JP2005094499A - アンテナ装置、アンテナ素子製造方法及び通信装置 - Google Patents

アンテナ装置、アンテナ素子製造方法及び通信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 UWB通信等の広帯域無線通信の周波数帯に適用できるような周波数特性を備え、小型携帯用の電子機器筐体への内蔵に適した小型アンテナで、広い使用可能周波数帯域の中に、所望の周波数の阻止帯域を有する特性を実現する。
【解決手段】 プリント基板1上に、エッチング加工によりほぼ長方形をした主アンテナエレメント11を形成し、主アンテナエレメント11の一辺に接する位置に給電点3を設け、ここに給電線2を接続し、給電するアンテナ装置10において、前記主アンテナエレメント11に接続し、前記給電線2に対してほぼ直角方向に形成した帯域補正エレメント12〜15と、前記主アンテナエレメント11の一部に、前記給電線2に対してほぼ平行方向に形成した帯域阻止スリット16、17を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、広帯域通信機器に適用可能なアンテナ装置及びアンテナ素子の製造方法、並びにアンテナを備えた通信装置に関する。
近年、無線通信などの分野では、通信速度、容量の向上のために広帯域通信が採用されてきている。更に、最近になり、UWB(Ultra WideBand)と呼ばれる超広帯域通信なども、一般での利用が目前となっており、これらの通信においては広帯域な周波数特性の実現が要求される。
一方、通信機器や通信機能を備えた電子機器に対しては、携帯性が重要となっており、これらの機器には小型軽量化の要求がある。それに共なって、これらの小型携帯機器に内蔵するアンテナ装置についても、小型化が要求されている。
図5にマイクロ波帯において一般的に用いられるアンテナの例として、従来のパッチアンテナの構造を示す。図5のパッチアンテナ30は、プリント基板31上にほぼ正方形のパッチパターン32を形成し、パッチパターン32と同一平面上にパッチパターン32の一辺と接する位置に給電線33を形成したものである。給電線33としては、例えばマイクロストリップ線路を用いる。
次に、図6に上記従来のパッチアンテナ30のリターンロス特性に関するグラフを示す。図6において、横軸は周波数(GHz)、縦軸はリターンロス(dB)を表している。図6では、7GHz付近にリターンロスのピークを持つが、使用可能な周波数範囲は非常に狭く、設計中心周波数に対し、上下数パーセントとなっている。
このように、従来のパッチアンテナは、平面構造であるため小型筐体への内蔵を実現するためには優れているが、使用可能周波数帯域は、広くても設計中心周波数の上下数パーセント程度しか利用する事が出来ないため、UWB等の広帯域無線通信の周波数帯に適用するような周波数特性は実現できない。
一方、広帯域アンテナとしては、ディスコーンアンテナ(discone antenna:単円錐アンテナ)やバイコニカルアンテナ(bi−conical antenna:双円錐アンテナ)が旧来より知られている。図7にディスコーンアンテナの構造を示す。ディスコーンアンテナ40は、1枚の円形平板状エレメント(ディスク)41の中心部と、一本の円錐形状エレメント(コーン)42の頂点部とを立体的に組み合わせた構造を持ち、ディスク41とコーン42との接点となる位置にある給電点43から給電する。ディスコーンアンテナ40は、広帯域で利用できるという利点はあるが、このような立体的な構造を持つため、小型携帯用電子機器の筐体への内蔵には適さない。また、バイコニカルアンテナも、広帯域で整合するが、2本の円錐形状エレメントの頂点部を組み合わせた立体的な構造を持つため、ディスコーンアンテナと同様に小型電子機器への内蔵には適さない。
また、UWB通信機器の実現にあたり、そのアンテナとして一般的な狭帯域のアンテナで共振周波数をずらした物を複数用いる方法があるが、これも機器の小型化・低コスト化を大きく阻害する。
このように、近年の無線通信分野では、アンテナ性能の向上のための広帯域化とともに、通信機器や通信機能を備えた電子機器の小型化、携帯化に伴うアンテナ装置の小型化が求められている。
特許文献1には、複数の誘電体層で構成する誘電体基板の内部に形成した主アンテナ素子と、それと異なる誘電体層に主アンテナとほぼ平行に誘電体基板内部に形成した副アンテナ素子とを接続部で接続する構造とすることで、アンテナの帯域幅を広げ、小型軽量化を図ったアンテナ装置について開示されている。
また、特許文献2には、異なる周波数帯域に同調させることが可能な、異なるサイズの複数のパッチ素子で構成し、一部をプリント配線板上に配置し、一部をプリント配線板の外部に配置することで、広帯域性を有し、マルチバンドに対応できる、移動体通信端末での使用に適した小型半内蔵プリントアンテナについて開示されている。
特開2003−218623号公報 特表2003−516650号公報
ところが、上記従来のアンテナ装置では、通信に使用する周波数帯域の中及び近傍の周波数に既存の通信が存在する場合、相互の干渉を防ぐ目的で、アンテナ回路の前段に帯域除去フィルタ等を挿入する必要がある。図8に従来のアンテナ装置のアンテナ回路のブロック図の一例を示す。本アンテナ回路51では、受信時には、アンテナ50から受信した電波を帯域阻止フィルタ52を通して受信機(RX)54へ入力し、送信時には、送信機(TX)53から発信した電波を帯域阻止フィルタ52を通してアンテナ50へ送り、送信する。
このように、従来のアンテナ装置をUWB通信等に用いる場合は、既存の5GHz帯付近を使用する無線通信との干渉を防ぐ目的で、通信機器や通信機能を備えた電子機器に内蔵したアンテナ回路の初段に帯域阻止フィルタを配置する必要があり、回路が複雑なものとなるため、アンテナ装置の小型化を阻害していた。
本発明の目的は、UWB通信等の広帯域無線通信の周波数帯に適用できるような周波数特性を備え、小型携帯用の電子機器筐体への内蔵に適した小型アンテナで、広い使用可能周波数帯域の中に、所望の周波数の阻止帯域を有する特性を実現することである。
上記課題を解決するため、本発明は、給電線の端部にパッチを設けた形状のパッチアンテナにおいて、アンテナエレメントの一部に広帯域化を実現する補正部および、阻止帯域を実現するスリット部を形成する。
これにより、広帯域通信又はUWB通信を行う通信機器や通信機能を備えた電子機器に内蔵するアンテナを、1本のアンテナエレメントで実現できる。
また、本発明によると、帯域除去フィルタを用いる事無く、例えば5GHz帯付近などを使用する既存の通信との干渉を除去できる。そのため、アンテナ回路も簡略化することができ、アンテナ装置の小型化を実現することができる。
更に、本アンテナエレメントは、絶縁材プリント配線板を用い、エッチング加工により製造することができるため、低いコストで生産できる。
本発明によると、プリント基板上に形成するパッチアンテナのアンテナエレメントに帯域補正エレメントを設けることで広帯域化を実現できるため、広帯域通信又はUWB通信を行う小型携帯用の通信機器や通信機能を備えた電子機器に内蔵可能なアンテナ装置を実現できる。
また、本発明によると、アンテナエレメントの一部に特定の周波数帯に存在する既存の通信との干渉を除去することができる帯域阻止スリットを設けることで、アンテナ回路に帯域除去フィルタ等を設けること無く既存の通信との干渉を抑制することが可能となる。そのため、アンテナ回路も簡略化でき、アンテナ装置の小型化が実現できる。
更に、本発明によると、アンテナエレメントの製造方法として、絶縁材プリント配線板をエッチング加工することで形成することができるため、生産コストを低く抑えることができる。
以下、本発明の一実施の形態を図1〜図4を参照して説明する。
本発明の実施の形態によるアンテナ装置の構成例を図1に示す。本例のアンテナ装置は、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、トランシーバ、GPS(Global Positioning System)などの通信機器や通信機能を備えた電子機器に内蔵したアンテナ装置である。
図1において、アンテナ装置10は、プリント基板1を用いて構成する。プリント基板1上には、エッチング加工によりパターン形成した複数のアンテナエレメント11〜15を構成し、そのアンテナエレメントの一部に帯域阻止スリット16、17を形成する。複数のアンテナエレメントの中央部に位置する、ほぼ長方形をした主アンテナエレメント11の一辺に接する位置に給電点3を設け、ここにマイクロストリップ線路などの不平衡線路を給電線2として接続し、給電する。給電線2は主アンテナエレメント11の給電点3と接続する端部とは反対側の端部を、通信機器や通信機能を備えた電子機器の筐体内に備えている図示しない受信機又は発信機に接続する。ここで、プリント基板1は、構造材でガラスエポキシ等を絶縁材に使用した通常のプリント配線板を用いればよい。
次に、複数のエレメントから構成するアンテナエレメントの構成例について、図1をもとに説明する。プリント基板1上に形成したアンテナエレメントの中央部分には、ほぼ長方形をした主アンテナエレメント11を配置する。主アンテナエレメント11とある距離離れた位置に、細長い長方形をした帯域補正エレメント12、14を形成し、その端部と主アンテナエレメント11の端部とを接続部18、19で接続する。更に、帯域補正エレメント12、14のほぼ中央部分に、給電線に対してほぼ直角方向に細長い長方形をした別の帯域補正エレメント13、15を形成する。アンテナエレメントをこのように配置することで、主アンテナエレメント11と帯域補正エレメント12、14との間に、給電線に対してほぼ平行方向に細長い長方形をした帯域阻止スリット16、17を形成する。
これらの帯域補正エレメント12〜15を設けることで、アンテナ装置の広帯域化を実現している。また、主アンテナエレメント11と帯域補正エレメント12、14との間に形成する帯域阻止スリット16、17により、特定の周波数帯を使用する既存の無線通信との間に発生する干渉を除去することができる。
なお、本実施の形態によるアンテナエレメント及び帯域阻止スリットの大きさや形状は一例であり、アンテナエレメントは使用する周波数帯域に合わせた大きさ、形状に形成し、帯域阻止スリットは干渉を除去したい周波数に合わせたスリットの幅や大きさ、形状にすることで、目的とする周波数特性を得ることができる。なお、アンテナエレメントの長さ、即ち給電線に対して平行方向の長さは共振周波数を決定し、アンテナエレメントの幅、即ち給電線に対して直角方向の長さは比帯域に影響する。そのため、目的とする共振周波数、除去帯域に応じて、その大きさ、形状を調整すればよい。
また、本実施の形態によるアンテナ装置のアンテナエレメントは、プリント基板1上にエッチング加工によりパターンで形成することができるため、アンテナ装置を低コストで生産することが可能である。
図2は、本実施の形態によるアンテナ装置のリターンロス特性を示すグラフである。図2において、横軸は周波数(GHz)、縦軸はリターンロス(dB)を表している。このように、本実施の形態によるアンテナ装置では、3〜12GHzの、UWB通信に使用される周波数帯域全般においてリターンロス10dB以上(電圧定在波比:VSWR2以下)を実現出来ている。
更に図2のA部に示すように、5GHz付近にリターンロス0dB(全反射)のピークを持つ特性を実現している。この特性により、5GHz付近の周波数帯を使用する既存の無線通信との間に予測される干渉を、帯域阻止フィルタ等を用いる事なく除去する事が可能となる。
次に、ここまで説明した本例のアンテナ装置を適用した通信端末の例について、図3、図4に示す。図3は、本例のアンテナ装置を適用する通信機器の一例である携帯端末の外観図である。図3に示す携帯端末20の筐体内に本例のアンテナ装置を内蔵し、携帯端末20の外部にはアンテナ装置は配置しなくてよい。
図4は、上記携帯端末20に内蔵してあるアンテナ装置及び送受信装置の構成例を示すブロック図である。アンテナ10の給電点に一端を接続する給電線2は、その他端を携帯端末20の切り替え機21に接続する。アンテナ10で受信した信号は、給電線2を介して切り替え機21へ伝えられ、切り替え器21が受信部22側へ接続を切り替えることで、受信した信号は受信部22へ受け渡される。受信部22で受信処理した信号は、復調部23で復調し、データ処理部24へ渡す。データ処理部24は、CPU(Central Processing Unit)25に受信内容を通知し、CPU25はその内容に従って表示部251に着信情報を表示する。表示部251に表示された内容を基に、使用者が操作部252を操作することで着信を受付けると、その情報はCPU25を介してデータ処理部24に通知する。着信受付け後は、アンテナ10から受信した通信信号を受信部22から順次受け渡し、音声処理部26により音声情報に変換され、スピーカ261へ出力する。また、使用者の通話はマイク262にて集音し、音声処理部26を通ってデータ処理部24へ渡し、データ処理部24から変調部27へ入力する。変調部27は入力した音声情報を変調し、送信部28へ受け渡す。送信部28は切り替え器21を接続切り替えし、送信信号をアンテナ10へ送り、発信する。ここで、受信部22及び送信部28は、例えばUWB方式の受信処理及び送信処理を行う。
このように、携帯端末をはじめとする通信機器や通信機能を備えた電子機器に内蔵が可能な小型アンテナ装置で、UWB通信等の広帯域無線通信の周波数帯に適用が可能な周波数特性を持つアンテナ装置を実現できる。
本発明の一実施の形態によるアンテナ装置の構成例を示す平面図である。 本発明の一実施の形態によるアンテナ装置のリターンロス特性を示すグラフである。 本発明のアンテナ装置を内蔵した携帯端末の例を示す外観図である。 本発明のアンテナ装置を内蔵した携帯端末の構成例を示すブロック図である。 従来のアンテナ装置の例を示す平面図である。 従来のアンテナ装置のリターンロス特性を示すグラフである。 従来のアンテナ装置の例を示す斜視図である。 従来のアンテナ装置のアンテナ回路の例を示すブロック図である。
符号の説明
1…プリント基板、2…給電線、3…給電点、10…アンテナ、11…主アンテナエレメント、12〜15…帯域補正エレメント、16,17…帯域阻止スリット、18,19…接続部、20…携帯端末、21…切り替え器、22…受信部、23…復調部、24…データ処理部、25…CPU、251…表示部、252…操作部、26…音声処理部、261…スピーカ、262…マイク、27…変調部、28…送信部、30…パッチアンテナ、31…プリント基板、32…パッチパターン、33…給電線、40…ディスコーンアナテナ、41…ディスク、42…コーン、43…給電点、50…アンテナ、51…アンテナ回路、52…帯域阻止フィルタ、53…送信機、54…受信機

Claims (5)

  1. プリント基板上に形成した主アンテナエレメントと、
    前記主アンテナエレメントの端部に接続する給電線と、
    前記主アンテナエレメントに接続し、前記給電線に対してほぼ直角方向に形成した帯域補正エレメントと、
    前記主アンテナエレメントの一部に、前記給電線に対してほぼ平行方向に形成した帯域阻止スリットから構成する
    アンテナ装置。
  2. 請求項1記載のアンテナ装置において、
    前記帯域阻止スリットにより、通信可能な周波数帯に存在する既存の通信との干渉を除去することができる
    アンテナ装置。
  3. 請求項1記載のアンテナ装置において、
    前記アンテナは、パッチアンテナである
    アンテナ装置。
  4. プリント基板にエッチング加工を施すことにより、
    主アンテナエレメントと、前記主アンテナエレメントに接続する帯域補正エレメントと、前記主アンテナエレメントの一部に存在する帯域阻止スリットを形成する
    アンテナ素子製造方法。
  5. 電波を送受信するためのアンテナ装置と、
    前記アンテナ装置の給電線と接続する送受信機を筐体内に備える通信装置において、
    前記アンテナ装置は、前記給電線と接続する主アンテナエレメントと、前記主アンテナエレメントに接続し、前記給電線に対してほぼ直角方向に形成した帯域補正エレメントと、前記主アンテナエレメントの一部に、前記給電線に対してほぼ平行方向に形成した帯域阻止スリットから構成するエレメント部を備える
    通信装置。
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