JP2003187730A - ビームセパレータ及び反射電子顕微鏡 - Google Patents

ビームセパレータ及び反射電子顕微鏡

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JP2003187730A
JP2003187730A JP2001380330A JP2001380330A JP2003187730A JP 2003187730 A JP2003187730 A JP 2003187730A JP 2001380330 A JP2001380330 A JP 2001380330A JP 2001380330 A JP2001380330 A JP 2001380330A JP 2003187730 A JP2003187730 A JP 2003187730A
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axis
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electron
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Katsushige Tsuno
勝重 津野
Nobuo Iida
信雄 飯田
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Jeol Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな偏向角と小さな収差を有するビームセ
パレータを提供する。 【解決手段】 第1の軸A1に直交する第1の電場E1
が存在する第1の領域を生成する第1の一対の電極15
と、前記第1の領域に対して第1の軸A1の試料側に位
置する、第1の軸A1と前記第1の電場E1にそれぞれ
直交する磁場Bが存在する第2の領域を生成する図示し
ない一対の磁極と、前記第2の領域に対して第1の軸A
1の試料側に位置する、前記第1の電場E1に平行な第
2の電場E2が存在する第3の領域を生成する第3の一
対の電極17と、第1の軸A1及び前記磁場Bにそれぞ
れ直交する第2の軸A2について、前記第2の領域に対
して前記第2の軸A2の試料に向かう電子ビームが入射
する方向に位置する、前記第2の軸A2及び前記磁場B
にそれぞれ直交する第3の電場E3が存在する第4の領
域を生成する第4の一対の電極18とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビームを分離
するビームセパレータ及び試料から得られた電子ビーム
を直接写像によって結像させる反射電子顕微鏡(reflec
tion electron microscope;REM)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば半導体基板の検査装置に走
査電子顕微鏡(scanning electron microscope;SE
M)が利用されている。走査電子顕微鏡は、対象領域全
体を電子ビームでくまなく走査することにより一枚の画
像を取得するので、画像の取得には一定の時間を要す
る。したがって、半導体基板の検査のスループットは、
走査電子顕微鏡の画像取得の速度のために制約があっ
た。
【0003】このため、透過型又は反射型顕微鏡のよう
な直接写像方式を採用することで、スループットを高め
るアイデアがいくつか報告されている。直接写像を用い
ると、走査電子顕微鏡のように逐次走査を行う必要がな
く、画像取得の速度が向上する。
【0004】例えば、特開平11−108864号公
報、発明の名称「パターン欠陥検査方法および検査装
置」では、半導体試料表面に一定の面積を有する電子ビ
ームを照射することで検査の高速化を図っている。特開
平11−132975号公報、発明の名称「電子ビーム
を用いた検査方法およびその装置」では、試料表面に電
子ビームを垂直に入射して1次元像又は2次元像を結像
させ、パターン側壁の欠陥の検出も可能にしている。特
開平11−273610号公報、発明の名称「高加速電
圧反射電子顕微鏡」では、エネルギーが広範囲に分布し
てもフォーカス可能な直接写像方式の反射電子顕微鏡を
提案している。
【0005】ところで、反射電子顕微鏡は、半導体基板
の検査装置のように工業的な分野で利用する場合、研究
目的の利用のように超高真空の条件(10−8〜10
−10Pa)を要求することができず、例えば10−6
Pa程度の低真空の環境に対応する必要がある。
【0006】図7は、超高真空中で用いる反射電子顕微
鏡の構成を示す図である。
【0007】反射電子顕微鏡200は、電子ビームを射
出する電子銃201と、電子銃201から射出された電
子ビームを試料206に導く第1の鏡筒202と、試料
206から得られた電子ビームを導く第2の鏡筒203
及び第3の鏡筒205と、第2の鏡筒203及び第3の
鏡筒205間に設けられたウィーンフィルタ204とを
有する。また、反射電子顕微鏡200は、いくつかの直
流電源241〜244を有する。
【0008】第1の鏡筒202は、電子銃201から射
出された電子ビームが進む順序で、第1のデフレクタ
(deflector)211、第1の集光レンズ(condenser l
ens)212、第2の集光レンズ213、第1の開口(a
perture)214、第1のスティグメータ(stigmater)
215及び第2のデフレクタ216を有し、試料206
側で第2の鏡筒203と合している。
【0009】第2の鏡筒203は、試料206から得ら
れた電子ビームが進む順序で、カソード221、ビーム
セパレータ222、第2のスティグメータ223、第3
のデフレクタ224、第1の中間レンズ(intermediate
lens)225、第2の開口226、第4のデフレクタ
227、第2の中間レンズ228及び着脱可能な第1の
スクリーン229を有する。
【0010】第3の鏡筒205は、ウィーンフィルタ2
04を介して第2の鏡筒203から入射した電子ビーム
が進む順序で、スリット231、第1の投射レンズ(pr
ojection lens)232、第2の投射レンズ233、第
3の投射レンズ234及び第2のスクリーン235を有
する。
【0011】電子銃201から射出され、第1の鏡筒2
02に沿って進んだ電子ビームは、ビームセパレータ2
22によって所定角度だけ偏向され、カソード221を
通過して試料206に入射する。試料206から得られ
た電子ビームは、ビームセパレータ222を直進して通
過し、第2の鏡筒203、ウィーンフィルタ204及び
第3の鏡筒205を進んで第2のスクリーン235に結
像される。第1のスクリーン229が第2の鏡筒203
中に存在する場合は、第1のスクリーン229に結像さ
れる。
【0012】超高真空で用いられる反射電子顕微鏡20
0は、電子ビームを数100Vまで加速することができ
るが、通常、0Vから数10V程度の加速電圧で用いら
れ、100Vの加速電圧を用いることは殆どない。
【0013】一方、半導体基板などの検査装置では、試
料の形状検査、組成の情報を反映した情報の取得などを
行う。このような工業の分野の検査装置に適用された反
射電子顕微鏡は、低真空の環境において使用される。低
真空下においては、一般に試料の表面に汚染層が形成さ
れている。このため、試料の情報を得るためには、電子
ビームを100V以上の電圧で加速し、電子を試料の汚
染層の下まで到達させることが必要である。
【0014】反射電子顕微鏡は、試料から得られた電子
ビームを直接写像によって結像させる。直接写像を行う
には、反射電子の角度分布が小さいことが望ましい。試
料に照射する電子ビームの加速電圧が数Vからせいぜい
数10Vまでの範囲では、電子のエネルギーをほとんど
失わない反射電子が垂直に出てくるので、反射電子の電
子ビームを直接写像によって容易に結像することができ
る。
【0015】しかし、電子ビームの加速電圧が高くなる
と、反射電子の放出方向の角度分布が広くなり、エネル
ギーの拡がりが大きくなるなどの不利な条件が現れ、直
接写像による結像は困難になる。反射電子の角度分布は
対物絞りの利用によって制限することができるが、エネ
ルギー分布が大きいと像の分解能は色収差によって著し
く損なわれる。このような理由で、工業の分野など10
−6程度の低真空で用いられる反射電子顕微鏡は、電子
ビームから所望のエネルギー成分を抽出するエネルギー
アナライザを備えることが求められる。
【0016】また、反射電子顕微鏡においては、試料に
照射する電子ビームと、試料から得られた電子ビームが
同じ軌道を通るので、軌道上にそれぞれの電子ビームを
分離するためのビームセパレータを設ける必要がある。
【0017】図8は、ビームセパレータの構成を示す図
である。このビームセパレータは、図7に示した反射電
子顕微鏡200のビームセパレータ222に相当する。
【0018】図中、プラス電極222aとマイナス電極
222bの周囲に、静電場の等ポテンシャル線が示され
ている。また、試料に入射される照射電子ビームの軌跡
L1と、試料から得られた結像電子ビームの軌跡L2と
が示されている。
【0019】ビームセパレータ222は、直交した電場
と磁場(E×B)を発生するウィーンフィルタで構成さ
れる。結像電子ビームの軌跡L2は、ビームセパレータ
222をほぼ通過するほぼ直線である。照射電子ビーム
の軌跡L1は、ビームセパレータ222によって浅い角
度だけ偏向される。これは、偏向される照射電子ビーム
の軌跡L1の方向にプラス電極222aがあり、偏向角
度を大きくすることができないためである。
【0020】これに対して、特開平9−274880号
公報は、電子ビームを大きな角度にわたって偏向するビ
ームセパレータを提案している。このビームセパレータ
は、電極を2つに分割し、磁極に対して電極を上下にず
らした構造を有し、電子ビームの方向に電場、磁場及び
電場を印加するE+B+E型のビームセパレータであ
る。
【0021】図9は、前記文献(特開平9−27488
0号公報)に記載されたE+B+E型のビームセパレー
タを含む走査電子顕微鏡の要部を示す図である。
【0022】走査電子顕微鏡の要部300において、セ
ミインレンズ型の対物レンズ301は、内側磁極30
2、外側磁極303及び励磁コイル304を有する。試
料305は、対物レンズ301が発生する磁場内に配置
される。対物レンズ301の内側にはソレノイドコイル
306が設けられ、ソレノイドコイル306の内側には
電極307が設けられる。
【0023】対物レンズ301の上部にビームセパレー
タ308が配置される。ビームセパレータ308は、試
料305に対して電子ビームが入出射する第1の軸(光
軸)A1に沿って配置された第1の一対の電極309、
一対の磁極310及び第2の一対の電極311を有す
る。これら第1の電極309、磁極310及び第2の電
極311によって第1の軸A1方向に電場、磁場及び電
場(E+B+E)が形成される。ウィーンフィルタでは
一対であった電極は、電極309,311の2つに分割
され、試料から得られた電子ビームは電極309,31
1間を通ってほぼ90°偏向される。一方、試料に照射
される電子ビームは、ビームセパレータ308を直進し
て通過する。
【0024】第1の軸A1から所定距離だけ離れた一対
の磁極310間方向に、シールド電極313で挟まれた
2次電子検出器312が配置される。シールド電極31
3で挟まれた2次電子検出器312とビームセパレータ
308は、シールド板314によって外部の電場から遮
蔽される。
【0025】図10は、E+B+E型のビームセパレー
タの構成を示す図である。このビームセパレータは、図
9に示したビームセパレータ308に相当する。
【0026】ビームセパレータ400は、第1の一対の
電極401と第2の一対の電極402を備え、これらの
電極401,402間において、電場に直交する方向に
磁場が印加されている。第1の軸Aに沿った電場、磁場
及び電場(E+B+E)の領域は、シールド板403に
よって遮蔽されている。
【0027】ビームセパレータ400は、第1の軸A1
に沿って試料に照射される電子ビームを直進して通過さ
せるが、試料から得られた電子ビームをほぼ90°偏向
させる。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】図10に示したE+B
+E型のビームセパレータによってほぼ90°偏向され
た電子ビームは、十分に収束せず、収差も大きい。図9
に示した走査電子顕微鏡の要部300においては、2次
電子検出器312が電子を検出できればよく、電子ビー
ムの到達する位置はあまり問題とならない。しかし、反
射電子顕微鏡のように試料から得られた電子ビームを直
接写像により結像させる場合には、電子ビームの位置精
度が問題となる。
【0029】図11は、偏向された電子ビームの方向に
2極子又は4極子電極を有するE+B+E型のビームセ
パレータを示す図である。図中には、試料に入射される
電子ビームの軌跡L1と試料から得られた電子ビーム
(反射電子の電子ビーム)の軌跡L2が示されている。
【0030】このビームセパレータ500は、第1の軸
A1に沿って電場、磁場及び電場(E+B+E)型の場
を発生する、第1の一対の電極501、一対の磁極50
2及び第2の一対の電極503を有し、これら電極50
1,503と磁極502が発生する電場と磁場にそれぞ
れ直交する方向にプラス電極504及びマイナス電極5
05を有している。
【0031】ビームセパレータ500は、試料から得ら
れた電子ビームが偏向されて射出される間隙506の外
側に2極子又は4極子電極507を有する。このような
2極子又は4極子電極507の発生する2極子又は4極
子電場により、電子ビームの収束や収差を改善すること
ができる。
【0032】図12は、4極子電極の構成を示す図であ
る。4極子電極550は、図11のビームセパレータ5
00における2極子又は4極子電極507に相当する。
【0033】4極子電極550は、電子ビームの軌跡L
2を取り囲む、第1のプラス電極551、第1のマイナ
ス電極552、第2のプラス電極553及び第2のマイ
ナス電極554を有する。この4極子電極によって、通
過する電子ビームの非点収差を改善することができる。
【0034】しかし、図11において、ビームセパレー
タ500によって偏向されて射出される、試料から得ら
れた電子ビームの偏向角度は、ビームセパーレータ50
0に入射する入射ビームの入射方向を基準として90°
には達せず、実際には収差も依然として大きい。
【0035】前述のように、反射電子顕微鏡は、工業の
分野で利用する場合には、電子ビームから特定のエネル
ギーの成分を抽出するエネルギーアナライザを有するこ
とが望ましい。エネルギーアナライザは、通常、ビーム
セパレータの後方の結像レンズ間に配置され、ビームセ
パレータで分離された電子ビームが入射される。
【0036】従来、反射電子顕微鏡においては、ビーム
セパレータとエネルギーアナライザをそれぞれ独立に構
成していた。このため、反射電子顕微鏡は、ビームセパ
レータとエネルギーアナライザの両方を有するため、装
置の規模が大きくなっていた。また、これら両方を製造
するためのコストを要し、それぞれ保守を行う必要があ
るので負担が大きかった。
【0037】本発明は、上述の実情に鑑みて提案される
ものであって、大きな偏向角と小さな収差を有するビー
ムセパレータ及びこのようなビームセパレータを備える
反射形電子顕微鏡を提供することを目的とする。
【0038】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、本発明に係るビームセパレータは、第1の軸に平
行な正負方向の電子ビームを前記方向によって分離する
ものであって、第1の軸に直交する第1の電場が存在す
る第1の領域と、前記第1の領域に対して前記第1の軸
方向に位置する、前記第1の軸及び前記第1の電場にそ
れぞれ直交する磁場が存在する第2の領域と、前記第2
の領域に対して前記第1の軸方向に位置する、前記第1
の電場に平行な第2の電場が存在する第3の領域と、前
記第1の軸及び前記磁場にそれぞれ直交する第2の軸に
ついて、前記第2の領域に対して前記第2の軸方向に位
置する、前記第2の軸及び前記磁場にそれぞれ直交する
第3の電場が存在する第4の領域と、を有する。
【0039】第2の軸に平行に入射した第1の電子ビー
ムをほぼ90°偏向させて第1の軸に平行に射出し、前
記射出した電子ビームと第1の軸に平行に入射した第2
の電子ビームを直進させて通過させる。試料から得られ
た第2の電子ビームは直進するので、試料の結像収差を
小さくすることができる。
【0040】好ましくは、前記第1の領域は、前記第1
の軸及び前記第1の電場にそれぞれ直交する第1の磁場
をさらに有し、前記第3の領域は、前記第1の軸及び前
記第2の電場にそれぞれ直交する第2の磁場をさらに有
する。
【0041】好ましくは、前記第1の領域における第1
の電場及び第1の磁場は、第1のウィーンフィルタによ
って生成され、前記第3の領域における第2の電場及び
第2の磁場は、第2のウィーンフィルタによって生成さ
れる。
【0042】好ましくは、ウィーンフィルタは、第1及
び第2の電子ビームを直進して通過させる。好ましく
は、第1の電子ビームは、ビームセパレータにおいて、
第1及び第2のウィーンフィルタの内側の第2の領域に
存在する磁場により、90°に近い角度偏向される。
【0043】好ましくは、ビームセパレータには、試料
に入射される第1の電子ビーム(照射電子ビーム)と、
試料から得られた第2の電子ビーム(結像電子ビーム)
が入射する。
【0044】好ましくは、前記第2の軸に平行に入射す
る電子ビームを前記第1の軸に平行に偏向して射出し、
前記射出した電子ビームと逆向きに前記第1の軸に平行
に入射する電子ビームを直進して通過させる。
【0045】好ましくは、前記第1の領域、前記第2の
領域及び前記第3の領域は、2極子電場とともに4極子
電場を含む。好ましくは、4極子電場によって、第1及
び第2の電子ビームの非点収差が抑制される。好ましく
は、前記2極子電場及び前記4極子電場は、8極子電極
によって実現される。
【0046】本発明に係る反射顕微鏡は、前述のような
構成を有するビームセパレータを有し、試料に第1の電
子ビームを照射し、前記第1の電子ビームの反射により
前記試料から得られた第2の電子ビームを直接写像によ
って結像させるものであって、前記ビームセパレータ
は、前記第1の軸に平行な第1の電子ビームと第2の電
子ビームを分離するとともに、前記第2の電子ビームを
エネルギーに応じて分離する。
【0047】前述したビームセパレータを第2の電子ビ
ームをエネルギーに応じて分離するエネルギーアナライ
ザと兼用することにより、反射電子顕微鏡の装置の小型
化を図る。
【0048】好ましくは、前記第2の電子ビームによる
前記試料の回折像を前記第1の領域の外側及び前記第3
の領域の外側にそれぞれ結像させる。好ましくは、前記
第1乃至第3の領域と前記試料の間に位置する対物レン
ズについて、前記第1乃至第3の領域と前記対物レンズ
の間に1以上の磁場レンズを有する。
【0049】好ましくは、試料の電子回折像(クロスオ
ーバ)の高精度化を図ることにより、エネルギー分析の
高精度化を図り、色収差による分解能の低下を回避す
る。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るビームセパレ
ータ及び反射電子顕微鏡の実施の形態について図面を参
照して詳細に説明する。
【0051】図1は、第1の実施の形態のビームセパレ
ータの構成を示す図である。本実施の形態のビームセパ
レータは、反射電子顕微鏡に用いられ、電子銃から射出
された第1の電子ビームを試料の方向にほぼ90°偏向
し、試料から得られた第2の電子ビームをほぼ直進して
通過させる。以下の実施の形態でも同様とする。
【0052】ビームセパレータ10は、試料に入射する
第1の電子ビームと試料から得られる第2の電子ビーム
が共有する第1の軸(光軸)A1について、第1の電子
ビームと第2の電子ビームを分離する。
【0053】ビームセパレータ10は、第1の軸A1に
直交する第1の電場E1が存在する第1の領域を生成す
る第1の一対の電極15と、前記第1の領域に対して第
1の軸A1の試料側に位置する、第1の軸A1と前記第
1の電場E1にそれぞれ直交する磁場Bが存在する第2
の領域を生成する図示しない一対の磁極と、前記第2の
領域に対して第1の軸A1の試料側に位置する、前記第
1の電場E1に平行な第2の電場E2が存在する第3の
領域を生成する第3の一対の電極17と、第1の軸A1
及び前記磁場Bにそれぞれ直交する第2の軸A2につい
て、前記第2の領域に対して前記第2の軸A2の試料に
向かう電子ビームが入射する方向に位置する、前記第2
の軸A2及び前記磁場Bにそれぞれ直交する第3の電場
E3が存在する第4の領域を生成する第4の一対の電極
18とを有する。
【0054】具体的に、ビームセパレータ10は、第1
のシールド板11、第2のシールド板12、第3のシー
ルド板13及び第4のシールド板14で周囲を囲まれ、
第1のシールド板11の中央内側に第1の一対の電極1
5と、第2のシールド板12の中央内側に第2の一対の
電極16と、第3のシールド板13の中央内側に第3の
一対の電極17と、第4のシールド板14の中央内側に
第4の一対の電極18とを有する。第1の一対の電極1
5、第3の一対の電極17及び第4の一対の電極18
は、2極子電場とともに4極子電場を発生する。
【0055】ビームセパレータ10のほぼ全面には、第
1の電極15、第2の電極16、第3の電極17及び第
4の電極18で発生する電場E1,E,E2,E3に垂
直なほぼ一様な磁場Bが印加されている。
【0056】図においては、試料に入射する第1の電子
ビームの軌跡L1と試料から得られた第2の電子ビーム
の軌跡L2、静電場の等ポテンシャル線が示されてい
る。
【0057】第1の電子ビームは、軌跡L1に示すよう
に、第4のシールド板14のほぼ中央の間隙14aから
入射してほぼ90°偏向され、第3のシールド板13の
ほぼ中央の間隙13aから射出される。第2の電子ビー
ムは、軌跡L2に示すように、第3のシールド板13の
ほぼ中央の間隙13aから入射され、ほぼ直進し、第1
のシールド板11のほぼ中央の間隙11aから射出され
る。このように、ビームセパレータ10は、第1の電子
ビームをほぼ90°偏向するが、第2の電子ビームは偏
向させることなく直進して通過させる。
【0058】ビームセパレータ10において、第3の電
極17は、2極子電場を発生する。この2極子電場によ
り、試料に入射する第1の電子ビームの方向を正確に制
御することで、第1の電子ビームの射出方向を入射方向
を基準としてほぼ90°にすることができる。
【0059】また、ビームセパレータ10は、第1の電
極15、第3の電極17及び第4の電極18において、
2極子電場とともに4極子電場を発生する。これらの4
極子電場により非点収差を補正し、第1の電子ビームと
第2の電子ビームについて、第3の間隙13a及び第1
の間隙11a付近において、射出される電子ビームを正
確に収束させることができる。
【0060】このように、本実施の形態では、第1の電
子ビームをほぼ90°という大きな角度にわたって偏向
するが、収差を小さくすることができる。また、試料か
ら得られた第2の電子ビームをほぼ直進させるので、試
料の結像収差を小さくすることができる。
【0061】図2は、第2の実施の形態のビームセパレ
ータの構成を示す図である。
【0062】このビームセパレータ20は、図1に示し
た第1の実施の形態のビームセパレータ10において、
第1の一対の電極15と第3の一対の電極17をそれぞ
れウィーンフィルタで置き換えたものに相当する。他の
部分は、ビームセパレータ10と同様の構成を有する。
【0063】すなわち、前記第1の電場E1と、前記第
1の軸A1及び第1の電場E1にそれぞれ直交する第1
の磁場B1が存在する第1の領域は第1のウィーンフィ
ルタ25が生成し、前記第2の電場E2と、前記第1の
軸A1及び第2の電場E2にそれぞれ直交する第2の磁
場B2が存在する第3の領域は第2のウィーンフィルタ
27が生成する。
【0064】ビームセパレータ20は、第1のシールド
板21の中央内側に第1のウィーンフィルタ25と、第
2のシールド板22の中央内側に第1の電極26と、第
3のシールド板23の中央内側に第2のウィーンフィル
タ27と、第4のシールド板24の中央内側に第2の電
極28とを有する。
【0065】第2の電極28は、第1の実施の形態の第
3の電極18と同様に、2極子電場とともに4極子電場
を発生する。
【0066】図3は、第1のウィーンフィルタ25と第
2のウィーンフィルタ27の構成を示す図である。
【0067】図中には、静磁場の等ポテンシャル線が示
されている。なお、静電場の等ポテンシャル線は、静磁
場の等ポテンシャル線を90°回転したものとなる。
【0068】このウィーンフィルタ40は、第1の極4
1、第2の極42、第3の極43、第4の極44、第5
の極45、第6の極46、第7の極47及び第8の極4
8の8つの極を有し、これらの極41〜48は、同一の
円筒面上にある面を有する。このウィーンフィルタ40
は、2極子電場とともに、4極子電場を発生する。ま
た、磁場も発生する。
【0069】これらの極41〜48の内、第2の極4
2、第3の極43及び第4の極44に第1の励磁コイル
が巻かれ、第6の極46、第7の極47及び第8の極4
8に第2の励磁コイルが巻かれ、両方のコイルに同じ電
流が流される。
【0070】これら8つの極41〜48と第1及び第2
の励磁コイルは、磁気偏向(magnetic deflection)、
静電偏向(electrostatic deflection)及び電気スティ
グメータ場成分(electric stigmator)を制御する。偏
向場を励起する際、第3の極43と第7の極47は磁場
を制御するために用いられ、第1の極41と第5の極4
5は電場を制御するために用いられる。一方、第2の極
42、第4の極44、第6の極46及び第8の極48
は、電場と磁場の両方を制御するために用いられる。ス
ティグメータ場は、電場のみである。スティグメータ場
を励起するには、より大きな第3の極43と第7の極4
7が用いられる。
【0071】図2において、領域30は、磁場Bが印加
された領域を示している。前述の第1の実施の形態と異
なり、磁場Bは領域30にのみ印加される。磁場Bは、
図示しない一対の磁極によって印加され、第1のウィー
ンフィルタ25、第1の電極26、第2のウィーンフィ
ルタ27及び第2の電極28によって生成される電場E
1,E,E2,E3と直交する向きを有する。
【0072】ビームセパレータ20においては、前述し
たビームセパレータ10と同様に、試料に入射する第1
の電子ビームは、軌跡L1で示すように、第4のシール
ド板24のほぼ中央の間隙24aから入射し、ほぼ90
°偏向されて第3のシールド板23のほぼ中央の間隙2
3aから射出される。試料から得られた第2の電子ビー
ムは、軌跡L2で示すように、第3のシールド板23の
ほぼ中央の間隙23aから入射してほぼ直進し、第1の
シールド板21のほぼ中央の間隙21aから射出され
る。
【0073】ここで、第1の電子ビームは、第2のウィ
ーンフィルタ27に偏向されることなく直進して通過す
る。また、第2の電子ビームは、第2のウィーンフィル
タ27と第1のウィーンフィルタ25に偏向されること
なく直進して通過する。
【0074】したがって、ビームセパレータ20におい
ては、第1の電子ビームは、第1及び第2のウィーンフ
ィルタ25,27の内側にある範囲30に印加された磁
場によって偏向される。図1のビームセパレータに示し
た第1の電子ビームの軌跡L1と比較すると、図2にお
いて第1の電子ビームの軌跡L1が通過するのはビーム
セパレータ20の中央付近になるので、第1の電子ビー
ムの射出方向を入射方向を基準としてより正確に90°
に偏向することができる。
【0075】図4は、ビームセパレータ20における電
場と磁場の構造を示す図である。この図は、図2におい
て、第2の電子ビームの軌跡L2にほぼ一致する前記第
1の軸A1に沿って図2に垂直な面で見たものである。
図2と共通する部分は、同一の符号を附す。
【0076】ビームセパレータ20のほぼ中央の磁場B
が存在する領域30は、向かい合った一対の磁極31の
間に存在している。磁極31の上下には、第1のウィー
ンフィルタ25と第2のウィーンフィルタ27が設けら
れている。
【0077】図4の(a)は、静磁場の等ポテンシャル
線を示す図である。
【0078】一対の磁極31の間に、ほぼ一様な磁場B
が存在する。また、第1のウィーンフィルタ25と第2
のウィーンフィルタ27においても、ほぼ一様な磁場B
1,B2が存在する。
【0079】図4の(b)は、静電場の等ポテンシャル
線を示す図である。
【0080】これによると、第1のウィーンフィルタ2
5と第2のウィーンフィルタ27の周辺にほぼ一様な電
場E1,E2が存在する。
【0081】前述のように、第2の実施の形態のビーム
セパレータ20においては、第1の実施の形態のビーム
セパレータにおける第1の電極15と第3の電極17に
代わって、第1のウィーンフィルタ25と第2のウィー
ンフィルタ27を有する。ウィーンフィルタをE×Bと
表すと、ビームセパレータ20は、ウィーンフィルタE
×B、磁場B、ウィーンフィルタE×Bを空間的に配置
する(E×B)+B+(E×B)型のビームセパレータ
である。
【0082】本実施の形態では、前述の第1の実施の形
態より第1の電子ビームを90°に近い角度にわたって
正確に偏向し、収差を小さく保つことができる。また、
試料から得られた第2の電子ビームをほぼ直進させるの
で、試料の結像収差を小さくすることができる。
【0083】図5は、第3の実施の形態のビームセパレ
ータの構成を示す図である。
【0084】このビームセパレータ60は、第2の実施
の形態の(E×B)+B+(E×B)型のビームセパレ
ータ20を基礎として、エネルギーアナライザを兼用す
るものである。このビームセパレータ60において、第
2の実施の形態のビームセパレータ20に対応する箇所
には、同一の符号を附して説明を省略する。
【0085】ビームセパレータ60は、第1の間隙21
aの外側に電子線を絞り込むスリット61を有する。ス
リット61は、エネルギーに応じて射出される位置が異
なる第2の電子ビームを取り出す位置を選択すること
で、第2の電子ビームから所望のエネルギー成分を抽出
する。
【0086】図中には、第2の電子ビームの軌跡とし
て、加速電圧2.5kVに対応する軌跡L21と加速電
圧3kVに対応する軌跡L22が示されている。ここ
で、スリット61の幅は2mmであり、スリット61の
位置において、加速電圧2.5kVの軌跡L21と加速
電圧3kVの軌跡L22は、1.5mmの変移を示す。
これは、500Vの変移に対して1.5mmの変移であ
るので、3μm/Vのエネルギー分散である。したがっ
て、スリット61を1μmの精度で制御することで、
0.33Vの分解能でエネルギー選別をすることができ
る。
【0087】なお、半導体基板などの検査装置に応用す
る場合、エネルギー選別について、このような高い分解
能は必要ではない。スループットの観点では、電流量を
あまり減らさないようにした方がむしろ望ましい。電流
量を確保するには、スリット61の幅を広くすればよ
い。
【0088】本実施の形態によると、ビームセパレータ
とエネルギーアナライザを兼用することにより、装置の
規模を小さくすることができる。さらに、ビームセパレ
ータとエネルギーアナライザを別個に生産する場合と比
べてコストを低減し、別々に保守を行う必要もなくな
る。
【0089】図6は、反射電子顕微鏡の構成を示す図で
ある。
【0090】この反射電子顕微鏡50は、エネルギーア
ナライザを兼用するビームセパレータ53を有する。こ
の反射電子顕微鏡50のビームセパレータ53は、第3
の実施の形態のビームセパレータ53と同様な構成を有
するので、対応する箇所には同一の符号を附して説明を
省略する。
【0091】この反射電子顕微鏡50は、半導体基板の
検査装置など工業的な分野において使用される。このた
め、反射電子顕微鏡50は、低真空の環境で用いられ、
試料から得られる電子ビームはエネルギーの広がりを有
する。前記エネルギーアナライザは、このエネルギーの
広がりを除くものである。
【0092】反射電子顕微鏡50は、電子ビームを射出
する電子銃51と、電子銃51から射出された第1の電
子ビームを収束する照射レンズ系52と、照射レンズ5
2から入射された第1の電子ビームをほぼ90°偏向さ
せるビームセパレータ53と、ビームセパレータ53か
ら入射された第1の電子ビームを試料の基板59に収束
する対物レンズ55とを有する。
【0093】また、反射電子顕微鏡50は、基板59か
ら対物レンズ55を介して入射した第2の電子ビーム
を、ビームセパレータ53におけるエネルギー分析のた
めに収束するインプットレンズ54と、ビームセパレー
タ53から射出された第2の電子ビームから所望のエネ
ルギー成分を抽出するスリット56と、結像レンズ系5
7と、結像レンズ57によって結像された像を検出する
検出器58とを有する。
【0094】反射電子顕微鏡50は、基板59から得ら
れた第2の電子ビームについて、ビームセパレータ53
への入口に相当する第3の間隙23aの付近と、ビーム
セパレータ53からの出口に相当する第1の間隙21a
の付近とに、ビームセパレータ53の中心面に対して対
称となるように試料の電子回折像(クロスオーバ)を結
像している。ここで、前記中心面とは、ビームセパレー
タ53を等分する第1の軸A1に垂直な面である。
【0095】反射電子顕微鏡50は、電子回折像の結像
により電子ビームが小さく収束されているので、スリッ
ト56において所望のエネルギーを有する第2の電子ビ
ームを正確に抽出することができる。また、ビームセパ
レータ53の中心面に対して対称に電子回折像を結像さ
せることにより、ビームセパレータ53が作る収差を互
いにキャンセルすることができる。
【0096】インプットレンズ54は、ビームセパレー
タ53に入射する第2の電子ビームを収束させる。これ
によって、鮮明な電子回折像を得ることができる。ま
た、ビームセパレータ53における第1のウィーンフィ
ルタ25、第2のウィーンフィルタ27及び第2の電極
28を、2極子電場とともに4極子電場を発生するよう
に、8極子による構造にすることができる。これによっ
て、電子回折像の非点収差を抑制することができる。な
お、第1及び第2のウィーンフィルタ25,27には、
図3に示したウィーンフィルタを利用することができ
る。
【0097】本実施の形態の反射電子顕微鏡によると、
ビームセパレータ53はエネルギーアナライザを兼用す
るので、これらを別々の構成要素として備える場合と比
較して、装置の小型化を図ることができる。また、装置
を製造するコストを低下させ、保守を要する箇所の低減
が図ることができる。
【0098】このような反射電子顕微鏡は、例えば半導
体の基板を検査する検査装置に好適である。このような
検査装置は、低真空の環境で用いられるため、試料の汚
染層を透過するような高加速電圧の電子ビームが用いら
れる。このため、試料から得られた第2の電子ビームの
エネルギーの広がりは大きくなり、色収差による分解能
の劣化が予測されるが、本実施の形態の反射電子顕微鏡
は、ビームセパレータが兼用するエネルギーアナライザ
において所望のエネルギー成分を抽出することで、所定
の分解能を確保している。
【0099】前述の反射電子顕微鏡は、E+B+E型又
は(E×B)+B+(E×B)型のビームセパレータを
エネルギーアナライザに兼用するものであるので、電子
ビームの収差が抑制されている。したがって、このよう
なビームセパレータは、ビームセパレータとして適切に
動作するばかりでなく、エネルギーアナライザとしても
大きな分散を獲得することができる。
【0100】なお、前述した実施の形態は、本発明を適
用する具体例を示したものであって、本発明はこれに限
定されない。例えば、ビームセパレータは、90°以外
の角度にわたっても、収差を小さく維持したまま電子ビ
ームを偏向させることができる。また、ビームセパレー
タの構造は、本実施の形態に限られず、前述のE+B+
E型又は(E×B)+B+(E×B)型を満たす限り所
望の構造を取ることができる。
【0101】
【発明の効果】前述のように、本発明によると、大きな
偏向角度を有し、収差が小さなビームセパレータを提供
することができる。すなわち、本発明によると、電子ビ
ームにほぼ90°の大きな偏向角度を与えながら、収差
を小さくすることができる。また、試料から得られた電
子ビームは直進するので、結像収差を小さくすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態のビームセパレータの構成を
示す図である。
【図2】第2の実施の形態のビームセパレータの構成を
示す図である。
【図3】ウィーンフィルタの構成を示す図である。
【図4】第2の実施の形態のビームセパレータにおける
電場と磁場の構成を示す図である。
【図5】第3の実施の形態のビームセパーレータの構成
を示す図である。
【図6】反射電子顕微鏡の構成を示す図である。
【図7】超高真空中で用いる反射電子顕微鏡の構成を示
す図である。
【図8】ビームセパレータの構成を示す図である。
【図9】E+B+E型のビームセパレータを含む走査電
子顕微鏡の一部を示す図である。
【図10】E+B+E型のビームセパレータの構成を示
す図である。
【図11】偏向された電子ビームの方向に2極子又は4
極子電極を有するE+B+E型のビームセパレータを示
す図である。
【図12】4極子電極の構成を示す図である。
【符号の説明】
10 ビームセパレータ 11 第1のシールド板 12 第2のシールド板 13 第3のシールド板 14 第4のシールド板 15 第1の電極 16 第2の電極 17 第3の電極 18 第4の電極 A1 第1の軸 A2 第2の軸 L1 第1の電子ビームの軌跡 L2 第2の電子ビームの軌跡

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の軸に平行な正負方向の電子ビーム
    を前記方向によって分離するビームセパレータにおい
    て、 第1の軸に直交する第1の電場が存在する第1の領域
    と、 前記第1の領域に対して前記第1の軸方向に位置する、
    前記第1の軸及び前記第1の電場にそれぞれ直交する磁
    場が存在する第2の領域と、 前記第2の領域に対して前記第1の軸方向に位置する、
    前記第1の電場に平行な第2の電場が存在する第3の領
    域と、 前記第1の軸及び前記磁場にそれぞれ直交する第2の軸
    について、前記第2の領域に対して前記第2の軸方向に
    位置する、前記第2の軸及び前記磁場にそれぞれ直交す
    る第3の電場が存在する第4の領域と、 を有することを特徴とするビームセパレータ。
  2. 【請求項2】 前記第1の領域は、前記第1の軸及び前
    記第1の電場にそれぞれ直交する第1の磁場をさらに有
    し、前記第3の領域は、前記第1の軸及び前記第2の電
    場にそれぞれ直交する第2の磁場をさらに有することを
    特徴とする請求項1記載のビームセパレータ。
  3. 【請求項3】 前記第2の軸に平行に入射する電子ビー
    ムを前記第1の軸に平行に偏向して射出し、前記射出し
    た電子ビームと逆向きに前記第1の軸に平行に入射する
    電子ビームを直進して通過させることを特徴とする請求
    項1記載のビームセパレータ。
  4. 【請求項4】 前記第1の領域、前記第2の領域及び前
    記第3の領域は、2極子電場とともに4極子電場を含む
    ことを特徴とする請求項1記載のビームセパレータ。
  5. 【請求項5】 前記2極子電場及び前記4極子電場は、
    8極子電極によって実現されることを特徴とする請求項
    4記載のビームセパレータ。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5の何れか1つに記載のビ
    ームセパレータを有し、試料に第1の電子ビームを照射
    し、前記第1の電子ビームの反射により前記試料から得
    られた第2の電子ビームを直接写像によって結像させる
    反射電子顕微鏡において、 前記ビームセパレータは、前記第1の軸に平行な第1の
    電子ビームと第2の電子ビームを分離するとともに、前
    記第2の電子ビームをエネルギーに応じて分離すること
    を特徴とする反射電子顕微鏡。
  7. 【請求項7】 前記第2の電子ビームによる前記試料の
    回折像を前記第1の領域の外側及び前記第3の領域の外
    側にそれぞれ結像させることを特徴とする請求項6記載
    の反射電子顕微鏡。
  8. 【請求項8】 前記第1乃至第3の領域と前記試料の間
    に位置する対物レンズについて、前記第1乃至第3の領
    域と前記対物レンズの間に1以上の磁場レンズを有する
    ことを特徴とする請求項6記載の反射電子顕微鏡。
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