JP2003180787A - 入浴装置 - Google Patents

入浴装置

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JP2003180787A
JP2003180787A JP2001383971A JP2001383971A JP2003180787A JP 2003180787 A JP2003180787 A JP 2003180787A JP 2001383971 A JP2001383971 A JP 2001383971A JP 2001383971 A JP2001383971 A JP 2001383971A JP 2003180787 A JP2003180787 A JP 2003180787A
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bathtub
riding
bath
engaging
hot
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Shinji Shimazaki
新治 嶋崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自ら入浴できない者のみならず、歩行の困難
な老人や一般者が入浴する場合でも適した入浴装置を提
供することを目的とする。 【解決手段】 本願発明の入浴装置は、浴槽1と、乗部
2と、支持部材3とを備えている。乗部2は、支持部材
3に回動不能に吊り下げ支持されて浴槽1内に配設され
ている。浴槽1は、支持部材3に回動自在に吊り下げ支
持されることにより、浴槽1の前部側の上端が後部側の
上端と略同じ高さ位置から乗部2と略同じ高さ位置まで
の範囲を上下移動可能とされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、入浴装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】浴槽を備えた入浴装置は、通常、浴槽の
側壁がある程度の高さを有するため、側壁を乗り越える
ようにして浴槽内に入らなければならない。従って、例
えば歩行の困難な者、或いは老人が浴槽内に入り難く、
しかも、浴槽内に入る際、転倒する恐れがあり、危険で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は、このよう
な実情に鑑みて提案されたもので、自ら入浴できない者
のみならず、自ら入浴できるが歩行の困難な老人や通常
の浴槽に支障なく入ることのできる一般者が入浴する場
合でも適した入浴装置を提供することを第1の目的とす
る。
【0004】本願発明は、歩行の困難な者や老人が入浴
する際、これらの者が不安を抱くことなく、安心して入
浴できる入浴装置を提供することを第2の目的とする。
【0005】本願発明は、車椅子に乗った者が、車椅子
に乗った状態で入浴できる入浴装置を提供することを第
3の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の作用効果】本願
発明は、次の特徴を有する入浴装置を提供することによ
り、上記課題を解決する。
【0007】本願第1発明は、上面開口の浴槽1と、入
浴者が乗るための乗部2と、これらを支持した支持部材
3とが備えられ、乗部2が、浴槽1内に配設されるよう
にして支持部材3に回動不能に支持されることにより、
乗部2に乗った入浴者が浴槽1内で入浴可能とされ、浴
槽1が、支持部材3に回動自在に支持されることによ
り、浴槽1の上端における一端側が上下移動可能とされ
たことを特徴とする入浴装置である。
【0008】本願第2発明は、本願第1発明に係る浴槽
1の上端における一端側が、少なくとも乗部2と略同じ
高さになる乗部位置から、その乗部位置より上方側の乗
部上方位置までの範囲を上下移動可能とされたことを特
徴とする入浴装置である。
【0009】本願第3発明は、本願第1又は第2発明に
係る乗部2が、支持部材3に移動不能に吊り下げ支持さ
れた懸架部材25、25を備え、この懸架部材25、2
5が、浴槽1の上方側から浴槽1内に、浴槽1の内壁面
と間隔を隔てて浴槽1の内壁面に沿って延ばされること
により、乗部2が浴槽1内に配設され、更に、この入浴
装置に、懸架部材25、25と浴槽1との間に入浴者の
指を詰めないようにする指詰め防止手段15が備えられ
ことを特徴とする入浴装置である。
【0010】本願第4発明は、本願第1から第3発明の
いずれかに係る入浴装置に、浴槽1と支持部材3とを係
脱自在に係止する係止手段6が備えられ、係止手段6
が、浴槽1の上端における一端側が乗部2と略同じ高さ
になる乗部位置と、その乗部位置より上方側となる乗部
上方位置との少なくとも二つの各位置になった状態で、
浴槽1と支持部材3とを係止するものであることを特徴
とする入浴装置である。
【0011】本願第5発明は、本願第4発明に係る係止
手段6が、ラチェット機構から構成され、ラチェット機
構が、浴槽1と支持部材3との一方側に設けられた複数
の歯61aを有する係合歯61と、浴槽1と支持部材3
との他方側に設けられ係合歯61と係脱自在に係合する
係合爪62、63と、係合爪62、63と係合歯61と
を係合解除状態にする係合解除手段65とを備え、係合
爪62、63が、第1係合爪62と、第2係合爪63と
を備え、第1係合爪62が、係合歯61に係合すること
により、浴槽1が、一方向側に回動可能とされるととも
に他方向側に回動不能とされ、第2係合爪63が、係合
歯61に係合することにより、浴槽1が、他方向側に回
動可能とされるとともに、一方向側に回動不能とされ、
係合解除手段65が、第2係合爪63と係合歯61とを
係合解除状態にすることにより、浴槽1が一方向側に回
動可能とされ、係合解除手段65が、第1係合爪62と
係合歯61とを係合解除状態にすることにより、浴槽1
が他方向側に回動可能とされるものであることを特徴と
する入浴装置である。
【0012】本願第6発明は、本願第1から第5発明の
いずれかに係る入浴装置に、浴槽1内に収納した湯水を
一時的に貯めておく湯水貯留槽85が備えられ、この湯
水貯留槽81が、引き込み・送り込み手段82、83、
84によって、湯水を浴槽1内から湯水貯留槽81内に
引き込むとともに、湯水貯留槽81内に引き込んだ湯水
を浴槽1内に送り込み可能とされたことを特徴とする入
浴装置である。
【0013】本願第7発明は、本願第1から第6発明の
いずれかに係る入浴装置に、浴槽を、少なくとも回動の
一方向側に付勢する付勢手段7が備えられたことを特徴
とする入浴装置である。
【0014】以上のように構成された本願第1発明にお
いては、入浴者が浴槽1に出入りする場合は、浴槽を回
動させて浴槽の上端における一端側を下げれば良く、こ
れにより、浴槽1の一端側から容易に出入りできる。従
って、自ら入浴できるが歩行の困難な老人等でも、容易
に浴槽1に出入りでき、老人等に適したものにできる。
一方、一般者が使用する場合は、通常の浴槽と同じよう
にして使用できる。
【0015】又、例えば入浴者を乗せる乗部2が回動す
ると、例えば老人や身体の不自由な者が乗部2に乗った
場合には、乗部2が回動する際に、それらの者が乗部2
から動いて危険であるとともに、不安感を抱かせてしま
う。しかし、この本願第1発明では、浴槽1が回動する
だけで乗部2を回動させないため、老人や身体の不自由
な者が乗部2に乗った場合でも、それらの者が動くこと
がなく、安全なものにできるとともに、入浴者に安心感
を与えることができる。従って、老人や身体の不自由な
人に特に適したものにできる。
【0016】本願第2発明においては、浴槽1が、支持
部材3に回動自在に支持されることにより、浴槽1の上
端における一端側が、少なくとも乗部2と略同じ高さに
なる乗部位置から、その乗部位置より上方側の乗部上方
位置までの範囲を上下移動可能とされたものとする。こ
うすることにより、浴槽1の上端における一端側を乗部
位置まで下げれば、車椅子でも容易に浴槽1内の乗部2
に乗ることができる。
【0017】本願第3発明においては、懸架部材25、
25と浴槽1との間で入浴者の指を詰めないようにする
指詰め防止手段15が備えられたものとする。こうする
ことにより、浴槽1の回動に際し、浴槽1内に入った入
浴者が懸架部材25、25と浴槽1との間に指を詰めて
怪我をするようなことを防止でき、安全なものにでき
る。
【0018】本願第4発明においては、例えば浴槽1に
出入りする場合は、浴槽1の上端における一端側が乗部
位置となる位置で、浴槽1と支持部材3とを係止してお
くことができる。これにより、浴槽1に出入りする際
に、浴槽1が回動して入浴者に当るようなことを防止で
きる。一方、入浴中は、浴槽1の上端における一端側が
乗部上方位置で、浴槽1と支持部材3とを係止しておく
ことができる。これにより、例えば入浴者が入浴中に浴
槽1を持っても浴槽1が回動することがなく、入浴者が
身体のバランスを崩して転倒するようなことを防止でき
る。
【0019】本願第5発明においては、例えば浴槽1の
上端部を手で押し下げて浴槽1を一方向側に回動操作す
る際、第1係合爪62と係合歯61とが係合可能状態に
なって他方向側に回動しないため、浴槽1を押圧してい
る手を離しても、その位置で浴槽1が止まる。これによ
り、数回に分けて徐々に浴槽1の上端部を下げることが
でき、老人等の力の弱い人でも容易に回動操作できる。
又、例えば浴槽1を押圧している手が不意に浴槽1から
すべって離れたような場合でも、その位置で浴槽1が止
まり、押し下げた浴槽1が上がってきて身体に当たり怪
我をするようなことを防止できる。一方、一端側を押し
下げた浴槽1を他方向側に回動操作する際、第2係合爪
63と係合歯61とが係合可能状態になって一方向側に
回動しないため、例えば操作中に、身体が浴槽1に倒れ
掛かったような場合でも、その位置で浴槽1が止まり、
身体を受けることができる。これにより、老人等でも、
安全に操作できる。
【0020】本願第6発明においては、入浴装置に、浴
槽1内に収納した湯水を一時的に貯めておく湯水貯留槽
81が備えられ、この湯水貯留槽81が、引き込み・送
り込み手段82、83、84によって、湯水を浴槽内か
ら湯水貯留槽81内に引き込むとともに、湯水貯留槽8
1内に引き込んだ湯水を浴槽1内に送り込み可能とされ
たものとする。こうすることにより、例えば浴槽1に出
入りする際に浴槽1を回動させて浴槽1の上端における
一端側を下げる場合は、浴槽1内の湯水を湯水貯留槽8
1に貯めておき、浴槽1を元に戻した後に、湯水貯留槽
81に貯めておいた湯水を浴槽1に戻すことができる。
これにより、例えば一般者が入浴した後に老人等が入浴
する場合、或いは、老人等が入浴した後に一般者が入浴
する場合に、浴槽1の湯水を廃棄しなくても、複数回、
使用でき、経済的なものにできる。
【0021】本願第7発明においては、例えば浴槽1の
上端が略水平状態になる状態を外力のかかっていない平
衡状態にしておき、浴槽1の上端の一端側を押し下げる
ようにして回動操作する場合、予め浴槽1をその押し下
げる方向に付勢手段7によって付勢しておけば、小さい
力で容易に押し下げてることができる。これにより、浴
槽1に出入りするための操作を容易なものにできる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、本願発明の入浴装置の平
面図、図2は、その左側面図、図3は、浴槽内に乗部2
を収納した状態の上方側から見た説明図、図4は、図1
のIV−IV線に沿う断面説明図、図5は、図1のV−
V線断面図である。
【0023】本願発明の入浴装置は、浴槽1と、乗部2
と、支持部材3とを備えている。
【0024】支持部材3は、浴槽1及び乗部2を支持す
るためのもので、浴槽1の左右両側に配設された左支柱
31と右支柱32との二つの支柱を備えている。各支柱
31、32の下部側は、基台33、33に取り付けられ
ている。又、基台33、33は、湯水受け部材4上に置
かれている。
【0025】この湯水受け部材4は、浴槽1から浴槽1
外に飛び散った湯水を受けるためのもので、周縁に、下
面から上方側に突設された湯水受け片41…41を備え
ている。又、湯水受け部材4には、三角柱の補助板42
が載置されている。この補助板42は、湯水受け部材4
から乗部2に車椅子や入浴者を案内補助するためのもの
で、後方側に漸次高さが高くなるように置かれている。
【0026】尚、湯水受け片41…41は、実際には、
僅かの高さであり、車椅子が容易に乗り越え得る程度の
ものである。又、例えば湯水受け部材4の出入り口側と
なる前端側の湯水受け片41aを、傾斜状に形成してお
いても良く、これにより、車椅子で、より簡単に湯水受
け部材4内に入ることができる。
【0027】各支柱31、32の上部側には、図4に示
すように浴槽1及び乗部2を吊り下げ支持する支持部3
5、36が夫々備えられている。この支持部35、36
は、本実施形態では、円筒状のものに構成され、支柱3
1、32の上部に、互いに対向する方向に突出されるよ
うにして各支柱31、32に固定されている。
【0028】浴槽1は、本実施形態では、図2に示すよ
うに側面視で略半円状を呈するように形成されている。
この浴槽1の上面側には、開口部11が備えられてお
り、この開口部11から浴槽1の内部に湯水を投入でき
るようにされているとともに、開口部11から入浴者が
浴槽1の内部に出入りできるようになっている。又、浴
槽1は、図3に示すように、後部側の幅狭部1aと、前
部側の幅広部1bとから構成されている。
【0029】この幅広部1bは、左右の内側壁各々を幅
狭部1aの左右の各内側壁から外側に膨らませるように
して幅狭部1aの内幅よりも内幅の広いものとされるこ
とにより、幅広部1bの左右両側に、後述する乗部2を
懸架した懸架部材25、25を収納する懸架部材用収納
部18、18が形成されている。尚、浴槽1の内部形状
を、前端から後端にかけて同じ内幅に形成して、その一
部に懸架部材25、25を収納するようにしてもよい。
ただし、その場合は、懸架部材25、25の後方部に使
用し難い部分が形成され、その部分にも湯水が入ると不
経済なものになるので、上記のように形成しておくのが
好ましい。
【0030】また、浴槽1の内部の後方側には、椅子1
2が備えられている。この椅子12は、浴槽1の内部に
入った入浴者が座るためのもので、浴槽1に固定されて
いる。尚、この椅子12は、浴槽1に固定したものに限
らず、乗部2に固定しておいても良い。
【0031】浴槽1の内部の下面には、図5に示すよう
に栓19aによって閉められた排出口19が設けられて
おり、栓19aが外されることにより、排出口19から
浴槽1に入れられた湯水が排出されるようになってい
る。
【0032】又、浴槽1における左右の両側壁の上部側
の略前後中央には、図4に示すように挿通孔13、13
が夫々穿設されており、これらの挿通孔13、13が、
各支柱31、32の支持部35、36各々に回動自在に
挿通されることにより、浴槽1が支柱31、32間に回
動自在に吊り下げ支持されている。このようにして浴槽
1が支持部35、36に吊り下げ支持されることによっ
て、外力が加わっていない平衡状態で、図2に示すよう
に浴槽1の前後の上端各々が略同高さになり、その状態
から各支柱31、32の支持部35、36を回動軸にし
て回動し、これにより、浴槽1の前後の上端が上下方向
に移動可能とされている。
【0033】また、このようにして支持部35、36に
吊り下げ支持された浴槽1における左右の両側壁各々
が、各支柱31、32各々の内面側における前部及び後
部各々に回転自在に設けられた振れ防止用ローラー3
7、37(図4では、後部側のものだけを表示してい
る)に当接している。詳しくは、浴槽1における左右の
両側壁各々の外側壁には、窪まされて形成された凹部6
0が設けられ、この凹部60に、断面略コの字状の走行
路17,17が、浴槽1の回動の軸となる支持部35を
中心とした円弧に沿う方向に伸ばされている。そして、
この走行路17,17内に、各振れ防止用ローラー3
7、37が配設され、浴槽1の回動に伴って、振れ防止
用ローラー37、37が走行路17,17を転がる。こ
のようにして、前部と後部との振れ防止用ローラー3
7、37が走行路17,17を転がることにより、支持
部35、36と共に浴槽1を支持でき、しかも、前部と
後部との振れ防止用ローラー37、37及び支持部3
5、36との3箇所で支持することにより、浴槽1を安
定した状態にして支持できる。
【0034】又、浴槽1の下面側は、基台33、33に
回転自在に設けられた振れ防止用ローラー38、38に
当接されている。
【0035】又、支持部35、36に回動自在に吊り下
げ支持された浴槽1は、係止手段6によって、浴槽1の
上端が乗部2と略同高さとなる乗部位置、その乗部位置
より上方の乗部上方位置、及びそれらの間の適宜位置
で、左支柱31に係脱自在に係止されるようになってい
る。この実施形態では、乗部上方位置として、浴槽1の
上端が略水平状態となる平衡状態になる位置を採用して
いる、又、この実施形態における係止手段6は、図6
(A)(B)に示すように、浴槽1の左側壁に設けられ
た係合歯61と、左支柱31の内側壁に設けられた係合
爪62、63とを備えたラチェット機構から構成されて
いる。
【0036】係合歯61は、図2に示すように、浴槽1
の外側壁に、窪まされて形成された凹部60内に設けら
れており、浴槽1の回動の軸となる支持部35を中心と
した円弧に沿う方向に並べられた複数の歯61a…61
aを備えている。
【0037】係合爪62、63は、図6(B)に示すよ
うに、後方側(図6(B)では、左側)の第1係合爪6
2と、前方側の第2係合爪63との前後一対の二つの係
合爪から構成されている。第1係合爪62は、下端側の
基端部が、左支柱31の内側壁に設けられた爪受容部3
1aに回動自在に受容されることにより、先端側が係合
歯61の下方側に、係合歯61に対して対向・接近し得
るように配設されている。又、第1係合爪62は、コイ
ルバネ64によって常時係合歯61側に付勢されてお
り、これにより、第1係合爪62が係合歯61に係合す
る。そして、その係合によって浴槽1は反時計方向(図
2のY方向)側に回動不能とされる。
【0038】第2係合爪63は、第1係合爪62と前後
対称になるように配設され、第2係合爪63が係合歯6
1に係合することにより、浴槽1は時計方向(図2のX
方向)側に回動不能とされる。従って、第1係合爪62
と第2係合爪63とが、係合歯61に係合した状態で
は、浴槽1は、両方向に回動不能状態になって固定状態
になる。
【0039】又、これらの係合爪62、63は、左支柱
31に設けられた係合解除手段としての係合解除操作部
材65によって、係合した係合歯61から係合解除され
るようになっている。この係合解除操作部材65は、図
6(A)(B)に示すように軸部66と、爪操作部67
と、操作ハンドル68とを備えている。軸部66は、左
支柱31に設けられた軸挿通孔31bに回動自在に通さ
れ、これにより、係合解除操作部材65が左支柱31に
回動自在に取り付けられている。
【0040】爪操作部67は、軸部66から浴槽1側に
延ばされ、第1係合爪62と第2係合爪63との間に配
設されており、前方、後方側各々に突設された二つの操
作突片67a、67aを備えている。操作ハンドル68
は、軸部66から左支柱31の外側壁側に延ばされてい
る。
【0041】又、係合解除操作部材65は、図示しない
が、左支柱31に係脱自在に係止する操作部材係止手段
が備えられており、この操作部材係止手段によって、操
作突片67a、67aが第1係合爪62及び第2係合爪
63を押圧していない図6(B)に示す位置、操作突片
67aが第2係合爪63を押圧し第2係合爪63を係合
歯61から係合解除した図7に示す位置、及び操作突片
67aが第1係合爪62を押圧し第1係合爪62を係合
歯61から係合解除した位置(図示せず)の各位置で左
支柱31に適宜係止できるようにされている。
【0042】また、操作突片67a、67aが第1係合
爪62及び第2係合爪63を押圧していない図6(B)
に示す状態で、操作ハンドル68は、図7中に一点鎖線
で示すように鉛直方向になったA位置に配設され、操作
突片67aが第2係合爪63を押圧し第2係合爪63を
係合歯61から係合解除した図7に示す状態で、操作ハ
ンドル68は、前方側(図7では、右側)に傾いたB位
置に配設されるようになっている。又、操作突片67a
が第1係合爪62を押圧し第1係合爪62を係合歯61
から係合解除した状態で、操作ハンドル68は、後方側
(図7では、左側)に傾いたC位置に配設されるように
なっている。
【0043】尚、係合解除操作部材65は、A位置、B
位置、及びC位置で支柱31に係止さされる形態のもの
に限らず、係止させないものであっても良い。又、例え
ば係合解除操作部材65を、上記位置で支柱31に係止
させないで、コイルバネ等によってB位置からA位置
に、C位置からA位置に自動的に戻るようにしておいて
も良い。
【0044】尚、係合歯61、係合爪62、63は、上
記形態のものに限らず、適宜変更しうる。又、この実施
形態では、係合解除操作部材65を、係合爪62、63
と別体のものから構成しているが、第1係合爪62、第
2合爪63各々から一体に形成したものであってもよ
い。例えば第1係合爪62から一体に形成した第1係合
爪解除操作部と、第2合爪63から一体に形成した第2
合爪解除操作部との二つから構成したものとする。そし
て、第1係合爪解除操作部を操作することにより、第1
係合爪62を係合解除状態にし、第2係合爪解除操作部
を操作することにより、第2係合爪63を係合解除状態
にするようにしても良く、適宜変更できる。又、この実
施形態では、浴槽1に係合歯61を設け、支持部材3に
係合爪62、63を設けているが、例えば浴槽1に係合
爪62、63を設け、支持部材3に係合歯61を設ける
ようにしても良く、適宜変更できる。
【0045】更に、本実施形態における浴槽1には、付
勢手段7が設けられている。この実施形態における付勢
手段7は、ガスシリンダー7から構成されている。この
ガスシリンダー7は、図2に示すように本体部71と、
ロッド73とを備えている。本体部71は、内部にガス
が入れられている。ロッド73の基端側は、本体部71
内に摺動可能に配設されている。一方、ロッド73の先
端側は、本体部71の先端側に突設されており、図8に
示すように基端側の摺動に伴って、突出長さを変えて伸
縮する。又、ロッド73は、本体部71内のガス圧によ
って常時先端側に付勢されている。
【0046】そして、このガスシリンダー7は、本体部
71の基端側が左支柱31に回動自在に取り付けられ、
ロッド73の先端が浴槽1の左側壁の後部に回動自在に
取り付けられている。これにより、浴槽1は、ガスシリ
ンダー7によって、常時、図2の時計方向(X方向)に
付勢されている。
【0047】又、この実施形態の浴槽1は、ガスシリン
ダー7によって、ガスシリンダー7のロッド73が本体
部71に対して摺動する範囲で、支持部材3に対して回
動する。本実施形態では、本体部71に対するロッド7
3の突出長さが最も短い図2に示す状態で、浴槽1の上
端が水平状態に設定され、本体部71に対するロッド7
3の突出長さが最も長い図8に示す状態で、浴槽1の上
端が乗部2と略同高さ位置になるように設定されてい
る。
【0048】また、本実施形態における浴槽1には、浴
槽1内に入れた湯水を一時的に貯留しておくための湯水
貯留手段と、浴槽1内にエアを供給するためのエア供給
手段とが付設されている。この実施形態では、湯水貯留
手段とエア供給手段とを備えた一つの湯水貯留・エア供
給装置8から構成されている。
【0049】この湯水貯留・エア供給装置8は、図1及
び図4に示すように、上部側に設けられた湯水貯留槽8
1と、下部側に設けられた駆動部82と、湯水吸水用パ
イプ83と、湯水送出用パイプ84と、エア供給用パイ
プ85とを備えている。
【0050】湯水貯留槽81は、浴槽1内に入れた湯水
を全部、貯留し得る程度の大きさのものから構成されて
いる。
【0051】駆動部82は、浴槽1内の湯水を湯水貯留
槽81に吸い込むとともに、湯水貯留槽81に貯留した
湯水を浴槽1内に送り込み、更には、エアを浴槽1内に
送り込むためのもので、駆動部82には、図示しないが
モータ、コンプレッサー、ポンプ等が備えられている。
【0052】湯水吸水用パイプ83は、基端側が湯水貯
留槽81に接続され、湯水貯留槽81から浴槽1の下方
側に通され、そこから左支柱31の支持部35内に通さ
れるようにして、先端側が浴槽1内の乗部2の下方側に
配設されている。そして、駆動部82の始動に伴って、
この湯水吸水用パイプ83を介して浴槽1内の湯水が吸
水されて湯水貯留槽81に入れられる。
【0053】湯水送出用パイプ84は、基端側が湯水貯
留槽81に接続され、湯水貯留槽81から右支柱32の
支持部36内に通されるようにして、先端側が浴槽1内
の乗部2の下方側に配設されている。そして、駆動部8
2の始動に伴って、湯水送出用パイプ84を介して湯水
貯留槽81に貯留された湯水が浴槽1内に送出される。
【0054】エア供給用パイプ85は、基端側が湯水貯
留・エア供給装置8に接続され、湯水貯留槽81から右
支柱32の支持部36内に通されるようにして、先端側
が浴槽1内の乗部2の下方側に配設されている。そし
て、駆動部82の始動に伴って、エア供給用パイプ85
を介してエアが浴槽1内に供給される。
【0055】尚、この実施形態における湯水貯留・エア
供給装置8の上面は、蓋体によって覆われ、蓋体を取り
外して内部を清掃可能にしている。又、蓋体には、空気
取り入れ口85aが設けられている。又、湯水貯留・エ
ア供給装置8の湯水貯留槽81の上部側には、オーバー
フロー用口81bが設けられている。また、湯水貯留槽
81の下部側には、湯水貯留槽用湯水排出口81aが設
けられ、湯水貯留槽81に貯留した湯水を適宜排出でき
るようになっている。
【0056】乗部2は、入浴者が乗るためのもので、浴
槽1の内部に入る程度の大きさの平板状のものから構成
されている。この実施形態における乗部2は、下面側か
ら上面側に貫通する複数の貫通孔20…20が備えられ
ている。これらの貫通孔20…20は、エア供給用パイ
プ85から乗部2の下面側に送られてくるエアを乗部2
の上面側に通すためのものである。
【0057】又、乗部2の左右両側には、乗部2を支持
部材3に支持させるための懸架部材25、25が備えら
れている。各懸架部材25、25は、板状のものから構
成され、下端側は、乗部2に固定されている。又、図4
に示すように懸架部材25、25と乗部2との間には、
後述の隠蔽部材を収納するための隠蔽部材収納部28、
28が形成されている。この隠蔽部材収納部28、28
は、乗部2の上面から下方側に窪まされるようにして形
成されている。
【0058】各懸架部材25、25の上部側は、浴槽1
を通した後の左右両支柱31、32各々の支持部35、
36に固定されることにより、図3に示すように各懸架
部材25、25が浴槽1の懸架部材用収納部18、18
各々に、浴槽1の内側壁との間に若干の隙間27、27
をあけるようにして収納されるとともに、乗部2が浴槽
1内の下部側に、支持部材3に対して移動不能に吊り下
げ支持されている。又、このようにして浴槽1内の下部
側に吊り下げ支持された乗部2は、補助板42の後端側
と略同高さ位置になるように設定されている。
【0059】又、各懸架部材25、25と浴槽1の左右
の各内側壁との間に形成された上記隙間27、27は、
隠蔽部材15、15によって覆い隠されている。この隠
蔽部材15、15は、浴槽1の回動に際して、上記隙間
27、27に入浴者の指を詰めないようにするための指
詰め防止手段としてのものである。
【0060】この実施形態の隠蔽部材15、15各々
は、上端側が浴槽1の幅広部1bの上端側に接続され、
浴槽1の上端側から内側壁に沿わされるようにして懸架
部材25、25各々を内側から覆っている。このように
して懸架部材25、25各々を内側から覆って隙間2
7、27を浴槽1の内部に現れないようにすることによ
り、浴槽1内に入った入浴者の指を上記隙間27、27
に詰めないようにしている。又、懸架部材25、25を
覆った隠蔽部材15、15は、浴槽1の幅狭部1aの内
壁面と略面一とされており、これにより、図1に示すよ
うに浴槽1内が上方側からみた場合に、長方形に見える
ようになっている。
【0061】又、隠蔽部材15、15各々の下端側は、
隠蔽部材収納部28、28に入れられている。これによ
り、隠蔽部材15、15各々の下端が、乗部2の上面よ
りも下方側に配位され、隠蔽部材15、15の下端と、
乗部2の上面との間に隙間の発生を防止できる。従っ
て、隠蔽部材15、15の下端と乗部2の上面との間で
指等を詰めるようなことを防止できる。
【0062】尚、この隠蔽部材15、15は、この形態
のものに限らず、例えば隠蔽部材15、15を懸架部材
25、25に取り付けるようにしても良い。又、例えば
隠蔽部材15、15を、細幅状のものから構成し、単に
隙間27、27だけを覆うように懸架部材25、25に
取付けるようにしても良く、適宜変更できる。
【0063】また、このようにして浴槽1内に吊り下げ
支持された乗部2は、図3に示すように乗部2の左右の
両端に回動自在に設けたローラ26…26が浴槽1の内
壁面に当接されて左右両側から浴槽1に支持されること
により、乗部2が左右方向へ振れし難いものとされてい
る。
【0064】次に、以上のように構成された本実施形態
の入浴装置の使用方法について説明する。まず、例えば
歩行の困難な老人が、或いは車椅子に乗ったまま入浴す
る場合は、介助者等が浴槽1の上端が略水平状態になっ
た図2に示す状態から、図7に示すように係合解除操作
部材65の操作ハンドル68を把持してA位置から前方
側(図7では、右側)に回動操作してB位置にする。こ
れにより、第2係合爪63が係合歯61から係合解除さ
れ、その状態を維持し、浴槽1が図2の時計方向側(X
方向)に回動可能状態になる。
【0065】その状態から、浴槽1の前端側の上端部を
下方側に手で押圧する。これにより、浴槽1が回動し浴
槽1の前端側の上端部が下方側に下がる。その際、浴槽
1が、ガスシリンダー7のロッド73によって付勢され
ているため、小さい力で浴槽1を回動させることができ
る。又、第1係合爪62は係合歯61と係合可能状態に
なっているため、浴槽1を押圧している手を離しても、
離したその位置で第1係合爪62は係合歯61とが係合
して浴槽1が止まる。これにより、数回に分けて徐々に
浴槽1の上端部を下げることができ、老人等の力の弱い
人に適したものにできる。又、例えば浴槽1を押圧して
いる手が不意に浴槽1からすべって離れたような場合で
も、その位置で浴槽1が止まり、浴槽1の上端が上方側
に戻り身体に当たって怪我をするようなことを防止でき
る。
【0066】そして、図8に示すように、浴槽1の前端
側の上端部が乗部2と略同じ高さ位置まで下がると、左
支柱31に設けられた係止片(図示せず)が、浴槽1の
凹部60の上端面60aに当接し、浴槽1はそれ以上回
動できなくなって止まる。又、この状態で、ガスシリン
ダー7のロッド73が最大限突出した状態になる。又、
浴槽1の回動に際しては、ローラー26、37、38に
受けられているため、横振れや縦振れを防止できる。従
って、浴槽1の回動によって、装置に支障をきたすよう
なことを確実に防止できる。
【0067】又、この状態で、第1係合爪62と係合歯
61とが係合し、浴槽1が左支柱31に係止された状態
になる。そして、この状態で、図8に示すように補助板
42の後端と乗部2とが向き合った状態になり、両者の
間に浴槽1の前側壁による段差がなくなる。これによ
り、入浴者、或いは車椅子は、容易に補助板42から乗
部2に乗ることができる。
【0068】その後、介助者等が係合解除操作部材65
の操作ハンドル68を把持し、図7に示すB位置からC
位置まで回動操作する。これにより、第2係合爪63が
係合歯61に係合可能状態になり、第1係合爪62が係
合歯61から係合解除されて係合不能状態になる。従っ
て、浴槽1は、図2の反時計方向側(Y方向)にだけ回
動可能状態になり、浴槽1が自重により平衡状態になろ
うとして浴槽1が自ら反時計方向側に回動し始める。
【0069】そして、浴槽1の上端が水平状態になって
平衡状態になると、左支柱31に設けられた係止片(図
示せず)が、浴槽1の凹部60の下端面60bに当接
し、浴槽1はそれ以上回動できなくなって止まる。又、
この状態で、ガスシリンダー7のロッド73が最大限、
本体71に入り込んだ状態になる。
【0070】また、この状態では、第2係合爪63と係
合歯61とが係合しているため、浴槽1の前方側の上端
部に不意に身体がもたれ掛かっても、浴槽1の前方側の
上端部が下方側に下がるようなことを防止でき、安全な
ものにできる.。
【0071】その後、介助者等が係合解除操作部材65
の操作ハンドル68を把持し、図7に示すC位置から前
方側のA位置まで回動操作する。これにより、第2係合
爪63と係合歯61との係合に加えて、第1係合爪62
と係合歯61とが係合し、浴槽1は図7の反時計方向側
への回動もできなくなる。その結果、浴槽1は、この状
態で何れの方向にも回動できなくなり、固定状態にな
る。そして、この状態で、入浴者は椅子12に座り、浴
槽1内に上面側から、給湯水器等の湯水供給手段(図示
せず)によって湯水を投入する。これにより、入浴でき
る。
【0072】入浴中、浴槽1内にエアを供給する場合
は、介助者等が湯水貯留・エア供給装置8に設けられた
エア供給用ボタンスイッチ(図示せず)を押圧操作す
る。これにより、湯水貯留・エア供給装置8からエア供
給用パイプ85を介して浴槽一内における乗部2の下方
側にエアが供給される。供給されたエアは、乗部2の貫
通孔20…20から乗部2の上面側に出される。これに
より、入浴者が入浴者にエアを当てることができる。
【0073】入浴後、入浴者が浴槽1から出る場合は、
湯水貯留・エア供給装置8に設けられた湯水吸水用スイ
ッチボタン(図示せず)を押圧操作する。これにより、
浴槽1の湯水が湯水吸水用パイプ83を介して吸水され
て湯水貯留・エア供給装置8の湯水貯留槽81に貯めら
れる。そして、この状態から、上述したと同様の操作を
行なって浴槽1の前方側の上端部を下げる。これによ
り、浴槽1から出ることができる。
【0074】その後、例えば一般者が入浴する場合は、
浴槽1の前方側の上端部を戻して、図2に示す状態に
し、その状態から湯水貯留・エア供給装置8に設けられ
た湯水送出用スイッチボタン(図示せず)を押圧操作す
る。これにより、湯水貯留・エア供給装置8の湯水貯留
槽81に貯めていた湯水が湯水送出用パイプ84を介し
て浴槽1に戻すことができる。従って、湯水を廃棄する
ことなく入浴できる。尚、歩行の困難な者や車椅子で入
浴した後に、誰も入浴しない場合は、浴槽1の湯水を湯
水貯留・エア供給装置8に貯留することなく、排出口1
9から廃棄するようにすれば良い。
【0075】以上のようにして構成することにより、浴
槽1を手で操作でき、浴槽1を回動させる駆動装置等を
不要なものにでき、低コストで製作できる。しかも、駆
動装置等を付設しないため、装置全体を軽量化できる。
又、本願発明の装置を湯水受け部材4上で受けているた
め、しかも、軽量化しているため、風呂場のみならず、
廊下や各部屋等の種々の場所に移動させて使用できる便
利なものである。尚、上記浴槽1の使用説明において、
浴槽1の回動操作等の操作を、介助者等が行なうように
しているが、入浴者自らが操作することも可能であり、
入浴者自らが操作するようにしても良い。
【0076】尚、本装置に、浴槽1に衝撃がかからない
ように浴槽の回動を止めるための緩衝手段を設けるよう
にしても良い。例えば図9に示すように左支柱31の前
部側に、浴槽1を乗部位置で止める際の乗部位置止め用
緩衝部材としてコイルバネ91、又はオイルダンパ或い
はこれらを組み合わせたものを設けるとともに、左支柱
31の後部側に、浴槽1の前後の上端を略水平位置で止
める際の乗部上方位置止め用緩衝部材としてコイルバネ
92又はオイルダンパ、或いはこれらを組み合わせたも
のを設けたものにする(この図9では、コイルバネ9
1、92を設けたものを図示している。)。
【0077】例えば緩衝手段を設けていない場合には、
浴槽1の回動に際して浴槽1が加速し、浴槽1に入浴者
等がぶつかって怪我をする危険性がある。しかも、浴槽
1の上端が水平状態になった際に止めようとすると、浴
槽1に衝撃力がかかって装置に支障をきたす恐れがあ
る。そこで、例えばこの図9に示すようにコイルバネ9
1、92を用いた場合、浴槽1を乗部位置から回動させ
て浴槽1の前後の上端が水平位置となる手前で、浴槽1
の後部側に設けたバネ当接部材93がコイルバネ92に
当り、そのコイルバネ92によって緩衝できる。
【0078】一方、図10に示すように浴槽1の前後の
上端が水平位置から回動させて浴槽1の上端の前端側が
乗部位置になる手前で、浴槽1の前部側に設けたバネ当
接部材93がコイルバネ91に当り、そのコイルバネ9
2によって緩衝できる。これにより、浴槽1の回動に際
して浴槽1に入浴者等がぶつかって怪我をするようなこ
とを防止できるとともに、浴槽1に衝撃力がかかって装
置に支障をきたすようなことを防止できる。
【0079】また、本実施形態では、浴槽1の上端が略
水平状態になる状態を平衡状態になるように設定し、付
勢手段7によって、浴槽1の出入り側となる上端の一端
側が上から下に移動する浴槽1の回動の一方向側に浴槽
1を付勢するようにしているが、例えば浴槽1の上端が
乗部位置になる状態を平衡状態になるように設定し、付
勢手段7によって、浴槽1の上端の一端側が下から上に
移動する浴槽1の回動の他方向側に浴槽1を付勢するよ
うにしても良い。或いは、浴槽1の上端が略水平状態に
なる位置と乗部位置との間で平衡状態になるように設定
し、付勢手段7によって、浴槽1の上端における一端側
が上から下に移動する浴槽1の回動の一方向側及び下か
ら上に移動する浴槽1の回動の他方向側の両方向に付勢
するようにしても良く、適宜変更し得る。又、付勢手段
7は、上記実施形態では、ガスシリンダーを使用してい
るが、ガスシリンダーを用いる形態のものに限らず、例
えばガスシリンダーに代えてオイル圧によりロッドを押
圧するオイルシリンダーを設ける。或いは、ガスシリン
ダー又はオイルシリンダーに代えて、若しくはガスシリ
ンダー又はオイルシリンダーに代えて付勢部材としての
コイルバネを使用し、コイルバネの一端側を支持部材3
に接続し、コイルバネの他端側を浴槽1に接続するよう
ようにしても良い。又、例えばコイルバネを有するオイ
ルダンパを設けたものとし、このオイルダンパに付勢手
段及び緩衝手段として機能させるようにしても良く、適
宜変更できる。
【0080】又、本実施形態では、浴槽1の前端側の上
端が乗部2の高さと略同じ高さ位置となる乗部位置か
ら、浴槽1の前後の上端が略水平状態になる位置までの
範囲を回動させるようにしているが、浴槽1を回動させ
ることによって浴槽1の前端側の上端を上下移動させる
範囲は、上記範囲に限らず、適宜変更できる。例えば浴
槽1の前端側の上端が最も下方になる位置を、乗部2の
高さよりも高い位置となる位置にしてもよい。このよう
にしても、乗部2と浴槽1の前端側の上端との段差を小
さくでき、老人でも容易に浴槽1を乗り越えて乗部2に
乗ることができる。ただし、その場合は、車椅子では、
乗部2に乗りにくくなるので、浴槽1の前端側の上端が
乗部2の高さと略同じ高さ位置又は乗部2の高さよりも
低くなる位置まで下げ得るようにしておくのが好まし
い。一方、浴槽1の前端側の上端が最も上方になる位置
は、入浴者が入浴できる程度に浴槽1内に湯水を収納で
きる位置であれば良く、浴槽1の前端側の上端が、後端
側の上端よりも高くなる位置、又は後端側の上端よりも
低くなる位置であっても良い。
【0081】また、本実施形態では、係止手段としてラ
チェット機構を採用しているが、係止手段は、ラチェッ
ト機構から構成する形態のものに限らず、例えば浴槽1
の前端側の上端が乗部位置となる位置と、乗部位置より
上方であって入浴者が入浴できる程度に浴槽1内に湯水
を収納できる乗部上方位置とで、閂、ボルト等の係止部
材によって浴槽1と支持部材3とを係脱自在に係止する
ようにすれば良く、適宜変更しうる。
【0082】又、本実施形態においては、浴槽1を支持
部材3に上方側から吊り下げ支持しているが、例えば浴
槽1を、支持部材3に下方側からローラ等の回転部材に
よって回動自在に支持するようにしても良く、適宜変更
しうる。
【0083】更には、本実施形態では、浴槽1を手で回
動操作するようにしているが、この形態のものに限ら
ず、電気的機械的手段によって回動させるようにしても
良く、適宜変更できる。
【0084】また、本実施形態では、浴槽1を、側面視
で半円状を呈する形状に形成しているが、浴槽1の形状
は、特に限定されず、例えば図11(A)に示すように
浴槽1の前部側だけを側面視で円弧状に形成するように
しても良い。この場合でも、浴槽1は、浴槽1の前部側
の上端が後部側の上端と同じ高さになる位置から乗部位
置になる位置までの範囲を円滑に回動できる。又、この
場合において、この図11(A)に示すように、浴槽1
の前部側を乗部位置から上方に上げて入浴可能な状態に
した際に、浴槽1の後部側の下端を、湯水受け部材4
(湯水受け部材4を設けない場合は床面)に着けるよう
にしても良い。こうすることにより、入浴する状態にお
ける浴槽1を、浴槽1の後部側の下端と支持部35,3
6で受けることができ、安定したものにできる。尚、こ
の場合は、浴槽1の後部側の下端は、乗部上方位置での
係止手段としても機能する。
【0085】又、浴槽1を、例えば図11(B)に示す
ように側面視で略四角形状に形成するようにしても良
い。ただし、この場合は、浴槽1の前部側の上端が後部
側の上端と同じ高さになる位置から乗部位置になる位置
までの範囲を、浴槽1が回動するに際し、浴槽1の下面
と、浴槽1を載置した載置面(本実施形態では湯水受け
部材4)との間に、浴槽1の前部側の下端が載置面に当
らないように、間隔tを設ける必要がある。その結果、
浴槽1の前部側の上端を乗部位置にした場合に、載置面
から浴槽1の前部側の上端までの高さが相当高くなって
しまい、歩行の困難な老人等が乗部2に乗り難くなって
しまう。この点で、少なくとも浴槽1の前部側を側面視
で円弧状に形成しておくのが好ましい。
【0086】又、本実施形態では、係止手段6、緩衝手
段7、湯水貯留手段、及びエア供給手段を設けたものと
しているが、これらは必要に応じて設ければ良く、これ
らの全部を設けない形態のもの、或いはこれらの内の一
つまたは二つ以上を設けた形態のものであっても良く、
適宜変更し得る。
【0087】又、浴槽1の回動は、本実施形態のように
一つの回動軸を中心に回動する形態のものに限らず、例
えば浴槽1が回動の中心を変えながら回動することによ
り、浴槽1の上端における出入り側となる一端側が上か
ら下に、或いは下から上に移動するように、浴槽1が複
数の点を中心に回動する形態のものであっても良く、適
宜変更し得る。
【0088】また、湯水貯留槽81に、湯水貯留槽81
内の湯水を加熱する過熱手段を設けるようにしても良
い。こうすることにより、常時入浴に適した温度にして
湯水貯留槽81から浴槽1に湯を戻すことができる。
又、過熱手段を設ける場合において、湯水貯留槽81か
ら浴槽1に湯を戻す際、湯水貯留槽81内の湯水の一部
が常時残るような手段を設けておくのが好ましい。これ
により、過熱手段による残熱により湯水貯留槽81内が
空焚き状態になるようなことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態の入浴装置の平面図であ
る。
【図2】本願発明の一実施形態の入浴装置の左側面図で
ある。
【図3】浴槽内に乗部を配設した状態の上方側から見た
説明図である。
【図4】図1のIV−IV線に沿う断面説明図である。
【図5】図1のV−V線に沿う断面図である。
【図6】ラチェット機構部の説明図に係り、(A)は、
その要部拡大断面図、(B)は、図6(A)のVI−V
I線に沿う断面説明図である。
【図7】第2係合爪を係合歯から係合解除状態にした要
部拡大断面説明図である。
【図8】浴槽を回動操作して、浴槽の前部側の上端を、
乗部位置まで下げた状態の左側面図である。
【図9】他の緩衝手段を用いた実施形態の左側面図であ
る。
【図10】他の緩衝手段を用いた実施形態において、浴
槽の前部側の上端を、乗部位置まで下げた状態の左側面
図である。
【図11】(A)は、浴槽の他の実施形態の左側面図、
(B)は、浴槽の更に他の実施形態の左側面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・浴槽 2・・・・・・乗部 3・・・・・・支持部材 6・・・・・・係止手段 8・・・・・・湯水貯留・エア供給装置 61・・・・・係合歯 62・・・・・第1係合爪 63・・・・・第2係合爪

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上面開口の浴槽と、入浴者が乗るための乗
    部と、これらを支持した支持部材とが備えられ、 乗部が、浴槽内に配設されるようにして支持部材に回動
    不能に支持されることにより、乗部に乗った入浴者が浴
    槽内で入浴可能とされ、 浴槽が、支持部材に回動自在に支持されることにより、
    浴槽の上端における一端側が上下移動可能とされたこと
    を特徴とする入浴装置。
  2. 【請求項2】浴槽の上端における一端側が、少なくとも
    乗部と略同じ高さになる乗部位置から、その乗部位置よ
    り上方側の乗部上方位置までの範囲を上下移動可能とさ
    れたことを特徴とする請求項1記載の入浴装置。
  3. 【請求項3】上記乗部が、支持部材に移動不能に吊り下
    げ支持された懸架部材を備え、この懸架部材が、浴槽の
    上方側から浴槽内に、浴槽の内壁面と間隔を隔てて浴槽
    の内壁面に沿って延ばされることにより、乗部が浴槽内
    に配設され、 更に、この入浴装置に、懸架部材と浴槽との間に入浴者
    の指を詰めないようにする指詰め防止手段が備えられこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の入浴装置。
  4. 【請求項4】上記入浴装置に、浴槽と支持部材とを係脱
    自在に係止する係止手段が備えられ、 係止手段が、浴槽の上端における一端側が乗部と略同じ
    高さになる乗部位置と、その乗部位置より上方側となる
    乗部上方位置との少なくとも二つの各位置になった状態
    で、浴槽と支持部材とを係止するものであることを特徴
    とする請求項1から3の何れかに記載の入浴装置。
  5. 【請求項5】上記係止手段が、ラチェット機構から構成
    され、ラチェット機構が、浴槽と支持部材との一方側に
    設けられた複数の歯を有する係合歯と、浴槽と支持部材
    との他方側に設けられ係合歯と係脱自在に係合する係合
    爪と、係合爪と係合歯とを係合解除状態にする係合解除
    手段とを備え、 係合爪が、第1係合爪と、第2係合爪とを備え、第1係
    合爪が、係合歯に係合することにより、浴槽が、一方向
    側に回動可能とされるとともに他方向側に回動不能とさ
    れ、第2係合爪が、係合歯に係合することにより、浴槽
    が、他方向側に回動可能とされるとともに、一方向側に
    回動不能とされ、 係合解除手段が、第2係合爪と係合歯とを係合解除状態
    にすることにより、浴槽が一方向側に回動可能とされ、
    係合解除手段が、第1係合爪と係合歯とを係合解除状態
    にすることにより、浴槽が他方向側に回動可能とされる
    ものであることを特徴とする請求項4記載の入浴装置。
  6. 【請求項6】上記入浴装置に、浴槽内に収納した湯水を
    一時的に貯めておく湯水貯留槽が備えられ、この湯水貯
    留槽が、引き込み・送り込み手段によって、湯水を浴槽
    内から貯留槽内に引き込むとともに、貯留槽内に引き込
    んだ湯水を浴槽内に送り込み可能とされたことを特徴と
    する請求項1〜5のいずれかに記載の入浴装置。
  7. 【請求項7】上記入浴装置に、浴槽を、少なくとも回動
    の一方向側に付勢する付勢手段が備えられたことを特徴
    とする請求項1〜6のいずれかに記載の入浴装置。
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JP7244150B1 (ja) 2022-09-29 2023-03-22 オルファ株式会社 円形刃用のホルダ

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