JP2003190231A - プレス成型模様付き棺およびその製造方法 - Google Patents

プレス成型模様付き棺およびその製造方法

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JP2003190231A JP2001396239A JP2001396239A JP2003190231A JP 2003190231 A JP2003190231 A JP 2003190231A JP 2001396239 A JP2001396239 A JP 2001396239A JP 2001396239 A JP2001396239 A JP 2001396239A JP 2003190231 A JP2003190231 A JP 2003190231A
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孝夫 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安価で、環境にやさしい、彫刻風の模様を有す
る棺、すなわちプレス成型模様付き棺およびその製造方
法を提供すること。 【解決手段】棺本体の側板、前板および後板ならびに天
板のうちの少なくとも1つの表面に彫刻風の模様を有
し、棺1を構成する板材1〜7が軟質木材であり、模様
がプレス成型によって形成されており、模様が形成され
た軟質木材板(例えば3)は、表面周縁部に平坦な枠部
3aを有し、模様の高さが平坦な枠部3aの高さ以下で
ある棺。その製造方法は、プレス成型模様を形成する板
材を加湿する加湿工程およびプレス装置に、プレス成型
模様を形成する板材を配置し、加熱された金型で板材を
プレスし、板材に模様を形成するプレス成型工程を含
む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレス成型模様付
き棺およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、少な
くとも一つの面が、プレス成型により彫刻風の模様が付
けられた棺およびその棺の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】葬儀に用いられる棺には、白木の棺のほ
かに、表面が装飾用のクロスで被覆された布貼棺、白木
の側板や天板に彫刻が施された棺などがある。これらの
棺のうち、彫刻が施された棺は、高級感があるので多く
の人に好まれているが、熟練した職人による手作りで作
製されているため、大変高価である。プログラムされた
NC旋盤やルータなどの工作機械によって模様を彫るこ
とも可能であるが、その場合でも生産性等の面から製造
コストを下げることは困難である。そのために、彫刻模
様が刻まれた安価な棺が求められている。
【0003】一般に木材に凹凸模様を付ける方法とし
て、プレス加工を行う方法がある。しかし、木材にプレ
ス加工によって模様を付けると、加工部にひび割れが生
じるという問題がある。そのために、ひび割れが目立た
ないようにする対策やひび割れを軽減する対策が講じら
れている。例えば、特開平9−193109号公報に
は、プレス加工を行う前に、プレスする面にプラスチッ
ク層を形成しておき、プレス後にもプラスチック層が残
るようにして、木材の表面が直接見えないようにする対
策が開示されている。この他、特開平6−254812
号公報には、立体模様を付ける木材を、予め湿潤・加熱
状態にして可塑化した後に、木材を誘電加熱して乾燥さ
せながら加工する方法が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前者の特開平9−19
3109号公報に開示されている方法は、プラスチック
層が表面に残るので、白木の棺には適用できない。ま
た、プラスチック層は、火葬された際に燃焼して、有害
物質を生成する可能性がある。一方、後者の特開平6−
254812号公報に示されている方法は、工程が複雑
であるとともに、小さな面積のマークをワンポイント形
成するならまだしも、棺のような広い面積の板材に適用
すると、板材全面に均一に模様付けすることが難しいと
いう問題がある。
【0005】上記のような加工上の問題のほかに、棺用
の板材には、通常ベニヤコア合板(ベニヤ板)が用いら
れており、ベニヤ板を用いることによって生じる問題点
がある。ベニヤ板は、ラワンなどの木材を薄くスライス
し、スライスされたものを、木目が縦横になるように交
互に多数積層するとともに、層間を接着剤で接着するこ
とによって製造されている。この接着には、主にアミノ
樹脂(ユリア樹脂、メラミン樹脂、ユリア−メラミン共
縮合樹脂)、フェノール樹脂などの接着剤が用いられて
おり、積層数が多いので多量の接着剤が用いられてい
る。これらの接着剤は、棺が火葬される際に有害な燃焼
生成物を発生し、環境汚染を引き起こすことが懸念され
ているので、接着剤の使用量は極力少ない方がよい。
【0006】また、合板の製造に主として用いられてい
るラワン材は、比較的に強度があるので、木材としては
貴重な資源である。しかし、ラワンのような強度を持つ
樹種は、比較的に成長が遅く、木材として利用すること
ができるようになるのには、50年程度を要すると言わ
れている。さらに、現状では植林により樹木を成長させ
ることが困難なため、天然木を伐採して使用しているの
が実状であり、環境破壊の一因にもなっている。
【0007】このように、彫刻または彫刻風の模様が付
けられた棺を安く製造するのが難しく、また、現在、棺
の製造に用いられているベニヤ板中の接着剤の燃焼によ
る環境汚染や樹木の伐採などに起因する環境破壊という
問題点がある。
【0008】本発明は、安価で、環境にやさしい、彫刻
風の模様を有する棺、すなわち、プレス成型模様付き棺
およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段及びその効果】本発明の要
旨は、下記のプレス成型模様付き棺およびその製造方法
にある。本発明に係るプレス成型模様付き棺は、棺本体
の側板、前板および後板ならびに天板のうちの少なくと
も1つの表面に彫刻風の模様を有する棺であって、該棺
を構成する板材が軟質木材であり、前記模様がプレス成
型によって形成されており、該模様が形成された前記軟
質木材板は、表面周縁部に平坦な枠部を有し、前記模様
の高さが前記平坦な枠部の高さ以下であることを特徴と
する。
【0010】上記の棺は、プレス成型によって彫刻風の
模様が付けられているので、手彫りによって模様が刻ま
れた棺に比べて製造コストが著しく安く、棺の価格が安
価である。また、板材に軟質木材が用いられているの
で、模様がプレス成型によって形成されていても、模様
の表面にひび割れなどがなく、模様が鮮明で美麗であ
る。
【0011】前記の軟質木材は、比重が、0.22〜
0.44であることが望ましい。この軟質木材板の樹種
は、ファルカタ(センゴンラウトとも呼ばれる)および
桐のうちの少なくとも1つであることが望ましい。上記
の軟質木材のうち、ファルカタは成長速度が極めて速
く、5年程度で材木として使用できる大きさまで成長す
る。したがって、これらの樹種の樹は、伐採して棺に用
いても、植林を行うことにより環境破壊を招くことな
く、永く森林資源として活用していくことができる。
【0012】また、前記の軟質木材板は、接着剤の使用
量が少ない集成材またはランバーコア合板であることが
望ましい。これらの木材板は、ベニヤ板に比べて接着剤
の使用量が少ないので、火葬された際に接着剤の燃焼に
よる有害物質の発生量がすくなく、環境汚染への影響も
軽度である。
【0013】さらに、前記プレス成型模様の表面は、そ
の少なくとも一部が、金属箔で被覆されていることが望
ましい。模様の表面に金属箔が被覆された棺は、より高
級感のある棺となる。また、前記模様の凹部には、地模
様を有することが望ましい。地模様は、プレス成型模様
をいっそう引き立たせる効果を持っている。
【0014】上記のような構成を有する棺は、前記棺本
体の外周部と前記天板の外周部のうちの少なくとも一方
に、幕板を備えていることが望ましく、幕板には彫刻風
の模様が形成されていることがさらに望ましい。これら
の幕板は、棺の装飾性を高め、棺により風格を持たせる
のに効果的である。
【0015】本発明に係る別のプレス成型模様付き棺
は、棺本体および天板で構成された棺において、前記棺
本体および天板を構成する板材が軟質木材板であり、か
つ前記棺本体の外周部および前記天板の外周部のうちの
少なくとも一方に、プレス成型によって形成された彫刻
風の模様を有する幕板を備えていることを特徴とする。
【0016】側板や天板に模様がない場合でも、棺本体
の外周部や前記天板の外周部にプレス成型模様が形成さ
れた幕板を取り付けることによって、外観に優れた棺を
低いコストで製造することができる。
【0017】本発明に係るプレス成型模様付き棺の製造
方法は、プレス成型模様を形成する板材を加湿する加湿
工程およびプレス装置に、前記プレス成型模様を形成す
る板材を配置し、加熱された金型で該板材をプレスし、
該板材に模様を形成するプレス成型工程を含むことを特
徴とする。
【0018】上記の製造方法によって得られる棺は、プ
レス成型によって模様が付けられているので、手彫りに
よって模様が刻まれた棺に比べて製造コストが著しく安
く、製品が安価である。また、板材に軟質木材が用いら
れているので、プレス成型によって模様が形成されて
も、模様の表面にひび割れなどがなく、鮮明な彫刻風の
模様を持つ棺が得られる。
【0019】前記プレス成型工程において、天板、側板
及び幕板のうちの少なくとも1つを、長さ方向に分割さ
れた複数の金型により、複数回に分けてプレス成型する
ことが望ましい。このように、分割された金型を用いる
ことにより、金型の製造コストを下げることが可能であ
るとともに、均一にプレス成型を行うことができる。し
たがって、安いコストでむらのない均一な模様を形成す
ることができる。
【0020】さらに、上記の製造方法におけるプレス成
型工程において、模様の少なくとも一部に金属箔を被覆
することが望ましい。金属箔を模様の表面に被覆する
と、より高級感のある棺を得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】まず、本発明の好ましい実施の形
態に係るプレス成型模様付き棺について説明する。図1
は、本発明の実施の形態に係るプレス成型模様付き棺の
全体を示す斜視図である。棺1は、天板2、側板3、
4、前板5、後板6および底板7で構成されている。ま
た、天板2の前板5側には、窓8が設けられている。全
体の大きさは、大人用で、長さ1800mm前後、幅5
00mm前後、高さ400mm前後であり、子供用は無
論これより小型である。
【0022】棺に用いられる木材の樹種は、ファルカ
タ、桐などの年輪が目立たず、色が白く、軟質のものが
よい。軟質木材の自然乾燥した状態の比重(気乾比重)
は、0.22〜0.44の範囲内であることが望まし
く、さらに望ましい比重は、0.29〜0.34であ
る。比重が0.44を超えるとプレス成型時に模様にひ
び割れが生じやすく、また成長が速く環境にやさしい樹
種を選ぶことが困難である。一方、比重が0.22未満
というように小さくなると、板材としての強度が不足
し、棺としても実用に耐える強度を持たせることが容易
ではない。なお、これらの樹種の比重は、ファルカタが
約0.27、桐が約0.32である。
【0023】ここで、軟質木材としては、上記の樹種で
製造された集成材やランバーコア合板であることが望ま
しい。集成材は、本発明の場合、ファルカタなどの挽き
材の端面同士を接着剤で接合することによって製造され
るものである。また、ランバーコア合板は、ファルカタ
などの集成材をコア材として、両面に、ファルカタなど
の薄くスライスされた単板を繊維方向が直交するように
2層ずつ張り合わせることによって製造されるものであ
る。したがって、これらの軟質木材は、反り等の変形が
起こりにくく、ベニヤ板に比べると接着剤の使用量が少
ないので、環境汚染に及ぼす影響が小さい。
【0024】板材の厚みは、上記のような軟質木材の場
合、13〜18mmが好ましく、15mm程度が実用上
もっとも好ましい。プレス成型模様は、底板を除く各面
に付けることができる。ただし、これらの面すべてに模
様を付ける必要はなく、模様を設ける面は、両方の側板
3、4のみ、側板3、4と天板2または前板5と後板6
等、任意に選ぶことができる。プレス成型で形成される
模様の種類は、通常彫刻で彫られる模様と同様な模様で
よい。その他、任意の模様を選ぶことができる。これら
の模様のうち、凸部の周囲の凹部には、梨地などの地模
様を付けることが望ましい。凹部に地模様を付けること
により、凸部をよりはっきりと浮き立たせることができ
る。
【0025】模様が形成された各板面には、模様の周囲
に平坦な枠部2a、3a、4a、5a、6aが設けられ
ている。これらの枠部2a〜6aの板厚方向の高さは、
プレス成型模様の凸部の頂部と同じかプレス成型模様よ
り高くなっている。すなわち、プレス成型模様の凸部の
頂部が、枠部2a〜6aより高くならないようになって
いる。枠部2a〜6aの方を高くするのは、製造過程ま
たは棺に組み立てられた状態で、模様がつけられた板面
が他の面と重なり合うか接触したときに、模様が損傷し
ないようにするためである。なお、枠部2a〜6aの幅
は、模様部と板材の大きさとのバランスを考慮して適度
な幅を選択すればよい。
【0026】図2に、プレス成型模様が形成された板材
の1例として、側板3の模式的な断面図を示す。図2に
示した例の場合は、板厚が15mm、枠部3aの幅が6
0mmで、枠部3aの表面は、模様の頂部3bより0.
4mm高くなるように設定されている。なお、模様の底
部3cは、枠部2a〜6aの面より1.5mm程度低く
なっている。
【0027】図3は、図1に示した本発明の実施の形態
に係るプレス成型模様付き棺に、さらに幕板を設けた例
を示す図である。幕板は、幕板9aのように、天板2の
外周部に設けてもよく、幕板9bのように、棺本体の底
部側外周部に設けてよい。もちろん、天板2と棺本体の
両方に設けてもよい。幕板9a、9bのサイズは、幅は
50mm程度がよく、長さは天板2の全周、棺本体の全
周とするのがよい。
【0028】上記の幕板9aと9bには、模様が形成さ
れていることが望ましい。幕板に形成されている模様
は、前述のプレス成型模様でもよく、その他の方法で形
成された模様でもよい。例えば、幕板用の基板の上に、
粘土のような細工が容易な材料で立体模様を付け、その
上に塗装を施して、高級感を持たせるように加工された
ものでもよい。
【0029】図4は、本発明のプレス成型模様付き棺に
係る実施の形態の別の例を示す図であり、天板の外周部
および棺本体の外周部のうちの少なくとも一方に、プレ
ス成型によって形成された彫刻風の模様を有する幕板2
9a、29bを備えた棺を示す図である。図4に示す棺
の場合には、天板22、側板23、24、前板25およ
び後板26にはプレス成型模様がなく、上記のように幕
板29a、29bにのみプレス成型模様が設けられてい
る。なお、図4に示した棺の幕板に形成されているプレ
ス成型模様は、図1を基に説明したプレス成型模様と同
じ態様でよい。
【0030】次に、実施の形態に係るプレス成型模様付
き棺の製造方法について説明する。図5は、プレス成型
によって板材に模様を形成する方法を説明するための模
式的断面図である。なお、この断面は、板材の長手方向
に直交する方向の断面である。プレス装置の下板(台
盤)10と上板11との間に、金型12、板材13およ
び補助板14を、図5に示す位置関係でセットする。プ
レス装置の下板10と上板11は堅固な台盤であり、こ
の間で板材13をプレスする。補助板14は、模様をプ
レス成型するだけの場合には、必ずしも必要ではない。
ただし、後に述べる金属箔付けを行う場合には、設けた
方がよいものである。
【0031】金型12の板材に向かい合う面12aに
は、模様が彫り込まれている。この金型12の幅は、模
様の幅に相当する。したがって、金型12の左右端部と
板材13の端部13aとの間の幅が、図2に示した枠部
(側板3の場合3a)となる。
【0032】板材13の長手方向(紙面に垂直方向)に
対応する金型12の長さは、模様の長手方向の長さの2
分割ないし3分割程度の複数に分割された長さとするの
が望ましい。金型12の長さを模様の長さの2分割ない
し3分割程度の長さとするのは、板材13を均一にプレ
スし、むらのない模様を形成することができるようにす
るためである。ただし、前板5、後板6に模様を形成す
る場合については、模様の長さが短いので金型を分割す
る必要はない。
【0033】金型のサイズとプレス回数との関係の1例
は、次のとおりである。なお、大きさは、幅×長さで表
示する。 側板(400×1800mm)の場合 金型(280×550mm)プレス2回+金型(280×340mm)プ
レス1回 天板(505×1805mm)の場合 金型(340×280mm)プレス1回+金型(340×550mm)プ
レス1回 前板、後板(470×400mm)の場合 金型(340×280mm):プレス1回 なお、図3に示した幕板9a、9bにプレス成型模様を
形成する場合にも、側板や天板の場合と同様に、長さ方
向で分割された金型を用いるのがよい。下板10と板材
13との間に鋼製の補助板を置く場合には、補助板の幅
は、金型と同じか、金型12より5%程度広い幅とする
のがよい。上記のような構成をしたプレス装置によっ
て、板材13に模様を形成する場合には、次の条件でプ
レス成型することが望ましい。
【0034】板材13は、成型性をよくするために、予
め加湿しておくことが望ましい。加湿は、板材13のプ
レス成型面13bに水を噴霧する程度でよく、プレス成
型に対して十分な効果が得られる。プレス成型部の含水
率で表すと、望ましい範囲は、14〜70質量%程度、
さらに望ましくは40〜50質量%である。含水率が7
0質量%を超えると表面に毛羽立ちが生じやすく、含水
率が14質量%未満の場合または板材13に水を噴霧し
ない場合には、加湿の効果が得られないため、板材13
に金型12の模様が正確に転写されにくい。
【0035】また、板材13のプレス成型性は温度が高
い方がいいので、板材13の温度が高い状態でプレス成
型できるように、金型12を160〜180℃程度に、
好ましくは170℃程度に加熱しておくことが望まし
い。金型12を加熱する方法の1例として、上板11の
内部に電気抵抗発熱体などを配置して上板11を加熱
し、上板11の熱を金型12に伝える方法がある。
【0036】このような条件に設定した後、前述のよう
に、長手方向の場合には、2〜3回に分けてプレスを行
う。プレスする際の圧力は、15〜25kgf/cm2
程度の範囲とするのがよく、20kgf/cm2程度が
もっとも望ましい。プレス圧が高すぎると、板材にひび
割れ等の欠陥が生じやすく、プレス圧が低すぎると、模
様が正確に転写されにくい。
【0037】プレス成型する際に、模様を金属箔で被覆
してもよい。金属箔には、金色の箔が用いられることが
多いが、例えば、金色に着色されたアルミニウム箔や金
の箔などが好適である。これらの箔で被覆する場合に
は、金属箔で被覆する位置に、板面側に接着剤が塗布さ
れた金属箔を予め配置しておき、その状態でプレス成型
を行えばよい。なお、接着剤は、金型12の熱により軟
化または溶融し、プレス成型後冷却されたときに高い接
着力が得られるような特性を持つものが望ましい。例え
ば、接着剤としては、塩化ビフェノール系の接着剤など
が好適である。
【0038】図1、図3および図4に示した態様の棺の
形に組み立てる場合には、プレス成型により模様が形成
された板材とその他の板材を組み合わせて、釘打ち、だ
ぼ継ぎ、印籠継ぎなどによって組み立てればよい。
【0039】
【実施例】側面2面および蓋面の3面にプレス成型模様
を有する棺を製造した。板材には、厚さ15mmのファ
ルカタで製造されたランバーコア合板を用いた。まず、
大きさ(幅×長さ)が、天板:505×1805mm、
側板:400×1800mm、前後板:470×400
mm、底板:470×1780mmの板材を準備した。
次に、模様を形成する側板2枚および天板に、霧吹きに
より約10cc/m2の水を噴霧することにより加湿し
た。
【0040】その後、これらの板材をプレス装置に配置
し、プレス成型により、側板には鳳凰と蓮花模様(模様
部の大きさ:280mm×1440mm)、天板にも鳳
凰と蓮花模様(模様部の大きさ:340×830mm)
を形成した。また、前板および後板には蓮花模様(模様
部の大きさ:280×340mm)を形成した。なお、
模様の凹部には、梨地形態の地模様を付けた。
【0041】プレス装置の構成は、図5に示したものと
同じである。また、下板10とプレスされる板材13と
の間に、幅と長さがプレス成型を行う金型12と同じ
で、厚みが4.0mmの鋼製の補助板14を使用した。
【0042】プレス成型の条件は下記のとおりである。
なお、プレス成型の際に分割数は、側板は3分割、天板
は2分割とした。 (1)金型の大きさ(幅×長さ)とプレス回数: 側板の場合 金型(280×550mm)プレス2回(各5秒間)+金型(28
0×340mm)プレス1回(3秒間) 天板(505×1805mm)の場合 金型(340×280mm)プレス1回(3秒間)+金型(340
×550mm)プレス1回(5秒間) 前板、後板の場合 金型(280×340mm)プレス1回(3秒間) (2)金型の温度:上板の内部にはニクロム線を配置し、
上板を加熱することにより、金型の模様部の温度が約1
70℃の温度になるように設定した。 (3)プレス成型圧力:21kgf/cm2 (4)金属箔被覆 被覆箇所:天板の幅340×長さ830mm部 金属箔:厚さ12μmの金色に着色されたアルミニウム
箔 金属箔の接着剤:塩化ビフェノール系接着剤 接着方法:天板の金属箔を被覆する位置に載置した状態
でプレス 上記の条件で、側板2枚および天板1枚に、プレス成型
により模様を形成した後、天板を除く側板、前後板およ
び底板を釘打ち、ダボ継ぎと接着などによって組み立て
た。
【0043】その結果、側板および天板に鮮明な立体感
のある模様を備えた、高級感のある白木の棺が得られ
た。また、金型を分割してプレス成型を行ったので、形
成された模様にむらがなく、手彫り彫刻に匹敵する模様
を形成することができた。さらに、金型を分割し小型化
したので金型の製造コストが安く、棺全体としても、手
彫りに比べて、製造コストを大幅に削減することができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るプレス成型模様付き
棺の全体を示す斜視図である。
【図2】プレス成型模様が形成された板材の1例とし
て、側板の模式的な断面図を示す図である。
【図3】図1に示した本発明の実施の形態に係るプレス
成型模様付き棺に、さらに幕板を設けた例を示す図であ
る。
【図4】本発明のプレス成型模様付き棺に係る実施の形
態の別の例を示す図であり、天板の外周部および棺本体
の外周部のうちの少なくとも一方に、プレス成型によっ
て形成された彫刻風の模様を有する幕板を備えた棺を示
す図である。
【図5】プレス成型によって板材に模様を形成する方法
を説明するための模式的断面図である。
【符号の説明】
1、21 棺 2、22 天板 3、4、23、24 側板 2a、3a、4a、5a、6a 枠部 3b 模様の頂部 3c 模様の底部 9a、9b、29a、29b 幕板 10 下板 11 上板 12 金型 13 板材 14 補助板

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】棺本体の側板、前板および後板ならびに天
    板のうちの少なくとも1つの表面に彫刻風の模様を有す
    る棺であって、該棺を構成する板材が軟質木材板であ
    り、前記模様がプレス成型によって形成されており、該
    模様が形成された前記軟質木材板は、表面周縁部に平坦
    な枠部を有し、前記模様の高さが前記平坦な枠部の高さ
    以下であることを特徴とするプレス成型模様付き棺。
  2. 【請求項2】前記軟質木材板の比重が、0.22〜0.
    44であることを特徴とする請求項1に記載のプレス成
    型模様付き棺。
  3. 【請求項3】前記軟質木材板の樹種が、ファルカタまた
    は桐であることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載のプレス成型模様付き棺。
  4. 【請求項4】前記軟質木材板が、集成材またはランバー
    コア合板であることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かの項に記載のプレス成型模様付き棺。
  5. 【請求項5】前記模様の表面の少なくとも一部が、金属
    箔で被覆されていることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかの項に記載のプレス成型模様付き棺。
  6. 【請求項6】前記模様の凹部に地模様を有することを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載のプレス成
    型模様付き棺。
  7. 【請求項7】前記棺本体の外周部と前記天板の外周部の
    うちの少なくとも一方に幕板を備えていることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれかの項に記載のプレス成型模
    様付き棺。
  8. 【請求項8】前記幕板に彫刻風の模様が形成されている
    ことを特徴とする請求項7に記載のプレス成型模様付き
    棺。
  9. 【請求項9】棺本体および天板で構成された棺におい
    て、前記棺本体および天板を構成する板材が軟質木材板
    であり、かつ前記棺本体の外周部および前記天板の外周
    部のうちの少なくとも一方に、プレス成型によって形成
    された彫刻風の模様を有する幕板を備えていることを特
    徴とするプレス成型模様付き棺。
  10. 【請求項10】プレス成型模様を形成する板材を加湿す
    る加湿工程およびプレス装置に、前記プレス成型模様を
    形成する板材を配置し、加熱された金型で該板材をプレ
    スし、該板材に模様を形成するプレス成型工程を含むこ
    とを特徴とするプレス成型模様付き棺の製造方法。
  11. 【請求項11】前記プレス成型工程において、天板、側
    板および幕板のうちの少なくとも1つを、長さ方向に分
    割された複数の金型により、複数回に分けてプレス成型
    することを特徴とする請求項10に記載のプレス成型模
    様付き棺の製造方法。
  12. 【請求項12】前記プレス工程において、模様の少なく
    とも一部に金属箔を被覆することを特徴とする請求項1
    0または請求項11に記載のプレス成型模様付き棺の製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019177363A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 日本無機株式会社 エアフィルタ
RU2783543C1 (ru) * 2022-06-07 2022-11-14 Давид Симонович Навасардян Установка для изготовления древесно-стружечного гроба

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