JP2003183449A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物

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JP2003183449A JP2001390514A JP2001390514A JP2003183449A JP 2003183449 A JP2003183449 A JP 2003183449A JP 2001390514 A JP2001390514 A JP 2001390514A JP 2001390514 A JP2001390514 A JP 2001390514A JP 2003183449 A JP2003183449 A JP 2003183449A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 押出成形性、射出成形性、単層及び多層成形
品の耐ブリード性、耐熱変形性、塗装板やガラス板等と
のグリップ性に優れる自動車の内外装部材、建築パッキ
ン用部材、家電パッキン用部材用熱可塑性エラストマー
組成物の提供。 【解決手段】 (a)オレフィン系共重合体ゴム100
重量部、(b)共役ジエン系共重合体および/または水
添共役ジエン系共重合体50〜150重量部、(c)パ
ーオキシド分解型オレフィン系樹脂成分25〜120重
量部、及び(d)有機過酸化物0.01〜3重量部を含
有する組成物を溶融混練して得られる熱可塑性エラスト
マー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性エラスト
マー組成物に関し、特に、耐熱変形性、押出成形性、射
出成形性、単層および多層成形品の耐ブリード性、グリ
ップ性等に優れる熱可塑性エラストマー組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ゴム弾性を有する軟質材料であっ
て、加硫工程を必要とせず、熱可塑性樹脂と同様な成形
加工性及びリサイクルが可能な熱可塑性エラストマー
が、自動車部品、家電部品、電線被覆、医療用部品、履
物、雑貨等の分野で多用されている。
【0003】熱可塑性エラストマーの中でも、ビニル芳
香族化合物−共役ジエン化合物のブロック共重合体であ
るスチレン−ブタジエンブロックポリマー(SBS)や
スチレン−イソプレンブロックポリマー(SIS)など
のポリスチレン系熱可塑性エラストマーは、柔軟性に富
み、常温で良好なゴム弾性を有し、かつ、これらより得
られる熱可塑性エラストマー組成物は加工性に優れてお
り、加硫ゴムの代替品として広く使用されている。
【0004】また、これらのエラストマー中のスチレン
と共役ジエンのブロック共重合体の分子内二重結合を水
素添加したエラストマー組成物は、耐熱老化性(熱安定
性)および耐候性を向上させたエラストマーとして、さ
らに広く多用されている。
【0005】しかしながら、これらの水素添加ブロック
共重合体を用いた熱可塑性エラストマー組成物は、未だ
ゴム的特性、例えば、耐油性、加熱加圧変形率(圧縮永
久歪み)や高温時のゴム弾性に問題があり、この点を改
良するものとして、上記ブロック共重合体の水素添加誘
導体を含む組成物を架橋させて得られる架橋体が提案さ
れている(例えば、特開昭59−6236号公報、特開
昭63−57662号公報、特公平3−49927号公
報、特公平3−11291号公報及び特公平6−136
28号公報)。
【0006】しかしながら、上記公報に開示されている
水添ブロック共重合体の架橋組成物は、高温時、特に1
00℃における圧縮永久歪みが未だに不十分であり、機
械強度が低下し易いという問題があり、従来加硫ゴム用
途で要求されている性能レベルに到達していないのが現
状である。また押出成形では高温時の溶融張力が低いた
めに形状保持性が悪化し、射出成形では成形サイクルが
長くなるなど、成形加工面の問題点も多い。
【0007】また、上記公報に開示された組成物はいず
れも、ショアA硬さで40以上であり、軟化剤の添加量
を増量することによって軟化させているが、かかる場合
には、成形品表面にベタツキが発生したり、加熱応力下
において軟化剤のブリードアウトを生じ、実用上好まし
くなく、特に自動車内外装部材におけるグリップと自動
車ボディーとのグリップ性等に劣るという問題点を含ん
でいるのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑み、押出成形性、射出成形性、単層及び多層成形品
の耐ブリード性、耐熱変形性、塗装板やガラス板等との
グリップ性に優れる自動車の内外装部材、建築パッキン
用部材、家電パッキン用部材用熱可塑性エラストマー組
成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】 本発明者らは、上記の
目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、オレフィン系
共重合体ゴムに、スチレン系エラストマー及びパーオキ
シド分解型オレフィン系樹脂を配合して架橋処理するこ
とにより、グリップ性及び耐熱性に優れる熱可塑性エラ
ストマー組成物が得られることを見出し、本発明を完成
した。
【0010】すなわち、本発明の第1の発明は、(a)
オレフィン系共重合体ゴム100重量部に対して、
(b)共役ジエン系共重合体および/または水添共役ジ
エン系共重合体50〜150重量部、(c)パーオキシ
ド分解型オレフィン系樹脂成分25〜120重量部、及
び(d)有機過酸化物0.01〜3重量部を含有する組
成物を溶融混練して得られる熱可塑性エラストマー組成
物である。
【0011】また、本発明の第2の発明は、(e)エス
テル系架橋助剤0.01〜20重量部を更に含有するこ
とを特徴とする本発明の第1の発明に記載の熱可塑性エ
ラストマー組成物である。
【0012】また、本発明の第3の発明は、(a)オレ
フィン系共重合体ゴムが、DSC測定によるポリオレフ
ィンの結晶化度が20重量%以下、ムーニー粘度(ML
1+ 、試験温度125℃)が7〜90である本発明の
第1又は2の発明に記載の熱可塑性エラストマー組成物
である。
【0013】また、本発明の第4の発明は、(b)成分
中の芳香族ビニル化合物がスチレンであって、そのスチ
レン含有量が20〜45重量%であり、成分(b)の2
5℃における5重量%トルエン溶液粘度(ASTM D
―2196)が5〜500cpsであることを特徴とす
る本発明の第1〜3のいずれかの発明に記載の熱可塑性
エラストマー組成物である。
【0014】また、本発明の第5の発明は、(f)非芳
香族系ゴム用軟化剤1〜80重量部を更に含む本発明の
第1〜4のいずれかの発明に記載の熱可塑性エラストマ
ー組成物である。
【0015】また、本発明の第6の発明は、(g)無機
充填剤1〜60重量部を更に含有することを特徴とする
本発明の第1〜5のいずれかの発明に記載の熱可塑性エ
ラストマー組成物である。
【0016】また、本発明の第7の発明は、本発明の第
1〜6のいずれかの発明に記載の熱可塑性エラストマー
組成物を成形加工してなる自動車内外装部材、建築パッ
キン用部材又は家電パッキン用部材である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明を構成する成分、製造方
法、用途について以下に詳細に説明する。
【0018】1.熱可塑性エラストマー組成物の構成成
分 (1)オレフィン系共重合体ゴム(a) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物で用いるオレフィ
ン系共重合体ゴム成分(a)は、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン等のα−オレフィンが共
重合してなるエラストマーあるいはこれらと非共役ジエ
ンとが共重合してなるオレフィン系共重合体ゴムが挙げ
られる。
【0019】非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジ
エン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、
メチレンノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボル
ネン等を挙げることができる。
【0020】このようなオレフィン系共重合体ゴムとし
ては、具体的には、エチレン−プロピレン共重合体ゴ
ム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴ
ム、エチレン−1−ブテン共重合体ゴム、エチレン−1
−ブテン−非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン−プロ
ピレン−1−ブテン共重合体ゴム等のエチレン系共重合
体ゴムが挙げられる。
【0021】オレフィン系共重合体ゴム(a)のDSC
測定によるポリエチレンの結晶化度は、20重量%以下
が好ましく、より好ましくは15重量%以下であり、さ
らに好ましくは1重量%以下である。結晶化度が20重
量%を超えると、得られる熱可塑性エラストマー組成物
の柔軟性が低下する。また得られる熱可塑性エラストマ
ー組成物と極性基を有する樹脂との相容性が悪化し、剥
離や変形及びフローマークが成形品に生じ易くなり、熱
可塑性エラストマー組成物の硬度が高くなり過ぎ柔軟性
が失われてゴム的感触の製品が得られない。
【0022】ここで、結晶化度は、次の測定方法による
値である。 (i)サンプルを重量の分かったアルミパンに入れ、封
入前に100Pa以下の圧力下で24時間乾燥する。 (ii)乾燥後、速やかにサンプル容器全体の重さを測
定し加圧密封する。 (iii)DSCのサンプルホルダーにサンプル容器を
セットし、10℃/分の昇温速度で230℃まで昇温す
る。 (iv)230℃で60分維持し、試料を完全に溶融ま
たは緩和させる。 (v)昇温速度と同一速度(10℃/分)で30℃まで
冷却する。 (vi)等温結晶化過程において生成する結晶の完全度
が結晶の生成時期と無関係に一定と仮定して、結晶化熱
(ΔHc)から結晶化度を評価する。 (vii)結晶化度はHDPE(HJ560:日本ポリ
ケム、比重0.964)の結晶化熱(ΔHc)を100
としてオレフィン系共重合体ゴム(a)の結晶化熱(Δ
Hc)を重量%で標記する。
【0023】さらに、オレフィン系共重合体ゴム成分
(a)のムーニー粘度(ML1+4、試験温度125
℃)は、7〜90であることが好ましく、より好ましく
は15〜75である。ムーニー粘度(ML1+4、試験
温度125℃)が7未満では耐油性・耐熱性に乏しく、
また90を超えると成形性が劣る。
【0024】具体的な成分(a)としては、例えば、N
ordel IP 4520(EPDM、Dupont
Dow Elastomers社製)が挙げられる。
【0025】(2)共役ジエン系共重合体および/また
は水添共役ジエン系共重合体成分(b) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物で用いる共役ジエ
ン系共重合体および/またはその水添共役ジエン系共重
合体成分(b)は、共役ジエン系共重合体および該共役
重合体中の共役ジエン系部分を水素添加または一部水素
添加して得られる共重合体であって、以下の(b−1)
〜(b−3)成分が挙げられる。
【0026】(b−1)芳香族ビニル化合物−共役ジエ
ン化合物ランダム共重合体及び/又はその水素添加物 本発明で用いる芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物
ランダム共重合体としては、共役ジエン化合物と芳香族
ビニル化合物とのランダム共重合体であって、数平均分
子量が好ましくは5,000〜1,000,000であ
り、より好ましくは10,000〜350,000であ
り、多分散度(Mw/Mn)の値が10以下であり、且
つ、その共役ジエン部の1,2結合あるいは3,4結合
などのビニル結合含有量が5%以上であり、好ましくは
20〜90%である。5%未満では得られる成形品の感
触が硬くなり、本発明の目的に添わない。ここで、成分
(b−1)を構成する芳香族ビニル化合物の含有量は、
50重量%以下、好ましくは、5〜35重量%である。
50重量%を超えると得られる成形品の感触が硬くな
り、本発明の目的に添わない。
【0027】成分(b−1)における芳香族ビニル化合
物としては、例えば、スチレン、t−ブチルスチレン、
α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベ
ンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチ
ル−p−アミノエチルスチレン、ビニルトルエン、p−
第3ブチルスチレンなどのうちから1種または2種以上
が選択でき、中でもスチレンが好ましい。また、共役ジ
エン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3
−ブタジエンなどのうちから1種または2種以上が選ば
れ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組合
せが好ましい。
【0028】芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物
は、ランダムに結合しており、コルソフ[I.M.Ko
lthoff,J.Polymer Sci.,Vol
1p.429 (1946)]の方法によりブロック
状の芳香族ビニル化合物含量が全結合芳香族ビニル化合
物中10重量%以下、好ましくは5重量%以下であるの
が好ましい。また、該共重合体の水素添加物は、共役ジ
エン化合物に基づく脂肪族二重結合の少なくとも90%
が水素添加されたものが好ましい。
【0029】成分(b−1)の具体例としては、スチレ
ン・ブタジエンランダム共重合体(SBR)、水素添加
スチレン・ブタジエンランダム共重合体(HSBR)を
挙げることができる。本発明においては、SBR、HS
BRを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いて
もよい。
【0030】(b−2)芳香族ビニル化合物−共役ジエ
ン化合物ブロック共重合体及び/又はその水素添加物 成分(b−2)は、芳香族ビニル化合物を主体とする重
合体ブロックAの少なくとも2個と、共役ジエン化合物
を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とから
なるブロック共重合体及び該ブロック共重合体を水素添
加して得られる水添ブロック共重合体である。例えば、
A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−A等の
構造を有する芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物の
ブロック共重合体及びその水添ブロック共重合体であ
る。
【0031】上記(水添)ブロック共重合体(以下、
(水添)ブロック共重合体とは、ブロック共重合体、及
び/又は、水添ブロック共重合体を意味する。)は、芳
香族ビニル化合物を5〜60重量%、好ましくは、20
〜50重量%含む。
【0032】芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブ
ロックAは、好ましくは芳香族ビニル化合物のみから成
るか、または芳香族ビニル化合物50重量%以上、好ま
しくは70重量%以上と(水素添加された)共役ジエン
化合物(以下、(水素添加された)共役ジエン化合物と
は、共役ジエン化合物、及び/又は、水素添加された共
役ジエン化合物を意味する)との共重合体ブロックであ
る。
【0033】(水素添加された)共役ジエン化合物を主
体とする重合体ブロックBは、好ましくは(水素添加さ
れた)共役ジエン化合物のみから成るか、または(水素
添加された)共役ジエン化合物50重量%以上、好まし
くは70重量%以上と芳香族ビニル化合物との共重合体
ブロックである。
【0034】これらの芳香族ビニル化合物を主体とする
重合体ブロックA、(水素添加された)共役ジエン化合
物を主体とする重合体ブロックBのそれぞれにおいて、
分子鎖中の芳香族ビニル化合物または(水素添加され
た)共役ジエン化合物の分布は、ランダム、テーパード
(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加または減少するも
の)、一部ブロック状またはこれらの任意の組合せであ
っていてもよい。
【0035】芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブ
ロックAあるいは(水素添加された)共役ジエン化合物
を主体とする重合体ブロックBが2個以上ある場合に
は、それぞれが同一構造であっても異なる構造であって
もよい。
【0036】(水添)ブロック共重合体を構成する芳香
族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレンな
どのうちから1種または2種以上が選択され、中でもス
チレンが好ましい。また共役ジエン化合物としては、例
えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうち
から1種または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、
イソプレンおよびこれらの組合せが好ましい。
【0037】共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
ックBにおけるミクロ結合は任意に選ぶことができる。
ブタジエンブロックにおいては、1,2−ミクロ構造が
下限は1%以上、好ましくは5%以上、更に好ましくは
10%以上、上限は95%以下、好ましくは80%以
下、更に好ましくは75%以下である。
【0038】成分(b−2)の水添ブロック共重合体に
おける水添率は、任意に選択することができ、未水添ブ
ロック共重合体の特性を維持しながら耐熱劣化性等を向
上させる場合には、共役ジエンに基づく脂肪族二重結合
を下限は3%以上、好ましくは5%以上、更に好ましく
は7以上、より更に好ましくは9%以上、上限は85%
未満、好ましくは80%未満、更に好ましくは75%未
満、より更に好ましくは60%未満水添することが好ま
しい。また、水添後の1,2−ビニル結合が0.5〜1
2%が好ましく、より好ましくは10%未満、更に好ま
しくは5%以下、より更に好ましくは3%以下である。
【0039】また、耐熱劣化性及び耐候性を向上させる
場合には80%以上、好ましくは90%以上水添するこ
とが推奨される。また、ポリイソプレンブロックにおい
ては、該イソプレン化合物の70〜100重量%が1,
4−ミクロ構造を有し、かつ該イソプレン化合物に基づ
く脂肪族二重結合の少なくとも90%が水素添加された
ものが好ましい。
【0040】上記した構造を有する本発明に供する水添
ブロック共重合体の重量平均分子量は、好ましくは5,
000〜1,500,000であり、より好ましくは1
0,000〜550,000、さらに好ましく50,0
00〜400,000の範囲である。分子量分布(重量
平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw
/Mn))は好ましくは10以下、更に好ましくは5以
下、より好ましくは、2以下である。水添ブロック共重
合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこ
れらの任意の組合せのいずれであってもよい。なお、本
発明における分子量はGPCにより、分子量が既知であ
るポリスチレンを基準として求めた値である。従って、
該値は相対的な値であり、絶対値ではなく、さらに、基
準サンプル、装置、データ処理方法等GPCの各条件に
より±30%程度のばらつきが有り得る。
【0041】ブロック共重合体の溶液粘度(5%トルエ
ン溶液、77°F、ASTM D−2196)の範囲
は、5〜500cpsが好ましく、より好ましくは20
〜300cpsである。
【0042】これらのブロック共重合体の製造方法とし
ては数多くの方法が提案されているが、代表的な方法と
しては、例えば特公昭40−23798号明細書に記載
された方法により、リチウム触媒またはチーグラー型触
媒を用い、不活性溶媒中にてブロック重合させて得るこ
とができる。上記方法により得られたブロック共重合体
に、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下にて水素添加
することにより水添ブロック共重合体が得られる。
【0043】上記(水添)ブロック共重合体の具体例と
しては、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(S
BS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(S
IS)、スチレン−エチレン・ブテン−スチレン共重合
体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−ス
チレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エ
チレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEEP
S)、部分水添スチレン−ブタジエン−スチレン共重合
体(SBBS)等を挙げることができる。本発明におい
ては、該(水添)ブロック共重合体は、単独で用いても
よく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0044】(b−3)共役ジエン化合物ブロック共重
合体及び又は/その水素添加物 本発明で用いる共役ジエン化合物ブロック共重合体及び
又は/その水素添加物としては、例えば、ブタジエンの
ブロック共重合体、ブタジエンのブロック共重合体を水
素添加して得られる結晶性エチレンブロックと非晶性エ
チレン−ブテンブロックを有するブロック共重合体(C
EBC)等が挙げられる。本発明においては、共役ジエ
ン化合物ブロック共重合体及び又は/その水素添加物物
は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いても
よい。
【0045】成分(b)の配合量は、成分(a)100
重量部に対して、50〜150重量部であり、好ましく
は60〜100重量部である。配合量が50重量部未満
では、得られる熱可塑性エラストマー組成物のグリップ
性が失われる。150重量部を超えると、得られる熱可
塑性エラストマー組成物のグリップ性が低下する。
【0046】(3)パーオキシド分解型オレフィン系樹
脂成分(c) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物で用いるパーオキ
シド分解型オレフィン系樹脂成分(c)は、得られる熱
可塑性エラストマー組成物のゴム分散を良好にし、かつ
成形品の外観を良好にすると共に、硬度及び収縮率の調
整に効果を有するものである。成分(b)は、パーオキ
シドの存在下に加熱処理することによって熱分解して分
子量を減じ、溶融時の流動性が増大するオレフィン系の
重合体又は共重合体であり、例えば、アイソタクチック
ポリプロピレンやプロピレンと他のα−オレフィン例え
ばエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−
1−ペンテン、1−オクテンなどとの共重合体を挙げる
ことができる。
【0047】上記オレフィン系共重合体のホモ部分のD
SC測定による融点は、好ましくは、Tmが150〜1
67℃、△Hmが25〜83mJ/mgの範囲のもので
ある。結晶化度はDSC測定のTm、△Hmから推定す
ることができる。Tm、△Hmが上記の範囲外では、得
られるエラストマー組成物の耐油性や100℃以上にお
けるゴム弾性が改良されない。
【0048】また、成分(c)のメルトフローレート
(MFR、ASTM D‐1238、L条件、230
℃)は、好ましくは0.1〜200g/10分、更に好
ましくは0.5〜100g/10分である。MFRが
0.1g/10分未満では、得られるエラストマー組成
物の成形性が悪化し、200g/10分を超えると、得
られるエラストマー組成物の機械的強度が低下する。
【0049】成分(c)の配合量は、成分(a)100
重量部に対して、25〜120重量部、好ましくは50
〜100重量部である。120重量部を超えると、得ら
れる熱可塑性エラストマー組成物の硬度が高くなり過ぎ
柔軟性が失われてゴム的感触の製品が得られず、従っ
て、例えば、自動車の内外装部材のリップとして用いた
場合、自動車ボディーとのグリップ性が悪化する。25
重量部以下では成形性が悪化し、剥離や変形及びフロー
マークが成形品に生じ易くなる。
【0050】(4)有機過酸化物成分(d) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物で用いる有機過酸
化物成分(d)は、ラジカルを発生せしめ、そのラジカ
ルを連鎖的に反応させて、成分(a)および(b)を架
橋せしめる働きをするの。また同時に、成分(c)を分
解又は架橋して溶融混練時の組成物の流動性をコントロ
ールしてゴム成分の分散を良好にせしめる。成分(d)
としては、例えば、ジクミルパーオキシド、ジ−ter
t−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−
ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5
−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキ
シ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルパ
ーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(te
rt−ブチルパーオキシ)−3、3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−
ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキシ
ド、p−クロロベンゾイルパーオキシド、2,4−ジク
ロロベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオ
キシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネート、ジアセチルパーオキシド、ラウロ
イルパーオキシド、tert−ブチルクミルパーオキシ
ド等を挙げることができる。これらのうちで、臭気性、
着色性、スコーチ安全性の観点から、2,5−ジメチル
−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチ
ルパーオキシ)ヘキシン−3が特に好ましい。
【0051】成分(d)の配合量は、成分(a)100
重量部に対して、0.01〜3重量部、好ましくは0.
02〜1重量部である。配合量が0.01重量部未満で
は、架橋を十分達成できず、得られる熱可塑性エラスト
マー組成物の耐熱性、機械的強度が低い。一方、3重量
部を超えると、成形性が悪くなる。
【0052】(5)エステル系架橋助剤成分(e) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、必要
に応じて、エステル系架橋助剤成分(e)を用いること
ができる。成分(e)は、本発明の熱可塑性エラストマ
ー組成物の上記(d)有機過酸化物による架橋処理に際
して配合することができ、これにより均一、かつ、効率
的な架橋反応を行うことができる。また、多量に配合す
ることにより、非芳香族系ゴム用軟化剤、特に、低分子
量パラフィン系オイル等を適度に架橋し、熱可塑性エラ
ストマー組成物からのブリードアウトを抑制することが
できる。
【0053】成分(e)の具体例としては、例えば、ト
リアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリ
エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレング
リコールジメタクリレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、アリルメタクリレートのような多官
能性メタクリレートモノマー、ビニルブチラート又はビ
ニルステアレートのような多官能性ビニルモノマーを挙
げることができる。これらの架橋助剤のうち、トリエチ
レングリコールジメタクリレートとポリエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメ
タクリレートが特に好ましい。
【0054】成分(e)の配合量は、配合する場合は、
成分(a)100重量部に対して0.01〜20重量
部、好ましくは0.02〜10重量部、特に好ましくは
0.05〜3重量部以下である。20重量部を超える
と、自己重合性により架橋の度合が低下して効果が得ら
れなくなる。
【0055】(6)非芳香族系ゴム用軟化剤成分(f) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、必要
に応じて、非芳香族系ゴム用軟化剤成分(f)を配合す
ることができる。成分(f)としては、非芳香族系の鉱
物油または液状もしくは低分子量の合成軟化剤を挙げる
ことができる。ゴム用として用いられる鉱物油軟化剤
は、芳香族環、ナフテン環およびパラフィン鎖の三者の
組み合わさった混合物であって、パラフィン鎖炭素数が
全炭素数の50%以上を占めるものはパラフィン系、ナ
フテン環炭素数が30〜40%のものはナフテン系、芳
香族炭素数が30%以上のものは芳香族系と呼ばれて区
別されている。
【0056】本発明の成分(f)として用いられる鉱物
油系ゴム用軟化剤は、区分でパラフィン系およびナフテ
ン系のものである。芳香族系の軟化剤は、その使用によ
り成分(b)が可溶となり、架橋反応を阻害し、得られ
る組成物の物性の向上が図れないので好ましくない。本
発明の成分(f)としては、パラフィン系のものが好ま
しく、更にパラフィン系の中でも芳香族環成分の少ない
ものが特に適している。また、液状もしくは低分子量の
合成軟化剤としては、ポリブテン、水素添加ポリブテ
ン、低分子量ポリイソブチレン等が挙げられる。
【0057】これらの非芳香族系ゴム用軟化剤の性状
は、37.8℃における動的粘度が20〜50000c
St、100℃における動的粘度が5〜1500cs
t、流動点が−10〜−15℃、引火点(COC)が1
70〜300℃を示すのが好ましい。さらに、重量平均
分子量が100〜2,000のものが好ましい。
【0058】成分(f)の配合量は、配合する場合は、
成分(a)100重量部に対して、1〜80重量部、好
ましくは20〜60重量部である。配合量が80重量部
を超えると、得られる熱可塑性エラストマー組成物から
軟化剤がブリードアウトしやすく、剥離や変形及びフロ
ーマークが成形品に生じ易くなる。
【0059】(7)無機充填剤成分(g) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、必要
に応じて、無機充填剤成分(g)を配合することができ
る。成分(g)は、熱可塑性エラストマー組成物から得
られる成形品の圧縮永久歪みなど一部の物性を改良する
効果のほかに、増量による経済上の利点を有する。成分
(g)としては、炭酸カルシウム、緑泥石、タルク、シ
リカ、珪藻土、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、水酸
化マグネシウム、マイカ、クレー、酸化チタン、カーボ
ンブラック、ガラス繊維、中空ガラスバルーン、炭素繊
維、チタン酸カルシウム繊維、天然けい酸、合成けい酸
(ホワイトカーボン)等が挙げられる。これらのうち、
炭酸カルシウム、緑泥石、タルクが特に好ましい。
【0060】成分(g)の配合量は、成分(a)100
重量部に対して、配合する場合は、1〜60重量部が好
ましく、より好ましくは10〜50重量部である。60
重量部を超えると、得られる熱可塑性エラストマー組成
物の機械的強度の低下が著しく、かつ、硬度が高くなっ
て柔軟性が失われ、グリップ力が低下する。
【0061】(8)その他の成分(h) なお、本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、上記
の成分の他に、さらに必要に応じて、各種のブロッキン
グ防止剤、シール性改良剤、熱安定剤、酸化防止剤、光
安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、結晶核剤、着色剤等を含
有することも可能である。ここで、酸化防止剤として
は、例えば、2,6−ジ−tert−p−ブチル−p−
クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノー
ル、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノー
ル、4,4−ジヒドロキシジフェニル、トリス(2−メ
チル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニ
ル)ブタン等のフェノール系酸化防止剤、ホスファイト
系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等が挙げられ
る。このうちフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系
酸化防止剤が特に好ましい。酸化防止剤は、上記の成分
(a)〜(f)の合計100重量部に対して、0〜3.
0重量部が好ましく、特に好ましくは0.1〜1.0重
量部である。
【0062】2.熱可塑性エラストマー組成物の製造 本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、上記成分
(a)〜(d)、又は必要に応じて成分(e)〜(f)
を加えて、各成分を同時にあるいは任意の順に加えて溶
融混練することにより製造することができる。
【0063】溶融混練の方法は、特に制限はなく、通常
公知の方法を使用し得る。例えば、単軸押出機、二軸押
出機、ロール、バンバリーミキサー又は各種のニーダー
等を使用し得る。例えば、適度なL/Dの二軸押出機、
バンバリーミキサー、加圧ニーダー等を用いることによ
り、上記操作を連続して行うこともできる。ここで、溶
融混練の温度は、好ましくは160〜220℃である。
【0064】3.熱可塑性エラストマー組成物の用途 本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、多層射出成形
性、多層押出成形性、耐熱変形性、塗装板やガラス板と
のグリップ性に優れるため、自動車の内外装部材、建築
パッキン用部材、家電パッキン用部材等の材料として用
いることができ、該部材と金属、ガラスとのグリップ性
を改良することができる。
【0065】
【実施例】本発明を以下の実施例、比較例によって具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。なお、本発明で用いた物性の測定法及び試
料を以下に示す。
【0066】1.物性測定方法 (1)比重:JIS K 7112に準拠し、測定を行
なった。 (2)硬度:JIS K 6253に準拠し、試験片は
6.3mm厚プレスシートを用いた。 (3)引張強さ:JIS K 6251に準拠し、試験
片は1mm厚プレスシートを、ダンベルで3号型に打抜
いて使用した。引張速度は500mm/分とした。(室
温及び100℃で測定した。) (4)100%伸び応力:JIS K 6251に準拠
し、試験片は1mm厚プレスシートを、ダンベルで3号
型に打抜いて使用した。引張速度は500mm/分とし
た。 (5)破断伸び:JIS K 6251に準拠し、試験
片は1mm厚プレスシートを、ダンベルで3号型に打抜
いて使用した。引張速度は500mm/分とした。 (6)静摩擦係数:HEIDON社製ボール圧子式摩耗
試験機(HEIDON−14DK:新東科学)を用いて
SUSボール圧子を摩耗冶具セットし、さらに押出成形
シート表面に摩耗冶具をのせ、垂直荷重200g、移動
速度200mm/分、移動距離50mmにて測定を行っ
た。 (7)グリップ性:塗装板またはガラス板の上に、垂直
荷重200g/cmにて、押出成形シートをのせ、引
張試験機を用いて、引張速度10mm/分で引張り、動
き始める応力の測定を行った。 (8)圧縮永久歪み(CS%):JIS K 6262
に準拠し、試験片は6.3mm厚プレスシート使用し
た。100℃×22時間、25%変形の条件にて測定し
た。 (9)押出成形性:50mm×1mmのシートを押出成
形し、ドローダウン性、表面外観や形状を観察し、次の
基準で評価した。 ○:良い ×:悪い (10)射出成形性:130mm×130mm×2mm
のシートを射出成形し、その外観を目視により観察し、
フローマーク、ヒケ発生の有無を次の基準で評価した。 ○:良い ×:悪い (11)耐ブリード性:折り曲げてクリップで固定した
押出シートを室温と110℃の雰囲気で168時間放置
し、低分子量物のブリード及びブルーミングの有無を目
視により観察し、次の基準で評価した。 ○:良い ×:悪い
【0067】2.実施例及び比較例において用いた試料 (1)オレフィン系共重合体ゴム(a):Nordel
IP 4520(EPDM;Dupont Dow
Elastomers社製) ムーニー粘度(ML1+4、試験温度125℃):20 結晶化度:1%以下 (2)SBSブロック共重合体成分(b−2):VEC
TOR2518(商標;DEXCO POLYMERS
社製)スチレン含有量:30重量% 溶液粘度75cps(5%トルエン溶液、77°F、A
STM D−2196) (3)水添ブロック共重合体成分(b−2):セプトン
4077(商標;クラレ株式会社製)、スチレン含有
量:30重量%、数平均分子量:260,000、重量
平均分子量:320,000、分子量分布:1.23、
水素添加率:90%以上 (4)パーオキサイド分解型ポリプロピレン成分
(c):PP−BC8(商標;日本ポリケム株式会社
製)、結晶化度:Tm166℃、△Hm82mJ/m
g、MFR1.8g/10分 (5)有機過酸化物成分(d):パーヘキサ25B(商
標;日本油脂株式会社製) (6)架橋助剤成分(e):TMPT(Trimeth
ylol Propane Trimethacryl
ate;新中村化学株式会社製)分子量:338 (7)軟化剤成分(f):ダイアナプロセスオイル P
W−90(商標;出光興産株式会社製) (8)炭酸カルシウム成分(g):NS400(商標;
三共精粉株式会社製) (9)ヒンダードフェノール/フォスファイト/ラクト
ン系複合酸化防止剤成分(h):HP2215(商標;
チバスペシャリティケミカルズ製)
【0068】実施例1〜4、比較例1〜6 表1及び表2に示す量の各成分を用い、L/Dが47の
二軸押出機に投入して、混練温度180℃、スクリュー
回転数350rpmで溶融混練をして、ペレット化し
た。次に、得られたペレットを射出成形して試験片を作
成し、夫々の試験に供した。評価結果を表1及び表2に
示す。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】表1及び表2より明らかなように、本発明
の熱可塑性エラストマー組成物である実施例1〜4は、
任意成分である成分(e)〜(h)の有無にかかわら
ず、いずれの熱可塑性エラストマー組成物も良好な性状
を示した。
【0072】一方、比較例1及び2は、成分(b)の配
合量を本発明の範囲外にしたものである。成分(b)が
少ないと、グリップ性が悪化し、成分(b)が多いと、
摩擦係数は低くなり、グリップ性が損なわれる。比較例
3及び4は、成分(c)の配合量を本発明の範囲外にし
たものである。成分(c)が少ないと、耐熱性、機械特
性、成形性が悪化し、成分(c)が多いと、摩擦係数は
低くなり、グリップ性が損なわれる。比較例5及び6
は、成分(d)の配合量を本発明の範囲外にしたもので
ある。成分(d)が少ないと、架橋が十分に行われず、
耐熱性、成形性が十分でなく、成分(d)が多いと、架
橋が進み過ぎて、グリップ性が損なわれる。
【0073】
【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマー組成物
は、押出成形性、射出成形性、単層および多層成形品の
耐ブリード性、耐熱変形性、塗装板やガラス板等とのグ
リップ性に優れる自動車の内外装部材、建築パッキン用
部材、家電パッキン用部材に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/14 C08K 5/14 C08L 9/00 C08L 9/00 C09K 3/10 C09K 3/10 K F16J 15/10 F16J 15/10 X Fターム(参考) 3D023 BA01 BE01 3J040 EA15 FA06 HA02 HA06 HA21 4H017 AA04 AB07 AC02 AD01 AE03 4J002 AC08W BB12Y BB14Y BB15X CH024 DA019 DE079 DE139 DE239 DG049 DJ009 DJ019 DJ039 DJ049 DJ059 DL009 EA018 EA028 EA038 EC079 EH077 EK026 EK036 EK046 EK056 EU197 FA049 GJ02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)オレフィン系共重合体ゴム100
    重量部に対して、(b)共役ジエン系共重合体および/
    または水添共役ジエン系共重合体50〜150重量部、
    (c)パーオキシド分解型オレフィン系樹脂成分25〜
    120重量部、及び(d)有機過酸化物0.01〜3重
    量部を含有する組成物を溶融混練して得られる熱可塑性
    エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 (e)エステル系架橋助剤0.01〜2
    0重量部を更に含有することを特徴とする請求項1に記
    載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 (a)オレフィン系共重合体ゴムが、D
    SC測定によるポリオレフィンの結晶化度が20重量%
    以下、ムーニー粘度(ML1+4、試験温度125℃)
    が7〜90である請求項1又は2に記載の熱可塑性エラ
    ストマー組成物。
  4. 【請求項4】 (b)成分中の芳香族ビニル化合物がス
    チレンであり、該スチレンの含有量が20〜45重量%
    であり、(b)成分の25℃における5重量%トルエン
    溶液粘度(ASTM D―2196)が5〜500cp
    sであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 【請求項5】 (f)非芳香族系ゴム用軟化剤1〜80
    重量部を更に含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    熱可塑性エラストマー組成物。
  6. 【請求項6】 (g)無機充填剤1〜60重量部を更に
    含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項
    に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱
    可塑性エラストマー組成物を成形加工してなる自動車内
    外装部材、建築パッキン用部材又は家電パッキン用部
    材。
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JP2007002886A (ja) * 2005-06-22 2007-01-11 Mitsubishi Chemicals Corp ガスケット用の熱可塑性エラストマー組成物及びガスケット

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