JP2003180860A - ガス系消火設備の開放器 - Google Patents

ガス系消火設備の開放器

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JP2003180860A JP2001381266A JP2001381266A JP2003180860A JP 2003180860 A JP2003180860 A JP 2003180860A JP 2001381266 A JP2001381266 A JP 2001381266A JP 2001381266 A JP2001381266 A JP 2001381266A JP 2003180860 A JP2003180860 A JP 2003180860A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気ノイズ、振動、衝撃等の外乱により開放
器が誤作動することのないようにして安全性の確保を図
れるガス系消火設備の開放器を提供する。 【解決手段】 ガス貯蔵容器もしくは起動用ガス容器に
取り付けられる容器弁Vの封板Sを突き破る破壊針1を
備えた開放器であって、破壊針1を封板Sに向けて押圧
付勢するためのばね部材2と、制御盤15からの起動信
号で回転するモーター3と、該モーター3の回転力を受
けてばね部材2に圧縮荷重を加えるばね押圧機構4と、
平常時は破壊針1に係止しばね部材2が所定圧に圧縮さ
れたときに破壊針1の係止状態を解除するロック・アン
ロック手段5とを備えており、ばね部材2は平常時に自
由状態(加圧ゼロ状態)にセットされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二酸化炭素、窒
素、ハロン、イナ−ジェンガス等のガスを放出して火災
を消火するガス系消火設備において、ガス貯蔵容器もし
くは起動用ガス容器に取り付けられた容器弁を開放する
ための開放器に関する。
【0002】
【従来の技術】ガス系消火設備において、消火用ガスを
貯蔵するガス貯蔵容器、またはその貯蔵容器をガス圧力
により開放させるための起動用ガス容器には、容器弁
と、その容器弁を開放するための開放器が取り付けられ
ている。その開放器は、図3にその概略図を示すよう
に、容器弁Vの銅板等からなる封板Sを突き破るための
進退動自在な破壊針20と、この破壊針20を前記封板
Sに向かう前進方向に押圧付勢するばね部材21と、平
常時は破壊針20をばね部材21の付勢力に抗して後退
位置に停止保持すべく該破壊針20に係止しているソレ
ノイド22とを備えており、ソレノイド22は制御盤か
らの起動信号により作動すると破壊針20との係止状態
を解除し、この解除に伴い破壊針20がばね部材21の
付勢力により急激に前進移動して容器弁Vの封板Sを突
き破るようになっている。また、図示省略するが、停電
時には手動操作でも前記破壊針20の係止状態を解除で
きるように前記ソレノイド22に手動式解除手段を併装
したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、平常時にば
ね部材21が圧縮状態で破壊針20を押圧付勢して容器
弁Vの封板Sを破壊するエネルギーを蓄えている構造の
上記開放器では、不測にも制御盤から開放器への配線内
に電気ノイズが入ってソレノイド22の作動で開放器が
作動したり、手動式解除手段を併装した開放器ではこの
開放器自体に機械的振動や衝撃作用が加えられて開放器
が作動したりすることがあるが、このように一旦開放器
が作動すると、一挙に、消火用ガス、特に二酸化炭素消
火薬剤が防護区画内に放出されるため、逃げ遅れて防護
区画内に居る人の人命に関わるおそれがあった。
【0004】本発明は、上記のような問題を解消するた
めになされたものであり、平常時はばね部材が容器弁の
封板を破壊するだけのエネルギーを蓄えない自由状態に
セットされるものとし、もって電気ノイズ、振動、衝撃
等の外乱により開放器が誤作動することのないようにし
て安全性の確保を図れるガス系消火設備の開放器を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガス貯蔵容器
もしくは起動用ガス容器に取り付けられる容器弁の封板
を突き破るための破壊針が進退動自在に備えられている
ガス系消火設備の開放器であって、前記破壊針を前記封
板に向かう前進方向に押圧付勢するためのばね部材と、
制御盤からの起動信号で回転するモーターと、該モータ
ーを動力源として前記ばね部材に圧縮荷重を加える作用
をするばね押圧機構と、平常時は前記破壊針に係止し前
記ばね部材が所定圧に圧縮されたときに前記破壊針の係
止状態を解除するロック・アンロック手段とを備えてお
り、前記ばね部材は平常時に自由状態にセットされてい
ることに特徴を有するものである。
【0006】この場合において、前記ばね押圧機構とし
ては、内周面に雌ねじを設けたナット部材と、外周面に
前記雌ねじに螺合する雄ねじを有し、前記モーターの軸
上に遊嵌されて該軸と共に回転すると同時に軸方向に移
動するばね押圧体とからなるものとすることができる。
また、前記ロック・アンロック手段はベルクランクから
なり、このベルクランクは、これの両腕間の中間部を支
持される支軸を中心として揺動自在に装着され、平常時
に一方の腕の一端部が前記破壊針に係止すると共に他方
の腕の一端部が前記ナット部材の一部の穴から内部に臨
み、前記ばね押圧体が前記ばね部材を所定圧に圧縮する
位置にまで移動したとき前記一方の腕の一端部が該ばね
押圧体との当接により前記ナット部材の穴に退入すると
同時に他方の腕の一端部が前記破壊針との係止状態を解
除するように構成することができる。また、前記ロック
・アンロック手段は、前記ばね押圧体が前記ばね部材を
所定圧に圧縮する位置にまで移動したときに当該位置を
検出する検出センサと、平常時に前記破壊針に係止し、
前記検出センサからの位置検出信号を入力して前記破壊
針との係止状態を解除するソレノイドとからなるものと
することもできる。
【0007】
【作用】上記構成の開放器によれば、ばね部材は、平常
時、自由状態にセットされていて、容器弁の封板を破壊
針を介して破壊できるほどの付勢力(エネルギー)を持
っていないものとしてある。したがって、不測に制御盤
から開放器への配線内に電気ノイズのように一過性の電
気信号が入ってモーターが回転しても、この時の回転は
瞬間的であり、この瞬間的なモーターの回転では自由状
態にセットされているばね部材はばね押圧機構を介して
僅かに圧縮するだけであり、またこれが数回繰り返され
てもばね部材は徐々に圧縮量を増すに止まるため、破壊
針を動かすまでに至らず、不測に封板が破壊されるのを
防止できる。即ち、連続的に起動信号がモーターに送ら
れない限りすぐには破壊針が封板を破壊するようなこと
がなくなった。また、不測にも開放器自体に機械的振動
または衝撃が加えられてロック・アンロック手段が破壊
針との係止状態を解除したりするような事態が生じた場
合にも、ばね部材は前述のように自由状態にあるか僅か
に圧縮しているだけであるため、破壊針を封板に達する
まで前進させることがなく、不測に封板を破壊するのを
防止できる。
【0008】火災発生時には制御盤からモーターへ連続
的に起動信号が送られるのでモーターは連続的に回転
し、これによりばね押圧機構を介してばね部材が所定圧
まで圧縮されると同時にロック・アンロック手段が破壊
針との係止状態を解除するので、ばね部材の付勢力によ
り破壊針が急激に動いて封板を破壊することになる。
【0009】ばね押圧機構としては、内周面に雌ねじを
設けたナット部材と、外周面に前記雌ねじに螺合する雄
ねじを有し、前記モーターの軸上に遊嵌されて該軸と共
に回転すると同時に軸方向に移動するばね押圧体とから
なるものとしておくと、モーターの回転運動をばね押圧
体の直線運動に確実に変えることができ、モーターの回
転に伴いばね押圧体によりばね部材に圧縮荷重を安定確
実に加えることができる。
【0010】ロック・アンロック手段としては上記のよ
うな構成のベルクランクからなるものとしてあると、ば
ね押圧体がばね部材を所定圧に圧縮する位置にまで移動
すると同時に破壊針の係止状態を確実に解除することが
できる。また、ロック・アンロック手段は、上記のよう
な検出センサとソレノイドとからなるものとした場合に
おいても、ばね押圧体がばね部材を所定圧に圧縮する位
置にまで移動すると同時に破壊針の係止状態を確実に解
除することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係るガス系消火設備の開
放器の好適な実施形態を図面に基づき説明する。図1は
本発明の一実施例を示す開放器の概略縦断面図である。
【0012】図1に示すように、本発明に係るガス系消
火設備の開放器は、ガス貯蔵容器もしくは起動用ガス容
器に取り付けられる容器弁Vの封板Sを突き破るための
破壊針1と、自由状態(加圧ゼロ状態)で所定位置にセ
ットされ、破壊針1を封板Sに向けて押圧付勢するため
の圧縮コイルばね等によるばね部材2と、制御盤15か
らの起動信号で回転するモーター3と、このモーター3
の正回転力を受けてばね部材2に圧縮荷重を加えるばね
押圧機構4と、平常時は破壊針1を後退位置に保持すべ
く該破壊針1に係止し、ばね部材2が破壊針1を封板S
に達する位置にまで移動付勢させるに要する付勢力を発
揮する所定圧まで圧縮されたときに破壊針1との係止状
態を解除するロック・アンロック手段5とを備えてい
る。
【0013】ばね押圧機構4は、内周面に雌ねじ6を設
けたナット部材7と、外周面に前記雌ねじ6に螺合する
雄ねじ8を有し、前記モーター3の軸9上に遊嵌されて
該軸9と共に回転すると同時に軸方向に移動する円盤状
のばね押圧体10とからなる。
【0014】ロック・アンロック手段5はベルクランク
11からなり、ベルクランク11は両腕11a,11b
間の中間部を支持する支軸12を中心として揺動自在に
装着され、平常時にベルクランク11の一方の腕11a
の一端部が破壊針1を後退位置に保持すべく該破壊針1
の後端部に係止し、他方の腕11bの一端部がナット部
材7の一部の穴13から内部に臨むように設置される。
この平常状態は支軸12上に備えたねじりコイルばね1
4により保持されている。そして、ばね押圧体10がば
ね部材2を所定圧に圧縮させる位置にまでa方向に前進
移動すると、ベルクランク11は、一方の腕11bの一
端部が前進位置のばね押圧体10により押されてナット
部材7の穴13に退入するよう支軸12回りにb方向に
揺動すると同時に、他方の腕11aの一端部が破壊針1
との係止状態を解除するようになしている。
【0015】上記構成の開放器は、平常時においてはば
ね部材2が、自由状態(加圧ゼロ状態)で所定位置にセ
ットされていて、破壊針1を容器弁Vの封板Sに達する
位置にまで押圧付勢させるに要するだけの付勢力(エネ
ルギー)を蓄えていない状態にある。したがって、たと
え電気ノイズのように一過性の電気信号が入ってモータ
ー3が瞬間的に回転しても、この瞬間的な回転によりば
ね部材2はばね押圧機構4を介して僅かに圧縮するにと
どまるため、破壊針1を動かすまでに至らず、破壊針1
により封板Sが破壊されるのを防止できる。また、不測
にも、この開放器自体に機械的振動または衝撃が加えら
れてロック・アンロック手段5が破壊針1との係止状態
を解除するようなことがあっても、ばね部材2は前述の
ように自由状態もしくは僅かに圧縮しているに過ぎない
ため、破壊針1を封板Sの位置に達するまで動かすに至
らず、封板Sの破壊を防止できる。
【0016】火災発生時に制御盤15から連続的に起動
信号がモーター3に送られると、このモーター3の連続
的な回転によりばね押圧機構4のばね押圧体10がばね
部材2を所定圧に圧縮するまでa方向に前進し、これと
同時にロック・アンロック手段5のベルクランク11が
一方の腕11bを前進位置のばね押圧体10と当接する
ことにより支軸12回りにb方向に揺動して他方の腕1
1aの破壊針1との係止状態を解除する。したがって、
このときはばね部材2の付勢力により破壊針1が急激に
前進移動して封板Sを破壊する。なお、封板Sの破壊
後、ばね押圧体10を元の位置に戻すにはモーター3を
逆転させればよい。
【0017】図2は他の実施例を示しており、この実施
例ではロック・アンロック手段5が、ばね押圧体10が
ばね部材2を所定圧に圧縮する位置にまで移動したとき
この位置を検出するリミットスイッチ等による検出セン
サ16と、この検出センサ16の検出信号を入力して作
動するソレノイド17とからなる。ソレノイド17は平
常時破壊針1を後退位置に保持すべく該破壊針1に係止
しており、一方、検出センサ16はばね押圧体10がば
ね部材2を所定圧に圧縮する位置にまで移動したときこ
のばね押圧体10と当接する位置に設置される。しかる
ときは、検出センサ16はばね押圧体10がばね部材2
を所定圧まで圧縮する位置にまで移動したときこのばね
押圧体10の位置を検出し、この検出信号によりソレノ
イド17が作動して破壊針1との係止状態を解除する。
そのロック・アンロック手段5以外の構成は上記実施例
のものと同じである。
【0018】なお、ばね押圧機構4は上記実施例のよう
にばね押圧体10とナット部材7とを組み合わせてなる
ものが、モーター3の回転運動をばね押圧体10の直線
運動に確実に変えることができ、モーター3の回転に伴
いばね押圧体10によりばね部材2に圧縮荷重を安定確
実に加えることができる点で有利であるが、必ずしもこ
れに限られず、モーター3の回転力を受けてばね部材2
に圧縮荷重を加えることを可能にする機構であればよ
い。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、制御盤から開放器への
配線内に電気ノイズが入ってモーターが瞬間的に回転し
たり、開放器自体に機械的振動または衝撃作用が加えら
れてロック・アンロック手段が破壊針との係止を解除し
たりするようなことがあっても、破壊針がすぐに動いて
容器弁の封板を破壊することがなくなったので、誤作動
と判ったときに動作を停止することが可能となり安全性
を確保できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の開放器の概略縦断面図である。
【図2】他の実施例を示す開放器の概略縦断面図であ
る。
【図3】従来例の開放器の概略図である。
【符号の説明】
V 容器弁 S 封板 1 破壊針 2 ばね部材 3 モーター 4 ばね押圧機構 5 ロック・アンロック手段 6 雌ねじ 7 ナット部材 8 雄ねじ 9 モーターの軸 10 ばね押圧体 11 ベルクランク 11a,11b 腕 12 支軸 13 穴 15 制御盤 16 検出センサ 17 ソレノイド

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス貯蔵容器もしくは起動用ガス容器に
    取り付けられる容器弁の封板を突き破るための破壊針が
    進退動自在に備えられているガス系消火設備の開放器で
    あって、 前記破壊針を前記封板に向かう前進方向に押圧付勢する
    ためのばね部材と、制御盤からの起動信号で回転するモ
    ーターと、該モーターを動力源として前記ばね部材に圧
    縮荷重を加える作用をするばね押圧機構と、平常時は前
    記破壊針に係止し前記ばね部材が所定圧に圧縮されたと
    きに前記破壊針の係止状態を解除するロック・アンロッ
    ク手段とを備えており、前記ばね部材は平常時に自由状
    態にセットされていることを特徴とする、ガス系消火設
    備の開放器。
  2. 【請求項2】 前記ばね押圧機構が、内周面に雌ねじを
    設けたナット部材と、外周面に前記雌ねじに螺合する雄
    ねじを有し、前記モーターの軸上に遊嵌されて該軸と共
    に回転すると同時に軸方向に移動するばね押圧体とから
    なる、請求項1記載のガス系消火設備の開放器。
  3. 【請求項3】 前記ロック・アンロック手段がベルクラ
    ンクからなり、このベルクランクは、これの両腕間の中
    間部を支持される支軸を中心として揺動自在に装着さ
    れ、平常時に一方の腕の一端部が前記破壊針に係止する
    と共に他方の腕の一端部が前記ナット部材の一部の穴か
    ら内部に臨み、前記ばね押圧体が前記ばね部材を所定圧
    に圧縮する位置にまで移動したとき前記一方の腕の一端
    部が該ばね押圧体との当接により前記ナット部材の穴に
    退入すると同時に他方の腕の一端部が前記破壊針との係
    止状態を解除するように構成してある、請求項2記載の
    ガス系消火設備の開放器。
  4. 【請求項4】 前記ロック・アンロック手段が、前記ば
    ね押圧体が前記ばね部材を所定圧に圧縮する位置にまで
    移動したときに当該位置を検出する検出センサと、平常
    時に前記破壊針に係止し、前記検出センサからの位置検
    出信号を入力して前記破壊針との係止状態を解除するソ
    レノイドとからなる、請求項2記載のガス系消火設備の
    開放器。
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