JP2004222879A - 歩行器 - Google Patents

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義昭 倉田
Katsuo Kurata
勝雄 倉田
Yoshitsugu Kurata
義次 倉田
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Abstract

【課題】強度的に優れていながら、小型、コンパクトで、小回りがきく等、例えば、病院内や家庭の室内での使用性に優れた歩行器を提供することを目的とする。
【解決手段】中央に歩行者が立って歩行可能な空間を有する一方、歩行者が手で体を支える上部フレーム2であって、後面が開放され、略水平面に沿って延びる丸形の上部フレーム2と、後面が開放され、略水平面に沿って延びる丸形の下部フレーム3と、上部フレーム2後側両端部と下部フレーム3後側両端部同士を連結する後部の左右の連結フレーム4,5と、からなる本体フレーム6を備えると共に、本体フレーム6を床面上に走行自由に支持する回転可能な車輪を有するキャスター7〜11を備えるようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歩行機能に障害のある人が歩行の際の補助としたり、リハビリテーションとしての歩行訓練などにおいて、歩行を補助するために使用される歩行器に関し、特に、病院内や家庭の室内において、強度、安全性、使用性などの全てに優れた歩行器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、歩行機能に障害のある身体障害者や寝たきりで長期間にわたり歩行をしなかった病人などのように、歩行機能に障害のある人が歩行する際に、その歩行の補助を行うための歩行器が使用されている(特開平8−107917号公報,特開2000−84015号公報,特開2000−233002号公報,特開2001−353193号公報および特開2002−126023号公報など参照)。
【0003】
この歩行器は、例えば、鉄パイプなどを所定の形状に折り曲げると共に、繋ぎ合わせて、フレームを形成し、このフレームの下部の前後両側に合計4つのキャスターを取り付け、フレームを床面などに沿って走行可能としたものである。
【0004】
なお、前記のフレームの中央部には、歩行器の利用者である歩行者が入り込むことができる空間が形成され、その上部に歩行者が歩行するに際して、身体を支えるためにつかまることができる手すりが形成されている。
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の歩行器は、病院などの中は勿論のこと、外での使用にも耐えうるように、安定性を確保し、強度的に高くするような構造になっているのが、一般的である。
【0005】
このため、フレームは、鉄パイプなどを所定の形状に折り曲げたり、鉄パイプ同士をボルトなどを使用して繋ぎ合せるなど、多数の鉄パイプが使われ、多数のボルト止め部分などが存在し、大型化すると共に、部材同士の接続部が多くて故障の原因となり、更に、重量も嵩む欠点がある。
【0006】
また、病院などでは、多くの背丈の人が使用するため、フレームに高さ調整機能、例えば、パイプ同士をスライド可能に連結して、所定スライド位置でネジなどで固定する機能が設けられているものが多く、やはり大型化すると共に、使用するための能力が必要となりその装備が生かされず、また、重量も嵩んでしまう。
このため、従来の歩行器は動かし難く、小回りがきかない欠点があった。
【0007】
さらに、従来の歩行器は大型であるため、これを使用したまま、トイレの小便器に近寄り難く、用を足すのに容易ではない。
また、従来の歩行器の多くは、強度を高めるため、フレームの前部に補強桟があり、これが邪魔をして、やはり用を足すのに容易ではない。
さらに、トイレの大便器のある室にも、入口が狭いため、入り難く、簡単に用を足せないのが実情である。
要するに、従来の歩行器は、大型で、コンパクト性に欠け、使用性に劣るものであるため、病院内や家庭の部屋の中で使用するには、使い難いものであった。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためなされたものであり、強度的に優れていながら、小型、コンパクトで、小回りがきく等、例えば病院内や家庭の部屋での使用性に優れた歩行器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に係る発明の歩行器は、中央に歩行者が立って歩行可能な空間を有する一方、歩行者が手で体を支える上部フレームであって、後面が開放され、略水平面に沿って延びるパイプからなる丸形の上部フレームと、後面が開放され、略水平面に沿って延びるパイプからなる丸形の下部フレームと、前記上部フレーム後側両端部と下部フレーム後側両端部同士を連結するパイプからなる後部の左右の連結フレームと、からなる本体フレームを備えると共に、前記本体フレームを床面上に走行自由に支持する回転可能な車輪を有するキャスターを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記上部フレームと下部フレームは、両側部分を延長して略U字形状の丸形に形成されたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、前記下部フレームは上部フレームよりも大きく形成されたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、前記下部フレームの後側両端部は後方に延長され、該延長部に衝撃緩和部材を装着したことを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明は、前記下部フレームの延長部に前記キャスターのうちの1つが設けられたことを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る発明は、前記キャスターのうちの1つは、下部フレームの先端中央部に設けられ、本体フレームの走行方向を主に決定することを特徴とする。
【0015】
請求項7に係る発明は、前記上部フレームに、歩行者の肘当て部材を高さ調節可能に装着したことを特徴とする。
【0016】
請求項8に係る発明は、前記キャスターには、車輪の回転を止めたり、これを解除するロック手段を備えてなることを特徴とする。
【0017】
請求項9に係る発明は、上部フレームの少なくとも一方の側部の後端とこれに繋がる連結フレームそれぞれの内部にスライド可能に配された棒状の把手部材を設け、該把手部材の上端部を前記上部フレームから突出して支持グリップ部とし、下端部を下部フレームから突出して床面に当接可能なストッパ部とし、把手部材を常時は床面から離間する上方向に弾性付勢する弾性部材が連結フレームに内蔵したことを特徴とする。
【0018】
請求項10に係る発明は、前記把手部材を上部フレームの両側部の後部にそれぞれ設けた場合、一方の把手部材の支持グリップ部を上方向に延ばし、他方の把手の支持グリップ部を歩行者の肘で操作可能に倒して前方向に延ばしたことを特徴とする。
(作用)
【0019】
次に、かかる発明の作用について説明する。
請求項1に係る発明の歩行器において、本体フレームの空間に入って、その中央に立つ。さらに、使用者が上部フレームを手で持って、体を支える。使用者が歩行すると、キャスターの車輪が回転して、歩行器が床面上を走行する。
この場合、使用者が行きたい方向に歩行しつつ、歩行器の向きを変えると、キャスターが回転して、歩行器が使用者の歩行方向に向いて走行する。
勿論、使用者が止まれば、歩行器の走行が停止される。
【0020】
このようにして、歩行機能に障害のある身体障害者や長期間にわたり歩行をしなかった病人などのように、歩行機能に障害のある人が歩行する際に、その歩行の補助を行うことができる。
【0021】
従って、本体フレームの使用パイプ数が少なく、小型化であると共に、軽量であり、しかも、強度が高く、安定性にも優れた上に、動かし易く、小回りがきくため、使用性に優れ、ひいては歩行の補助性が高い。
また、これを使用したまま、トイレの小便器に近寄り易く、用を足すのにも容易であると共に、本体フレーム前部が開放されているため、簡単に用を足すことができる。
更に、本体フレーム後部が開放されているため、トイレの大便器にあたることなく、便器に座ったりするのも容易であるため、簡単に用を足すことができる。
【0022】
請求項2および3に係る発明の歩行器において、本体フレームの強度が高く、体重をフレームにかけても安定性に優れ、転倒したりしない。
【0023】
請求項4に係る発明の歩行器において、歩行器がどこかに衝突しても、衝撃が緩和される。
【0024】
請求項5に係る発明の歩行器において、キャスター間の距離が延びるため、歩行器の安定性が増す。
【0025】
請求項6に係る発明の歩行器において、下部フレームの先端中央部のキャスターが歩行器の走行方向を主に決定し、歩行器が的確に操縦されると共に、急発進の危険が防止される。
【0026】
請求項7に係る発明の歩行器において、歩行器の使用時に使用者が肘を乗せれば、快適性が増す。
【0027】
請求項8に係る発明の歩行器において、歩行器が動かないようにロックされる。
【0028】
請求項9に係る発明の歩行器において、使用者が体を支え、かつ、歩行器の移動を抑えた状態で、歩行器の中に入ったりできる。即ち、自らの身体が自由にコントロール不可能な人、あるいは深夜にあって、周囲に対する気兼ねから、排便など我慢を重ね急ぐ人、または少々寝ぼけた人が慌てて本器を使用する際、ロックを掛け忘れても、支持グリップ部をつかんで下方向に体重をかけることにより、ストッパーが作動し、急発進して転倒することがない。
更に、棒状の把手部材が、上部フレームの側部の後端とこれに繋がる連結フレームの内部にスライド可能に配され、下端部を下部フレームから突出する構造であるため、フレーム溶接部分が破損した場合でも、棒状の把手部材が補強となり、転倒事故を防止することができる。
【0029】
請求項10に係る発明の歩行器によれば、手が不自由な使用者でも、肘で把手部材を簡単に操作できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施の形態を詳述する。
本発明の歩行器として本実施形態は、次のように構成されている。
図1〜図5において、歩行器1は、中央に歩行者が立って歩行可能な空間を有する一方、丸形の上部フレーム2と、丸形の下部フレーム3と、上部フレーム2と下部フレーム3同士を連結する左右2本の連結フレーム4,5と、からなる本体フレーム6を備えると共に、本体フレーム6を床面上に走行自由に支持する回転可能な車輪を有するキャスター7〜11を備えている。
【0031】
前記上部フレーム2は、上部に位置して歩行者が手で体を支えるもので、後面が開放されている。また、前記下部フレーム3は、下部に位置するもので、後面が開放されている。
【0032】
本実施形態において、これらの上部フレーム2と下部フレーム3は、それぞれ丸パイプから形成されており、両側部分を延長して略U字形状に形成されている。また、下部フレーム3は上部フレーム2よりも大きく形成されており、下部フレーム3及び上部フレーム2の円弧の中心は、図3において同一(P点)である。
【0033】
前記2本の連結フレーム4、5は、丸パイプから形成されており、上部フレーム2後側両端部と下部フレーム3後側両端部同士を連結するもので、若干、上側が前方と内方に倒れるように傾斜した縦方向の直線状に形成され、左右にそれぞれ配設されている。(これが本器の特色であり、安定を保つためのものである。)
【0034】
この場合、上部フレーム2と下部フレーム3と連結フレーム4,5とは、別々に形成されており、上部フレーム2の後側両端部に、それぞれ連結フレーム4,5の上端部が溶接により固着され、下部フレーム3の後側両端部に、それぞれ連結フレーム4,5の下端部が溶接により固着されている。
【0035】
下部フレーム3の後側両端部は後方に延長されており、この延長部3A,3Bに衝撃緩和部材としてのラバー製のキャップ12が被せられている(図6参照)。
前記キャスター7〜11は、下部フレーム3の先端中央部の下側と、左右の直線部の下側の2個所と、延長部3A,3Bの下側の離間する2個所と、にそれぞれボルト締めなどによって固定取付されている。(なお、ボルトナットについては、出っ張り防止のため全てパイプ内に収納されている。)
かかるキャスター7〜11のうち下部フレーム3の先端中央部のキャスター7は、本体フレーム6の走行方向を主に決定するものである。
【0036】
また、下部フレーム3の左右の直線部のキャスター8,9には、キャスター8,9の車輪の回転を止めたり、これを解除するロック手段13が備えられている。
例えば、前記ロック手段13としては、図7に示すように、キャスター8,9のブラケット8A,9Aに操作可能かつ揺動自由に支持されたレバー13Aのブレーキパッド13aをキャスター8,9の車輪に押し当てて、該車輪の回転を止め、逆に車輪から離して、これを解除する構成のものを適用すれば良い。
【0037】
また、図8に示すように、上部フレーム2の少なくとも一方の側部、本実施形態では、右側の側部の後端とこれに繋がる連結フレーム4それぞれの内部にスライド可能に配された棒状の把手部材14が設けられている。この把手部材14の上端部は上部フレーム2から突出して支持グリップ部15として構成され、下端部は下部フレーム2から突出して床面に当接可能なストッパ部16として構成されている。このストッパ部16の先端には、床面への当接の際の滑り防止と衝撃緩和するべく、ラバー製のキャップ17が被せられている。
【0038】
さらに、連結フレーム4には、把手部材14を常時は床面から離間する上方向に弾性付勢する弾性部材、例えば、コイルスプリング18が係止部19に係止されて内蔵されている。
【0039】
なお、図9に示すように、把手部材14,20を上部フレーム2の右側以外にも左側にも設けた場合、一方の把手部材14の支持グリップ部15を上方向に延ばし、他方の把手部材20の支持グリップ部21を歩行者の肘で操作可能に倒して前方向に延ばし、走行時のブレーキとすると良い。
【0040】
かかる歩行器1においては、キャスター8,9のロック手段13を作動して、車輪の回転を止めた上で、使用者が右側にある把手部材14の支持グリップ部15を手で握って体を支えつつ、これをコイルスプリング18の弾性力に抗して押して、その下端部のストッパ部16を床面に当接させてロックし、本体フレーム8の移動を抑えた状態で、本体フレーム6の空間に入って、その中央に立つ。
使用者が把手部材14の支持グリップ部15から手を離すと、該把手部材14がコイルスプリング18の弾性力によって上動し、下端部のストッパ部16が床面から離れて、元の位置に戻る。そして、使用者が上部フレーム2を手で持って、体を支える。使用者が歩行すると、キャスター7〜11の車輪が回転して、歩行器1が床面上を走行する。
【0041】
この場合、使用者が行きたい方向に歩行しつつ、歩行器1の向きを変えると、下部フレーム3の先端中央部のキャスター7が走行方向を主に決定して、歩行器1が使用者の歩行方向に向いて走行する。
勿論、使用者が止まれば、歩行器1の走行が停止される。
このようにして、歩行機能に障害のある身体障害者や長期間にわたり歩行をしなかった病人などのように、歩行機能に障害のある人が歩行する際に、その歩行の補助を行うことができる。
【0042】
かかる歩行器1によると、本体フレーム6は、それぞれ丸パイプからなる上部フレーム2と下部フレーム3と2本の連結フレーム4,5とからなり、従来の歩行器と比較して、使用パイプ数が少なく、ボルトなどを使用して繋ぎ合せていないため、小型化であると共に、重量も大幅に低減することができる。
【0043】
しかも、本実施形態においては、上部フレーム2後側両端部と下部フレーム3後側両端部同士を連結フレーム4,5で連結した構成であると共に、上部フレーム2と下部フレーム3の両側部分を延長して略U字形状に形成し、かつ、下部フレーム3は上部フレーム2よりも大きく形成し、さらに、2本の連結フレーム4,5は上側が前方と内方に倒れるように傾斜して形成されているため、本体フレーム6の強度が高く、上部フレーム2に体重をかけると下部フレーム3に全加重が均等にかかり安定性に優れ、歩行器1が転倒したりすることがない。
【0044】
特に、キャスター10,11を、下部フレーム3の延長部3A,3Bの下側に設けたから、キャスター8,10間とキャスター9,11間の距離が延びて、歩行器1の安定性がより増し、走行もスムーズに行える。
【0045】
また、本構成の歩行器1は小型であるため、これを使用したまま、トイレの小便器に近寄り易く、用を足すのにも容易である。さらに、本構成の歩行器1は、本体フレーム6前部に桟部などの邪魔するものがなく、開放されているため、簡単に用を足すことができ、トイレの大便器のある室にも入り易く、便器に座ったりするのも容易であるため、簡単に用を足すことができる。
【0046】
なお、便器に座ったり、便器から立ち上がるときには、把手部材14の支持グリップ部15を手で握って体を支えれば良く、杖としての役目をする。
【0047】
さらに、下部フレーム3の左右の直線部のキャスター8,9にはロック手段13を設けたから、歩行器1を使用するときには、車輪の回転を止めることができ、歩行器1の安全性を確保できる。
【0048】
また、上部フレーム2の右側の側部の後端とこれに繋がる連結フレーム4それぞれの内部にスライド可能に配された棒状の把手部材14を設け、この把手部材14の上端部を上部フレーム2から突出させて、支持グリップ部15とし、下端部は下部フレーム3から突出して床面に当接可能なストッパ部16として構成したから、使用者が歩行器1の移動を抑止した状態で、歩行器1の中央に入ったり、トイレの便器などに座ったり、便器などから立ち上がったりすることができ、安全性を確保した上で、歩行器1を使用できる。
【0049】
さらに、キャスター7を下部フレーム3の先端中央部に設けたから、該キャスター3が歩行器1の走行方向を主に決定でき、歩行器1を的確に操縦することができる。
【0050】
結局、本構成の歩行器1は、強度が高く、安定性にも優れた上に、小型でコンパクトであり、操縦性に優れ、小回りがきくため、使用性に優れ、ひいては歩行の補助性が高く、特に、病院内や家庭の部屋の中で使用するのに、使い易いという利点がある。
【0051】
なお、本体フレーム6の高さを変えたものを何種類か予め用意しておけば、多くの背丈の人が使用することができ、特に、本体フレーム6に高さ調整機能を設けなくとも良いため、本体フレーム6の小型化と重量低減化に効果的である。
【0052】
上記実施形態の歩行器は、下部フレーム3の後側両端部の延長部3A,3Bにラバー製のキャップ12を被せるようにしたから、歩行器1がどこかに衝突しても、衝撃を緩和することができる。
さらに、把手部材14,20を上部フレーム2の左右の両側部の後部にそれぞれ設けた場合、一方の把手部材20の支持グリップ部21を歩行者の肘で操作可能に倒して前方向に延ばしたから、手が不自由に使用者でも、肘で把手部材20を簡単に操作できる。
【0053】
なお、図示しないが、把手部材の支持グリップ部を略方形の枠状に形成し、これを連結フレーム4または5の側部位置に配設しても良い。
【0054】
次に、本構成の歩行器1のオプションとしては、次のようなものがある。
すなわち、図10および図11に示すように、上部フレーム2の先端中央部と下部フレーム3の先端中央部とを、着脱可能な補強フレーム22で連結しても良い。補強フレーム22は、両端に係合部材22Aを有しており、この係合部材22Aを上部フレーム2と下部フレーム3とに設けた係合孔に嵌め込むようにする。
【0055】
上部フレーム2と下部フレーム3同士を連結フレーム4,5で連結しただけで本体フレーム6の強度は充分であるが、このように補強フレーム22を設けることにより、本体フレーム6の強度がさらに高められるのは勿論のこと、上部フレーム2と下部フレーム3を連結するものが、本体フレーム6の前側にも存在することにより、使用者の安心感が増し、安心して歩行器1を使用できる。
また、図示しないが、上部フレーム2に点滴用の薬を吊り下げる棒を設けるように構成しても良い。
【0056】
また、同図に示すように、連結フレーム4,5に椅子23を取り付けても良く、歩行器1の使用に疲れたら椅子23に腰掛けて休むことができ、便利である。
図示しないが、補強フレーム22にかごを取り付けても良い。
【0057】
さらに、図12に示すように、上部フレーム2の左右の直線部に、弾性体などからなる肘掛け24を、着脱可能かつボルト25のねじ込み具合により高さ調節可能に設ければ、歩行器1に使用者が肘を乗せることができ、快適に使用できる。
【0058】
なお、上記の実施形態においては、上部フレーム2と下部フレーム3を、その両側部分を延長して略U字形状に形成したが、図13に示すように、単なる略円形に形成しても良い。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発明の歩行器によれば、本体フレームの使用パイプ数が少なく、小型化であると共に、強度が高く、安定性にも優れた上に、動かし易く、小回りがきくため、使用性に優れ、ひいては歩行の補助性が高い。また、これを使用したまま、トイレの小便器に近寄り易く、用を足すのにも容易であると共に、本体フレーム前部が開放されているため、簡単に用を足すことができ、トイレの大便器のある室にも入り易く、本体フレーム後部が開放されて便器に座ったりするのも容易であるため、簡単に用を足すことができる利点があり、特に、病院内や家庭の部屋の中など屋内で使用するのに使い易いという利点がある。更に、全体がシンプルな構造で、壊れにくく扱いやすいと共に、低価格におさえることが出来る効果がある。
【0060】
請求項2および3に係る発明の歩行器によれば、本体フレームの強度が高く、体重をかけても安定性に優れ、転倒したりすることがない利点がある。
【0061】
請求項4に係る発明の歩行器によれば、歩行器がどこかに衝突しても、衝撃を緩和することができ、安全性が高い利点がある。
【0062】
請求項5に係る発明の歩行器によれば、キャスター間の距離が延びるため、歩行器の安定性が増す利点がある。
【0063】
請求項6に係る発明の歩行器によれば、下部フレームの先端中央部のキャスターが歩行器の走行方向を主に決定でき、歩行器を的確に操縦することができる利点がある。
【0064】
請求項7に係る発明の歩行器によれば、歩行器の使用時に使用者が肘を乗せることができ、快適に使用できる利点がある。
【0065】
請求項8に係る発明の歩行器によれば、歩行器が動かないようにロックでき、歩行器を走行させないときの安全性を向上できる利点がある。
【0066】
請求項9に係る発明の歩行器によれば、使用者が体を支え、かつ、歩行器の移動を抑えた状態で、歩行器の中に入れるなどの利点がある。更に、棒状の把手部材が、上部フレームの側部の後端とこれに繋がる連結フレームの内部にスライド可能に配され、下端部を下部フレームから突出する構造であるため、フレーム溶接部分が破損した場合でも、棒状の把手部材が補強となり、転倒事故を防止することができる。
【0067】
請求項10に係る発明の歩行器によれば、手が不自由な使用者でも、肘で把手部材を簡単に操作できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る歩行器の一実施形態を示す斜視図
【図2】同上の歩行器の左側の側面図
【図3】同上の歩行器の上面図
【図4】同上の歩行器の正面図
【図5】同上の歩行器の背面図
【図6】同上の歩行器における延長部のキャップの断面図
【図7】同上の歩行器におけるロック手段の構成を示す図
【図8】同上の歩行器における14 把手部材、支持グリップ部、ストッパ部、キャップおよびコイルスプリングの構成を示す図
【図9】本発明に係る歩行器の他の実施形態を示す正面図
【図10】本発明に係る歩行器のさらに他の実施形態を示す右側の側面図
【図11】その正面図
【図12】本発明に係る歩行器のさらに他の実施形態を示す右側の側面図
【図13】本発明に係る歩行器のさらに他の実施形態を示す上面図
【符号の説明】
1 歩行器
2 上部フレーム
3 下部フレーム
3A,3B 延長部
4,5 連結フレー
6 本体フレーム
7〜11キャスター
12 キャップ
13 ロック手段
14 把手部材
15 支持グリップ部
16 ストッパ部
17 キャップ
18 コイルスプリング
20 把手部材
21 支持グリップ部
22 補強フレーム
23 椅子
24 肘掛け

Claims (10)

  1. 中央に歩行者が立って歩行可能な空間を有する一方、歩行者が手で体を支える上部フレームであって、後面が開放され、略水平面に沿って延びるパイプからなる丸形の上部フレームと、後面が開放され、略水平面に沿って延びるパイプからなる丸形の下部フレームと、前記上部フレーム後側両端部と下部フレーム後側両端部同士を連結するパイプからなる後部の左右の連結フレームと、からなる本体フレームを備えると共に、前記本体フレームを床面上に走行自由に支持する回転可能な車輪を有するキャスターを備えたことを特徴とする歩行器。
  2. 前記上部フレームと下部フレームは、両側部分を延長して略U字形状の丸形に形成されたことを特徴とする請求項1記載の歩行器。
  3. 前記下部フレームは上部フレームよりも大きく形成されたことを特徴とする請求項1または2記載の歩行器。
  4. 前記下部フレームの後側両端部は後方に延長され、該延長部に衝撃緩和部材を装着したことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の歩行器。
  5. 前記下部フレームの延長部に前記キャスターのうちの1つが設けられたことを特徴とする請求項4記載の歩行器。
  6. 前記キャスターのうちの1つは、下部フレームの先端中央部に設けられ、本体フレームの走行方向を主に決定することを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の歩行器。
  7. 前記上部フレームに、歩行者の肘当て部材を高さ調節可能に装着したことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の歩行器。
  8. 前記キャスターには、車輪の回転を止めたり、これを解除するロック手段を備えてなることを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1つに記載の歩行器。
  9. 上部フレームの少なくとも一方の側部の後端とこれに繋がる連結フレームそれぞれの内部にスライド可能に配された棒状の把手部材を設け、該把手部材の上端部を前記上部フレームから突出して支持グリップ部とし、下端部を下部フレームから突出して床面に当接可能なストッパ部とし、把手部材を常時は床面から離間する上方向に弾性付勢する弾性部材が連結フレームに内蔵したことを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか1つに記載の歩行器。
  10. 前記把手部材を上部フレームの両側部の後部にそれぞれ設けた場合、一方の把手部材の支持グリップ部を上方向に延ばし、他方の把手の支持グリップ部を歩行者の肘で操作可能に倒して前方向に延ばしたことを特徴とする請求項1〜9のうちいずれか1つに記載の歩行器。
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