JP2004235062A - 静電レンズユニット及びそれを用いた荷電粒子線装置 - Google Patents

静電レンズユニット及びそれを用いた荷電粒子線装置 Download PDF

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彬 米澤
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Abstract

【課題】集束イオンビーム装置においてイオンビーム傾斜による高分解能試料傾斜像をえるようにする。
【解決手段】集束イオンビーム装置において、静電型対物レンズ及び試料よりもイオン源側に設けられた偏向器5によりイオンビームを偏向させ、イオンビームを試料に傾斜させて入射させる。対物レンズ6の軸外を通過することにより生ずる軸外収差は、対物レンズ6の電極を分割し、各電極に同一のレンズ用電圧と、上記偏向量に応じた軸外収差補正用の偏向電圧を印加することにより、補正される。これにより、試料自体を傾斜することなく、高分解能のイオン傾斜像をえるようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷電粒子ビームを傾斜することにより試料の傾斜像をえるようにし、該ビーム傾斜によるビーム径の増大をMOL方法により補正するようにした荷電粒子線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
走査型電子顕微鏡において、試料表面の凹凸を観察する場合、試料を傾斜する方法が一般的であるが、スループットが低下する、あるいは、試料ステージが複雑になるなどの不都合がある。そこで、試料を傾斜せず、電子ビームを傾斜し、その際生じる軸外収差を補正することによりビーム径の増大を抑えて、高分解能の試料傾斜像を得る方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
従来から、荷電粒子線をレンズ中心から偏向してレンズに入射させた場合、その偏向量に応じてレンズ中心を電気的に移動させ、軸外収差を補正する方法が、MOL(Moving Objective Lens)として、公知であった(例えば非特許文献1参照)。この原理を用いて、磁界レンズよりなる対物レンズに、補正コイルによる補正偏向場を重畳させ、電子源側に別に設けられた偏向系を用いて、該重畳磁場による移動したレンズ中心に電子線を通過させることにより、軸外収差を補正する例が、従来例として説明されている(例えば、特許文献1図7参照)。そして、この方法を、静電磁界複合対物レンズ(減速場)に適用した例が、開示されている(例えば、特許文献1図1参照)。すなわち、対物レンズの電磁界に、補正偏向磁場と補正偏向電場を重ね合わせ、複合電磁界を形成し、電子源側に別に設けられた偏向系を用いて、電子線を重ね合わされた該複合電磁界に入射させることによって、試料上にビーム傾斜した場合に生ずる軸外収差を補正し、ビーム径の増大を抑える。さらに、該特許文献1には、補正原理についても述べられており(非特許文献2の数式(20)が用いられている)、複素軌道w”=0となるような補正偏向電磁場をレンズ電磁界に重畳することにより、軸外収差が補正されるとしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−67130号公報(図7)
【0005】
【非特許文献1】
電子通信学会論文誌,54−B,11,730(1971),大岩,後藤,小野
【0006】
【非特許文献2】
Optik 61,NO2(1982)121−145,H.C.Chu and E. Munro
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の例は、走査型電子顕微鏡に関しては有効と考えられるが、集束イオンビーム装置(FIB)には適用できない。すなわち、イオンビームでは、質量が電子の質量の数千倍であるため、通常磁界レンズは用いられず、静電レンズが用いられる。磁界型レンズの場合には、特許文献1図1に示されているように、磁界型レンズとほぼ同じ光軸方向位置に、補正偏向コイルと補正偏向電極を組み込むことができ、軸外収差の補正を効果的に行うことができる。しかし、静電レンズの場合には、補正電場を発生する補正電極を、静電レンズ近傍に、レンズ電極と独立に組み込むと、通常レンズ電界位置と補正電界位置が離れるため、補正が効果的でなくなる不都合が生じる。本発明の目的は、荷電粒子線装置、特にFIB装置に用いられる静電レンズにおいて、補正電界を効果的に発生させることにより、静電レンズの軸外収差を補正し、高分解能の試料傾斜像を得ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
ユニポテンシャルレンズあるいは、バイポテンシャルレンズからなる静電レンズの軸対称電極を分割し、各分割電極に同一の値のレンズ用電圧と、異なった値の偏向用電圧を印加することにより、レンズ及び偏向複合電界を形成し、該複合電界より電子源側に別に設けられた偏向系の作用による荷電粒子線の偏向量に応じて、該複合電界の強度を設定しレンズ電界中心をシフトすることにより、軸外収差を補正する。
【0009】
【発明の実施の形態】
静電レンズには、大別して、荷電粒子線の入射側と出射側の電位が変化しないユニポテンシャルレンズと、入射側と出射側の電位が異なるバイポテンシャルレンズがある。
【0010】
図1は、本発明による、ユニポテンシャルレンズを用いた荷電粒子線装置の実施形態の例を示す図である。イオン源1から出たイオンビーム2は、コンデンサーレンズ3により集束され、可動絞り4により制限され、偏向系5により偏向された後、レンズ電界中心補正偏向機能付き対物レンズ6に入射する。レンズ電界中心補正偏向機能付き対物レンズ6を通過したイオンビーム2は、走査偏向器7により、試料8面上を走査される。一次イオンの照射により生じた二次電子あるいは二次イオンを検出することにより、表面形状に対応した画像を得ることができる。図1で示す様に、一次イオンビームは試料に対して傾斜しているため、試料の傾斜像が得られる。
【0011】
レンズ電界中心補正偏向機能付き対物レンズ6は、3枚の電極6a,6b,6cから校正されるユニポテンシャルレンズであり、入射側及び出射側の電極6a,6cは、アース電位とされている。中央の電極6bは、図2に光軸方向から見た形状を示したように、電極6bLと電極6bRに左右に2分割されている。電極6bLには、例えば、レンズ用電圧Vbと補正偏向用電圧+Vbd、すなわちVb+Vbdを印加し、電極6bRには、レンズ用電圧Vbと補正偏向用電圧−Vbd、すなわちVb−Vbdを印加する。各電極にこのように電圧を印加すると、レンズ電界中心は、電極の機械的な中心から移動する。この移動したレンズ電界中心に、図1で示した様に偏向系5によりイオンビームを入射させれば、試料面上にビームを傾斜し、かつ軸外収差の少ない像が得られる。レンズ電極6bを分割したことにより、非点収差の発生の可能性があるが、6bLと6bRの間隙を小さくし、さらには、非点補正器を別に設けることにより、補正することが可能である。さらに、中央の電極6bだけでなく、入射側及び出射側の電極6a,6cを2分割するようにし、各電極に、補正偏向電圧±Vad,±Vcdを印加しても良い。このようにすれば、補正電界をより効果的に生じさせることができる。
【0012】
補正偏向用電界の作用は、以下のように説明される。非特許文献2の式(20)から、静電レンズポテンシャルφ(z)と補正電界VF(z)内における、近軸軌道w(z)は、次のように導かれる。
【0013】
w”+(φ’/2φ)w’+(φ”/4φ)w=−VF/2φ
従って、補正偏向用電界として、VF1=−φ’w’−φ”w/2 を形成すれば、w”=0 となり、イオンビームは補正用電界が重畳されたレンズ中心を通り、軸外収差が補正される。
【0014】
以上では、ユニポテンシャルレンズの中央の電極を2分割したが、4分割あるいはそれ以上に分割しても良い。4分割すれば、画面にて左右方向だけでなく上下方向等にも傾斜した像を得ることができる。
【0015】
図3は、対物レンズ及び補正偏向器複合系よりも電子源側に2段の偏向器5a及び5bからなる偏向系5を設け、主ビームを試料の光軸上の点Oに入射させ、走査電極によりこの点を中心にビームを走査し画像を得るようにした例である。
【0016】
図3において、偏向電極5aにて、まず右方向に偏向させ、偏向電極5bにて左方向に偏向させ、光軸上の点Oに入射させることにより、傾斜した試料像が得られる。各電極において、上記と逆方向に偏向させれば、逆方向に傾斜した試料像が得られる。同一の観察点の左右から見た傾斜像を得る場合、図1では試料移動する必要があるが、図3では、試料移動する必要がない。
【0017】
また、静電レンズは、バイポテンシャルレンズであっても良い。図4は、2個の異なったレンズ電圧Va,Vbが印加された円筒6a,6bよりなる、バイポテンシャルレンズの例を示している。この例において、2分割された円筒6aには、レンズ電圧Vaの他に、補正偏向電圧±Vadが印加され、2分割された円筒6bには、レンズ電圧Vbの他に、補正偏向電圧±Vbdが印加される。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、荷電粒子線装置特にFIB装置において、イオンビームを試料に対して傾斜した時に生ずる軸外収差を効果的に補正することができるため、高分解能の試料傾斜像を得ることができる。また、補正偏向器をレンズ部品と別に設ける必要がないので、構成が簡単になるとともに、部品コストが低減する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例を示す図である。
【図2】本発明において、ユニポテンシャルレンズ電極の分割例を示す図である。
【図3】本発明の、他の実施形態の一例を示す図である。
【図4】本発明の、他の実施形態の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 イオン源
2 イオンビーム
3 コンデンサーレンズ
4 可動絞り
5 偏向系
6 レンズ電界中心補正偏向機能付き対物レンズ
6bL レンズ電界中心補正偏向機能付き対物レンズを構成する一方の電極
6bR レンズ電界中心補正偏向機能付き対物レンズを構成する他方の電極
7 走査系
8 試料

Claims (6)

  1. 静電レンズを構成する複数の電極のうち少なくとも一つを分割し、該分割電極に、レンズ用電圧と該レンズの電界中心を補正する補正偏向用電圧を重畳させて印加するようにしたことを特徴とする静電レンズユニット。
  2. 該静電レンズが、ユニポテンシャルレンズであることを特徴とする請求項1記載の静電レンズユニット。
  3. 該静電レンズが、バイポテンシャルレンズであることを特徴とする請求項1記載の静電レンズユニット。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の静電レンズユニットを対物レンズ系に用いたことを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 前記静電レンズよりも荷電粒子線源側に、少なくとも1個の偏向系を有し、該偏向系による荷電粒子線の偏向に対応して、レンズ電界中心を補正偏向する補正偏向用電圧を印加するようにしたことを特徴とする請求項4記載の荷電粒子線装置。
  6. 荷電粒子線源と、該荷電粒子線源からの荷電粒子線を試料面上に傾斜させて入射させる為に前記荷電粒子線を偏向させる少なくともひとつの偏向系と、該偏向された荷電粒子線を試料上に集束すると共に、該偏向量に合わせてレンズの電界中心を補正偏向する、レンズ電界中心補正偏向機能付き対物レンズとからなることを特徴とする荷電粒子線装置。
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