JP2003190931A - 土壌または地下水の浄化方法 - Google Patents

土壌または地下水の浄化方法

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哲郎 今村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機ハロゲン化合物で汚染された土壌または
地下水に、鉄粉を含む集塵ダストを添加することにより
浄化する。 【解決手段】 有機ハロゲン化合物により汚染された土
壌または地下水に、鉄粉を含む集塵ダストを添加するよ
うにした浄化方法である。この鉄粉を含む集塵ダスト
は、鉄系鋳物の清浄処理で発生する集塵ダスト、特にシ
ョットブラスト処理で捕捉した集塵ダストとしたもので
あり、炭素を重量%で0.5〜5%含有することが望ま
しい。従来は産業廃棄物として廃却処分していた鉄系鋳
物工場で発生する集塵ダストを有効利用することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有害物質、特に有機
ハロゲン化合物で汚染された土壌または地下水を浄化す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体工場の脱脂工程等で使用さ
れてきたトリクロロエチレン等の有機ハロゲン化合物が
土壌あるいは地下水に蓄積され、これら蓄積された有害
物質が工場跡地の再開発や地下水の利用において大きな
問題を起こしている。この有機ハロゲン化合物で汚染さ
れた土壌や地下水を無害化する方法としては、既に種々
の提案がなされている。この提案のうち、最近では鉄粉
添加法が注目されている。
【0003】鉄粉添加法は、有機ハロゲン化合物により
汚染された土壌や地下水に鉄粉(金属鉄)を添加し、鉄
粉の還元作用を利用して有機ハロゲン化合物を分解して
無害化する方法である。この鉄粉添加法についても既に
種々の提案がなされている。
【0004】例えば、特開平8−257570号公報に
は、汚染地下水面までピットを掘削した後、ピット底面
に鉄粉層を設け、汚染地下水をPH2〜7の範囲内で通
過させることにより、鉄粉で、重金属または有機塩素化
合物の少なくとも一種以上を除去する汚染地下水の浄化
方法が開示されている。
【0005】特開平10−71386号公報には、有害
物質で汚染された土壌内にボーリング孔を穿孔した後、
このボーリング孔に圧縮空気および鉄粉を吹き込むこと
によって地下にフラクチャーを発生させ、鉄粉を含有す
る鉄粉分散層を形成し、この鉄粉分散層を、汚染土壌内
を流れる地下水と接触させることにより土壌および地下
水中の有害物質を無害化する土壌および地下水の浄化方
法が開示されている。
【0006】特開平11−235577号公報には、地
下水水位より深部に位置する土壌又は地下水水位より浅
部に位置する土壌又は掘削した土壌であって且つ有機塩
素系化合物で汚染された土壌に、鉄粉を添加・混合する
ことにより、有機塩素化合物を分解する土壌の無害化処
理方法が開示されている。さらに同公報には、添加・混
合する鉄粉は0.1重量%以上の炭素を含んでいると、
汚染物質の分解速度が遅くならないことが記載されてい
る。
【0007】特開平11−70379号公報には、有機
ハロゲン化合物で汚染を受けた物質に、還元性雰囲気下
でしかも中性条件下で、従属栄養型の嫌気性微生物を鋳
鉄屑とともに接触させるハロゲン化合物の汚染物の浄化
方法が開示されている。同公報には、鋳鉄屑としては炭
素を含む鋳鉄鋳物の削り屑が有効であることが記載され
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記した特開平8−2
57570号公報、特開平10−71386号公報、特
開平11−235577号公報に記載されている発明
は、有害な有機ハロゲン化合物を鉄粉(金属鉄)の還元
作用により分解して無害化するものである。しかし、鉄
粉は土壌中の水分、あるいは地下水と接触すると水分中
に溶解している酸素により酸化されハロゲン化合物を還
元する作用が短時間のうちに低下する。鉄粉の還元作用
の低下を防止しかつ長期間にわたって維持するために
は、多量の鉄粉を添加すればよいが、コスト高になると
いう課題が発生する。
【0009】特開平11−70379号公報には、還元
性雰囲気下でしかも中性条件下で、従属栄養型の嫌気性
微生物を鋳鉄屑とともに接触させるハロゲン化合物の汚
染物の浄化方法が開示されているが、嫌気性微生物を使
用するために浄化時に厳しい処理条件が要求される欠点
がある。
【0010】鉄粉の還元作用を長時間にわたって維持す
る対策としては、例えば、特開平7−308682号公
報(特許第2636171号公報)、特開2001−3
8341号公報に提案されている。
【0011】特開平7−308682号公報には、有機
ハロゲン化合物を含有する汚染水中に気体状の水素を供
給し、汚染水中に含まれる溶存酸素を除去すると共に、
有機ハロゲン化合物を担体に担持した金属鉄と接触させ
て金属鉄により還元処理する方法が開示されている。す
なわち同公報に記載の発明は、水素を汚染水中に供給し
溶存させることにより、汚染水中に溶存する酸素やその
他の酸化性物質を水素と反応させて、溶存酸素や酸化性
物質による金属鉄の不働態化を防止しようとするもので
ある。しかしながら、このように気体状の水素を使用す
ると、どうしても処理コストが高くなるという欠点が生
じる。
【0012】特開2001−38341号公報には、有
機ハロゲン化合物を除去するための土壌浄化剤であっ
て、鉄微粒子及び親水性バインダーを含有する水性懸濁
液からなる土壌浄化剤が開示されている。同公報には、
親水性バインダーは鉄微粒子の表面を覆い、この鉄微粒
子が有機ハロゲン化合物に対して還元作用を示すまでに
酸化されないよう保護する機能を有することが記載され
ている。また、同公報には、必要によりこの土壌浄化剤
の分散時に界面活性剤を使用することもできることが記
載されている。この土壌浄化剤は、親水性バインダーが
鉄微粒子の表面を覆って、鉄微粒子が還元作用を示すま
で酸化されるのを防止する効果を発揮するが、逆に有機
ハロゲン化合物の還元作用を低下させる恐れも生じる。
【0013】そこで本発明の目的は、従来は産業廃棄物
として廃却していた鉄系鋳物の清浄処理で発生する集塵
ダストを、有機ハロゲン化合物を分解する処理剤として
有効利用するとともに、この集塵ダスト中に含まれる鉄
粉の還元作用を長期間にわたって維持し、処理コストの
低減を計ることができる有機ハロゲン化合物等で汚染さ
れた土壌または地下水の浄化方法を提供することにあ
る。本発明者は、鉄系鋳物の清浄処理工程に設置されて
いる集塵装置で収集した鉄粉を含む集塵ダストが、有機
ハロゲン化合物を分解する処理剤として有効利用できる
ことを見出して本発明に至ったものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機ハロゲン
化合物等で汚染された土壌または地下水に、鉄粉を含む
集塵ダストを添加する土壌または地下水の浄化方法であ
る。そして、本発明において、この鉄粉を含む集塵ダス
トは、鉄系鋳物の清浄処理で捕捉した集塵ダストを利用
したものであり、望ましくは、ショットブラスト処理で
捕捉した集塵ダストを使用するとよい。
【0015】さらに本発明において、この集塵ダスト
は、炭素を重量%で0.5〜5%含有することが望まし
く、さらに、集塵ダストに界面活性剤を添加することが
望ましい。
【0016】本発明において、汚染物質である有機ハロ
ゲン化合物とは、トリクロロエチレン、テトラクロロエ
チレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、等を含むハ
ロゲン化合物である。また本発明は、これら有機ハロゲ
ン化合物の他に、重金属で汚染された土壌や地下水の浄
化にも適用することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明において、鉄粉を含む集塵
ダストとは、鉄系鋳物(鋳鉄、鋳鋼等)の清浄処理にお
いて、砂落とし、錆落とし等を行なう清浄工程に設置さ
れている集塵装置で収集した集塵ダスト、あるいは、鋳
バリ、湯道、堰の除去を行なうグラインダー研削により
発生する粉塵のことである。例えば、ショットブラスト
装置を利用して、鉄系鋳物部材にショットブラスト材を
投射したときに発生した粉塵を集塵装置で収集したダス
トのことである。この集塵ダストには、粉砕された鋳物
砂(SiO)、鋳物砂に含まれている炭素、破壊され
た鋳鋼製ショットブラスト材(Fe:96重量%以上、
C:0.8〜1.0重量%含有する)、およびショット
ブラスト材の投射により鉄系鋳物部材の表面から剥がれ
た炭素を含む微細な鉄粉が含まれている。本発明におい
て、ショットブラスト処理で捕捉した集塵ダストを使用
すると、この集塵ダスト中には破壊された鋳鋼製ショッ
トブラスト材も含まれているので、有機ハロゲン化合物
を還元する鉄粉(金属鉄やFeO)の含有量が高くなる
という効果も生じる。本発明は、この集塵ダストに含ま
れている炭素および鉄粉を利用して有機ハロゲン化合物
等を吸着し、還元分解しようとするものである。また、
この集塵ダストの粒度は1〜400μmの範囲にあり、
分級処理を施さないでそそまま利用することができるメ
リットもある。
【0018】本発明において、鉄粉の他に炭素を含有す
る集塵ダストを使用する理由は、次の通りである。炭素
は、汚染物質である有機ハロゲン化合物を吸着する作用
がある。すなわち、汚染された地下水あるいは土壌に含
まれている有機ハロゲン化合物は、まず鉄粉中あるいは
集塵ダスト中の炭素に吸着され、続いて鉄粉(金属鉄、
FeO)の還元作用によりこの有機ハロゲン化合物を分
解すれば、有機ハロゲン化合物の分解作用を長期間にわ
たって促進させることができる。この鉄粉中に含まれる
炭素の含有量は、重量%で0.5%より少ないと有機ハ
ロゲン化合物を吸着する作用が弱くなり、5%を越える
と有機ハロゲン化合物を吸着する作用は向上するが、鉄
粉が有機ハロゲン化合物を分解する作用が低下するから
である。従って、集塵ダスト中の炭素の含有量は重量%
で0.5〜5%にするこが望ましい。このような炭素の
含有量は、炭素含有量が少ない鋳鋼鋳物の場合は、その
型ばらし後のショットブラスト処理で発生する集塵ダス
トを利用すると、鋳物砂中の炭素分が集塵ダストに含ま
れるので、0.5%以上の炭素を含ませることが可能に
なる。
【0019】
【実施例】鉄粉を含む各種の集塵ダストについて、有機
ハロゲン化合物を分解する割合(除去率)について実験
を行なった。まず、表1に示す組成(重量%)からなる
集塵ダスト(試料1〜4)を用意した。表1において、
試料1は鋳鋼工場の型ばらし後に行なう清浄処理(ショ
ットブラスト)で収集した集塵ダスト、試料2、3は鋳
鉄工場の型ばらし後の清浄処理(ショットブラスト)で
発生した集塵ダスト、試料4は鋳鉄鋳物について溶融亜
鉛メッキを施す前の清浄処理(ショットブラスト)で発
生した集塵ダストであり、鋳鉄鋳物の表面部に鋳物砂が
付着していないために、金属鉄(M−Fe)の含有量が
高くなっている。また、各粉塵ダスト試料について、か
さ比重および粒度分布を測定したとき累計50%の粒度
を表2に示す。なお、各粉塵ダスト(試料1〜4)の粒
度は、1〜400μmであった。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】(実施例1)有機ハロゲン化合物であるト
リクロロエチレン(TCE)、テトラクロロエチレン
(PCE)、シス−1,2−ジクロロエチレン(c-1,2
-DCE)を表3に示す濃度で含有する水溶液(試料溶
液)を作成した。
【0023】
【表3】
【0024】上記の試料溶液120mlに、表1に示す
集塵ダストの試料1及び試料2を添加して密栓して振と
うし、1週間経過後の有機ハロゲン化合物の濃度を測定
してみた。なお、集塵ダストの添加量は、試料溶液12
0mlの重量に対して夫々5%、10%、15%、20
%添加した場合について、1週間経過の有機ハロゲン化
合物の濃度を測定した。図1はその測定結果を示すグラ
フであり、図1(a)はトリクロロエチレン、(b)は
テトラクロロエチレン、(c)はシス−1,2−ジクロ
ロエチレンについて、集塵ダストの添加量と各有機ハロ
ゲン化合物の除去率との関係を示す。
【0025】図1に示すグラフから次のことが明らかに
なった。 1)集塵ダストの添加量が多くなるほど、有機ハロゲン
化合物の除去率は向上する。特に、集塵ダストの添加量
が20重量%であると、1週間経過後でも98%以上の
除去率になる。 2)炭素含有量が少ない鋳鋼の集塵ダスト(表1に示す
試料1)は、鋳鉄鋳物の集塵ダスト(試料2)と比較し
て、テトラクロロエチレンの除去率は低下するが、トリ
クロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレンの除
去率は、集塵ダストの添加割合を大きくするとその差は
なくなる。これは、集塵ダスト中の金属鉄とFeOが有
機ハロゲン化合物の還元作用に貢献しているものと考え
られる。 3)鋳鉄鋳物の集塵ダストである試料2は、金属鉄(M
−Fe)の含有量は0.02%と極めて少ないが、4.
38重量%と高い炭素含有量がます有機ハロゲン化合物
を吸着し、続いて14.4重量%のFeOが有機ハロゲ
ン化合物を還元分解し、その結果、テトラクロロエチレ
ン、トリクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチ
レンともに除去率は高くなったものと考えられる。
【0026】(実施例2)続いて、有機ハロゲン化合物
であるトリクロロエチレン(TCE)、テトラクロロエ
チレン(PCE)、シス−1,2−ジクロロエチレン(c
-1,2-DCE)を表4に示す濃度で含有する水溶液
(試料溶液)を作成した。そして、この試料溶液120
mlに、表1に示す試料4の集塵ダストを添加して密栓
して静置し、1週間および3週間経過後の有機ハロゲン
化合物の除去率を測定した。なお、集塵ダストの添加量
は、試料溶液120mlの重量に対して夫々10%、2
0%添加した場合について測定した。
【0027】
【表4】
【0028】実施例2の測定結果を表5に示す。表5か
ら次のことが明らかになった。すなわち、3週間経過後
においては、TCE、PCE、c-1,2-DCEともに、
除去率は99%以上と極めて高い値が得られた。この理
由は、試料4の集塵ダストは、金属鉄(M−Fe)の含
有量が94.1重量%と極めて高く、この金属鉄が有機
ハロゲン化合物の還元分解に貢献したものと考えられ
る。
【0029】以上の実施例1および実施例2から、鉄系
鋳物の清浄処理で収集した鉄粉及び炭素を含む集塵ダス
トは、有機ハロゲン化合物を含む地下水等の無害化に極
めて有効であることが判明した。
【0030】
【表5】
【0031】(実施例3)有機ハロゲン化合物で汚染さ
れた所定重量の試験土壌に集塵ダストを添加して混合
し、1週間経過後、2週間経過後の有機ハロゲン化合物
の除去率を測定した。なお、試験土壌には土壌の重量に
対して30%の水を添加した後、集塵ダストを添加し
た。添加した集塵ダストは、表1に示す試料2と試料4
とを重量で50%づつ混合した試料5を使用した。この
混合した集塵ダスト(試料5)の組成を表6に示す。ま
た、集塵ダストの添加量は、汚染土壌の重量に対して、
5%、8%、10%について試験した。試験土壌に含ま
れる有機ハロゲン化合物の濃度、すなわち、TCE、P
CE、c-1,2-DCEは、それぞれ4.8m/l、0.
054m/l、3.8m/l含であった。
【0032】
【表6】
【0033】実施例3の試験結果を表7に示す。表7か
ら次のことが明らかになった。すなわち、表6に示す組
成である鉄粉と炭素を含む集塵ダストを試験土壌中に添
加しても、土壌中に含まれるハロゲン化合物は、1〜2
週間経過後、その除去率は99%以上と極めて高い値を
得ることができた。
【0034】
【表7】
【0035】以上に説明した実施例から、有機ハロゲン
化合物で汚染された土壌あるいは地下水に、鉄粉と炭素
を含む集塵ダストを添加しても、これら有機ハロゲン化
合物を効率良く還元分解させることができることが判明
した。
【0036】また、本発明において、集塵ダスト中に界
面活性剤を添加混合したものを処理剤として土壌または
地下水に添加してもよい。界面活性剤を添加する理由は
次の通りである。界面活性剤は鉄粉の周囲を覆い、土壌
に含まれる水分中の酸素により直ちにこの鉄粉が酸化さ
れることを防止する作用を行なう。また、土壌中におい
て、界面活性剤は鉄粉を含む集塵ダストが土壌中に浸透
することを促進する作用を行なう。これにより、鉄粉が
有機ハロゲン化合物を分解する作用を長期間にわたって
維持する働きを行なうことができるようになる。しか
し、界面活性剤の添加量が多すぎると、鉄粉が有機ハロ
ゲン化合物を分解する作用を低下させるので、その添加
量は重量%で鉄粉の0.5%以下にすることが望まし
い。
【0037】地下の汚染された土壌の浄化に,本発明を
適用する場合には次のような方法を採用するとい。 1)汚染された土壌内をボーリング装置により、適切な
間隔で複数個の孔を穿孔する。 2)穿孔内の最深部まで、回転可能な配管に連結され、
配管の下端に1個または複数個の開口を有するノズル挿
入する。 3)続いて、地上部からこのノズルに、粉塵ダストと水
とを混合した処理剤を圧縮空気とともに供給しながら、
ノズルを回転させる。 4)ノズルを徐々に引き上げながら、処理剤を噴射し
て、この処理剤を汚染された土壌内に浸透させる。この
とき、処理剤に界面活性剤を添加しておくと、処理剤が
土壌中に浸透する作用を助長させることができる。
【0038】なお、本発明においては、有機ハロゲン化
合物で汚染された土壌または地下水に添加する集塵ダス
トの添加量は多いほどその浄化効果は高くなるが、添加
時の作業性等を考慮すると、集塵ダストは土壌または地
下水の重量に対して5〜20%程度添加するとよい。ま
た、磁選機を使用して集塵ダストから鉄粉のみを収集
し、この鉄粉を脱磁した後、本発明の集塵ダストとして
使用してもよい。
【0039】
【発明の効果】以上に説明した本発明は次のような効果
を有している。 1)従来は産業廃棄物として廃却処理していた鉄粉を含
む鉄系鋳物の清浄処理で発生する集塵ダストを、有機ハ
ロゲン化合物により汚染された土壌や地下水を無害化す
る物質として有効利用することができる。 2)集塵ダストをそのまま再利用することができるの
で、有機ハロゲン化合物で汚染された土壌や地下水の浄
化処理のコスト低減を計ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 有機ハロゲン化合物を含む水溶液中に鉄粉を
含む集塵ダストを添加したとき、1週間経過後の有機ハ
ロゲン化合物の除去率を示す線図であり、(a)はトリ
クロロエチレン、(b)はテトラクロロエチレン、
(c)はシス−1,2−ジクロロエチレンの場合を示
す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土壌または地下水に、鉄粉を含む集塵ダ
    ストを添加することを特徴とする汚染された土壌または
    地下水の浄化方法。
  2. 【請求項2】 鉄粉を含む集塵ダストは、鉄系鋳物の清
    浄処理で発生する集塵ダストであることを特徴とする請
    求項1に記載の汚染された土壌または地下水の浄化方
    法。
  3. 【請求項3】 鉄粉を含む集塵ダストは、ショットブラ
    スト処理で発生する集塵ダストであることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の汚染された土壌または
    地下水の浄化方法。
  4. 【請求項4】 集塵ダストは、炭素を重量%で0.5〜
    5%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の汚染された土壌または地下水の浄化方法。
  5. 【請求項5】 集塵ダストに界面活性剤を添加すること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の汚染され
    た土壌または地下水の浄化方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016179439A (ja) * 2015-03-24 2016-10-13 アイシン高丘株式会社 汚染物質除去剤および土壌浄化方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016179439A (ja) * 2015-03-24 2016-10-13 アイシン高丘株式会社 汚染物質除去剤および土壌浄化方法

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