JP2003183486A - 再生pet樹脂組成物 - Google Patents

再生pet樹脂組成物

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JP2003183486A
JP2003183486A JP2001390058A JP2001390058A JP2003183486A JP 2003183486 A JP2003183486 A JP 2003183486A JP 2001390058 A JP2001390058 A JP 2001390058A JP 2001390058 A JP2001390058 A JP 2001390058A JP 2003183486 A JP2003183486 A JP 2003183486A
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kneading
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隆 井上
Taku Kuriyama
卓 栗山
Takashi Otomo
尚 大友
Toshiyuki Kono
利之 鴻野
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YAMAGATA UNIV RES INST
YAMAGATA UNIV RESEARCH INSTITUTE
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YAMAGATA UNIV RES INST
YAMAGATA UNIV RESEARCH INSTITUTE
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用済み廃棄PETボトル等のPET粉砕品
を加水分解による劣化がなく、射出成形性に優れた結晶
性PETに加工することによって得られるPET樹脂組
成物を提供する。 【解決手段】 使用済み廃棄PET製品のPET粉砕品
又はそれとフィラーとを混練装置を用いて、20℃〜2
20℃の設定温度で未溶融せん断混練することによって
得られる再生PET樹脂組成物であって、前記組成物の
示差走査熱量計による昇温測定時にPETの結晶化に伴
う発熱ピークが発現しないことを特徴とする再生PET
樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエチレンテレ
フタレート(以下、PETという)を主成分としたPE
Tボトル、PETフィルム、PET繊維等のPET製品
を使用した後の使用済みPET製品や成型屑の粉砕品を
再利用する技術に関し、更に詳しくは加水分解劣化の少
ない射出成形性に優れた再生PET樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】PETボトルに代表されるポリエチレン
テレフタレートを材料とするPET製容器は、透明で、
光沢のある良好な外観が得られること、軽くて丈夫であ
り、落としても割れないこと、耐薬品性に優れること、
無臭で食品衛生性にすぐれかつガスバリアー性が高く、
内容物の保存性が良いこと、焼却しても環境問題を生じ
ないことなどから、飲料用容器や医薬用容器などに急速
に普及し、その使用量は年々増加の一途を辿っている。
一方で、使用後のPETボトルがゴミとして大量に廃棄
されることになり、この廃棄PETボトルの回収、リサ
イクルの問題が深刻な課題となっている。
【0003】近年、容器包装リサイクル法が施行され、
PETボトルの分別収集が行われるようになり、リサイ
クル商品への転換が進められるようになってきたが、ま
だその転換率は低く、用途が限られているのが実情であ
る。使用済のPETボトルを回収し、粉砕、洗浄工程等
を経て、フレーク状又はペレット状にリサイクルし、こ
れらの原料から再びPETボトルを再生して使用するこ
とは、FDA(Food and Drug Admi
nistration)の認可を必要としないモーター
オイルや洗浄用ボトルなどの一部製品に限られ、またP
ETボトル以外の製品への再利用の例としては、繊維、
衣類、クッションなどのつめ綿、包装用バンドなど、そ
の大半は繊維製品やバンド状押出加工製品が占め、射出
成形品としてリサイクルされているのは家庭雑貨、植木
鉢、ゴミ容器等のごく一部に過ぎない。従って、大量の
廃棄PETボトルの再利用を拡大するには射出成形品へ
の利用拡大が急務になっている。
【0004】射出成形品への再利用が進まない理由とし
ては、フレーク状の粉砕PETをそのまま成形機に投入
するとホッパーブリッジを形成しやすいこと、またこの
ブリッジを防止するためフレーク状PETを押出機で加
熱溶融してペレット状に加工しても、得られるリペレッ
トが非晶質でガラス転移温度が70℃〜80℃、昇温時
の結晶化温度が120℃〜130℃付近にあるため、成
形前予備乾燥でブロッキングを起こしやすいこと、更に
成形機筒内での可塑化過程の途中で結晶化による固化が
進行し、スクリューが停止してしまうトラブルを起こし
やすいことなどが挙げられる。
【0005】さらに廃棄PETボトル粉砕品は、粉砕工
程後の洗浄工程で吸収した水分が熱風乾燥によっては完
全に除去することができないため、溶融押出時や成形時
にPETが加水分解を起こし、溶融安定性や各種機械物
性の低下を招きやすいという欠点を有する。加えて、コ
スト的にもポリエチレンやポリプロピレンなどのバージ
ンポリオレフィン系樹脂と対抗しなければならないとい
うことも使用済みPET製品の再利用拡大の大きなネッ
クになっている。
【0006】ブロッキング防止やスクリューの停止防止
のためにリペレットの結晶化処理方法が提案されてお
り、例えば非晶質のリペレットを加温処理して結晶化す
る方法(特開平8−225637号公報、特開平10−
81739号公報、特開2000−334773号公報
など)や、溶融装置から押出された溶融ストランドを徐
冷しながら結晶化する連続結晶化機構を有するペレット
再生装置に通す方法(特開2001−26015号公
報)などがある。しかし、これらの方法は加温装置や徐
冷装置を必要とし、成形や押出しのコストアップにつな
がるので好ましくない。
【0007】PET粉砕フレークの加水分解を防止する
方法として成形前予備乾燥において除湿乾燥機を用いる
方法(特開平11−123719号公報)や、未乾燥の
PETをベント式射出成形機に直接供給してベント口か
ら水分を除去する方法(特開平6−315959号公
報、特開平7−60803号公報など)なども提案され
ている。しかし、これらの方法も除湿乾燥機を用いても
乾燥に時間がかかり湿度管理にも手間がかかること、ま
たベント式射出成形機を用いても減圧が不十分であった
りすると除湿効果が減退してしまうなどの問題があっ
た。
【0008】またその他の樹脂やフィラーと溶融混練す
る場合には、PETの加水分解を防止するために、PE
T粉砕品の乾燥のみならず、これらの樹脂やフィラーの
乾燥も十分に行う必要があり、再生PETを利用した多
様なアロイ化や改質、高機能化への展開を阻む要因にな
っている。特に、天然繊維素系フィラーや微粉状、層状
構造を有する無機フィラーなどは含水率や吸湿性が高
く、PETの加水分解を避けるためには乾燥に時間とコ
ストがかかるという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述の通り、廃棄PE
Tボトル等のPET粉砕フレークやリペレットを利用し
た従来の射出成形及びその他の樹脂やフィラーとの混練
方法では、前処理としてリペレットの結晶化処理や加水
分解防止のための各原材料の除湿、乾燥処理を必要とす
るため、材料コスト及び押出、成形コストがかかるなど
の課題を有し、これらのPET粉砕品の射出成形品や多
様な複合化製品への再利用が進展しない状況にある。
【0010】従って、本発明は、上記PETの射出成形
性や加水分解の問題点に鑑み、使用済み廃棄PETボト
ル等の粉砕品の再利用を拡大するべく検討されたもので
あって、その目的は、廃棄PETボトル等のPET粉砕
品を、加水分解による劣化を生ずることがなく、射出成
形に好適な結晶性PETに、低コストで加工することに
よって得られる再生PET樹脂組成物を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、使用済
み廃棄PET製品のPET粉砕品又はそれとフィラーと
を混練装置を用いて、20℃〜220℃の設定温度で未
溶融せん断混練することによって得られる再生PET樹
脂組成物であって、前記組成物の示差走査熱量計による
昇温測定時にPETの結晶化に伴う発熱ピークが発現し
ないことを特徴とする再生PET樹脂組成物が提供され
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明によれば、使用済み廃棄P
ETボトル等の粉砕品を混練装置を20〜220℃とし
て未溶融せん断混練する。この混練設定温度は好ましく
は50℃〜180℃であり、より好ましくは70℃〜1
50℃である。前記設定温度が20℃未満では、混練装
置に過大な負荷がかかり装置が停止したり、壊れたりす
る恐れがあり、また220℃より高い温度ではせん断発
熱により実質樹脂温度が融点を上回り、PETの加水分
解劣化反応が急速に進行するおそれがあるので好ましく
ない。
【0013】本発明で用いる上限設定温度220℃は、
示差走査熱量計(DSC)にて昇温速度10℃/min で
測定した時に観測されるPETの結晶融解吸熱ピークの
開始温度にほぼ相当し、換言すれば、本発明における混
練温度の設定範囲は概ね室温〜融点未満に相当する。
【0014】本発明で用いる混練装置としては、せん断
力による練りが加えられるものであれば特に限定される
ものではないが、通常の押出機を利用することができ
る。好ましくは、せん断混練効果の高い二軸押出機、よ
り好ましくは脱気効率のよいベント(脱気口)を1つ以
上備える二軸押出機の使用が好ましい。
【0015】一般に押出機を用いた樹脂の混練は、樹脂
を高温下で溶融させた状態で行う、いわゆる溶融混練を
指すのが常識であるが、本発明者らは、使用済み廃棄P
ETボトルの粉砕品の押出方法を検討した結果、PET
が融点未満の未溶融状態(固相状態)でも十分に混練が
可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
この知見は従来の常識を覆すものであり、押出機のスク
リュー回転数とトルクを調整すればガラス転移温度未満
の設定温度域でも混練が可能であることが判明した。
【0016】前述のような未溶融混練を可能ならしめる
理由としては、ボトル用途のPETがブロー成形性に適
した非晶成分の多い延性的な材料であるためであり、さ
らにその粉砕品が低せん断力でも効率良く変形を受け易
いフレーク状の形態をしているためである。すなわち本
発明においては、廃棄PETボトル等の粉砕品の形状は
フレーク状であることが好ましい。またその他の好まし
い形態としては、例えばPET繊維屑を10mm以下に裁
断粉砕した短繊維状が挙げられる。非晶質のリペレット
を用いても未溶融混練は可能であるが、形状的に混練装
置に負荷がかかりやすく、過負荷を避けるために原材料
投入量を少なく制御する必要があり、結果として加工処
理能力が大幅に低減する。勿論粉砕品の形状をこれらに
限定するものでないことはいうまでもない。
【0017】固相状態の透明なPET粉砕品にせん断力
が加わると、延伸作用により結晶化が誘発され、さらに
結晶化温度領域(120℃近傍)では結晶化が促進され
るため、容易に結晶化度の高い白色状態に変化する。同
時に、せん断発熱や混練に伴う機械的な搾り出し効果に
よって、混練物からの水分の蒸散が活発化し、ベントか
ら水蒸気が放散される。場合によっては、真空ポンプに
よる減圧を併用し、脱気を強制的に行ってもよい。混練
が融点未満の低温で行われるため、加水分解反応は起こ
り難い。
【0018】前記した方法で混練されたPET混練物
は、結晶化度が高いために、DSCによる昇温測定時に
溶融混練物で観測されるようなPETの再結晶化にとも
なう発熱ピークが見られないという特徴を有する。
【0019】本発明では、押出機スクリューの混練部、
搬送部及びベントの位置関係を適宜設定することで、原
材料投入から結晶化処理、脱水処理、乾燥処理までの工
程を、押出機の上流から下流方向に沿って、連続的かつ
効率的に行うことができる。尚、混練吐出物は大きさや
形状が不規則な固相状態であるため、押出はダイヘッド
を開放した状態で行うのが好ましい。この混練吐出物は
硬質な結晶性樹脂であるため、粉砕機に通すことで容易
に射出成形可能な粒子状に変えることができる。例え
ば、押出機先端の吐出口直下に粉砕機を設置することに
よって、連続的に砕片化処理まで行うことができる。
【0020】また、ダイヘッドを閉めた状態でも、吐出
部付近の温度のみを200℃〜220℃の高温側に設定
(実質的な樹脂温度は約250℃〜260℃に達する)
することで、固相状態の混練物を一時的に溶融させスト
ランドとして引くことが可能であり、これを公知の方法
でペレタイズすることにより、射出成形可能な結晶性白
色ペレットを得ることができる。
【0021】これはダイヘッドからペレタイザーに至る
までの冷却過程の間に再結晶化することによってなされ
るもので、従来の溶融混練押出では見られなかった現象
である。この理由は現時点では定かではないが、一時的
に溶融状態になっても結晶核が完全に溶融消失しない間
に冷却過程に入ってしまうために起こる現象ではないか
と考えられ、これは本発明によって成し得る特徴である
と考えられる。
【0022】本発明においては、得られる組成物の剛
性、耐熱性、硬度、表面外観などを改良するために、P
ET粉砕品にフィラーを、例えばPET粉砕品100重
量部当り0.5〜100重量部、好ましくは3〜50重
量部配合する。本発明において使用することができるフ
ィラーとしては、特に限定されるものではないが、非繊
維状のものが好ましく、例えばタルク、アルミナ、酸化
チタン、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、カ
ーボンブラックなどがあげられる。
【0023】さらに本発明による未溶融混練方法を用い
れば、再生PET粉砕品と、従来再生PET粉砕品とブ
レンドするのが難しかった吸湿性フィラーの様な水分を
含有する物質との混練も、PETの加水分解反応を抑え
て効果的に実施することができる。そのような吸湿性フ
ィラーの具体例としては木粉、木材チップ、パルプ、籾
殻、藁、バカス、竹、ケナフ、果実殻などの天然繊維素
系物質やベントナイト、モンモリロナイト、ゼオライ
ト、珪藻土、セピオライト、ゾノトライト、合成マイカ
などの無機系物質が挙げられる。しかしながら、例えば
ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重
合体、ポリアミド樹脂、セルロース系樹脂、メタクリル
樹脂等の合成高分子系物質なども挙げることができる。
これらは単独又は任意の二つ以上の組み合わせであって
もよい。これら吸湿性フィラーとの混練においても、冷
温混練による加水分解反応の抑制、せん断発熱と機械的
な搾り出し効果による脱水作用が功を奏しているものと
考えられる。
【0024】また、本発明においては、その目的に応じ
た所望の特性を付与するために、一般に熱可塑性樹脂に
添加される公知の添加剤、例えば酸化防止剤や紫外線吸
収剤等の安定剤、難燃剤、帯電防止剤、耐衝撃改良剤、
染料や顔料などの着色剤、結晶化促進剤、結晶核剤等を
配合することができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を説明する
が、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に
よりその範囲が限定されるものでないことはいうまでも
ない。先ず、以下の実施例で用いた原材料及び混練装置
について説明する。
【0026】(1)使用済み廃棄PETボトル粉砕フレ
ーク よのペットボトルリサイクル(株)製で、一部色付PE
Tや結晶質の蓋用PETの粉砕品が混入しているものを
使用した。
【0027】(2)吸湿、吸水性フィラー ・籾殻粉:籾殻を籾殻揺漬装置(グラインドミルAFR
−2000、トロムソ製)を用いて粉体化したものを用
いた。この粉体の水分含有率は約10重量%であった。 ・微粉ベントナイト:クニミネ工業(株)製。ベントナ
イト原鉱をピンミルで粉砕後、空気分級機で分級された
もので、平均粒径が約4μmのものを用いた。灰色で水
分含有率が約8重量%であった。 なお、上記水分含有率は粉体1kgを真空オーブンで15
0℃及び5時間乾燥後の重量減率から求めたものであ
る。
【0028】混練装置は(株)日本製鋼所製の二軸押出
機TEX30α(2条スクリュー、口径32mm、L/D
=42)を用いた。この装置のシリンダ部はC1〜C1
2の12ブロックから成り、C1部(スロート)及びC
7部(サイド)に原材料供給口を、C6部及びC11部
にベントを設置し、またスクリューの混練部をC4及び
C10の位置になるように配した。
【0029】次に、実施例における結果は以下の方法で
評価した。 (1)混練物の流動性 混練物の加水分解劣化の目安として、メルトインデック
サー((株)東洋製機製F−F01)を用いて、280
℃及び2.16kgf 荷重の条件で6分間滞留後のメルト
フローレート(MFR)を測定した。MFR値が大きい
ほど樹脂の劣化(分子量低下)が進行していることを示
唆する。
【0030】(2)混練物の結晶性 示差走査熱量計(パーキンエルマー社製DSC7)を用
いて、室温から280℃まで昇温速度10℃/分で昇温
した時の結晶化による発熱ピークの温度と結晶融解によ
る吸熱ピークの開始温度を測定した。非晶性であれば結
晶化に伴う発熱ピークは現れるが、結晶性であれば該発
熱ピークは現れない。
【0031】(3)混練物の射出成形性及び機械物性 射出成形機((株)日本製鋼所製J55ELII)を用い
て、シリンダ設定温度260℃、金型温度40℃で、1
00mm×10mm×4mmの短冊試験片を成形した。その後
JIS−K7171に準拠して曲げ試験を行った。ま
た、荷重たわみ温度(HDT)もJIS−K7191に
従い測定した。尚、射出成形性については、下記の判断
基準にて行った。 ○:特に問題はなく、成形性は良好である。 ×:スクリューが停止し、実用的な成形ができない。 尚、スクリューが停止した場合には、成形機筒内で樹脂
を一定時間滞留させ、成形するようにした。
【0032】実施例1 押出機のダイヘッドを開放状態にして、PETボトル粉
砕フレークをスロートホッパーから供給し、シリンダ設
定温度を80℃、スクリュー回転数を250rpm に設定
して押出した。混練吐出物は、大きさ10〜30mmほど
の捩り引き裂かれた様態の白色不定形固形物で、これを
粉砕機にかけ大きさ2〜3mm程度の細片としたのち、射
出成形を行った。
【0033】実施例2 PETボトル粉砕フレークをサイドホッパーから供給し
た以外は、実施例1と同様の条件で押出しを行った。混
練吐出物の性状は実施例1と同様であり、これも実施例
1と同様の粉砕処理をした後、射出成形を行った。
【0034】実施例3 押出機のダイヘッドを閉じた状態にして、PETボトル
粉砕フレークをスロートホッパーから供給し、シリンダ
設定温度をC1〜C10/C11/C12/ダイ=10
0℃/150℃/200℃/220℃、スクリュー回転
数を250rpmに設定して押出した。ダイヘッド孔から
はコア部が僅かに白濁した溶融状態のストランドが吐出
され、これを冷却水槽に一時浸漬したのち、ペレタイザ
ーまで空冷搬送してペレット化した。冷却中にストラン
ドが結晶化し、得られたペレットは光沢感のある白色状
態であった。このペレットは前の例と同じようにそのま
ま射出成形を行った。尚、溶融吐出物の樹脂温度は25
7℃であった。
【0035】比較例1 PETボトル粉砕フレークをスロートホッパーから供給
し、シリンダ設定温度260℃、スクリュー回転数25
0rpm に設定して押出し、実施例3と同様な方法でペレ
ットを得た。この混練吐出物は溶融した透明なストラン
ドで、得られたペレットも透明のままの状態であった。
このペレットを実施例3と同様、そのまま射出成形を行
った。押出吐出物の樹脂温度は273℃であった。
【0036】比較例2 PETボトル粉砕フレークをサイドホッパーから供給し
て押出した以外は、比較例1と同様の条件で押出及び射
出成形した。得られたペレットは比較例1と同様に透明
なものであった。押出吐出物の樹脂温度は271℃であ
った。
【0037】実施例1〜3並びに比較例1及び2の評価
結果を表Iにまとめた。表Iに示す通り、従来の溶融混
練方法で押出されたペレットは透明な非晶性ペレット
で、加水分解劣化による流動性の増大及び機械物性の低
下現象が認められた。熱履歴による樹脂劣化状態にも差
が見られ、熱履歴の厳しいスロート供給品(比較例1)
の方がサイド供給品(比較例2)よりも劣化が大であっ
た。また両者とも通常サイクルの成形ではスクリューが
停止するため、実用的な成形は極めて困難であった。一
方、本発明に基づく実施例1〜実施例3によれば、押出
混練物はいずれも白色の結晶性樹脂で、成形性は良好で
あった。樹脂劣化による流動性の増大や機械物性の低下
も、また履歴による違いも殆ど認められなかった。
【0038】
【表1】
【0039】実施例4 押出機のダイヘッドを開放状態にして、PETボトル粉
砕フレーク80重量%及び籾殻粉を20重量%の割合で
混合したブレンド物をスロートホッパーから供給し、シ
リンダ設定温度を80℃、スクリュー回転数を250rp
m に設定して押出した。混練吐出物は、大きさ10〜3
0mm程度の捩り引き裂かれた様態の木質調不定形固形物
で、これを粉砕機にかけ大きさ2〜3mm程度の細片とし
たのち、射出成形を行った。
【0040】実施例5 PETボトル粉砕フレーク90重量%及び微粉ベントナ
イト10重量%を混合したブレンド物を原材料として用
いた以外は実施例4と同様の条件で押出した。混練吐出
物の性状は灰色であった以外は実施例4と同様であっ
た。これも実施例4と同様の粉砕処理をした後、射出成
形を行った。なお、このようにして得られた射出成形品
の割断面のミクロ構造を示す走査型電子顕微鏡写真(1
0万倍)を図1に示す。この写真から明きらかなよう
に、本発明に従って混練された再生PET組成物のモル
フォロジーは大きさ約60nm前後からなる極微粒子構造
を呈する。
【0041】比較例3 PETボトル粉砕フレーク80重量%及び籾殻粉20重
量%を混合したブレンド物をスロートホッパーから供給
し、シリンダ設定温度を260℃、スクリュー回転数2
50rpm に設定して押出した。ダイヘッド孔からの混練
吐出物は発泡現象が激しく、樹脂劣化による溶融粘度の
低下が顕著でストランドとして引くことができなかっ
た。即ち、評価に供与できるサンプルを得ることができ
なかった。尚、発泡した溶融樹脂の温度は276℃であ
った。
【0042】比較例4 PETボトル粉砕フレーク90重量%及び微粉ベントナ
イト10重量%を混合したブレンド物を原材料として用
いた以外は比較例3と同様の条件で押出した。ストラン
ドの溶融粘度低下は認められたもののストランド化が可
能であり、得られたペレットを射出成形した。押出吐出
物の樹脂温度は270℃であった。
【0043】実施例4及び5並びに比較例3及び4の評
価結果を表IIにまとめた。表IIの結果から明らかなよう
に、本発明に基づく実施例4及び実施例5では、押出混
練物は結晶性で溶融安定性も比較的良好であり、射出成
形性にも問題点は認められなかった。実施例4では木質
感のある良好な成形品が得られ、実施例5では高耐熱で
剛性の高い表面光沢に優れた成形品が得られた。通常の
溶融混練方法によるものよりもフィラーの分散性が向上
していることが推察される。このように水分を含有して
いるフィラーを混練する場合でも、本発明による混練加
工品を用いれば、加水分解劣化の少ない良好な成形品が
得られることが示された。
【0044】
【表2】
【0045】以上のように、本発明に従った未溶融せん
断混練方法により得られた再生PET樹脂組成物は、結
晶性が高く加水分解劣化も少ないため、射出成形に好適
で、その射出成形品は物性低下の少ない高品質な再生品
となる。
【0046】
【発明の効果】上述のように、本発明の未溶融せん断混
練方法によれば、粉砕PETの結晶化処理、脱水処理及
び加水分解防止処理が一挙に行えるという効果を奏し、
また吸湿性フィラーの様な水分を含有する物質との混練
にも同様な効果が得られることから、かかる方法で得ら
れた再生PET樹脂又は該フィラーを含有してなるPE
T樹脂組成物は、結晶性が高く加水分解劣化の少ない射
出成形に好適な特徴を有し、その射出成形品は物性低下
の少ない高品質な再生品が得られる。
【0047】また、特別な混練装置を必要とするわけで
もなく、従来の押出機をそのまま利用することができ、
さらに溶融混練の場合に比べて、押出機内部のクリーニ
ングが容易でかつ温度設定が低く抑えられることから、
製造コストが安価で、しかも大量に処理することができ
るという利点を有する。
【0048】即ち、使用済み廃棄PETの再生に当たっ
て低コストを保持し、高価値に変える経済性を計ること
ができ、さらには他の樹脂類との多様なアロイ化技術と
しても展開できる可能性があり、本発明はPET再生技
術の向上に著しく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例5で得られた再生PET樹脂組成物の射
出成形品の割断面のミクロ構造を示す電子顕微鏡写真
(10万倍)図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鴻野 利之 山形県米沢市通町1丁目1番92号 Fターム(参考) 4F070 AA47 AB09 AB26 AE01 FA01 FB06 FC06 4F301 AA25 AB01 AB02 AD02 BC26 BC36 BD05 BD12 BF12 BF16 BF32 4J002 CF061 DA036 DE136 DE146 DE236 DG056 DJ046 FA016 FA046 FD016

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用済み廃棄PET製品のPET粉砕品
    又はそれとフィラーとを混練装置を用いて、20℃〜2
    20℃の設定温度で未溶融せん断混練することによって
    得られる再生PET樹脂組成物であって、前記組成物の
    示差走査熱量計による昇温測定時にPETの結晶化に伴
    う発熱ピークが発現しないことを特徴とする再生PET
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記PET粉砕品の形状がフレーク状又
    は短繊維状である請求項1に記載の再生PET樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記混練装置が少なくとも1つ以上のベ
    ントを有する二軸混練押出機である請求項1に記載の再
    生PET樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 フィラーが吸湿性フィラーである請求項
    1に記載の再生PET樹脂組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006167953A (ja) * 2004-12-13 2006-06-29 Toyo Seiki Seisakusho:Kk 再生用合成樹脂熱圧着方法及びその装置
CN100430208C (zh) * 2005-10-09 2008-11-05 华东理工大学 一种高分子合金的低温固相加工方法
US8841368B2 (en) 2009-09-01 2014-09-23 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Nonflammable polyester resin composition and method for manufacturing such a resin composition

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