JP2003179404A - 積層型誘電体フィルタ - Google Patents

積層型誘電体フィルタ

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JP2003179404A
JP2003179404A JP2001377148A JP2001377148A JP2003179404A JP 2003179404 A JP2003179404 A JP 2003179404A JP 2001377148 A JP2001377148 A JP 2001377148A JP 2001377148 A JP2001377148 A JP 2001377148A JP 2003179404 A JP2003179404 A JP 2003179404A
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dielectric
strip
lines
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Yuji Maruyama
雄二 丸山
Takafumi Nogi
貴文 野木
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小型でかつ、インピーダンス整合性の良い積層
型誘電体フィルタを得る。 【解決手段】ストリップラインを第1伝送線路5a、6
aから折返した第2伝送線路5a、5bを形成した構造
にした。そして、隣り合うストリップライン5、6のグ
ランド端子3a、3bと接続された短絡側が互い違いに
配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に高周波用電子
部品として使用される積層型誘電体フィルタに関するも
のである。
【0002】
【従来技術】携帯電話の分配器等に搭載される誘電体フ
ィルタは、誘電体共振器を複数組合せて構成されたバン
ドパスフィルタである。そして近年の誘電体フィルタ
は、小型で比較的安価であるなどの理由から、それまで
主流であった同軸型誘電体フィルタに替わり、共振器を
ストリップラインで構成した積層型誘電体フィルタが多
用されつつある。このような従来の積層型誘電体フィル
タの等価回路図を図5に、その等価回路図を図6に示
す。
【0003】積層型誘電体フィルタ50は、図に示すよ
うに複数の誘電体層62a〜62gを積層した積層体6
2と誘電体層62a〜62gの主面に各種、電極、電送
線路等が形成されている。共振器を構成するストリップ
ライン55、56は何れも誘電体層62eの同一面に形
成されており、一端が短絡し、他端が開放されて互いに
電磁界結合可能に並列に配置されており、誘電体層62
b及び誘電体層62gの一方主面に形成したグランド電
極63c、63dと対向して配置されている。なお、ス
トリップライン55、56は、小型にするために、一方
端をグランド電位に短絡して1/4波長の長さに設計し
ている。
【0004】また、誘電体層62c及び誘電体層62f
の一方主面に形成した結合電極60a、60bにより静
電結合力を強めるとともに、誘電体層62dの一方主面
に、積層体62の側面に形成する入出力端子(不図示)
に接続する引出電極640を有した整合電極64a、6
4bを形成しており、各ストリップライン55、56で
構成するフィルタの整合をとっている。
【0005】以上が従来の積層型誘電体フィルタ50の
構造であるが、これを等価回路図で示すと図6のように
なる。即ち、入力端子xから出力端子yには整合電極6
4a、64bで形成する容量成分、結合電極60aやス
トリップライン55、56間で形成する容量成分が直列
に接続されており、各々の間にストリップライン55、
56のそれぞれが同じ一方端に短絡させて並列に配置
し、互いに電磁静電結合することで通過域を持つフィル
タを構成している。
【0006】一方、積層型誘電体フィルタ50をより小
型化を実現するためにストリップライン55、56のラ
イン長を短縮する技術、即ち、グランド電位に短絡して
いないストリップライン55、56の他端からビアホー
ル導体を介して他の誘電体層に折返した構造が提案され
ている。このような積層型誘電体フィルタ70の分解斜
視図を図7に示す。
【0007】図に示すように、誘電体層72a〜72g
を積層してなる積層体72を有し、誘電体層72b〜誘
電体層72e間にストリップライン55、56が形成さ
れている。ストリップライン55は誘電体層72eの一
方主面に形成した第1伝送線路55aと誘電体層72c
の一方主面に形成した第2伝送線路55bと、両伝送線
路55a、55bを接続するビアホール導体78aによ
り構成している。ビアホール導体78aは第1伝送線路
55aの他端と接続している。ストリップライン56に
ついても同様の構造であるので説明を省略する。
【0008】このように、第2伝送線路55b、56b
を形成して、第1伝送線路の他端から少し折返した構造
にすることにより、電界強度の強い第1伝送線路55
a、56aの他端の容量成分を大きくできるので、スト
リップライン55、56の誘電体層72eに形成する長
さが短縮し、より小型な積層型誘電体フィルタ70とな
る。
【0009】なお、誘電体層72b、72gの一方主面
にグランド電極73c、73dが形成されている。ま
た、誘電体層72f上に結合電極70aが形成されてお
り、ストリップライン55、56の一方端に対向してい
る。更に、第1伝送線路55a、56aと第2伝送線路
間55b、56b間に各ストリップライン55、56に
対向する整合電極74a、74bが形成されており、各
整合電極74a、74bから積層体72の側面に形成す
る入出力端子(不図示)に接続される引出電極740、
740が形成されている。
【0010】以上が積層型誘電体フィルタ70の構成で
あるが、これを等価回路図で示すと図6のようになるた
め説明を省略する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】近年の携帯電話等に代
表されるように小型化、高機能化に伴い、用いられる電
子部品、即ち、従来技術に示した積層型誘電体フィルタ
をさらに小型にするためには、ストリップライン56の
第2伝送線路の占める割合をさらに大きくして、ストリ
ップライン開放端側の容量成分をより大きくすればよ
い。
【0012】しかしながら、第2伝送線路の占める割合
を大きくするとストリップライン55、56とグランド
電極73c、73d間の容量成分が大きくなり、その結
果、フィルタ全体の容量成分が大きくなために、フィル
タのインピーダンスが小さくなって各ストリップライン
55、56で構成する共振器の整合性が悪くなるという
問題があった。
【0013】この問題を解決するためには、入力端子x
から出力端子yまでの容量成分を大きくしなければなら
ない。即ち、ストリップライン55、56間の容量成分
やストリップライン55、56と整合電極64a、64
bで形成する容量成分を大きくする必要がある。
【0014】しかしながら、容量成分を大きくするため
に結合電極70aや整合電極74a、74bの面積を大
きくすることは簡単にできない。その理由は、ストリッ
プライン55、56の長さが短く形成するので、充分な
電極を形成する面積が確保できなくなるからである。
【0015】本発明は、上述の問題点に鑑みて案出され
たものであり、その目的は、小型でかつ整合性のよい積
層型誘電体フィルタを提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決する
ために本発明では、複数の誘電体層を積層した誘電体ブ
ロックの異なる誘電体層間に、ビアホール導体を介して
互いに接続されている第1伝送線路、第2伝送線路を形
成し、前記第1伝送線路の一端をグランド電位に短絡
し、前記第2伝送線路の一端を開放した成る複数のスト
リップラインを併設配置した積層型誘電体フィルタであ
って、隣り合う前記ストリップラインは、その短絡端が
互い違いに配置されていることを特徴とする積層型誘電
体フィルタを提供する。
【0017】また前記第1伝送線路の幅よりも第2伝送
線路の幅が広異ことを特徴とする積層型誘電体フィルタ
を提供する。
【0018】
【作用】積層型誘電体フィルタ(単に「フィルタ」とい
う)を小型化するのに、ストリップライン長を短くする
ことが考えられるが、ストリップラインを構成する第
1、第2伝送線路のうち、第2伝送線路の割合を長くす
ると、第1伝送線路の他端、即ち、短絡させない先端側
は電界強度が強いのでストリップラインとグランド電極
との容量成分が増えるようになる。ここで、一般的にス
トリップラインで構成する共振器(以下、単に「共振
器」という)の共振周波数におけるインピーダンスZs
は、ストリップラインの誘導成分をLs、ストリップラ
インの容量成分をCsとしたとき、(Ls/Cs)1/2
の関係が成り立つので、ストリップラインの容量成分が
大きくなると個々の共振器のインピーダンスZsが低下
する。従って、インピーダンスZsが低下するとフィル
タのインピーダンスもそれに伴って低下し、入出力端子
間の整合性が劣化する。
【0019】一方、共振器の共振周波数におけるインピ
ーダンスZsが低下すると、フィルタ全体のインピーダ
ンスが小さくなり整合性が劣化する。従って、一般的に
はストリップライン長を短くするために第2伝送線路を
形成するとフィルタとしてのインピーダンスが低下する
ために好ましくない。ここで、フィルタのインピーダン
スZは、誘導成分をL、容量成分をCとしたときに、Z
=j{ωL−(1/ωC)}と表され、フィルタとして
のインピーダンスZを大きくするためには、従来からフ
ィルタの容量成分Cを大きくすると改善されることが知
られている。例えば、容量成分Cは各ストリップライン
間に形成する結合電極や、ストリップラインと入出力端
子側に形成する整合電極からなるが、これらの容量成分
を大きくすることでフィルタの容量成分Cを大きくとる
ことができる。従って、小型化するためにストリップラ
イン長が短く形成されると、充分に容量成分Cを形成す
る電極面積を取ることができないものである。
【0020】しかしながら、本発明の請求項1によれ
ば、ストリップラインは第1伝送線路と第2伝送線路を
ビアホール導体により折り返して形成しており、しか
も、隣り合うストリップラインの短絡した一端が互い違
いに配置されている、いわゆるインターデジタル型の配
置にしている。これにより、本来、第1伝送線路の一方
端は短絡して電界強度が弱く、第1伝送線路の他方端は
電界強度が強くなっているので、フィルタとしてみた場
合、電界強度が弱い第1伝送線路の一方端の周囲には、
隣りの第1伝送線路の電界強度が強い他方側が配されて
いるので、結果的に、第1伝送線路の一方端の周囲では
静電結合が強くなり、第2伝送線路の容量成分Csと相
俟って十分な容量成分Cを得ることができる。また、逆
も同じような作用を有している。従って、フィルタの容
量成分Cが低下するのを防ぎ、結合電極や整合電極を大
きく形成しなくてもフィルタのインピーダンスZを大き
くすることができ各共振器間の整合性を良くすることが
できる。
【0021】また、本発明の請求項2によれば、第1伝
送線路よりも第2伝送線路の幅が広くなるように形成し
ているので、一般的にはストリップラインとグランド電
極との容量成分が増えてストリップライン長を広くしな
いときに比べて短く形成できることが知られている。
【0022】しかしながら、上述のように、第2伝送線
路の幅が広くなると、ストリップラインの容量成分Cs
が大きくなり、共振器の共振周波数のインピーダンスZ
sは(Ls/Cs)1/2の関係が成り立つので共振周波
数で、インピーダンスZsが小さくなってフィルタ全体
のインピーダンスZを低下させてしまう。
【0023】これに対して、第1伝送線路よりも第2伝
送線路の幅を広くして共振周波数の容量成分Csを大き
くしても、各ストリップラインをインターデジタル型に
配置してので、上述のように積層型誘電体フィルタとし
ての全体のインピーダンスZが小さくなることを防ぐこ
とができ、ストリップライン長を更に短くすることが可
能になり、小型の積層型誘電体フィルタを提供できる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図を
用いて説明する。図1は本発明の積層型誘電体フィルタ
(フィルタ)の外観斜視図、図2は内部構造を示す分解
斜視図、図3は積層型誘電体フィルタの等価回路図を示
す。
【0025】フィルタ1は図1に示すように、主に誘電
体ブロック2の端面にグランド端子3a、3bを、誘電
体ブロック2の側面の中央に入出力端子4a、4bが形
成されている。
【0026】誘電体ブロック2は、図2に示すように複
数の誘電体層2a〜2gが積層されて構成されており、
誘電体層2a、2b間と誘電体層2f、2g間のそれぞ
れの略全面にグランド電極3c、3dが形成されてお
り、また、誘電体層2c〜2f間にストリップライン
5、6が形成されている。更に、誘電体層2c、2d間
には結合電極9が形成されている。
【0027】誘電体層2a〜2gの材料は、セラミック
などの高誘電率材料が望ましい。代表的な高誘電率材料
には、Ba−TiO2系、Ca−TiO2系、Mg−Ti
2系等を用いると良い。前出の材料を使用すれば、誘
電率が高いので、少ない面積でも充分な容量成分が得ら
れ、実質的なストリップライン長を短縮し、部品を小型
化できる。
【0028】ストリップライン5、6は、誘電体層2
e、2f間に配された第1伝送線路5a、6aと、誘電
体層2b、2c間に配された第2伝送線路5b、6b
と、第1伝送線路5a、6aと第2伝送線路5b、6b
とを互いに接続したビアホール導体7、8により構成さ
れる。
【0029】第1伝送線路5aは第1伝送線路6aと並
列して配置され、第1伝送線路5aの一端はグランド端
子3bに接続されてλ/4の共振器を形成している。ま
た、第1伝送線路5aの他端はビアホール導体7が接続
されている。更に、第1伝送線路5aの他端の一部から
配線導体が延出し、その配線導体を略L字状に屈曲して
誘電体ブロック2の側面の入出力端子4aに接続する整
合電極4cが形成されている。
【0030】第2伝送線路5bは、第2伝送線路6bと
並列して配置され、第2伝送線路5bの他端はビアホー
ル導体7に接続され、一端が開放された開放端に延出さ
れている。また、第2伝送線路5bは第1伝送線路5a
に対向して形成されており、第1伝送線路5aの幅より
も第2の伝送線路5bの幅が広くなるように形成してい
る。
【0031】一方、第1伝送線路6aの他端は、第1伝
送線路5aが接続されるグランド端子3bと対向するグ
ランド端子3aに接続されておりλ/4の共振器を形成
している。また、第1伝送線路6aの一端はビアホール
導体8に接続されている。更に、第1伝送線路6aの他
端の一部から配線導体が延出し、その配線導体を略L字
状に屈曲して誘電体ブロック2の側面の入出力端子4b
に接続する整合電極4cが形成されている。また、第2
伝送線路6bの他端はビアホール導体8に接続され、一
端が開放された開放端に延出されている。
【0032】第2伝送線路6bは、その他端はビアホー
ル導体8に接続され、一端が開放された開放端に延出さ
れている。また、第2伝送線路6bは第1伝送線路6a
に対向して形成されており、第1伝送線路6aの幅より
も第2の伝送線路6bの幅が広くなるように形成してい
る。
【0033】ビアホール導体7、8は誘電体層2c〜2
eを貫通した形成されており、上述のように第1伝送線
路5a、6aの各グランド端子3a、3bと接続しない
第1伝送線路5a、6aの先端側に接続されるが、必ず
しもこれに限定されることがなく、その先端の手前側に
接続しても良い。
【0034】以上のような構成により、共振器となるス
トリップライン5、6は、その短絡端が互い違いになる
ように交互に配した、いわゆるインターデジタル型のフ
ィルタとして構成されることになる。
【0035】なお、ストリップライン5、6は本実施の
形態では二本で示したがこれに限定されず二本以上形成
しても良い。その場合でも、互いに隣り合うストリップ
ラインの短絡端がインターデジタル型となっている必要
がある。
【0036】整合電極4c、4dは、例えば、共振器間
の結合において電磁結合よりも静電結合のほうが強い容
量性のフィルタを形成した場合、各入出力端子4a、4
b間の整合をとるために、整合電極4c、4dを誘導成
分で構成し、第1伝送線路5aの他端に、第1伝送線路
5bの一端にそれぞれ接続させている。
【0037】結合電極9は共振器間の静電容量を大きく
するために形成され、電界強度の高い第2伝送線路5b
と6bを結合するように配している。このように、共振
器以外に結合電極9を形成することで静電結合を強くす
ることができ、通過域付近に減衰極のある阻止域のある
フィルタを作ることができる。即ち、通過域から阻止域
にかけて急峻である、選択性の良いフィルタとなる。
【0038】グランド電極3c、3d、ストリップライ
ン5、6、入出力端子4a、4b、整合電極4c、4
d、ビアホール導体7、8、結合電極9に使われる材料
としては、高周波用電子部品であるため、AgやCuを
主成分とする導体材料が望ましい。また、グランド端子
3a、3b、入出力端子4a、4bは誘電体ブロック2
の表面に形成されているため、電極表面にメッキ処理を
することが望ましい。メッキ材料にはAuが一般的であ
るが、Ni等の中間メッキ層を形成しても良い。以上が
フィルタ1の構成であるが、等価回路で示すと図3のよ
うに表される。
【0039】本発明のフィルタ1は次のような工程で製
造される。誘電体材料と樹脂材料からなるセラミックグ
リーンシートに導電性ペーストを用いて、ストリップラ
イン5、6等となる導体とビアホール導体7、8を形成
したものをそれぞれ逐次積層してなる積層体を作製す
る。その後、積層体を焼成し、所定の大きさに分割して
誘電体ブロック2が得られる。
【0040】得られた誘電体ブロック2の表面に、グラ
ンド端子3a、3b、入出力端子4a、4bとなる導体
ペーストを塗布した後、焼き付ける。その後、次にグラ
ンド端子3a、3b、入出力端子4a、4bを無電解メ
ッキ法によりメッキ処理が行われてフィルタ1が完成す
る。
【0041】次に本発明の特徴的なことを説明する。ス
トリップライン5、6は、積層型誘電体フィルタを小型
にするために、折り返すための第2伝送線路5b、6b
を形成し、更に小型にするために、第2伝送線路をスト
リップライン5、6の割合より大きくして、電界強度の
高い第2伝送線路5b、6bの開放端側の静電容量を高
めストリップライン長を短くしている。
【0042】ところが、ストリップライン5、6とグラ
ンド電極3c、3dとの間の容量成分が大きくなると、
フィルタ1全体のインピーダンスは小さくなってしま
う。そして、インピーダンスが小さくなりすぎる場合、
フィルタの整合性が悪くなってしまう。この場合の対策
としては、一般的に入力端子から出力端子までの直列な
位置にある結合電極9、整合電極4c、4dの容量成分
を大きくすれば良い。
【0043】ところが、本発明では、より小型にするた
め、ストリップライン5、6の長さ短くしたいので、結
合電極9、整合電極4c、4dの電極面積を広く形成す
るスペースが充分にとれず、電極面積を広くすると、小
型化が達成できなくなる。
【0044】そこで、ストリップライン5、6をインタ
ーデジタル型に配置した。これにより、本来、第1伝送
線路5aの一方端は短絡して電界強度が低く、第1伝送
線路5aの他方端は電界強度が強くなっているので、フ
ィルタ1としてみた場合、電界強度が弱い第1伝送線路
5aの一方端の周囲には、隣りの第1伝送線路6aの電
界強度が強い他方側が配されているので、結果的に、第
1伝送線路5aの一方端の周囲では静電結合が強くな
り、第2伝送線路5b、6bの容量成分と相俟って十分
な容量成分を得ることができる。また、逆も同じような
作用を有している。従って、フィルタの容量成分が低下
するのを防ぎ、結合電極9や整合電極4c、4dを大き
く形成しなくてもフィルタのインピーダンスの低下を防
止することができ各共振器間の整合性を良くすることが
できる。
【0045】また、従来では整合電極4c、4dはスト
リップライン5、6と別の誘電体層に形成し、コンデン
サを形成し、容量成分を強くしていたが、本発明では、
ストリップライン5、6間の静電結合が強いので、整合
をするための容量成分は小さくてよい。そこで、本発明
では、整合電極4c、4dは、配線導体で形成すること
ができ、整合電極4c、4dは、少ないスペースで形成
することができ、他に誘電体層を用いることもない。従
って、より小型なフィルタ1にすることができる。
【0046】また、上述のように、本発明のフィルタ1
はインターデジタル型にしたことによりインピーダンス
が低下しないように調整できるので、第2伝送線路5
b、6bの長さは第1伝送線路5a、6aとほぼ同等の
長さにすることが可能である。従って、ストリップライ
ン5、6は、更に短くできるので、より小型のフィルタ
1にすることができる。
【0047】また、第1伝送線路5a、6aの幅よりも
第2伝送線路5b、6bの幅を広くして共振器の共振周
波数の容量成分を大きくしても、各ストリップライン
5、6をインターデジタル型に配置してので、上述のよ
うにフィルタ1としての全体のインピーダンスZが小さ
くなることを防ぐことができ、ストリップライン長を更
に短くすることが可能になり、小型のフィルタ1にする
ことができる。
【0048】本発明によるフィルタ1の周波数特性と、
比較例として図7に示す構造のフィルタ70の周波数特
性を図4に示す。図で示すように、本発明のフィルタ1
と比較例のフィルタ70の周波数特性を比較すると、通
過域における挿入損失が改善され、減衰極の肩特性も改
善されていることが理解できる。これは、フィルタ1は
フィルタ70に比べて電界強度が増して静電結合が高ま
り、整合性が向上したためと考えられる。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、誘電体ブ
ロック内に形成するストリップラインをインターデジタ
ル型に配置することにより、小型でかつ整合性の良い積
層型誘電体フィルタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層型誘電体フィルタの外観斜視図で
ある。
【図2】本発明の積層型誘電体フィルタの分解斜視図で
ある。
【図3】本発明の積層型誘電体フィルタの等価回路図で
ある。
【図4】本発明の積層型誘電体フィルタと従来の積層型
誘電体フィルタの特性図である。
【図5】従来の積層型誘電体フィルタの分解斜視図であ
る。
【図6】従来の積層型誘電体フィルタの等価回路図であ
る。
【図7】従来の積層型誘電体フィルタの他の分解斜視図
である。
【符号の説明】
1・・・・・・・積層型誘電体フィルタ 2・・・・・・・誘電体ブロック 2a〜2g・・・誘電体層 3a、3b・・・グランド端子 3c、3d・・・グランド電極 4a、4b・・・入出力端子 4c、4d・・・整合電極 5、6・・・・・ストリップライン 5a、6a・・・第1伝送線路 5b、6b・・・第2伝送線路 7、8・・・・・ビアホール導体 9・・・・・・・結合電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の誘電体層を積層した誘電体ブロッ
    クの異なる誘電体層間に、ビアホール導体を介して互い
    に接続されている第1伝送線路、第2伝送線路を形成
    し、前記第1伝送線路の一端をグランド電位に短絡し、
    前記第2伝送線路の一端を開放した成る複数のストリッ
    プラインを併設配置した積層型誘電体フィルタであっ
    て、 隣り合う前記ストリップラインは、その短絡端が互い違
    いに配置されていることを特徴とする積層型誘電体フィ
    ルタ。
  2. 【請求項2】 前記第1伝送線路の幅よりも第2の伝送
    線路の幅が広いことを特徴とする請求項1記載の積層型
    誘電体フィルタ。
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JP2009246632A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Tdk Corp フィルタ
JP2010098406A (ja) * 2008-10-15 2010-04-30 Murata Mfg Co Ltd ストリップラインフィルタ
JP2012085259A (ja) * 2010-10-14 2012-04-26 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 積層型チップフィルタ用カップリング構造、積層型チップフィルタ、及びこれを含む電子デバイス

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