JP2003181789A - 機械的自重補償装置 - Google Patents

機械的自重補償装置

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JP2003181789A JP2001382223A JP2001382223A JP2003181789A JP 2003181789 A JP2003181789 A JP 2003181789A JP 2001382223 A JP2001382223 A JP 2001382223A JP 2001382223 A JP2001382223 A JP 2001382223A JP 2003181789 A JP2003181789 A JP 2003181789A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で作動アームの重力とのバランス
を空間内の直交3軸に対してとることの可能な機械的自
重補償装置を提供する。 【解決手段】 リンク2の先端側に他端を固定して該リ
ンク2と並行に引張りコイルばね3が取り付けられてい
る。このコイルばね3の一端にはワイヤ4が接続されて
いる。そして、リンク2の中間部には基準点Aとなるベ
アリング内蔵プーリ5が設けられており、ワイヤ4はこ
のベアリング内蔵プーリ5を経由して基台1の回転軸O
の垂直上側の作用点Bで連結される。ベアリング内蔵プ
ーリ5が位置する基準点Aは、距離pが距離hよりも大
きく、かつ、初期状態(θ=90°)において|p−h
|だけコイルばね3が伸びた状態となるように設定され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マニピュレータ、
ロボット、各種作業機器などの作動アームの重力とのバ
ランスをとる機械的自重補償装置に関し、特に空間内の
直交する3軸の回転運動に対して適用可能な機械的自重
補償装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】一般にこの種のマニピ
ュレータなどの作動アームにおいては、作業用アームを
持ち上げる際に重力に逆らって作業用アームを動かす必
要があることから、その分の出力が要求される。そこ
で、アクチュエータなどにより作業用アームを所定の位
置で保持し続けることが考えられるが、作業用アームが
大型化すればするほど作業用アームを保持するため出力
の大きなアクチュエータを稼動し続けなければならず効
率的でなく、またこのような作業用アームでは細かな作
業には適さないという問題点がある。
【0003】このような問題点を解決するために引張り
コイルばねなどのばね部材を用いた自重補償装置が提案
されている。この自重補償装置は、概念的には図15に
示すように基台1と、この基台1に一端が枢着されたリ
ンク2と、他端が前記リンク2に連結されるとともに一
端が前記基台1のリンク2の回転軸Oの垂直上方に取り
付けられた引張りコイルばね3とを有し、このリンク2
に該リンク2の回動により変移する図示しない作動体が
取り付けられるものである。このような自重補償装置
は、コイルばね3によりリンク2に加わる自重及び作動
体の重量に基づく重力Gを補償するものであるが、コイ
ルばね3のばね定数及びコイルばね3の自然長と、リン
ク2が基台に対してなす角度θが自重トルクに対して釣
り合う条件を満たした時にその一姿勢でのみ自重トルク
と補償トルクとが釣り合っていたにすぎず、リンク2の
回動範囲及び自重補償範囲が非常に制限されるものであ
った。
【0004】さらに、重力Gによりリンク2に加わる力
荷はリンク2が基台1に対してなす角度θにより変動す
るものであり、角度によってコイルばね3の弾性力と釣
り合いがとれないこともその要因である。
【0005】ところで、近年のロボット工学の発達及び
作業器機の複雑化に伴い、より複雑な動きが要求される
ようになり、マニピュレータなどの作動アームは、片持
状のリンク構造を直列的に配列することにより対応して
いるが、前述したようなコイルばね3での自重補償で
は、その運動範囲の制限とリンク2がその固定端となる
基台1に対してなす角度θとの関係で空間内での運動を
行うために必要となる直交する3軸、すなわちピッチ
軸,ヨー軸及びロール軸を備えた多自由度の作業用アー
ムを構成するには不充分であるという問題点がある。
【0006】もし、コイルばねなどのばね部材を用いた
シンプルな構造で自重補償が可能で空間内の直交する3
つの回転軸を備えた多自由度の作業用アームを提供でき
れば、これら作業用アームの作業性(過搬重量、作業速
度)の向上、消費電力の低減を期待でき、より複雑で精
密な作業が可能となるなどの応用範囲の発展が期待でき
て望ましい。
【0007】本発明はかかる課題に鑑みてなされたもの
であり、簡単な構造でマニピュレータ、ロボット、作動
機器などの作動アームの重力とのバランスを3次元空間
内の運動に対してとることの可能な機械的自重補償装置
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
機械的自重補償装置は、基台に一端が枢着されたリンク
と、一端が固定端となっているとともに前記リンクの基
台との枢着部の垂直上方の作用点を経て他端が前記リン
クに連結したばね部材とを有し、前記リンクには該リン
クの回動により一定姿勢を保って変移する作動体が取り
付けられる機械的自重補償装置であって、前記リンク及
び作動体の自重トルクを前記リンクの角度に依存するこ
となく前記ばね部材の弾性力により補償するものであ
る。このような構成を採用することにより、リンクの角
度にかかわらず自重を補償することができるので、角度
のファクターに拘束されることがなく、空間内の直交3
軸、すなわちピッチ軸、ヨー軸及びロール軸に対する多
自由度の作業用アームとすることができる。
【0009】また、請求項2記載の機械的自重補償装置
は、前記請求項1において、前記ばね部材が前記リンク
と並行に設けられており、前記ばね部材の一端には連結
部材が接続されていて、この連結部材は前記リンク上に
設けられた基準点に設けられた方向変換部材を経由して
前記基台の作用点に連結されており、前記ばね部材の基
準点と前記枢着部との距離を前記ばね部材の作用点と前
記枢着部との距離より大きく設定することにより、前記
リンク及び作動体の自重トルクを前記リンクの角度に依
存することなく前記ばね部材の弾性力により補償するも
のである。このような構成を採用することにより、リン
クの回動にかかる張力の影響は、ばね部材の基準点と枢
着部との距離にあることから、この距離をばね部材の作
用点と枢着部との距離に基づいて設定することにより、
ばね部材の自然長を0とすることができ、リンクの回動
により自重トルクが変化してもその角度に応じてばね部
材が伸縮して自重補償トルクを発揮することができ、こ
れによりリンクの角度にかかわらず自重を補償すること
ができる。このため、空間内の直交3軸、すなわちピッ
チ軸、ヨー軸、ロール軸に対する多自由度の作業用アー
ムとすることができる。また、基準点と作用点とが一致
することがないので、回動範囲の制限が少なくなる。
【0010】請求項3記載の機械的自重補償装置は、前
記請求項1において、前記ばね部材が前記リンク及び基
台の外部に設けられており、前記ばね部材の他端には連
結部材が接続されていて、この連結部材は、前記基台上
の作用点に設けられた方向変換部材を経由して前記リン
クの基準点に連結され、前記基準点と枢着部との距離
と、前記ばね部材の作用点と前記枢着部との距離とを等
しく設定することにより、前記リンク及び作動体の自重
トルクを前記リンクの角度に依存することなく前記ばね
部材の弾性力により補償するものである。このため、リ
ンクの角度の影響は実際のばね部材の長さではなく、リ
ンク上におけるばね部材の基準点と枢着部との距離にあ
ることから、前記ばね部材の作用点と枢着部との距離と
同じく設定することにより、ばね部材の自然長を0とす
ることができ、これによりリンクの角度にかかわらず自
重を補償することができるので、空間内の直交3軸、す
なわちピッチ軸、ヨー軸、ロール軸に対する多自由度の
作業用アームとすることができる。
【0011】請求項4記載の機械的自重補償装置は、前
記請求項1において、前記ばね部材の一端が前記基台の
作用点に連結されているとともに他端が前記リンクに連
結されていて、前記ばね部材が引張りばねとこの引張り
ばねに並列して設けられた定荷重ばねとからなり、前記
定荷重ばねの弾性力を前記引張りばねの自然長パラメー
タに基づき設定することにより、前記リンク及び作動体
の自重トルクを前記リンクの角度に依存することなく前
記ばね部材の弾性力により補償するものである。このよ
うな構成を採用することにより、定荷重ばねは駆動角に
よらず一定の張力を発生するので、リンクの回動により
自重トルクが変化してもその角度に応じた自重補償トル
クを発揮することができるので、定荷重ばねの弾性力を
前記コイルばねの自然長パラメータに基づき設定するこ
とで、リンクの角度にかかわらず自重を補償することが
でき、空間内の直交3軸、すなわちピッチ軸、ヨー軸、
ロール軸に対する多自由度の作業用アームとすることが
できる。
【0012】請求項5記載の機械的自重補償装置は、前
記請求項3又は4において、前記ばね部材が引張りばね
単独または引張りばねとこの引張りばねに並列して設け
られた定荷重ばねと並行運動機構からなるものである。
これにより正確な自重補償が可能となる。
【0013】さらに、請求項6載の機械的自重補償装置
は、前記請求項1乃至5のいずれか1項において、前記
機械的自重補償装置を前記作動体として2個以上直列的
に接続するものである。これにより、複数のリンクが空
間内の直交3軸に対し自由に運動できかつ自重補償が可
能であるので、より複雑な動きが可能でエネルギー消費
の少ない作業アームなどの作動体を提供することができ
る。
【0014】
【発明の実施形態】以下、本発明について添付図面を参
照して詳細に説明する。図1は本発明の第1実施例の機
械的自重補償装置を概念的に示す図面であり、同図にお
いて、1は基台であり、この基台1にはリンク2の一端
が枢着部たる回転軸Oにおいて枢着されている。また、
3は一端を固定したばね部材たる引張りコイルばねであ
り、このコイルばね3の他端には連結部材たるワイヤ4
が接続されている。一方基台1の回転軸Oの垂直上側に
は、方向変換部材たるベアリング内蔵プーリ5が設けら
れており、ワイヤ4はこのベアリング内蔵プーリ5を経
てリンク2の中央部の基準点Aで連結される。このベア
リング内蔵プーリ5はコイルばね3の作用点Bとなる。
【0015】上述したような機械的自重補償装置におい
て、基準点Aは、基準点Aと枢軸部Oとの距離pと、作
用点Bと回転軸Oとの距離hとが等しくなるように設定
されている。これは以下のような理由による。すなわ
ち、自重トルクとコイルばねによる補償トルクとの釣り
合いは、左辺を自重トルク項、右辺をコイルばねによる
自重補償トルク項とすると、 Glcosθ=(phcosθ/ls){k(ls−ls0)}・・・(1) (式中、Gは作動体の重量も含む自重であり、lは回転
軸Oから重心までの距離であり、lsはコイルばねの長
さであり、ls0はコイルばねの自然長である。)の関係
が成立する必要がある。
【0016】この式において、角度に依らず正確な自重
補償を行うためには、両辺がθを含まない定数で表され
る必要がある。ところが、(1)式においてls(ばね
の長さ)はθに依存する非線形パラメータであり、角度
(θ)が変わることによって両辺の値が等しくならず、
このままでは釣り合いが取れないことが明らかである。
しかしながら、ls0をキャンセルすることができれば、
このlsを消去することができ角度に依らず両辺の値を
等しく保つことが可能となり、正確な自重補償が実現で
きることがわかる。
【0017】そこで、本発明者が種々研究した結果、回
転軸Oから基準点Aまでの距離をばねの全長lsではな
く,たわみと等しい長さと見なせる機構を考案すれば問
題が解決できるという着想で、コイルばね3の他端にワ
イヤ4を繋ぎ、一度回転軸Oの垂直上方に設けたプーリ
5を介して屈曲させ、ワイヤ4の基準点Aをp=hとな
るリンク4上の位置に配置することにより、駆動軸にか
かるコイルばね3の自然長ls0=0と捉えることができ
ることを見出した。これにより式(1)をGlco sθ=(phcosθ*kls)/ls・・・(2) と表すことができ、上記式(2)において右辺の変数パ
ラメータlsは消去することができ、角度に依らず常に
正確な自重補償を行うことができる。
【0018】前記構成につきその作用について説明す
る。まずリンク2は角度θの位置にあり、コイルばね3
はある程度伸長した状態でその自重補償トルクと、リン
ク2の自重トルクとが釣り合っている。そして、リンク
2が上方(反時計回り)に回動する(θが大きくなる)
と、リンク2の自重トルクが減少するが、これに伴いコ
イルばね3のたわみも減少して両者の釣り合いが維持さ
れる。このリンク2は上方に関してはプーリ5とリンク
2とが当接するまで(+90°)回動可能となってお
り、その可動範囲が拡大している。一方、リンク2が下
方(時計回り)に回動する(θが小さくなる)と、リン
ク2の自重トルクが増大するが、これに伴いコイルばね
3のたわみが増大して両者の釣り合いが維持される。な
お、本明細書中においては、説明の便宜上、図示時計方
向の回転をマイナス(−)、反時計方向の回転をプラス
(+)として表すこととする。
【0019】次に、本発明の第2実施例の機械的自重補
償装置について説明する。図2は、第2実施例の機械的
自重補償装置を概念的に示す図面であり、前述した第1
実施例と同一の構成には同一の符号を付しその詳細な説
明を省略する。本実施例においては、リンク2の先端側
に他端を固定して該リンク2と並行に引張りコイルばね
3が取り付けられていて、このコイルばね3の一端には
ワイヤ4が接続されている。そして、リンク2の中間部
には基準点Aとなるベアリング内蔵プーリ5が設けられ
ており、ワイヤ4はこのベアリング内蔵プーリ5を経由
して基台1の回転軸Oの垂直上側の作用点Bで連結され
る。
【0020】上述したような機械的自重補償装置におい
て、ベアリング内蔵プーリ5が位置する基準点Aは、該
基準点Aと回転軸Oとの距離pがコイルばね3の作用点
Bと回転軸Oとの距離hよりも大きく、かつ、初期状態
(θ=90°)において|p−h|だけコイルばね3が
伸びた状態となるように設定されている。これは以下の
ような理由による。すなわち、コイルばね3をリンク2
と並行に配置することでリンク2の可動範囲からコイル
ばね3を除外することができ、十分な可動域を確保する
ことが可能となっている。また、前述した第1実施例に
おいては、p=hとしていたが、このままでは、基準点
Aと作用点Bとが接触してしまい±90°以上の可動角
を確保できない。そこで、本実施例のようにpをhより
大きくすることで基準点Aと作用点Bとの接触を回避す
る。
【0021】このようにpをhより大きく設定すると前
述した式(1)においてls0=0とすることができなく
なり、そのままでは式(1)の釣り合いがとれなくなる
が、本実施例においては、回転軸Oに自重トルクのかか
らない初期状態(θ=90°)において|p−h|だけ
コイルばね3を伸ばした状態でコイルばね3を張ること
によって調整している。すなわち、この初期状態におい
て式(1)は以下のように表される。 Glcosθ=(phcosθ/ls){k((ls−ls0)+(p−h))}・・ ・(3) これにより、ls0をキャンセルすることができ、角度に
依らず、−180°≦θ≦+180°の範囲で回動可能
でかつ自重補償が可能となる。
【0022】前記構成につきその作用について説明す
る。まず、リンク2は角度θの位置にあり、コイルばね
3はある程度伸長した状態でその自重補償トルクと、リ
ンク2の自重トルクとが釣り合っている。そして、リン
ク2が上方(反時計回り)に回動する(θが大きくな
る)と、リンク2の自重トルクが減少するが、これに伴
いコイルばね3のたわみも減少して両者の釣り合いが維
持される。このリンク2は上方に関してはコイルばね3
が許容する範囲内であれば+180°回動可能となって
いる。一方、リンク2が下方(時計回り)に回動する
(θが小さくなる)と、リンク2の自重トルクが増大す
るが、これに伴いコイルばね3のたわみが増大して両者
の釣り合いが維持される。リンク2は下方に関してもコ
イルばね3が許容する範囲内であれば−180°回動可
能となっている。
【0023】本発明の第3実施例の機械的自重補償装置
について説明する。図3は、本発明の第3実施例の機械
的自重補償装置を概念的に示す図面であり、前述した第
2実施例と基本的には同じ構成を有するので同一の構成
には同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。本実
施例の機械的自重補償装置は、ばね部材がコイルばね3
とこのコイルばね3に並列的に配置された定荷重ばね3
Aと、これらを並行状態で運動させる並行運動機構とか
らなる以外前述した第2実施例と同じ構成を有する。
【0024】上述したような機械的自重補償装置におい
て、定荷重ばね3Aの張力をT=k|p−h|とするこ
とで式(1)は以下のように表される。 Glcosθ=(phcosθ/ls){k(ls−ls0)+T)}・・・(4) ここで、前述した第2実施例の場合と同様に基台1にお
けるコイルばね3の作用点Bからリンク2上の屈曲点で
ある基準点Aまでの距離をコイルばね3のひずみと考え
ることによって、T=k|p−h|=kls0と表すこと
ができ、角度に依らず正確な自重補償が可能である。こ
のような第3実施例の機械的自重補償装置は、前述した
第2実施例のものと同様の作用効果を奏する。
【0025】本発明の第4実施例の機械的自重補償装置
について説明する。図4は本実施例の機械的自重補償装
置を概念的に示す図面であり、同図において、1は基台
であり、この基台1にはリンク2の一端が回転軸Oにお
いて枢着されている。また、基台1の回転軸Oの垂直上
側にはばね部材がコイルばね3とこのコイルばね3に並
列的に配置された定荷重ばね3Aと、これらを並行状態
で運動させる並行運動機構とからなるばね部材30の一端
が連結された作用点Bとなっており、このコイルばね部
材30の他端はリンク2の中央部の基準点Aに連結されて
いる。
【0026】上述したような機械的自重補償装置におい
て、定荷重ばね3Aは駆動角に依らず一定の張力Tを発
生するので式(1)は以下のように表される。 Glcosθ=(phcosθ/ls){k(ls−ls0)+T}・・・(5) ここで定荷重ばね3Aの張力をT=kls0と設定するこ
とによって、自然長パラメータls0をキャンセルするこ
とができ、角度に依存しない正確な自重補償が可能とな
る。
【0027】前記構成につきその作用について説明す
る。まずリンク2は角度θの位置にあり、ばね部材30は
ある程度伸長した状態でその自重補償トルクと、リンク
2の自重トルクとが釣り合っている。そして、リンク2
が上方(反時計回り)に回動する(θが大きくなる)
と、リンク2の自重トルクが減少するが、これに伴いコ
イルばね3のたわみも減少して両者の釣り合いが維持さ
れる。
【0028】本実施例のように結果的にコイルばね3の
自然長パラメータls0をキャンセルすることができ、リ
ンク2の自重トルクをリンク2の角度に依存することな
くばね部材30の弾性力により補償することができれば、
前述した第1乃至第3実施例のような構成に限らず種々
の態様とすることができる。
【0029】前述した第1乃至第4実施例から明らかな
ようにこれら各実施例の機械的自重補償装置によりリン
ク2の角度に依存することなく自重補償が可能となる
が、このことはピッチ軸、ヨー軸、ロール軸の全ての回
転方向に対して自重補償可能であることを意味する。そ
こで、機械的自重補償装置の多自由度化について以下検
討する。
【0030】まず、本発明の第5実施例について説明す
る。図5は本発明の機械的自重補償装置に好適なリンク
機構を示しており、同図において11は基台であり、この
基台11には主リンク12の一端が回転軸Oにおいて枢着さ
れていて、この主リンク12の他端には、フロントリンク
13が枢着されている。また、主リンク12の両端部には一
対のプーリ14,14Aが取り付けられていて、このプーリ
14,14Aにはタイミングベルト15が装架されている。
【0031】上述したようなリンク機構を採用した理由
は以下のとおりである。すなわち、コイルばねを用いた
自重補償機構においては、コイルばねの設置点(作用
点)は駆動軸となる回転軸Oの垂直上方に位置している
こと、フロントリンク13が生じるモーメントを基台に
伝達しないことなどの要件が必要とされる。ところで、
従来用いられてきた図6に示すような4本リンクを用い
たリンク機構では、基台21の上下に主リンク22及び従リ
ンク23の一端をそれぞれ枢着し、これら主リンク22及び
従リンク23の他端側にフロントリンク24を設けたものが
用いられてきた。しかしながら、このようなリンク機構
では、主リンク22及び従リンク23がある程度上方に回動
すると、図示一点鎖線で示すように主リンク22及び従リ
ンク23が接触するため可動角が±90°未満に限られて
いた。これに対し本実施例のような構成を採用すること
により、回動するのは一対の主リンク12のみであるので
リンクの接触という事態が回避され、平行リンクに要求
される2つの要件を満たしつつ可動角を拡大することが
可能となる。なお、本実施例においてはプーリ14,14A
とタイミングベルト15とによりとによりリンクを構成し
たが、プーリ14,14Aの代わりに歯車を用いるととも
に、タイミングベルト15の代わりにチェーンを用いて、
歯車にチェーンを装架するなどの変形実施が可能であ
る。
【0032】以上、曲げ回転運動に対する自重補償装置
について検討してきたが、短いリンク長で広い可動領域
が求められるマニピュレータなどの作動アームでは、ね
じり回転運動が必要であり、そしてこのねじり回転運動
においても自重補償ができることが同様に有効となる。
多自由度マニピュレータにおいてねじり回転運動に対し
て自由補償を行う場合であっても同様にコイルばねの
設置点(作用点)は駆動軸となる回転軸Oの垂直上方に
位置していること、フロントリンクが生じるモーメン
トを基台に伝達しないこと、の要件を満たしている必要
がある。したがって、第6実施例である図7に示すよう
に基台31にリンク32の一端を回転軸Oを有するユニバー
サルジョイント33により直交する2軸方向に対してそれ
ぞれ回動自在に支持し、他端にフロントリンク37を設け
たものにおいて、リンク32の中央部にコイルばね34の他
端を連結し、このコイルばね34の一端にワイヤ35を接続
して基準点Aとなるベアリング内蔵プーリ36を介して方
向転換して回転軸Oの垂直上方の作用点Bに連結するこ
とにより、ねじり回転運動においても自重補償を行うこ
とができる。
【0033】次に本発明の第7実施例である直交3軸の
回転運動に対する自重補償装置について説明する。図8
乃至図11は、本発明の第6実施例の機械的自重補償装置
を概念的に示す図面であり、同図において41は基台であ
り、この基台41には同一平面上においてその中心軸が直
交するヨー軸42及びロール軸43と、このヨー軸42及びロ
ール軸43の中心軸の交点に中心軸を有し、ヨー軸42及び
ロール軸43の中心軸とそれぞれ直交するピッチ軸44とが
取り付けられており、このヨー軸42、ロール軸43及びピ
ッチ軸44のそれぞれ中心軸の交点Oにリンク45の一端が
接続されている。また、リンク45の先端側に他端を固定
して該リンク45と並行に引張りコイルばね46が取り付け
られていて、このコイルばね46の一端にはワイヤ47が接
続されている。そして、リンク45の中間部には基準点A
となるベアリング内蔵プーリ48が設けられており、ワイ
ヤ47はこのベアリング内蔵プーリ48を経由して交点Oの
垂直上側において作用点Bとして固定されている。そし
て、本実施例ではOA間の距離pはOB間の距離hより
も大きくなるように設定されている。
【0034】上述したような機械的自重補償装置におい
て、実施例1から5ではコイルばね46の張力は長手方向
へのたわみによる張力としてのみ検討しており、リンク
45がねじり運動をする場合にはリンク45のねじれ回転運
動をコイルばね46に伝えないようコイルばね46とリンク
45とをねじり回転に対してフリーな機構で繋ぐ必要があ
る。これにより前述した第1実施例と同様の図9に示す
ようなピッチ軸44による回転における自重補償と、第6
実施例と同様の図10に示すようなロール軸43による回転
における自重補償のメカニズムが成立する。また、ヨー
軸42による回転については、図11に示すようにヨー軸42
にかかる自重トルクが変化しないのに対して、コイルば
ね46もたわむことがないように配置されているので、ヨ
ー軸42の回転運動と自重補償機構とは非干渉となってい
る。したがって、本発明の機械的自重補償装置は、直交
3軸回転運動においても正確な自重補償を行うことがで
きることがわかる。
【0035】さらに、前述したようにヨー軸42は非干渉
であるので前述した第7実施例において図12に示すよう
にピッチ軸44及びロール軸43による2軸の回転運動にお
ける自重補償機構とすることもできるし、その一方でヨ
ー軸42だけの1軸回転運動とするなど自重補償機構の運
動方向を任意に選択して組み合わせることができる。
【0036】次に本発明の具体例である第8実施例につ
いて図13及び図14を参照して詳細に説明する。第8
実施例は、本発明の機械的自重補償装置を2個直列的に
配置したものであり、図13及び図14において、51は
第1の機械的自重補償装置であり、61はこの第1の機械
的自重補償装置のフロントリンクに接続された第2の機
械的自重補償装置である。まず、第1の機械的自重補償
装置51は、基台52に主リンク53の一端が枢着部たる回転
軸Oにおいて回動自在に枢着されており、この主リンク
53の先端側に他端を固定して主リンク53と並行に引張り
コイルばね54が取り付けられていて、このコイルばね54
の一端にはワイヤ55が接続されている。そして、主リン
ク53の中間部には基準点Aとなるベアリング内蔵プーリ
56が設けられており、ワイヤ55はこのベアリング内蔵プ
ーリ56を経由して基台52の垂直上側の作用点Bで連結さ
れている。また、この主リンク53の他端には第1のフロ
ントリンク57が枢着されていて、その両端部には一対の
プーリ58,58Aが取り付けられており、このプーリ58,
58Aにはタイミングベルト59が装架されている。そし
て、このような第1の機械的自重補償装置51において、
OA間の距離pはOB間の距離hよりも大きくなるよう
にベアリング内蔵プーリ56及び作用点Bの位置が設定さ
れている。
【0037】また、第2の機械的自重補償装置61は、前
述した第1の機械的自重補償装置51の作動体としてフロ
ントリンク57に接続されたものであり、このフロントリ
ンク57には取り付けケーシング57Aが取り付けられてい
て、この取り付けケーシング57A内には、基台62が収納
されている。この基台62にはモータ63とこのモータ63に
より回動可能に設けられた第1の傘歯車64とが取り付け
られていて、この第1の傘歯車64には第2の傘歯車65が
歯合しており、この第2の傘歯車65には駆動軸66を介し
て駆動ギア67が取り付けられている。さらに、この駆動
ギア67は従動ギア68に歯合していて、主リンク69の一端
に設けられたプーリ70を回動する。このプーリ70の中心
が回転軸O2となっている。一方、主リンク69の先端側
には他端を固定して該主リンク69と並行に引張りコイル
ばね71が取り付けられていて、このコイルばね71の一端
にはワイヤ72が接続されている。そして、主リンク69の
中間部には基準点A2となるベアリング内蔵プーリ73が
設けられており、ワイヤ72はこのベアリング内蔵プーリ
73を経由して基台62の垂直上側の取り付けケーシング57
A内に作用点B2として連結されている。また、この主
リンク69両端部には一対のプーリ70,70Aが取り付けら
れていて、このプーリ70,70Aにはタイミングベルト74
が装架されている。そして、この前方のプーリ70A,70
A間には、減速機75を備えたモータ76が設置されてい
て、第2のフロントリンク77の取付枠78内に収納された
傘歯車(図示せず)の組み合わせにより第2のフロント
リンク77が回転駆動可能となっている。このような第2
の機械的自重補償装置61において、O22間の距離pは
22間の距離hよりも大きくなるようにベアリング内
蔵プーリ73及び作用点B2の位置が設定されている。
【0038】このような構成を採用することにより図示
しない駆動機構により第1の機械的自重補償装置51を駆
動して第1のフロントリンク57をヨー軸及びピッチ軸周
りに回転させて駆動機構を停止する。そうするとコイル
ばね54により主リンク53、第1のフロントリンク57及び
第2の機械的自重補償装置61などの自重を補償すること
ができるので、主リンク53、フロントリンク57及び第2
の機械的自重補償装置61を静止した状態に維持すること
ができる。同様にモータ63を駆動して第2のフロントリ
ンク77をロール軸周りに回転させ、さらにモータ76を駆
動して主リンク69をピッチ軸周りに回転させることがで
きる。そして、コイルばね71により主リンク69、第2の
フロントリンク77等の自重を補償することができる。
【0039】上述したように機械的自重補償装置を2個
直列的に配置することにより最先端に位置する第2のフ
ロントリンク77の位置を一層自由に変位することがで
き、しかもその自重を保持して姿勢を維持することがで
きるので、このために駆動力を消費する必要がないの
で、駆動装置であるモータ63、76などは次の動作時にの
み可動すればよく、消費電力が少なく効率的な機械的自
重補償装置となっている。しかも、装置自身の自重は補
償されているため微細な動きにも適している。
【0040】以上本発明の機械的自重補償装置について
添付図面を参照して説明してきたが、本発明は前記実施
例に制限されず、種々の変形実施が可能である。例え
ば、前記実施例においては、連結部材として、線状のワ
イヤを用いているが、装置の重さに応じて、紐、縄、糸
あるいはこれらと剛直な部材との組み合わせであっても
よく、剛直部材の場合には屈曲していてもよい。
【0041】上述したような本発明の機械的自重補償装
置は、マニピュレータ、ロボットアーム、クレーン車な
どの土木作業機器、各種試験等の作業機器、深海、地中
あるいは高層作業機器などの大小種々の作用機器、手術
で用いるような医療用機器、玩具、自動化された家庭電
化製品など家庭用機器、さらには電気スタンドや監視カ
メラの台等のアクチュエータを搭載しない手動の台など
にも応用可能である。
【0042】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の機械的自重補償
装置は、基台に一端が枢着されたリンクと、一端が固定
端となっているとともに前記リンクの基台との枢着部の
垂直上方の作用点を経て他端が前記リンクに連結したば
ね部材とを有し、前記リンクには該リンクの回動により
一定姿勢を保って変移する作動体が取り付けられる機械
的自重補償装置であって、前記リンク及び作動体の自重
トルクを前記リンクの角度に依存することなく前記ばね
部材の弾性力により補償するものであるので、角度のフ
ァクターに拘束されることがなく、空間内の直交3軸、
すなわちピッチ軸、ヨー軸及びロール軸に対する多自由
度の作業用アームとすることができる。
【0043】また、請求項2記載の機械的自重補償装置
は、前記請求項1において、前記ばね部材が前記リンク
と並行に設けられており、前記ばね部材の一端には連結
部材が接続されていて、この連結部材は前記リンク上に
設けられた基準点に設けられた方向変換部材を経由して
前記基台の作用点に連結されており、前記ばね部材の基
準点と前記枢着部との距離を前記ばね部材の作用点と前
記枢着部との距離より大きく設定することにより、前記
リンク及び作動体の自重トルクを前記リンクの角度に依
存することなく前記ばね部材の弾性力により補償するも
のであるので、ばね部材の基準点と枢着部との距離をば
ね部材の作用点と枢着部との距離に基づいて設定するこ
とにより、ばね部材の自然長を0とすることができ、こ
れによりリンクの角度にかかわらず自重を補償すること
ができる。このため、空間内の直交3軸、すなわちピッ
チ軸、ヨー軸、ロール軸に対する多自由度の作業用アー
ムとすることができる。また、基準点と作用点とが一致
することがないので回動範囲の制限が少なくなる。
【0044】請求項3記載の機械的自重補償装置は、前
記請求項1において、前記ばね部材が前記リンク及び基
台の外部に設けられており、前記ばね部材の他端には連
結部材が接続されていて、この連結部材は、前記基台上
の作用点に設けられた方向変換部材を経由して前記リン
クの基準点に連結され、前記基準点と枢着部との距離
と、前記ばね部材の作用点と前記枢着部との距離とを等
しく設定することにより、前記リンク及び作動体の自重
トルクを前記リンクの角度に依存することなく前記ばね
部材の弾性力により補償するものであるので、リンク上
におけるばね部材の基準点と枢着部との距離を前記ばね
部材の作用点と枢着部との距離と同じく設定することに
より、ばね部材の自然長を0とすることができ、これに
よりリンクの角度にかかわらず自重を補償することがで
きるので、空間内の直交3軸、すなわちピッチ軸、ヨー
軸、ロール軸に対する多自由度の作業用アームとするこ
とができる。
【0045】請求項4記載の機械的自重補償装置は、前
記請求項1において、前記ばね部材の一端が前記基台の
作用点に連結されているとともに他端が前記リンクに連
結されていて、前記ばね部材が引張りばねとこの引張り
ばねに並列して設けられた定荷重ばねとからなり、前記
定荷重ばねの弾性力を前記引張りばねの自然長パラメー
タに基づき設定することにより、前記リンク及び作動体
の自重トルクを前記リンクの角度に依存することなく前
記ばね部材の弾性力により補償するものであるので、定
荷重ばねの弾性力を前記コイルばねの自然長パラメータ
に基づき設定することで、リンクの角度にかかわらず自
重を補償することができるため、空間内の直交3軸、す
なわちピッチ軸、ヨー軸、ロール軸に対する多自由度の
作業用アームとすることができる。
【0046】請求項5記載の機械的自重補償装置は、前
記請求項3又は4において、前記ばね部材が引張りばね
単独または引張りばねとこの引張りばねに並列して設け
られた定荷重ばねと並行運動機構からなるものであるの
で、一層正確な自重補償が可能となる。
【0047】さらに、請求項6記載の機械的自重補償装
置は、前記請求項1乃至5のいずれか1項において、前
記機械的自重補償装置を前記作動体として2個以上直列
的に接続するものであるので、複数のリンクが空間内の
直交3軸に対し自由に運動できかつ自重補償が可能であ
るため、より複雑な動きが可能でエネルギー消費の少な
い作業アームなどの作動体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による機械的自重補償装置
を概念的に示す側面図である。
【図2】本発明の第2実施例による機械的自重補償装置
を概念的に示す側面図である。
【図3】本発明の第3実施例による機械的自重補償装置
を概念的に示す側面図である。
【図4】本発明の第4実施例による機械的自重補償装置
を概念的に示す側面図である。
【図5】本発明の第5実施例による機械的自重補償装置
に適用可能なリンク機構を概念的に示す側面図である。
【図6】従来のリンク機構を概念的に示す側面図であ
る。
【図7】本発明の第6実施例による機械的自重補償装置
を概念的に示す正面図である。
【図8】本発明の第7実施例による機械的自重補償装置
を概念的に示す斜視図である。
【図9】前記第7実施例による機械的自重補償装置を概
念的に示す側面図である。
【図10】前記第7実施例による機械的自重補償装置を
概念的に示す正面図である。
【図11】前記第7実施例による機械的自重補償装置を
概念的に示す上図である。
【図12】前記第87実施例の変形例を示す斜視図であ
る。
【図13】本発明の第8実施例による機械的自重補償装
置を示す斜視図である。
【図14】前記第8実施例における第2の機械的自重補
償装置を示す斜視図である。
【図15】従来の機械的自重補償装置を概念的に示す側
面図である。
【符号の説明】
1,11,21,31,41,52,62 基台 2,32,45 リンク 3,34,46,54,71 引張りコイルばね(ばね部材) 4,35,47,55,72 ワイヤ(連結部材) 5,36,48,56,73 プーリ(方向変換部材) 12,22,53,69 主リンク A 基準点 B 作用点 O 回転軸(支点)
フロントページの続き (72)発明者 塩澤 裕樹 東京都新宿区大久保3丁目4番1号 早稲 田大学理工学部内 (72)発明者 菅野 重樹 東京都新宿区大久保3丁目4番1号 早稲 田大学理工学部内 Fターム(参考) 3C007 BS10 CY23

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基台に一端が枢着されたリンクと、一端
    が固定端となっているとともに前記リンクの基台との枢
    着部の垂直上方の作用点を経て他端が前記リンクに連結
    したばね部材とを有し、前記リンクには該リンクの回動
    により一定姿勢を保って変移する作動体が取り付けられ
    る機械的自重補償装置であって、前記リンク及び作動体
    の自重トルクを前記リンクの角度に依存することなく前
    記ばね部材の弾性力により補償することを特徴とする機
    械的自重補償装置。
  2. 【請求項2】 前記ばね部材が前記リンクと並行に設け
    られており、前記ばね部材の一端には連結部材が接続さ
    れていて、この連結部材は前記リンク上に設けられた基
    準点に設けられた方向変換部材を経由して前記基台の作
    用点に連結されており、前記ばね部材の基準点と前記枢
    着部との距離を前記ばね部材の作用点と前記枢着部との
    距離より大きく設定することにより、前記リンク及び作
    動体の自重トルクを前記リンクの角度に依存することな
    く前記ばね部材の弾性力により補償することを特徴とす
    る請求項1記載の機械的自重補償装置。
  3. 【請求項3】 前記ばね部材が前記リンク及び基台の外
    部に設けられており、前記ばね部材の他端には連結部材
    が接続されていて、この連結部材は、前記基台上の作用
    点に設けられた方向変換部材を経由して前記リンクの基
    準点に連結され、前記基準点と枢着部との距離と、前記
    ばね部材の作用点と前記枢着部との距離とを等しく設定
    することにより、前記リンク及び作動体の自重トルクを
    前記リンクの角度に依存することなく前記ばね部材の弾
    性力により補償することを特徴とする請求項1記載の機
    械的自重補償装置。
  4. 【請求項4】 前記ばね部材の一端が前記基台の作用点
    に連結されているとともに他端が前記リンクに連結され
    ていて、前記ばね部材が引張りばねとこの引張りばねに
    並列して設けられた定荷重ばねとからなり、前記定荷重
    ばねの弾性力を前記引張りばねの自然長パラメータに基
    づき設定することにより、前記リンク及び作動体の自重
    トルクを前記リンクの角度に依存することなく前記ばね
    部材の弾性力により補償することを特徴とする請求項1
    記載の機械的自重補償装置。
  5. 【請求項5】 前記ばね部材が引張りばね単独または引
    張りばねとこの引張りばねに並列して設けられた定荷重
    ばねと並行運動機構からなることを特徴とする請求項3
    又は4記載の機械的自重補償装置。
  6. 【請求項6】 前記機械的自重補償装置を前記作動体と
    して2個以上直列的に接続することを特徴とする請求項
    1乃至5のいずれか1項記載の機械的自重補償装置。
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