JP2003188625A - アンテナ、高周波無線通信用回路モジュール及び高周波無線通信装置 - Google Patents

アンテナ、高周波無線通信用回路モジュール及び高周波無線通信装置

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JP2003188625A
JP2003188625A JP2002292087A JP2002292087A JP2003188625A JP 2003188625 A JP2003188625 A JP 2003188625A JP 2002292087 A JP2002292087 A JP 2002292087A JP 2002292087 A JP2002292087 A JP 2002292087A JP 2003188625 A JP2003188625 A JP 2003188625A
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antenna
line
line conductor
conductor
dielectric
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Noriyasu Sugimoto
典康 杉本
Toshikatsu Takada
俊克 高田
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンテナ線路導体の小型化等に伴うインピー
ダンス不整合を、アンテナ側の設計変更や特別な整合回
路の追加を行なうことなく解消することができるアンテ
ナを提供する。 【解決手段】 誘電体基板42の第一主表面MPに形成
される基板側線路導体10と、同じく第二主表面MP’
に形成される接地用導体層11とを有するマイクロスト
リップライン型のアンテナ用伝送線路と、一端が基板側
線路導体10の末端に結合され、他端が開放とされたア
ンテナ線路導体3とを有する。アンテナ用伝送線路は、
接地用導体層11が誘電体基板42の第二主表面MP’
の一部領域のみを覆う形態にて形成され、該接地用導体
層11の非形成領域12’に対応する第一主表面MP側
の領域がアンテナの実装スペース12として確保され
る。基板側線路導体10は、接地用導体層11の形成領
域と非形成領域12’との境界BLから該非形成領域1
2’側に末端部が延出する形で配置され、その延出部1
0eの末端にアンテナ線路導体3が結合される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波領域での無
線通信に好適に使用される誘電体アンテナと、その誘電
体アンテナを用いた高周波無線通信用回路モジュール及
び高周波無線通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特許第3114582号公報
【特許文献2】特開平9−55618号公報
【特許文献3】特開平9−139621号公報
【0003】最近、携帯電話などの移動体通信機器や、
無線LANあるいはBluetoothといったワイヤレスネッ
トワークシステムの普及が急速に進んでいる。移動体通
信機器においては、加入者の増加に伴い十分なチャネル
数を確保するために、1GHz以上の高周波帯への移行
が目覚しい。他方、ワイヤレスネットワークシステムで
は、国内電波法上の要請により2.4GHz帯、5.2
GHz帯、19GHz帯、60GHz帯の各周波数帯の
み使用が許可されている。このうち、2.4GHz帯
は、ユーザ免許が不要で低コストであり、通信特性もよ
いので、大多数のワイヤレスネットワークシステムにお
いて採用されているが、近い将来、ユーザの増加による
電波資源の枯渇が懸念され、今後は5.2GHz帯の積
極利用も見込まれるところである。
【0004】上記のような無線通信において、アンテナ
は必要不可欠な機器構成要素であるが、スペースを消費
しやすい。他方、携帯電話やワイヤレスネットワークシ
ステムにおいては、近年、機器の小型化傾向が著しい。
そこで、部品実装基板上にアンテナパターンを直接形成
したり、あるいはチップ化されたアンテナを部品実装基
板上に実装することにより、機器全体のコンパクト化が
図られている。また、アンテナの小型化を図る場合、誘
電体を用いることも有効である。アンテナの物理長は、
誘電体の比誘電率をεrとすると、(εr)−1/2
短縮することができる。このことを利用して、回路モジ
ュールの基板を誘電体とし、ここにアンテナパターンを
形成するか、あるいは誘電体基材にアンテナ線路導体と
実装用パッドとを設けたチップアンテナを用いる方法が
採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような要請によ
りアンテナが小型化すると、アンテナ線路導体の線幅が
小さくなる。また、アンテナ線路導体は直線状に形成す
るとアンテナ物理長の増大を引き起こすため、線路パタ
ーンを蛇行形態に折り曲げて形成することも行なわれて
いる(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献
3)。このようなアンテナにおいては、蛇行によるアン
テナ長縮小効果を図る目的もあって、アンテナ線路導体
の線幅はますます小さくなる傾向にある。
【0006】通常インピーダンス整合のために、部品点
数が増大するとアンテナが大型化するため、アンテナ小
型化によるインピーダンス整合の制約が発生する。その
結果、部品実装基板側の線路とのインピーダンス不整合
が生じやすくなり、電波放射特性が損なわれることにつ
ながる。すなわち、給電用端子から給電された高周波信
号を効率よくアンテナ線路導体へ伝えることができな
い。こうしたインピーダンス不整合は、通常、アンテナ
線路導体長を調整することにより調整を行なうが、小型
化の要請が背景にある場合は設計上の制約が大きく、ア
ンテナ線路導体長を必ずしも随意には変更できない事情
がある。他方、部品実装基板側の線路とアンテナ線路導
体との間に整合回路を挿入する方法もあるが、整合回路
を追加する分コスト高につながり、また実装スペースが
余分に消費されるので小型化の目的に逆行する。
【0007】本発明の課題は、アンテナ線路導体の小型
化等に伴うインピーダンス不整合を、アンテナ側の設計
変更や特別な整合回路の追加を行なうことなく解消する
ことができ、ひいてはインピーダンス不整合による電波
放射効率の低下防止を安価にかつ効果的に図ることがで
きるアンテナと、これを用いた高周波無線通信用回路モ
ジュール及び高周波無線通信装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記課題
を解決するために本発明のアンテナは、誘電体基板に形
成された基板側線路導体と、該基板側線路導体と組み合
わされる形で誘電体基板に形成される接地用導体層とか
らなるアンテナ用伝送線路と、基板側線路導体に結合さ
れ、先端側が開放とされたアンテナ線路導体とを有し、
アンテナ用伝送線路のアンテナ線路導体への結合側端部
において、基板側線路導体の先端部が接地用導体層の端
縁から延出する形で配置され、その延出部にアンテナ線
路導体が結合されてなることを特徴とする。
【0009】上記の構成によると、基板側線路導体の接
地用導体層の縁からの延出部を、アンテナのインピーダ
ンス調整部として機能させることができる。これによ
り、アンテナ接続先回路とアンテナとのインピーダンス
整合状態を改善でき、電波放射特性を向上させることが
できる。また、アンテナ側の設計変更や特別な整合回路
の追加を行なう必要がなく、基板側線路導体を適当な長
さで延出するのみで安価にインピーダンス整合を図るこ
とができ、スペースの消費も小さいので装置小型化の観
点において有利である。
【0010】アンテナ用伝送線路は、例えばコプレーナ
ウェーブガイド等の形態で形成することもできるが、誘
電体基板の第一主表面に基板側線路導体が形成され、同
じく第二主表面に接地用導体層が形成されたマイクロス
トリップライン型とすることができる。アンテナ用伝送
線路を含め、誘電体基板上の伝送線路をマイクロストリ
ップライン型に形成することにより、基板上の線路の形
成密度を高めることができ、高周波回路をコンパクトな
基板上に収める上で有利となる。また、アンテナ用伝送
線路をマイクロストリップラインで構成した場合、線路
導体と接地用導体層が比較的薄い基板を挟んで面対向す
る形になっているから、その対向部分のキャパシタンス
は相当大きくなるのに対し、線路導体の延出部は接地用
導体層がなくなっているために、キャパシタンスは接地
用導体層の縁から離れるにつれ急速に小さくなる。従っ
て、両部分の特性インピーダンスの差は、前者における
キャパシタンス項の寄与が大きい分だけコプレーナウェ
ーブガイド等と比較して大きくなる。つまり、延出部の
長さを単位長さだけ変化させたときの特性インピーダン
スの調整代を大きくとることができ、アンテナとアンテ
ナ接続先回路との間に多少大きなインピーダンス不整合
が生じていても、これを容易に解消することができる。
【0011】他方、アンテナ線路導体は、一端が基板側
線路導体の末端に結合され、他端が開放とされたモノポ
ール型アンテナを形成するものとすることができる。モ
ノポール型アンテナはアンテナ線路導体長が短くて済
み、高周波無線通信装置回路のコンパクト化に同様に寄
与する。アンテナ用伝送線路は、接地用導体層が誘電体
基板の第二主表面の一部領域のみを覆う形態にて形成さ
れ、該接地用導体層の非形成領域に対応する第一主表面
側の領域がアンテナ線路導体の実装スペースとして確保
されるとともに、基板側線路導体が接地用導体層の形成
領域と非形成領域との境界から該非形成領域側に一定長
延出する形で配置され、その延出部の末端にアンテナ線
路導体を結合することができる。接地用導体層の一部を
削除する形でアンテナ線路導体の実装スペースを確保す
ることにより、基板主表面のスペースをより有効活用す
ることができ、周波無線通信装置のコンパクト化に寄与
する。
【0012】アンテナとアンテナ接続先回路との間にイ
ンピーダンス不整合が生じる要因は種々考えられるが、
設計上の要請により、アンテナ線路導体と基板側線路導
体との線幅が相違するものとなっている場合、特に、ア
ンテナの小型化によりアンテナ線路導体が基板側線路導
体よりも狭幅に形成されている場合に、インピーダンス
不整合の問題が生じやすい。この場合、本発明の適用に
より、アンテナ小型化による省スペース効果を損なうこ
となく、インピーダンス整合を効果的に図ることがで
き、ひいては良好な電波放射特性を確保することができ
る。
【0013】また、アンテナ線路導体は、誘電体からな
るアンテナ基体とともに誘電体アンテナを構成するもの
とすることができる。誘電体アンテナの採用によりアン
テナ線路導体の実長をより短縮でき、装置の小型化に有
効に寄与する。この場合、基板側線路導体側の基板の誘
電体と、アンテナ側の誘電体との比誘電率の相違もイン
ピーダンス不整合の一要因となりえるが、本発明の適用
によりこれを効果的に解消することができる。
【0014】次に、本発明の高周波無線通信用回路モジ
ュールは、上記本発明のアンテナと、該アンテナを介し
た高周波信号の送信処理及び/又は受信処理を行なう通
信処理回路の少なくとも一部をなす実装部品とが、部品
実装用基板により一体化されてなることを特徴とする。
また、本発明の高周波無線通信装置は、上記本発明のア
ンテナと、該誘電体アンテナを介した高周波信号の送信
処理及び/又は受信処理を行なう通信処理回路とを有す
ることを特徴とする。
【0015】アンテナを組み込んだ高周波無線通信用回
路モジュールに、上記本発明のアンテナを用いることに
より、インピーダンス整合による電波放射特性改善と、
回路モジュールあるいは装置全体のコンパクト化を安価
に図ることができ、近年の厳しい小型化の要請にも十分
に対応することができるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図面を用
いて説明する。図1は、本発明に使用する誘電体アンテ
ナの一例を示すものであり、(a)は側面図、(b)は
平面図、(c)は底面図である。誘電体アンテナ1は、
誘電体からなり主表面MPを有するアンテナ基体2と、
該アンテナ基体2に対し、主表面と平行に設けられたア
ンテナ線路導体3とを有するものである。アンテナ線路
導体3は、主表面MPと平行な投影面PPに対する正射
投影において、アンテナ長方向に伸びる蛇行形態を有す
る。
【0017】より詳しくは、図2(a)に示すように、
各々アンテナ長方向(O)と交差する向きに形成され、
かつ該アンテナ長方向に配列した複数の直交方向線路単
位32を有する。これらの直交方向線路単位32は、隣
接するもの同士の端が互い違いに連結され、全体として
蛇行形態の連続線路部を形成してなる。
【0018】アンテナ線路導体3を蛇行形態に形成する
ことによりアンテナ長Lを効果的に縮小することができ
る。なお、図から明らかなように、蛇行幅dを線路幅w
より小さくすることは幾何学的に不可能である。従っ
て、図2(b)に示すように、線路幅wが小さいほど細
かい蛇行を形成することが可能となり、蛇行幅dが小さ
くとも、十分なアンテナ長縮小効果が得られる。一定以
上のアンテナ長縮小効果を得るために、その前提条件と
して、上記d/wの値を3以上に定めた場合、線路幅w
とは無関係に、蛇行幅dの絶対値を3mm以下に設定す
ることが望ましい。これにより、蛇行形態のパターンを
採用しているにも拘わらず、アンテナ1の電波放射特性
の低下を効果的に抑制することができ、小型でしかも高
性能の誘電体アンテナを実現できる。
【0019】図2のアンテナ線路導体3は、直交方向線
路単位32が、各々アンテナ長方向と直交する向きに形
成された直交方向線路単位32とされている。そして、
隣接する直交方向線路単位32の端を互い違いに連結す
る連結線路単位33がアンテナ長方向と平行に形成され
ている。直交方向線路単位32は、アンテナ長方向の寸
法占有長さが限界値である線路幅wに等しくなるため、
アンテナ長縮小効果が大きい利点がある。ただし、本発
明においてアンテナ線路導体の形態はこれに限定される
ものではない。例えば、アンテナ線路導体の実長を縮小
する効果の点では若干劣るが、傾斜した直交方向線路単
位32を、アンテナ長方向に平行な連結線路単位33に
より互い違いに連結したアンテナ線路導体や、直交方向
線路単位32を正弦波曲線状に滑らかに連結したアンテ
ナ線路導体なども考えられる。
【0020】なお、図11は、アンテナ基体2をなす誘
電体としてアルミナ焼結体(厚さ:1mm)を使用する
とともに、共振周波数を2.4GHzに設定した誘電体
アンテナの、線路幅wとアンテナ長との関係を示すもの
である。ただし、蛇行幅dは2mmとし、直交方向線路
単位32の対向縁間隔s(対向縁間距離として定義す
る)を線路幅wと等しく設定している。これによると、
アンテナ線路導体3の線路幅wが小さくなる程アンテナ
長を顕著に短くできていることがわかる。
【0021】典型的な従来型のアンテナとして、部品実
装用プリント基板上に、モノポールアンテナを形成した
場合、共振周波数2.4GHzとなるアンテナ長は27
mmに達する。蛇行線路パターンを用いる場合において
は、図11によると、線路幅として0.3mm以下を採
用すると、モノポールアンテナの約半分(13.5m
m)にアンテナ長を短縮できることがわかる。ただし、
線路幅wが0.05mm未満になると、インダクタンス
成分の増加によりアンテナの特性インピーダンスが大き
くなり、アンテナが接続される通信回路側とのインピー
ダンス不整合により、電波放射効率が低下する不具合に
つながる。従って、線路幅wは0.05mm以上に設定
するのがよい。
【0022】図1の誘電体アンテナ1は、アンテナ基体
2がアンテナ長方向に長手方向Lが一致する細長い直方
体状に形成され、かつ、長手方向Lと直交する2つの稜
線方向の一方を厚さ方向Tとして、当該厚さ方向Tにお
ける主表面MPと平行にアンテナ線路導体3が形成され
ている。そして、2つの主表面の片側MP’にアンテナ
線路導体3と導通する表面実装用パッド5が形成された
チップアンテナとして構成されている。図1では、厚さ
方向Tにおける一方の主表面MPにアンテナ線路導体3
が形成され、他方の主表面(以下、裏面という)MP’
に表面実装用パッド5が形成されている。該表面実装用
パッド5は、側面ビア4を介してアンテナ線路導体3と
導通している。また、図1(c)に示すように、アンテ
ナ基体2の裏面MP’には、補助用のパッド6が形成さ
れている。
【0023】図4(a)及び(b)は、該誘電体アンテ
ナ1の部品実装用基板41への実装状態を示している
(部品実装用基板41は、アンテナ実装領域の周辺部分
のみが図に表れている)。部品実装用基板41は、誘電
体基板42の第一主表面MPに形成される基板側線路導
体10と、同じく第二主表面MP’に形成される接地用
導体層11とを有するマイクロストリップライン型のア
ンテナ用伝送線路を有する。図4(c)に示すように、
誘電体アンテナ1のアンテナ線路導体3(アンテナ線路
導体)は、一端がアンテナ用伝送線路の基板側線路導体
10の末端に結合され、図2に示すように、他端が開放
とされたモノポール型アンテナである。
【0024】図4(b)に示すように、アンテナ用伝送
線路は、接地用導体層11が誘電体基板42の第二主表
面MP’の一部領域のみを覆う形態にて形成され、該接
地用導体層11の非形成領域12’に対応する第一主表
面MP側の領域がアンテナの実装スペース12として確
保されている。そして、基板側線路導体10は、接地用
導体層11の形成領域と非形成領域12’との境界BL
から、該非形成領域12’側に末端部が一定長延出する
形で配置され、延出部10eを形成している。
【0025】そして、誘電体アンテナ1を部品実装用基
板41の第一主表面MPに実装することにより、上記の
延出部10eの末端にアンテナ線路導体3が結合される
形となっている。具体的には、誘電体アンテナ1の裏面
に形成された表面実装用パッド5が、延出部10eの末
端に半田接合部9を介して接合される。また、補助用の
パッド6は、基板側の支持用パッド15に半田接合部9
を介して接合される。
【0026】図1においてアンテナ線路導体3は、全体
がアンテナ基体2の主表面MP上に配置されている。ア
ンテナ基体2を焼結セラミック誘電体で構成する場合、
アンテナ線路導体3を白金等の高融点金属にて構成し、
セラミック誘電体との同時焼成により製造することがで
きる。しかし、アンテナ線路導体3の線路金属材料を高
価な高融点金属で構成しなければならないことから、コ
スト高を招きやすい問題がある。そこで、アンテナ基体
2を焼成後に、アンテナ線路導体3をアンテナ基体2の
主表面MP上に2次メタライズ処理して形成する方法を
採用すれば、線路金属材料としてより低融点のものが採
用でき、経済的である。具体的には、焼成後のアンテナ
基体2上にAg系等の比較的低融点の金属ペーストを用
いてパターンを印刷形成し、誘電体焼成時よりも低温で
あって、金属ペーストの焼結が十分進行する温度で二次
焼成する方法を例示できる。この他、化学メッキ法や物
理蒸着法等による線路パターンの形成も可能である。具
体的には、Ag系(Ag単体、Ag−金属酸化物(M
n、V、Bi、Al、Si、Cu等の酸化物)、Ag−
ガラス添加、Ag−Pd、Ag−Pt、Ag−Rh
等)、Cu系(Cu単体、Cu−金属酸化物、Cu−P
d、Cu−Pt、Cu−Rh等)等の低抵抗材料から選
ばれるものを用いることができる。なお、図1(a)に
示すように、アンテナ基体2の主表面MP上に形成され
たアンテナ線路導体3を、高分子あるいはガラスセラミ
ック等の低温焼成型セラミックからなる保護誘電体層7
(厚さ例えば5〜50μm程度)により覆うこともでき
る。
【0027】なお、本発明の誘電体アンテナは、図3に
示すように、アンテナ線路導体3を積層セグメント3s
に分割し、積層体として構成されたアンテナ基体2の各
層に分散配置した構成とすることもできる。各積層セグ
メント3sは導電性のビア3vにより接続される。この
ようにすると、主表面MPに偏らないアンテナ指向性を
実現することができる。
【0028】また、図2において、隣接する直交方向線
路単位32,32の対向縁間隔sは、最低でも0.1m
m以上確保されていることが、電波放射特性を良好に確
保する上で望ましい。他方、該対向縁間隔sは、アンテ
ナ長縮小効果を顕著なものとするために、線路幅wの2
倍以下の範囲に留めることが望ましい。なお、対向縁間
隔sは、アンテナ線路導体3の前記正射投影において、
隣接する直交方向線路単位32,32の対向縁が、蛇行
幅dに関する中心線Oを切り取る長さとして定義する
(図3も参照)。
【0029】蛇行幅dの影響を調べるために行なった実
験結果について、以下に説明する。まず、アンテナ基体
2をなす誘電体としてアルミナ焼結体(厚さ:1mm)
を使用するとともに、線路全長を30mmに設定した誘
電体アンテナを、種々の蛇行幅d、線路幅w及び対向縁
間隔sを有するものとして作製した。これらのアンテナ
を、市販のネットワークアナライザ(ヒューレットパッ
カード(株)製:HP−8510C)に接続し、2.4
GHzにおける反射係数S11を測定した。図9にその
結果を示す。また、図9の個々の測定点データを表1に
まとめている。
【0030】
【表1】
【0031】これによると、線路幅w及び対向縁間隔s
とは無関係に、線路幅wを小さくするほど反射係数S
11が小さくなり、電波放射効率が向上していることが
わかる。そして、蛇行幅dを3mm以下とすることによ
り、アンテナ利得として十分な−8dB以下を達成でき
ていることがわかる。
【0032】次に、アンテナ基体2をなす誘電体は、比
誘電率が大きくなると、アンテナ長縮小効果が大きくな
るが、過度に大きくなった場合は電波放射効率の低下を
招いたり、あるいは無負荷の増大により帯域幅が縮小す
る不具合につながる場合がある。この観点において、ア
ンテナ基体2をなす誘電体は、2.4GHzでの比誘電
率が13以下の材質を使用することが望ましい。このよ
うな誘電体材料としては、アルミナ含有量を98%以上
としたアルミナ質セラミックス、ムライト質セラミック
ス、あるいはガラスセラミックス等が、高周波領域にお
いても誘電損失が小さい材質として、本発明に好適に使
用される。ガラスセラミックとしては、ホウケイ酸系ガ
ラスあるいはホウケイ酸鉛系ガラスにアルミナ等の無機
セラミックフィラーを40〜60重量部添加した系が、
金属線路部との同時焼結性が良好で好ましい。また、セ
ラミック誘電体以外では、ガラスエポキシ材料などの無
機/高分子複合材料を使用できる。
【0033】比誘電率の影響を調べるために行なった実
験結果について、以下に説明する。図1に示すタイプの
誘電体アンテナのアンテナ基体2として、以下の材質の
ものを用意した(全て厚さ1mm): ・チタニア系(2.4GHzにおける比誘電率:2
1); ・アルミナ系(2.4GHzにおける比誘電率:1
3); ・ガラスセラミックス(2.4GHzにおける比誘電
率:8); ・ガラスエポキシ(2.4GHzにおける比誘電率:
4)。
【0034】上記のアンテナ基体2を用い、蛇行幅dを
2mm、直交方向線路単位32の対向縁間隔sを線路幅
wと等しく設定し、線路全長を共振周波数が2.4GH
zとなるように最適化した種々の誘電体アンテナを作製
した。これらのアンテナを、前記ネットワークアナライ
ザに接続し、2.4GHzにおける反射係数S11を測
定した。図10にその結果を示す。これによると、アン
テナ基体2の比誘電率が小さくなるほど反射係数S11
が小さくなり、電波放射効率が向上していることがわか
る。そして、比誘電率を13以下とすることにより、ア
ンテナ利得として十分な−8dB以下を達成できている
ことがわかる。
【0035】基板側線路導体10の線路幅Wsは例えば
実装の便宜等を考慮して1〜2mm程度が選択されてい
る。他方、アンテナ線路導体3は、線路幅wが0.05
〜0.3mmに縮小されている。誘電体アンテナ1の実
装先となる、アンテナ用伝送線路を含むアンテナ接続先
回路は、基板側線路導体10の延出部10eを除いた状
態において、特性インピーダンスが一定の値、例えば5
0Ωに合わせ込まれるように設計がなされる。しかし、
アンテナ線路導体3は、誘電体アンテナ1の小型化が優
先される結果、アンテナ接続先回路と一致しない特性イ
ンピーダンス、具体的には細線化によりアンテナ接続先
回路よりも大きい特性インピーダンスを有したものとな
り、そのままでは誘電体アンテナ1とアンテナ接続先回
路との間にインピーダンス不整合が生ずる。
【0036】しかし、基板側線路導体10に上記のよう
な延出部10eを設けると、該延長部10eのインダク
タンスと、接地用裏面導体層との間に形成されるキャパ
シタンスとが加わることにより、アンテナ接続先回路か
ら見たアンテナの特性インピーダンスが変化する。これ
らインダクタンスとキャパシタンスとは、延出部10e
の幅が一定であれば、その長さに応じて変化する。従っ
て、延出部10eの長さによりアンテナ側の特性インピ
ーダンスを微調整でき、アンテナ接続先回路とのインピ
ーダンス整合が可能となる。なお、延出部10eの形成
長βは、図4(c)に示すように、境界BLからアンテ
ナ線路導体3の開始位置までの距離として定義する。
【0037】延出部10eの最適長βpは、基板側線路
導体10の線路幅Ws、アンテナ線路導体3の線路幅w
等に応じて変化する。これを見出すためには、理論計算
によるシミュレーションを行なう方法もあるが、各路幅
Ws,wが決まっている場合は、延出部10eの形成長
βを種々に変化させた基板を作り、これにアンテナを接
続して周知のネットワークアナライザにより、目的とす
る周波数での反射係数S11を測定するとともに、該S
11が最小となる形成長βを最適長βpとして決定する
ことができる。なお、目安となる数値を例示するなら
ば、例えば基板側線路導体10の線路幅Wsが1.0〜
2.0mm、アンテナ線路導体3の線路幅wが0.5〜
0.3mmの範囲でそれぞれ調整される場合、延出部1
0eの形成長βは2.4〜7.5mmの範囲で調整する
のが適当である。
【0038】以下、具体例を示す。まず、図1の誘電体
アンテナ1として、アンテナ基体2をなす誘電体として
アルミナ焼結体(幅3mm、長さ15mm、厚さ1m
m)を使用するとともに、蛇行幅dを2.4mm、線路
幅wを0.3mm、対向縁間隔sを0.3mmとしたア
ンテナ線路導体を、Agペーストのスクリーン印刷・二
次焼成により形成した。他方、図4に示す実装用基板と
して、長さ50mm、幅25mm、厚さ1mmの市販の
ガラスエポキシ基板を用意した。そして、形態にて、そ
の一方の主表面にCu製の接地用導体層11(厚さ35
μm)を、幅25mm、長さ20mmにて形成する一
方、他方の主表面にCu製の基板側線路導体10(幅
1.4mm、厚さ35μm)を、延出部10eの形成長
βが種々の値となるように形成した。なお、延出部10
eを除いたときの該マイクロストリップラインの、2.
4GHzにおける特性インピーダンスZ0を前記ネット
ワークアナライザにより測定したところ、略50Ωとな
っていた。
【0039】次に、上記の実装用基板上の基板側線路導
体10に誘電体アンテナ1を、図4(b)に示す形態に
て半田により表面実装し、前記ネットワークアナライに
より、2.4GHzにおける反射係数S11を測定し
た。図8は、測定したS11の値を、延出部10eの形
成長βに対し、プロットしたものである。これによる
と、形成長βが10mmまでの範囲にて、延出部10e
形成しない場合(β=0)よりも明らかにS11が小さ
くなっており、電波放射特性が改善されていることがわ
かる。また、β=5mmにてS11は最小となり、該β
の値が前記した最適長βpに相当するものであることが
わかる。なお、参考のため、基板側線路導体10を境界
BLよりも接地用導体層11側に引っ込めた場合につい
てもS11を測定したが、いずれもS11が完全反射を
意味する0に近づき、電波放射がほとんど生じなくなる
ことがわかった。
【0040】図7は、本発明のアンテナを用いた高周波
無線通信装置の回路構成例を示すものである。この装置
50は、誘電体アンテナ1と、該誘電体アンテナ1を介
した高周波信号の無線送受信処理(必要に応じて送信専
用としたり、受信専用としたりすることももちろん可能
である)を行なう通信処理回路49とを有する。通信処
理回路49は受信回路46と送信回路45とを有し、誘
電体アンテナ1は、アンテナスイッチ56によりそれら
のいずれかに選択的に接続される。
【0041】受信時の動作は以下の通りである。すなわ
ち、誘電体アンテナ1により受信された電波信号(例え
ば中心周波数2.4GHz)は、アンテナスイッチ56
を経てローノイズアンプ62により増幅され、受信側バ
ンドパスフィルタ61を経て不要な周波数帯の信号が除
去され、さらに、その除去後の信号と局部発振器57と
の出力がミキサ60によりミックスされる。そして、そ
のミックスにより生じた変調信号(IF信号)は、IF
バンドパスフィルタ59により必要な成分(例えば10
0〜300MHz)が取り出され、復調回路58により
復調された後、ベースバンド回路51に入力される。
【0042】他方、送信時の動作は以下の通りである。
ベースバンド回路51からのソース信号は低周波のアナ
ログ又はディジタル信号であり、変調回路52におい
て、該ソース信号により搬送波(例えば100〜300
MHz)が変調され、さらにミキサ53により局部発振
器57の出力信号とミックスされる。この結果生ずる複
数の変調信号は、送信側バンドパスフィルタ54により
必要な帯域の成分(例えば中心周波数2.4GHz)が
取り出され、パワーアンプ55により増幅された後、ア
ンテナスイッチ56を経て誘電体アンテナ1から送信さ
れる。
【0043】図7の回路構成は、携帯電話や、無線LA
N及びBluetoothといったワイヤレスネットワークシス
テム用通信装置の基本部分として使用できる。
【0044】図7の高周波無線通信装置の回路(アンテ
ナ接続先回路)は、図5に示すように、部品実装用基板
41上に誘電体アンテナ1とその他の実装部品43を実
装した回路モジュール40として構成することができ
る。この実施形態では、接地用導体層11の非形成領域
12’(誘電体アンテナ1の実装スペースに対応する)
を、基板の1つのコーナーに寄せて切欠き状に形成し、
基板上のスペースを無駄に消費しないよう配慮がなされ
ている。なお、該回路モジュール40には、図5の回路
構成要素の全てが実装されていてもよいし、該回路モジ
ュール40の外に、誘電体アンテナ1以外の回路構成要
素の一部をなす部品を分離して設けてもよい。また、図
5に表れない周辺実装部品が搭載されていてもよい。
【0045】他方、誘電体アンテナ1の利得を向上させ
るには、誘電体アンテナ1の近傍に接地用導体層がなる
べく配置されていないことが望ましい。特に、誘電体ア
ンテナ1がモノポールアンテナである場合は、接地用導
体層がこれに近接していると、オープン状態のアンテナ
線路導体と接地用導体層との間に形成される寄生キャパ
シタンスが大きくなり、アンテナの電波輻射効率が阻害
されて利得の低下につながりやすい。
【0046】前述のように、誘電体基板42が長方形状
に形成され、アンテナ用伝送線路が誘電体基板42の第
一主表面に基板側線路導体10が形成され、同じく第二
主表面に接地用導体層11が形成されたマイクロストリ
ップライン型のものとされる場合、アンテナ利得向上に
より有利な態様として、接地用導体層11を以下のよう
に形成することができる。すなわち、図6A、図6B及
び図6Cに示すように、該誘電体基板42の長辺方向の
一端側において、第二主表面の短辺方向全幅にまたがる
形で接地用導体層11の非形成領域を形成し、該接地用
導体層11の非形成領域に対応する第一主表面側の領域
をアンテナの実装スペース12として確保する。基板側
線路導体10は、接地用導体層11の形成領域と非形成
領域との境界BL(基板短辺方向にのみ形成される)か
ら該非形成領域側に一定長延出して延出部10eを形成
する。そして、直方体状のチップアンテナとされた前述
の誘電体アンテナ1を、上記延出部10eに接続する形
で実装スペース12に実装する。
【0047】図5に示すアンテナ実装形態では、実装ス
ペース12は、基板42の長辺方向と短辺方向との両側
にて接地用導体層11の縁により区切られており、ここ
に誘電体アンテナ1を実装すると、誘電体アンテナ1
も、その長辺方向と短辺方向の両方に、接地用導体層1
1の縁が近接することになる。これに対し、図6A、図
6B及び図6Cの形態では、基板42の短辺方向には、
誘電体アンテナ1に近接して位置する接地用導体層11
の縁が生じない。その結果、誘電体アンテナ1の利得を
より向上させることができる。なお、アンテナの実装ス
パース12には、誘電体アンテナ1以外の回路部品が実
装されることはない。
【0048】誘電体アンテナ1が直方体状に形成される
場合、図6Aに示すように、誘電体アンテナ1の長辺方
向を基板42の長辺方向と一致させて配置することがで
きる。このようにすると、接地用導体層11の縁BLと
対向するのが誘電体アンテナ1(チップアンテナ)の短
辺となるから、アンテナ線路導体と接地用導体層との間
に形成される寄生キャパシタンスが小さくなり、アンテ
ナ利得を向上する効果がより大きくなる。しかし、実装
スペース12を、誘電体アンテナ1(チップアンテナ)
の長辺に対応させる形で大きく確保しなければならない
から、基板42の小型化が求められる場合は不利に作用
する。この場合、図6B及び図6Cに示すように、誘電
体アンテナ1(チップアンテナ)を、その長手方向と誘
電体基板42の短辺方向とが互いに一致する関係にて配
置するとよい。これにより、誘電体アンテナ1(チップ
アンテナ)の短辺に対応した小さな実装スペース12を
確保するだけで済み、基板42の小型化に有利となる。
【0049】図6B及び図6Cの態様では、接地用導体
層11の縁BLと対向するのが誘電体アンテナ1(チッ
プアンテナ)の長辺であり、アンテナ利得向上の観点で
は図6Aの態様には及ばない。しかし、誘電体アンテナ
1(チップアンテナ)の短辺側には接地用導体層11の
縁が隣接しないので、図5の態様に比べればアンテナ利
得が向上することに変わりはない。また、図5の態様で
は、誘電体アンテナ1(チップアンテナ)の長辺に対
し、接地用導体層11が基板長辺方向に長く延びる形で
対向しているので、接地用導体層11に由来した寄生キ
ャパシタンスも大きくなりやすく、アンテナ利得向上の
点では不利である。しかし、図6B及び図6Cの態様で
は、誘電体アンテナ1の同じ長辺に対向する接地用導体
層11の広がりが基板短辺方向に限られているため、寄
生キャパシタンスも小さくなり、アンテナ利得向上に有
利である。
【0050】誘電体アンテナ1(チップアンテナ)の長
手方向と誘電体基板42の短辺方向とを一致させる場
合、図6Bに示すように、基板側線路導体10の延出部
10eを直線的に形成し、その先端に誘電体アンテナ1
(チップアンテナ)の短辺を結合する形態とすることが
できる。この場合、実装スペース12が、誘電体アンテ
ナ1(チップアンテナ)の短辺に対応する寸法で確保さ
れている関係上、直線的に形成する延出部10eの形成
上限値が小さくなることは止むを得ない。しかし、誘電
体アンテナ1(チップアンテナ)の長辺よりも誘電体基
板42の短辺が大きく設定されている場合は、図6Cに
示すように、基板側線路導体10の延出部10eを、実
装スペース12の境界BLから誘電体基板42の長辺方
向に遠ざかる向きに延出する第一部分10aと、該第一
部分10aの先端から誘電体基板42の短辺方向に延び
る第二部分10bとを有するものとして形成できる。誘
電体アンテナ1(チップアンテナ)は、第二部分10b
の先端に接続される。延出部10eを上記のように2部
分からなるものとして構成することで、限られた実装ス
ペース12であっても延出部10eの形成可能な長さを
拡大することができ、より広いレンジでインピーダンス
調整を行なうことができる。本実施形態では、基板側線
路導体10が誘電体基板42の、幅方向の一方の縁側に
寄せて配置され、延出部10eの第二部分10bは、そ
の一方の縁側から他方の縁側に向けて延びる形で形成さ
れている。
【0051】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、当業者が
通常有する知識に基づき、請求項の記載を逸脱しない範
囲にて種々の改良ないし変形を加えることができ、これ
らも当然、本発明の技術的範囲に属する。例えば、上記
実施形態では、アンテナ用伝送線路をマイクロストリッ
プラインとしていたが、線路導体と接地用導体層とを有
するものであればマイクロストリップライン以外のも
の、例えばコプレーナウェーブガイドやストリップライ
ン等を使用することもできる。図12はコプレーナウェ
ーブガイドとして構成した例で、誘電体基板42の第一
主表面MPに、線路導体110と、これを幅方向に挟む
形態の接地用導体層111の両方が形成されている。そ
して、線路導体110の延伸方向における接地用導体層
111の縁から線路導体110が延出している部分が、
インピーダンス整合調整を行なうための延出部110e
として機能する。図10では、該延出部110eの末端
に、モノポール型アンテナのアンテナ線路導体3が接続
されている。
【0052】また、アンテナ線路導体3は、先端側が開
放(オープン)になっているものであれば、モノポール
型アンテナに限らず、例えば逆F型アンテナを構成する
ものとなっていてもよい。図13はその一例を示すもの
である。アンテナ用伝送線路は図12に示すコプレーナ
ウェーブガイドとして構成されている(図12との共通
部分には同一の符号を付与し、詳細な説明は省略す
る)。また、接続されているのは誘電体チップアンテナ
150であり、アンテナ基体2上に形成されたアンテナ
線路導体3の基端部が延出部110eに接続される一
方、このアンテナ線路導体3から分岐する接地線路3’
が、アンテナ用伝送線路の接地用導体層111に接続さ
れ、逆F型アンテナが形成されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する誘電体アンテナの一実施形態
を示す説明図。
【図2】図1の誘電体アンテナの、アンテナ線路導体の
一例を示す説明図。
【図3】アンテナ線路導体の別の変形例を示す説明図。
【図4】本発明の一実施形態に係るアンテナの構造を示
す説明図。
【図5】本発明の高周波無線通信装置用回路モジュール
の一例を模式的に示す斜視図。
【図6A】基板の長辺方向端部において、アンテナの実
装スペースを基板全幅にまたがるように形成した第一の
実施形態を示す図。
【図6B】同じく第二の実施形態を示す図。
【図6C】同じく第三の実施形態を示す図。
【図7】本発明の誘電体アンテナを用いた高周波無線通
信装置の一例を示す回路図。
【図8】アンテナ用伝送線路の線路導体の延出部形成長
と反射係数との関係を測定した実験結果を示すグラフ。
【図9】アンテナ線路導体の蛇行幅と反射係数S11と
の関係を測定した実験結果を示すグラフ。
【図10】アンテナ基体に用いる誘電体の比誘電率と反
射係数S11との関係を測定した実験結果を示すグラ
フ。
【図11】アンテナ線路導体の線路幅とアンテナ長との
関係を示すグラフ。
【図12】アンテナ用伝送線路をコプレーナウェーブガ
イドとして構成した例を示す斜視図。
【図13】アンテナ線路導体を逆F型アンテナとして構
成した例を示す斜視図。
【符号の説明】
1,150 誘電体アンテナ 2 アンテナ基体 3 アンテナ線路導体 10 線路導体 10e 延出部 11 接地用裏面導体層 40 高周波無線通信用回路モジュール 41 部品実装用基板 43 実装部品 45 送信回路(通信処理回路) 46 受信回路(通信処理回路) 50 高周波無線通信装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J045 AB05 DA09 EA07 HA03 HA05 JA11 NA03 5J046 AA07 AB06 AB13 PA04 PA07 5K011 AA04 AA06 AA16 JA01 JA03 KA18

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体基板に形成された基板側線路導体
    と、該基板側線路導体と組み合わされる形で前記誘電体
    基板に形成される接地用導体層とからなるアンテナ用伝
    送線路と、前記基板側線路導体に結合され、先端側が開
    放とされたアンテナ線路導体とを有し、 前記アンテナ用伝送線路の前記アンテナ線路導体への結
    合側端部において、前記基板側線路導体の先端部が前記
    接地用導体層の端縁から延出する形で配置され、その延
    出部に前記アンテナ線路導体が結合されてなることを特
    徴とするアンテナ。
  2. 【請求項2】 前記アンテナ用伝送線路は、前記誘電体
    基板の第一主表面に前記基板側線路導体が形成され、同
    じく第二主表面に接地用導体層が形成されたマイクロス
    トリップライン型のものであり、 前記アンテナ線路導体は、一端が前記基板側線路導体の
    末端に結合され、他端が開放とされたモノポール型アン
    テナを形成するものであり、 前記アンテナ用伝送線路は、前記接地用導体層が前記誘
    電体基板の前記第二主表面の一部領域のみを覆う形態に
    て形成され、該接地用導体層の非形成領域に対応する第
    一主表面側の領域がアンテナの実装スペースとして確保
    されるとともに、前記基板側線路導体が前記接地用導体
    層の形成領域と非形成領域との境界から該非形成領域側
    に一定長延出する形で配置され、その延出部の末端に前
    記アンテナ線路導体が結合されてなる請求項1記載のア
    ンテナ。
  3. 【請求項3】 前記アンテナ線路導体と前記基板側線路
    導体とは線幅が相違するものとして形成されてなる請求
    項1又は2に記載のアンテナ。
  4. 【請求項4】 前記アンテナ線路導体が前記基板側線路
    導体よりも狭幅に形成されてなる請求項3記載のアンテ
    ナ。
  5. 【請求項5】 前記アンテナ線路導体は、誘電体からな
    るアンテナ基体とともに誘電体アンテナを構成するもの
    である請求項1ないし4のいずれか1項に記載のアンテ
    ナ。
  6. 【請求項6】 前記アンテナ線路導体の線幅が0.3m
    m以下である請求項5記載のアンテナ。
  7. 【請求項7】 前記アンテナ線路導体は、アンテナ長方
    向に伸びる蛇行形態を有する請求項5又は6に記載のア
    ンテナ。
  8. 【請求項8】 前記誘電体アンテナは、前記アンテナ基
    体がアンテナ長方向に長手方向が一致する直方体状に形
    成され、かつ、長手方向と直交する2つの稜線方向の一
    方を厚さ方向として、当該厚さ方向における主表面と平
    行に前記アンテナ線路導体が形成されるとともに、2つ
    の主表面の片側に前記アンテナ線路導体と導通する表面
    実装用パッドが形成されたチップアンテナとして構成さ
    れ、前記誘電体基板上に実装されている請求項5ないし
    7のいずれか1項に記載のアンテナ。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1項に記載
    のアンテナと、該アンテナを介した高周波信号の送信処
    理及び/又は受信処理を行なう通信処理回路の少なくと
    も一部をなす実装部品とが、前記誘電体基板により一体
    化されてなることを特徴とする高周波無線通信用回路モ
    ジュール。
  10. 【請求項10】 前記誘電体基板は長方形状に形成さ
    れ、 前記アンテナ用伝送線路は、前記誘電体基板の第一主表
    面に前記基板側線路導体が形成され、同じく第二主表面
    に接地用導体層が形成されたマイクロストリップライン
    型のものであり、 前記接地用導体層は、該誘電体基板の長辺方向の一端側
    において、前記第二主表面の短辺方向全幅にまたがる形
    で接地用導体層の非形成領域が設けられ、、該接地用導
    体層の非形成領域に対応する前記第一主表面側の領域が
    アンテナの実装スペースとして確保され、前記基板側線
    路導体は前記接地用導体層の形成領域と非形成領域との
    境界から該非形成領域側に一定長延出して前記延出部を
    形成してなり、 請求項8に記載のチップアンテナが、前記延出部に接続
    される形で前記実装スペースに実装されてなる請求項9
    記載の高周波無線通信用回路モジュール。
  11. 【請求項11】 前記チップアンテナは、該チップアン
    テナの前記長手方向と前記誘電体基板の短辺方向とが互
    いに一致する関係にて配置されてなる請求項10記載の
    高周波無線通信用回路モジュール。
  12. 【請求項12】 前記基板側線路導体の前記延出部は、
    前記実装スペースの境界から前記誘電体基板の長辺方向
    に遠ざかる向きに延出する第一部分と、該第一部分の先
    端から前記誘電体基板の短辺方向に延びる第二部分とを
    有し、その第二部分の先端に前記チップアンテナが接続
    されてなる請求項11記載の高周波無線通信用回路モジ
    ュール。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし8のいずれか1項に記
    載のアンテナと、該誘電体アンテナを介した高周波信号
    の送信処理及び/又は受信処理を行なう通信処理回路と
    を有することを特徴とする高周波無線通信装置。
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