JP2003181969A5 - - Google Patents

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【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、特定の層構成の熱可塑性樹脂フィルムを形成することによって所期の特性を有する易剥離性積層フィルムを提供し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、熱可塑性樹脂からなる基層(A)、層間剥離性層(B)、表面層(C)が順に積層された積層フィルムであって、層間剥離性層(B)の剥離強度を5〜100g/cm幅にし、表面層(C)の破断強度を500g/cm幅以下にすることにより、剥離を開始するための特殊な加工を必要としない易剥離性積層フィルムを提供するものである。
【0009】
官能基含有ポリオレフィン系樹脂のより具体的な例としては、前記オレフィン類と共重合可能な官能機含有モノマーとの共重合体があげられる。かかる官能機含有モノマーとしては、スチレン、αメチルスチレンなどのスチレン類、酢酸ビニル、ビニルアルコール、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ブチル安息香酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類、アクリル酸、メタクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メタロール(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル酸エステル類((メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステルとメタクリ酸エステルを指す)、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、フェニルビニルエーテルなどのビニルエーテル類が特に代表的である。これら官能機含有モノマーの中から必要に応じ1種類もしくは2種類以上を適宜選択し重合したものを用いることができる。
更にこれらポリオレフィン系樹脂及び官能機含有ポリオレフィン系樹脂を必要によりグラフト変性して使用することも可能である。
【0011】
基層(A)の熱可塑性樹脂としては、上記の熱可塑性樹脂の中から1種を選択して単独で使用してもよいし、2種以上を選択して組み合わせて使用してもよい。
更にこれらポリオレフィン系樹脂および官能機含有ポリオレフィン系樹脂の中でも、プロピレン系樹脂が、耐薬品性、コストの面などから好ましい。プロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体でありアイソタクティックないしはシンジオタクティック及び種々の程度の立体規則性を示すポリプロピレン、プロピレンを主成分とし、これと、エチレン、1−ブテン、1−ヘキン、1−ヘプン、4−メチル−1−ペンテン等のαオレフィンとを共重合させた共重合体を主成分として使用することが望ましい。この共重合体は、2元系でも3元系以上でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体であってもよい。プロピレン系樹脂には、プロピレン単独重合体よりも融点が低い樹脂を2〜25重量%配合して使用することが好ましい。そのような融点が低い樹脂として、高密度ないしは低密度のポリエチレンを例示することができる。
【0015】
基層(A)の肉厚は10〜500μm、好ましくは20〜300μmの範囲である。10μm未満では基層(A)の破断強度が低く、基層(A)を持って表面層(C)から引き剥がした時に、途中で破断してしまい本発明の所期の性能を発揮しない。又、500μmを越えてしまうと易剥離性積層フィルムの腰が高くなり、隠蔽シール、貼り替え防止用ラベル等に使用する場合の加工、印刷適性が低下する。
基層(A)は、2層構造、3層以上の多層構造のものであってもよく、この多層構造の延伸軸数が1軸/1軸、1軸/2軸、2軸/1軸、2軸/2軸、1軸/1軸/2軸、1軸/2軸/1軸、2軸/1軸/1軸、1軸/2軸/2軸、2軸/2軸/1軸、2軸/2軸/2軸であっても良い。基層(A)の多層化により筆記性、印刷性、熱転写適性、耐擦過性、2次加工適性等の様々な機能の付加が可能となる。
【0018】
層間剥離性層(B)の厚みは0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5μmの範囲である。0.1μm未満では、十分な剥離性が得られず、10μmを越えては剥離強度には問題はないが、剥離面が均一とはならず凸凹となるため剥離面に印字したり、剥がした基層(A)を管理票等としてバーコード印字する場合に問題となる。
層間剥離性層(B)は延伸樹脂フィルム層であることが好ましく、延伸成形により厚みが薄く、均一性の取れた層間剥離性層(B)を得る事が可能となる。更に無機及び/又は有機フィラーを含有する層間剥離性層(B)を延伸することにより層間剥離性層(B)に微細な空孔を形成し強度を低下することが可能となり、本発明の目的とする層間剥離性層(B)の剥離強度を得ることができる。さらに層間剥離性層(B)は延伸されることにより延伸方向の強度が強くなる。そのため延伸されていない方向である厚み方向の強度は、延伸方向の強度と比べて低くなることから、剥離が層間剥離性層(B)内部を伝播し易く本発明の目的とする剥離性が容易に得られ、又、不必要な剥離が発生しにくい易剥離性積層フィルムを得ることが可能である。
【0024】
【式1】
Figure 2003181969
また、延伸により形成された微細なボイドにより光拡散が発生し不透明度が高くすることが容易となり、本発明の目的とする不透明度の易剥離性積層フィルム容易に得ることができる。
【0025】
[剥離強度]
易剥離性積層フィルムを恒温室(温度20℃、相対湿度65%)に12時間保管した後、表面層(C)面に粘着テープ(ニチバン(株)製、商品名「セロハンテープ」)を貼着し、これを幅10mm、長さ100mmに切り取り、引張試験機(島津制作所製、AUTOGRAPH)を使用し、引張速度300mm/分にて、180゜の角度で基層(A)と表面層(C)の剥離を層間剥離性層(B)にて発生させ、剥離が安定している時の応力をロードセルにより測定し、横方向と縦方向の平均値をもって、本発明の剥離強度とした。本発明の剥離強度は5〜150g/cmであり、好ましくは7〜100g/cmである。剥離強度が5g/cm未満では、印刷、印字、断等の二次加工時の給排紙において簡単に剥離が生じる欠点があり、二次加工性に問題がある。150g/cm幅を超えては、基層(A)と表面層(C)が剥離しないか、剥離に要する応力を高くする必要があり実用的でない。また層間剥離性層(B)以外の箇所での材料破壊が起き、剥離面に毛羽立ちが発生する。
【0026】
[破断強度]
易剥離性積層フィルムを恒温室(温度20℃、相対湿度65%)に12時間保管した後、幅10mm、長さ100mmに切り取り、更に表面層(C)面の長手方向の半分まで粘着テープ(ニチバン(株)製、商品名「セロハンテープ」)で補強する。粘着テープで補強された部分の表面層(C)を基層(A)より手で引き剥がし破断強度測定用のサンプルを作成する。作成したサンプルの表面層(C)剥離していない部分と、粘着テープで補強し剥離した表面層(C)部分とを引張試験機(島津製作所製、AUTOGRAPH)にセットし、引張速度300mm/分にて表面層(C)を破断時の荷重を読み取り、横方向と縦方向の平均値をもって、本発明の破断強度とした
本発明の表面層(C)の破断強度は、500g/cm以下であり、好ましくは400g/cm以下、更に好ましくは300g/cm以下である。表面層(C)の破断強度が500g/cmよりも高いと、表面層(C)を基層(A)から引き剥がすためには、表面層(C)のみにノッチやスリットなどの特殊な加工を必要とし、本発明の所期の性能を発揮しない。
【0030】
粘着剤層の形成は、後述する離型紙へ粘着剤を塗工し、必要により乾燥を行い、粘着剤層を形成したものに、易剥離性積層フィルムを積層する方法が一般的であるが、場合によっては易剥離性積層フィルムに直接に粘着剤を塗工して形成することもできる。
該粘着剤の塗工量は特に限定されないが、通常は固形分量で3〜60g/m2 、好ましくは10〜40g/m2 の範囲である。又、この粘着剤層の層間剥離強度は200〜3000g/20mmであり、且つ層間剥離性層(B)の剥離強度よりは強いことが好ましい。
【0034】
このような塗工剤を前記フィルムに塗工する塗工方法及び手段としては、具体的には、グラビア塗工、メイヤーバー塗工、ロール塗工、ブレード塗工、サイズプレス塗工、ホットメルト塗工等の塗工手段を採用することができる。塗工量としては、0.1〜50g/m2 、好ましくは1〜15g/m2 である。その際のコート層の厚みは、0.05〜50μm、好ましくは0.5〜20μm、特に好ましくは5〜15μmの肉厚でフィルムの片面又は両面に形成される。
塗工表面は必要に応じてカレンダー処理等によりプレススムージング処理を行っても良い。また塗工は必要により2回以上行っても良い。
【0035】
[酸化処理]
本発明の易剥離性積層フィルムの表面には、必要に応じて、コロナ処理等の表面酸化処理を行う。
表面酸化処理としては、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、グロー放電処理、オゾン処理より選ばれた少なくとも一種の処理方法であり、好ましくはコロナ処理、フレーム処理である。処理量はコロナ処理の場合、600〜12,000J/m2 (10〜200W・分/m2 )、好ましくは1200〜9000J/m2 (20〜150W・分/m2 )である。600J/m2 (10W・分/m2 )未満では、コロナ放電処理の効果が不十分で、その後の表面改質の効果が発揮されず、また12,000J/m2 (200W・分/m2 )超では処理の効果が頭打ちとなるので12,000J/m2 (200W・分/m2 )以下で十分である。フレーム処理の場合、8,000〜200,000J/m2 、好ましくは20,000〜100,000J/m2 が用いられる。8,000J/m2 未満では、フレーム処理の効果が不十分で、その後の表面改質の効果が発揮されず、また200,000J/m2 超では処理の効果が頭打ちとなるので200,000J/m2 以下で十分である。
【0037】
【実施例】
以下に実施例、比較例および試験例を用いて、本発明を更に具体的に説明する。以下に示す材料、使用量、割合、操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではない。
なお、以下に記載される%は、特記しない限り重量%である。本発明で使用する熱可塑性樹脂組成物を表1にまとめて示す。
【0039】
【実施例1】
熱可塑性樹脂組成物eを(B)層、熱可塑性樹脂組成物bを(A1)層とし、230℃に設定した押出機にて混練した後、250℃に設定したダイに供給し、シート状に押し出し、これを冷却装置により冷却して2層の無延伸シートを得た。この無延伸シートを140℃に加熱して縦方向に4倍延伸した。
熱可塑性樹脂組成物iを(C)層として190℃に設定した押出機で混練した後、230℃に設定したダイに供給し、シート状に押し出して4倍延伸フィルムの(B)層側に積層し、更に熱可塑性樹脂組成物cを(A2)層、熱可塑性樹脂組成物dを(A3)層とし、250℃に設定した押出機で混練した後、250℃に設定した一台の共押出ダイに供給し、ダイ内で積層したものをシート状に押し出して4倍延伸フィルムの(A1)層側に積層し、5層構造の積層フィルムを得た。次いで、この5層構造の積層フィルムを60℃まで冷却し、テンターオーブンを用いて再び約140℃に加熱して横方向に8.0倍延伸した後、155℃に調整した熱セットゾーンにより熱処理を行った。その後60℃に冷却して耳部をスリットし、5層〔(C)/(B)/(A1)/(A2)/(A3):肉厚3/1/39/22/5μm:延伸層構成1軸/2軸/2軸/1軸/1軸〕構造の肉厚70μmの積層フィルムを得た。得られた易剥離性フィルムの不透明度、層間剥離性層(B)の剥離強度、表面層(C)の破断強度を上記手法にて測定した。結果を表2に示す。
【0040】
【実施例2】
熱可塑性樹脂組成物kを(C)層とし180℃に設定した押出機にて混練し、熱可塑性樹脂組成物fを(B)層、熱可塑性樹脂組成物aを(A1)層、熱可塑性樹脂組成物dを(A2)層とし、それぞれ230℃に設定した押出機にて混練した後、250℃に設定した一台の共押出ダイに供給し、ダイ内で積層したものをシート状に押し出し、これを冷却装置により冷却して4層の無延伸シートを得た。この無延伸シートを80℃に加熱して縦方向に6倍延伸し、110℃に調整した熱セットロール群により熱処理を行った。その後60℃に冷却して耳部をスリットし、4層〔(C)/(B)/(A1)/(A2):肉厚5/5/25/20μm:延伸層構成1軸/1軸/1軸/1軸〕構造の肉厚55μmの積層フィルムを得た。得られた易剥離性フィルムの不透明度、層間剥離性層(B)の剥離強度、表面層(C)の破断強度を上記手法にて測定した。結果を表2に示す。
【0041】
【実施例3】
熱可塑性樹脂組成物hを(C)層とし180℃に設定した押出機にて混練し、熱可塑性樹脂組成物cを(B)層、熱可塑性樹脂組成物aを(A1)層、熱可塑性樹脂組成物bを(A2)層とし、それぞれ230℃に設定した押出機にて混練した後、250℃に設定した一台の共押出ダイに供給し、ダイ内で積層したものをシート状に押し出し、これを冷却装置により冷却して4層の無延伸シートを得た。この無延伸シートを120℃に加熱して縦方向に5倍延伸し、60℃まで冷却した。次いで、テンターオーブンを用いて再び約140℃に加熱して横方向に7倍延伸した後、160℃に調整した熱セットゾーンにより熱処理を行った。その後、60℃に冷却して、コロナ放電処理し、耳部をスリットして4層〔(C)/(B)/(A1)/(A2):肉厚1/2/90/7μm:延伸層構成2軸/2軸/2軸/2軸〕構造の肉厚100μmの積層フィルムを得た。得られた易剥離性フィルムの不透明度、層間剥離性層(B)の剥離強度、表面層(C)の破断強度を上記手法にて測定した。結果を表2に示す。
【0042】
【実施例4】
熱可塑性樹脂組成物aを(A1)層とし、230℃に設定した押出機にて混練した後、240℃に設定したダイに供給し、シート状に押し出し、これを冷却装置により冷却して無延伸シートを得た。この無延伸シートを140℃に加熱して縦方向に5倍延伸した。
熱可塑性樹脂組成物gを(C)層とし180℃に設定した押出機にて混練し、熱可塑性樹脂組成物fを(B)層とし230℃に設定した押出機で混練した後、それぞれを250℃に設定した一台の共押出ダイに供給し、ダイ内で積層したものをシート状に押し出して、上で調整した5倍延伸フィルムに積層し、更に熱可塑性樹脂組成物cを(A2)層とし、230℃に設定した押出機で混練した後、250℃に設定したダイに供給し、シート状に押し出して、5倍延伸フィルムの反対側に積層し、4層構造の積層フィルムを得た。次いで、この4層構造の積層フィルムを60℃まで冷却し、テンターオーブンを用いて再び約120℃に加熱して横方向に9倍延伸した後、150℃に調整した熱セットゾーンにより熱処理を行った。その後60℃に冷却して耳部をスリットし、4層〔(C)/(B)/(A1)/(A2):肉厚4/6/60/10μm:延伸層構成1軸/1軸/2軸/1軸〕構造の肉厚80μmの積層フィルムを得た。得られた易剥離性フィルムの不透明度、層間剥離性層(B)の剥離強度、表面層(C)の破断強度を上記手法にて測定した。結果を表2に示す。
【0043】
【実施例5】
熱可塑性樹脂組成物eを(B)層、熱可塑性樹脂組成物bを(A1)層、熱可塑性樹脂組成物dを(A2)層とし、それぞれ230℃に設定した押出機にて混練した後、250℃に設定した一台の共押出ダイに供給し、ダイ内で積層したものをシート状に押し出し、これを冷却装置により冷却して3層の無延伸シートを得た。更に、熱可塑性樹脂組成物mを(C)層として160℃に設定した押出機にて混練した後、200℃に設定したダイに供給し、シート状に押し出し、3層無延伸シートの(B)層側に積層し、4層の無延伸シートを得た。この無延伸シートを100℃に加熱して縦方向に5倍延伸し、120℃に調整した熱セットロール群により熱処理を行った。その後60℃に冷却して耳部をスリットし、4層〔(C)/(B)/(A1)/(A2):肉厚5/5/100/40μm:延伸層構成1軸/1軸/1軸/1軸〕構造の肉厚150μmの積層フィルムを得た。得られた易剥離性フィルムの不透明度、層間剥離性層(B)の剥離強度、表面層(C)の破断強度を上記手法にて測定した。結果を表2に示す。
【0044】
【実施例6】
熱可塑性樹脂組成物iを(C)層とし180℃に設定した押出機にて混練し、熱可塑性樹脂組成物dを(B)層、熱可塑性樹脂組成物aを(A)とし、それぞれ230℃に設定した押出機にて混練した後、250℃に設定した一台の共押出ダイに供給し、ダイ内で積層したものをシート状に押し出し、これを冷却装置により冷却して3層の無延伸シートを得た。この無延伸シートを150℃に加熱して縦方向に4倍延伸し、60℃まで冷却した。次いで、テンターオーブンを用いて再び約140℃に加熱して横方向に8倍延伸した後、160℃に調整した熱セットゾーンにより熱処理を行った。その後、60℃に冷却して、コロナ放電処理し、耳部をスリットして4層〔(C)/(B)/(A):肉厚8/5/67μm:延伸層構成2軸/2軸/2軸〕構造の肉厚80μmの積層フィルムを得た。得られた易剥離性フィルムの不透明度、層間剥離性層(B)の剥離強度、表面層(C)の破断強度を上記手法にて測定した。結果を表2に示す。
【0045】
【比較例1】
熱可塑性樹脂組成物eを(B)層、熱可塑性樹脂組成物bを(A1)層とし、230℃に設定した押出機にて混練した後、250℃に設定したダイに供給し、シート状に押し出し、これを冷却装置により冷却して2層の無延伸シートを得た。この無延伸シートを140℃に加熱して縦方向に4倍延伸した。
熱可塑性樹脂組成物aを(C)層として230℃に設定した押出機で混練した後、250℃に設定したダイに供給し、シート状に押し出して4倍延伸フィルムの(B)層側に積層し、更に熱可塑性樹脂組成物cを(A2)層とし、230℃に設定した押出機で混練した後、250℃に設定したダイに供給し、シート状に押し出して4倍延伸フィルムの(A1)層側に積層し、4層構造の積層フィルムを得た。次いで、この4層構造の積層フィルムを60℃まで冷却し、テンターオーブンを用いて再び約150℃に加熱して横方向に8.0倍延伸した後、155℃に調整した熱セットゾーンにより熱処理を行った。その後60℃に冷却して耳部をスリットし、4層〔(C)/(B)/(A1)/(A2):肉厚15/1/39/30μm:延伸層構成1軸/2軸/2軸/1軸〕構造の肉厚85μmの積層フィルムを得た。得られた易剥離性フィルムの不透明度、層間剥離性層(B)の剥離強度、表面層(C)の破断強度を上記手法にて測定した。結果を表2に示す。
【0046】
【比較例2】
熱可塑性樹脂組成物eを(B)層、熱可塑性樹脂組成物bを(A1)層とし、230℃に設定した押出機にて混練した後、250℃に設定したダイに供給し、シート状に押し出し、これを冷却装置により冷却して2層の無延伸シートを得た。この無延伸シートを155℃に加熱して縦方向に4倍延伸した。
熱可塑性樹脂組成物iを(C)層として180℃に設定した押出機で混練した後、200℃に設定したダイに供給し、シート状に押し出して4倍延伸フィルムの(B)層側に積層し、更に熱可塑性樹脂組成物cを(A2)層とし、230℃に設定した押出機で混練した後、250℃に設定したダイに供給し、シート状に押し出して4倍延伸フィルムの(A1)層側に積層し、4層構造の積層フィルムを得た。次いで、この4層構造の積層フィルムを60℃まで冷却し、テンターオーブンを用いて再び約150℃に加熱して横方向に9.0倍延伸した後、155℃に調整した熱セットゾーンにより熱処理を行った。その後60℃に冷却して耳部をスリットし、4層〔(C)/(B)/(A1)/(A2):肉厚12/1/40/27μm:延伸層構成1軸/2軸/2軸/1軸〕構造の肉厚80μmの積層フィルムを得た。得られた易剥離性フィルムの不透明度、層間剥離性層(B)の剥離強度、表面層(C)の破断強度を上記手法にて測定した。結果を表2に示す。
【0050】
(情報隠蔽性)
官製ハガキに文字サイズ10ポイントのアルファベット26文字を印字して、易剥離性フィルムの離型紙を剥がした後アルファベットの印字面に貼着し、易剥離性フィルムを透して見える文字の隠蔽性を目視にて判断し、良好(◎)全く見えない、やや良好(○)濃淡はあるが文字は読み取れない、やや不良(△)一部の文字が読み取れる、不良(×)全ての文字が読み取れる、の4段階で評価した。
(情報認識性)
合成紙((株)ユポ・コーポレーション製、商品名「VES85」)にバーコードプンター((株)テック製、商品名「B30」)にてバーコード(CODE39)を印字してバーコード読みとり用サンプルを作成した。
【0052】
【表2】
Figure 2003181969
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