JP2003183966A - 地合いの改善されたポリイミド不織布及びポリイミド不織布の製造方法 - Google Patents

地合いの改善されたポリイミド不織布及びポリイミド不織布の製造方法

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JP2003183966A
JP2003183966A JP2001377358A JP2001377358A JP2003183966A JP 2003183966 A JP2003183966 A JP 2003183966A JP 2001377358 A JP2001377358 A JP 2001377358A JP 2001377358 A JP2001377358 A JP 2001377358A JP 2003183966 A JP2003183966 A JP 2003183966A
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Yoshihisa Yamada
良尚 山田
Katsuyuki Toma
克行 当麻
Akira Ito
顕 伊藤
Mikio Furukawa
幹夫 古川
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地合いの改善されたポリイミド不織布及びそ
のようなポリイミド不織布を得るための製造方法を提供
する。 【解決手段】 ポリイミド短繊維からなる目付けが10
0g/m2以下のポリイミド不織布であって、本文記載
の方法により測定される目付けの斑が15%以下である
ことを特徴とするポリイミド不織布。また、分散媒中に
ポリイミド短繊維を分散させたスラリーを調製して湿式
抄造するポリイミド不織布の製造方法であって、当該分
散媒にはポリエステル系重合体が含有されることを特徴
とするポリイミド不織布の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地合いの改善され
たポリイミド不織布に関するものであり、また、ポリイ
ミド不織布の地合いを改善するための製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年の電気、電子分野もしくは宇宙、航
空分野における技術開発はめざましく、これら分野では
その優れた耐熱性、機械特性および電気的特性からポリ
イミド樹脂が注目され、種々形態での使用が試みられて
いる。中でも、ポリイミド成形品もしくはそのプリプレ
グとして、主に繊維を加工して得られる不織布もしくは
紙の形態としての利用が盛んに試みられており、例えば
特開平9−52308号公報にはポリイミド不織布(ウ
エブ)を利用した耐熱性バグフィルターの発明が見られ
る。また、特開平11−200210号公報には、ポリイミド
繊維を湿式抄紙して得られるプリント積層板用基材とし
てのポリイミド不織布の発明が見られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポリイミド短繊維から
なる不織布においては、ポリイミド短繊維の分布が均一
でないことによる地合いの低下が問題とされ、比較的地
合いの良好な湿式抄造によるポリイミド不織布において
も、抄造用スラリー中でのポリイミド短繊維の分散性に
問題があり、未だ十分に満足のゆくものは得られていな
い。中でも、プリント基板等の用途が有望な100g/
2といった低目付けのポリイミド不織布においては、
地合いの改善が特に困難である反面、その用途上、地合
いの向上への要求が高い。地合いの低下は、定量的には
目付けの斑、すなわちポリイミド不織布を分画してそれ
ぞれの区分についての目付けを測定した値のばらつきと
なって現れる。そこで、本発明の課題は、地合いの改善
されたポリイミド不織布及びそのようなポリイミド不織
布を得るための製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく、湿式抄造について鋭意検討を行い、ポリイ
ミド短繊維を分散させたスラリーを調製する際に、分散
媒中にポリエステル系重合体エマルジョンを添加するこ
とにより、スラリーの分散性が著しく改善され、低目付
けでも今までにない地合いの良好なポリイミド不織布が
得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、ポリイミド短繊維か
らなる目付けが100g/m2以下のポリイミド不織布
であって、本文記載の方法により測定される目付けの斑
が15%以下であることを特徴とするポリイミド不織布
を要旨とするものであり、さらに、ポリイミド短繊維
が、下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有する
熱可塑性ポリイミドで形成されていることを特徴とする
ポリイミド不織布を要旨とするものである。
【0006】
【化2】 (式中、Rは単環式芳香族、縮合多環式芳香族、芳香環
が直接もしくは架橋員により結合された非縮合多環式芳
香族から選ばれる4価の芳香族残基を表わす。また、X
は直接結合、炭化水素基、カルボニル基、エーテル基、
チオ基もしくはスルホニル基から選ばれる2価の残基を
表わし、Y1〜Y4は水素、アルキル基、アルコキシル基
もしくはハロゲン基から選ばれる1価の残基を表わ
す。)
【0007】本発明は、また、分散媒中にポリイミド短
繊維を分散させたスラリーを調製して湿式抄造するポリ
イミド不織布の製造方法であって、当該分散媒にはポリ
エステル系重合体が含有されることを特徴とするポリイ
ミド不織布の製造方法を要旨とするものであり、さら
に、ポリイミド短繊維が、上記一般式(1)で示される
繰り返し単位を有する熱可塑性ポリイミドで形成されて
いることを特徴とするポリイミド不織布の製造方法を要
旨とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリイミド不織布は、ポリイミドから形成され
た短繊維を主な構成成分とする。一般にポリイミドは、
原料となるテトラカルボン酸成分とジアミン成分の化学
構造を選択することにより、種々特性を有するポリイミ
ドとすることができる。本発明におけるポリイミド短繊
維を形成するポリイミドとしては、特に限定されるもの
ではないが、下記一般式(1)で表される化学構造を繰
り返し単位として有する熱可塑性ポリイミドが、熱可塑
性で熱加工性に優れると共に耐熱性に優れた結晶性ポリ
イミドであることから好ましい。このようなポリイミド
の具体的な例としては、下記式(2)で示される化学構
造を繰り返し単位として有するポリイミドが、例えば、
オーラム(商標名;三井化学製)として市販されてい
る。
【0009】
【化3】 (式中、Rは単環式芳香族、縮合多環式芳香族、芳香環
が直接もしくは架橋員により結合された非縮合多環式芳
香族から選ばれる4価の芳香族残基を表わす。また、X
は直接結合、炭化水素基、カルボニル基、エーテル基、
チオ基もしくはスルホニル基から選ばれる2価の残基を
表わし、Y1〜Y4は水素、アルキル基、アルコキシル基
もしくはハロゲン基から選ばれる1価の残基を表わ
す。)
【0010】
【化4】
【0011】ポリイミド短繊維を形成するポリイミドの
熱的性質としては、ガラス転移点が230℃以上であり、
かつ融点が400℃以下であることが好ましい。ガラス転
移点が230℃未満であると耐熱性に乏しくなるので好ま
しくなく、融点が400℃を超えると熱加工性が困難とな
るため好ましくない。
【0012】また、ポリイミド短繊維を形成するポリイ
ミドとしては、種々特性を改善する目的で、上記の好ま
しいポリイミドに、他の構造を有するポリイミドを共重
合もしくはブレンドしたものでもよく、さらには、本発
明の効果を損なわない範囲で、ポリアリレート、ポリオ
レフィン、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、
ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂などの他のポ
リマーが配合されたものでよく、また酸化チタン、アル
ミナ、シリカ、カーボンブラックなどの無機系充填材が
配合されていてもよい。
【0013】本発明に用いられるポリイミド短繊維とし
ては、上記ポリイミドを例えば溶融紡糸により得られた
原糸を延伸することにより、結晶部を高度に配向させた
ポリイミド繊維から短繊維状にカットされたものである
ことが好ましい。高度に配向したポリイミド繊維は非晶
性のポリイミド繊維に比べて加熱、冷却時の寸法変化が
小さく、不織布にした場合の熱寸法安定性に優れる。
【0014】ポリイミド短繊維の繊維長及び繊維径とし
ては、得られる不織布の地合を良好にする点から、平均
繊維長が1〜15mmであることが好ましく、かつ平均繊維
径が3〜30μmであることが好ましい。
【0015】本発明のポリイミド不織布は、上記したよ
うなポリイミド短繊維を主な構成成分とするものである
が、不織布を抄造しやすくしたり得られる不織布の種々
特性を改善する目的で、他の有機物もしくは無機物から
なる短繊維やパルプ状物、例えばアラミド、ポリエステ
ル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスル
フィド、カーボン、ガラス、アルミナ等からなる短繊維
もしくはパルプ状物、さらには、種々の粒子状物(フィ
ラー)が配合されていてもよい。また、ポリイミド不織
布を取り扱う際の破損を防ぐために強度を付与する等の
目的で、例えばポリイミド樹脂もしくはその前駆体やエ
ポキシ樹脂等が含まれていてもよい。この場合のポリイ
ミド樹脂もしくはその前駆体やエポキシ樹脂等は、通常
エマルジョンや溶液の状態で塗布、スプレーもしくは含
浸される。上記のようなポリイミド短繊維以外の構成成
分は、本発明の目的を損なわない範囲で1種もしくは数
種配合してもよいが、その乾燥時の合計質量としては、
本発明のポリイミド不織布の全質量に対して40質量%
以下にとどめることが好ましい。
【0016】本発明のポリイミド不織布の目付けとして
は、100g/m2以下であり、15〜80g/m2が好
ましい。目付けが100g/m2を超えると、地合いを
良好に保つことの困難さが緩和されることから本発明の
目的とするものではない。また、プリント配線基板等の
用途分野でなるべく薄い低目付けのポリイミド不織布が
求められているという実用上の面から80g/m2以下
が好ましく、一方、あまりに低目付けのものは実際上製
造が困難かつ実用的でない点から15g/m2以上が好
ましいのである。
【0017】本発明では、ポリイミド不織布の地合いの
良好さを定量的に表わす尺度として、 次の方法により
目付けの斑を規定する。すなわち、抄造された方向の長
さ20cm、幅60cmに切り出したポリイミド不織布
を5cm角、合計48個の区画に区分して切断して小片
となし、これら48個の小片の質量を測定し、下記数式
1によりそれぞれの目付けを算出する。そして、それら
の目付けの平均値、最大値、最小値を求めた結果から、
下記数式2により目付けの斑を算出するのである。
【0018】
【数1】
【0019】本発明のポリイミド不織布は、この目付の
斑が15%以下である。上記の目付けの斑が15%を超
えると、局部的に弱い箇所があることによる機械的強度
の低下や、電気的特性のばらつきなど、実用上の不具合
が生じてしまう。本発明のポリイミド不織布は、地合い
が改善されて目付けの斑が小さいので、例えば、引張り
強度も向上している。
【0020】上記のような地合いの改善された不織布
は、次に示す本発明の製造方法により得ることができ
る。本発明の製造方法は、分散媒中にポリイミド短繊維
を分散させてスラリーを調製し、このスラリーを用いて
不織布を抄造するという、湿式抄造法により行われるポ
リイミド短繊維の製造方法である。分散媒としては、水
を主として用いる。
【0021】本発明の製造方法において重要なことは、
スラリーを調製する際の分散媒にポリエステル系重合体
が含有されることである。分散媒に含有されるポリエス
テル系重合体としては、テレフタル酸、イソフタル酸な
どのフタル酸類もしくはそれらの低級アルキルエステル
を主たる酸成分とし、ポリアルキレングリコール及び必
要に応じた量の炭素数が2〜4のアルキレングリコール
を主たるグリコール成分とする共重合ポリエステルであ
る。ここで、ポリアルキレングリコールの好ましい例と
しては、ポリエチレングリコールやポリテトラメチレン
グリコールが挙げられ、炭素数が2〜4のアルキレング
リコールの好ましい例としては、エチレングリコールや
ブチレングリコールが挙げられる。なかでも、酸成分が
フタル酸類、グリコール成分がポリアルキレングリコー
ルであるポリエステルが好ましく、この場合において、
ポリアルキレングリコールの50質量%以上がポリテト
ラメチレングリコールであるとさらに好ましい。なお、
ポリエステル系重合体は、通常エマルジョンの形態で使
用に供され、分散媒に添加される。
【0022】かかるポリエステル系重合体の分子量とし
ては、5000〜50000が好ましい。分子量が50
00未満の場合には、スラリー中でポリイミド短繊維を
分散させる効果が不足する傾向にあるので好ましくな
い。一方、50000を超える場合にも、スラリー中で
ポリイミド短繊維を分散させる効果が不足する傾向にあ
り、さらにはポリエステル系重合体のエマルジョンの安
定性が低下して取り扱いが難しくなるので好ましくな
い。
【0023】上記したように、ポリエステル系重合体
は、通常はエマルジョンの形態で用いられるが、このよ
うなポリエステル系重合体エマルジョンとしては、ポリ
エステル系重合体からなる微粒子が水を主成分とする液
体中に分散されたエマルジョンであり、通常、固形分濃
度10〜30質量%のものが保存安定性に優れているので
好ましい。
【0024】本発明の製造方法において使用されるポリ
エステル系重合体の量としては、スラリーの分散媒に対
して2.5×10-5〜1.25×10-2質量%の含有率
となる量で使用することが好ましい。分散媒中のポリエ
ステル系重合体の含有率が2.5×10-5質量%未満で
は、スラリー中のポリイミド短繊維を分散させる効果が
不足し、ポリイミド不織布の地合いを十分に改善するこ
とができない傾向にあるので好ましくない。一方、1.
25×10-2質量%を超えると、スラリーが攪拌により
過度に発泡して逆に分散性を悪化させる傾向にあり、ま
た、ポリイミド不織布へのポリエステル系共重合体の残
存量が増し、ポリイミド不織布の諸物性に悪影響を及ぼ
す傾向にあるので好ましくない。なお、ポリエステル系
重合体エマルジョンを使用する場合には、エマルジョン
の固形分に換算した量を使用する。例えば、100kg
の分散媒中におけるポリエステル系重合体の含有率を
1.0×10-2質量%とする場合、ポリエステル系重合
体の必要量は10gであるが、固形分25質量%のポリ
エステル系重合体エマルジョンを使用する場合、当該エ
マルジョンの必要量は40gとなる。
【0025】本発明の製造方法は、上記のようにスラリ
ーの分散媒にポリエステル系重合体エマルジョンを添加
すること以外は、従来公知の湿式抄造法により行うこと
ができる。この際用いる湿式抄造装置としては、特に限
定されるものではなく、例えば、円網式湿式抄紙機、短
網式湿式抄紙機、短網傾斜式湿式抄紙機、長網傾斜式湿
式抄紙機などの抄紙機を用いることができる。抄造装置
には、熱風式、接触式もしくは輻射式の乾燥機が併設さ
れていることが好ましい。
【0026】本発明の製造方法の工程を簡単に例示すれ
ば、まず、上記のポリエステル系重合体エマルジョンを
適量配合した分散媒に、ポリイミド短繊維及び必要に応
じて用いられる添加物を投入し、攪拌機などを用いて均
一に分散させてスラリーを調製する。次いで、上記の抄
紙機などを使用してシート状に抄造し、続いて乾燥させ
て巻き取ることによりポリイミド不織布を得ることがで
きる。なお、液状の添加物を用いる場合には、抄造部と
乾燥部との間に含浸装置やスプレー装置などを設けて、
ポリイミド不織布に添加してもよい。
【0027】また、ポリイミド不織布の機械的強度を増
す目的で、上記のようにして得られた不織布に対して加
熱加圧する工程を行うことが好ましい。上記の工程によ
って湿式抄造された不織布は、通常高い空隙率を有して
おり、機械的強度特性の点から、後の加工の際に問題を
生じる場合がある。そこで、より強度に優れたポリイミ
ド不織布とするために、加熱加圧することが好ましいの
である。
【0028】そのような目的でポリイミド不織布を加熱
加圧する際の加熱温度としては、ポリイミド短繊維を形
成する主たるポリイミドのガラス転移点以上の温度とす
る。加熱温度が当該ガラス転移点未満の温度であると、
機械的強度特性を向上させる効果が得られない。また、
加熱温度としては、当該ポリイミドが溶融する温度以下
であることが好ましく、ポリイミドが結晶性ポリイミド
の場合には、当該ポリイミドの融点以下の温度が好まし
く、さらには融点より10℃以上低い温度であることが
好ましい。加熱温度がポリイミドの溶融する温度を超え
ると、ポリイミド短繊維同士が極度に融着し、不織布と
しての性能を発揮できなくなる傾向にあるので好ましく
ない。また、加熱加圧する際の加圧圧力としては、特に
限定されるものではないが、加圧圧力が高いほど得られ
るポリイミド不織布の気孔率が減少する傾向にあり、本
発明では通常0.05〜10MPa程度の加圧圧力を採
用すればよい。
【0029】上記のような加熱加圧を行う装置として
は、特に限定されるものではなく、従来公知の加熱プレ
ス装置等を用いればよいが、長尺の不織布を連続的に加
熱加圧できるという点から、カレンダーロール装置や、
対向する一対の金属製等のベルト間で加熱プレスの行え
るダブルベルトプレス装置等が好ましく用いられる。
【0030】以上説明した本発明の製造方法によれば、
スラリー中に添加されたポリエステル系共重合体エマル
ジョンの作用で、ポリイミド短繊維の分散性が著しく向
上し、その結果得られるポリイミド不織布の地合いが向
上し、目付け斑の非常に小さいポリイミド不織布が製造
される。
【0031】
【実施例】
【0032】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説
明する。なお、ポリイミド不織布の特性は以下の方法に
より測定した。 1.目付けの斑 上記した方法により測定した。 2.引張り強度 万能試験機(インテスコ社製)を用い、JIS−P81
13に準じて測定した。 3.厚さ ポリイミド不織布を5cm角にカットした小片につい
て、その各中心部の厚みを接触式デジマティック厚さ計
にて測定した。
【0033】参考例1(ポリイミド短繊維の製造) ポリイミドとしては、上記した式(2)で示される化学
構造を繰り返し単位として有する熱可塑性かつ結晶性の
ポリイミド(三井化学製「オーラムPL450」)を用いた。
DSC測定によるこのポリイミドのガラス転移点は25
0℃であり、同じく融点は387℃であった。上記のポ
リイミドを400℃に加熱して溶融させ、紡糸速度50
0m/minで溶融紡糸し、温度300℃、延伸倍率
2.5倍で加熱延伸することにより、繊維径15μmのポ
リイミド繊維を得た。このポリイミド繊維の結晶化度を
X線回折法により測定したところ、結晶化度は30%、結
晶部の配向度は90%であった。このポリイミド繊維を
5mm長にカットしてポリイミド短繊維とした。
【0034】参考例2(ポリイミド前駆体水溶液の調
製) 室温下約20℃にて、水1520gおよびトリエチルア
ミン188gからなる溶媒に、3,3’,4,4’−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸333.6g(0.93
1mol)を加えて懸濁させたのち、懸濁液を攪拌しな
がら、m−キシレンジアミン126.8g(0.931
mol)を15分間かけて徐々に加えた。このとき、m
−キシレンジアミンの添加による発熱が見られたので2
0℃に保温した。m−キシレンジアミンをすべて添加し
終わった後、しばらくすると塩が形成され、懸濁液は褐
色の均一溶液となってポリイミド前駆体水溶液が得られ
た。このポリイミド前駆体水溶液の濃度は20質量%で
あり、20℃における溶液粘度は0.3ポイズであっ
た。なお、得られたポリイミド前駆体を閉環して得られ
たポリイミドのガラス転移点温度はDSC測定の結果、
230℃であった。
【0035】実施例1 50℃の温水500ml中にポリエステル系重合体エマ
ルジョン(松本油脂製薬製EN−500、固形分濃度2
5%)50gを加えて1分間攪拌させたものを、攪拌槽
内の水5m3中に添加して攪拌混合することにより、ポ
リエステル系重合体の含有率が2.5×10-4質量%の
分散媒を得た。この分散媒中に、上記参考例1で得たポ
リイミド短繊維を2.5Kg投入し、攪拌槽で30分間
攪拌混合することにより、ポリイミド短繊維を0.5質
量%含有する抄造用スラリーを得た。このときのポリイ
ミド短繊維の分散性は良好であり、発泡も少なかった。
この抄造用スラリーを用いて、傾斜式連続抄紙機(斎藤
鐵工所製)で抄造し、引き続き、スプレーガンを用いて
上記参考例で得られたポリイミド前駆体水溶液(濃度10
質量%となるよう希釈したもの)を、ポリイミド前駆体
(固形分)の質量がポリイミド不織布を構成するポリイ
ミド短繊維の乾燥質量に対して約10%となるように含
浸させた後、抄紙機に付属の循環透過型熱風乾燥機(井
上金属製)にて乾燥(140℃×2分間)してロール状
に巻き取ることにより、長尺のポリイミド不織布(幅6
2cm)を得た。さらに、上記で得られたポリイミド不
織布の機械的強度を増す目的で、連続プレス機(サンド
ビック社製ダブルベルトプレス機、ベルト幅65cmを
用いて、線圧196N/cmの加圧条件下にて(約0.
08MPaに相当する)、240℃で2分間、300℃で5分間連
続的に加熱し、約25℃で5分間冷却するという連続的
な加熱加圧工程を行なった。これにより、目付けが65
g/m2のポリイミド不織布を得た。目視での観察で
は、このポリイミド不織布の地合いは極めて良好である
と認められた。なお、各種特性試験には、加熱加圧工程
を行なった後のポリイミド不織布を供試した。
【0036】比較例1 ポリエステル系共重合体エマルジョンを使用しないこと
以外は全て実施例1と同様に実施した。この場合、目視
での観察では、ポリイミド不織布の地合いは良好ではな
く、ところどころにフロックの存在が認められた。な
お、各種特性試験には、加熱加圧工程を行なった後のポ
リイミド不織布を供試した。
【0037】上記の実施例及び比較例で得られたポリイ
ミド不織布の特性を試験した結果を下記表1に示す。ま
た、目付けの斑の試験における目付け及び厚さの分布状
態を図1及び図2に示す。
【0038】
【表1】
【0039】上記表1、図1及び図2に示された結果か
ら明らかなように、本発明の製造方法による実施例1で
得られたポリイミド不織布は、目付け斑の小さい本発明
のポリイミド不織布としての構成要件を満たす地合いの
良好なものであり、地合いの良さから引張り強度も高い
値を示し、厚さの斑も少なかった。これに対して本発明
の製造方法によらない比較例1で得られたポリイミド不
織布は、目付け斑が大きく本発明のポリイミド不織布と
しての構成要件を満たさないものであり、地合いの悪さ
から引張り強度も低くなり、厚さの斑も大きかった
【0040】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明のポリイミド
不織布は、目付けの小さい薄手のものでありながら目付
けの斑や厚さの斑が小さく地合いの良好なものである。
したがってプリント基板用基材やフィルター用途、航空
用ハニカムコア用や絶縁紙用途等に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例及び比較例で得られたポリイミド不織
布(20cm×60cm)における目付けの分布状態を
示すグラフであり、横軸は小片(5cm×5cm)に区
画したときの番号を表わす。
【図2】 実施例及び比較例で得られたポリイミド不織
布(20cm×60cm)における厚さの分布状態を示
すグラフであり、横軸は小片(5cm×5cm)に区画
したときの番号を表わす。
フロントページの続き (72)発明者 古川 幹夫 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4L047 AA23 AB10 BA21 CA19 CC12 CC13 CC14 4L055 AF34 AG82 AG97 AH33 EA06 EA08 FA09 FA13 GA37 GA39

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリイミド短繊維からなる目付けが100
    g/m2以下のポリイミド不織布であって、本文記載の
    方法により測定される目付けの斑が15%以下であるこ
    とを特徴とするポリイミド不織布。
  2. 【請求項2】ポリイミド短繊維が、下記一般式(1)で
    示される繰り返し単位を有する熱可塑性ポリイミドで形
    成されていることを特徴とする請求項1に記載のポリイ
    ミド不織布。 【化1】 (式中、Rは単環式芳香族、縮合多環式芳香族、芳香環
    が直接もしくは架橋員により結合された非縮合多環式芳
    香族から選ばれる4価の芳香族残基を表わす。また、X
    は直接結合、炭化水素基、カルボニル基、エーテル基、
    チオ基もしくはスルホニル基から選ばれる2価の残基を
    表わし、Y1〜Y4は水素、アルキル基、アルコキシル基
    もしくはハロゲン基から選ばれる1価の残基を表わ
    す。)
  3. 【請求項3】分散媒中にポリイミド短繊維を分散させた
    スラリーを調製して湿式抄造するポリイミド不織布の製
    造方法であって、当該分散媒にはポリエステル系重合体
    が含有されることを特徴とするポリイミド不織布の製造
    方法。
  4. 【請求項4】ポリイミド短繊維が、上記一般式(1)で
    示される繰り返し単位を有する熱可塑性ポリイミドで形
    成されていることを特徴とする請求項3に記載のポリイ
    ミド不織布の製造方法。
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