JP2009100227A - 電波レンズアンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の衛星の方位が大きく異なる場合にも衛星から送信された電波を受信でき、小型化、軽量化、および低コスト化を図ることができる電波レンズアンテナ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】電波レンズアンテナ装置1は、四半球状に形成された電波レンズ10と、電波レンズ10のレンズ中心Cを通る面に取り付けられた反射板20と、反射板20と直交するとともに電波レンズ10のレンズ中心Cを通る面に取り付けられた反射板30と、電波レンズ10の焦点部に配置された一次放射器50とを備える。そして、反射板20と反射板30が直交する直交軸Aが、地面に対して水平であることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】電波レンズアンテナ装置1は、四半球状に形成された電波レンズ10と、電波レンズ10のレンズ中心Cを通る面に取り付けられた反射板20と、反射板20と直交するとともに電波レンズ10のレンズ中心Cを通る面に取り付けられた反射板30と、電波レンズ10の焦点部に配置された一次放射器50とを備える。そして、反射板20と反射板30が直交する直交軸Aが、地面に対して水平であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数の衛星と電波の送受信を行うための電波レンズを用いた電波レンズアンテナ装置に関する。
一般に、静止衛星(以下、「衛星」という。)を用いた衛星通信において、衛星との通信を行う際に、球状に形成された電波レンズ(誘電体レンズ)を使用することが知られている。この球状に形成された電波レンズの誘電率は、衛星から発信された電波を受信する際に、電波レンズ内における屈折によって、電波が電波レンズの焦点部に配置された一次放射器へ入射するように、電波レンズのレンズ中心から電波レンズの表面にかけて変化している。従って、一次放射器を複数個設ける、または一次放射器の配置を変更することによって、電波レンズアンテナ装置は、方位の異なる複数の衛星からの電波を受信することができる。
また、球状の電波レンズよりも体積の小さい電波レンズである四半球状の電波レンズを備えた電波レンズアンテナ装置が提案されている。より具体的には、図11に示すように、この電波レンズアンテナ装置101は、四半球状の電波レンズ110と、電波レンズ110の平面に取り付けられた反射板120と、反射板120と直交するとともに電波レンズ110の平面に取り付けられた反射板130と、電波レンズ110の焦点部に配置された一次放射器140とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
特表平7−505018号公報
しかしながら、上記従来の四半球状の電波レンズを備えた電波レンズアンテナ装置においては、複数の衛星の方位が大きく異なる場合には、衛星から送信された電波を受信することが困難になる場合や、電波レンズアンテナ装置全体の小型化、軽量化および低コスト化が困難になるという問題があった。
より具体的には、図12に示すように、上記従来の四半球状の電波レンズを備えた電波レンズアンテナ装置101は、反射板120と反射板130が直交するとともに、反射板120,130の各々は地面に対して垂直に起立した状態である。このため、衛星S1の方位と衛星S2の方位とのなす角度φが90度以上である場合は、電波レンズアンテナ装置101の配置を変えることなく衛星S2が送信する電波を受信することができない。
また、衛星S1の方位と衛星S2の方位とのなす角度φが90度未満(例えば、60度)である場合は、衛星S1,S2が送信する電波を受信することができるものの、反射板120または反射板130のサイズを大きくする必要がある。即ち、図13に示すように衛星S1の方位と衛星S2の方位とのなす角度φが60度である場合は、例えば、衛星S1の方位と反射板120のなす角度θが15度以下と小さいため、図13(a)の一点鎖線の矢印で示す衛星S1からの電波を受信するために、図13(b)に示すように、反射板120を長くする必要がある。同様に、衛星S2の方位と反射板130のなす角度が小さければ反射板130を長くする必要がある。このため、電波レンズアンテナ装置101全体が大型化して重量が大きくなるとともにコストが高くなるという問題があった。
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、複数の衛星の方位が大きく異なる場合にも各衛星から送信された電波を受信でき、小型化、軽量化および低コスト化を図ることができる電波レンズアンテナ装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、四半球状に形成された電波レンズと、電波レンズのレンズ中心を通る面に取り付けられた第1の反射板と、第1の反射板と直交するとともに電波レンズのレンズ中心を通る面に取り付けられた第2の反射板と、電波レンズの焦点部に配置された少なくとも1個の一次放射器とを備える電波レンズアンテナ装置において、第1の反射板と第2の反射板が直交する直交軸が、地面に対して水平であることを特徴とする。
同構成によれば、水平方向において180度にわたって電波レンズを開放することができる。従って、複数の衛星の方位が大きく異なる場合、例えば、2つの衛星の方位のなす角度(即ち、離角)が120度である場合であっても、複数の衛星から発信された電波を受信することができる。また、水平方向において180度にわたって電波レンズを開放することができるため、例えば、2つの衛星の方位のなす角度が60度であれば、衛星の方位と第1、第2の反射板のなす角度を60度にして、衛星の方位と第1、第2の反射板のなす角度を大きくすることができ、衛星が送信する電波を確実に受信するために反射板を長くする必要がなくなる。従って、電波レンズアンテナ装置全体の小型化、軽量化、および低コスト化を図ることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電波レンズアンテナ装置であって、第1の反射板の長さと第2の反射板の長さとが異なることを特徴とする。
同構成によれば、衛星の仰角(衛星の方向と、地面に対して水平な水平面とのなす角)に応じて、衛星から発信された電波を確実に受信することができる。即ち、例えば、衛星の方向と第1の反射板とのなす角度が小さい場合は、第2の反射板よりも長い第1の反射板を使用するとともに、第1の反射板よりも短い第2の反射板を使用することによって、電波レンズアンテナ装置全体の重量を大きくすることなく、複数の電波を第1の反射板によって反射させて電波レンズに入射させることができる。同様に、例えば、衛星の方向と第2の反射板とのなす角度が小さい場合は、第1の反射板よりも長い第2の反射板を使用するとともに、第2の反射板よりも短い第1の反射板を使用することによって、電波レンズアンテナ装置全体の重量を大きくすることなく、複数の電波を第2の反射板によって反射させて電波レンズに入射させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電波レンズアンテナ装置であって、第1の反射板と第2の反射板は、電波レンズのレンズ中心を通る面に対して着脱可能に取り付けられていることを特徴とする。
同構成によれば、第1の反射板と第2の反射板は、電波レンズのレンズ中心を通る面に対して着脱可能に取り付けられているため、第1の反射板及び第2の反射板を取り替えることによって、衛星の仰角や電波レンズアンテナ装置の使用地域に応じて、2つの反射板の配置を選択することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の電波レンズアンテナ装置であって、電波レンズアンテナ装置を被取付部に対して着脱可能に取り付けるための取り付け部材をさらに備えていることを特徴とする。
同構成によれば、取り付け部材を介して、着脱可能に電波レンズアンテナ装置を被取付部に対して取り付けることができるため、第1の反射板と第2の反射板の配置が逆になるように電波レンズアンテナ装置を被取付部に取り付けることができる。従って、衛星の仰角や電波レンズアンテナ装置の使用地域に応じて、2つの反射板の配置を選択することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電波レンズアンテナ装置であって、直交軸を回動軸として第1、第2の反射板が回動可能であることを特徴とする。
同構成によれば、衛星の仰角に応じて、衛星から発信された電波を確実に受信することができる。即ち、例えば、衛星の方向と第1の反射板とのなす角度が小さい場合は、上記直交軸を回動軸として第1、第2の反射板を回動させることにより、衛星の方向と第1の反射板とのなす角度を大きくすることができる。同様に、例えば、衛星の方向と第2の反射板とのなす角度が小さい場合は、上記直交軸を回動軸として第1、第2の反射板を回動させることにより、衛星の方向と第2の反射板とのなす角度を大きくすることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電波レンズアンテナ装置であって、第1の反射板および第2の反射板の少なくとも一方の外周が、1つ以上の直線部と2つ以上の曲線部を有する形状、2つ以上の円弧部を有する形状、円弧部と楕円弧部とを有する形状および1つ以上の楕円弧部を有する形状からなる群より選ばれる少なくとも1種の形状を有することを特徴とする。
同構成によれば、反射板の外周が、1つ以上の直線部と2つ以上の曲線部を有する形状、2つ以上の円弧部を有する形状、または円弧部と楕円弧部とを有する形状であるため、2つ以上の曲線部や、2つ以上の円弧部や、円弧部と楕円弧部を、電波を発信する複数の衛星の方位に対応させたり、使用地域によって変化する衛星の方位に対応させたりすることができる。同様に、反射板の外周が、半楕円形状を有する場合は、反射板を複数の衛星の方位や使用地域によって変化する衛星の方位に容易に対応させることができる。従って、衛星から発信された電波をより確実に受信することができる。
本発明によれば、複数の衛星の方位が大きく異なる場合にも各衛星から送信された電波を受信でき、小型化、軽量化および低コスト化を図ることができる電波レンズアンテナ装置を提供することができる。
以下に、本発明の好適な実施形態について説明する。図1及び図2に示すように、電波レンズアンテナ装置1は、互いに直角に交わる2つの反射板20,30の間に、四半球状に形成された電波レンズ10が設けられたものである。また、電波レンズアンテナ装置1は、保持部材40によって保持されるとともに、電波レンズ10の焦点部に配置された一次放射器50によって、衛星から送信された電波を受信するものである。
電波レンズ10は、四半球状(または、四分球状)のルーネベルグレンズであり、中心を有する球核とそれを取り巻く複数の異径球殻により四半球状のレンズとして形成され、誘電体を用いて比誘電率が半径方向に所定の割合で変化するように形成されたものである。従って、四半球状に形成された電波レンズ10は、電波レンズ10のレンズ中心Cを通る面である2つの平面11,12と、球面の一部である曲面13とを有している。また、このルーネベルグレンズからなる電波レンズ10は、各球殻部の比誘電率εγが、およそεγ=2−(r/R)2の式に従うように形成されており、中心部の比誘電率を約2に設定するとともに、中心部から外側へ向かって誘電率が約1となるように変化させたものである。なお、上記式において、Rは球の半径(即ち、四半球状の電波レンズ10の半径)であり、rは球の中心からの距離である。また、本実施形態においては、電波レンズ10の直径Dが、例えば、600mmや450mmのものが使用できる。また、誘電体とは、常誘電性、強誘電性、若しくは反強誘電性を示し、かつ電気伝導性を有さないものをいう。
このルーネベルグレンズ用の誘電体として一般的に用いられているものは、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂等のポリオレフィン系の合成樹脂の発泡体であり、上記合成樹脂に酸化チタン、チタン酸塩、ジルコン酸塩等の無機高誘電フィラーを加えてそれを発泡させたものも使用できる。そして、これらの誘電発泡体の比誘電率は、発泡倍率を異ならせて比重を制御することにより目標値に調整され、高比重である程高い比誘電率を得ることができる。
また、誘電発泡体の製造方法としては、例えば、原料(合成樹脂単体や合成樹脂と無機高誘電フィラーの混合物)に対して、加熱により分解して窒素ガス等の気体を発生する発泡剤を添加し、これを所望の形状の金型に入れて発泡させる化学発泡法が挙げられる。また、揮発性発泡剤を含浸させたペレット状材料を予め金型外で予備発泡させ、得られた予備発泡ビーズを所望形状の金型に充填した後、水蒸気等で加熱して再度発泡させると同時に、隣接ビーズを互いに融着させるビーズ発泡法が挙げられる。
反射板20,30の各々は、金属(例えば、アルミニウム)又は表面が金属で覆われたプラスチックからなるものであって、電波レンズ10のレンズ中心Cを通る面である平面11,12に取り付けられる(即ち、球体の四等分断面に設けられる)とともに、反射板20と反射板30は直交している。また、通信相手である衛星からの電波を確実に捕捉するために、反射板20,30の長さL1,L2は、電波レンズ10のレンズ中心Cから電波レンズ10の曲面13までの長さ(即ち、電波レンズ10の半径R)よりも長い。本実施形態においては、図2に示すように、反射板20が被取付部である壁2に取り付けられることによって、反射板20が地面Gに対して垂直に起立するとともに、反射板30が地面に対して水平となっている。
また、保持部材40は、反射板20,30に支持されるとともに、電波レンズ10の曲面13に沿って湾曲した形状を有している。この、保持部材40によって、電波レンズ10の曲面13に沿って移動自在に2個の一次放射器50が保持されている。
一次放射器50は、その断面形状が略矩形状や略円形状の開口部を有する電磁ホーンアンテナや、導波管に誘電体ロッドを装着した誘電体ロッドアンテナ等が一般的に使用されるが、マイクロストリップアンテナや、スロットアンテナ等を使用することもできる。また、一次放射器50により受信される電波の電界の方向性(偏波)は、直線偏波(例えば、垂直偏波や水平偏波)や円偏波(例えば、右旋偏波や左旋偏波)のいずれであっても良い。また、受信した信号の周波数を変換するコンバータ(例えば、ローノイズブロックダウンコンバータ:LNB)が接続された一次放射器50を使用する構成としても良い。
以上のように、電波レンズアンテナ装置1は、四半球状に形成された電波レンズ10と、電波レンズ10の平面11に取り付けられた反射板20と、反射板20と直交するとともに電波レンズ10の平面12に取り付けられた反射板30と、電波レンズ10の焦点部に配置された受信用の一次放射器50とを備えた構成である。
ここで、本実施形態においては、反射板20と反射板30とが直交する直交軸A(図1、図2参照)が、地面Gに対して水平であることを特徴とする。このようにすれば、図3(a)に示すように、電波レンズ10は水平方向Hにおいて180度にわたって開放することになる。
また、電波レンズ10は水平方向Hにおいて180度にわたって開放することになるため、2つの衛星S1,S2の方位のなす角度φ(即ち、離角)が、例えば、図3(b)に示すように90度未満の60度であれば、衛星S1,S2の方位と反射板20,30のなす角度θを60度とすることができる。即ち、衛星S1,S2の衛星S1,S2の方位と反射板20のなす角度θを大きくすることができる。
また、本実施形態においては、図4に示すように、反射板20,30の外周21,31が、3つの直線部Mと2つの曲線部Nを有する形状となっている。従って、図4に示すように2つの曲線部Nの各々を複数の衛星S1,S2の方位に対応させたり、使用地域によって変化する衛星の方位に対応させたりすることにより、複数の電波を反射板20,30によって反射させて電波レンズ10に入射させることができる。なお、反射板20,30の外周21,31は、直交軸Aに沿っている直線部Pを除く。
本実施形態の電波レンズアンテナ装置1によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)反射板20と反射板30とが直交するとともに、反射板20と反射板30が直交する直交軸Aは、地面Gに対して水平である。このため、水平方向Hにおいて180度にわたって電波レンズ10が開放することができ、2つの衛星S1,S2の方位のなす角度φが90度以上の場合であっても、複数の衛星S1,S2から発信された電波を受信することができる。また、水平方向Hにおいて180度にわたって電波レンズ10が開放するため、衛星S1,S2の方位と反射板20,30のなす角度θを大きくすることができ、衛星S1,S2が送信する電波を確実に受信するために反射板20,30を長くする必要がなくなる。従って、電波レンズアンテナ装置1全体の小型化、軽量化および低コスト化を図ることができる。
(1)反射板20と反射板30とが直交するとともに、反射板20と反射板30が直交する直交軸Aは、地面Gに対して水平である。このため、水平方向Hにおいて180度にわたって電波レンズ10が開放することができ、2つの衛星S1,S2の方位のなす角度φが90度以上の場合であっても、複数の衛星S1,S2から発信された電波を受信することができる。また、水平方向Hにおいて180度にわたって電波レンズ10が開放するため、衛星S1,S2の方位と反射板20,30のなす角度θを大きくすることができ、衛星S1,S2が送信する電波を確実に受信するために反射板20,30を長くする必要がなくなる。従って、電波レンズアンテナ装置1全体の小型化、軽量化および低コスト化を図ることができる。
(2)反射板20,30の外周21,31が、2つの曲線部Nを有する形状であるため、2つの曲線部Nの各々を、電波を発信する複数の衛星S1,S2の方位や使用地域によって変化する衛星の方位に対応させることにより、複数の電波を反射板20,30によって反射させて電波レンズ10に入射させることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態においては、反射板20と反射板30の寸法は略同一のものであったが、反射板20の長さL1と、反射板30の長さL2とは異なることが好ましい。
・上記実施形態においては、反射板20と反射板30の寸法は略同一のものであったが、反射板20の長さL1と、反射板30の長さL2とは異なることが好ましい。
このようにすれば、図5に示すように、衛星Sの仰角ψ(衛星Sの方向と、地面Gに対して水平な水平面Hpとのなす角ψ)に応じて、衛星Sから発信された電波を確実に受信することができる。衛星Sの仰角ψが大きい(即ち、図5(a)に示す衛星Sの方向と反射板20とのなす角度θ1が小さい)場合は、反射板30に比し長い反射板20を使用するとともに、反射板20に比し短い反射板30を使用することによって、電波レンズアンテナ装置1全体の重量を大きくすることなく、複数の電波を反射板20によって反射させて電波レンズ10に入射させることができる。同様に、衛星Sの仰角ψが小さい(即ち、図5(b)に示す衛星Sの方向と反射板30とのなす角度θ2が小さい)場合は、反射板20に比し短い反射板30を使用するとともに、反射板30に比し長い反射板20を使用することによって、電波レンズアンテナ装置1全体の重量を大きくすることなく、複数の電波を反射板30によって反射させて電波レンズ10に入射させることができる。従って、衛星Sから発信された電波を確実に受信することができる。
・また、図5に示すように、反射板20の長さL1と反射板30の長さL2とが異なる場合には、反射板20と反射板30は、電波レンズ10のレンズ中心Cを通る面である平面11,12に対して着脱可能に取り付けられていることが望ましい。
このようにすれば、反射板20と反射板30は、平面11,12に対して着脱可能に取り付けられているため、反射板20及び反射板30を取り替えることによって、衛星Sの仰角ψや電波レンズアンテナ装置1の使用地域に応じて、2つの反射板20,30の配置を選択することができる。
・また、図5に示すように、反射板20の長さL1と反射板30の長さL2とが異なる場合には、図6に示すように、電波レンズアンテナ装置1が、電波レンズアンテナ装置1を被取付部である壁2に対して着脱可能に取り付けるための取り付け部材60を備える構成にしても良い。
このようにしても、取り付け部材60を介して、着脱可能に電波レンズアンテナ装置1を壁2に対して取り付けることができるため、図6の(a)及び(b)に示すように、反射板20と反射板30の配置が逆になるように電波レンズアンテナ装置1を壁2に取り付けることができる。従って、衛星Sの仰角ψや電波レンズアンテナ装置1の使用地域に応じて、2つの反射板20,30の配置を選択することができる。
・上記実施形態においては、反射板20は地面Gに対して垂直に起立するとともに、反射板30は地面に対して水平であったが、例えば、図7に示すように、反射板30を屋根3に取り付けることによって、反射板20が地面Gに対して垂直に起立した状態でなくてもよい。即ち、反射板20と反射板30が直交する直交軸Aが、地面Gに対して水平であれば上記(1)の効果を得ることができる。また、図5の電波レンズアンテナ装置1の変形例に係る反射板30を、図7に示すように屋根3に取り付けてもよく、図6の電波レンズアンテナ装置1の変形例に係る取り付け部材60を被取付部である屋根3に取り付けてもよい。
・また、直交軸Aを回動軸として反射板20,30が回動可能となるように構成してもよい。このようにしても、図8及び図9に示すように、衛星Sの仰角ψに応じて、衛星Sから発信された電波を確実に受信することができる。即ち、図8(a)に示すように、衛星Sの方向と反射板30とのなす角度θ2が小さい場合は、図8(b)に示すように、上記直交軸Aを回動軸として反射板20,30を回動させることによって、角度θ2を大きくすることができる。同様に、図9(a)に示すように、衛星Sの方向と反射板20とのなす角度θ1が小さい場合は、図9(b)に示すように、上記直交軸Aを回動軸として反射板20,30を回動させることによって、角度θ1を大きくすることができる。また、図5及び図6の電波レンズアンテナ装置1の変形例に係る反射板20,30が上記直交軸Aを回動軸として回動可能となるように構成してもよい。
・上記実施形態においては、反射板20,30の外周21,31は、図4に示すような、3つの直線部Mと2つの曲線部Nを有する形状であるが、1つ以上の直線部Mと2つ以上の曲線部Nを有する形状であればよい。
・また、反射板20の外周21は、図10(a)に示すような、異なった曲率半径をもつ円弧により形成されてもよく、また、図10(b)に示すような、円弧と楕円弧の組合せにより形成されていてもよい。即ち、反射板20の外周21は、図10(a)に示すような2つ以上の円弧部N1を有する形状や、図10(b)に示すような円弧部N1と楕円弧部N2とを有する形状であってもよい。同様に、反射板30の外周31も、図10の(a)または(b)に示す形状であってもよい。このようにしても上記(2)の効果を得ることができる。
・また、反射板20の外周21は、図10(c)に示すような少なくとも1つ以上の楕円弧部N2を有する形状であってもよい。同様に、反射板30の外周31も、図10(c)に示す少なくとも1つ以上の楕円弧部N2を有する形状であってもよい。このようにすれば、反射板20,30を複数の衛星の方位や使用地域によって変化する衛星の方位に容易に対応させることができ、上記(2)の効果を得ることができる。
・上記実施形態においては、反射板20,30は同じ形状であったが、反射板20と反射板30の形状が互いに異なっていてもよく、反射板20,30の双方が上記(2)の効果を得ることができるものでなくてもよい。即ち、反射板20および反射板30の少なくとも一方の外周21,31が、1つ以上の直線部Mと2つ以上の曲線部Nを有する形状、2つ以上の円弧部N1を有する形状、円弧部N1と楕円弧部N2を有する形状および1つ以上の楕円弧部N2を有する形状からなる群より選ばれる少なくとも1種の形状を有するものであれば、上記(2)の効果を得ることができる。なお、図5〜図9の電波レンズアンテナ装置1の変形例に係る反射板20,30が、図10(a)〜(c)に示す形状であってもよいことは言うまでもない。
・上記実施形態においては、一次放射器50は2個設けられていたが、一次放射器50の個数は適宜変更してもよく、少なくとも1個の一次放射器50を備えていればよい。また、上記実施形態においては、電波レンズアンテナ装置1は、受信用の一次放射器50を備えた構成であったが、送信用の一次放射器50を備える構成としてもよい。
本発明の活用例としては、電波を送受信する電波レンズを用いた電波レンズアンテナ装置が挙げられる。
A…直交軸、C…レンズ中心、G…地面、M…直線部、N…曲線部、N1…円弧部、N2…楕円弧部、S,S1,S2…衛星、ψ…衛星の仰角、1…電波レンズアンテナ装置、2…壁(被取付部)、3…屋根(被取付部)、10…電波レンズ、11,12…平面(レンズ中心を通る面)、20…反射板(第1の反射板)、21…外周、30…反射板(第2の反射板)、31…外周、40…保持部材、50…一次放射器、60…取り付け部材。
Claims (6)
- 四半球状に形成された電波レンズと、前記電波レンズのレンズ中心を通る面に取り付けられた第1の反射板と、前記第1の反射板と直交するとともに前記電波レンズのレンズ中心を通る面に取り付けられた第2の反射板と、前記電波レンズの焦点部に配置された少なくとも1個の一次放射器とを備える電波レンズアンテナ装置において、
前記第1の反射板と前記第2の反射板が直交する直交軸が、地面に対して水平であることを特徴とする電波レンズアンテナ装置。 - 前記第1の反射板の長さと前記第2の反射板の長さとが異なることを特徴とする請求項1に記載の電波レンズアンテナ装置。
- 前記第1の反射板と前記第2の反射板は、前記電波レンズのレンズ中心を通る面に対して着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の電波レンズアンテナ装置。
- 前記電波レンズアンテナ装置を被取付部に対して着脱可能に取り付けるための取り付け部材をさらに備えていることを特徴とする請求項2に記載の電波レンズアンテナ装置。
- 前記直交軸を回動軸として前記第1、第2の反射板が回動可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電波レンズアンテナ装置。
- 前記第1の反射板および前記第2の反射板の少なくとも一方の外周が、1つ以上の直線部と2つ以上の曲線部を有する形状、2つ以上の円弧部を有する形状、円弧部と楕円弧部とを有する形状および1つ以上の楕円弧部を有する形状からなる群より選ばれる少なくとも1種の形状を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電波レンズアンテナ装置。
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JP2007269517A Pending JP2009100227A (ja) | 2007-10-16 | 2007-10-16 | 電波レンズアンテナ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009100227A (ja) |
-
2007
- 2007-10-16 JP JP2007269517A patent/JP2009100227A/ja active Pending
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