JP2003110332A - 誘電体アンテナ、高周波無線通信用回路モジュール及び高周波無線通信装置 - Google Patents

誘電体アンテナ、高周波無線通信用回路モジュール及び高周波無線通信装置

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JP2003110332A
JP2003110332A JP2001303280A JP2001303280A JP2003110332A JP 2003110332 A JP2003110332 A JP 2003110332A JP 2001303280 A JP2001303280 A JP 2001303280A JP 2001303280 A JP2001303280 A JP 2001303280A JP 2003110332 A JP2003110332 A JP 2003110332A
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dielectric
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JP2001303280A
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Noriyasu Sugimoto
典康 杉本
Toshikatsu Takada
俊克 高田
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンテナの物理長を有効に縮小することがで
き、しかも電波放射特性の低下を生じにくい誘電体アン
テナを提供する。 【解決手段】 誘電体アンテナ1は、誘電体からなり主
表面MPを有するアンテナ基体2と、該アンテナ基体2
に対し、主表面MPと平行に設けられたアンテナ配線パ
ターン3とを有する。主表面MPと平行な投影面に対す
る正射投影において、アンテナ配線パターン3は、アン
テナ長O方向に伸びる蛇行形態を有し、かつ、上記正射
投影において、アンテナ配線パターン3の配線幅をw、
蛇行幅をdとして、d/wが3以上であり、かつ蛇行幅
dの絶対値が3mm以下とされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波領域での無
線通信に好適に使用される誘電体アンテナと、その誘電
体アンテナを用いた高周波無線通信用回路モジュール及
び高周波無線通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、携帯電話などの移動体通信機器
や、無線LANあるいはBluetoothといったワイヤレス
ネットワークシステムの普及が急速に進んでいる。移動
体通信機器においては、加入者の増加に伴い十分なチャ
ネル数を確保するために、1GHz以上の高周波帯への
移行が目覚しい。他方、ワイヤレスネットワークシステ
ムでは、国内電波法上の要請により2.4GHz帯、
5.2GHz帯、19GHz帯、60GHz帯の各周波
数帯のみ使用が許可されている。このうち、2.4GH
z帯は、ユーザ免許が不要で低コストであり、通信特性
もよいので、大多数のワイヤレスネットワークシステム
において採用されているが、近い将来、ユーザの増加に
よる電波資源の枯渇が懸念され、今後は5.2GHz帯
の積極利用も見込まれるところである。
【0003】上記のような無線通信において、アンテナ
は必要不可欠な機器構成要素であるが、スペースを消費
しやすい。他方、携帯電話やワイヤレスネットワークシ
ステムにおいては、近年、機器の小型化傾向が著しい。
そこで、回路基板上にアンテナパターンを直接形成した
り、あるいはチップ化されたアンテナを回路基板上に実
装することにより、機器全体のコンパクト化が図られて
いる。この場合、スペースの限られた基板上にアンテナ
を組み付けなければならないので、アンテナ寸法に関し
ても思い切った縮小を余儀なくされる。この場合、小型
化しても性能が劣化しないアンテナが当然求められる。
【0004】アンテナの小型化を図る場合、誘電体を用
いることが有効である。アンテナの物理長は、誘電体の
比誘電率をεrとすると、(εr)−1/2に短縮する
ことができる。このことを利用して、回路モジュールの
基板を誘電体とし、ここにアンテナパターンを形成する
か、あるいは誘電体基材にアンテナパターンと実装用パ
ッドを設けたチップアンテナを用いる方法が採用されて
いる。しかし、近年、携帯端末やモバイルコンピュータ
の普及に伴い、小型化の要請はさらに厳しさを増してお
り、単に誘電体を用いるだけでは対応しきれなくなって
いるのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】アンテナの線路パター
ンは、直線状に形成するとアンテナ物理長の増大を引き
起こすため、小型化の観点において望ましくない。そこ
で、線路パターンを蛇行形態に折り曲げてアンテナ長の
縮小を図る技術が、例えば特許第3114582号、特
開平9−55618号及び特開平9−139621号の
各公報に開示されている。
【0006】しかし、上記従来の誘電体アンテナにおい
ては、アンテナ長の縮小を追及するあまり、電波放射特
性の維持がややなおざりにされる傾向があった。本発明
の課題は、蛇行形態で線路パターンを形成することによ
りアンテナの物理長を有効に縮小することができ、しか
も電波放射特性の低下を生じにくい誘電体アンテナと、
これを用いた高周波回路モジュール及び高周波無線通信
装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】本発明の
誘電体アンテナは、誘電体からなり主表面を有するアン
テナ基体と、該アンテナ基体に対し、主表面と平行に設
けられたアンテナ線路パターンとを有し、上記課題を解
決するために、前記主表面と平行な投影面に対する正射
投影において、前記アンテナ線路パターンが、アンテナ
長方向に伸びる蛇行形態を有し、かつ、正射投影におい
て、アンテナ線路パターンの線路幅をw、蛇行幅をdと
して、d/wが3以上であり、かつ蛇行幅dの絶対値が
3mm以下であることを特徴とする。
【0008】アンテナ線路パターンを蛇行形態に形成す
る場合、蛇行幅dを線路幅wより小さくすることは幾何
学的に不可能である。従って、線路幅wが小さいほど細
かい蛇行を形成することが可能となり、アンテナ線路パ
ターンが小さくとも、十分なアンテナ長縮小効果が得ら
れる。逆に、線路幅wが大きい場合、アンテナ長縮小効
果を十分なものとするためには、蛇行幅の拡大を余儀な
くされる。従って、蛇行幅dと線路幅wとの比d/w
は、アンテナ長縮小の潜在的可能性を表す指標となる。
本発明においては、アンテナ長縮小が第一の目的であ
り、その前提条件として、上記d/wの値を3以上に定
めるものとする。
【0009】ところで、アンテナ本来の機能である電波
放射の観点においては、電界あるいは磁界の局所的な不
均一化が生じにくい形態が望ましく、その線路パターン
はできるだけ直線形態に近いほうが有利である。従っ
て、アンテナ線路パターンを蛇行状としてアンテナ長の
縮小を図ることは、この点、明らかに不利に作用する。
本発明者らは、電波放射効率をなるべく損なわず、しか
もアンテナ長の縮小効果も十分に達成できる線路パター
ン形態について鋭意検討したところ、線路幅wとは無関
係に蛇行幅dの絶対値を3mm以下に設定することが、
電波放射特性の低下抑制にきわめて有効であることを見
出し、本発明を完成するに至ったのである。これによ
り、小型でしかも高性能の誘電体アンテナを実現でき
る。なお、dの下限値は、本発明においては絶対値では
なく、上記のように線路幅wに対する比d/wの形で相
対的に定められる。そして、該下限値(3)未満では、
目的とするアンテナ長縮小効果が十分に達成できなくな
る。
【0010】次に、本発明の高周波無線通信用回路モジ
ュールは、上記本発明の誘電体アンテナと、該誘電体ア
ンテナを介した高周波信号の送信処理及び/又は受信処
理を行なう通信処理回路の少なくとも一部をなす実装部
品とが、部品実装用基板により一体化されてなることを
特徴とする。また、本発明の高周波無線通信装置は、上
記本発明の誘電体アンテナと、該誘電体アンテナを介し
た高周波信号の送信処理及び/又は受信処理を行なう通
信処理回路とを有することを特徴とする。
【0011】高周波無線通信装置や高周波無線通信用回
路モジュールに、上記本発明の誘電体アンテナを用いる
ことにより、回路モジュールあるいは装置全体のコンパ
クト化を図ることができ、近年の厳しい小型化の要請に
も十分に対応することができるようになる。さらに、組
み込まれたアンテナが小型であるにもかかわらず、アン
テナ放射特性が良好に維持される結果、小型・軽量でし
かも高感度の無線通信装置を実現することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図面を用
いて説明する。図1は、本発明の一実施形態たる誘電体
アンテナ1を示すものであり、(a)は側面図、(b)
は平面図、(c)は底面図である。誘電体アンテナ1
は、誘電体からなり主表面MPを有するアンテナ基体2
と、該アンテナ基体2に対し、主表面と平行に設けられ
たアンテナ線路パターン3とを有するものである。アン
テナ線路パターン3は、主表面MPと平行な投影面PP
に対する正射投影において、アンテナ長方向に伸びる蛇
行形態を有する。
【0013】より詳しくは、図2(a)に示すように、
各々アンテナ長方向(O)と交差する向きに形成され、
かつ該アンテナ長方向に配列した複数の交差方向線路単
位32を有する。これらの交差方向線路単位32は、隣
接するもの同士の端が互い違いに連結され、全体として
蛇行形態の連続線路部を形成してなる。
【0014】図1に示すように、アンテナ線路パターン
3を蛇行形態に形成することによりアンテナ長L(アン
テナ基体2の長手方向寸法とする)を効果的に縮小する
ことができる。しかし、図2(a)から明らかなよう
に、蛇行幅dを線路幅wより小さくすることは幾何学的
に不可能である。従って、図2(b)に示すように、線
路幅wが小さいほど細かい蛇行を形成することが可能と
なり、蛇行幅dが小さくとも、十分なアンテナ長縮小効
果が得られる。本発明においては、前提条件として、上
記d/wの値が3以上に定められる。そして、線路幅w
とは無関係に、蛇行幅dの絶対値が3mm以下に設定さ
れる。これにより、蛇行形態のパターンを採用している
にも拘わらず、アンテナ1の電波放射特性の低下を効果
的に抑制することができ、小型でしかも高性能の誘電体
アンテナを実現できる。
【0015】図2のアンテナ線路パターン3は、複数の
交差方向線路単位32が、各々アンテナ長方向と直交す
る向きに形成され、かつアンテナ長方向に配列した直交
方向線路単位(以下、直交方向線路単位32という)と
され、さらに、隣接する直交方向線路単位32の端を互
い違いに連結するアンテナを長方向と平行に形成された
連結線路単位33を有している。直交方向線路単位32
は、アンテナ長方向の寸法占有長さが限界値である線路
幅wに等しくなるため、アンテナ長縮小効果が大きい利
点がある。ただし、本発明においてアンテナ線路パター
ンの形態はこれに限定されるものではない。例えば、傾
斜した交差方向線路単位を、アンテナ長方向に平行な連
結線路単位により互い違いに連結したアンテナ線路パタ
ーンや、交差方向線路単位を正弦波曲線状に滑らかに連
結したアンテナ線路パターンなどが考えられる。これら
のアンテナ線路パターンは、アンテナ長縮小効果の点で
は図2に劣るが、鋭角的な屈曲部が生じないので、電波
放射損失を低減できる利点がある。
【0016】なお、図8は、アンテナ基体2をなす誘電
体としてアルミナ焼結体(厚さ:1mm)を使用すると
ともに、共振周波数を2.4GHzに設定した誘電体ア
ンテナの、線路幅wとアンテナ長との関係を示すもので
ある。ただし、蛇行幅dは2mmとし、直交方向線路単
位32の対向縁間隔s(対向縁間距離として定義する)
を線路幅wと等しく設定している。これによると、アン
テナ線路パターン3の線路幅wが小さくなる程アンテナ
長を顕著に短くできていることがわかる。
【0017】典型的な従来型のアンテナとして、部品実
装用プリント基板上に、モノポールアンテナを形成した
場合、共振周波数2.4GHzとなるアンテナ長は27
mmに達する。蛇行線路パターンを用いる本発明におい
ては、図8によると、線路幅として0.3mm以下を採
用すると、モノポールアンテナの約半分(13.5m
m)にアンテナ長を短縮できることがわかる。ただし、
線路幅wが0.05mm未満になると、インダクタンス
成分の増加によりアンテナの特性インピーダンスが大き
くなり、アンテナが接続される通信回路側とのインピー
ダンス不整合により、電波放射効率が低下する不具合に
つながる。従って、線路幅wは0.05mm以上に設定
するのがよい。
【0018】図1においてアンテナ線路パターン3は、
全体がアンテナ基体2の主表面MP上に配置されてい
る。アンテナ基体2を焼結セラミック誘電体で構成する
場合、アンテナ線路パターン3を白金等の高融点金属に
て構成し、セラミック誘電体との同時焼成により製造す
ることができる。しかし、アンテナ線路パターン3の線
路金属材料を高価な高融点金属で構成しなければならな
いことから、コスト高を招きやすい問題がある。そこ
で、アンテナ基体2を焼成後に、アンテナ線路パターン
3をアンテナ基体2の主表面MP上に2次メタライズ処
理して形成する方法を採用すれば、線路金属材料として
より低融点のものが採用でき、経済的である。具体的に
は、焼成後のアンテナ基体2上にAg系等の比較的低融
点の金属ペーストを用いてパターンを印刷形成し、誘電
体焼成時よりも低温であって、金属ペーストの焼結が十
分進行する温度で二次焼成する方法を例示できる。この
他、化学メッキ法や物理蒸着法等による線路パターンの
形成も可能である。具体的には、Ag系(Ag単体、A
g−金属酸化物(Mn、V、Bi、Al、Si、Cu等
の酸化物)、Ag−ガラス添加、Ag−Pd、Ag−P
t、Ag−Rh等)、Cu系(Cu単体、Cu−金属酸
化物、Cu−Pd、Cu−Pt、Cu−Rh等)等の低
抵抗材料から選ばれるものを用いることができる。な
お、図1(a)に示すように、アンテナ基体2の主表面
MP上に形成されたアンテナ線路パターン3を、高分子
あるいはガラスセラミック等の低温焼成型セラミックか
らなる保護誘電体層7(厚さ例えば5〜50μm程度)
により覆うこともできる。
【0019】なお、本発明の誘電体アンテナは、図3に
示すように、アンテナ線路パターン3を積層セグメント
3sに分割し、積層体として構成されたアンテナ基体2
の各層に分散配置した構成とすることもできる。各積層
セグメント3sは導電性のビア3vにより接続される。
このようにすると、主表面MPに偏らないアンテナ指向
性を実現することができる。
【0020】また、図2において、隣接する直交方向線
路単位32,32の対向縁間隔sは、最低でも0.1m
m以上確保されていることが、電波放射特性を良好に確
保する上で望ましい。他方、該対向縁間隔sは、アンテ
ナ長縮小効果を顕著なものとするために、線路幅wの2
倍以下の範囲に留めることが望ましい。なお、対向縁間
隔sは、アンテナ線路パターン3の前記正射投影におい
て、隣接する直交方向線路単位32,32の対向縁が、
蛇行幅dに関する中心線Oを切り取る長さとして定義す
る(図3も参照)。
【0021】蛇行幅dの影響を調べるために行なった実
験結果について、以下に説明する。まず、アンテナ基体
2をなす誘電体としてアルミナ焼結体(厚さ:1mm)
を使用するとともに、線路全長を30mmに設定した誘
電体アンテナを、種々の蛇行幅d、線路幅w及び対向縁
間隔sを有するものとして作製した。これらのアンテナ
を、市販のネットワークアナライザ(横川ヒューレット
パッカード(株)製:HP−8510C)に接続し、
2.4GHzにおける反射係数S11を測定した。図6
にその結果を示す。また、図6の個々の測定点データを
表1にまとめている。
【0022】
【表1】
【0023】これによると、線路幅w及び対向縁間隔s
とは無関係に、線路幅wを小さくするほど反射係数S
11が小さくなり、電波放射効率が向上していることが
わかる。そして、蛇行幅dを3mm以下とすることによ
り、アンテナ利得として十分な−8dB以下を達成でき
ていることがわかる。
【0024】次に、アンテナ基体2をなす誘電体は、比
誘電率が大きくなると、アンテナ長縮小効果が大きくな
るが、過度に大きくなった場合は電波放射効率の低下を
招いたり、あるいは無負荷の増大により帯域幅が縮小す
る不具合につながる場合がある。この観点において、ア
ンテナ基体2をなす誘電体は、2.4GHzでの比誘電
率が13以下の材質を使用することが望ましい。このよ
うな誘電体材料としては、アルミナ含有量を98%以上
としたアルミナ質セラミックス、ムライト質セラミック
ス、あるいはガラスセラミックス等が、高周波領域にお
いても誘電損失が小さい材質として、本発明に好適に使
用される。ガラスセラミックとしては、ホウケイ酸系ガ
ラスあるいはホウケイ酸鉛系ガラスにアルミナ等の無機
セラミックフィラーを40〜60重量部添加した系が、
金属線路部との同時焼結性が良好で好ましい。 また、
セラミック誘電体以外では、ガラスエポキシ材料などの
無機/高分子複合材料を使用できる。
【0025】比誘電率の影響を調べるために行なった実
験結果について、以下に説明する。図1に示すタイプの
誘電体アンテナのアンテナ基体2として、以下の材質の
ものを用意した(すべて厚さ1mm): ・チタニア系誘電体(2.4GHzにおける比誘電率:
21); ・アルミナ系誘電体(2.4GHzにおける比誘電率:
13); ・ガラスセラミックス系誘電体(2.4GHzにおける
比誘電率:8); ・ガラスエポキシ樹脂系誘電体(2.4GHzにおける
比誘電率:4)。
【0026】上記のアンテナ基体2を用い、蛇行幅dを
2mm、直交方向線路単位32の対向縁間隔sを線路幅
wと等しく設定し、線路全長を共振周波数が2.4GH
zとなるように最適化した種々の誘電体アンテナを作製
した。これらのアンテナを、前記ネットワークアナライ
ザに接続し、2.4GHzにおける反射係数S11を測
定した。図7にその結果を示す。これによると、アンテ
ナ基体2の比誘電率が小さくなるほど反射係数S11
小さくなり、電波放射効率が向上していることがわか
る。そして、比誘電率を13以下とすることにより、ア
ンテナ利得として十分な−8dB以下を達成できている
ことがわかる。
【0027】以下、本発明の誘電体アンテナの、種々の
適用形態について説明する。図1の誘電体アンテナ1
は、アンテナ基体2がアンテナ長方向に長手方向Lが一
致する細長い直方体状に形成され、かつ、長手方向Lと
直交する2つの稜線方向の一方を厚さ方向Tとして、当
該厚さ方向Tにおける主表面MPと平行にアンテナ線路
パターン3が形成されている。そして、2つの主表面の
片側MP’にアンテナ線路パターン3と導通する表面実
装用パッド5が形成されたチップアンテナとして構成さ
れている。このようなチップアンテナに本発明を適用す
ることにより、チップアンテナの寸法縮小を効果的に図
ることができ、機器の小型化により面積が縮小した部品
実装用基板においても、実装スペースを容易に確保する
ことが可能となる。図1では、厚さ方向Tにおける一方
の主表面MPにアンテナ線路パターン3が形成され、他
方の主表面(以下、裏面という)MP’に表面実装用パ
ッド5が形成されている。該表面実装用パッド5は、側
面ビア4を介してアンテナ線路パターン3と導通してい
る。また、図1(c)に示すように、アンテナ基体2の
裏面MP’には、補助用のパッド6が形成され、パッド
5とともに基板41に対し半田接合部9を用いて接合さ
れる。
【0028】一方、図4に示すように、アンテナ基体
を、部品実装用基板41の一部を流用して形成すること
もできる。この場合、誘電体にて構成された基板41の
表面に、アンテナ線路パターン3が直接形成される。本
発明によれば、アンテナ線路パターン3の長さを効果的
に縮小できるので、面積が縮小した部品実装用基板41
においても、アンテナ線路パターン3の形成スペースを
容易に確保することが可能となる。
【0029】図5は、本発明の誘電体アンテナを用いた
高周波無線通信装置の回路構成例を示すものである。こ
の装置50は、誘電体アンテナ1と、該誘電体アンテナ
1を介した高周波信号の無線送受信処理(必要に応じて
送信専用としたり、受信専用としたりすることももちろ
ん可能である)を行なう通信処理回路49とを有する。
通信処理回路49は受信回路46と送信回路45とを有
し、誘電体アンテナ1は、アンテナスイッチ56により
それらのいずれかに選択的に接続される。
【0030】受信時の動作は以下の通りである。すなわ
ち、誘電体アンテナ1により受信された電波信号(例え
ば中心周波数2.4GHz)は、アンテナスイッチ56
を経てローノイズアンプ62により増幅され、受信側バ
ンドパスフィルタ61を経て不要な周波数帯の信号が除
去され、さらに、その除去後の信号と局部発振器57と
の出力がミキサ60によりミックスされる。そして、そ
のミックスにより生じた変調信号(IF信号)は、IF
バンドパスフィルタ59により必要な成分(例えば10
0〜300MHz)が取り出され、復調回路58により
復調された後、ベースバンド回路51に入力される。
【0031】他方、送信時の動作は以下の通りである。
ベースバンド回路51からのソース信号は低周波のアナ
ログ又はディジタル信号であり、変調回路52におい
て、該ソース信号により搬送波(例えば100〜300
MHz)が変調され、さらにミキサ53により局部発振
器57の出力信号とミックスされる。この結果生ずる複
数の変調信号は、送信側バンドパスフィルタ54により
必要な帯域の成分(例えば中心周波数2.4GHz)が
取り出され、パワーアンプ55により増幅された後、ア
ンテナスイッチ56を経て誘電体アンテナ1から送信さ
れる。
【0032】図5の回路構成は、携帯電話や、無線LA
N及びBluetoothといったワイヤレスネットワークシス
テム用通信装置の基本部分として使用できる。
【0033】図5の高周波無線通信装置の回路は、図4
に示すように、部品実装用基板41上に誘電体アンテナ
1とその他の実装部品43を実装した回路モジュール4
0として構成することができる。この場合、この回路モ
ジュール40には、図5の回路構成要素の全てが実装さ
れていてもよいし、該回路モジュール40の外に、誘電
体アンテナ1以外の回路構成要素の一部をなす部品を分
離して設けてもよい。またBluetoothモジュールに、図
5に現れない周辺実装部品が搭載されていてもよい。な
お、符号「42」は、マザーボード等のスロットにモジ
ュール40をを装着するためのコネクタである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体アンテナの一実施形態を、実装
状態とともに示す説明図。
【図2】図1の誘電体アンテナの、アンテナ線路パター
ンの一例を示す説明図。
【図3】アンテナ線路パターンの別の変形例を示す説明
図。
【図4】本発明の高周波無線通信装置用回路モジュール
の一例を模式的に示す斜視図。
【図5】本発明の誘電体アンテナを用いた高周波無線通
信装置の一例を示す回路図。
【図6】アンテナ線路パターンの蛇行幅と反射係数S1
1との関係を測定した実験結果を示すグラフ。
【図7】アンテナ基体に用いる誘電体の比誘電率と反射
係数S11との関係を測定した実験結果を示すグラフ。
【図8】アンテナ線路パターンの線路幅とアンテナ長と
の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 誘電体アンテナ 2 アンテナ基体 3 アンテナ線路パターン 40 高周波無線通信用回路モジュール 41 部品実装用基板 43 実装部品 45 送信回路(通信処理回路) 46 受信回路(通信処理回路) 50 高周波無線通信装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J045 AA05 AB05 DA09 EA08 HA03 LA03 NA03 5J046 AA03 AA07 AB13 PA04 5J047 AA03 AA07 AB13 FD01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体からなり主表面を有するアンテナ
    基体と、該アンテナ基体に対し、前記主表面と平行に設
    けられたアンテナ線路パターンとを有する誘電体アンテ
    ナにおいて、 前記主表面と平行な投影面に対する正射投影において、
    前記アンテナ線路パターンは、アンテナ長方向に伸びる
    蛇行形態を有し、かつ、前記正射投影において、前記ア
    ンテナ線路パターンの線路幅をw、蛇行幅をdとして、
    d/wが3以上であり、かつ前記蛇行幅dの絶対値が3
    mm以下であることを特徴とする誘電体アンテナ。
  2. 【請求項2】 前記アンテナ線路パターンは、各々アン
    テナ長方向と直交する向きに形成され、かつアンテナ長
    方向に配列した複数の直交方向線路単位を有し、さら
    に、隣接する前記直交方向線路単位の端を互い違いに連
    結する連結線路単位が前記アンテナ長方向と平行に形成
    されてなる請求項1記載の誘電体アンテナ。
  3. 【請求項3】 前記アンテナ線路パターンの前記線路幅
    wが0.3mm以下である請求項1又は2に記載の誘電
    体アンテナ。
  4. 【請求項4】 前記アンテナ基体をなす前記誘電体は、
    2.4GHzにおける比誘電率が13以下の材質が使用
    される請求項1ないし3のいずれか1項に記載の誘電体
    アンテナ。
  5. 【請求項5】 前記アンテナ基体がアンテナ長方向に長
    手方向が一致する直方体状に形成され、かつ、長手方向
    と直交する2つの稜線方向の一方を厚さ方向として、当
    該厚さ方向における主表面と平行に前記アンテナ線路パ
    ターンが形成されるとともに、2つの主表面の片側に前
    記アンテナ線路パターンと導通する表面実装用パッドが
    形成されたチップアンテナとして構成されている請求項
    1ないし4のいずれか1項に記載の誘電体アンテナ。
  6. 【請求項6】 前記アンテナ基体が部品実装用基板の一
    部を流用して形成されてなる請求項1ないし4のいずれ
    か1項に記載の誘電体アンテナ。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載
    の誘電体アンテナと、該誘電体アンテナを介した高周波
    信号の送信処理及び/又は受信処理を行なう通信処理回
    路の少なくとも一部をなす実装部品とが、部品実装用基
    板により一体化されてなることを特徴とする高周波無線
    通信用回路モジュール。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載
    の誘電体アンテナと、該誘電体アンテナを介した高周波
    信号の送信処理及び/又は受信処理を行なう通信処理回
    路とを有することを特徴とする高周波無線通信装置。
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