JP2003185867A - Y分岐光導波路 - Google Patents

Y分岐光導波路

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JP2003185867A
JP2003185867A JP2002028630A JP2002028630A JP2003185867A JP 2003185867 A JP2003185867 A JP 2003185867A JP 2002028630 A JP2002028630 A JP 2002028630A JP 2002028630 A JP2002028630 A JP 2002028630A JP 2003185867 A JP2003185867 A JP 2003185867A
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Naoki Hanajima
直樹 花島
Toru Kineri
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、基板上に形成された主導波路に対し
て光を分岐し又は合波するY分岐光導波路に関し、埋め
込み特性が改善されると共に、分岐部での光の位相と振
幅の整合を最適化して低損失なY分岐光導波路を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】入射光導波路3端部に形成されたテーパ光
導波路11と、テーパ光導波路11の端面と間隙幅Lg
を介して対向配置されると共に、間隙幅Wgを介して隣
り合って配置される出射光導波路5、6とから構成され
る分岐光導波路において、テーパ光導波路11の端面の
幅を、出射光導波路5、6の幅の合計と間隙幅Wgとを
加え合わせた長さよりも長くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に形成され
た光導波路に対して光を分岐し又は合波するY分岐光導
波路に関する。
【0001】
【従来の技術】Y分岐光導波路に関する公知技術として
日本国特許第2817898号公報に以下の開示があ
る。従来のY分岐光導波回路は、クラッド層内において
主導波路の幅と分岐導波路の幅が等しく、かつ、分岐点
近傍の分岐導波路に囲まれたクサビ形の鋭角形状を有し
ている。しかしながら、一般的な光導波路の作製技術で
は導波路が近接している分岐点近傍を精度よく加工する
のは困難で分岐点近傍に形状変形が生じたり、クラッド
層形成材料が分岐点近傍に充填されずクラッド層に空隙
が生じたりする種々の不良のため、分岐部分での過剰損
失の増加や偏波依存性の劣化が生じてしまう。
【0002】上記問題に対し上記特許は、拡大導波路と
分岐導波路との接続部において両導波路軸が一致した状
態で、両導波路の各端面が3〜10μmの間隙をもって
いずれもが互いに平行に対向し、かつ、各分岐導波路同
士を所定の間隔をもって分離する構成を開示している。
これにより、分岐点近傍でのパターン変形や導波路の埋
め込み不良を防止して、作製が容易で且つ再現性に優れ
た低損失の分岐合波光導波回路を実現できる。
【0003】Y分岐光導波路に関する別の公知技術とし
て特開2000−131544号公報に以下の開示があ
る。当該公開公報では、従来のY分岐光導波路の例とし
て図6に示す4つの例を挙げている。まず、図6(a)
は、コアをY字形に単純に所定の分岐角度θで2分岐し
た構造で、入射路10の路幅aと分岐後の2つの各射出
路12、12の路幅aとが等しく設定されている。とこ
ろが、この構成のY分岐光導波路は、先に述べたように
クサビ形の鋭角形状を有しているため、クラッド層形成
材料を分岐点近傍に充填することが難しいという問題が
ある。
【0004】図6(b)は、入射路10の路幅a1より
も射出路12、12の路幅a2を狭く(a1>a2)設定
するとともに、射出路12、12が入射路10から分岐
する基端部分の谷中央に、凹状の窪み16を形成した構
造を示している。ところが、この構成のY分岐光導波路
は、凹状の窪み16により入射路10と射出路12、1
2の波面の整合を高めて、入射路10と射出路12、1
2との電磁界分布の結合効率を高くして上記図6(a)
の構成より損失を少なくできるものの、分岐角度θを大
きく設定した場合には、結合効率が劣化して損失が増加
するという問題を有している。
【0005】図6(c)は、入射路10の幅を分岐部分
において拡幅し、その拡幅部18から射出路12、12
を延出した構造である。ところが、この構成のY分岐光
導波路は、導波光の位相及び振幅の整合をとることがで
き結合効率は高くなるが、出射導波路12,12同士の
結合が大きくなり再現性を損なうという問題があった。
【0006】図6(d)は、入射路10と各射出路1
2、12との節となる部分20の屈折率n2を入射路1
0および射出路12、12の屈折率n1と異ならせた
(n2<n1)、いわゆるアンテナ結合形の光導波路であ
る。ところが、この構成のY分岐光導波路は、分岐角度
θを3°以上にしても損失が少ないという利点があるも
のの、射出路12、12の谷側が鋭角であり、しかも、
3種類の屈折率n0、n1、n 2を使う必要があるため、
製造が難しい。
【0007】以上に鑑み、上記公開公報では、分岐角度
を比較的大きく設定しても損失が小さく、かつ小型化が
可能で、しかも製造容易なY分岐光導波路として、図7
に示す構造のY分岐光導波路を開示している。
【0008】上記公開公報のY分岐光導波路は、基板上
に形成された所定の屈折率n0を有するクラッド層2
と、クラッド層2に囲まれて所定の屈折率n1(>n0
を有するコア4とが形成されている。上記のコア4の入
射路10と射出路12、12とは全て同一の幅aを有す
る。
【0009】また、各射出路12、12が入射路10か
ら分岐する基端部分の谷中央に、波面の整合をとるため
の凹状の窪み16が形成され、かつ、各射出路12、1
2の基端部分の左右外側にそれぞれ三角形状の突起部2
2が外方に張り出して形成されている。突起部22は、
光が分岐される前の入射路10における0次モードと分
岐された後の各射出路12、12における0次モードの
フィールド分布の整合を高めるために設けられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
日本国特許第2817898号公報に開示されたY分岐
光導波路は、分岐部に間隙を設けることで、クラッド層
堆積時のガスの流れを良好にして、狭いギャップへの埋
め込みを容易にしているが、分岐部での位相・振幅の整
合については最適化されていない。
【0011】一方、特開2000−131544号公報
に開示されたY分岐光導波路は、分岐部での光電界の位
相・振幅の整合を考慮したものであるが、窪み16や突
起部22と各射出路12、12との間に狭いギャップが
形成されるため、コアを完全に埋め込むのは困難であ
る。
【0012】本発明の目的は、埋め込み特性が改善され
ると共に、分岐部での光の位相と振幅の整合を最適化し
て低損失なY分岐光導波路を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は、入射光導波
路端部に形成され所定角度で幅が拡がるテーパ光導波路
と、所定の分岐角度で前記テーパ光導波路の端面と第1
の間隙を介して対向配置されると共に、第2の間隙を介
して隣り合って配置される第1及び第2の出射光導波路
と、前記第1及び第2の間隙を埋め込んで全面に形成さ
れたクラッド層とを備え、前記テーパ光導波路の端面の
幅は、前記第1及び第2の出射光導波路の幅の合計と前
記第2の間隙の間隙幅とを加え合わせた長さより長いこ
とを特徴とするY分岐光導波路によって達成される。
【0014】上記本発明のY分岐光導波路であって、前
記テーパ光導波路は、前記第1及び第2の出射光導波路
より外側に形成された突起部を有していることを特徴と
する。
【0015】上記本発明のY分岐光導波路であって、前
記テーパ光導波路は、直線状に延びる側壁を有している
ことを特徴とする。
【0016】また、上記目的は、入射光導波路端部に形
成されて幅が拡がるテーパ光導波路と、前記テーパ光導
波路の端面と第1の間隙を介して対向配置されると共
に、第2の間隙を介して隣り合って配置される第1及び
第2の出射光導波路と、前記第1及び第2の間隙を埋め
込んで全面に形成されたクラッド層とを備え、前記テー
パ光導波路の端面の幅は、前記第1及び第2の出射光導
波路の幅の合計と前記第2の間隙の間隙幅とを加え合わ
せた長さより短いことを特徴とするY分岐光導波路によ
って達成される。
【0017】上記本発明のY分岐光導波路であって、前
記テーパ光導波路は、外側に凸の曲線状に延びる側壁を
有していることを特徴とする。
【0018】上記本発明のY分岐光導波路であって、前
記側壁は、指数関数に従う曲線状に形成されていること
を特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】〔第1の実施の形態〕本発明の第
1の実施の形態によるY分岐光導波路について図1及び
図2を用いて説明する。まず、本実施の形態によるY分
岐光導波路の概略の構成を図1を用いて説明する。図1
は、Y分岐光導波路が形成された石英ガラス基板1を基
板面法線方向に見た状態を示している。図1に示すY分
岐光導波路は、石英ガラス基板1上に形成された屈折率
0のクラッド層2を有している。クラッド層2内には
クラッド層2の屈折率n0より大きい屈折率n1のコア4
が埋め込まれている。
【0020】コア4はY字形の分岐部において、所定の
間隙(間隙幅Lg、Wg)で入射光導波路3と、2つの
出射光導波路5、6の3つに分割されて形成されてい
る。各間隙にはクラッド層2の形成材料が充填されてお
り、コア4は確実にクラッド層2で埋め込まれている。
【0021】幅a1で延びる入射光導波路3の出射光導
波路5、6側の端部には、端部に向かって所定角度αで
直線状に側壁が拡がるテーパ光導波路11が形成されて
いる。テーパ光導波路11の端面の幅Weは幅a1より
広く、また、テーパ光導波路11の長さLeは、幅
1、幅We、及び分岐角度αに基づいて規定される。
【0022】出射光導波路5、6は同じ幅a2を有して
いる。幅a2は幅a1と等しいかそれより狭く形成されて
いる。出射光導波路5、6は、テーパ光導波路11の端
面中央の両側にテーパ光導波路11の端面と間隙幅Lg
を介して上記所定角度αに等しい分岐角度αで配置され
ている。出射光導波路5、6のテーパ光導波路11側の
各端面は、テーパ光導波路11端面と平行に対向して配
置されている。出射光導波路5、6のテーパ光導波路1
1側の両端面は、所定の間隙幅Wgで隣り合って配置さ
れている。
【0023】このように、本実施形態によるY分岐光導
波路のコア4は、分岐部において所定間隙で3つに分割
されて形成されているので、素子形成時において、各間
隙にクラッド層2の形成材料を充填してコア4を確実に
埋め込むことができる。
【0024】また、本実施形態によるY分岐光導波路
は、出射光導波路5、6の幅a2の2倍と間隙幅Wgと
を加え合わせた長さが、テーパ光導波路11の端面の幅
Weより短くなるように規定されている。このため、テ
ーパ光導波路11の一側壁の延長上と当該側壁側の出射
光導波路5又は6の一側壁との間の距離dは、必ずd≠
0であって、出射光導波路5、6端部がテーパ光導波路
11端面の内側に位置するようになっている。
【0025】このため、テーパ光導波路11側端部の各
出射光導波路5、6より両外側に突起部8、9が形成さ
れる。突起部8、9により、光の分岐前後の振幅をより
正確に整合させることができる。
【0026】このように、本実施の形態では、出射光導
波路5、6端部と対向するテーパ光導波路11の両端に
突起部8、9を設けているため、光の振幅を正確に整合
させることができ、分岐損失を極めて小さくすることが
できる。
【0027】次に、本実施の形態によるY分岐光導波路
の製造方法について簡単に説明する。例えば石英系ガラ
ス導波路の場合、石英ガラス基板1上に下部クラッド層
を成膜する。次いで、コア形成材料を成膜してパターニ
ングし、コア4を形成する。次いで、上部クラッド層を
成膜してコア4をクラッド形成材料で完全に埋め込んで
からアニール処理を経てY分岐光導波路が完成する。ク
ラッド層2やコア形成材料の成膜方法は、火炎堆積法、
スパッタリング、蒸着、各種CVD法、あるいはゾルゲ
ル法等を用いることができる。また、屈折率と膜応力の
調整のために、Ge(ゲルマニウム)、P(リン)、B
(硼素)、Ti(チタン)、F(フッ素)などを適時添
加してももちろんよい。また、石英ガラス基板に代えて
Si(シリコン)基板を用いることもできる。なお、本
実施の形態によるY分岐光導波路の構造は、ニオブ酸リ
チウムなどの光学結晶やガラス基板へのイオン拡散導波
路、リブ導波路、半導体基板上に形成された導波路等に
適用することも可能である。
【0028】(実施例)次に、具体的実施例により説明
する。比屈折率差ΔnをΔn=0.3%とすると、シン
グルモードとなるコア寸法は8(μm)×8(μm)と
なる。分岐部の構成としては、テーパ光導波路11の長
さLe=150μmとした。テーパ光導波路11の端面
の幅Weは、所定の分岐角度αに応じて最適化するもの
とし、We=20〜26μmとした。入射光導波路3の
幅a1=8μmであり、出射光導波路5、6の幅a2=5
μmとした。また、間隙幅Wg=間隙幅Lg=3μmと
した。
【0029】以上のような構成において、数種類の分岐
角度αについてBPM(ビーム伝搬法)により分岐部分
での過剰損失((入力光パワー)−(両分岐の出力光パ
ワーの合計))を計算した。図2は、横軸に分岐角度
(度)をとり、縦軸に過剰損失(dB)をとったグラフ
である。図中、■印を結んで得られた曲線は本実施形態
によるY分岐光導波路の特性である。本実施形態による
Y分岐光導波路の方が、◆印を結んで得られた従来のY
分岐光導波路と比較して過剰損失を抑えることができる
ことが分かる。
【0030】以上説明したように、本実施の形態による
Y分岐光導波路によれば、スリット構造をとることで埋
め込み特性が改善し、テーパ部の幅Weや光射出路の幅
を最適化することでテーパ部から分岐部での電磁界分布
の整合を改善し低損失な分岐導波路を得ることができ
る。
【0031】〔第2の実施の形態〕本発明の第2の実施
の形態によるY分岐光導波路について図3乃至図5を用
いて説明する。まず、本実施の形態によるY分岐光導波
路の概略の構成を図3を用いて説明する。図3は、Y分
岐光導波路が形成された石英ガラス基板1を基板面法線
方向に見た状態を示している。図3に示すY分岐光導波
路は、石英ガラス基板1上に形成された屈折率n0のク
ラッド層2を有している。クラッド層2内にはクラッド
層2の屈折率n0より大きい屈折率n1のコア4が埋め込
まれている。
【0032】コア4はY字形の分岐部において、所定の
間隙(間隙幅Lg、Wg)で入射光導波路3と、2つの
出射光導波路5、6の3つに分割されて形成されてい
る。各間隙にはクラッド層2の形成材料が充填されてお
り、コア4は確実にクラッド層2で埋め込まれている。
【0033】幅a1で延びる入射光導波路3の出射光導
波路5、6側の端部には、端部に向かって、外側に凸の
指数関数に倣う曲線状に側壁が拡がって基板面法線方向
にみて釣鐘状のテーパ光導波路(以下、釣鐘状光導波路
と呼ぶ)13が形成されている。釣鐘状光導波路13の
端面の幅Weは幅a1より広く、また、釣鐘状光導波路
13の長さLeは、幅a1と幅We、及び外側に凸の側
壁の曲線関数に基づいて規定される。
【0034】出射光導波路5、6は同じ幅a2を有して
いる。幅a2は幅a1とほぼ等しく形成されている。出射
光導波路5、6は、釣鐘状光導波路13の端面中央の両
側に釣鐘状光導波路13の端面と間隙幅Lgを介して配
置されている。出射光導波路5、6の釣鐘状光導波路1
3側の各端面は、釣鐘状光導波路13端面と平行に対向
して配置されている。出射光導波路5、6の釣鐘状光導
波路13側の両端面は、所定の間隙幅Wgで隣り合って
配置されている。
【0035】このように、本実施形態によるY分岐光導
波路のコア4は、分岐部において所定間隙で3つに分割
されて形成されているので、素子形成時において、各間
隙にクラッド層2の形成材料を充填してコア4を確実に
埋め込むことができる。
【0036】また、本実施形態によるY分岐光導波路
は、出射光導波路5、6の幅a2の2倍と間隙幅Wgと
を加え合わせた長さが、釣鐘状光導波路13の端面の幅
Weより長くなるように規定されている。このため、釣
鐘状光導波路13の一側壁の延長上と当該側壁側の出射
光導波路5又は6の一側壁との間の距離dは、必ずd≠
0であって、釣鐘状光導波路13端面が出射光導波路
5、6端部の内側に位置するようになっている。
【0037】このため、釣鐘状光導波路13側端部の両
外側に各出射光導波路5、6による突起部14、15が
形成される。突起部14、15により、光の分岐前後の
振幅をより正確に整合させることができる。
【0038】このように、本実施の形態では、釣鐘状光
導波路13と対向する出射光導波路5、6端部の両端に
突起部14、15を設けているため、光の振幅を正確に
整合させることができ、分岐損失を極めて小さくするこ
とができる。
【0039】なお、本実施の形態によるY分岐光導波路
の製造方法は第1の実施の形態で説明した製造方法と同
一であるので説明は省略する。
【0040】(実施例)次に、具体的実施例により説明
する。比屈折率差ΔnをΔn=0.4%とすると、シン
グルモードとなるコア寸法は7.5(μm)×7.5
(μm)となる。分岐部の構成としては、釣鐘状光導波
路13の長さLe=180μmとした。釣鐘状光導波路
13の端面の幅Weは、We=11〜17μmの範囲で
変化させた。分岐角度α(不図示)=0.4度である。
出射光導波路5、6の幅a2は、入射光導波路3の幅a1
=7.5μmと同じ幅a2=7.5μmとした。また、
間隙幅Wg=2μm、間隙幅Lg=3μmとした。ま
た、釣鐘状光導波路13の側壁形状を決める曲線とし
て、
【0041】 W(z)=We+A(exp(−τz/Le)−1) A=(We−a1)/exp(τ)−1
【0042】を用いた。z方向は入射光導波路の光導波
方向に平行な方向である。Y分岐光導波路の過剰損失
((入力光パワー)−(両分岐の出力光パワーの合
計))をBPM(ビーム伝搬法)により計算した。図4
は、横軸に釣鐘状光導波路13の端面の幅We(μm)
をとり、縦軸に過剰損失(dB)をとったグラフであ
る。τ=9としている。図4から明らかなように、過剰
損失が最小の約0.2dBとなるのは、We=15μm
<(2×幅a2+Wg)=17μmとなる領域にあるこ
とがわかる。また、図4から明らかなように、過剰損失
が0.3dB以下を実現するには14≦We≦16であ
ればよい。図5は、上記の釣鐘状光導波路13の側壁の
曲線を決める指数関数の指数τを横軸にとり、縦軸に過
剰損失(dB)をとったグラフである。図5から明らか
なように、指数τが大きくなるとテーパ領域の膨らみが
大きくなるため、損失低減の効果があることがわかる。
【0043】以上説明したように、本実施の形態による
Y分岐光導波路によれば、スリット構造をとることで埋
め込み特性が改善し、テーパ部の幅Weや光光射出路の
幅を最適化することでテーパ部から分岐部での電磁界分
布の整合を改善し低損失な分岐導波路を得ることができ
る。
【0044】Y分岐光導波路での過剰損失は、出射光導
波路とテーパ端の境界部分で生じる光電界分布の不整合
にその原因があり、良好な埋め込み特性を維持しつつこ
の不整合を小さくできることを上記第1及び第2の実施
の形態で示した。上記第1及び第2の実施の形態に示し
たように、埋め込み特性を改善するために間隙を複数設
けた構造を用いつつ、テーパ部の形状や、テーパ端の幅
We、出射光導波路幅a2、間隙幅Lg、Wgなどの相
互関係を最適化することによって、低損失なY分岐光導
波路が得られる。
【0045】本発明は、上記実施の形態に限らず種々の
変形が可能である。上記第1及び第2の実施の形態で
は、テーパ光導波路11、13は端面でのみ最大幅We
になる形状に形成されているが、本発明はこれに限ら
ず、端面から入射光導波路3に向かって所定距離だけテ
ーパ光導波路11、13の幅Weが維持される形状にし
てももちろんよい。このようなテーパ光導波路11、1
3を用いても上記実施の形態と同様の作用効果を奏する
ことができる。
【0046】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、埋め込み
特性が改善されると共に、分岐部での光の位相と振幅の
整合を最適化して低損失なY分岐光導波路を実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるY分岐光導波
路の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態によるY分岐光導波
路の構成に基づく効果を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態によるY分岐光導波
路の概略構成を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態によるY分岐光導波
路の構成に基づく幅Weの最適範囲を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態によるY分岐光導波
路の構成に基づく指数τの最適範囲を示す図である。
【図6】従来のY分岐光導波路の概略構成を示す図であ
る。
【図7】従来のY分岐光導波路の他の概略構成を示す図
である。
【符号の説明】
1 基板 2 クラッド層 3、10 入射光導波路 4 コア 5、6 出射光導波路 8、9、14、15、22 突起部 11 テーパ光導波路 13 釣鐘状光導波路 16 窪み 18 拡幅部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年8月27日(2002.8.2
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入射光導波路端部に形成され所定角度で幅
    が拡がるテーパ光導波路と、 所定の分岐角度で前記テーパ光導波路の端面と第1の間
    隙を介して対向配置されると共に、第2の間隙を介して
    隣り合って配置される第1及び第2の出射光導波路と、 前記第1及び第2の間隙を埋め込んで全面に形成された
    クラッド層とを備え、 前記テーパ光導波路の端面の幅は、前記第1及び第2の
    出射光導波路の幅の合計と前記第2の間隙の間隙幅とを
    加え合わせた長さより長いことを特徴とするY分岐光導
    波路。
  2. 【請求項2】請求項1記載のY分岐光導波路であって、 前記テーパ光導波路は、前記第1及び第2の出射光導波
    路より外側に形成された突起部を有していることを特徴
    とするY分岐光導波路。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載のY分岐光導波路で
    あって、 前記テーパ光導波路は、直線状に延びる側壁を有してい
    ることを特徴とするY分岐光導波路。
  4. 【請求項4】入射光導波路端部に形成されて幅が拡がる
    テーパ光導波路と、 前記テーパ光導波路の端面と第1の間隙を介して対向配
    置されると共に、第2の間隙を介して隣り合って配置さ
    れる第1及び第2の出射光導波路と、 前記第1及び第2の間隙を埋め込んで全面に形成された
    クラッド層とを備え、 前記テーパ光導波路の端面の幅は、前記第1及び第2の
    出射光導波路の幅の合計と前記第2の間隙の間隙幅とを
    加え合わせた長さより短いことを特徴とするY分岐光導
    波路。
  5. 【請求項5】請求項4記載のY分岐光導波路であって、 前記テーパ光導波路は、外側に凸の曲線状に延びる側壁
    を有していることを特徴とするY分岐光導波路。
  6. 【請求項6】請求項5記載のY分岐光導波路であって、 前記側壁は、指数関数に従う曲線状に形成されているこ
    とを特徴とするY分岐光導波路。
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