作製された補強部材をプレス加工してゴムシートの
歯部と歯底部に対応する凹凸形状に成形し、次に上記の
ゴムシートを長手方向に送りながらゴムシートの表面に
補強部材を重ねると共に、さらにこの補強部材を重ねた
ゴムシートを送って歯部と歯底部に対応する加圧用歯型
を設けた加圧用金型で加圧することによって、ゴムシー
トの歯部の表面から歯底部の表面にかけて補強部材を張
り付ける歯付ベルトの製造方法にある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0014】金属繊維と有機繊維で作製された補強部材
を歯布として用いた歯付ベルトの製造について説明す
る。図1は歯付ベルトの製造工程の前半部を示すもので
あり、まずカレンダーロールなどの圧延ロール28,2
8で原料ゴム組成物を圧延することによって、ゴムシー
ト1を連続する長尺物に成形する。
【0015】ここで使用する補強部材4としては、金属
繊維と有機繊維から構成された編物、織物の繊維材料を
用いるようにしたことを特徴とするものである。補強部
材4の金属製繊維の材料としては、ステンレス鋼、ニッ
ケル、モネル、黄銅、丹銅、燐青銅、銅、鉄、鋼、アル
ミニウム、チタン、ニクロム、ハステロイ、インコネル
など、特に限定されるものではないが、これらの中でも
ステンレスが好ましい。また、有機繊維は66ナイロ
ン、6ナイロン、610ナイロン等の歯部2との接着が
良好な繊維を主にし、これにアラミド繊維、ポリベンゾ
オキサゾール繊維、ポリパラフェニレンナフタレート繊
維、ポリエステル繊維などの高強力、高弾性繊維が含ま
れる。
【0016】上記補強部材4は、金属繊維と有機繊維か
ら構成された編物あるいは織物の繊維材料であり、通常
平網、平織、綾織、平畳織、綾畳織り、杉綾織、繻子
織、逆畳織、延織等が使用される。編物は伸縮性に富ん
でいるために、歯部の変形に追従して歯部の疲労を阻止
することもできる。また、補強部材4においては、プー
リと接触する側では、金属繊維の占有率が50%、好ま
しくは50〜70%になる程度が好ましい。これによっ
て、歯部2及び歯部3の表面が補強されて耐摩耗性、歯
欠け性も改善され、更にプーリに接触しても、衝突音や
衝突による金属疲労などが有機繊維の存在によって低減
する。
【0017】ステンレスの種類も特に限定されないもの
であり、オーステナイト系のSUS201、SUS20
2、SUS301、SUS301L、SUS301J
1、SUS302、SUS303、SUS304、SU
S304L、SUS304Ni、SUS304N2、S
US304LN、SUS304J1、SUS304J
2、SUS304J3、SUS305、SUS305J
1、SUS309J、SUS310S、SUS316、
SUS316L、SUS316N、SUS316LN、
SUS316Ti、SUS316J1、SUS316J
1L、SUS317、SUS317L、SUS317L
N、SUS317J1、SUS317J2、SUS31
7J3L、SUS317J4L,SUS317J5L、
SUS321、SUS347,SUS384、オーステ
ナイト・フェライト系のSUS329J1、SUS32
9J3L、SUS329J4L、フェライト系のSUS
405、SUS410L、SUS429、SUS43
0、SUS430F、SUS430LX、SUS430
J1L、SUS434、SUS436L、SUS436
J1L、SUS444、SUS447J1、マルテンサ
イト系のSUS403、SUS410、SUS410
S、SUS410F2、SUS410J1、SUS41
6、SUS420J1、SUS420J2、SUS42
0F、SUS431等を挙げることができる。
【0018】金属繊維の太さ(繊維径)は0.1mm〜
0.3mmの範囲が好ましい。金属繊維の繊維径が0.
1mm未満では、補強部材4の強度を十分に得ることが
できず、歯付ベルトAの歯部1を歯欠けから保護する補
強効果が不十分になるおそれがある。逆に金属繊維の繊
維径が0.3mmを超えると、補強部材4の厚みが厚く
なり歯付ベルトAの歯部2と歯底部3に対応する歯型形
状に成形することが困難になる。
【0019】上記補強部材4の有機繊維は、レゾルシン
−ホルマリン−ラテックス液(RFL液)で接着処理し
てもよい。
【0020】ここで、ゴム組成物の原料ゴムとしては、
水素化ニトリルゴム(HNBR)を始めとして、クロロ
スルホン化ポリエチレン(CSM)、アルキル化クロロ
スルホン化ポリエチレン(ACSM)、クロロプレンゴ
ム(CR)などの耐熱老化性の改善されたゴムが好まし
い。尚、HNBRは水素添加率80%以上が好ましく、
さらに耐熱性及び耐オゾン性の特性を発揮させるために
は90%以上が好ましい。水素添加率80%未満のHN
BRは耐熱性や耐オゾン性が極度に低下する。また配合
剤としてカーボンブラック、亜鉛華、ステアリン酸、可
塑剤、老化防止剤等を、加硫剤として硫黄あるいは有機
過酸化物を含有させることができる。各成分を混合する
方法に特に制限はないが、バンバリーミキサー、ニーダ
ー等を用いて混練することによって行なうことができ
る。
【0021】次に、上記のように圧延成形された長尺の
ゴムシート1を搬送コンベア29等で長手方向に連続し
て送りながら、ゴムシート1の裏面に補強フィルム9を
張り付ける。補強フィルム9は後述の歯型成形ロール1
2やフラットロール13による100℃程度の加熱温度
に対して収縮が小さく、かつゴムとの粘着性に優れたも
のであれば特に限定されないが、例えばポリエチレンテ
レフタレートフィルムを用いることができ、また帆布か
らなるライナーであってもよい。補強フィルム9は長尺
に形成されるものであり、ロールに巻いたものから繰り
出して、ゴムシート1と同速度で送りながらラミネート
ロール30に通すことによって、ゴムシート1の裏面に
張り付けることができるものである。
【0022】次に、このように裏面側に補強フィルム9
を張ったゴムシート1を連続して長手方向に送りなが
ら、ゴムシート1の表面側に歯型を付ける成形を行な
う。この歯型を付ける成形は、外周面同士を所定クリア
ランスで対向させて配置した歯型成形ロール12とフラ
ットロール13を用いて行なう。歯型成形ロール12は
外周に軸方向と平行な歯部成形凹部31を、全周に亘っ
て一定間隔で複数凹設することによって形成されるもの
であり、またフラットロール13は外周面を平滑面にし
て形成されるものである。これらの歯型成形ロール12
とフラットロール13は100℃程度に加熱するように
してある。
【0023】そして、補強フィルム9を張ったゴムシー
ト1の裏面をフラットロール13の外周に沿わせてゴム
シート1を歯型成形ロール12とフラットロール13の
間に通し、歯型成形ロール12でゴムシート1の表面を
加圧することによって、ゴムシート1のゴムが図2のよ
うに歯型成形ロール12の歯部成形凹部31内に押し込
まれる。このように歯部成形凹部31に押し込まれるゴ
ムで、ゴムシート1の表面に長手方向と垂直な方向の突
条として歯部2を一定間隔で多数本形成することができ
るものであり、この歯部2と歯部2間の歯底部3からな
る歯型をゴムシート1の表面に付ける成形を行なうこと
ができるものである。歯部2と歯底部3からなる歯型を
成形したゴムシート1は、歯型を付けた面を上側にして
搬送コンベア33の上に供給される。
【0024】ここで、ゴムシート1の表面に歯型を付け
るにあたって、歯付ベルトのPLD値(心線の中心線と
なるピッチラインと歯底部の間の距離)を小さくするた
めには、ゴムシート1の表面に形成される歯底部3は厚
みをゼロ近くまで薄く成形するのが望ましいが、このよ
うに歯底部3の厚みを薄くするとゴムシート1の強度が
弱くなって次工程に送ることができなくなる。このため
に、ゴムシート1の裏面に補強フィルム9を張って、補
強フィルム9でゴムシート1を補強すると共に支持し、
歯型を付けたゴムシート1を補強フィルム9で次工程に
搬送できるようにしてある。
【0025】一方、金属繊維と有機繊維で作製された補
強部材4は予め、上記のゴムシート1に成形した歯部2
と歯底部3からなる歯型に対応した凹凸形状に形成して
ある。図1の実施の形態では、補強部材4を長尺に形成
し、ロールに巻いたものから繰り出して、ゴムシート1
と同速度で送りながら一対の凹凸成形ロール22,23
の間に通すことによって、補強部材4を凹凸形状に成形
するようにしてある。
【0026】すなわち図3に示すように、凹凸成形ロー
ル22,23の外周にはそれぞれ軸方向と平行な凸部2
4,25が、全周に亘って一定間隔で設けてあり、凸部
24,25は相互に噛み合い自在になっている。そして
補強部材4を凹凸成形ロール22,23の間に通すこと
によって、一方の凹凸成形ロール22の凸部24で歯部
2に対応した凹26を成形することができると共に、他
方の凹凸成形ロール23の凸部25で歯底部3に対応し
た凸27を成形することができるものであり、凹26と
凸27が交互に形成された凹凸形状に補強部材4を成形
することができるものである。
【0027】このように凹凸形状に成形された補強部材
4は、長手方向へ連続して送りながら、搬送コンベア3
3の上を送られるゴムシート1の歯型を付けた表面に重
ねられる。このとき、補強部材4は歯部2に対応する凹
26と歯底部3に対応する凸27が交互に形成されてい
るので、ゴムシート1の歯部2に凹26が、ゴムシート
1の歯底部3に凸27がそれぞれ嵌り合い、歯部2の表
面から歯底部3の表面に沿わせて補強部材4をゴムシー
ト1の歯型を付けた表面に密接して重ねることができる
ものである。
【0028】また、搬送コンベア33の上方には加圧用
金型11が配置してある。加圧用金型11は下面にゴム
シート1の表面に成形した歯部2と歯底部3に対応する
加圧用歯型10を設けて形成してある。すなわち、加圧
用歯型10は歯部2に対応する加圧凹部35と歯底部3
に対応する加圧突部36から形成されるものである。そ
して上記のようにゴムシート1の歯型を付けた表面に補
強部材4を張った後、ゴムシート1の歯部2に加圧凹部
35が、歯底部3に加圧突部36が嵌り合うようにし
て、100℃程度に加熱した加圧用金型11でプレス
し、補強部材4をゴムシート1の表面に加圧することに
よって、図4に示すように、加圧凹部35で歯部2の表
面に補強部材4を押さえて密着させることができると共
に、加圧突部36で歯底部3の表面に補強部材4を押さ
えて密着させることができるものであり、ゴムシート1
の歯部2の表面から歯底部3の表面にかけて補強部材4
を張り付けることができるものである。
【0029】尚、上記の図1の実施の形態では、長尺の
補強部材4を凹凸成形ロール22,23で凹凸に成形し
ながら連続してゴムシート1の上に供給するようにした
が、凹凸形状に成形した定寸法の補強部材4をゴムシー
ト1の上に載置するようにして供給してもよい。この場
合、補強部材4の凹凸の成形は上記のような凹凸成形ロ
ール22,23を用いる他に、例えば平金型でプレスし
て行なうこともできる。
【0030】上記のようにしてゴムシート1の表面に歯
型を付けると共に補強部材4を張り付けることができる
ものであり、この段階ではゴムシート1には100℃程
度の加熱がされているだけなので、未加硫状態である。
そしてこのゴムシート1を所定の歯数の間隔で切断す
る。ゴムシート1の切断は図5に示すように歯部2の中
央に沿ってベルト幅方向に行なうのが好ましく、切断し
たゴムシート1の両端は歯部2を半分に切断した半歯部
2aとなっている。
【0031】次に加硫用金型6を用いて加硫を行なう。
加硫用金型6は円筒状に形成されるものであり、加硫用
金型6の外周には歯部2と歯底部3に対応する加硫用歯
型5が設けてある。この加硫用歯型5は加硫用金型6の
外周に、加硫用金型6の軸方向と平行な歯部嵌合凹部3
7と歯底部嵌合突部38を、ゴムシート1の歯部2及び
歯底部3と同ピッチで、周方向に交互に設けることによ
って形成してある。そして上記の図5のように切断した
ゴムシート1を歯型を付けた面を内側にして加硫用金型
6の外周に図6(a)のように巻き付ける。このとき図
6(b)に示すように、歯部嵌合凹部37に歯部2を、
歯底部嵌合突部38に歯底部3をそれぞれ嵌め合わせる
ようにして、加硫用金型6の外周にゴムシート1を巻き
付けるものであり、ゴムシート1の両端の半歯部2a,
2aはそれぞれ同じ歯部嵌合凹部37内に嵌め込まれ、
ゴムシート1の両端の切断端面が密接するようになって
いる。
【0032】上記のようにゴムシート1を加硫用金型6
の外周にゴムシート1を被せて筒状に巻き、さらにゴム
シート1から補強フィルム9を剥がした後、このゴムシ
ート1の外周に図7に示すように心線7をらせん状に巻
き付ける。心線8としては例えばガラス繊維のフィラメ
ント原糸を収束したマルチフィラメントからなるコード
を用いることができる。この後、さらに心線7の上から
背部14を形成する未加硫の背部用ゴムシート8を図8
のように巻き付ける。背部用ゴムシート8としては、上
記の歯部2を形成するゴムシート1と異なるゴムで作製
したものを用いることもできるが、同じゴムで作製した
ものを用いるのが好ましい。
【0033】そしてこの後、ジャケットを被せて例えば
150℃、30分程度の条件で加硫を行なうと、未加硫
のゴムシート1の歯部2が加硫用金型6の加硫用歯型5
の歯部嵌合凹部37内で加硫されて成形される。また同
時に背部用ゴムシート8が加硫されて背部14が成形さ
れると共に心線7が背部14内に埋入され、さらに歯部
2と背部14が一体化される。また、この加硫の際に、
ゴムシート1の両端の半歯部2a,2aの切断端面が接
合されて筒状に一体化されると共に、この一対の半歯部
2a,2aから歯部2が成形されるものであり、また補
強部材4の両端もこの歯部2が成形される際に歯部2の
頂部の中央で突き合わされて接続されるものである。こ
こで補強部材4の網目に歯部2を形成するゴムや歯底部
3を形成するゴムが入り込んだ状態で加硫されており、
補強部材4はゴムと物理的に固着している。またメッキ
された補強部材4の表面とゴムとの間に形成される反応
層を介して化学的にも結合しており、補強部材4は歯部
2の表面から歯底部3の表面に沿って強固に固着してい
るものである。
【0034】上記のように加硫成形して筒状物を得るこ
とができるものであり、筒状物を冷却、背面研磨した
後、所定幅に輪切りするようにカットすることによっ
て、図9に示すような構造の歯付ベルトAを得ることが
できるものである。このようにして得られた歯付ベルト
Aにあって、歯部2の表面から歯底部2の表面にかけて
被覆されている補強部材4は金属繊維と有機繊維で作製
された補強部材からなるものであり、有機繊維からなる
従来の歯布に比較して、耐熱性、耐摩耗性、強度が極め
て高い。従って、歯部2に過大な負荷が作用しても歯部
2の強度を補強部材4で保持することができ、耐歯欠け
性を顕著に高めることができるものである。
【0035】
【発明の効果】上記のように本願請求項1に係る歯付ベ
ルトの製造方法は、ゴムシートの表面に歯部と歯部間の
歯底部からなる歯型を付ける成形を行ない、金属繊維と
有機繊維で作製されこの歯部と歯底部に対応する凹凸形
状に加工された補強部材を歯部の表面から歯底部の表面
にかけてゴムシートに張り付け、次にこのゴムシートを
歯型を付けた面を内側にして、外周に歯部と歯底部に対
応する加硫用歯型を設けた加硫用金型の外周に被せ、こ
のゴムシートの外周に心線を巻き付けると共にその外側
に背部用ゴムシートを巻き付けた後、加硫を行なうよう
にしたので、予め歯部と歯底部に対応する凹凸形状に形
成された補強部材を歯部の表面から歯底部の表面にかけ
て密着させた状態で加硫をすることができ、伸張性に乏
しい補強部材を歯部の表面や歯底部の表面に張り付けた
歯付ベルトを容易に製造することができるものである。
【0036】また請求項2の発明は、ゴムシートの背面
に補強フィルムを張った後、ゴムシートの表面を加圧し
て歯部と歯部間の歯底部からなる歯型を付ける成形を行
なうようにしたので、歯底部の厚みを薄く成形しても、
ゴムシートを補強フィルムで補強することができ、ゴム
シートの搬送等に支障が生じることがないものである。
【0037】また請求項3の発明は、ゴムシートの歯型
を付けた面に金属繊維と有機繊維からなる補強部材を重
ね、歯部と歯底部に対応する加圧用歯型を設けた加圧用
金型で補強部材をゴムシートの歯型を付けた表面に加圧
することによって、ゴムシートの歯部の表面から歯底部
の表面にかけて補強部材を張り付けるようにしたので、
ゴムシートの歯部の表面や歯底部の表面に補強部材を密
着させて張り付けることができ、補強部材が歯付ベルト
から剥離するようなことを防ぐことができるものであ
る。
【0038】また請求項4の発明は、ゴムを圧延してゴ
ムシートを長尺に作製し、この長尺のゴムシートの背面
側に長尺の補強フィルムを張り付けながら長手方向に送
ると共に、歯型成形ロールとフラットロールの間にこの
ゴムシートを通してゴムシートの表面に歯型成形ロール
で歯部と歯部間の歯底部からなる歯型を成形し、一方、
金属繊維と有機繊維で作製された補強部材をプレス加工
してゴムシートの歯部と歯底部に対応する凹凸形状に成
形し、次に上記のゴムシートを長手方向に送りながらゴ
ムシートの表面に補強部材を重ねると共に、さらにこの
補強部材を重ねたゴムシートを送って歯部と歯底部に対
応する加圧用歯型を設けた加圧用金型で加圧することに
よって、ゴムシートの歯部の表面から歯底部の表面にか
けて補強部材を張り付けるようにしたので、ゴムシート
の作製、ゴムシートへの歯型の成形、ゴムシートへの補
強部材の張り付けの各作業を、ゴムシートを長手方向に
送りながら、連続した工程で生産性高く行なうことがで
きるものである
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る歯付ベルトの製造方法の実施の形
態に一例における、工程の一部を示す概略正面図であ
る。
【図2】同上の工程の一部を拡大した断面図である。
【図3】同上の工程の一部を拡大した断面図である。
【図4】同上の工程の一部を拡大した断面図である。
【図5】同上の工程の一部を拡大した斜視図である。
【図6】同上の工程の一部を示すものであり、(a)は
斜視図、(b)は一部の拡大した断面図である。
【図7】同上の工程の一部を拡大した斜視図である。
【図8】同上の工程の一部を拡大した斜視図である。
【図9】本発明方法によって得られた歯付ベルトの斜視
図である。
【符号の説明】
1 ゴムシート 2 歯部 3 歯底部 4 補強部材 5 加硫用歯型 6 加硫用金型 7 心線 8 背部用ゴムシート 9 補強フィルム 10 加圧用歯型 11 加圧用金型 12 歯型成形ロール 13 フラットロール 14 背部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 21:00 B29K 21:00 105:08 105:08 105:24 105:24 B29L 29:00 B29L 29:00 Fターム(参考) 4F202 AA45 AC03 AG03 AG05 AG16 AH12 CA27 CB01 CK11 4F203 AA45 AC03 AG03 AG05 AG16 AH12 DA11 DB01 DC01 DD01 DJ01 DL10 4F213 AA45 AD16 AG03 AG17 WA03 WA15 WA39 WA43 WA53 WA54 WA60 WA87 WB01 WB11 WB22 WC03 WE02 WE16 WF05 WF06 WK01 WK03 WW01 WW06 WW15 WW21 WW23 WW33

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さ方向に沿って所定間隔で歯部と歯底
    部を交互に配置し、心線を背部に埋設し、上記歯部の表
    面に補強部材を貼着した歯付ベルトの製造方法におい
    て、 ゴムシートの表面に歯部と歯部間の歯底部からなる歯型
    を付ける成形を行ない、 金属繊維と有機繊維から作製されこの歯部と歯底部に対
    応する凹凸形状に加工された補強部材を歯部の表面から
    歯底部の表面にかけてゴムシートに張り付け、 次にこのゴムシートを歯型を付けた面を内側にして、外
    周に歯部と歯底部に対応する加硫用歯型を設けた加硫用
    金型に被せ、このゴムシートの外周に心線を巻き付ける
    と共にその外側に背部用ゴムシートを巻き付けた後、加
    硫を行なうことを特徴とする歯付ベルトの製造方法。
  2. 【請求項2】 ゴムシートの背面に補強フィルムを張っ
    た後、ゴムシートの表面を加圧して歯部と歯部間の歯底
    部からなる歯型を付ける成形を行なう請求項1に記載の
    歯付ベルトの製造方法。
  3. 【請求項3】 ゴムシートの歯型を付けた面に金属繊維
    と有機繊維からなる補強部材を重ね、歯部と歯底部に対
    応する加圧用歯型を設けた加圧用金型で補強部材をゴム
    シートの歯型を付けた表面に加圧することによって、ゴ
    ムシートの歯部の表面から歯底部の表面にかけて補強部
    材を張り付ける請求項1又は2記載の歯付ベルトの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 ゴムを圧延してゴムシートを長尺に作製
    し、この長尺のゴムシートの背面側に長尺の補強フィル
    ムを張り付けながら長手方向に送ると共に、歯型成形ロ
    ールとフラットロールの間にこのゴムシートを通してゴ
    ムシートの表面に歯型成形ロールで歯部と歯部間の歯底
    部からなる歯型を成形し、 一方、金属繊維と有機繊維で作製された補強部材をプレ
    ス加工してゴムシートの歯部と歯底部に対応する凹凸形
    状に成形し、次に上記のゴムシートを長手方向に送りな
    がらゴムシートの表面に補強部材を重ねると共に、さら
    にこの補強部材を重ねたゴムシートを送って歯部と歯底
    部に対応する加圧用歯型を設けた加圧用金型で加圧する
    ことによって、ゴムシートの歯部の表面から歯底部の表
    面にかけて補強部材を張り付ける請求項1乃至3のいず
    れかに記載の歯付ベルトの製造方法。
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