JP2003184529A - エンジンの潤滑油注入構造 - Google Patents
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Abstract
面にフィラーチューブの一端を取付け、他端側を上方へ
延出させると、専用の取付穴を形成しなければならずか
つ固定部を設けなければならないため、取付工数や部品
点数が多くなるので、既存の構造を利用して取付工数や
部品点数を削減する。 【構成】 水平対向型エンジン1におけるシリンダブロ
ック6のうち、出力軸6が突出差する前面と反対側の背
面に設けられたサービスホールにフィラーチューブ11
の下端を取付ける。フィラーチューブ11の下端にはエ
ルボー12が設けられ、このエルボー12にはホールカ
バー13を一体に形成してあり、エルボー12の一端を
サービスホ−ルへ差し込んでホールカバー13をシリン
ダブロック6へ固定すると、フィラーチューブ11の接
続固定とサービスホ−ルの閉塞を同時にする。フィラー
チューブ11は上方へ延びて、上端の注入口15へ取付
けられたキャップ16がカウル20に設けられたリッド
21の近傍に臨む。リッド21は局部的な変形をせず、
カウル20の他の部分と連続曲面をなす。
Description
油注入構造に係り、特に航空機用水平対向型エンジンに
好適なものに関する。
し、シリンダブロック106にシリンダヘッド107を
取付け、さらにヘッドカバー108で覆うとともに、ヘ
ッドカバー108の上面にフィラーチューブ111の一
端を取付け、他端側を上方へ延出させてある。図9は別
の水平対向型エンジンを示し、このエンジンではシリン
ダブロック106側面に、ピストン127と図示省略の
コンロッドを連結するピストンピン129を挿入するた
めのサービスホ−ル122を開口し、連結後にホールカ
バー113をボルト114で取付けて閉塞するようにな
っている。なお類似のサービスホ−ルを設けたものとし
て例えば特開2001−193401号がある。
従来例のようにフィラーチューブ111を取付けると、
ヘッドカバー108へ専用の取付穴を設け、フィラーチ
ューブ111の端部へ取付けた留め金具140を用いて
シリンダブロック106側へ固定しなければならない。
そのうえ図9に示す水平対向型エンジンの場合はサービ
スホール122をホールカバー113で覆う必要があ
る。したがって工数及び部品点数が多くなり、これらの
削減が望まれるところである。
108へフィラーチューブ111を設けると、水平対向
型エンジンの場合、フィラーチューブ111が図2中に
仮想線で示すように、幅方向(車体又は機体等に搭載時
の横幅方向)先端側に位置することになる。したがって
図2へ仮想線で示したように、上端はエンジンを覆うカ
ウルと干渉することになり、これを避けるにはフィラー
チューブを大きく屈曲させるか、カウルを局部的に突出
変形させなければならない。
れる航空機用の場合は、カウルがエンジンの周囲を滑ら
かな連続曲面で覆うことが必要になるので、カウルの局
部的変形を避けることが望ましい。しかも、フィラーチ
ューブを屈曲させてもシリンダヘッド近傍には吸気系部
品が存在するので、これらとの干渉を避けながらしかも
操作性の良い位置へ配置するには多くの制約があり、か
つ出力軸近傍になるとプロペラなどの回転体と離隔させ
る必要があるので、レイアウト上における多大な工夫が
必要となり、レイアウトの容易な構造が望まれる。そこ
で本願発明はこれらの要請の実現を目的とする。
請求項1に係る発明は、ピストンを摺動自在にしたシリ
ンダブロックの側面に潤滑油注入用のフィラーチューブ
の一端を取付け、他端側をエンジンの外部へ延出したエ
ンジンの潤滑油注入構造において、前記シリンダブロッ
クの側面にピストンとコンロッドを連結するピストンピ
ンを挿入するためのサービスホ−ルを設けるとともに、
前記フィラーチューブのエンジン接続側端部に前記サー
ビスホ−ルを覆うホールカバーを一体に設け、前記フィ
ラーチューブの端部を前記サービスホ−ルへ差し込み、
前記ホールカバーをシリンダブロック側部へ固定するこ
とにより前記サービスホ−ルを覆うことを特徴とする。
て、上記フィラーチューブが出力軸と反対側のシリンダ
ブロック側面に取付けられ、かつ前記シリンダブロック
の側面から上方へ延出していることを特徴とする。
おいて、上記エンジンが水平対向型エンジンであること
を特徴とする。
用してフィラーチューブを取付けるので、シリンダブロ
ックへフィラーチューブ取付用の開口を設ける必要がな
い。また、サービスホ−ルのホールカバーをフィラーチ
ューブと一体化したため、フィラーチューブをサービス
ホ−ルへ差し込んでホールカバーをシリンダブロックへ
固定すれば、フィラーチューブの固定とサービスホ−ル
の閉塞を同時にできるので、工数及び部品点数を削減で
きる。
出力軸と反対側へ取付け、ここから上方へ延出させたの
で、出力軸等の回転体から確実に離隔させることができ
る。また、フィラーチューブの取付位置はシリンダブロ
ックの側面となるから、エンジンの幅方向中央側へ取付
けることができるので、ここから上方へ延出することに
より、エンジン上方を覆うカウルを局部的に変形させる
ことなく配置できる。したがって、フィラーチューブの
レイアウトが容易になる。
設けられることが多いサービスホ−ルを有効利用してフ
ィラーチューブを取付けることができる。しかもフィラ
ーチューブの取付位置は横幅が広い水平対向型エンジン
の中央に取付けることができ、そのうえシリンダブロッ
ク背面でシリンダヘッド近傍に配置される吸気系部品と
は干渉しない位置になるので、レイアウト時における制
約を少なくできる。
説明する。図1は航空機用水平対向型エンジンの側面形
状を示し、図2はその背面を示す。図3はこの水平対向
型エンジンのシリンダブロックを図1と同方向から示
し、図4は同じエンジンのシリンダブロックを図2と同
方向から示す。図5はエンジンの要部断面図、図6はフ
ィラーチューブを示す図、図7はリッドを示す図であ
る。
ン1は4気筒水冷式であって、回転中心線で概略表記し
たクランク軸2を縦置きすなわち前後方向へ配置し、軸
ケース3の前端より前方へ突出する出力軸4にプロペラ
5を取付けてある。クランクケース3の左右両側には、
それぞれシリンダブロック6,シリンダヘッド7及びヘ
ッドカバー8を順に重ねて取付けてあり、シリンダヘッ
ド7の上面には吸気管9の一端が各気筒へ接続され、他
端はエンジンの中央部上方に支持されたインテークマニ
ホールド10へ接続されている。
における左右方向と同じ)の中央で向かい合わせに接合
され、本実施例では左側のシリンダブロック6の背面に
フィラーチューブ11のエルボー部12が一体のホール
カバー13にてボルト14で取付けられている。フィラ
ーチューブ11は、図1の側面視で略垂直に上方へ延
び、図2の背面視では一度外側方へ斜めに延び、中間部
で屈曲してほぼ垂直に上方へ延びる略くの字状をなし、
上端には上方へ開口する注入口15が設けられ、キャッ
プ16で開閉されるようになっている。フィラーチュー
ブ11の中間部はステー17によりクランクケース3か
ら延びる突部18へ取付けられて支持される。符号19
はオイルレベルゲージであり、サービスホール22の下
方に位置するオイルパン1aから延出してシリンダブロ
ック6の背面6aへ背面視(図2)で重なって斜め上方
へ延びるオイルレベルガイドチューブ19a内へ挿入さ
れ、その一端であるつまみ部19bはフィラーチューブ
11の注入口15に接近した位置に配置される。オイル
レベルガイドチューブ19aは背面視でフィラーチュー
ブ11に重なるように配置されている。
により覆われ、このカウル20の表面は空力特性を良好
にするべく全体として滑らかな連続曲面で構成される。
カウル20の上面のうち、オイルレベルゲージ19のつ
まみ部19bとフィラーチューブ11のキャップ16に
近接する位置にメンテナンスホール20aが開口され、
このメンテナンスホール20aをリッド21で開閉する
ようになっている。リッド21を開くと同じメンテナン
スホール20aにキャップ16とつまみ部19bが臨ん
でいるため、フィラーチューブ11の注入口15に対す
る給油及びオイルレベルゲージ19の抜き差しによるオ
イルレベルチェックが可能になる。リッド21を示す図
7において、符号21aはつまみ兼ロックであり、21
bはヒンジである。リッド21は閉じたとき表面がカウ
ル20と連続曲面を形成するようになっている。
ロック6の背面へ簡単に固定され、上端側はやや外側方
へ屈曲しながら上方へ延びて、カウル20のうちエンジ
ンの中央部上方近傍となる位置に設けられたリッド21
の直下に近接配置されている。リッド21が設けられる
位置は、カウル20のうちで比較的曲率が大きく平面に
近いような曲面部であり、かつキャップ16に対して十
分なクリアランスを有する。そのうえリッド21を開い
てフィラーチューブ11の上端部における注入口15か
ら潤滑油を注入する作業が容易で、しかもフィラーチュ
ーブ11を比較的最短にできる場所になっている。
6の背面6aには、サービスホ−ル22が設けられ、こ
こにシリンダブロック6の内部と連通する開口となって
いる。サービスホ−ル22の座部22a(図3)におけ
る座面22bにはボルト取付穴23が形成されている
(図4)。なお、図2に明らかなように、シリンダブロ
ック6の背面6aで、図に向かって右側にもサービスホ
−ル22が設けられているが、こちら側はフィラーチュ
ーブ11が接続されないので、専用のホ−ルカバー22
cで覆われている。
ル22には、エルボー部12と一体に形成されかつホー
ルカバー13から筒状に突出する差し込み部24が嵌合
され、その周囲に設けられた環状のシール25でシール
される。ボルト14はリッド21のサービスホ−ル22
へ密に重なる。カウル20はシリンダボア26内を摺動
するピストン27とコンロッド28の小端部28aとを
連結するピストンピン29を外部から差し込めるように
なっている。
2は略90°に屈曲してフィラーチューブ11と接続す
るジョイント部30と差し込み部24の延長上となる有
底筒部31とが一体化されたものである。有底筒部31
は一端開口側を差し込み部24とし、その周囲にホール
カバー13を一体に形成してあり、かつ他端側は閉塞さ
れ、その側面に開口部32を介してジョイント部30が
連通する。
13は略菱形をなし、対向する角部に通し穴33が形成
されており、座面22b(図5)上へ重なり、、座面2
2bのボルト取付穴23(図5)と一致するようになっ
ている。また、差し込み部24の周囲にはシール溝34
(図6のB)が形成されている。
鋳造金属等により形成され、フィラーチューブ11は同
様に耐油性及び耐熱性等に優れた適当な合成樹脂やゴム
等又は金属等から形成される。注入口15も同様であ
る。
図2と同方向から示し、BはAと略90°違いで図1と
は反対側から示したものである。また、図1,2中の符
号35はオイルパン、図5中の符号36はウォータージ
ャケットである。
ーチューブ11を水平対向型エンジン1へ取付けるに
は、サービスホ−ル22を通してピストン27とコンロ
ッド28を連結後、フィラーチューブ11の一端に取付
けられたエルボー部12の差し込み部24をサービスホ
−ル22へ嵌合し、一体のホールカバー13を座面22
bへ重ねて、通し穴33とボルト取付穴23を一致させ
てから、ボルト14にてシリンダブロック6へ取付け、
さらにフィラーチューブ11の中間部に一体化されてい
るステー17を突部18へボルト等で取付ける。
はシリンダブロック6の背面へ簡単に固定され、上端側
の注入口15はカウル20のエンジン中央部上方近傍と
なる位置に近接し、リッド21を開いてキャップ16を
外し注入口15から潤滑油を注入する作業が容易であ
る。しかもフィラーチューブ11を比較的最短にでき
る。
ホ−ル22を利用してフィラーチューブ11を取付ける
ので、シリンダブロック6へフィラーチューブ取付用の
開口を設ける必要がない。また、サービスホ−ル22の
ホールカバー13をフィラーチューブ11と一体化した
ため、フィラーチューブ11をサービスホ−ル22へ差
し込んでホールカバー13をシリンダブロック6へ固定
すれば、フィラーチューブ11の固定とサービスホ−ル
22の閉塞を同時にできるので、工数及び部品点数を削
減できる。
と反対側へ取付け、ここから上方へ延出させたので、出
力軸16等の回転体から確実に離隔させることができ
る。また、フィラーチューブ11の取付位置はシリンダ
ブロック6の側面となるから、エンジンの幅方向中央側
へ取付けることができるので、ここから上方へ延出する
ことにより、エンジン上方を覆うカウル20を局部的に
変形させることなく配置できるからカウル20の曲面を
滑らかな連続曲面として必要な空力特性を維持できる。
まフィラーチューブ11のレイアウトが容易になる。ま
た、サービスホール22の下方に位置するオイルパン1
aから延出しなければならないオイルレベルガイドチュ
ーブ19aをフィラーチューブ11に近接して配置でき
るので、オイルレベルゲージ19の一端であるつまみ部
19bとフィラーチューブ11の注入口15を接近させ
ることができ、同じメンテナンスホール20aを共通利
用することが容易に可能となる。そのうえ、このように
メンテナンスホール20aを共通利用するうえでオイル
レベルガイドチューブ19aやフィラーチューブ11を
無理に曲げたり長くしたりする必要がないので、オイル
レベルゲージ19のの挿入性及びオイルの注油性が向上
する。なお、図8のようにフィラーチューブ11をシリ
ンダヘッドカバーから延出する形式では、オイルレベル
ガイドチューブとフィラーチューブが離隔配置されるの
でメンテナンスホールの共用が困難であり、これを実現
しようとすればいずれか一方を大きく屈強させたり、長
く延ばす必要がある。
め、この形式のエンジンに設けられることが多いサービ
スホ−ル22を有効利用してフィラーチューブ11を取
付けることができる。しかもフィラーチューブ11の取
付位置は横幅が広い水平対向型エンジンの中央に取付け
ることができ、かつ取付位置がシリンダブロック6の背
面6aであって、シリンダヘッド7近傍に配置される吸
気系部品である吸気管9とは干渉しない位置になるの
で、レイアウト時における制約を少なくでき、上記レイ
アウトの実現を容易にする。
フィラーチューブ11とプロペラ5とを十分に離隔配置
でき、かつ航空機のカウル20に要求されるな空力特性
を実現できる。
ず、同一の発明原理内において種々に変形や応用が可能
である。例えば、エンジンの形式は航空機用もしくは水
平対向型エンジンに限らず、各種車両用エンジン等にも
適用できる。
状
と同方向から示す図
と同方向から示す図
斜視図
示す斜視図
6:シリンダブロック、11:フィラーチューブ、1
2:エルボー部、13:ホールカバー、20:カウル、
21:リッド、22:サービスホ−ル
Claims (3)
- 【請求項1】 ピストンを摺動自在にしたシリンダブロ
ックの側面に潤滑油注入用のフィラーチューブの一端を
取付け、他端側をエンジンの外部へ延出したエンジンの
潤滑油注入構造において、前記シリンダブロックの側面
にピストンとコンロッドを連結するピストンピンを挿入
するためのサービスホ−ルを設けるとともに、前記フィ
ラーチューブのエンジン接続側端部に前記サービスホ−
ルを覆うホールカバーを一体に設け、前記フィラーチュ
ーブの端部を前記サービスホ−ルへ差し込み、前記ホー
ルカバーをシリンダブロック側部へ固定することにより
前記サービスホ−ルを覆うことを特徴とするエンジンの
潤滑油注入構造。 - 【請求項2】 上記フィラーチューブが出力軸と反対側
のシリンダブロック側面に取付けられ、かつ前記シリン
ダブロックの側面から上方へ延出していることを特徴と
する請求項1のエンジンの潤滑油注入構造。 - 【請求項3】 上記エンジンが水平対向型エンジンであ
ることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの
潤滑油注入構造。
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