JP2003188640A - レンズアンテナ装置 - Google Patents

レンズアンテナ装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ルーネベルグ型アンテナの一種として半球レ
ンズと反射板を組合わせて放射器に電波を集束して受信
することにより装置を小型、コンパクト化すると共に、
静止衛星だけでなく周回衛星からの入射角の大きい電波
をも利得が減少しないように受信し得るレンズアンテナ
装置を得る。 【解決手段】 レンズアンテナ装置Aは、ベース板11
上に反射板13と、誘電材料を積層した半球レンズ14
とを回転自在に設け、レドーム17で全体を保護し、ガ
イドレール15に沿って任意の位置に移動できる放射器
16a、16bを有するレンズアンテナ本体10と、基
台21上に任意の方向へ反射板13を傾斜できる反射板
支持手段20とを備え、反射板13を傾斜させることに
より衛星からの電波の入射角を所望の範囲に調整自在と
したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、球体レンズを用
いて電波ビームを集束させることができ、衛星通信シス
テム等に利用されるレンズアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ルーネベルク型アンテナのような誘電体
を用いた球体レンズにより電波ビームを焦点位置に集束
させ、集束位置に置かれた放射器を介して電波の送受信
を行なうのに使用される誘電体レンズアンテナ装置が種
々提案されている。このようなレンズアンテナ装置は、
任意の方向からの電波に対し、その集束位置に放射器を
移動させるだけで送受信ができるため、パラボラアンテ
ナ装置のように全体を回転駆動させる必要がなく、装置
の小型化、コンパクト化に適するという利点を有する。
【0003】このようなレンズアンテナ装置の一例とし
て、特表平6−504659号公報の「アンテナ装置」
が公知である。このアンテナ装置は、電磁波を受信、送
信するためのレンズ及びフィード線を備え、フィード線
がヘリカルコイルから形成されたものであり、異なる方
向からのマイクロ波の電磁波信号を受信するためのコン
パクトなアンテナ装置として提案されたものである。こ
の場合、半球レンズを用いればアンテナ装置はより小さ
くなり、製造コストが減少する。又、開口ブロッキング
を減少させることにより受信効率を向上させ、必要なフ
ィーダケーブルの長さを減少させることができるとされ
ている。
【0004】他の例として、特表平7−505018号
公報の「アンテナ用誘電体材料技術」の発明が公知であ
る。この公報は、誘電体レンズアンテナの製造方法及び
そのアンテナ装置について開示している。誘電体レンズ
を製造する方法は、送受信される電波の波長より小さい
直径の中空の球形の誘電体ビースを互いに接合してレン
ズ材料を形成し、生成される材料の誘電体定数を一定又
は可変としたというものである。そして、この方法によ
って生成された材料を用いて形成されるアンテナ装置
は、上記材料による誘電体レンズに反射板を組合わせ、
その反射板がレンズ境界の外側に延びていることを特徴
とするというものである。
【0005】上記アンテナ装置の詳細な説明の欄では、
上記反射板がレンズ境界の外側に延びているアンテナ装
置は、バーチャルレンズアンテナとして説明されてお
り、このようなバーチャル誘電体レンズアンテナは、反
射板に垂直でない入射角度を持つ場合、その利得のロス
が減少するという利点を有しているとされ、反射板延長
部の長さl=Rx((1/cos(be))−1)によ
り長さを求めることを示している。又、これによって電
波を受信する際の一次放射器については、レンズ境界の
外側のアンテナを使用すると、装置はさらにいくつかの
方向から電波を受信するのにフレキシブルとなり、これ
はフィード線(給電線)がより大きな物理的セパレーシ
ョンを持ち、そして開口ブロックを生じないからである
とされている。
【0006】一方、本出願人の1人は、この出願に先行
して特願2001−25732号の出願で上記2つの特
許公報による原理的なアンテナ装置を半球レンズを用い
て具体化したものとして、電波ビームを集束する球体レ
ンズを二分してなる半球レンズと、この半球レンズが断
面側で載置され天空側からの入射電波を反射する電波反
射板と、半球レンズの任意の電波集束点位置に配置され
電波ビームを形成するアンテナ素子を備える放射器と、
半球レンズのアジマス軸周りに放射器の位置を調整して
電波ビームの方位角を制御する方位角調整手段と、半球
レンズのエレベーション軸周りに放射器の位置を調整し
て電波ビームの仰角を制御する仰角調整手段とを具備す
るレンズアンテナ装置について提案した。
【0007】このレンズアンテナ装置は、レンズ部分の
小型軽量化により装置全体の小型軽量化を図り、かつレ
ンズ部分の取扱い、製作、組立が容易な構成のレンズア
ンテナ装置を提供することを目的として提案されたもの
であり、半球レンズを使用して静止衛星からの電波を集
束し、電波反射板により反射して半球レンズの入射側と
は逆側の側方周面における焦点に配置した放射器により
受信可能とし、逆に放射器からの電波ビームを静止衛星
に指向できるようにしたものである。半球レンズを使用
しているため、従来の球体レンズに比して大きさ、重量
が約半分となり、装置全体の小型軽量化を実現してい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記第1の
公報のレンズアンテナ装置は原理的なものであり、半球
レンズを用いる形式の場合も反射板はレンズより延長さ
れていないため受信効率は低い。第2の公報、第3の先
願のレンズアンテナ装置は、入射角が大きい場合(>8
0deg)指向性に乱れが生じ利得が低下するという問
題がある。これらのレンズアンテナ装置は、地上に反射
板を水平にして設置固定されると、入射角が大きい場
合、反射板に反射されて半球レンズに入射する電波のう
ち反射板の端面近傍を通る電波が多くなり、焦点へ向う
電波の集束角度が大きくて指向性に乱れが生じるが、反
射板を半球レンズに対し傾けることができないためその
影響を除去することができないからである。
【0009】従って、有効な利得を得るためには、レン
ズ径に対して大きな径の反射板が必要であり、コンパク
ト化ができない。レンズ直径をRmm、電波の入射角を
θdegとすると、理論上R/cosθの反射板が必要
であり、特に入射角の大きい電波に対する使用を考慮す
る場合、かなり大きな反射板が必要となり嵩張って使用
上不便である(図8の(a)図参照)。
【0010】一方、入射角が小さい場合、図8の(b)
図に示すように、放射器の影の影響が出るため、利得が
下るという不利がある。放射器の半球レンズの周面上で
の位置は、入射角とこれを反射する反射板との関係で決
まり、反射板を傾斜できないため、放射器の位置を影響
の出ない位置へ移動させることができないからである。
このため、利得が大幅に低下するという問題がある。
【0011】この発明は、上記の種々の問題に留意し
て、ルーネベルグ型アンテナの一種として半球レンズと
反射板を組合わせて放射器に電波を集束して受信するこ
とにより装置を小型、コンパクト化すると共に、静止衛
星だけでなく周回衛星からの入射角の大きい電波をも利
得が減少せずに受信し得るレンズアンテナ装置を提供す
ることを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決する手段として、誘電体材料で半球体を形成して
電波ビームを収束するようにした半球レンズと、電波ビ
ームを反射するように半球レンズの切断面に対して設け
られ半球レンズ径より所定寸法大径の電波反射板と、電
波ビームを送受信するアンテナ素子を有し半球レンズの
電波収束位置に移動自在に配置される放射器とを備え、
電波反射板を任意の方向へ傾斜自在に支持する反射板支
持手段を設けて反射板の傾斜角を調整し、半球レンズへ
の入射角が所定の角度範囲内となるようにしたレンズア
ンテナ装置としたのである。
【0013】上記の構成としたこの発明のレンズアンテ
ナ装置は、建物の屋根や側面(壁、ベランダ等)等地上
固定物に設置されるだけでなく、自動車や船舶、航空機
のような移動体に搭載して利用され、静止衛星や周回衛
星などの人工衛星との間で電波を送受信する。なお、人
工衛星との間の電波は主として受信の態様について表現
し、説明するが、送信についても同様に適用される。こ
の場合入射角などの用語は送信の態様の用語に必要に応
じて読み替えるものとする。地面に反射板を平行に設置
した際の電波の入射角が、中入射角である場合は、反射
板を傾斜させることなく電波を送受信する。
【0014】電波は半球レンズの外周面に到達したもの
だけでなく、反射板の半球レンズ外の延長部で反射して
半球レンズに到達するものを含めて半球レンズ内に入射
され、半球レンズではその積層状の誘電材料の誘電率が
層位置で異なることにより進行方向が変化して一点に集
束され、その集束点である焦点に放射器を移動、配置す
ることにより電波を放射器に設けられているアンテナ素
子により送受信する。このため、送受信される電波は利
得が大きい感度のよい状態で送受信される。
【0015】人工衛星が地上の真上に来ると入射角が小
さくなり、この低入射角の場合、焦点位置も半球レンズ
の真上に近い位置となるため、この焦点に放射器を移
動、配置すると、放射器が半球レンズへ到達する電波の
一部領域内に入ることとなり、このため放射器の影の影
響により利得が大きく減少する。そこで、この場合は反
射板を電波の入射する方向に向って上向きに傾斜させ
る。反射板は、反射板支持手段によって所定の角度傾斜
させ、相対的に反射板に対する入射角が大きくなるよう
に傾斜角を調整する。このような調整をすると、放射器
が入射される電波の領域外に位置し、このため放射器の
影の影響を受けなくなり、利得の減少が生じないため、
高い利得が得られる。
【0016】人工衛星が低い位置に来ると入射角が大き
くなり、この高入射角では焦点位置も半球レンズの低い
位置に来るが、反射板を水平のままでは半球レンズ外の
反射板の延長部の外縁付近で反射される電波は半球レン
ズの最大径付近で半球レンズ内に入射され、指向性が乱
れる。このため、反射板を傾斜させて反射板の延長部で
反射される電波を含めて相対的に入射角が小さくなるよ
うに調整すると、延長部の外縁付近で反射されていた電
波は半球レンズに近い位置で反射され、指向性の乱れが
減少する。従って、反射板の大きさは従来と同じく小さ
いままで指向性の乱れがなく有効に焦点位置に集束さ
れ、利得が増大する。
【0017】上記のレンズアンテナ装置は、上述したよ
うに、電波反射板を地面に平行な水平に設置して使用す
るのが一般的であるが、建物等の壁に垂直に設置し、壁
掛け形式で使用することもできる。この場合、人工衛星
が低い位置、中間高さ位置、高い位置のいずれかの位置
で電波が半球レンズに入射される時の入射角の大小と人
工衛星の高さ位置との関係が上記一般的な使用状態の場
合とでは逆になる。しかし、人工衛星の位置が高過ぎる
位置、又は低過ぎる位置であっても、それぞれの場合に
反射板を傾斜させて放射器を移動させ、電波の送受信利
得が最大となるように調整することは一般的使用の場合
と同様に行なわれる。
【0018】
【実施の形態】以下、この発明の実施の形態について図
面を参照して説明する。図1は第1実施形態のレンズア
ンテナ装置Aの一部破断した外観斜視図である。図示の
レンズアンテナ装置Aは、ルーネベルク型と呼ばれるレ
ンズアンテナ装置の一種でありレンズアンテナ本体10
と、この本体内に設けられた反射板を二次元方向の任意
の向きに傾斜自在に支持する反射板支持手段20とを備
えている。レンズアンテナ本体10は、先の特許出願で
ある特願2001−025732号の第1実施形態のレ
ンズアンテナ装置と基本的に同じであるが、以下その構
成について簡単に説明する。
【0019】レンズアンテナ本体10は、後で説明する
反射板支持手段20の可動支持部材に固定される円形の
ベース板11と、このベース板11上にAZ軸(アジマ
ス軸)の周りに回転自在に取付けられた回転台12に固
定され、ベース板11と略同径の円盤状の電波反射板1
3と、AZ軸に中心を一致させて反射板13上に固定さ
れる半球レンズ14と、ガイドレール15に沿って自走
する第1と第2の放射器16a、16bと、上記反射板
13、半球レンズ14を覆うようにベース板11に固定
して設けられたキャップ形覆部材であるレドーム17と
を備えている。
【0020】図2に示すように円形のベース板11上に
設けた回転台12は、中心部に設けた短い突出軸12a
に軸受を設け、この軸受を介して回転台下面に設けたハ
ブ12bを突出軸12aに回転自在に嵌合することによ
って支持されている。この回転台12に固定された反射
板13は、理想的には無限大に広がる平面であることが
望ましいが、実際にはアンテナ特性(利得、サイドロー
プ等)の許容範囲からその大きさが決定される。反射板
13上に固定された半球レンズ14は、球体レンズをそ
の球中心を通る面で2分割したものであり、反射板がそ
の分割面に接して配置されるため実質的には球体レンズ
として取り扱うことができる。
【0021】ルーネベルグ型のレンズアンテナ装置に用
いられる電波レンズは、複数の内外径が異なる半球殻で
1つの球として構成される球形の電波レンズであり、そ
れぞれの半球殻の各層の誘電材料の比誘電率が、 εr=2−(r/R)2 に従うように設定されたものである。ここでεrは比誘
電率、Rはこのレンズの最外径、rは各層のレンズ中心
からの距離を示す。
【0022】このような球体レンズは、球状誘電体レン
ズとも呼ばれ、同心の球面に誘電体が積層されて構成さ
れ、これを通過する略平行な電波を1点に集束させるこ
とができ、一般に積層される誘電体の各誘電率は、外側
にいく程低くなっている。誘電材料とは常誘電性、ある
いは強誘電性、若しくは反強誘電性を示し、かつ電気伝
導性を有さない材料である。これについては後で説明す
る。
【0023】上記半球レンズ14の外周に設けられたガ
イドレール15は、EL軸(エレベーション軸)15
a、15bを中心に回転自在に支持されており、図示し
ないEL軸回転駆動機構により回転駆動される。このE
L軸回転駆動機構は、放射器16a、16bへ集束され
る電波を受信する際の半球レンズ14内での電波に対す
る仰角を設定するための手段である。EL軸15a、1
5bはその軸中心高さが反射板13の表面に一致する位
置で、互いに対向して設けられ、ガイドレール15を半
球レンズ14に沿って180°に亘って回転させること
ができる。
【0024】EL軸回転駆動機構は、EL軸15aの直
ぐ下方で回転台12に取付けた支持部15c上にモータ
を設け、その出力軸の回転をプーリ、ベルトにより伝達
してEL軸15aを正、逆両方向に回転させるように構
成されている。ガイドレール15に沿って自走する第
1、第2の放射器16a、16bには自走駆動機構が設
けられている。
【0025】前述したように、回転台12はベース板1
1に対し回転自在に設けられているが、この回転台12
と反射板13、半球レンズ14、ガイドレール15をA
Z軸を中心に回転駆動するAZ軸回転駆動機構が設けら
れている。AZ軸回転駆動機構は受信される電波の方向
へ放射器を合せるための方位角設定手段として設けられ
るものである。このAZ軸回転駆動機構は、回転台12
の直径より少し大きい径の円環状の溝11aをベース板
11に設け、溝11a内にリング状のラック11bを取
付けてこれに係合するピニオン11cを図示しないモー
タで回転駆動するように構成されている。
【0026】モータは、EL軸15bの下方で回転台1
2の外周に取付けた支持部15d内に設けられ、その出
力軸がピニオン11cを回転駆動する。この駆動機構で
は、ラック11bはベース板11に固定されているた
め、モータでピニオン11cが回転されると、ピニオン
11cと回転台12とが一緒に、ベース板11上の突出
軸12aを中心にして回転することとなる。ベース板1
1の突出軸12aとこれに嵌合するハブ12bの回転軸
接合部の内部にはロータリジョイント12cが設けら
れ、このロータリジョイント12cを介してベース板1
1と回転台12との間の電気的接続が行なわれる。
【0027】この電気的接続により、放射器16a、1
6bへの電波供給、送受信信号の入出力、AZ軸回転、
EL軸回転、放射器自走のための駆動制御信号、モニタ
信号等の送受を行うことができる。なお、図示省略して
いるが、ベース板11上の適宜位置には電源装置や駆動
制御/信号処理のための制御装置が設けられ、回転台1
2の適宜位置には放射器への給電、送受信信号の周波数
変換を行うU/D(アップ/ダウン)コンバータが設け
られている。放射器16a、16bは電波ビームの送受
信を担うアンテナ素子とその電波ビームの処理をする電
子回路を本体部内に有し、電子回路はU/Dコンバータ
に接続されている。本体部は取付けられているモータの
回転をガイドレールに沿って設けたラックへ伝達して自
走する機構を有する。
【0028】前述した半球レンズ14の誘電材料、反射
板13、レドーム17、ベース板11の材料については
次の通りである。上記誘電材料については一般的には合
成樹脂又は合成樹脂の発泡体が用いられ、それらに酸化
チタン、チタン酸アルカリ土類金属塩を充填したもので
もよい。なお、発泡体は上記合成樹脂、あるいは樹脂組
成物に気体を発生する発泡剤を添加し、加熱により分解
して窒素等の所望の形状を持つ金型中にて発泡させる化
学発泡法により形成してもよい。
【0029】あるいは、揮発性発泡剤を含浸させたペレ
ット状の上記合成樹脂、あるいは樹脂組成物をあらかじ
め金型外で予備発泡させ、所望の形状を持つ金型中に充
填した後水蒸気等で加熱して再度発泡させると同時に隣
接するビーズ相互を融着させるビーズ発泡法でもよく、
そのどちらを用いて形成してもよい。
【0030】反射板については、金属であれば何でもよ
いが、重量、コストの面からアルミニウム板が望まし
い。又、樹脂板、発泡体板、FRP板の表面に薄い金属
板を貼り付けたものでもよく、それらの表面を金属でメ
ッキしたものでもよい。波長に対し十分小さい孔が開い
た金属板や、波長に対し十分小さい間隔になるように張
り巡らせたメッシュ状の金属でも使用することができ
る。但し、これらの金属表面は電波的に平滑であること
が必要で、又面自体が平らであることが必要であって、
撓みや反りがあってはならない。
【0031】又、レドームは良好な電波透過性を有し、
かつ風雨等外環境よりアンテナ装置を保護でき耐候性の
ある材料であれば基本的には何でもよい。レドームの合
成樹脂の種類としては耐候性のある材料であれば基本的
には何でもよいが、誘電損失の低さの点から、ポリエチ
レン、ポリスチレン、ポリプロピレン等の炭化水素系熱
可塑性合成樹脂を用いるのが望ましい。
【0032】以上がレンズ本体10の概略構成であり、
次に上記レンズ本体10に取付けられる反射板支持手段
20について説明する。この反射板支持手段20は、短
い円柱状の基部21と、その頂部の凹部21aに摺動回
転自在に嵌合し、反射板11を支持する半球状の支持半
球部22と、平面視で互いに所定角度の間隔で設けられ
支持半球部22を任意の角度方向に傾斜させるための複
数組(図示の例では3組)の引張手段23とを備えてい
る。
【0033】支持半球部22は、反射板11を傾斜させ
る際に凹部21aに対しスムースに傾斜できるよう、例
えば半球部22に多数の溝を設けておき、その溝内に含
まれる潤滑油により回転をし易い構成とする。又、支持
半球部22はその分割平面を反射板11に接して設けら
れている。引張手段23は、基部21に取付けた軸受2
4aを介して回転自在な回転支持部24上に設けられて
おり、モータ25の出力軸の回転を回転伝達部25aで
これにねじ係合するねじロッド25bに伝達し、このね
じロッド25bが回転伝達部25aから突出、後退する
ことによりねじロッド25bの先端が係合する連結部材
26を介してベース板11を傾斜させる。
【0034】ねじロッド25bの先端は連結部材26の
長穴を介してねじロッド25bを傾斜自在となるように
連結部材26に連結されている。なお、図3の(a)図
では引張手段23は、左右に対向して図示しているが、
実際には(b)図に示すように、所定の角度(図示の例
では120°)を置いて設けられている。又、回転支持
部24は基部21に対し回転自在であるが、使用の際は
基部21に対し回転を止め、固定するために固定手段2
7が回転支持板24の適宜位置に設けられている。この
固定手段27は、ねじボルトを座にねじ係合させ、その
先端を基部21に当接させて回転を止める形式である
が、回転を止め得るものであれば他のどんな形式のもの
でもよい。
【0035】上記の構成とした実施形態のレンズアンテ
ナ装置は、建物の屋根や側面(壁、ベランダ等)等地上
固定物に設置されるだけでなく自動車、航空機、船舶の
ような移動体に搭載して電波の送受信に使用される。
又、このレンズアンテナ装置は、静止軌道上の通信衛星
(以下、静止衛星と呼ぶ)だけでなく周回軌道上の人工
衛星(以下、周回衛星と呼ぶ)との間でも通信を行なう
ことができ、その際の地上局のアンテナ装置として利用
される。なお、この第1実施形態及び後で説明する第2
実施形態のいずれにおいても人工衛星との電波は受信の
態様を中心に説明するが、送信の態様にも同様に適用さ
れる。送信の場合は、必要に応じて送信の態様の用語に
読み替えるものとする。
【0036】静止衛星が地上の高い位置に静止してその
電波を受信する場合(又は電波を送信する場合)、図4
の(a)図に示すように、反射板13を水平状態に保持
したまま中入射角で電波が受信される。
【0037】静止衛星からの電波は、半球レンズ14の
側方周面から入射されるが、互いに平行な入射電波ビー
ムは半球レンズ14内では図中の点線で示すように電波
反射板13によって反射され、その後半球レンズ14を
構成する誘電材料の内外の誘電率の違いによって進行方
向が曲げられ一点へと集束する。この電波ビームの集束
位置、即ち焦点には放射器16を配置し、これにより静
止衛星からの電波を受信することができる。この場合、
電波の到来する方位角、入射角は予め測定により算出し
て放射器16が焦点位置に来るように調整しておくもの
とする。又、反射板13の直径は半球レンズ14の直径
より所定長さだけ大きく設定されているから、半球レン
ズ14の外で反射板13に反射された電波が半球レンズ
14に当るとこれも半球レンズ14内に入射され、この
ため電波は高利得で受信される。
【0038】なお、第1実施形態のレンズアンテナ装置
は、複数の静止衛星からの電波を受信できるようにする
ため、2組の放射器16a、16bを設けているが、図
4を参照した作用の説明では理解を容易とするためその
うちの一方のみを代表させて放射器16として示してい
る。従って、もう一方の放射器は、一方の放射器による
受信作用に影響しないように一方の放射器での電波の受
信領域外に退避させているものとして図示を省略してい
る。又、説明の都合上、静止衛星からの受信として作用
を説明したが、周回衛星からの電波であっても、その周
回衛星が地上の高い位置にあり、中入射角で電波を受信
する場合も同じであることは言うまでもない。
【0039】図4の(b)図に示すように、静止衛星が
さらに高い位置となり、電波の入射角が低入射角(20
°以下)になると、このレンズアンテナ装置では反射板
支持手段20の駆動により反射板13を傾斜させる。こ
のとき、この傾斜角は受信する電波の入射角が少なくと
も20°以上、好ましくは45°以上の中入射角となる
ように設定する。このような傾斜角を設定する場合、反
射板13が水平状態の場合の入射角を方位角と共に測定
し、入射角が上記中入射角となるように反射板支持手段
20の複数組の引張手段23の引張長さをそれぞれ適宜
駆動して調整し、反射板13の入射電波側縁を上向きに
傾斜させる。
【0040】上記反射板13の傾斜調整をすると、この
ような傾斜調整をしない場合は1次放射器16が電波の
受信経路内に位置するため放射器16の影の影響により
利得が低下するのに対して、1次放射器16が電波の受
信領域外へ設定されるため、利得の減少が小さくなり、
利得を最大限に確保できる。
【0041】図4の(c)図に示すように、電波の入射
角が高入射角(80°以上)になるとこの高入射角を解
消する方向へ反射板13を傾斜させる。この場合は、反
射板13の傾きは低入射角のときと逆方向に引張手段2
3により調整する。このような調整は、高入射角に近い
静止衛星からの電波を受信する際に、又周回衛星からの
電波を受信する場合や赤道近くで使用する場合に必要と
なることがある。このような場合、上記高入射角を解消
するように反射板13を傾斜させるが、その際入射角が
80°以下、好ましくは60°以下となるように傾斜角
を調整する。又、この場合も方位角を含めて調整するこ
とは勿論である。
【0042】上記調整では、反射板13が水平状態で入
射角が20°〜80°の領域外であれば、反射板13の
傾斜角を調整して20°〜80°以内、好ましくは45
°〜60°の範囲内に入るようにするが、反射支持手段
20の傾斜設定手段である引張手段23が上記の調整角
度内に反射板13を傾斜させるに必要な調整ストローク
を有する構成の機構であることは言うまでもない。又、
上記実施形態では半球状の支持部材を有する反射板支持
手段20を示したが、例えば下端に脚部を有する短い支
持ポストの上端に球状の連結部材を有する自在継手を設
け、支持ポストからベース板11に対し引張手段を連結
するような形式など、反射板支持手段2としては種々の
他の形式のものを採用することができる。
【0043】なお、反射板13の径は半球レンズ14の
直径Rに対し理論上R/cosθであるが、この場合入
射角θは、中入射角の最小値20°を限度として設定さ
れるものとし、これに基づいて反射板13の径は半球レ
ンズ14より所定寸法大径とされている。
【0044】図5に第2実施形態のレンズアンテナ装置
の外観斜視図を示す。図示のレンズアンテナ装置Bも、
ルーネベルク型と呼ばれる形式の1つであり、第1実施
形態が2つの静止衛星、周回衛星を対象として2つの放
射器16a、16bを設けているのに対し、この実施形
態は1つの衛星を対象とし、従って放射器16を1つだ
け備え、壁掛け形として使用するのに適した形式のもの
である。但し、その基本的な構成は第1実施形態と共通
部分も多く含まれており、共通の構成部分については同
じ符号を使用し、以下では異なる構成部分について主と
して説明する。
【0045】図示のように、このレンズアンテナ装置B
は、円形のベース板11、回転台12、電波反射板1
3、半球レンズ14、ガイド板15’、1つの放射器1
6、レドーム17を備えている。ガイド板15’、1つ
の放射器16以外の上記基本構成部材は、第1実施形態
と同じである。ガイド板15’は、レドーム17の内面
に斜めに設けたガイドレール15と協働して放射器16
の位置を半球レンズ14に対し任意の角度位置に移動し
設定する案内支持部材である。なお、ベース板11に対
し回転台12は図示しない軸受を介して回転自在に設け
られている。又、回転台12に対して設置されるレドー
ム17は、一定範囲で回転自在に装着されている(図示
省略)。
【0046】ガイド板15’は、半球レンズ14に沿っ
て湾曲した支持板として形成され、その上端寄りに長穴
(スリット)15aが設けられている。この長穴15a
に放射器16がスライド自在に装着されており、放射器
16はアンテナ素子16a、スライド部材16b、PO
L調整部16c、ピン16dから成る。POL調整部1
6cは、送受信電波の偏波角度(POL)を調整する部
材である。ピン16dは斜め方向に設けられたガイドレ
ール15の2つのレール間に嵌合しており、このためレ
ドーム17を回転台12に対しAZ軸の周りに回転させ
ると、ガイドレール15に沿ってピン16dが移動し、
従って放射器16がガイド板15’の長穴15a内で半
球レンズ14の周面に沿って移動する。
【0047】放射器16のPOL調整部16cにはPO
L伝達フレキシブルケーブル16fが接続されており、
その他端はPOL調整ダイヤル16gに接続されてい
る。POL調整ダイヤル16gは図示しない外部の送受
信装置と接続されており、このダイヤルを回すことによ
り偏波軸を任意の角度に調整できるようにしている。1
8aは、可搬用の取手、18bは方位磁石、18cは水
準器、18dは回転台12の回転をロックするロック部
材、18eはEL軸調整用目盛りである。又、17aは
EL軸周りの回転を止めるためのロック用ノブであり、
レドーム17と回転台12との接合部に設けられてい
る。
【0048】上記レンズアンテナ装置Bは、壁掛け形式
として使用できるようにするため、図6の(a)図に示
すように、ベース板11の裏面には反射板支持手段2
0’が設けられている。この反射板支持手段20’は、
ボール軸21’とこれを回転自在に嵌合支持する軸受部
材22’、及び反射板の支持角度を所定の範囲内に調整
するための角度調整部材23’とから成る。ボール軸2
1’は、軸端がベース板11の裏面に固定して設けら
れ、他端をボール状に形成されている。軸受部材22’
は、上記ボール端を受入れる球状の凹部を有し、そのフ
ランジ部にボルト等を通して建物の垂直壁に取付けでき
るように形成されている。
【0049】角度調整部材23’は、図示の例ではベー
ス板11に120°ずつの間隔で3箇所に設けられ、そ
れぞれはロッドの基部がベース板11に固定して取付け
られ、長さが所定の範囲で調整でき、先端が球状に形成
されて成る。ロッド長さの調整は、ロッドを中空ロッド
内にねじ溝を設け、これにねじ係合するねじロッドを嵌
合させた二重ロッドとし、ねじロッドを中空ロッドから
突出、引込んで行なうようにする。ねじロッドの先端の
球状部を受止める受部材を建物壁部に設けるのが好まし
い。
【0050】上記の構成とした第2実施形態のレンズア
ンテナ装置Bは、衛星との間の電波を放射器16で送受
信する基本作用は第1実施形態と同じであり、電波の送
受信を高利得で行なうことができるように放射器16を
衛星の位置に応じて最適の状態、位置に設定することは
前述した通りである。なお、この実施形態は壁掛け式で
用いられることを前提としたものであるが、その場合入
射角に対する衛星の位置が通常の使用状態と異なること
となるので注意する必要がある。
【0051】図6の(b)図に(イ)壁掛け状態と、
(ロ)通常状態での入射角の衛星に対する意義の相違を
示している。この図では(イ)、(ロ)のどちらの状態
でも、入射角は半球レンズ14の半球面の中心を通る中
心線CLと衛星から入射される電波の成す角度を入射角
として示している。従って、上記中心線CLは(イ)で
は水平線、(ロ)では垂直線であり、この中心線CLと
成す角度が入射角である。このように入射角を定義する
と、低入射角、中入射角、高入射角のそれぞれに対応す
る衛星の高さの関係が通常状態に対して壁掛け状態では
全く逆になる。即ち、(イ)では低入射角で衛星は低い
位置に、高入射角で高い位置にあり、(ロ)では低入射
角で衛星は高い位置に、高入射角で低い位置にある。
【0052】以上のように定義した入射角で、レンズア
ンテナ装置Bをそのベース板11が垂直な壁に沿って垂
直な状態に設定したままでも十分衛星との間で電波の送
受信ができる。この場合、反射板13も当然垂直状であ
るが、回転台12を回転させて電波の方位角に放射器1
6が対応するように方位角の調整をし、かつ回転台12
に対してレドーム17を回転させて半球レンズ14の焦
点位置に放射器16が位置するように放射器16の位置
調整をする。
【0053】しかし、周回衛星や外国などで入射角が2
0°以下、又は80°以上の領域外で送受信する場合
や、又入射角は設定値内であるが、入射角が高又は低入
射角に近い場合にその入射角を45°〜60°の最も電
波の送受信状況が良い方向となるようにしたい場合に
は、反射板13を複数組の角度調整部材23’のいずれ
か又はそのいくつかを用いて傾斜させて入射角の調整を
することができる。
【0054】上記の入射角の調整のため反射板13を傾
斜させる場合、複数組の角度調整部材23’のロッド長
さを必要に応じて伸縮させれば、ボール軸21’のボー
ル中心点を通る垂直軸、直交する2つの水平軸(仮想
軸)の周りに3次元方向に傾斜ができ、それぞれの電波
に対し最も有効な入射角の範囲内に調整できることは第
1実施形態と同様である。
【0055】以上は、壁掛け方式のレンズアンテナ装置
Bとして使用することを前提としたが、このレンズアン
テナ装置Bは水平台の上に水平な状態に設置して通常の
状態で使用することも、詳しく説明するまでもなく、可
能である。又、この実施形態の反射板支持手段20’を
第1実施形態の反射板支持手段20に代えて取付けれ
ば、第1実施形態のレンズアンテナ装置Aを壁掛方式の
装置に転用することもできる。
【0056】さらに、第2実施形態のレンズアンテナ装
置Bは、1つの静止衛星との電波の送受信を行なう装置
であることを前提として説明したが、これを複数(例え
ば4〜5個)の静止衛星との通信に使用できるような構
成とすることもできる。静止衛星は互いに接近した位置
にあるとすると、レンズアンテナ装置Bの反射板13上
に上記ガイド板15’と同じ複数(3〜4個)のガイド
板15’を隣接して設け、各ガイド板15’に放射器1
6をそれぞれ設け、各個々の静止衛星に対応させればよ
い。但し、レドーム17の内面にも対応して斜めのガイ
ドレール15をそれぞれ設けるものとする。
【0057】なお、上記第1、第2実施形態のいずれも
静止衛星は勿論、周回衛星との間の電波の送受信にも使
用されるが、この場合は周回衛星に対しその位置を検知
して一次放射器を移動させて追従させるようにしている
(詳細は省略)。
【0058】
【実施例】(例1)上記第2実施形態のレンズアンテナ
装置Bを試作し、図6の(b)図(ロ)に示す状態に設
置して電気特性の評価を実施した。アンテナの位置に対
し入射角が常に45〜60°となるようにして評価した
ところ次のような結果が得られた(図7に■印で示
す)。 反射板13:直径640mm 半球レンズ14:直径450mm レンズ層数:8 図7のグラフからわかるように、アンテナがどの位置に
あっても最大(MAX)ゲインが得られる上、アンテナ
としてかなりコンパクトにすることができた。
【0059】(例2)上記第2実施形態のレンズアンテ
ナ装置Bを試作し、図6の(b)図(ロ)に示す状態に
設置して電気特性の評価を実施した。反射板の移動角が
最小となる(0,10°位置→入射角20°)ようにし
てアンテナの位置に対し入射角が常に20〜80°で評
価したところ次のような結果が得られた(図7に△印で
示す)。 反射板13:直径900mm 半球レンズ14:直径450mm レンズ層数:8 図7のグラフからわかるように、アンテナがどの位置に
あってもゲインの減少は少なく使用上影響の無いゲイン
が得ることができた。
【0060】(比較例)反射板が固定した以外には例2
と同等のレンズアンテナ装置を試作し、図6の(b)図
(ロ)に示す状態に設置して電気特性の評価を実施した
ところ次のような結果が得られた(図7に▲印で示
す)。 反射板13:直径1400mm 半球レンズ14:直径450mm レンズ層数:8 20°未満、80°を越えた領域でゲインが大きく低下
した。また、アンテナ装置の大きさもかなり大きくな
り、取り扱いに不便なものとなった。
【0061】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、この発明
のレンズアンテナ装置は誘電体材料の半球体から成る半
球レンズと、半球レンズより大径で半球レンズの切断面
に対して設けられる電波反射板と、アンテナ素子を有し
半球レンズの電波収束位置に移動、配置される放射器
と、反射板を傾斜自在に支持する反射板支持手段とを備
え、支持手段により反射板の傾斜角を調整して半球レン
ズへの入射角を所定角度範囲内となるようにしたから、
静止衛星との電波だけでなく周回衛星との電波や、赤道
下のような緯度の異なる場所でもその使用場所に応じて
反射板の傾斜角を調整することにより高利得で電波を送
受信できるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のレンズアンテナ装置の外観斜視図
【図2】同上の主縦断面図
【図3】反射板支持手段の概略構成図
【図4】作用の説明図
【図5】第2実施形態のレンズアンテナ装置の外観斜視
【図6】同上の主縦断面図
【図7】実施例の装置によるゲインの測定データのグラ
【図8】従来例の説明図
【符号の説明】
10 レンズアンテナ本体 11 ベース板 12 回転台 13 反射板 14 半球レンズ 15 ガイドレール 16 放射器 17 レドーム 20 反射板支持手段 21 基部 22 半球支持部 23 引張手段
フロントページの続き (72)発明者 岸本 哲夫 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 小川 隆也 川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東 芝小向工場内 Fターム(参考) 5J020 AA02 AA03 BA06 BB01 CA02 DA03 DA04 5J021 AA01 BA01 BA03 DA02 DA03 DA04 DA05 DA06 DA07 GA02 HA05 HA07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体材料で半球体を形成して電波ビー
    ムを収束するようにした半球レンズと、電波ビームを反
    射するように半球レンズの切断面に対して設けられ半球
    レンズ径より所定寸法大径の電波反射板と、電波ビーム
    を送受信するアンテナ素子を有し半球レンズの電波収束
    位置に移動自在に配置される放射器とを備え、電波反射
    板を任意の方向へ傾斜自在に支持する反射板支持手段を
    設けて反射板の傾斜角を調整し、半球レンズへの入射角
    が所定の角度範囲内となるようにしたレンズアンテナ装
    置。
  2. 【請求項2】 前記放射器を電波収束位置へ移動させる
    位置設定手段を設け、この位置設定手段が、半球レンズ
    のアジマス軸周りに放射器の位置を移動させ電波ビーム
    の方向へ方位角を制御する方位角設定手段と、半球レン
    ズのエレベーション軸周りに放射器の位置を移動させ電
    波ビームの方向へ仰角を制御する仰角設定手段とから成
    ることを特徴とする請求項1に記載のレンズアンテナ装
    置。
  3. 【請求項3】 前記反射板支持手段が、レンズアンテナ
    装置の反射板を支持する基部に設けた半球状又は球状の
    回転支持部と、基部に連結された傾斜設定手段とから成
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズアン
    テナ装置。
  4. 【請求項4】 前記傾斜設定手段が、反射板を地面に水
    平としたとき半球レンズへの入射角が20°〜80°外
    になると、反射板を傾斜させて相対的に半球レンズへの
    入射角が20°〜80°内となるように傾斜角度を調整
    する機構を備えたことを特徴とする請求項3に記載のレ
    ンズアンテナ装置。
  5. 【請求項5】 前記入射角度を45°〜60°としたこ
    とを特徴とする請求項4に記載のレンズアンテナ装置。
  6. 【請求項6】 前記半球レンズと放射器の保護用にレド
    ームを設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
    かに記載のレンズアンテナ装置。
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