JP2003185504A - 電池温度検出装置 - Google Patents
電池温度検出装置Info
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Abstract
報から、すべての単位電池の温度を検知する電池温度検
出装置を提供する。 【解決手段】バッテリモジュール(組電池)200を構
成する単位電池21、22、23等のうち、少なくとも
その一つの単位電池21に設けられたサーミスタ(2)
1と、他の単位電池22、23等の電池温度を推定する
ための組電池に関する情報を取得する情報取得手段2
と、サーミスタ(2)1が測定した電池温度及び情報取
得手段2が取得した組電池に関する情報から、実際には
電池温度を測定しない他の単位電池22、23等の電池
温度をそれぞれ推定する電池温度推定手段(CPU)8
とを備える。
Description
ら構成される組電池の温度を検知する電池温度検知装置
に関し、特に、選択されたいくつかの単位電池の電池温
度から、すべての単位電池の電池温度を検知する電池温
度検出装置に関する。
源として、複数の単位電池を直列または並列に接続した
組電池を備えている。この組電池の温度が所定温度以上
又は所定温度以下になると、当該組電池の寿命の低下や
組電池の異常といった不都合が生じることから、このよ
うな不都合を避けるために組電池の温度を検出する必要
がある。
成する単位電池の温度に応じることとなるが、組電池の
構造や単位電池の位置関係等によって各単位電池の温度
はそれぞれ異なる。このため、従来においては単位電池
の一つ一つに温度センサを取り付けて単位電池の温度を
検出していた。
を構成する単位電池のすべてに温度センサを取り付けた
場合には温度センサが多数必要となり、車両等の製品全
体のコストを押し上げるという不都合があった。特に、
電気自動車等にあっては、航続距離をより長くするため
に多数の単位電池が必要とされる。このため、増加する
単位電池の数に応じて必要となる温度センサの数も増加
し、さらにコストが高くなってしまう傾向にある。
鑑みてなされたものであり、少ない温度センサによっ
て、組電池を構成する単位電池の温度をそれぞれ検知す
る電池温度検出装置を提供することを目的とする。
るために、請求項1記載の発明によれば、複数の単位電
池から構成される組電池の電池温度検出装置において、
前記単位電池の少なくとも一つに設けられ、この単位電
池の電池温度を測定する温度測定手段と、前記組電池に
関する情報を取得する情報取得手段と、前記温度測定手
段により測定された電池温度と前記情報取得手段により
取得された情報とに基づいて、前記温度測定手段により
電池温度が測定されない単位電池の電池温度を推定する
電池温度推定手段とを備えた電池温度検出装置が提供さ
れる。この発明において、前記情報取得手段は、前記温
度測定手段により測定された単位電池の測定温度から前
記電池温度が測定されない単位電池の電池温度をそれぞ
れ推定するための情報を検出することが好ましく(請求
項2)、また、前記情報取得手段は、予め記憶された、
前記温度測定手段により測定された単位電池の測定温度
から前記電池温度が測定されない単位電池の電池温度を
それぞれ推定するための情報を読み出すことが好ましい
(請求項3)。
電池の少なくとも一つに温度測定手段を設けて当該単位
電池の電池温度を測定し、この測定した電池温度と情報
取得手段が取得した組電池に関する情報とに基づいて、
温度推定手段が実際に電池温度を測定しない単位電池の
電池温度を推定する。この発明において、情報取得手段
が取得する「組電池に関する情報」は、温度測定手段に
より測定された単位電池の測定温度から単位電池の電池
温度が測定されない単位電池の電池温度をそれぞれ推定
するための情報を含むことが好ましく、単位電池又は組
電池の電圧、電流、又は電池の発熱量、単位電池の冷却
状態(冷却媒体の温度、冷却媒体の流量、冷却媒体用の
開口部からの距離等)、単位電池の形状、単位電池の間
隔を含む単位電池の配列方法、単位電池の表面積、その
他の単位電池の温度に影響を与える情報が含まれ、さら
に、これらの情報は単位電池の測定温度から温度が測定
されない単位電池の温度を推定できるように互いに関連
づけられている情報が含まれていることが好ましい。例
えば、この「組電池に関する情報」が測定された単位電
池の電池温度と、電池の配置等を考慮するとともに当該
測定温度に基づいて、推定される他の単位電池のそれぞ
れの電池温度との関係を規定する情報であれば、この関
係を規定するテーブル又は計算式を用いて、温度測定さ
れた単位電池の電池温度から温度測定されない単位電池
の電池温度を推定することができる。また、この「組電
池に関する情報」は、情報取得手段がセンサ等の検出手
段によって取得してもよいし、又は情報取得手段が予め
記憶手段に記憶された情報を読み出し手段によって取得
してもよい。
ごとの温度を、少ない温度測定手段で検出することがで
きる。
4記載の発明によれば、前記組電池の電圧を測定する電
圧測定手段と、前記組電池の電流を測定する電流測定手
段と、前記電圧測定手段により測定された前記組電池の
電圧と、前記電流測定手段により測定された前記組電池
の電流とに基づいて、当該組電池の発熱量を算出する発
熱量算出手段とを有し、前記組電池に関する情報は、前
記算出された発熱量に関連づけられた、前記単位電池の
配置に応じた前記組電池の温度分布に関する情報を含
み、前記電池温度推定手段は、少なくとも前記温度測定
手段により測定された電池温度と、前記発熱量算出部に
より算出された前記組電池の発熱量と、前記情報取得手
段により取得された前記組電池に関する情報とに基づい
て、前記電池温度が測定されない単位電池の電池温度を
それぞれ推定する電池温度検出装置が提供される。
定手段により測定された組電池の電圧値と電流測定手段
により測定された組電池の電流値とから、組電池の発熱
量を算出する。この組電池の発熱量は、単位電池の配置
に応じた組電池の温度分布に関係づけられ、組電池に関
する情報として、温度測定されない単位電池の電池温度
の推定に用いられる。この電池温度の推定は、電池温度
推定手段によって、温度測定手段により測定された電池
温度と、発熱量算出部により算出された組電池の発熱量
と、情報取得手段により取得された組電池に関する情報
とに基づいて行われる。したがって、測定された単位電
池の電池温度のみならず、組電池の発熱量が考慮された
うえで、実際に電池温度が測定されない単位電池の電池
温度が推定されることとなる。
ごとの温度を、少ない温度測定手段で検出することがで
きる。
5記載の発明によれば、前記組電池を構成する複数の単
位電池を冷却するための冷却媒体の温度を測定する冷媒
温度測定手段を備え、前記組電池に関する情報は、前記
測定された冷却媒体の温度に関連づけられた、前記組電
池の温度分布に関する情報を含み、前記電池温度推定手
段は、少なくとも前記温度測定手段により測定された電
池温度と、前記発熱量算出部により算出された前記組電
池の発熱量と、前記情報取得手段により取得された前記
組電池に関する情報と、前記冷媒温度測定手段により測
定された冷却媒体の温度とに基づいて、前記電池温度が
測定されない単位電池の電池温度をそれぞれ推定する電
池温度検出装置が提供される。この発明において、前記
冷媒温度測定手段は、前記冷却媒体の流量を測定する冷
媒流量測定部と、前記冷媒温度測定手段により測定され
た冷却媒体の温度と、前記冷媒流量測定部により測定さ
れた冷却媒体の流量とから、前記冷却媒体による吸熱量
を算出する吸熱量算出部とを有し、前記組電池に関する
情報は、前記測定された冷却媒体による吸熱量に関連づ
けられた、前記組電池の温度分布に関する情報を含み、
前記電池温度推定手段は、少なくとも前記温度測定手段
により測定された電池温度と、前記発熱量算出部により
算出された前記組電池の発熱量と、前記情報取得手段に
より取得された前記組電池に関する情報と、前記冷媒温
度測定手段により測定された冷却媒体の温度と、前記吸
熱量算出部により算出された冷却媒体による吸熱量とに
基づいて、前記電池温度が測定されない単位電池の電池
温度をそれぞれ推定することが好ましい(請求項6)。
この発明における冷却媒体は、気体であっても液体であ
ってもよく、物質も限定されることはない。
池を冷却する冷却媒体の温度を測定する。この冷却媒体
の温度は、単位電池の配置に応じた組電池の温度分布に
関連づけられ、組電池に関する情報として、温度測定さ
れない単位電池の電池温度の推定に用いられる。また、
冷却媒体の温度のみならず、冷却媒体の流量を併せて測
定し、これらに基づいて冷却媒体による吸熱量を算出し
て、組電池に関する情報として単位電池の電池温度の推
定に用いることが好ましい。
によって、温度測定手段により測定された電池温度と、
発熱量算出部により算出された組電池の発熱量と、冷媒
温度測定手段により測定された冷却媒体の温度、吸熱量
算出部により算出された冷却媒体による吸熱量と、情報
取得手段により取得された組電池に関する情報とに基づ
いて行われる。したがって、測定された単位電池の電池
温度のみならず、さらに冷却媒体の温度や冷却媒体によ
る吸熱量が考慮されたうえで、実際に電池温度が測定さ
れない単位電池の電池温度が推定されることとなる。
ごとの温度を、少ない温度測定手段で検出することがで
きる。
発明によれば、前記情報取得手段により取得された前記
組電池に関する情報は、前記単位電池の形状に関連づけ
られた前記組電池の温度分布に関する情報をさらに含
み、電池温度推定手段は、少なくとも前記情報取得手段
により取得された前記単位電池の形状に応じて、前記電
池温度が測定されない単位電池の電池温度をそれぞれ推
定する電池温度検出装置が提供される。
らに単位電池の形状に関連づけられた組電池の温度分布
に関する情報が含まれる。組電池は単位電池が所定の間
隔をもって三次元的に配列されていることから、単位電
池が円筒形状か又は角型形状か、といった単位電池の形
状に応じて、配列方法や単位電池間隔や表面積が大きく
異なり発熱効果や冷却効果も異なる。このような観点か
ら本発明では単位電池の形状をも考慮して電池温度の推
定を行う。
池を構成する各単位電池ごとの温度を、少ない温度測定
手段で検出することができる。
発明によれば、前記電池温度検出装置により検出された
前記組電池を構成する前記いずれかの単位電池の温度
が、第1の所定温度以上又は当該第1の所定温度よりも
小さい第2の所定温度以下である場合には、前記組電池
に接続された電動機の出力を制限する電池温度検出装置
が提供される。
加えて、組電池に接続された電動機の出力を制御する機
能を有する。組電池を構成する単位電池の電池温度が第
2の所定温度よりも高くかつ第1の所定温度未満である
とき、組電池は正常に機能し、組電池の電池温度をこの
温度範囲内に維持できれば組電池の寿命の短縮を防止す
ることができる。このような観点から、本発明では組電
池を構成するいずれかの単位電池の温度が、第1の所定
温度以上又は当該第1の所定温度よりも小さい第2の所
定温度以下である場合には、組電池に接続された電動機
の出力を制限する。
を構成する各単位電池の電池温度に基づいて、組電池を
適切に保護することができる。
い温度センサによって、組電池を構成する単位電池の温
度をそれぞれ検知する電池温度検出装置を提供すること
ができ、請求項8記載の発明によれば、測定又は推定さ
れた、組電池を構成する各単位電池の電池温度に基づい
て、組電池を適切に保護することができる。
基づいて説明する。本実施形態の電池温度検出装置10
0は、特に限定されることはないが、ハイブリッド車
両、電気自動車等の電力を駆動源として利用する車両に
搭載され、同じく車両に搭載された組電池200に少な
くとも接続され、その組電池200の電池温度を検出す
る。もちろん、組電池200の種類は特に限定されるこ
となく、いかなる電池の電池温度も検出することができ
る。図1は本発明の実施形態のハードウェア構成を説明
するための図である。図1に示すように、単位電池21
が複数配置されたバッテリモジュール200と、このバ
ッテリモジュール200を冷却する冷却媒体としての冷
却(空気)風がバッテリファン300により送り込まれ
る。このバッテリファン300はバッテリモジュール2
00の電池温度に応じて、ファン電圧を変化させ、風量
を変化しつつバッテリモジュール200を冷却する。具
体的には、設定温度を30℃から35℃とした場合、電
池温度が35℃となったらファン電圧をオン(2V)と
し、冷却風を送り込んで冷却し、電池温度が30℃とな
ったらファン電圧をオフ(0V)として冷却を中止し、
バッテリモジュール200の温度を所定の温度範囲に保
つ。
る冷却風の温度を測定するのがサーミスタ(1)6であ
り、バッテリモジュール200内の単位電池21の電池
温度を測定するのはサーミスタ(2)1である。このサ
ーミスタ(2)1はバッテリファン300から冷却風が
送り込まれる冷却風入り口から最短距離に位置する単位
電池21の電池温度を測定する。バッテリモジュール2
00の制御を行うバッテリコントローラのCPU8は、
バッテリモジュール200の電圧を測定する電圧センサ
3と、電流を測定する電流センサ4と、サーミスタ
(1)と、サーミスタ(2)と、冷却時間を計測するタ
イマーとからの情報とを得て、バッテリモジュール20
0を構成するすべての単位電池21、22等の電池温度
を検出する。
説明する。図2には本実施形態に係る電池温度検出装置
100の制御処理に関するブロック構成を示した。図2
に示すように電池温度検出装置100は、組電池200
を構成する単位電池21の少なくとも一つに設けられた
温度測定手段1と、組電池200に関する情報を取得す
る情報取得手段2と、温度測定手段1により測定された
電池温度と情報取得手段2により取得された組電池に関
する情報とに基づいて、実際に温度測定がされない単位
電池22、23等の電池温度を推定する電池温度推定手
段8と、電池温度推定手段8により推定された電池温度
を外部へ向けて出力する出力手段9とを有している。本
実施形態では温度測定手段1は一つの単位電池21に設
けることとした。もちろん、温度測定手段1は、1つに
限定されることはなく、2つ、3つ又はそれ以上の数で
あってもよく、組電池を構成する単位電池の数に応じて
決定することが好ましい。
を取得する。その取得は測定等の検出により当該情報を
取得する態様と、予め記憶手段7に記憶された情報を読
み込んで取得する態様とのいずれをも採用することがで
きる。本実施形態では、組電池200に関する情報を測
定等により取得する態様に属する構成として、組電池の
電圧を測定する電圧測定手段3と、組電池の電流を測定
する電流測定手段4と、これらによって測定された電圧
値と電流値とに基づいて組電池200の発熱量を算出す
る発熱量算出手段5と、組電池200の単位電池21、
22を冷却する冷却風の温度を測定する冷媒温度測定手
段6とを設けている。また、本実施形態では、予め記憶
手段7に記憶された情報を読み込んで取得する態様とし
て、組電池200に関する情報を記憶する記憶手段7を
設けている。この記憶手段7には、測定温度と発熱量と
を関連づけた情報71、測定温度と冷却媒体の温度とを
関連づけた情報72、測定温度と冷媒による吸熱量とを
関連づけた情報73、測定温度と電池形状74とを関連
づけた情報74と、測定温度と単位電池の配置とを関連
づけた情報75とが記憶されている。これらの情報につ
いては、後に説明する。
度測定手段1により測定された一つの測定温度と、情報
取得手段2により検出又は読み出された組電池に関する
情報とに基づいて、実際に電池温度を測定しない単位電
池22、23等の電池温度を推定するのは、電池温度推
定手段8である。この電池温度推定手段8が推定した電
池温度を出力手段9が出力する。この出力は、電池温度
情報の提示であってもよいし、外部制御手段への送出で
あってもよい。本実施形態では、推定された電池温度に
基づく情報を、外部の電動機400の制御指令として、
当該電動機400へむけて出力する。電動機400はこ
の情報に基づいて、その出力が制限されることとなる。
圧は電圧測定手段3により測定され、組電池200の電
流は電流測定手段4により測定され、組電池200の発
熱量は発熱量算出手段5により算出される。ちなみに、
組電池200の発熱量は先に測定された電圧値と電流値
とを乗じて積算することによって算出される。また、冷
却媒体の温度は冷却媒体測定手段6により測定され、冷
却媒体の風量は冷媒流量測定部61により測定され、冷
却媒体による吸熱量は、これら測定された冷却媒体の温
度と冷却媒体の流量に基づき算出される。
推定に用いる「組電池に関する情報」について説明をす
る。この「組電池に関する情報」は、温度測定手段1に
より測定された単位電池21の測定温度から単位電池の
電池温度が測定されない単位電池の電池温度22、23
等をそれぞれ推定するための情報を含むことが好まし
く、単位電池又は組電池の電圧、電流、又は電池の発熱
量、単位電池の冷却状態(冷却媒体の温度、冷却媒体の
流量、冷却媒体用の開口部からの距離等)、単位電池の
形状、単位電池の間隔を含む単位電池の配列方法、単位
電池の表面積、その他の単位電池の温度に影響を与える
情報が含まれる。加えて、これらの情報は単位電池21
の測定温度から温度が測定されない単位電池22、23
等の温度を推定できるように互いに関連づけられている
ことが好ましい。これに関し、本実施形態の記憶手段7
には「組電池に関する情報」として、先にも述べた、測
定温度と発熱量とを関連づけた情報71、測定温度と冷
却媒体の温度とを関連づけた情報72、測定温度と冷媒
による吸熱量とを関連づけた情報73、測定温度と電池
形状74とを関連づけた情報74と、測定温度と単位電
池の配置とを関連づけた情報75とが記憶されている。
具体的に説明すると、「測定温度と発熱量とを関連づけ
た情報71」は、組電池200の発熱又は充電によって
発生する熱量が、組電池200内の単位電池21、22
等の温度に影響を与えるため「組電池に関する情報」と
して、これを電池温度の推定に用いる。「測定温度と冷
却媒体の温度とを関連づけた情報72」及び「測定温度
と冷媒による吸熱量とを関連づけた情報73」は、組電
池200の内部を冷却することにより各単位電池21、
22等から奪われる熱量が、組電池200内の単位電池
21、22等の温度に影響を与えるため、「組電池に関
する情報」として、これらを電池温度の推定に用いる。
また、「測定温度と電池形状とを関連づけた情報74」
及び「測定温度と単位電池の配置とを関連づけた情報7
5」は、単位電池の形状が発熱又は冷却による熱量の伝
達、ひいては組電池200内の単位電池21、22等の
電池温度に影響を与えるため、「組電池に関する情報」
として、これらを電池温度の推定に用いる。
特に限定されないが、本実施形態においては測定された
単位電池21の電池温度から実際には測定されない単位
電池22、23等の電池温度を推定するための対応情報
又は算出方法が記憶又は演算回路に実装されている。ま
た、単位電池21、22等の温度に影響を与える情報で
ある「単位電池の形状」、「単位電池の間隔」を含む
「単位電池の配列方法」、「単位電池の表面積」は、製
造時点において設定しうる値である。このため、測定さ
れた電池温度と推定される電池温度との関係において、
予め単位電池に影響を与える要因の情報を含めた「組電
池に関する情報」を記憶させておくことが好ましい。ま
た、これらの電池温度を推定するための情報は、測定さ
れる電池温度とともに、経時的に変化する組電池の電
圧、電流、発熱量、冷媒温度、冷媒流量、吸熱量とを変
数として扱い、組電池を構成する各単位電池の電池温度
を推定することができる推定手法に関する情報であるこ
とが好ましい。よって、この情報は、これらの制御要因
を対応づけたテーブル形式の情報であってもよいし、実
験上又は論理的に求められた算出式の情報であってもよ
い。このような「組電池に関する情報」によれば、測定
された単位電池21の電池温度に基づいて、発熱量若し
くは冷却媒体による吸熱量又は電池形状、電池配列、冷
却媒体の出入口の位置をも考慮した各単位電池22、2
3のそれぞれの電池温度を推定することができる。
温度の推定にいかに影響を与えるかを図3を参照しつつ
説明する。図3は温度推定情報の電池形状に関する情報
を説明するための図であり、図3(a)は円筒形状の単
位電池を示し、図3(b)は角型形状の単位電池を示す
図である。バッテリモジュール200の内部には図3
(a)に示すような円筒形状又は図3(b)に示すよう
な角型形状の単位電池21が複数本、一定の間隔を保ち
ながら三次元的に配列されている。図3(a)に示す円
筒形状の単位電池21の外形寸法は直径Amm×Bmm
となり、図3(b)に示す角型形状の単位電池21の外
形寸法はCmm×Dmm×Emmとなる。単位電池21
の間隔(セル間隔)は圧力損失に関係するため、単位電
池21の形状ごとにそのセル間隔が異なり、この異なる
セル間隔に応じて冷却効率も異なることとなる。すなわ
ち、円筒形状の単位電池21が配列された場合と、角型
形状の単位電池21が配列された場合とでは電池の発熱
による熱の伝達経路が異なり、また冷却風の流路も異な
ることから、組電池200を構成する単位電池21の形
状とその配列は、当該それぞれの単位電池22、23等
の温度に大きな影響を与える。
2、23等のそれぞれの電池温度は、測定された単位電
池21の電池温度と、必ずしも同じ関係を有するもので
はない。すなわち、所定の間隔で配列された単位電池2
2、23であっても、温度測定される単位電池21との
距離は異なるし、冷却媒体が流入又は流出する開口部か
らの距離も異なることから、冷却効果も当然異なる。こ
のため、測定された単位電池21との位置関係又は冷却
風入口との位置関係は、単位電池22、23の電池温度
の推定に影響を与える。
冷却風が流入する冷却風入口部からの距離又は電池温度
が測定される単位電池21からの距離が、電池温度の推
定にいかに影響を与えるかを図4を参照しつつ説明す
る。図4は温度推定情報の単位電池21の配置に関する
情報を説明するための図であり、図4(a)は単位電池
21の位置の算出を説明する図であり、図4(b)は冷
却媒体の流入部からの距離係数と、単位電池の温度との
関係を示す図である。
造を考慮するために、電池温度が測定される単位電池2
1を原点とした、電池温度が推定される他の単位電池2
2の位置関係を図4(a)に示した。電池温度が推定さ
れる単位電池22は、原点に対して(Dx,Dy,D
z)=(α,β,γ)の位置にある。このとき、原点
(単位電池21の位置)からの距離Dは、D=((D
x)2+(Dy)2+(Dz)2)0.5と表わすこと
ができる。ちなみに、ここでは原点を電池温度が測定さ
れる単位電池21の位置として説明したが、本実施形態
では冷却媒体が流入する冷却風入口部の位置を原点とし
た。こうして、組電池200を構成する単位電池22、
23・・・のそれぞれの原点(冷却風入口部)に対する
位置を求めることができる。このように、原点(冷却風
入口部)に対する各単位電池22、23の位置関係が規
定できれば、この位置関係に応じた冷却効果を定量的に
扱うことができ、電池温度を推定する関係を導くことが
できる。
状である場合の、冷却風入口部からの距離係数(Dx,
Dy,Dz)と単位電池22の電池温度(℃)との関係
を示したものである。本実施形態においては、図4
(b)に示すような二次回帰曲線の関係式が求められ
た。このように、原点に対する各単位電池22、23等
の位置は電池温度の推定に影響を与えるため、この位置
関係を「組電池に関する情報」に含ませ、位置を考慮し
た電池温度の推定を行う。加えて、単位電池21、22
等の形状が角型形状(図3(b)参照)である場合に
は、冷却風入口部からの距離係数(Dx,Dy,Dz)
と単位電池22の電池温度(℃)との関係は一次回帰曲
線の関係式が求められる。このように、この単位電池2
2の位置とその単位電池22の電池温度との関係は、電
池形状によっても異なってくるため、本実施形態では、
実験的又は論理的に求められた、各単位電池の電池温度
と各単位電池の位置との関係をモジュール構造係数とし
て規定することとした。
まれる各単位電池22、23等の電池温度を推定するた
めの情報としては、発熱量や冷却媒体による吸熱量や電
池自体の形状、表面積、その他の温度寄与因子がある
が、これらについては、電池温度検出の動作において逐
次説明する。
装置100の動作について図5〜図9を参照しつつ説明
する。図5は、本実施形態に係る電池温度検出装置10
0の制御処理に関するフローチャート図、図6は図5に
示したステップ21のサブルーチンを、同じく図7はス
テップ31のサブルーチンを、図8はステップ41のサ
ブルーチンを、図9はステップ51のサブルーチンを説
明するフローチャート図である。
スイッチがオンとなるか、又は充電が開始されると、本
電池温度検出装置100が起動する(S11)。最初
に、バッテリモジュール300の電池温度を検知するに
際して、いずれかの単位電池21の電池温度を測定する
(S21)。続いてバッテリファン300による組電池
200の冷却が必要であるか否か、の冷却可否判断が行
われる。具体的に、温度測定手段1が測定した単位電池
21の温度と冷媒温度測定手段6が測定した冷却風の温
度との関係に基づいて判断される(S31)。冷却が必
要であれば冷却風が送りこまれ、組電池200は冷却さ
れる。続いて、電池温度推定手段8が電池温度が測定さ
れない他の単位電池22、23等の電池温度をそれぞれ
推定する(S51)。組電池を構成する単位電池22、
23等の電池温度が推定されたところで、車両の電動機
の動作が制御され、組電池200の出力又は回生が制御
される(S51)。スイッチオフ又は充電の終了に伴
い、本動作は終了する(S61)。
それぞれ説明する。図6は単位電池21の電池温度の測
定(S21)のサブルーチンを示すフローチャートであ
る。温度測定手段1は、システムの起動時、すなわち無
負荷時の単位電池21の電池温度(Ta)を測定して検
出する(S22)。この測定された電池温度は記憶手段
7又は本装置内のメモリ(RAM)に記憶される。測定
された電池温度が記憶されたところで、図7に示すステ
ップ31のサブルーチンの処理に移る。
組電池200の冷却を行うか否かを判断する。まず、冷
媒温度測定手段6が冷媒の流路を通過する冷媒の温度
(Tb)を測定する(S32)。他方、温度測定手段1
が単位電池21の電池温度をモニタリングして、現在の
単位電池21の電池温度(Tc)を測定する(S3
3)。測定された冷媒の温度(Tb)と電池温度(T
c)とを比較する(S34)。冷媒の温度(Tb)が電
池温度(Tc)よりも高い場合、冷却効果は期待できな
いので、冷却は中止と判断される(S35)。他方、冷
媒の温度(Tb)が電池温度(Tc)よりも低い場合、
組電池200の冷却は可能と判断され(S36)、冷却
媒体が送り込まれ、組電池200の温度は低下する。
は、電池が出力又は充電により発熱し、かつ冷却媒体に
よって冷却されている場合における単位電池22、23
等の電池温度を推定する。具体的な処理を図8を参照し
つつ説明する。電池温度推定手段8が起動すると(S4
1)、電圧測定手段3が組電池200の電圧を測定し
(S42)、電流測定手段4が組電池200の電流を測
定する(S43)。発熱量算出手段5は、測定された組
電池200の電圧値と電流値に基づいて発熱量を算出
し、起動に応じて発熱量を積算する。具体的には電圧値
と電流値を乗じて、これらを起動時間に応じて積算す
る。他方、温度測定手段1は単位電池21の電池温度を
検出する(S45)。この電池温度の検出は、電池温度
を実際に測定してもよいし、記憶手段7等に記憶され
た、先に測定された電池温度を読み出してもよい。続い
て、冷媒温度測定手段6が冷却媒体である冷却風の温度
を測定し(S46)、冷却風量測定部61が送り込まれ
る(又は吸い込まれる)冷却風の流量を測定し(S4
7)、さらにその冷却時間を内蔵されたタイマによって
検出する(S48)。このように測定し、検出された、
組電池の発熱量、単位電池21の電池温度、及び冷却風
の温度、風量、冷却時間に基づいて、実際に電池温度が
測定されない他の単位電池22、23等の電池温度を推
定する(S49)。
定手法として、一例をあげると、
流量(Gair)×空気比熱(Cpa))と表わすことができ
る。
いてシステム起動時に測定した単位電池21の電池温度
であり、総発熱量はシステム起動開始からの組電池の電
流と電圧とを乗じて積算した値(Σ(電圧×電流))に
より示される組電池の発熱量である。また、冷却風量重
量流量は、単位時間あたりに組電池200内部に流れる
冷却風の重量である。また、大気中の熱計算を行うこと
から、空気の比熱(Cpa)を採用する。数1に示した式に
より、発熱量と冷却媒体による吸熱量とを考慮した、実
際には温度測定されない単位電池22、23の電池温度
Xが推定される。
果を電池温度の推定に反映させるため、発熱量及び吸熱
量以外の電池温度に影響を与える冷却風入口部からの距
離、電池形状、電池配列といった要因を考慮する。ここ
で採用される単位電池22、23等の電池温度の推定手
法は、
却風入口部からの距離係数(Dk)× 電池係数 ×モジ
ュール構造係数 と表わされ、電池温度の推定を行うに際しての冷却の影
響が考慮された温度差Yを求めることができる。
電池21の温度と冷却風の温度との温度差である。ま
た、冷却風流量は、バッテリファン300の冷却ファン
速度対冷却風流量テーブルから求められた冷却風流量で
あって、バッテリファン300の動作状況から冷却風流
量を照合させるテーブルから求められる値である。冷却
風入口部からの距離係数は、先に図4を参照しつつ説明
した、冷却風入口部からの距離と電池温度を関連づける
係数である。さらに、電池係数は、電池の種類や、形
状、表面積、その他の温度寄与因子であって、採用する
単位電池21、22等に応じて予め設定されることが好
ましい。また、モジュール構造係数は、先に説明したよ
うに、冷却風入り口部からの距離や、電池温度が測定さ
れる単位電池21からの距離と電池温度との関係におい
て、電池形状が与える影響を数値として扱えるように係
数化した値である。
段8は、発熱量や冷却媒体による吸熱量や電池自体の形
状、表面積、その他の温度寄与因子といった、各単位電
池22、23等の電池温度を推定するための情報を含む
「組電池に関する情報」に応じて、実際には測定しない
単位電池22、23等の電池温度を推定する。
組電池200を構成する単位電池22、23等の温度を
それぞれ検知することができる電池温度検出装置100
を提供することができる。
1,22、23等の電池温度に応じて行われる車両制御
の処理のサブルーチンを示すフローチャート図である。
測定又は推定された電池温度の中から最高の電池温度
(MAX−T)を算出する(S52)。この最高の電池
温度(MAX−T)が予め設定された温度上限を規定す
るしきい値(第1の所定温度)よりも大きいか否かを繰
り返し判断する(S53)。最高の電池温度(MAX−
T)が第1の所定温度よりも高い場合には、外部電動機
の出力が制限され、結果として組電池の出力又は回生が
制限されることとなる(S54)。他方、最高の電池温
度(MAX−T)が第1の所定温度よりも低い場合に
は、逆に最低の電池温度(MIN−T)を算出する(S
55)。この最低の電池温度(MIN−T)が温度下限
を規定するしきい値(第2の所定温度)よりも小さいか
否かを繰り返し判断する(S56)。もし、最低の電池
温度(MIN−T)が第2の所定温度よりも低い場合に
は、外部電動機の出力が制限され、結果として組電池の
出力又は回生が制限されることとなる(S57)。この
ように、測定又は推定された単位電池21、22、23
等の電池温度に基づいて、組電池200を所定の温度範
囲に保ち、適切に保護することができる。
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。
ェア構成を説明するための図である。
に関するブロック構成を説明するための図である。
るための図であり、図3(a)は円筒形状の単位電池を
示し、図3(b)は角型形状の単位電池を示す。
説明するための図であり、図4(a)は単位電池の位置
の算出を説明する図であり、図4(b)は冷却媒体の流
入部からの距離係数と、単位電池の温度との関係を示す
図である。
に関するフローチャート図である。
明するフローチャート図である。
明するフローチャート図である。
明するフローチャート図である。
明するフローチャート図である。
電池 300…バッテリファン 400…電動機
Claims (8)
- 【請求項1】複数の単位電池から構成される組電池の電
池温度検出装置において、 前記単位電池の少なくとも一つに設けられ、この単位電
池の電池温度を測定する温度測定手段と、 前記組電池に関する情報を取得する情報取得手段と、 前記温度測定手段により測定された電池温度と前記情報
取得手段により取得された情報とに基づいて、前記温度
測定手段により電池温度が測定されない単位電池の電池
温度を推定する電池温度推定手段とを備えた電池温度検
出装置。 - 【請求項2】前記情報取得手段は、前記温度測定手段に
より測定された単位電池の測定温度から前記電池温度が
測定されない単位電池の電池温度をそれぞれ推定するた
めの情報を検出する請求項1記載の電池温度検出装置。 - 【請求項3】前記情報取得手段は、予め記憶された、前
記温度測定手段により測定された単位電池の測定温度か
ら前記電池温度が測定されない単位電池の電池温度をそ
れぞれ推定するための情報を読み出す請求項1記載の電
池温度検出装置。 - 【請求項4】前記組電池の電圧を測定する電圧測定手段
と、 前記組電池の電流を測定する電流測定手段と、 前記電圧測定手段により測定された前記組電池の電圧
と、前記電流測定手段により測定された前記組電池の電
流とに基づいて、当該組電池の発熱量を算出する発熱量
算出手段とを有し、 前記組電池に関する情報は、前記算出された発熱量に関
連づけられた、前記単位電池の配置に応じた前記組電池
の温度分布に関する情報を含み、 前記電池温度推定手段は、少なくとも前記温度測定手段
により測定された電池温度と、前記発熱量算出部により
算出された前記組電池の発熱量と、前記情報取得手段に
より取得された前記組電池に関する情報とに基づいて、
前記電池温度が測定されない単位電池の電池温度をそれ
ぞれ推定する請求項1又は3記載の電池温度検出装置。 - 【請求項5】前記組電池を構成する複数の単位電池を冷
却するための冷却媒体の温度を測定する冷媒温度測定手
段を備え、 前記組電池に関する情報は、前記測定された冷却媒体の
温度に関連づけられた、前記組電池の温度分布に関する
情報を含み、 前記電池温度推定手段は、少なくとも前記温度測定手段
により測定された電池温度と、前記発熱量算出部により
算出された前記組電池の発熱量と、前記情報取得手段に
より取得された前記組電池に関する情報と、前記冷媒温
度測定手段により測定された冷却媒体の温度とに基づい
て、前記電池温度が測定されない単位電池の電池温度を
それぞれ推定する請求項4記載の電池温度検出装置。 - 【請求項6】前記冷媒温度測定手段は、 前記冷却媒体の流量を測定する冷媒流量測定部と、 前記冷媒温度測定手段により測定された冷却媒体の温度
と、前記冷媒流量測定部により測定された冷却媒体の流
量とから、前記冷却媒体による吸熱量を算出する吸熱量
算出部とを有し、 前記組電池に関する情報は、前記測定された冷却媒体に
よる吸熱量に関連づけられた、前記組電池の温度分布に
関する情報を含み、 前記電池温度推定手段は、少なくとも前記温度測定手段
により測定された電池温度と、前記発熱量算出部により
算出された前記組電池の発熱量と、前記情報取得手段に
より取得された前記組電池に関する情報と、前記冷媒温
度測定手段により測定された冷却媒体の温度と、前記吸
熱量算出部により算出された冷却媒体による吸熱量とに
基づいて、前記電池温度が測定されない単位電池の電池
温度をそれぞれ推定する請求項5記載の電池温度検出装
置。 - 【請求項7】前記情報取得手段により取得された前記組
電池に関する情報は、前記単位電池の形状に関連づけら
れた前記組電池の温度分布に関する情報をさらに含み、 電池温度推定手段は、少なくとも前記情報取得手段によ
り取得された前記単位電池の形状に応じて、前記電池温
度が測定されない単位電池の電池温度をそれぞれ推定す
る請求項1〜6記載の電池温度検出装置。 - 【請求項8】前記電池温度検出装置により検出された前
記組電池を構成する前記いずれかの単位電池の温度が、
第1の所定温度以上又は当該第1の所定温度よりも小さ
い第2の所定温度以下である場合には、前記組電池に接
続された電動機の出力を制限する請求項1〜7記載の電
池温度検出装置。
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