JP2004277623A - 植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の製法 - Google Patents

植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の製法 Download PDF

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睦 前田
Masaaki Kondo
正昭 近藤
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Abstract

【課題】混合機に大きな付加を及ぼさずかつ冷却後に組成物を粉砕する必要のない、合理的な植物セルロース熱可塑性樹組成物の製法を提供すること。
【解決手段】植物セルロース5〜95重量%および熱可塑性樹脂95〜5重量%よりなる植物セルロース熱可塑性樹脂組成物を高速で撹拌してかつ100℃以上で熱可塑性樹脂の融点以下の温度まで加熱する植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、混合機に大きな付加を及ぼさず、かつ、冷却後に組成物を粉砕する必要のない、合理的な植物セルロース熱可塑性樹組成物の製法であり、得られる成形体は機械的強度に優れ、建築用部材、日曜大工部品、テラス、バルコニーなどの用途に好適に使用できる。
【選択図】 選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の製造法および調整法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から植物セルロース熱可塑性樹脂組成物および植物セルロース熱可塑性樹脂組成物からなる成形体の開発は種々行われ、多くの植物セルロース熱可塑性樹脂組成物およびその組成物よりなる成形体が知られている。(例えば特許文献1〜11参照。)
また、植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の調整法および製法に関しても開示されている。(例えば特許文献11〜17参照。)
上記で開示されている調整法および製法は、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサーなどの高速混合機を用い、原料を高速で撹拌して、この時に生ずるせん断力により、原料を熱可塑性樹脂の融点以上の温度まで加熱し、組成物中、特に植物セルロース中の水分などの揮発分を除去するとともに、原料を溶融して植物セルロース熱可塑性樹脂組成物を製造する方法である。
【0003】
上記の調整法および製法では、溶融した植物セルロース熱可塑性樹脂組成物は、非常に高粘度のゲル状物質になり、これを冷却すると塊状となる。溶融時に生じるゲル状の植物セルロース熱可塑性樹組成物は非常に高粘度の融体であるため、撹拌する際に大きな応力が発生し、混合機に大きな付加を及ぼす。また、上記の調整法および製法で得た植物セルロース熱可塑性樹組成物を押出成形加工、射出成形加工に用いるためには、冷却後にできた塊状の組成物を粉砕することが必要であり、生産性や生産設備上の問題があった。
従って、従来の調整法および製法に関する開示技術は、生産設備の耐久性への影響や生産性に問題があり、植物セルロース熱可塑性樹組成物の製法および調整法として広く展開されるには至っていない。
【0004】
【特許文献1】
特開昭55−131031号公報
【特許文献2】
特開昭57−115437号公報
【特許文献3】
特開昭62−39642号公報
【特許文献4】
特開2000−316352号公報
【特許文献5】
特開昭57−185351号公報
【特許文献6】
特開平11−269316号公報
【特許文献7】
特開平11−43562号公報
【特許文献8】
特開平9−286880号公報
【特許文献9】
特開2000−38467号公報
【特許文献10】
特開2000−271909号公報
【特許文献11】
特開2002−11816号公報
【特許文献12】
特開昭60−30304号公報
【特許文献13】
特公平4−48606号公報
【特許文献14】
特開平8−216122号公報
【特許文献15】
特開平8−310147号公報
【特許文献16】
特開平8−323710号公報
【特許文献17】
特開2000−109566号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題に鑑み、混合機に大きな付加を及ぼさず且つ冷却後に組成物を粉砕する必要のない合理的な植物セルロース熱可塑性樹組成物の製法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、植物セルロースと熱可塑性樹脂を製造する際に、100℃以上熱可塑性樹脂の融点以下の温度の範囲になるよう混合物を撹拌することで、ゲル状の組成物の発生を抑制でき、効果的に植物セルロース熱可塑性樹組成物を乾燥できることを見出した。
さらに、この方法で得られる植物セルロース熱可塑性樹組成物は、冷却後に粉砕せずに、そのまま押出成形加工、射出成形加工の原料として用いることができることを見出し、本発明をなすに至った。
【0007】
すなわち本発明は以下の通りである。
1.植物セルロース5〜95重量%および熱可塑性樹脂95〜5重量%からなる植物セルロース熱可塑性樹脂組成物を製造する際に、100℃以上熱可塑性樹脂の融点以下の温度の範囲になるよう混合物を撹拌することを特徴とする植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
2.100℃以上且つ熱可塑性樹脂の融点より10℃低い温度で、混合物を撹拌することを特徴とする上記1に記載の植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
【0008】
3.熱可塑性樹脂が、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンであることを特徴とする上記1または2に記載の植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
4.ポリエチレンのメルトインデックスが、0.01〜25.0であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
5.上記1〜4のいずれかに記載の方法から得られる成形品。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明の植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、植物セルロース5〜95重量%および熱可塑性樹脂95〜5重量%からなる植物セルロース熱可塑性樹脂組成物を製造する際に、100℃以上熱可塑性樹脂の融点以下の温度の範囲になるよう混合物を撹拌することを特徴とする植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の製造方法である。
【0010】
なお、本発明に用いる熱可塑性樹脂は、融点が100℃以上の熱可塑性樹脂である。
また、本発明に用いる熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂は、ゲル状の組成物の発生を抑制し且つ効果的に植物セルロース熱可塑性樹組成物を乾燥する上で好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体およびポリエチレンが使用できる。
【0011】
なかでも、ポリエチレンが、ゲル状の組成物の発生を抑制する点で特に好ましい。ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体、最近開発されている種々のメタロセン触媒などの新触媒を用いて重合したエチレン系重合体およびそれらの混合物が使用できる。また、ポリエチレンとポリプロピレンおよび/またはポリスチレンなどの他の樹脂との混合物が使用できる。また、各種ポリエチレン系樹脂製品のリサイクルによって得られたポリエチレン系樹脂もコスト・性能バランスの良い材料として使用できる。
【0012】
また、ポリエチレンのメルトインデックスは好ましくは0.01〜25.0の範囲、最も好ましくは0.05〜3.0の範囲である。メルトインデックスの値は、植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の成形性の点で0.01以上が好ましく、植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の機械的強度および成形時の形状安定性の点で25.0以下が好ましい。また、ポリエチレンのメルトインデックスを好ましい範囲にするために、分子量の異なるポリエチレンをブレンドする方法も用いることができる。
【0013】
本発明に使用する植物セルロース系粉体としてはいかなるものであってもよく、例えば木粉、パルプ、バカス、ケナフ、おが屑、木質繊維、籾殻、破砕チップ材、果実殻粉、古紙、竹の粉末、ビールの絞り粕、コーヒーの絞り粕等があげられ、これらを単独又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
植物セルロース系粉体は、目的とする用途によって適当に選択することができるが、機械的強度及び釘打ち、ネジ止めなどの加工性の点で木粉が好ましい。これらの植物セルロース系粉体は、おが屑、廃木材等を必要であれば乾式又は湿式粉砕または篩い分けにより粒径が0.1mm〜10mmの粉粒としたものを用いることが好ましい。植物セルロース系粉体の粒径は、粉立ちなどの問題や、粉砕や篩い分けの手間によるコストを考慮すると、1mm以上が好ましい。また、得られた成形体の機械的強度の点を考慮すると、10mm以下であることが好ましい。植物セルロース系粉体の形状は、粒子状だけでなく、扁平な形状、異型形状およびそれらの混合物でも良い。
【0014】
本発明の植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の比率は、植物セルロースが5〜95重量%且つ熱可塑性樹脂95〜5重量%よりなり、好ましくは、植物セルロースが20〜90重量%且つ熱可塑性樹脂80〜10重量%である。
植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の剛性などの物性を考慮すると、植物セルロースが5重量%以上且つ熱可塑性樹脂が95重量%以下であることが必要であり、流動性や成形性を考慮すると、植物セルロースが95重量%以下且つ熱可塑性樹脂が5重量%以上であることが必要である。
【0015】
本発明で、植物セルロース熱可塑性樹脂組成物を高速で撹拌する手段として、高速撹拌機を用いる。本発明で用いる高速撹拌機は、植物セルロース熱可塑性樹脂組成物を高速で撹拌して混合でき且つ該組成物を乾燥する際に、発生する水蒸気等の揮発成分および揮発分が凝集した液体を系外に排出できるベント口などの排出機構を備えた装置である。
本発明で用いる高速撹拌機としては、ベント口などの排出機構を備えたヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、シユーラー、リボンブレンダー、パドルドライヤーなどが好ましく使用でき、その中でも、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサーが特に好ましく使用できる。
【0016】
本発明では、高速撹拌機中で撹拌する際に発生するせん断力により植物セルロース熱可塑性樹脂組成物を加熱して乾燥する。
本発明では、熱水、スチーム、高温のオイルなどの熱媒を用いて高速撹拌機を加熱し、内部の植物セルロース熱可塑性樹脂組成物を加熱して乾燥することもできる。また、必要に応じて、高速撹拌機内を常圧、減圧または加圧にして、植物セルロース熱可塑性樹脂組成物を加熱して乾燥することができる。
【0017】
本発明で、植物セルロース熱可塑性樹脂組成物を加熱する時の温度は、100℃以上で熱可塑性樹脂の融点を上限とし、熱可塑性樹脂の融点−10℃を上限とすることがより好ましい。
効率的に揮発分を乾燥することを考慮すると100℃以上であることが必要であり、植物セルロース熱可塑性樹脂組成物が非常に高粘度のゲル状の溶融体になり、高速撹拌機に大きな応力が発生して付加を及ぼすことを考慮すると、熱可塑性樹脂の融点を上限とすることが必要である。
【0018】
上記のゲル状の溶融体を冷却すると塊状となるため、成形用の材料として使用するためには粉砕する必要があるが、本発明の方法では、粉状の乾燥した植物セルロース熱可塑性樹脂組成物が得られ、そのまま押出成形加工、射出成形加工の原料として使用することが可能である。
本発明の植物セルロース熱可塑性樹脂組成物には、製造する際に充填材を添加してもよく、充填材としてはタルク、炭酸カルシウムなどの粒子状無機充填材、ガラス繊維などの無機繊維状充填材、ポリエステル繊維などの有機繊維状充填材などを用いることができる。充填材の配合により、植物セルロース系粉体の分散性、成形体表面状態の変化などの効果も期待できる。成形性及び機械的強度を考慮して、充填材の配合量を決めることが好ましい。
【0019】
本発明においては、前記各成分の他に必要に応じて、熱可塑性樹脂と植物セルロース系粉体との親和性を向上させるための変性剤、例えば不飽和カルボン酸あるいはその誘導体、または不飽和カルボン酸あるいはその誘導体で変性したポリオレフィン系樹脂を好ましく使用することができる。その他、着色剤、滑剤、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤などの各種添加剤を加えることもできる。
本発明の植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の成形方法としては、押出成形、射出成形、プレス成形等の従来公知の各種成形方法を用いることができる。
【0020】
【実施例】
本発明を実施例に基づいて説明する。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。尚、実施例中における「部」は、「重量部」を表す。
<原料>
実施例で用いた原料は以下の通りである。
尚、使用した熱可塑性樹脂の融点はDSC法で測定されたものである。
(A)熱可塑性樹脂
熱可塑性樹脂a:旭化成(株)製、サンテックHD(登録商標)
J340 融点130℃
熱可塑性樹脂b:サンアロマー(株)製、サンアロマー(登録商標)
PM600A 融点167℃
(B)植物セルロース
植物セルロースa:J.RETTENMAIER & SOHNE GmbH& Co製、LIGNOCEL(登録商標) P SUPER
植物セルロースb:J.RETTENMAIER & SOHNE GmbH& Co製、LIGNOCEL S 150TR
【0021】
【実施例1】
(A)成分として熱可塑性樹脂a45部および(B)成分として植物セルロースa55部を、冷却水を流通できるジャケット、及び、揮発分を系外に排出するベント口を備えた500Lヘンシェルミキサー(三井鉱山製)へ入れ、高速度で撹拌して内部温度を室温から110℃に上昇した。その後、撹拌速度を低速にし、かつ、必要に応じてヘンシェルミキサーのジャケットに冷却水を流して内部温度を120℃以下に保ち、ベント口から揮発分を系外に除去した。撹拌速度を低速にしてから、12分後、揮発分の発生が収まった。ヘンシェルミキサー内部の植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の形状を確認すると粉末状であった。ジャケットに冷却水を流し、この植物セルロース熱可塑性樹脂組成物を室温まで冷却し、排出口から排出した。植物セルロース熱可塑性樹脂組成物は円滑に排出できた。また、排出後に確認したところ、ヘンシェルミキサー内部に植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の付着はなかった。この植物セルロース熱可塑性樹脂組成物を175℃に設定したPCM30型二軸押出機(池貝鉄鋼社製、30mmφ)により溶融混練した。問題なく溶融混練でき、良好なペレットが得られた。このペレットを射出成形(東芝機械社製、成形温度190℃、金型温度60℃)し、ISO規格準拠物性試験サンプルを作成した。得られた試験サンプルを用いて曲げ弾性率、シャルピー衝撃強さを測定すると、曲げ弾性率は、4,500MPa、シャルピー衝撃強度は、200J/mであった。
【0022】
【比較例1】
実施例1の(A)成分45部および(B)成分55部を、実施例1のヘンシェルミキサーにいれ、高速度で撹拌して内部温度を室温から190℃まで上昇した。内部温度が100℃を超えるとベント口から揮発分の揮発が始まり、約150℃で揮発が停止した。また、内部温度が約140℃になると異音が発生した。内部を観察すると溶融した植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の塊がゲル状態を形成していた。この時、電流計が規定値付近まで上昇したため、ヘンシェルミキサー回転速度を低速に変更し、電流計の値が許容値に入っていることを確認しながら撹拌を継続した。内部温度が190℃に達した時点で内部を確認したところ、溶融した植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の塊がゲル状態を形成して、かつ、ヘンシェルミキサーの内部部品に付着いている状態が確認できた。ジャケットに冷却水を流し、この植物セルロース熱可塑性樹脂組成物を冷却した。内部温度が約120℃に達した時に異音が発生し、その直後に電流計が規定値を超えたため、安全装置が作動してヘンシェルミキサーが停止した。内部を観察すると固化した植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の塊が確認できた。撹拌を継続することは困難であると判断し、撹拌せずに、ジャケットに冷却水を2時間流し続け、内部温度を室温まで下げた。
【0023】
排出口を開放したところ、一部の植物セルロース熱可塑性樹脂組成物が排出されたが、大部分の植物セルロース熱可塑性樹脂組成物はヘンシェルミキサーの内部部品に固着し、排出できなかった。固着したものをハンマー等用いて排出し、粉砕機を用いて10mm以下に粉砕した。
この植物セルロース熱可塑性樹脂組成物を実施例1と同様の方法で溶融混練した。問題なく溶融混練でき、良好なペレットが得られた。次に実施例1同様に物性試験サンプルを作成し、曲げ弾性率、シャルピー衝撃強さをそれぞれ評価した。得られた試験サンプルを用いて曲げ弾性率、シャルピー衝撃強さを測定すると、曲げ弾性率は、4,400MPa、シャルピー衝撃強度は、190J/mであった。
【0024】
【実施例2】
(A)成分として熱可塑性樹脂b45部および(B)成分として植物セルロースb55部を、実施例1同様の装置、方法で加熱処理した。内部温度を室温から120℃に上昇した後、内部温度を徐々に140℃まで上昇し、その温度に保って、ベント口から揮発分を系外に除去した。13分後、揮発分の発生が収まった。ヘンシェルミキサー内部の植物セルロース熱可塑性樹脂組成物は粉末状であった。内温を室温まで冷却し、排出口から排出した。植物セルロース熱可塑性樹脂組成物は円滑に排出でき、ヘンシェルミキサー内部に植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の付着はなかった。この植物セルロース熱可塑性樹脂組成物を実施例1と同様の方法で溶融混練した。問題なく溶融混練でき、良好なペレットが得られた。
実施例1と同様に物性試験サンプルを作成し、曲げ弾性率、シャルピー衝撃強さをそれぞれ評価した。得られた試験サンプルを用いて曲げ弾性率、シャルピー衝撃強さを測定すると、曲げ弾性率は、5,300MPa、シャルピー衝撃強度は、180J/mであった。
【0025】
【発明の効果】
本発明により、効果的に植物セルロース熱可塑性樹組成物を乾燥でき、かつ、ゲル状の組成物の発生を抑制できる。また、本発明で得られる植物セルロース熱可塑性樹組成物は冷却後に粉砕せずに、そのまま押出成形加工、射出成形加工の原料として用いることができ、得られた成形体は従来法で得たものと同等の物性を示す。即ち本発明は、混合機に大きな付加を及ぼさず且つ冷却後に組成物を粉砕する必要のない、合理的な植物セルロース熱可塑性樹組成物の製法である。

Claims (5)

  1. 植物セルロース5〜95重量%および熱可塑性樹脂95〜5重量%からなる植物セルロース熱可塑性樹脂組成物を製造する際に、100℃以上熱可塑性樹脂の融点以下の温度の範囲になるよう混合物を撹拌することを特徴とする植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  2. 100℃以上且つ熱可塑性樹脂の融点より10℃低い温度で、混合物を撹拌することを特徴とする請求項1に記載の植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  3. 熱可塑性樹脂が、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンであることを特徴とする請求項1または2に記載の植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  4. ポリエチレンのメルトインデックスが、0.01〜25.0であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の植物セルロース熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法から得られる成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010001440A (ja) * 2008-06-23 2010-01-07 Toyota Boshoku Corp 熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法並びに成形体の製造方法
JP2015205942A (ja) * 2014-04-17 2015-11-19 リケンテクノス株式会社 抗菌性樹脂組成物、及びそのフィルム
WO2023095762A1 (ja) 2021-11-25 2023-06-01 住友林業株式会社 混合組成物の製造方法

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