JP2003186946A - ディスク形状設計システム、ディスク形状設計方法、及びディスク形状設計プログラム - Google Patents

ディスク形状設計システム、ディスク形状設計方法、及びディスク形状設計プログラム

Info

Publication number
JP2003186946A
JP2003186946A JP2001383712A JP2001383712A JP2003186946A JP 2003186946 A JP2003186946 A JP 2003186946A JP 2001383712 A JP2001383712 A JP 2001383712A JP 2001383712 A JP2001383712 A JP 2001383712A JP 2003186946 A JP2003186946 A JP 2003186946A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
disk
shape
physical property
disk shape
data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001383712A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuji Fujimura
哲司 藤村
Keiichi Sato
恵一 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp filed Critical IHI Corp
Priority to JP2001383712A priority Critical patent/JP2003186946A/ja
Publication of JP2003186946A publication Critical patent/JP2003186946A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスク形状部品の最適設計を容易に行うこ
とができるディスク形状設計システムを提供する。 【解決手段】 半径方向に沿う平面を基準として面対称
であるディスク形状部品を設計するディスク形状設計シ
ステムであって、ディスク形状の設計条件、目的関数、
使用材料、及びディスク初期形状のそれぞれのデータを
入力するデータ入力手段と、ディスクに使用する材料の
物性値が予め記憶された物性値データベースを参照し
て、入力された使用材料に関する物性値を定義する物性
値定義手段と、入力または定義されたデータに基づい
て、ディスクの各位置における応力を計算し、目的関数
を満たす最適解を求めるために、ディスク初期形状に変
更を加えながら収束値を計算する最適化計算手段と、最
適化計算手段によって得られた収束値を出力する計算結
果出力手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、航空機エンジン等
に用いるディスク形状部品の最適設計を行うディスク形
状設計システム、ディスク形状設計方法、及びディスク
形状設計プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】航空機
エンジン等に用いられるディスク(円盤)形状部品の設
計は、ディスク各部の応力を考慮しながら寸法を決定
し、応力計算を実施しながらディスク全面の応力が許容
値以下になるまで寸法を変更する作業を繰り返し行うの
が一般的である。
【0003】しかしながら、従来の設計手法は、経験と
勘に頼って設計者が手作業で行っていたため、繰り返し
作業に多大な設計時間を要するという問題がある。ま
た、限られた時間内で手作業によって設計を行う場合
は、得られた設計結果が必ずしも設計要件を満たす最適
解であるかを確認することができないという問題もあ
る。さらには、従来から最適化手法が知られているが、
使用方法が難しく、容易にディスク形状の設計工程に取
り込むことが困難であるという問題もある。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、航空機エンジン等に用いるディスク形状部品
の最適設計を容易に行うことができるディスク形状設計
システム、ディスク形状設計方法、及びディスク形状設
計プログラムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、半径方向に沿う平面を基準として面対称であるディ
スク形状部品を設計するディスク形状設計システムであ
って、前記ディスク形状設計システムは、前記ディスク
形状の設計条件、目的関数、使用材料、及びディスク初
期形状のそれぞれのデータを入力するデータ入力手段
と、前記ディスクに使用する材料の物性値が予め記憶さ
れた物性値データベースを参照して、前記データ入力手
段によって入力された使用材料に関する物性値を定義す
る物性値定義手段と、前記データ入力手段及び物性値定
義手段において入力または定義されたデータに基づい
て、ディスクの各位置における応力を計算し、前記目的
関数を満たす最適解を求めるために、前記ディスク初期
形状に変更を加えながら収束値を計算する最適化計算手
段と、前記最適化計算手段によって得られた収束値を出
力する計算結果出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】請求項2に記載の発明は、前記最適化計算
手段は、最適化手法として逐次線形計画法または逐次2
次計画法のいずれかを使用することを特徴とする。
【0007】請求項3に記載の発明は、前記ディスク形
状設計システムは、最適化が図られたディスク形状をC
ADデータに変換して出力するCADデータ出力部をさ
らに備えたことを特徴とする。
【0008】請求項4に記載の発明は、前記最適化計算
手段は、ディスク形状を定義する変数に対して、数値固
定、範囲の指定、及び制限なしのうちいずれかを指定可
能であることを特徴とする。
【0009】請求項5に記載の発明は、前記最適化計算
手段は、目的関数が重量最小または強度余裕最大のいず
れかであることを特徴とする。
【0010】請求項6に記載の発明は、前記最適化計算
手段は、ディスクの外周半径を所定の数に等分して得ら
れる半径位置における対称面である前記平面からの距離
を変化させて形状を変更することを特徴とする。
【0011】請求項7に記載の発明は、前記最適化計算
手段は、設計対象のディスク形状を直線補間と曲線関数
補間のいずれかで定義することを特徴とする。
【0012】請求項8に記載の発明は、半径方向に沿う
平面を基準として面対称であるディスク形状部品を設計
するディスク形状設計方法であって、前記ディスク形状
設計方法は、前記ディスク形状の設計条件、目的関数、
使用材料、及びディスク初期形状のそれぞれのデータを
入力するデータ入力過程と、前記ディスクに使用する材
料の物性値が予め記憶された物性値データベースを参照
して、前記データ入力過程によって入力された使用材料
に関する物性値を定義する物性値定義過程と、前記デー
タ入力過程及び物性値定義過程において入力または定義
されたデータに基づいて、ディスクの各位置における応
力を計算し、前記目的関数を満たす最適解を求めるため
に、前記ディスク初期形状に変更を加えながら収束値を
計算する最適化計算過程と、前記最適化計算過程によっ
て得られた収束値を出力する計算結果出力過程とを有す
ることを特徴とする。
【0013】請求項9に記載の発明は、半径方向に沿う
平面を基準として面対称であるディスク形状部品を設計
するディスク形状設計プログラムであって、前記ディス
ク形状設計プログラムは、前記ディスク形状の設計条
件、目的関数、使用材料、及びディスク初期形状のそれ
ぞれのデータを入力するデータ入力処理と、前記ディス
クに使用する材料の物性値が予め記憶された物性値デー
タベースを参照して、前記データ入力処理によって入力
された使用材料に関する物性値を定義する物性値定義処
理と、前記データ入力処理及び物性値定義処理において
入力または定義されたデータに基づいて、ディスクの各
位置における応力を計算し、前記目的関数を満たす最適
解を求めるために、前記ディスク初期形状に変更を加え
ながら収束値を計算する最適化計算処理と、前記最適化
計算処理によって得られた収束値を出力する計算結果出
力処理とをコンピュータに行わせることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態による
ディスク形状設計システムを図面を参照して説明する。
図1は同実施形態の構成を示すブロック図である。この
図において、符号1は、航空機エンジン等で用いられる
ディスク部品の最適化設計を行うディスク形状設計シス
テムである。符号2は、設計条件やディスクの概略形状
を入力するデータ入力部である。符号3は、入力された
設計条件やディスクの概略形状に基づいて、最適化を行
うための形状を定義する形状定義部である。符号4は、
ディスクに用いる材料の物性値が記憶された物性値デー
タベースである。この物性値データベース4は、外部か
ら物性値データを入力することによって構築される。符
号5は、入力された条件に基づいて、該当する物性値デ
ータを物性値データベース4から読み込む物性値読込部
である。符号6は、入力された条件、読み込まれた物性
値、及び定義された形状に基づいて、最適化の計算を行
う最適化計算部である。符号7は、最適化計算部6にお
ける計算結果に基づいて、ディスク形状のCADデータ
8を出力するCADデータ出力部である。符号9は、最
適化計算部6において得られた計算結果データ10を出
力する計算結果出力部である。符号11は、CADデー
タ出力部7から出力されるCADデータ10を使用し
て、詳細設計を行うCADシステムである。なお、デー
タ入力部2は、CADシステム11で描画されたディス
クの概略形状のCADデータ8を入力データとしてもよ
い。
【0015】次に、図2を参照して、図1に示す最適化
計算部6の構成を説明する。図2は、図1に示す最適化
計算部6の構成を示すブロック図である。図2におい
て、符号61は、ディスクの各部位における応力を計算
する応力計算部である。符号62は、ディスクの重量を
計算する重量計算部である。この応力計算部61、重量
計算部62を計算部63と称する。計算部63は、デー
タ入力部2において入力された計算条件、物性値読込部
5において読み込まれた物性値、形状定義部3において
定義された形状データをそれぞれ入力し、応力または重
量を計算する。符号64は、計算部63の計算結果に対
して、逐次線形計画法を用いて各変数の最適化を図る逐
次線形計画法処理部であり、最適化が図られた計算結果
を計算結果データ10として出力する。符号65は、逐
次線形計画法処理部64における処理結果に基づいて、
最適化を図るために外部から入力されたディスク形状の
変更を行う形状変更部であり、最適化が図られた形状を
CADデータ8として出力する。
【0016】次に、図3を参照して、ディスク形状設計
システム1で扱うディスク形状について説明する。図3
は、航空機エンジン等で用いられるディスクの形状の断
面と各部の寸法を示す図である。ディスク形状設計シス
テム1によって最適化が図られるディスクは、符号Rで
示すリム部と符号Bで示すボア部とからなり、ボア内に
通すシャフトの軸に垂直な平面(半径方向に沿う平面)
に対して対称形をしている部品である。図3に示す各部
の寸法(RBORE,HBORE,HRD,RRIM,
HRIM,RRD,RR,RBD)及び符号SPで示す
曲線を表す関数を最適化することが可能である。これら
の変数を最適化するにあたり、以下に示す3つの条件の
いずれかを任意に指定することが可能である。 (1)外部要因(取り付け位置や隣接する部品の形状
等)に基づいて、該当する変数を固定値とし、最適化計
算部6において値を変更しない。 (2)該当する変数の値の範囲を制限し、最適化計算部
6において、この範囲内でのみ変数値を変更する。ここ
でいう範囲とは、変数をXとすると、0<X≦制限値
(変数の最大値を指定する),制限値≦X(変数の最小
値を指定する)、制限値≦X≦制限値(変数の最大値と
最小値を指定する)の3つのうちいずれかの範囲を指定
可能である。 (3)全く制限を設けず、最適化計算部6において、任
意に値を決定する。
【0017】図3に示す各部の寸法で定義されるディス
ク形状は、基本設計工程において、ディスクの基本性能
を得るために必須な寸法であるとともに、詳細設計工程
においても満足しなければならない最低条件を満たすよ
うに、形状を定義する寸法の数を絞り込まれた形状とな
っている。したがって、図3に示すように各部の寸法を
最適化して決定することによって得られたディスク形状
は、詳細設計における設計要件を満たしているはずであ
るから、結果的に設計工程の時間短縮が可能となる。
【0018】次に、図4を参照して、ディスク形状の最
適化計算を行う場合の計算モデルについて説明する。図
4は、計算モデルを示す図である。本発明におけるディ
スク形状設計システム1では、半径方向に沿う平面を基
準として面対称であるディスク形状部品を設計すること
が条件である。そして、この計算モデルは、図3に示す
各寸法によって定義されるディスクの外周半径を所定の
数に等分して、この等分された位置において応力計算を
行うモデルである。ただし、図4に示すようにボアとリ
ムからなるディスク形状を単純に等分すると、符号P
1、P2、P3で示す点が計算位置になるとは限らない
ため、本計算モデルでは符号P1、P2、P3で示す位
置を境界点とし、この境界点の間を等分するようにして
いる。すなわち、ディスク形状の断面において、符号A
1〜A4の領域に分けて、A1を3等分、A2を9等
分、A3、A4を2等分とする。
【0019】そして、各領域A1〜A4について、それ
ぞれ、直線補間であるか曲線補間であるかを予め定義す
る。この例では、A1、A2、A4が直線であり、A2
は滑らかな曲線(例えば、スプライン曲線)と定義され
ている。このように、計算位置を定義することによっ
て、図3に示す各寸法で定義されたディスク形状は、図
4に示すように、シャフトの中心からの距離、すなわち
ディスクの半径方向の距離(符号R1〜R17)と、こ
の位置における幅(符号H1〜H17)によってディス
ク形状を定義されたこととなる。
【0020】このようにして、得られた計算モデルを使
用して、最適化を図るための計算を行う場合に、前述し
た変数の条件を考慮しながら、各半径位置の幅を増減さ
せながら周知の最適化手法を用いて目的関数値を最適解
に収束させる計算を行う。例えば、図4に示す例におい
て、ボア半径(RBORE)が固定値に指定されていた
場合において、領域A1(図3においては、寸法RB
D)を増加させる場合は、幅H5の値をH1〜H4の値
と同一にすれば、寸法RBDを増加させたこととなる。
【0021】なお、図4に示す計算モデルにおいて、各
領域(図4の例ではA1〜A4)を何等分するかは予め
決めておいてもよいが、計算の都度設計者が設定するよ
うにしてもよい。また、滑らかな曲線部分に使用する曲
線関数を計算の度に設計者が指定するようにしてもよ
い。また、曲線部分をNC機械によって加工をする場合
には、使用するNC機械の性能に応じて、使用する曲線
関数を決定してもよい。
【0022】次に、図5を参照して、図1に示す物性値
データベース4のテーブル構造を説明する。図5は、物
性値データベース4のテーブル構造を示す図である。図
5に示すように、物性値データベース4は、ディスク部
品に用いる材料の特性を定義するデータが蓄えられてお
り、「材料名」、「密度」、「LCF許容値」、「温
度」、「ポアソン比」、「ヤング率」、「線膨張係
数」、「バースト許容値」のフィールドからなる。ここ
で、LCFとは低サイクル疲労のことであり、バースト
とは、極限強さのことである。これらのうち「ポアソン
比」、「ヤング率」、「線膨張係数」、「バースト許容
値」の4つは、各温度毎の特性値が定義されている。そ
して、物性値データベース4には、図5に示すテーブル
が、異なる材料の数だけ蓄えられている。図5に示す例
は、材料名が「ABCDEF」という材料について、密
度、LCF許容値と、15,100,200,300℃
におけるポアソン比、ヤング率、線膨張係数、バースト
許容値が定義されている例である。通常、これらの値は
測定値によるため、測定されていない温度における特性
は、未知であるので、物性値読込部5は、これらの値を
読込み、内挿や外挿によって補間して求めた値を読込ん
だ値とする。なお、この物性値データベース4は、事前
にキーボード等を用いて物性値の入力が行われる。
【0023】次に、図1、2を参照して、ディスク形状
の最適化設計を行う動作を説明する。ここでは、すでに
物性値データが物性値データベース4に蓄えられている
ものとして説明する。まず、ディスク形状設計システム
1を起動すると、データ入力部2は、図示しない表示装
置に対して入出力画面を表示する。この画面に対して設
計者は、事前に入力することが必要なデータ(条件、デ
ィスク形状)をキーボード等の入力装置から入力する。
ここで入力するデータを図6を参照して説明する。図6
は、データ入力時に画面に表示される入出力画面であ
る。設計者が入力しなければならない条件データは、エ
ンジン運転中のディスクの「定格回転数」とディスク表
面の圧力である「面圧」、LCFサイクル要求値である
「サイクル」、「バースト速度」、「材料」、「リムの
温度」、「ボアの温度」、及び「最適化条件」である。
また、必要に応じて、航空機エンジン中のディスクの数
である「ディスク段数」及び「バースト係数」を入力す
る。ここで最適化条件とは、「重量最小」、「強度余裕
最大」のいずれかであり、この最適化条件が最適化処理
における目的関数である。
【0024】また、設計者は、ディスク形状の各寸法を
入力する。このとき入力する寸法は、あくまで初期値で
あり、各寸法に対して、前述した条件(固定値、範囲指
定、制限無しのいずれか)を指定する。この例では、ボ
ア半径(RBORE)に対して与えた初期値を最小値と
指定した例である。また、ボア幅(HBORE)に対し
て、最大幅を指定し、リム首幅(HRD)に対して最小
値を指定した例である。また、リム半径(RRIM)、
リム幅(HRIM)、リム長さ(RRD)、及びリム首
上長さ(RR)に指定した初期値は、固定値に指定した
例である。なお、ディスク形状の入力は、CADシステ
ム11で作成したCADデータに基づいて、寸法を求
め、求めた寸法を初期値とし、この初期値に対して前述
した条件(固定値、範囲指定、制限無しのいずれか)を
指定するようにしてもよい。
【0025】次に、データ入力部2は、入力されたデー
タを読み取り、内部に保持する。そして、データ入力部
2は、形状に関するデータを形状定義部3へ通知し、材
料に関するデータを物性値読込部5へ通知する。そし
て、データ入力部2は、計算に関する条件データを最適
化計算部6の計算部63へ通知する。これを受けて、形
状定義部3は、データ入力部2から通知された形状に関
するデータに基づいて、前述した計算モデルのデータを
作成して、最適化計算部6の形状変更部65へ通知す
る。また、物性値読込部5は、入力データ入力部2から
通知された材料に関するデータに基づいて、該当する材
料の物性値を、物性値データベース4から読み出して、
最適化計算部6の計算部63へ通知する。この動作によ
って、最適化計算部6において、最適化計算を行う準備
が整ったこととなる。
【0026】なお、図6に示す例では、ポアソン比、ヤ
ング率、線膨張係数、LCF許容値、バースト許容値が
表示されているが、これらの値は、入力した材料名とリ
ム温度及びボア温度に基づいて、物性値データベース4
から選択して読み込んだ値である。ただし、該当する値
が物性値データベース4に登録されていない場合は、登
録されている値に基づいて、内挿または外挿によって補
間処理によって求められた値である。また、最適化計算
を行う前の入出力画面において、符号Dと符号Lで示す
部分は、計算結果を表示するエリアであるため、空欄と
なっている。
【0027】次に、応力計算部61は、前述した計算モ
デルを使用して、各位置の応力を計算して、それぞれの
計算結果を逐次線形計画法処理部64へ通知する。一
方、重量計算部62は、通知された形状データからディ
スクの体積を求め、この体積に密度を乗算することによ
りディスクの重量を計算して、この計算結果を逐次線形
計画法処理部64へ通知する。
【0028】次に、逐次線形計画法処理部64は、計算
部63から通知された計算結果と目的関数(重量最小、
強度余裕最大のいずれか)とに基づき、通知された計算
結果を判定し、この判定結果に基づきディスク形状を変
更しながら形状の最適化を図る処理を行う。このとき、
逐次線形計画法処理部64は、逐次線形計画法に基づ
き、形状変更の方針を決定し、形状変更部65へ通知す
る。形状の変更は、前述した計算モデルにしたがって、
半径方向に沿う対称面からの距離を変更する。これを受
けて、形状変更部65は、通知された形状変更方針に基
づき、ディスク形状の変更を行う。そして、変更された
形状の応力を計算部63において計算するという動作を
目的関数の値が収束するまで形状を変化させながら最適
化計算を続ける。
【0029】次に、逐次線形計画法処理部64は、目的
関数の値が収束した時点で、計算結果出力部9に対し
て、各位置の応力計算結果とディスク形状を数値で出力
する。また、逐次線形計画法処理部64は、形状変更部
65に対して、この時点のディスク形状を出力するよう
に指示する。これを受けて、形状変更部65は、目的関
数が収束した時点のディスク形状をCADデータ出力部
7へ出力する。
【0030】次に、CADデータ出力部7は、形状変更
部65から受け取った形状データをCADデータ8に変
換して出力する。また、計算結果出力部9は、逐次線形
計画法処理部64から受け取った計算結果を入出力画面
に対して出力する。図7に、計算結果を表示した状態の
入出力画面の一例を示す。図7において、符号Dで示す
エリアは、最適化後のディスク形状の図を表示するエリ
アである。また、符号Lで示すエリアは、計算結果のリ
スト出力を表示するエリアである。このリスト出力にお
いては、「形状」、「物性値」、「LCF」、「バース
ト」の4つの結果が表示される。ここで、形状の「半径
位置」とは、シャフトの中心からディスクの半径方向の
距離を意味し、「ボア幅」とは、「半径位置」における
幅(図4に示すH1〜17に相当)である。また、「判
定」とは、各位置の応力がLCF、バーストのそれぞれ
の許容値以下であるか否かの判定をした結果である。さ
らに、最適化後の入出力画面には、各部寸法の初期値の
隣に「収束値」が表示さるとともに、符号Cで示す部分
に、「重量」「断面平均フープ応力」、及び「回転数」
が表示される。
【0031】このように、予めディスク形状の設計パラ
メータを絞り込んでおき、所定の計算モデルを使用し
て、形状の最適化を行う計算をしたため、短時間で最適
解を得ることが可能となる。なお、図2に示す逐次線形
計画法処理部64は、最適化手法として、逐次線形計画
法を用いたが、逐次2次計画法や他の周知の最適化手法
を用いてもよい。また、本発明によって設計が可能なデ
ィスク形状は、図3に示す形状の相似形に限るものでは
なく、図4に示す計算モデルに合致する形状であればど
のような形状であっても適用が可能である。すなわち、
半径方向に沿う平面を基準として面対称であるディスク
形状であり、ディスクの半径方向の距離(図4の符号R
1〜R17)と、この位置における幅(図4の符号H1
〜H17)によって定義することができるディスク形状
適用可能である。
【0032】また、図1、2における処理部の機能を実
現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な
記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログ
ラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するこ
とによりディスク形状設計処理を行ってもよい。なお、
ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺
機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コン
ピュータシステム」は、WWWシステムを利用している
場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環
境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り
可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気
ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピ
ュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装
置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な
記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電
話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場
合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム
内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プロ
グラムを保持しているものも含むものとする。
【0033】また、上記プログラムは、このプログラム
を記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝
送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により
他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここ
で、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネ
ット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回
線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体
のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能
の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、
前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録され
ているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、い
わゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良
い。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ディスク形状の設計パラメータを絞り込んだため、
経験と勘に頼ることなく、短時間で設計作業が行えると
いう効果が得られる。また、絞り込んだパラメータに対
して最適化手法を用いて設計要件を満たすようにしたた
め、短時間で最適解を得ることが可能になるとういう効
果が得られる。さらに、パラメータを絞り込むことによ
り、設計手順が標準化されるため、常に安定した設計品
質を得ることが可能になるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の構成を示すブロック図
である。
【図2】 図1に示す最適化計算部6の構成を示すブロ
ック図である。
【図3】 ディスク形状の一例を示す説明図である。
【図4】 計算モデルを示す説明図である。
【図5】 図1に示す物性値データベース4のテーブル
構造を示す説明図である。
【図6】 データ入力時の入出力画面の一例を示す説明
図である。
【図7】 最適化計算後の入出力画面の一例を示す説明
図である。
【符号の説明】
1・・・ディスク形状設計システム 2・・・データ入力部 3・・・形状定義部 4・・・物性値データベース 5・・・物性値読込部 6・・・最適化計算部 61・・・応力計算部 62・・・重量計算部 63・・・計算部 64・・・逐次線形計画法処理部 65・・・形状変更部 7・・・CADデータ出力部 8・・・CADデータ 9・・・計算結果出力部 10・・・計算結果データ 11・・・CADシステム

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半径方向に沿う平面を基準として面対称
    であるディスク形状部品を設計するディスク形状設計シ
    ステムであって、 前記ディスク形状設計システムは、 前記ディスク形状の設計条件、目的関数、使用材料、及
    びディスク初期形状のそれぞれのデータを入力するデー
    タ入力手段と、 前記ディスクに使用する材料の物性値が予め記憶された
    物性値データベースを参照して、前記データ入力手段に
    よって入力された使用材料に関する物性値を定義する物
    性値定義手段と、 前記データ入力手段及び物性値定義手段において入力ま
    たは定義されたデータに基づいて、ディスクの各位置に
    おける応力を計算し、前記目的関数を満たす最適解を求
    めるために、前記ディスク初期形状に変更を加えながら
    収束値を計算する最適化計算手段と、 前記最適化計算手段によって得られた収束値を出力する
    計算結果出力手段とを備えたことを特徴とするディスク
    形状設計システム。
  2. 【請求項2】 前記最適化計算手段は、 最適化手法として逐次線形計画法または逐次2次計画法
    のいずれかを使用することを特徴とする請求項1に記載
    のディスク形状設計システム。
  3. 【請求項3】 前記ディスク形状設計システムは、 最適化が図られたディスク形状をCADデータに変換し
    て出力するCADデータ出力部をさらに備えたことを特
    徴とする請求項1に記載のディスク形状設計システム。
  4. 【請求項4】 前記最適化計算手段は、 ディスク形状を定義する変数に対して、数値固定、範囲
    の指定、及び制限なしのうちいずれかを指定可能である
    ことを特徴とする請求項1に記載のディスク形状設計シ
    ステム。
  5. 【請求項5】 前記最適化計算手段は、 目的関数が重量最小または強度余裕最大のいずれかであ
    ることを特徴とする請求項1に記載のディスク形状設計
    システム。
  6. 【請求項6】 前記最適化計算手段は、 ディスクの外周半径を所定の数に等分して得られる半径
    位置における対称面である前記平面からの距離を変化さ
    せて形状を変更することを特徴とする請求項1に記載の
    ディスク形状設計システム。
  7. 【請求項7】 前記最適化計算手段は、 設計対象のディスク形状を直線補間と曲線関数補間のい
    ずれかで定義することを特徴とする請求項1に記載のデ
    ィスク形状設計システム。
  8. 【請求項8】 半径方向に沿う平面を基準として面対称
    であるディスク形状部品を設計するディスク形状設計方
    法であって、 前記ディスク形状設計方法は、 前記ディスク形状の設計条件、目的関数、使用材料、及
    びディスク初期形状のそれぞれのデータを入力するデー
    タ入力過程と、 前記ディスクに使用する材料の物性値が予め記憶された
    物性値データベースを参照して、前記データ入力過程に
    よって入力された使用材料に関する物性値を定義する物
    性値定義過程と、 前記データ入力過程及び物性値定義過程において入力ま
    たは定義されたデータに基づいて、ディスクの各位置に
    おける応力を計算し、前記目的関数を満たす最適解を求
    めるために、前記ディスク初期形状に変更を加えながら
    収束値を計算する最適化計算過程と、 前記最適化計算過程によって得られた収束値を出力する
    計算結果出力過程とを有することを特徴とするディスク
    形状設計方法。
  9. 【請求項9】 半径方向に沿う平面を基準として面対称
    であるディスク形状部品を設計するディスク形状設計プ
    ログラムであって、 前記ディスク形状設計プログラムは、 前記ディスク形状の設計条件、目的関数、使用材料、及
    びディスク初期形状のそれぞれのデータを入力するデー
    タ入力処理と、 前記ディスクに使用する材料の物性値が予め記憶された
    物性値データベースを参照して、前記データ入力処理に
    よって入力された使用材料に関する物性値を定義する物
    性値定義処理と、 前記データ入力処理及び物性値定義処理において入力ま
    たは定義されたデータに基づいて、ディスクの各位置に
    おける応力を計算し、前記目的関数を満たす最適解を求
    めるために、前記ディスク初期形状に変更を加えながら
    収束値を計算する最適化計算処理と、 前記最適化計算処理によって得られた収束値を出力する
    計算結果出力処理とをコンピュータに行わせることを特
    徴とするディスク形状設計プログラム。
JP2001383712A 2001-12-17 2001-12-17 ディスク形状設計システム、ディスク形状設計方法、及びディスク形状設計プログラム Pending JP2003186946A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001383712A JP2003186946A (ja) 2001-12-17 2001-12-17 ディスク形状設計システム、ディスク形状設計方法、及びディスク形状設計プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001383712A JP2003186946A (ja) 2001-12-17 2001-12-17 ディスク形状設計システム、ディスク形状設計方法、及びディスク形状設計プログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003186946A true JP2003186946A (ja) 2003-07-04

Family

ID=27593681

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001383712A Pending JP2003186946A (ja) 2001-12-17 2001-12-17 ディスク形状設計システム、ディスク形状設計方法、及びディスク形状設計プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003186946A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100416572C (zh) * 2003-12-10 2008-09-03 株式会社东芝 支持部件设计的设计支持系统和方法
JP2008269455A (ja) * 2007-04-24 2008-11-06 Ihi Corp 振動制御系機械評価装置及び方法
KR101008915B1 (ko) 2008-09-04 2011-01-19 후지쯔 가부시끼가이샤 최적해 관계 표시 장치, 방법, 및 프로그램을 기록한 기록 매체

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100416572C (zh) * 2003-12-10 2008-09-03 株式会社东芝 支持部件设计的设计支持系统和方法
JP2008269455A (ja) * 2007-04-24 2008-11-06 Ihi Corp 振動制御系機械評価装置及び方法
KR101008915B1 (ko) 2008-09-04 2011-01-19 후지쯔 가부시끼가이샤 최적해 관계 표시 장치, 방법, 및 프로그램을 기록한 기록 매체

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101741402B1 (ko) 평행 지오데식 곡선들에 의해 모델링되는 부품의 설계
Song et al. Turbine blade fir-tree root design optimisation using intelligent CAD and finite element analysis
US6587741B1 (en) Method and system for designing a spline coupling
JP2011243028A (ja) ターボ機械の翼形状設計方法およびプログラム
Kurstak et al. Multistage blisk and large mistuning modeling using fourier constraint modes and PRIME
Gan et al. A Mode-Accelerated XXr (MAX) method for complex structures with large blends
JP2003186946A (ja) ディスク形状設計システム、ディスク形状設計方法、及びディスク形状設計プログラム
Dehner et al. Simulation of mild surge in a turbocharger compression system
CN111241752B (zh) 一种基于数字孪生和强化学习的离心式叶轮综合优化方法
JP2003186920A (ja) メッシュ生成方法、メッシュ生成装置、コンピュータプログラム、及び記録媒体
Salnikov et al. A centrifugal compressor impeller: a multidisciplinary optimization to improve its mass, strength, and gas-dynamic characteristics
Liu et al. Optimization of turbine disk profiles by metamorphic development
JP4981313B2 (ja) 3次元形状処理装置及び曲面作成プログラム並びに曲面作成方法
Qiu et al. Three-dimensional viscous inverse method for axial blade design
Robinette et al. Predicting the onset of cavitation in automotive torque converters—Part II: a generalized model
JPH03224063A (ja) 最適設計システム
Page et al. Inverse design of 3D multistage transonic fans at dual operating points
JP2002297678A (ja) Voxelモデルの座標決定処理方法,座標決定処理プログラムおよび座標決定処理プログラム記録媒体
JP3979526B2 (ja) 回転機の熱解析方法、回転機の熱解析装置、コンピュータプログラム、及び記録媒体
Xiao et al. Analysis of composite blade/casing rub stability through delayed differential equations
JP2002052560A (ja) 射出成形品製造パラメータ決定支援システム
Brown et al. Emulation of frequency and mode shape variation of as-manufactured airfoils with eigenvalue veering and crossing
CN114444351B (zh) 基于ccssr-hw-6-boo格式的激波噪声模拟方法
CN115688291A (zh) 叶型设计方法、叶片及其加工方法、可读介质
Córdoba Mass Spring Interlocked Bladed Disk Model