JP2003183458A - 溶断シール用ポリエチレン系樹脂組成物 - Google Patents

溶断シール用ポリエチレン系樹脂組成物

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JP2003183458A
JP2003183458A JP2001391182A JP2001391182A JP2003183458A JP 2003183458 A JP2003183458 A JP 2003183458A JP 2001391182 A JP2001391182 A JP 2001391182A JP 2001391182 A JP2001391182 A JP 2001391182A JP 2003183458 A JP2003183458 A JP 2003183458A
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ethylene
copolymer
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weight
olefin copolymer
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Kenzo Chikanari
謙三 近成
Shingo Kobayashi
慎吾 小林
Daigo Nakanishi
大悟 中西
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 引裂強度、引張破断応力および溶断シール強
度に優れる溶断シール用ポリエチレン系樹脂組成物およ
びその樹脂組成物からなる溶断シール製品を提供する。 【解決手段】 メルトフローレートが一定の範囲であ
り、酸素原子を含有するエチレン系不飽和化合物の含量
が一定の範囲であり、重量割合が一定の範囲であるエチ
レンと酸素原子を含有する少なくとも1種のエチレン系
不飽和化合物との共重合体および、α−オレフィンの炭
素数が一定の範囲であり、メルトフローレートが一定の
範囲であり、密度が一定の範囲であり、組成分布変動係
数がと規定の範囲であり、冷キシレン可溶部の重量割合
と密度が特定の関係を有し、重量割合が一定の範囲であ
るエチレン・α−オレフィン共重合体を含有する溶断シ
ール用ポリエチレン系樹脂組成物、およびその樹脂組成
物からなる溶断シール用製品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶断シール用ポリ
エチレン系樹脂組成物に関するものである。さらに詳細
には、引裂強度、引張破断応力および溶断シール強度に
優れる溶断シール用ポリエチレン系樹脂組成物およびそ
の樹脂組成物からなる溶断シール製品に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、包装用材料に用いられるポリエチ
レンフィルムの需要が伸びている。そのなかでも、柔軟
性、カット性、透明性や自己収縮性が要求されるフィル
ムやラベルの分野では、従来から、酢酸ビニルを数パー
セント含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体が多く用
いられてきた。
【0003】例えば、特開平7−330974号公報に
は、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン系樹脂
とエチレン・α−オレフィン共重合体を含有する押出成
形体用樹脂組成物が記載されており、また、特開平9−
40817号公報にはエチレン・α−オレフィン共重合
体とエチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン系重合
体とブロッキング防止剤からなるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体組成物が記載されている。
【0004】しかし、エチレン−酢酸ビニル共重合体を
含有するフィルムは、引張強度や引張破断応力などの機
械的強度が不足していたり、溶断シール強度が低かった
りするため、溶断シールが施される溶断シール用製品を
用いて、自動包装する際やラベルとして装着する際にフ
ィルムやフィルムのシール部が破損することがあり、溶
断シール用製品の引張強度、引張破断応力および溶断シ
ール強度の改良が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、引裂
強度、引張破断応力および溶断シール強度に優れる溶断
シール用ポリエチレン系樹脂組成物およびその樹脂組成
物からなる溶断シール製品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる実
情に鑑み、鋭意検討の結果、メルトフローレートが一定
の範囲であり、酸素原子を含有するエチレン系不飽和化
合物の含量が一定の範囲であり、重量割合が一定の範囲
であるエチレンと酸素原子を含有する少なくとも1種の
エチレン系不飽和化合物との共重合体および、α−オレ
フィンの炭素数が一定の範囲であり、メルトフローレー
トが一定の範囲であり、密度が一定の範囲であり、組成
分布変動係数がと規定の範囲であり、冷キシレン可溶部
の重量割合と密度が特定の関係を有し、重量割合が一定
の範囲であるエチレン・α−オレフィン共重合体を含有
する溶断シール用ポリエチレン系樹脂組成物、およびそ
の樹脂組成物からなる溶断シール用製品が、上記課題を
解決できることを見出し、本発明を完成させるに至っ
た。
【0007】すなわち、本発明は、下記の要件(A−
1)および(A−2)を満足するエチレンと酸素原子を
含有する少なくとも1種のエチレン系不飽和化合物との
共重合体(A)90〜30重量%および、下記の要件
(B−1)〜(B−5)を満足するエチレン・α−オレ
フィン共重合体(B)10〜70重量%を含有する溶断
シール用ポリエチレン系樹脂組成物に係るものである。
(但し、溶断シール用ポリエチレン系樹脂組成物の全重
量を100重量%とする。) エチレンと酸素原子を含有する少なくとも1種のエチレ
ン系不飽和化合物との共重合体(A): (A−1)メルトフローレート(MFR)が0.5〜5
g/10分である。 (A−2)酸素原子を含有するエチレン系不飽和化合物
の共重合体(A)に対する含量(a(重量%))が1〜
10重量%である。 エチレン・α−オレフィン共重合体(B): (B−1)α−オレフィンの炭素数が3〜12である。 (B−2)メルトフローレート(MFR)が0.5〜1
0g/10分である。 (B−3)密度(d)が870〜930Kg/m3であ
る。 (B−4)下記の(式1)で求められる組成分布変動係
数(Cx)が0.7以下である。 Cx=σ/SCBave. (式1) (式中、σは組成分布の標準偏差、SCBave.は炭
素原子1000個(1000C)当たりの短鎖分岐数の
平均値(1/1000C)を表わす。) (B−5)冷キシレン可溶部の重量割合(b(重量
%))が、下記の(式2)の関係を有する。 b < 4.8×10-5×(950-d)3 + 10-6×(950-d)4 + 1 (式2) (式中、bは冷キシレン可溶部の重量割合(b(重量
%))、dはエチレン・α−オレフィン共重合体の密度
(Kg/m3)を表わす。) また、本発明は、上記の溶断シール用ポリエチレン系樹
脂組成物からなる溶断シール用製品に係るものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるエチレンと酸
素原子を含有する少なくとも1種のエチレン系不飽和化
合物との共重合体(A)で用いられる酸素原子を含有す
るエチレン系不飽和化合物としては、例えば、α,β−
不飽和カルボン酸アルキルエステル類、カルボン酸ビニ
ルエステル類、ビニルエーテル類等が挙げられる。
【0009】α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステ
ル類としては、例えば、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等が
挙げられ、カルボン酸ビニルエステル類としては、例え
ば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ブタン酸ビニ
ル、安息香酸ビニル等が挙げられ、ビニルエーテル類と
しては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニル
エーテル、エチルビニルエーテル、フェニルビニルエー
テル等が挙げられる。好ましくは、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチル
メタクリレート、酢酸ビニルである。
【0010】本発明で用いられるエチレンと酸素原子を
含有する少なくとも1種のエチレン系不飽和化合物との
共重合体(A)のメルトフローレート(MFR)は0.
5〜5g/10分であり、好ましくは1〜4g/分であ
る。MFRが0.5g/10分未満の場合、エチレン・
α−オレフィン共重合体との相溶性が悪化することがあ
り、MFRが5g/10分を超えた場合は、フィルムの
引裂強度が低下することがある。
【0011】本発明で用いられるエチレンと酸素原子を
含有する少なくとも1種のエチレン系不飽和化合物との
共重合体(A)の酸素原子を含有するエチレン系不飽和
化合物の含量(a(重量%))は、共重合体(A)に対
して、1〜10重量%であり、好ましくは2〜10重量
%以下であり、より好ましくは3〜8重量%である。酸
素原子を含有するエチレン系不飽和化合物の含量(a
(重量%))が10重量%を超えた場合、フィルムの引
裂強度が低下することがあり、1重量%未満の場合、フ
ィルムの柔軟性、透明性、自己伸縮性等が低下すること
がある。
【0012】本発明で用いられるエチレンと酸素原子を
含有する少なくとも1種のエチレン系不飽和化合物との
共重合体(A)の製造方法としては、特に限定されるも
のではなく、公知の重合方法が挙げられる。例えば、エ
チレンと少なくとも1種の酸素原子を含有するエチレン
系不飽和化合物を、ラジカル発生剤の存在下、重合圧力
50〜400MPa、重合温度100〜300℃で、適
当な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存在下で、共重
合させる高圧ラジカル重合法等が挙げられる。共重合体
(A)の構造は、高圧ラジカル重合の重合条件を調整す
ることによって、平均分子量、酸素原子を含有するエチ
レン系不飽和化合物の含有量等を制御することができ
る。
【0013】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体(B)とは、エチレンと少なくとも1種類
の炭素数3〜12個のα−オレフィンを共重合して得ら
れるエチレンとα−オレフィンの共重合体である。炭素
数3〜12個のα−オレフィンとしては、例えば、プロ
ピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘ
プテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、
ドデセン−1、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル
−ヘキセン−1、ビニルシクロヘキサン等が挙げられ
る。好ましくはブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−
1であり、より好ましくはヘキセン−1である。
【0014】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体(B)としては、例えば、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチ
レン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1
共重合体等が挙げられ、好ましくはエチレン−ヘキセン
−1共重合体である。
【0015】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体(B)のメルトフローレート(MFR)は
0.5〜10g/10分であり、好ましくは1〜10g
/10分であり、さらに好ましくは1〜5g/10分で
ある。MFRが0.5g/10分未満の場合、フィルム
の成形において押出し負荷が高くなり過ぎることがあ
り、10g/10分を超えた場合、フィルムの引裂強度
や衝撃強度などの機械的強度が低下することがある。
【0016】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体(B)の密度(d)は、870〜930K
g/m3であり、好ましくは895〜930Kg/m3
あり、さらに好ましくは910〜930Kg/m3であ
る。密度(d)が870Kg/m3未満の場合、フィル
ムの剛性が低くなったり、ハンドリング性の点で包装用
フィルムとして用いるのに適していないことがあり、9
30Kg/m3を超えた場合、フィルムの引裂強度が低
下することがある。
【0017】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体(B)の下記(式1)で求められる組成分
布変動係数(Cx)は0.7以下であり、好ましくは
0.2〜0.65である。 Cx=σ/SCBave. (式1) (式中、σは組成分布の標準偏差、SCBave.は炭
素原子1000個(1000C)当たりの短鎖分岐数の
平均値(1/1000C)を表わす。) 組成分布変動係数(Cx)とは、組成分布の尺度を示す
ものであり、この値が小さいほど組成分布が狭いことを
示す。組成分布変動係数(Cx)が0.7を超えた場
合、フィルムの引裂強度、衝撃強度等の機械的強度や抗
ブロッキング性が劣ることがある。
【0018】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体(B)の冷キシレン可溶部の重量割合(b
(重量%))と密度(d)は、下記(式2)の関係を有
しており、好ましくは下記(式3)の関係を有し、さら
に好ましくは下記(式4)の関係を有する。 b < 4.8×10-5×(950-d)3 + 10-6×(950-d)4 + 1 (式2) b < 4.8×10-5×(950-d)3 + 10-6×(950-d)4 (式3) b < 4.8×10-5×(950-d)3 (式4) 冷キシレン可溶部の重量割合(b(重量%))と密度
(d)が(式2)の関係を有さない場合、フィルムの引
裂強度が低下したり、抗ブロッキング性が悪化したりす
ることがある。
【0019】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体(B)として、好ましくは、溶断シール強
度の観点から、示差走査熱量計を用いて測定される融解
ピークを2つ以上有するエチレン・α−オレフィン共重
合体である。
【0020】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体(B)の製造方法は、特に限定されるもの
ではなく、公知の触媒を用いる公知の重合方法が挙げら
れる。公知の触媒としては、例えば、遷移金属化合物を
含む触媒等が挙げられ、好ましくは、シクロペンタジエ
ン形アニオン骨格を有する基を有する遷移金属化合物
(所謂、メタロセン系化合物)を含む触媒である。より
好ましい遷移金属化合物は、一般式MLcn-c(式中、
Mは元素の周期律表の第4族又はランタナイド系列の遷
移金属原子である。Lはシクロペンタジエン形アニオン
骨格を有する基又はヘテロ原子を含有する基であり、少
なくとも一つはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有
する基である。複数のLは互いに架橋していてもよい。
Xはハロゲン原子、水素又は炭素数1〜20の炭化水素
基である。nは遷移金属原子の原子価を表し、cは0<
c≦nなる整数である。)で表される化合物である。上
記の遷移金属化合物は、単独で用いても良く、少なくと
も2種類を併用しても良い。
【0021】さらに上記の遷移金属化合物を含む触媒と
しては、遷移金属化合物に、トリエチルアルミニウム、
トリイソブチルアルミニウム等の有機アルミニウム化合
物、メチルアルモキサン等のアルモキサン化合物、及び
/又はトリチルテトラキスペンタフルオロフェニルボレ
ート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキスペンタ
フルオロフェニルボレート等のイオン性化合物を組み合
わせて用いられる。
【0022】また、上記の遷移金属化合物を含む触媒と
しては、遷移金属化合物、有機アルミニウム化合物、ア
ルモキサン化合物、及び/又はイオン性化合物等を、S
iO 2、Al23等の粒子状無機担体、ポリエチレン、
ポリスチレン等の粒子状有機ポリマー担体に担持させた
触媒として用いても良い。
【0023】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体(B)の重合方法としては、例えば、溶液
重合法、スラリー重合法、高圧イオン重合法、気相重合
法等が挙げられる。好ましくは、気相重合法、高圧イオ
ン重合法である。
【0024】本発明の溶断シール用ポリエチレン系樹脂
組成物におけるエチレンと酸素原子を含有する少なくと
も1種のエチレン系不飽和化合物との共重合体(A)と
エチレン・α−オレフィン共重合体(B)のそれぞれの
含量は、共重合体(A)の含量が90〜30重量%であ
り、共重合体(B)の含量が10〜70重量%である。
但し、溶断シール用ポリエチレン系樹脂組成物の全重量
を100重量%とする。好ましくは共重合体(A)の含
量が90〜50重量%であり、共重合体(B)の含量が
10〜50重量%であり、さらに好ましくは共重合体
(A)の含量が90〜70重量%であり、共重合体
(B)の含量が10〜30重量%であり、最も好ましく
は共重合体(A)の含量が90〜80重量%であり、共
重合体(B)の含量が10〜20重量%である。共重合
体(A)の含量が30重量%未満の場合(共重合体
(B)の含量が70重量%を超えた場合)、フィルムの
柔軟性、透明性、自己収縮性等が劣ったりすることがあ
り、共重合体(A)の含量が90重量%を超えた場合
(共重合体(B)の含量が10重量%未満の場合)、フ
ィルムの引裂強度が低下することがある。
【0025】本発明の溶断シール用ポリエチレン樹脂組
成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、例え
ば、エチレンと酸素原子を含有する少なくとも1種のエ
チレン系不飽和化合物との共重合体(A)およびエチレ
ン・α−オレフィン共重合体(B)をドライブレンドす
る方法、またはメルトブレンドする方法等が挙げられ
る。ドライブレンドには、ヘンシェルミキサー、タンブ
ラーミキサーなどの各種ブレンダーが使用され、またメ
ルトブレンドには、単軸押出機、二軸押出機、バンバリ
−ミキサー、熱ロールなどの各種ミキサーが用いられ
る。
【0026】本発明のフィルムは、公知のインフレーシ
ョンフィルム製造装置やTダイキャストフィルム製造装
置などを用いて製造される。また、本発明の溶断シール
用ポリエチレン樹脂組成物からなる層を、多層フィルム
の少なくとも1層として用いることができる。多層フィ
ルムの製造方法としては、例えば、共押出法、押出コー
ティング法(押出ラミネート法ともいう。)や、本発明
のフィルムをその他の熱可塑性樹脂からなるフィルムに
積層する方法であるドライラミネート法、ウェットラミ
ネート法、サンドラミネート法、ホットメルトラミネー
ト法等が挙げられる。その他の熱可塑性樹脂としては、
ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン樹
脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド樹脂、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ートなどのポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0027】本発明の溶断シール用ポリエチレン樹脂組
成物には、必要に応じて、酸化防止剤、滑剤、帯電防止
剤、加工性改良剤、ブロッキング防止剤等の添加剤を添
加してもよい。酸化防止剤としては、例えば、2,6−
ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、テトラキ
ス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバクペ
シャリティーケミカリズ社製商品名 IRGANOX
1010)やn−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキ
シ−3,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネー
ト(チバクペシャリティーケミカリズ社製 商品名 I
RGANOX 1076)で代表されるフェノール系安
定剤、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタ
エリスリトールジホスファイトおよびトリス(2,4−
ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどで代表され
るホファイト系安定剤等が挙げられる。
【0028】滑剤としては、例えば、高級脂肪酸アミド
や高級脂肪酸エステル等が挙げられ、帯電防止剤として
は、例えば、炭素数8〜22の脂肪酸のグリセリンエス
テルやソルビタン酸エステル、ポリエチレングリコール
エステル等が挙げられ、加工性改良剤としては、例え
ば、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩等が挙
げられ、ブロッキング防止剤としては、例えば、シリ
カ、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
【0029】必要に応じて添加される添加剤は、あらか
じめ本発明の溶断シール用ポリエチレン樹脂組成物に溶
融混練してもよく、個々に本発明の溶断シール用ポリエ
チレン樹脂組成物にドライブレンドしてもよく、または
少なくとも1種のマスターバッチを用意して、これをド
ライブレンドしてもよい。
【0030】本発明の溶断シール用ポリエチレン樹脂組
成物からなる溶断シール製品としては、溶断シールが施
される自動包装用フィルム、青果物などの食品包装材
料、日用品や文房具等の包装材料、ティッシュペーパー
や衛生生理用品等の軽包装材料、スリーブ包装材料、衣
料包装用フィルム、医薬品包装用フィルム、チャック付
袋用フィルム、ラベル等が挙げられる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例を用いて
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0032】物性の測定方法および評価方法を以下に示
した。 (1)密度(d、単位:Kg/m3) JIS K6760に従って、測定した。 (2)メルトフローレート(MFR、単位:g/10
分) JIS K6760に従って、測定した。荷重は2.1
6kgであり、温度は190℃であった。
【0033】(3)組成分布変動係数(Cx) 東ソー社製多機能LCを用いて測定した。本発明で用い
るエチレン−α−オレフィン共重合体を所定の温度14
5℃に加熱したオルトジクロルベンゼン(ODCB)溶
媒に溶解(濃度0.2g/20ml)させ、カラムオー
ブンの中の海砂を充填したカラムに入れ、オーブンの温
度を40℃/60分の速度で125℃まで下げ、125
℃から−15℃まで14時間をかけて下げた。続いて、
10℃/60分の速度で昇温し、125℃まで上昇させ
て、その間に流出した共重合体の相対濃度と分岐度をカ
ラムに接続したFT−IRで測定した。データは10℃
の間を等間隔で5点取り込んだ。設定した各温度毎に流
出した共重合体の相対濃度と主鎖炭素1000個あたり
の短鎖分岐数(SCB)を求めながら、最終温度まで上
げていった。ただし、各溶出温度と分岐度の関係は、コ
モノマーの種類に関係なく(5)式に従った。また、S
CBがマイナスになる温度では、溶出無しとした。 SCB=−0.7322×溶出温度(℃)+70.68 (式5) 得られた相対濃度と分岐度より組成分布曲線を求め、こ
の曲線から(6)式によって求められる炭素原子100
0個あたりの平均短鎖分岐数(SCBave.)と
(7)式によって求められる組成分布の標準偏差(σ)
を得て、分布の広さを表す組成分布変動係数(Cx)を
得た。 平均短鎖分岐度(SCBave.)=ΣN(i)・W(i) (式6) N(i):i番目のデータサンプリング点の短鎖分岐度 W(i):i番目のデータサンプリング点の相対濃度 即ち、ΣW(i)=1 組成分布の標準偏差(σ)={Σ(N(i)−SCBave.)2・W(i)}0.5 (式7)
【0034】(4)酸素原子を含有するエチレン系不飽
和化合物の含量(a(重量%)) エチレン−酢酸ビニル共重合体のコモノマー(酢酸ビニ
ル単位)含量の測定は、JIS K6924-2に従っ
て、測定した。 (5)冷キシレン可溶部(b(重量%)) 米国のcode of federal regulations, Food and Drugs
Administrationの§175.1520に従って、測定した。
【0035】(6)融解ピーク数 示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した。熱プレス
により作成した厚さ約0.5mmのシートから切り出し
た約10mgの試片をDSC測定用サンプルパンに入
れ、DSC中にて150℃で4分間プレメルトし、その
後5℃/分で40℃まで降温し、2分間保持させた後5
℃/分の速度で150℃まで昇温し、サーモグラムを得
て融解ピーク数を決定した。
【0036】(7)引裂強度(単位:MPa) JIS K6772に従って、測定した。すなわち、幅
40mmで長さ150mmのフィルムのMD方向および
TD方向が長辺となるように試験片を準備し、短片の中
央から長さ方向に75mmの切り込みを入れた。試験片
の切り込みを入れた両側が裏表となるように引張試験機
にとりつけ、200mm/分の速度で引裂き最大荷重を
求めた。
【0037】(8)1%正割弾性率(1%−Secan
t Modulus、単位:MPa) サンプルフィルムの長手方向がMD方向、幅方向がTD
方向となるように長さ800mm、幅20mmのサンプ
ルフィルムをそれぞれ採取した。これを引張試験機を用
いてつかみ間隔が600mmとなるようセットし、23
℃で5mm/minの引張速度で引張り、1%伸長時の
応力σ(N)を計測し、下記(式8)から1%正割弾性
率を求めた。 (1%正割弾性率(MPa))=(σ/A)×10-6 (式8) (式8中、Aはフィルムの断面積(m2)である。) この値が大きいほど包装時のフィルムのハンドリング性
が良好である。
【0038】(9)溶断ホットタック強度(単位:N/
25mm) サンプルフィルムを25mm幅の短冊状に切り、フィル
ム表面同士を合わせ、Theller社製ホットタック
強度試験機モデルHTを用いて、シールバーとして溶断
シール用バーを用いシール面圧力414KPa、シール
温度を180℃でシールを行った。3秒間シールを行っ
た後、0.375秒後に重ね合わせたフィルムの一方に
200cm/分で剥離させるに必要な強度を計測した。
この剥離強度が最大となる値をホットタック強度として
示した。このホットタック強度が強いほど、溶断シール
強度が強いことを示す。
【0039】(10)引張破断応力(単位:MPa) JIS K7127に従って、測定した。すなわち、サ
ンプルフィルムのMD方向およびTD方向が長辺となる
ように4号形試験片を準備した。これを引張試験機に標
線間が40mmになるようにセットし、23℃で試験速
度I(500mm/min)の引張速度で引張り、引張
破断応力を求めた。
【0040】使用したエチレンと酸素原子を含有する少
なくとも1種のエチレン系不飽和化合物との共重合体
(A)の物性を表1に示し、エチレン・α−オレフィン
共重合体(B)の物性を表2に示した。
【0041】実施例1〜3、比較例1〜3 エチレンと酸素原子を含有する少なくとも1種のエチレ
ン系不飽和化合物との共重合体(A)およびエチレン・
α−オレフィン共重合体(B)およびブロッキング防止
剤である合成アルミノシリケート粒子(JC−30)お
よび滑剤であるエルカ酸アミドをタンブルミキサーで混
合した。合成アルミノシリケート粒子、エルカ酸アミド
はそれぞれ全体の0.2重量%、0.05重量%となる
ように配合した。混合して得られた実施例1〜4の組成
物の組成を表3に示し、比較例1〜3の組成物の組成を
表4に示した。次に、上記で得られた組成物を田辺プラ
スチックス機械(株)社製30mmφ押出機とダイ50
mmφ、リップ開度0.8mmのインフレーション成形
機を用いて、加工温度170℃、押出量6kg/hr、
ブロー比1.8、フィルム厚み40μmの条件でフィル
ムに成形した。得られたフィルムの物性を表5、6に示
した。
【0042】
【表1】 A1:エチレン−酢酸ビニル共重合体(住友化学工業
(株)製、エバテートD2021F)
【0043】
【表2】 (注1)=4.8×10-5×(950-d)3 + 10-6×(950-d)4+1 B1:エチレン・ヘキセン−1共重合体(日本エボリュ
ー(株)製、住友化学工業(株)販売、スミカセンE F
V203) B2:エチレン・ヘキセン−1共重合体(日本エボリュ
ー(株)製、住友化学工業(株)販売、スミカセンE F
V205) B3:エチレン・ヘキセン−1共重合体(住友化学工業
(株)製、スミカセンHiα CW2003)
【0044】
【表3】 C1:合成アルミノシリケート粒子(水澤化学工業
(製)、JC−30)
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の溶断シ
ール用ポリエチレン系樹脂組成物を用いることによっ
て、引裂強度、引張破断応力および溶断シール強度に優
れる溶断シール製品を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中西 大悟 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工 業株式会社内 Fターム(参考) 3E064 BA26 BA30 BA36 BA55 BB03 BC18 EA07 4J002 BB05X BB06W BB07W BB10W BB15X FD020 FD070 FD170 FD200 GG02 4J100 AA02P AA03Q AA04Q AA15Q AA17Q AA20Q AA21Q AE03Q AE04Q AE29Q AG02Q AG04Q AG08Q AL03Q BC43Q CA04 DA13 DA14 DA43 JA58

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の要件(A−1)および(A−2)を
    満足するエチレンと酸素原子を含有する少なくとも1種
    のエチレン系不飽和化合物との共重合体(A)90〜3
    0重量%および、下記の要件(B−1)〜(B−5)を
    満足するエチレン・α−オレフィン共重合体(B)10
    〜70重量%を含有することを特徴とする溶断シール用
    ポリエチレン系樹脂組成物。(但し、溶断シール用ポリ
    エチレン系樹脂組成物の全重量を100重量%とす
    る。) エチレンと酸素原子を含有する少なくとも1種のエチレ
    ン系不飽和化合物との共重合体(A): (A−1)メルトフローレート(MFR)が0.5〜5
    g/10分である。 (A−2)酸素原子を含有するエチレン系不飽和化合物
    の共重合体(A)に対する含量(a(重量%))が1〜
    10重量%である。 エチレン・α−オレフィン共重合体(B): (B−1)α−オレフィンの炭素数が3〜12である。 (B−2)メルトフローレート(MFR)が0.5〜1
    0g/10分である。 (B−3)密度(d)が870〜930Kg/m3であ
    る。 (B−4)下記の(式1)で求められる組成分布変動係
    数(Cx)が0.7以下である。 Cx=σ/SCBave. (式1) (式中、σは組成分布の標準偏差、SCBave.は炭
    素原子1000個(1000C)当たりの短鎖分岐数の
    平均値(1/1000C)を表わす。) (B−5)冷キシレン可溶部の重量割合(b(重量
    %))が、下記の(式2)の関係を有する。 b < 4.8×10-5×(950-d)3 + 10-6×(950-d)4 + 1 (式2) (式中、bは冷キシレン可溶部の重量割合(b(重量
    %))、dはエチレン・α−オレフィン共重合体の密度
    (Kg/m3)を表わす。)
  2. 【請求項2】エチレン・α−オレフィン共重合体(B)
    が、示差走査熱量計を用いて測定される融解ピークを2
    つ以上有するエチレン・α−オレフィン共重合体である
    ことを特徴とする請求項1記載の溶断シール用ポリエチ
    レン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項1記載の溶断シール用ポリエチレン
    系樹脂組成物からなる溶断シール製品。
  4. 【請求項4】溶断シール製品がフィルムであることを特
    徴とする請求項3記載の溶断シール用製品。
  5. 【請求項5】請求項4記載のフィルムからなる包装袋。
  6. 【請求項6】請求項4記載のフィルムからなるラベル。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005524734A (ja) * 2002-05-06 2005-08-18 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー プロピレン・ベースのシーラント組成物および応用

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