JP2003181293A - 排気ガス浄化用触媒 - Google Patents
排気ガス浄化用触媒Info
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Abstract
に安定して触媒性能を発揮する排気ガス浄化用触媒を提
供する。 【解決手段】 同じ担体上にPtとPdの少なくとも一
方(M)、及び遷移金属から選択された少なくとも1種
(X)(Pt、Pd、Au、及びRhを除く)、並びに所望
によりRhが担持されたことを特徴とする排気ガス浄化
用触媒である。
Description
触媒成分のシンタリングが顕著に抑制され、高い耐久性
能を有する触媒に関する。
される排気ガスには、一酸化炭素(CO)、炭化水素(H
C)、窒素酸化物(NOX)等が含まれ、これらの有害物質
は、一般に、白金(Pt)、金(Au)、パラジウム(P
d)、ロジウム(Rh)等の貴金属を触媒成分とする排気
ガス浄化用触媒によって浄化される。
属酸化物の担体に上記の触媒成分を担持して構成される
が、これらの有害物質の浄化反応を効率的に促進するた
めには、触媒成分が排気ガスとの高い接触面積を呈する
ように、担体上に触媒成分が高分散に担持されることが
必要である。そして、この高分散の担持状態が、排気ガ
ス雰囲気下で経時的に維持されることが必要である。
用触媒の場合、常温と約1000℃の間で温度が繰り返
して変動し、かつ比較的HCとCOの濃度が高くてO2
濃度が低い還元性雰囲気と、比較的HCとCOの濃度が
低くてO2濃度が高い酸化性雰囲気が繰り返される条件
下で、触媒成分の高分散の担持状態が維持される必要が
ある。
は、こうした雰囲気に長期間曝されると、触媒成分が担
体上を移動して肥大化した粒子を形成する、いわゆるシ
ンタリングを生じる性質がある。このため、触媒成分
は、排気ガスとの高い接触面積を維持することができ
ず、排気ガスの浄化性能が経時的に低下するという問題
がある。
が別々の担体に担持され、さらにNOX吸蔵材と遷移金
属が別々の担体に担持された排気ガス浄化用触媒を提案
し(特許文献1)、また、種々の合金触媒が担持された
排気ガス浄化用触媒を提案している(特許文献2)。し
かし、これらの文献に開示の触媒系では、触媒成分のシ
ンタリング抑制に関する顕著な効果は見出されていな
い。
は、かかる触媒成分のシンタリングが抑制され、経時的
に安定して高い触媒性能を発揮する触媒を提供すること
を目的とする。
上にPtとPdの少なくとも一方(M)、及び遷移金属か
ら選択された少なくとも1種(X)(Pt、Pd、Au、
及びRhを除く)が担持されたことを特徴とする排気ガ
ス浄化用触媒によって達成される。即ち、本発明の触媒
は、第1の態様において、PtとPdの少なくとも一方
(M)、及び遷移金属から選択された少なくとも1種(X)
が、同じ担体に担持されて構成される触媒である。
Pdの少なくとも一方(M)、及び遷移金属から選択され
た少なくとも1種(X)(Pt、Pd、Au、及びRhを
除く)が共存する合金粒子が担持されてなることを特徴
とする排気ガス浄化用触媒によって達成される。即ち、
本発明の触媒は、第2の態様において、PtとPdの少
なくとも一方(M)、及び遷移金属から選択された少なく
とも1種(X)が担体上で合金粒子を形成した触媒であ
る。
Pdの少なくとも一方(M)、遷移金属から選択された少
なくとも1種(X)(Pt、Pd、Au、及びRhを除
く)、及びRhが担持されたことを特徴とする排気ガス
浄化用触媒によって達成される。即ち、本発明の触媒
は、第3の態様において、PtとPdの少なくとも一方
(M)、遷移金属から選択された少なくとも1種(X)、及
びRhの触媒成分が、同じ担体に担持されて構成される
触媒である。
とPdの少なくとも一方(M)、遷移金属から選択された
少なくとも1種(X)(Pt、Pd、Au、及びRhを除
く)、及びRhが共存する合金粒子が担持されてなるこ
とを特徴とする排気ガス浄化用触媒によって達成され
る。即ち、本発明の触媒は、第4の態様において、Pt
とPdの少なくとも一方(M)、遷移金属から選択された
少なくとも1種(X)、及びRhが担体上で合金粒子を形
成した触媒である。
ングが抑制され、高い排気ガス浄化性能を継続して発揮
することができるメカニズムは、以下のように考えられ
る。第1の態様の触媒は、PtとPdの少なくとも一方
(M)、及び遷移金属から選択された少なくとも1種(X)
を、また第3の態様の触媒は、PtとPdの少なくとも
一方(M)、遷移金属から選択された少なくとも1種
(X)、及びRhを、例えば、溶解性の金属化合物の溶液
を用いて担体上に担持して調製することで、触媒成分
は、担体の表面全体に、極めて微細な高分散の状態で担
持されることができる。
の担持状態の触媒成分により、高い初期活性の触媒性能
を発揮することができる。次いで、高温の排気ガスに長
期間曝されることにより、触媒成分のシンタリングが生
じるが、ここで、第1の態様の触媒は、シンタリングに
よって第2の態様の触媒に移行し、また第3の態様の触
媒は、シンタリングによって第4の態様の触媒に移行
し、この第2及び第4の態様の触媒においては、実質的
にシンタリングが停止し、むしろ初期活性よりも高い触
媒性能を発揮する。
及び遷移金属 (X)、又はPtとPdの少なくとも一方
(M)、遷移金属 (X)、及びRhが、同じ担体に高分散
の状態で担持されたこれらの触媒成分は、高温の排気ガ
スに曝されることにより担体上を移動し、担体上で合金
粒子を形成する。そして、一旦この合金粒子が形成され
ると、高温の排気ガスにさらに曝されても、粒子径のそ
れ以上の肥大化が起こらず、触媒成分の高分散の担持状
態が維持され、むしろ初期活性よりも高い触媒性能を継
続して発揮することができる。
2又は第4の態様の触媒に移行し、第2及び第4の態様
の触媒においては実質的にシンタリングが停止すること
は、後述の実施例に記載するように、透過型電子顕微鏡
(TEM)による形態観察によって実証されている。この
ように、本発明は、PtとPdの少なくとも一方(M)、
及び遷移金属 (X)が、又はPtとPdの少なくとも一
方(M)、遷移金属 (X)、及びRhが、シンタリングに
よって、これらの成分が共存する合金粒子を形成し、そ
れによって以降のシンタリングが停止するといった特異
な現象に基づくものである。
明らかではないが、本発明者は以下のように推測する。
担体上のPtとPdの少なくとも一方(M)と微量の遷移
金属(X)は、シンタリングによって、図1(a)に示すよ
うな数原子層のM-Xバイメタリックシェルを形成し、
それによって、Pt又はPdの気相を介した移動等の原
子移動が抑制される。このシェルの厚さは数原子層と極
めて薄いため、Mの活性は実質的に阻害されない。
あり、即ち、担体と格子整合性を有して結晶化するた
め、粒子のランダムウォーク等の粒子移動が抑制され、
したがって、粒子を担体に固定する作用を奏し、さら
に、Rhは高融点であるため、このM-X粒子に対して
ピン止め効果を与え、これらの作用により、以降のシン
タリングが停止されるものと考えられる。このほか、図
1(b)に示すような、高融点のM-X-Rhトリメタリッ
クシェルがPt又はPdの周囲に形成され、これにより
同様に、原子移動と粒子移動が抑制されることも考えら
れる。
M−X又はM-X-Rhの微細な合金粒子は、高温の排気
ガス雰囲気に曝される中で、電子状態が触媒性能に関し
て最適化され、それによって、初期活性よりもむしろ高
い触媒性能が持続されるものと考えられる。
PtとPdの少なくとも一方(M)、及び遷移金属から選
択された少なくとも1種(X)が担持されたことを特徴と
する排気ガス浄化用触媒である。この担体は、アルミ
ナ、シリカ、ジルコニアのような酸化物のほか、シリカ
-アルミナ、ジルコニア-セリア、アルミナ-セリア-ジル
コニア、セリア-ジルコニア-イットリア、ジルコニア-
カルシアのような複合酸化物からなり、平均粒子径が1
μm以下の微粒子からなるものが好適に使用可能であ
る。
のは、例えば、白金ジニトロジアンミンPt(NH3)
2(NO2)2、塩化白金酸H2PtCl6・6H2O等の白金
化合物を用い、又は硝酸パラジウムPd(NO3)2、塩化
パラジウムPdCl2等のパラジウム化合物を用い、蒸
発乾固法、含浸法、沈殿法、イオン交換法、吸着法、還
元析出法等によって行うことができる。
酸塩、塩化物、酢酸塩、炭酸塩等を用い、蒸発乾固法、
含浸法、沈殿法、イオン交換法、吸着法、還元析出法等
によって行うことができる。好ましくは、遷移金属の担
持は、水溶液中で遷移金属のイオンを生成する化合物の
水溶液に還元剤を添加し、遷移金属のイオンを還元する
ことによって不溶性にし、遷移金属の粒子を析出させる
仕方により行う。
塩化物、酢酸塩、炭酸塩等の化合物を、上記のPtとP
dの少なくとも一方を担持した担体の水系スラリーに溶
解させ、このスラリーに、クエン酸三ナトリウム二水和
物C6H5Na3O7・2H2O、ヒドラジンN2H4、チオ
硫酸ナトリウムNa2S2O3、チオ硫酸カリウムK2S 2
O3、チオ硫酸アンモニウム(NH4)2S2O3、亜硫酸ナ
トリウムNa2SO3、ホウ水素化物、次亜リン酸塩、ク
エン酸塩、ギ酸CH2O2、シュウ酸CH2O4等の還元剤
(錯体を形成させる錯化剤としての機能も兼ねる)と、L-
アスコルビン酸ナトリウムC6H7O6Na、エチレンジ
アミン四酢酸塩等の緩衝剤を添加して遷移金属のイオン
を還元し、遷移金属の微粒子を析出させる。
黄を含まないものを用いることが好ましい。硫黄を含む
ものを用いると、PtもしくはPdの周囲に硫黄が残留
し、被毒状態となるからである。
(ナノメートル)以下のレベルの遷移金属の微粒子を、実
質的に全てPt又はPdの上に析出させることが比較的
容易である。
(NO3)3、塩化ロジウムRhCl3・4H2O等のロジウ
ム化合物を用い、蒸発乾固法、含浸法、沈殿法、イオン
交換法、吸着法、還元析出法等によって行うことができ
る。これら触媒成分の担持の順序として、好ましくは、
先ず担体上にPtとPdの少なくとも一方が担持される
が、次いで上記の仕方で担持する遷移金属とRhは、担
持の順序はいずれを先にしてもよい。
は、周期律表の3A〜7A族、8族、及び1B族のd-
ブロック元素とf-ブロック元素を含む元素であり(但
し、Pt、Pd、Au、及びRhを除く)、チタン(T
i)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(M
n)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅
(Cu)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオ
ブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ラン
タン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、
ネオジム(Nd)が例示され、より好ましくは、マンガ
ン、鉄、コバルト、ニッケル、イットリウム、モリブデ
ン、ルテニウム、銅、セリウム、ネオジムである。
は、好ましくは、X/Mの質量比が0.005〜0.3、
より好ましくは0.01〜0.2であり、第3の態様の触
媒は、好ましくは、X/Mの質量比が0.005〜0.
3、より好ましくは0.01〜0.2であり、かつRh/
Mの質量比が0.05〜0.5、より好ましくは0.05
〜0.3となるように原料比を調節して調製される。な
お、担体上にPt及び/又はPd、遷移金属、及びRh
以外の金属成分が、Pt、Pd、遷移金属、及びRhの
合計質量を基準に数質量%以下の量で含まれていても、
本発明の目的と効果において許容されることができる。
3の態様の触媒を高温雰囲気に長期間曝すことにより発
現し、即ち、第1又は第3の態様の触媒に含まれる触媒
成分のPt及び/又はPd、遷移金属、及びRhは、担
体上を移動してこれらが1つの粒子の中に共存する合金
粒子を形成し、この合金粒子が担体に担持された状態の
第2又は第4の態様の触媒が形成される。
触媒成分のPt及び/又はPd、遷移金属、及びRh
は、これらの合計質量を基準に少なくとも50質量%、
より好ましくは少なくとも75質量%が、直径0.5〜
20nm、より好ましくは、直径0.5〜10nmの極
めて微細な粒子として存在し、この粒子の中に含まれる
触媒成分のX/M、Rh/Mの質量比は、第1又は第3
の態様の触媒と同等である。
雰囲気下で一旦形成されると、高温の排気ガスにさらに
曝されても、合金粒子のそれ以上の肥大化が実質的に起
こらず、触媒成分の高分散の担持状態が維持され、むし
ろ初期活性よりも高い触媒性能を継続して発揮すること
ができる。
浄化用触媒に適用するには、第1又は第3の態様の触媒
をモノリス担体にウォッシュコート等により担持するこ
とでよく、排気ガス浄化用触媒として使用される過程
で、又は場合によりこの調製時の焼成工程で、第2又は
第4の態様の触媒が発現する。
担体として第1又は第3の態様の触媒を調製し、この触
媒を自動車等の内燃機関の排気ガス浄化用触媒に実用す
る場合、ジルコニア-セリア、アルミナ-セリア-ジルコ
ニア、セリア-ジルコニア-イットリアのようなセリウム
含有複合酸化物を第1又は第3の態様の触媒と混合して
担持することで、より一層の安定した排気ガス浄化性能
を発揮させることができる。以下、実施例によって本発
明をより具体的に説明する。
比較例の触媒を調製した。ここで、実施例の触媒は、い
ずれもγ-アルミナ粉末(比表面積約180m2/g)を担
体として用い、この粉末の上にPt、遷移金属、及びR
hを担持し、比較例ではγ-アルミナ粉末のほかに、ジ
ルコニア粉末(比表面積約70m2/g)を担体として用
い、いずれの例も担持される全触媒成分の量を、担体と
の合計質量を基準に2質量%とした。
アンミン白金溶液を含浸させ、次いで乾燥と大気中で5
00℃×2時間の熱処理を行い、γ-アルミナ粒子の上
に1.58質量%のPtが担持された粉末を得た。
200ccの30℃のイオン交換水に分散させ、得られ
たスラリーに、下記の試薬を下記の濃度となる量で順次
に添加し、穏やかな攪拌下に24時間置くことで硝酸ニ
ッケルNi(NO3)2・6H2OからNiを還元析出させ
た。 Ni(NO3)2・6H2O 2.30×10-2質量% C6H7O6Na 1.00質量% C6H5Na3O7・2H2O 2.00×10-1質量%
し、大気中で120℃×2時間の乾燥を行い、さらに大
気中で500℃×2時間の熱処理を行って、0.1質量
%のNiを担持した。得られたPt-Ni担持γ-アルミ
ナに硝酸ロジウム水溶液を含浸させ、次いで、乾燥と大
気中で500℃×2時間の熱処理を行って0.316質
量%のRhを担持し、γ-アルミナ粉末の上に合計で2
質量%の触媒成分(Pt/Rh/Niの質量比=79.2
/15.8/5)が担持された第3の態様の触媒Aを得
た。
ミン白金を用いてPtを担持し、硝酸ニッケルNi(N
O3)2・6H2Oを用いてNiを還元析出させ、次いで硝
酸ロジウムを用いてRhを担持させる際において、これ
らの薬剤の量を調節し、表1に摘要を示す第3の態様の
触媒B〜Dを得た。
ロジウム、アスコルビン酸ナトリウム、水素化ホウ素ナ
トリウム(NaBH4)を用いて60℃のスラリーを調製
し、Niと同様にRhを還元析出させた以外は実施例2
と同様にして、表1に摘要を示す第3の態様の触媒Eを
得た。
し、次いで還元析出によってNiを担持した以外は実施
例2と同様にして、表1に摘要を示す第3の態様の触媒
Fを得た。
ルビン酸ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウムを用いて
60℃の還元析出によってRhを担持し、次いで同様に
して還元析出によってNiを担持した以外は実施例2と
同様にして、表1に摘要を示す第3の態様の触媒Gを得
た。
酸鉄Fe(NO3)2・2H2O、硝酸セリウム(NO3)3、
硝酸マンガン(NO3)2、硝酸ネオジムNd(NO 3)2・6
H2O、硝酸イットリウムY(NO3)3、塩化モリブデン
MoCl5、塩化ルテニウムRuCl4を用い、Pt担持
γ-アルミナに、実施例2と同様にして、アスコルビン
酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム二水和物を用い
て、これらの遷移金属化合物から遷移金属を還元析出さ
せ、次いで、実施例2と同様にして、含浸によってRh
を担持し、表1に摘要を示す第3の態様の触媒H〜Oを
得た。
てγ-アルミナ粉末の上にPtを含浸担持し、次いで硝
酸ニッケルを用いてNiを還元析出させ、2.14質量
%のPtと0.286質量%のNiが担持されたγ-アル
ミナ粉末を得た。別に、ジルコニア粉末(比表面積約7
0m2/g)を担体として用い、この担体上に、硝酸ロジ
ウム水溶液を用いて、1質量%のRhを含浸担持し、R
h担持ジルコニア粉末を得た。これらのPt-Ni、R
hがそれぞれ別々の担体に担持されたPt-Ni担持γ-
アルミナ粉末、Rh担持ジルコニア粉末を7:3の質量
比で乳鉢を用いて混合し、表1に概要を示す第1の態様
の触媒Pを得た。
γ-アルミナ粒子の上に2質量%のPtを含浸担持した
粉末を、触媒成分がPtのみの比較例の触媒aとした。
6と同様にして調製したものを、比較例の触媒bとし
た。
ジアンミン白金を用いてγ-アルミナ粒子の上にPtを
含浸担持し、次いで硝酸ロジウムを用いて、実施例1と
同様にしてRhを含浸担持したものを、比較例の触媒c
とした。
ジアンミン白金を用いてγ-アルミナ粒子の上にPtを
含浸担持し、次いで塩化ロジウムを用いて、実施例7と
同様にしてRhを還元析出させたものを、比較例の触媒
dとした。
れぞれ圧縮・解砕し、直径約1〜3mmのペレット状の
触媒に成形した。これらの触媒の各2.0gを、実験室
用の排気ガス浄化性能評価装置の反応管内部に設置し、
下記に示す組成のA/F=14.7のモデル雰囲気ガス
を流通させ、触媒床温度を20℃/分の速度で昇温させ
ながら、700℃、800℃、又は1000℃の温度に
高め、それらの温度に3時間曝す耐久処理に供した。 A/F=14.7のモデル雰囲気ガス組成: 0.16%CO+2400ppmC3H6+1000ppmNO +14.5%CO2+0.57%O2+10%H2O (残余N2)
/F=14.6(ストイキ)のモデル雰囲気ガスを流通さ
せ、400℃×5分間の前処理の後、触媒床温度を10
℃/分の速度で降温させながら、C3H6の50%浄化温
度(T50)を測定した。このモデル雰囲気ガスの流量は
6.0リットル/分/0.015g触媒成分とした。 A/F=14.6のモデル雰囲気ガス組成: 0.65%CO+1000ppmC3H6+1500ppmNO +10%CO2+0.7%O2+5%H2O (残余N2) このようにして測定された各触媒の1000℃耐久処理
後におけるT50を表1にまとめて示す。
理前と、700℃、800℃、及び1000℃で3時間
の耐久処理後のT50を示すものである。ここで、触媒B
と触媒bでは、耐久処理による排気ガス浄化性能の変化
が全く相違することが分かる。
することによって排気ガス浄化性能が初期性能より低下
し、耐久処理温度が高くなるほど浄化性能が低下すると
いった通常の変化を示している。これに対し、本発明の
触媒Bは、耐久処理の温度が700℃、800℃、10
00℃と高くなるにしたがってT50が低下しており、耐
久処理に供することによって、排気ガス浄化性能が初期
性能よりも向上するといった、従来の触媒には見られな
い極めて特異な変化を示している。
も75/15/10の本発明の触媒と比較例の触媒、及
び触媒成分がPtのみの比較例の触媒について、100
0℃×3時間の耐久処理後のT50を示すものである。こ
の図3の結果より、同じ担体上にPt、遷移金属、及び
Rhの3成分を担持した本発明の触媒はいずれも、Pt
のみを担持した比較例の触媒a、3成分を含むがRhを
別の担体に担持した触媒Pよりも顕著に耐久性能が高い
ことが分かる。
後で、透過型電子顕微鏡(TEM)による形態観察と、エ
ネルギー分散型X線分光分析(EDX)による電子顕微鏡
像のスポット領域における元素分析を行った。耐久処理
の前では、各触媒はいずれも、分解能約1nmのTEM
において金属粒子は観察されず、EDXからは、担体の
表面の全体に触媒成分の存在が分析された。この結果か
ら、耐久処理の前では、担持した触媒成分は、明確な粒
子の形態を有しない極めて微細な状態で存在しているも
のと判断される。
比較例の各触媒について、図4〜5のTEM像に見られ
るように、シンタリングによって成長した金属粒子が観
察された。図4は、触媒BをA/F=14.7の条件で
1000℃×3時間の耐久処理に供した後のTEM像で
あり、直径約2〜3nmの金属粒子が見られる。この金
属粒子をEDXによって元素分析したところ、Pt、N
i、及びRhの3成分が分析され、1つの粒子の中にこ
れらの3成分が共存することが確認された。
7の条件で1000℃×3時間の耐久処理に供した後の
TEM像であり、シンタリングによって成長した直径約
40〜60nmの金属粒子が見られる。
とが分かる。分解能約1nmのTEMによって観察され
ない微細な耐久処理前の触媒成分は、耐久処理によって
シンタリングし、分解能約1nmのTEMによって観察
される大きさの粒子に成長する。
する触媒成分が共存した第4の態様の触媒は、1000
℃×3時間といった厳しい促進された耐久処理の後であ
っても、粒子径が約2〜3nmと極めて微細な状態が維
持されており、したがって、かかる第4の態様の触媒の
微細な担持状態は、自動車エンジン用排気ガス浄化用触
媒の通常の使用条件下では、長期間にわたって維持され
ることができる。これに対し、比較例の触媒では、かか
る微細な粒子径を大きく上回る粒子に成長しており、シ
ンタリングによって到達する触媒成分の粒子径には格段
の相違が見られる。
粒子径が極めて微細な段階でシンタリングが停止するこ
と、及び共存する触媒成分の電子状態が高温雰囲気下で
最適化されることが、図2に示すような初期活性よりも
高い触媒性能を発揮する効果をもたらすものと考えられ
る。
て用い、これにジニトロジアンミン白金溶液を含浸さ
せ、次いで乾燥と大気中で500℃×2時間の熱処理を
行い、γ-アルミナ粒子の上に2質量%のPtが担持さ
れた粉末を得た。
200ccの30℃のイオン交換水に分散させ、得られ
たスラリーに、アスコルビン酸ナトリウム(1.00質
量%)、クエン酸三ナトリウム二水和物(2.00×1
0-1質量%)及び硝酸鉄の順に添加し、穏やかな攪拌下
に24時間置くことで硝酸鉄Fe(NO3)3・9H2Oか
らFeを還元析出させた。この還元析出の後、スラリー
を濾過・洗浄し、大気中で120℃×2時間の乾燥を行
い、さらに大気中で500℃×2時間の熱処理を行っ
て、0.22質量%のFeを担持した。
/g)を担体として用い、この担体上に、硝酸ロジウム
水溶液を用いて、1質量%のRhを含浸担持し、Rh担
持ジルコニア粉末を得た。これらのPt-Fe担持γ-ア
ルミナ粉末及びRh担持ジルコニア粉末とセリア−ジル
コニア固溶体を1:0.53:1の質量比で乳鉢を用い
て混合し、第1の態様の触媒Qを得た。
用いることを除き、同様にして2質量%のPt及び0.
22質量%のCoを担持したPt-Co担持γ-アルミナ
粉末を得た。このPt-Co担持γ-アルミナ粉末を、実
施例17と同様にして1質量%Rh担持ジルコニア粉末
及びセリア−ジルコニア固溶体と1:0.53:1の質
量比で乳鉢を用いて混合し、第1の態様の触媒Rを得
た。
用いることを除き、同様にして2質量%のPt及び0.
22質量%のMnを担持したPt-Mn担持γ-アルミナ
粉末を得た。このPt-Mn担持γ-アルミナ粉末を、実
施例17と同様にして1質量%Rh担持ジルコニア粉末
及びセリア−ジルコニア固溶体と1:0.53:1の質
量比で乳鉢を用いて混合し、第1の態様の触媒Sを得
た。
にアルミナ−セリア−ジルコニアを用い、同様にして1
質量%のPt及び0.11質量%のFeを担持させ、こ
れを1質量%Rh担持ジルコニア粉末と1:0.27の
質量比で乳鉢を用いて混合し、第1の態様の触媒Tを得
た。
てγ-アルミナ粒子の上に2質量%のPtを含浸担持
し、これを1質量%Rh担持ジルコニア粉末とセリア−
ジルコニア固溶体と1:0.53:1の質量比で乳鉢を
用いて混合し、比較例の触媒eを得た。
ジルコニアを用い、比較例5と同様にして2質量%のP
tを担持させ、これを1質量%Rh担持ジルコニア粉末
と1:0.27の質量比で乳鉢を用いて混合し、比較例
の触媒fを得た。
れぞれ圧縮・解砕し、直径約1〜3mmのペレット状の
触媒に成形した。これらの触媒の各2.0gを、実験室
用の排気ガス浄化性能評価装置の反応管内部に設置し、
下記に示す組成のリッチ及びリーンのモデル雰囲気ガス
を、リッチ/リーン=1分/1分で1000℃×5時間流通
させ、耐久処理に供した。このモデル雰囲気ガスの流量
は4.5リットル/分/2.0g触媒成分とした。 リッチモデル雰囲気ガス組成: 1.1%CO+4800ppmC3H6+1000ppmNO+14.4%CO2+0.3% O2+10%H2O (残余N2) リーンモデル雰囲気ガス組成: 0.1%CO+1200ppmC3H6+1000ppmNO+14.4%CO2+1.1% O2+10%H2O (残余N2)
/F=14.6(ストイキ)のモデル雰囲気ガスを流通さ
せ、400℃×5分間の前処理の後、触媒床温度を10
℃/分の速度で降温させながら、CO、NO及びC3H6
の50%浄化温度(T50)を測定した。このモデル雰囲気
ガスの流量は6.0リットル/分/0.015g触媒成分
とした。 A/F=14.6のモデル雰囲気ガス組成: 0.65%CO+1000ppmC3H6+1500ppmNO+10%CO2+0.7% O2+5%H2O (残余N2) このようにして測定された各触媒の耐久処理後における
T50を図6にまとめて示す。
験前と耐久試験後のCO吸着量を測定し、その結果を図
7に示す。
金属の2成分を担持した本発明の触媒はいずれも、Pt
のみを担持した比較例の触媒よりも顕著に耐久性が高い
ことが分かる。さらに、図7に示すように、遷移金属を
担持させることにより、耐久試験前、すなわち新品触媒
のCO吸着量は低下する。これは遷移金属がPt粒子表
面上に存在しており、COの吸着を妨げているためと考
えられる。一方、耐久試験前と試験後の比較において、
本発明の触媒QのCO吸着量低下分はきわめて小さい。
これは遷移金属の担持によりPtのシンタリングが抑制
されているためであると考えられる。
時的に安定して触媒性能を発揮する排気ガス浄化用触媒
を提供することができる。
である。
ある。
真である。
真である。
Claims (10)
- 【請求項1】 同じ担体上にPtとPdの少なくとも一
方(M)、及び遷移金属から選択された少なくとも1種
(X)(Pt、Pd、Au、及びRhを除く)が担持された
ことを特徴とする排気ガス浄化用触媒。 - 【請求項2】 同じ担体上にPtとPdの少なくとも一
方(M)、及び遷移金属から選択された少なくとも1種
(X)(Pt、Pd、Au、及びRhを除く)が共存する合
金粒子が担持されてなることを特徴とする排気ガス浄化
用触媒。 - 【請求項3】 同じ担体上にPtとPdの少なくとも一
方(M)、遷移金属から選択された少なくとも1種(X)
(Pt、Pd、Au、及びRhを除く)、及びRhが担持
されたことを特徴とする排気ガス浄化用触媒。 - 【請求項4】 同じ担体上にPtとPdの少なくとも一
方(M)、遷移金属から選択された少なくとも1種(X)
(Pt、Pd、Au、及びRhを除く)、及びRhが共存
する合金粒子が担持されてなることを特徴とする排気ガ
ス浄化用触媒。 - 【請求項5】 X/Mの質量比が0.005〜0.3であ
り、かつRh/Mの質量比が0.05〜0.5である請求
項1〜4のいずれか1項に記載の排気ガス浄化用触媒。 - 【請求項6】 Xが、Mn、Fe、Co、Ni、Y、M
o、Ru、Cu、Ce、及びNdから選択された少なく
とも1種である請求項1〜4のいずれか1項に記載の排
気ガス浄化用触媒。 - 【請求項7】 合金粒子の粒子径が0.5〜20nmで
ある請求項2又は4に記載の排気ガス浄化用触媒。 - 【請求項8】 合金粒子の粒子径が0.5〜10nmで
ある請求項2又は4に記載の排気ガス浄化用触媒。 - 【請求項9】 還元剤、錯化剤、及び緩衝剤を含む水溶
液中において、担体上に担持させたPtとPdの少なく
とも一方の粒子に遷移金属の錯体を吸着もしくは還元さ
せてPtとPdの少なくとも一方の粒子の上に析出さ
せ、焼成によりPtとPdの少なくとも一方と遷移金属
とを合金化させることを特徴とする、請求項2又は4記
載の排気ガス浄化用触媒の製造方法。 - 【請求項10】 前記還元剤、錯化剤及び緩衝剤のいず
れもが硫黄を含まないことを特徴とする、請求項9記載
の排気ガス浄化用触媒の製造方法。
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