JP2004266696A - 積層型バンドパスフィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化した積層型バンドパスフィルタを提供する。
【解決手段】バンドパスフィルタ(BPF)の共振器24,25を、電界結合が強く生じている開放端が向い合うように配置する。さらに、共振器24,25の開放端部分を避けるようにアース電極26,27を設ける。よって、開放端側での電界結合を抑制することなく、フィルタの小型化が可能になる。
【選択図】 図1
【解決手段】バンドパスフィルタ(BPF)の共振器24,25を、電界結合が強く生じている開放端が向い合うように配置する。さらに、共振器24,25の開放端部分を避けるようにアース電極26,27を設ける。よって、開放端側での電界結合を抑制することなく、フィルタの小型化が可能になる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、携帯電話機等の無線機器における高周波回路に使用する積層型バンドパスフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
多くの小型電子機器等に使用されている、表面実装用のチップ部品のうち、積層セラミックス部品は、通常、表面に所望のパターンを形成した複数枚のセラミックグリーンシート(単にグリーンシートともいう)を積層し、それをチップサイズに裁断した後、焼成して製造している。
【0003】
積層型の部品である高周波用積層型のバンドパスフィルタ(BPF)として、例えば、特許文献1、および特許文献2に記載の積層型誘電体フィルタ(以下、従来例1に係るBPFという)は、図6に示す内部電極構造を有している。また、図5は、その外観斜視図である。図6に示すように、これらの文献に開示されたフィルタは、上下シールド電極で挟まれた誘電体内形成された片側短絡、片側開放の2つの共振器電極を結合させることにより、所定のBPF特性を得ている。
【0004】
図6において、グリーンシート101〜106は、誘電体あるいは磁性体材料で形成されており、これらのシート上には、印刷等の方法により、銀(Ag)、あるいは銅(Cu)等の導電率の高い材料を主成分としたペーストで内部電極111〜117が形成されている。なお、グリーンシート101は最上面の保護層であり、そこには内部電極が形成されていない。
【0005】
図6に示すように、グリーンシート102には上部シールド電極111が形成されており、シート端部において電極の手前側と奥側が露出している。そして、これらの露出部分は、図5に示すGND外部電極303,304それぞれに接続される。また、グリーンシート103には、入出力電極112,113が形成されており、これらの電極は、図6に示すように、その片側がシート端部に露出して、図5の入出力外部電極301,302それぞれに接続される。一方、入出力電極112,113の開放端側は、後述する共振器114,115の一部に対向することによって入出力容量を形成している。
【0006】
グリーンシート103の下部に位置するグリーンシート104には、2つの共振器電極114,115が互いに平行に形成され、それらの手前側E,Fがシート端部に露出する構造になっている。そして、これらの露出部が、図5のGND外部電極304に接続される。一方、電極114,115の奥側は開放端となっており、これにより片側短絡のストリップライン共振器を形成している。
【0007】
グリーンシート105には、アース電極116が形成されており、その奥側がシート端に露出して、図5に示す外部GND電極303に接続される。このアース電極116は、共振器114,115の開放端に対向する位置に配置されており、これらの共振器とアース電極により容量が形成されることにより、共振器114,115の共振周波数が下がることになる。
【0008】
なお、周波数を一定とした場合には、共振器(共振器電極)114,115の線路長は短くてよいことになり、このアース電極116により、フィルタの小型化が可能となる。また、図7は、上述した共振器電極114,115とアース電極116との位置関係を示す上面透視平面図である。
【0009】
最下層のグリーンシート106には、下部シールド電極117が形成されている。この下部シールド電極117も、上述した上部シールド電極111と同様、図6において手前側と奥側がシート端に露出しており、図5のGND外部電極303,304それぞれに接続される。
【0010】
図9は、上述した方法で作製された、従来例1に係るBPFの等価回路である。同図において、Cp1は、共振器電極114と、その上下にあるシールド電極111,117間の分布容量を集中定数で表した等価共振容量であり、同様にCp2は、共振器電極115の分布容量を集中定数で表した等価共振容量である。また、Lp1は、共振器電極114の分布インダクタンスを集中定数で表した等価共振インダクタンスであり、同様にLp2は、共振器電極115の分布インダクタンスを集中定数で表した等価共振インダクタンスである。
【0011】
Cp3は、アース電極116と共振器電極114の開放端側間で生じている容量を示し、Cp4は、アース電極116と共振器電極115の開放端側で生じている容量を表している。そして、Cp3,Cp4それぞれが、Cp1,Cp2と並列に接続されるため共振周波数が下がり、共振器114,115の長さを短くすることができる。
【0012】
また、図9のMは、共振器電極114,115の磁界結合による相互インダクタンスを表しており、Cmは、共振器電極114,115の電界結合による容量を表している。さらに、Co1は、共振器電極114と入出力電極112が対向することにより形成される容量を表しており、Co2は、共振器電極115と入出力電極113が対向することにより形成される容量を表している。
【0013】
図9に示す等価回路から分かるように、従来例1に係るBPFは、2つの共振器によって構成される2段のBPFとなっており、その結合度は、磁界結合M、結合容量Cmによって必要な帯域幅が得られるように調整される。
【0014】
他の例に係る高周波用積層型のバンドパスフィルタ(BPF)として、例えば、特許文献3、および特許文献4には、図8に示す内部電極構造を有する積層型の誘電体フィルタ(以下、従来例2に係るBPFという)が開示されている。図8に示すフィルタは、上下シールド電極で挟まれた誘電体内に形成された片側短絡、片側開放の2つの共振器電極を結合させることによってBPF特性を得ている。
【0015】
図8に示すフィルタは、誘電体、あるいは磁性体材料で形成されたグリーンシート201〜204、それらのシート上には、印刷等の方法により、AgあるいはCu等の導電率の高い材料を主成分としたぺーストで形成された内部電極より構成される。これらのシートのうち、シート201は、最上面の保護層であり、内部電極は形成されていない。また、シート202には、上部シールド電極211が形成されており、その手前側と奥側が露出して、図5のGND外部電極303,304にそれぞれ接続されている。
【0016】
シート203には、入出力電極212,215と共振器213,214が形成されており、電極212,215は、図8に示すように、その片側が露出して、図5の入出力外部電極301,302にそれぞれ接続される。電極212,215の他方は、共振器213,214の途中部分に接続されており、入出力のインピーダンス整合がとれるように配置されている。また、シート204には、下部シールド電極216が形成されている。この下部シールド電極216も、上部シールド電極211と同様、その手前側と奥側が露出しており、図5のGND外部電極303,304にそれぞれ接続されている。
【0017】
図10は、従来例2に係るBPFの等価回路である。同図において、Cp1は、図8に示す共振器213と上下シールド電極211,216間の分布容量を集中定数で表した等価共振容量であり、Cp2は、同じく共振器214の分布容量を集中定数で表した等価共振容量である。また、Lp1は、共振器213の分布インダクタンスを集中定数で表した等価共振インダクタンスであり、Lp2は、同じく共振器214の分布インダクタンスを集中定数で表した等価共振インダクタンスである。
【0018】
Mは、共振器213,214の磁界結合による相互インダクタンスであり、Cmは、共振器213,214の電界結合による容量を表している。よって、図10に示す等価回路から分かるように、従来例2に係るBPFは、2つの共振器によって構成される2段のBPFとなっており、その結合度は、磁界結合M、結合容量Cmにより必要な帯域幅が得られるように調整される。
【0019】
なお、上述した従来例1に係るBPF、および従来例2に係るBPFのいずれも、各グリーンシートに内部電極を形成した後、それらを積層し、チップ形状に切断して、内部電極材料の融点以下の温度で焼成後、スパッタ法、あるいは塗布によって外部電極301〜304を付け焼付け処理、またはメッキ処理等を行って、外部電極を形成する。
【0020】
これらの外部電極301〜304には、その外部電極面に露出した内部電極パターンが電気的に接続されることで、図5に示すBPFが完成する。また、図示はしていないが、各グリーンシートの厚みについては、電極が形成されていないシートを数枚、積層することにより、その厚みを調整しても良い。
【0021】
【特許文献1】
特許第2963835号公報
【0022】
【特許文献2】
特許第2806710号公報
【0023】
【特許文献3】
特許第2988499号公報
【0024】
【特許文献4】
特許第3191560号公報
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のBPF、特に従来例1に係るBPFでは、アース電極116により共振器電極を小型化できても、それが共振器電極の開放端側に設けられているため、開放端側で強く生じている共振器間の電界結合を抑制してしまい、結果的に共振器の短絡側で生じている磁界結合の方が強くなる。
【0026】
そこで、この磁界結合を弱めるためには、共振器間の距離を広げなければならないが、これは部品の小型化に反する結果となる。また、他の方法として、共振器の開放端側に、電界結合電極を共振器とは別の層に設けることにより電界結合を強くして、磁界結合によるBPFの結合を抑制することができる。
【0027】
しかし、このような手段は、新たに電界結合電極を必要とし、特にBPFの通過周波数帯で容量結合とする場合には大きな容量が必要となるため、電極が大きくなる傾向にある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、共振器間の距離を広げることなく小型化が可能な積層型バンドパスフィルタを提供することである。
【0029】
かかる目的を達成し、上述した課題を解決する一手段として、例えば、以下の構成を備える。すなわち、本発明は、第1のアース電極と第2のアース電極の間に少なくとも誘電体または磁性体からなる複数の絶縁層を有し、それらの絶縁層の第1の層に一端が開放され他端がアースに短絡された第1の共振器電極と一端が開放され他端がアースに短絡された第2の共振器電極とが近接して形成された積層型バンドパスフィルタであって、上記絶縁層のうち上記第1の層とは異なる第2の層に第3のアース電極と第4のアース電極が形成され、上記第3のアース電極は、上記第1の共振器電極の上記開放端部分を除く部分で積層方向に対向する位置に配置され、上記第4のアース電極は、上記第2の共振器電極の上記開放端部分を除く部分で積層方向に対向する位置に配置されていることを特徴とする。
【0030】
上述した課題を解決する他の手段として、例えば、以下の構成を備える。すなわち、本発明は、第1のアース電極と第2のアース電極の間に少なくとも誘電体または磁性体からなる複数の絶縁層を有し、それらの絶縁層の第1の層に一端が開放され他端がアースに短絡された第1の共振器電極と一端が開放され他端がアースに短絡された第2の共振器電極とが近接して形成された積層型バンドパスフィルタであって、上記絶縁層のうち上記第1の層とは異なる第2の層に第3のアース電極と第4のアース電極が形成され、さらに、上記第1の層および第2の層とは異なる第3の層に第5のアース電極と第6のアース電極が形成され、上記第3のアース電極と第5のアース電極は、上記第1の共振器電極の上記開放端部分を除く部分で積層方向に対向する位置に配置され、上記第4のアース電極と第6のアース電極は、上記第2の共振器電極の上記開放端部分を除く部分で積層方向に対向する位置に配置されており、上記第1の層は上記第2の層と第3の層との間に位置することを特徴とする。
【0031】
例えば、上記第1の共振器電極と第2の共振器電極各々は略コの字形状を有しており、上記開放端側において所定間隔離間しながら対向して配置されていることを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施の形態例を詳細に説明する。図1は、本実施の形態例に係る積層型バンドパスフィルタ(BPF)の層構成を示す分解斜視図である。同図に示すフィルタは、誘電体、あるいは磁性体材料で形成されたグリーンシート11〜15と、それらのシート上に印刷法等の方法により、例えば、AgあるいはCu等の導電率の高い材料を主成分としたペーストで形成された内部電極21〜28からなる。
【0033】
図1に示すフィルタにおいて、シート11は最上面の保護層であり、そのシート11には、内部電極は形成されていない。また、シート12には、上部シールド電極21か形成されており、その手前側と奥側が露出して、図5に示すGND外部電極303,304それぞれに接続される。
【0034】
シート13上には、入出力電極22,23、および共振器電極24,25が形成されており、入出力電極22,23は、図1に示すように、その片側が露出して、図5に示す入出力外部電極301,302それぞれに接続される。また、入出力電極22,23の他方は、共振器24,25の途中部分に接続されており、入出力のインピーダンス整合がとれるように配置されている。
【0035】
これら2つの共振器(共振器電極)24,25は、互いに平行に形成されており、その手前側A,Bが露出した構造となって、図5のGND外部電極304に接続されている。また、共振器電極24,25の他方は、開放端となっており、その開放端が互いに向き合うように配置されている。そして、各共振器電極の長さは、信号のほぼ通過帯域付近で共振するように調整されている。
【0036】
シート14には、本願発明に係るフィルタ(BPF)の特徴であるアース電極26,27が形成されている。アース電極26,27の奥側のC,D部は、露出しており、外部GND電極303に接続されている。また、シート15上には、下部シールド電極28が形成されている。この下部シールド電極28も、上記の上部シールド電極21と同様、その手前側と奥側が露出して、図5のGND外部電極303,304それぞれに接続されている。
【0037】
図2は、シート13上に形成された共振器電極24,25と、シート14上のアース電極26,27の位置関係を示す平面図である。同図に示すように、本実施の形態例に係るフィルタでは、アース電極26,27を、共振器電極24,25の開放端部を避けて共振器の一部に対向して配置されている。
【0038】
本実施の形態例に係るフィルタ(BPF)は、各グリーンシート11〜15に内部電極を形成した後、それらを積層し、チップ形状に切断して、内部電極材料の融点以下の温度で焼成後、スパッタ法、あるいは塗布によって外部電極301〜304を付け、焼付け処理、またはメッキ処理等を行って、これらの外部電極を形成する。
【0039】
外部電極301〜304には、その外部電極面に露出した内部電極パターンが電気的に接続されることで、図5に示すBPFが完成する。なお、図示は省略するが、電極が形成されていないシートを数枚、積層することにより、各グリーンシートの厚みを調整してもよい。
【0040】
図3は、図1に示す構造を有する本実施の形態例に係るフィルタ(BPF)の等価回路である。図3に示す等価回路において、Cp1は、共振器電極24と上下シールド電極11,18間の分布容量を集中定数で表した等価共振容量である。同様にCp2は、共振器電極25の分布容量を集中定数で表した等価共振容量である。
【0041】
Lp1は、共振器電極24の分布インダクタンスを集中定数で表した等価共振インダクタンスであり、同様にLp2は、共振器電極25の分布インダクタンスを集中定数で表した等価共振インダクタンスである。また、Cp3は、共振器電極24とアース電極26間の容量を表しており、Cp4は、共振器電極25とアース電極27間の容量を表している。
【0042】
本実施の形態例に係るフィルタ(BPF)では、アース電極と共振器間で形成される、これらの容量Cp4,Cp5により共振周波数が下がるため、共振器を小型化できる。
【0043】
Mは、共振器24,25の磁界結合による相互インダクタンスを表しており、Cmは、共振器24,25の電界結合による容量を表している。よって、図3に示す等価回路から分かるように、本実施の形態例に係るフィルタ(BPF)は、2つの共振器によって構成される2段のBPFとなっており、その結合度は、電界結合Cmにより必要な帯域幅が得られるように調整される。
【0044】
上述したように、従来のBPFでは、アース電極によって共振器電極を小型化できたとしても、その電極が共振器電極の開放端側に設けられているため、開放端側で強く生じている共振器間の電界結合を抑制する。その結果、共振器の短絡側で生じている磁界結合の方が強くなる。そこで、磁界結合を弱めるためには、共振器間の距離を広げなければならない。
【0045】
これに対して、本実施の形態例に係るBPFの場合は、折り曲げ共振器を用いており、例えば、図2に示すように、電界結合が強く生じている開放端が向い合うように配置している。さらに、その開放端部分を避けるようにアース電極26,27を、共振器が配された層とは別の層に設けている。
【0046】
このような構造を有するため、上記の電界結合に大きな影響を与えずにフィルタの小型化が可能となり、共振器の短絡側を離したり、あるいは、別の層に新たに電界結合電極を設ける必要がない。
【0047】
すなわち、本実施の形態例に係るBPFは、共振器の形状がコの字型であるためフィルタを小型化でき、その上、共振器の開放端を除く部分に対向するようにアース電極を設けているので、さらにフィルタの小型化が可能となる。同時に、この構造をとることで、開放端で形成している結合容量に与える影響が少ない。
【0048】
なお、上述した従来例2に係るBPFも折り曲げ共振器を使用したタイプであるが、共振器の長さは、中心周波数での約1/4波長の長さを必要としているのに対し、本実施の形態例に係るBPFは、アース電極26,27を設けたことにより、共振器長がさらに短くなり、よりバンドパスフィルタの小型化が可能となる。
【0049】
本発明は、上述の実施の形態例に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。例えば、図4に示すフィルタ構造を有するBPFとしてもよい。なお、図4において、図1に示す、上述した実施の形態に係るフィルタと同一構成要素には同一符号を付し、ここでは、それらの説明を省略する。
【0050】
図4に示すフィルタは、上述した実施の形態に係るフィルタ構造(図1参照)に対して、アース電極29,30が配されたシート12aをさらにもう一層、シート12とシート13の間に設けた構造を有している例である。これらのアース電極により、さらなるフィルタの小型化が可能となる。
【0051】
また、図1に示すフィルタ構造や、その変形例である図4に示すフィルタ構造では、入出力電極22,23を共振器から直接、引き出す構造にしているが、これに限定されず、例えば、入出力を容量結合型として取り出しても良い。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、共振器電極間の距離を広げずに積層型バンドパスフィルタの小型化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例に係る積層型バンドパスフィルタ(BPF)の層構成を示す分解斜視図である。
【図2】実施の形態例に係るシート上に形成された共振器電極とアース電極の位置関係を示す図である。
【図3】実施の形態例に係るフィルタの等価回路を示す図である。
【図4】変形例に係る積層型バンドパスフィルタの層構成を示す分解斜視図である。
【図5】積層型誘電体フィルタの外観斜視図である。
【図6】従来例1に係るBPFの内部電極構造を示す図である。
【図7】従来例における共振器電極とアース電極との位置関係を示す図である。
【図8】従来例2に係るBPFの内部電極構造を示す図である。
【図9】従来例1に係るBPFの等価回路を示す図である。
【図10】従来例2に係るBPFの等価回路を示す図である。
【符号の説明】
11〜15 グリーンシート
21 上部シールド電極
22,23 入出力電極
24,25 共振器(共振器電極)
26,27,29,30 アース電極
28 下部シールド電極
301,302 入出力外部電極
303,304 GND外部電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、携帯電話機等の無線機器における高周波回路に使用する積層型バンドパスフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
多くの小型電子機器等に使用されている、表面実装用のチップ部品のうち、積層セラミックス部品は、通常、表面に所望のパターンを形成した複数枚のセラミックグリーンシート(単にグリーンシートともいう)を積層し、それをチップサイズに裁断した後、焼成して製造している。
【0003】
積層型の部品である高周波用積層型のバンドパスフィルタ(BPF)として、例えば、特許文献1、および特許文献2に記載の積層型誘電体フィルタ(以下、従来例1に係るBPFという)は、図6に示す内部電極構造を有している。また、図5は、その外観斜視図である。図6に示すように、これらの文献に開示されたフィルタは、上下シールド電極で挟まれた誘電体内形成された片側短絡、片側開放の2つの共振器電極を結合させることにより、所定のBPF特性を得ている。
【0004】
図6において、グリーンシート101〜106は、誘電体あるいは磁性体材料で形成されており、これらのシート上には、印刷等の方法により、銀(Ag)、あるいは銅(Cu)等の導電率の高い材料を主成分としたペーストで内部電極111〜117が形成されている。なお、グリーンシート101は最上面の保護層であり、そこには内部電極が形成されていない。
【0005】
図6に示すように、グリーンシート102には上部シールド電極111が形成されており、シート端部において電極の手前側と奥側が露出している。そして、これらの露出部分は、図5に示すGND外部電極303,304それぞれに接続される。また、グリーンシート103には、入出力電極112,113が形成されており、これらの電極は、図6に示すように、その片側がシート端部に露出して、図5の入出力外部電極301,302それぞれに接続される。一方、入出力電極112,113の開放端側は、後述する共振器114,115の一部に対向することによって入出力容量を形成している。
【0006】
グリーンシート103の下部に位置するグリーンシート104には、2つの共振器電極114,115が互いに平行に形成され、それらの手前側E,Fがシート端部に露出する構造になっている。そして、これらの露出部が、図5のGND外部電極304に接続される。一方、電極114,115の奥側は開放端となっており、これにより片側短絡のストリップライン共振器を形成している。
【0007】
グリーンシート105には、アース電極116が形成されており、その奥側がシート端に露出して、図5に示す外部GND電極303に接続される。このアース電極116は、共振器114,115の開放端に対向する位置に配置されており、これらの共振器とアース電極により容量が形成されることにより、共振器114,115の共振周波数が下がることになる。
【0008】
なお、周波数を一定とした場合には、共振器(共振器電極)114,115の線路長は短くてよいことになり、このアース電極116により、フィルタの小型化が可能となる。また、図7は、上述した共振器電極114,115とアース電極116との位置関係を示す上面透視平面図である。
【0009】
最下層のグリーンシート106には、下部シールド電極117が形成されている。この下部シールド電極117も、上述した上部シールド電極111と同様、図6において手前側と奥側がシート端に露出しており、図5のGND外部電極303,304それぞれに接続される。
【0010】
図9は、上述した方法で作製された、従来例1に係るBPFの等価回路である。同図において、Cp1は、共振器電極114と、その上下にあるシールド電極111,117間の分布容量を集中定数で表した等価共振容量であり、同様にCp2は、共振器電極115の分布容量を集中定数で表した等価共振容量である。また、Lp1は、共振器電極114の分布インダクタンスを集中定数で表した等価共振インダクタンスであり、同様にLp2は、共振器電極115の分布インダクタンスを集中定数で表した等価共振インダクタンスである。
【0011】
Cp3は、アース電極116と共振器電極114の開放端側間で生じている容量を示し、Cp4は、アース電極116と共振器電極115の開放端側で生じている容量を表している。そして、Cp3,Cp4それぞれが、Cp1,Cp2と並列に接続されるため共振周波数が下がり、共振器114,115の長さを短くすることができる。
【0012】
また、図9のMは、共振器電極114,115の磁界結合による相互インダクタンスを表しており、Cmは、共振器電極114,115の電界結合による容量を表している。さらに、Co1は、共振器電極114と入出力電極112が対向することにより形成される容量を表しており、Co2は、共振器電極115と入出力電極113が対向することにより形成される容量を表している。
【0013】
図9に示す等価回路から分かるように、従来例1に係るBPFは、2つの共振器によって構成される2段のBPFとなっており、その結合度は、磁界結合M、結合容量Cmによって必要な帯域幅が得られるように調整される。
【0014】
他の例に係る高周波用積層型のバンドパスフィルタ(BPF)として、例えば、特許文献3、および特許文献4には、図8に示す内部電極構造を有する積層型の誘電体フィルタ(以下、従来例2に係るBPFという)が開示されている。図8に示すフィルタは、上下シールド電極で挟まれた誘電体内に形成された片側短絡、片側開放の2つの共振器電極を結合させることによってBPF特性を得ている。
【0015】
図8に示すフィルタは、誘電体、あるいは磁性体材料で形成されたグリーンシート201〜204、それらのシート上には、印刷等の方法により、AgあるいはCu等の導電率の高い材料を主成分としたぺーストで形成された内部電極より構成される。これらのシートのうち、シート201は、最上面の保護層であり、内部電極は形成されていない。また、シート202には、上部シールド電極211が形成されており、その手前側と奥側が露出して、図5のGND外部電極303,304にそれぞれ接続されている。
【0016】
シート203には、入出力電極212,215と共振器213,214が形成されており、電極212,215は、図8に示すように、その片側が露出して、図5の入出力外部電極301,302にそれぞれ接続される。電極212,215の他方は、共振器213,214の途中部分に接続されており、入出力のインピーダンス整合がとれるように配置されている。また、シート204には、下部シールド電極216が形成されている。この下部シールド電極216も、上部シールド電極211と同様、その手前側と奥側が露出しており、図5のGND外部電極303,304にそれぞれ接続されている。
【0017】
図10は、従来例2に係るBPFの等価回路である。同図において、Cp1は、図8に示す共振器213と上下シールド電極211,216間の分布容量を集中定数で表した等価共振容量であり、Cp2は、同じく共振器214の分布容量を集中定数で表した等価共振容量である。また、Lp1は、共振器213の分布インダクタンスを集中定数で表した等価共振インダクタンスであり、Lp2は、同じく共振器214の分布インダクタンスを集中定数で表した等価共振インダクタンスである。
【0018】
Mは、共振器213,214の磁界結合による相互インダクタンスであり、Cmは、共振器213,214の電界結合による容量を表している。よって、図10に示す等価回路から分かるように、従来例2に係るBPFは、2つの共振器によって構成される2段のBPFとなっており、その結合度は、磁界結合M、結合容量Cmにより必要な帯域幅が得られるように調整される。
【0019】
なお、上述した従来例1に係るBPF、および従来例2に係るBPFのいずれも、各グリーンシートに内部電極を形成した後、それらを積層し、チップ形状に切断して、内部電極材料の融点以下の温度で焼成後、スパッタ法、あるいは塗布によって外部電極301〜304を付け焼付け処理、またはメッキ処理等を行って、外部電極を形成する。
【0020】
これらの外部電極301〜304には、その外部電極面に露出した内部電極パターンが電気的に接続されることで、図5に示すBPFが完成する。また、図示はしていないが、各グリーンシートの厚みについては、電極が形成されていないシートを数枚、積層することにより、その厚みを調整しても良い。
【0021】
【特許文献1】
特許第2963835号公報
【0022】
【特許文献2】
特許第2806710号公報
【0023】
【特許文献3】
特許第2988499号公報
【0024】
【特許文献4】
特許第3191560号公報
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のBPF、特に従来例1に係るBPFでは、アース電極116により共振器電極を小型化できても、それが共振器電極の開放端側に設けられているため、開放端側で強く生じている共振器間の電界結合を抑制してしまい、結果的に共振器の短絡側で生じている磁界結合の方が強くなる。
【0026】
そこで、この磁界結合を弱めるためには、共振器間の距離を広げなければならないが、これは部品の小型化に反する結果となる。また、他の方法として、共振器の開放端側に、電界結合電極を共振器とは別の層に設けることにより電界結合を強くして、磁界結合によるBPFの結合を抑制することができる。
【0027】
しかし、このような手段は、新たに電界結合電極を必要とし、特にBPFの通過周波数帯で容量結合とする場合には大きな容量が必要となるため、電極が大きくなる傾向にある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、共振器間の距離を広げることなく小型化が可能な積層型バンドパスフィルタを提供することである。
【0029】
かかる目的を達成し、上述した課題を解決する一手段として、例えば、以下の構成を備える。すなわち、本発明は、第1のアース電極と第2のアース電極の間に少なくとも誘電体または磁性体からなる複数の絶縁層を有し、それらの絶縁層の第1の層に一端が開放され他端がアースに短絡された第1の共振器電極と一端が開放され他端がアースに短絡された第2の共振器電極とが近接して形成された積層型バンドパスフィルタであって、上記絶縁層のうち上記第1の層とは異なる第2の層に第3のアース電極と第4のアース電極が形成され、上記第3のアース電極は、上記第1の共振器電極の上記開放端部分を除く部分で積層方向に対向する位置に配置され、上記第4のアース電極は、上記第2の共振器電極の上記開放端部分を除く部分で積層方向に対向する位置に配置されていることを特徴とする。
【0030】
上述した課題を解決する他の手段として、例えば、以下の構成を備える。すなわち、本発明は、第1のアース電極と第2のアース電極の間に少なくとも誘電体または磁性体からなる複数の絶縁層を有し、それらの絶縁層の第1の層に一端が開放され他端がアースに短絡された第1の共振器電極と一端が開放され他端がアースに短絡された第2の共振器電極とが近接して形成された積層型バンドパスフィルタであって、上記絶縁層のうち上記第1の層とは異なる第2の層に第3のアース電極と第4のアース電極が形成され、さらに、上記第1の層および第2の層とは異なる第3の層に第5のアース電極と第6のアース電極が形成され、上記第3のアース電極と第5のアース電極は、上記第1の共振器電極の上記開放端部分を除く部分で積層方向に対向する位置に配置され、上記第4のアース電極と第6のアース電極は、上記第2の共振器電極の上記開放端部分を除く部分で積層方向に対向する位置に配置されており、上記第1の層は上記第2の層と第3の層との間に位置することを特徴とする。
【0031】
例えば、上記第1の共振器電極と第2の共振器電極各々は略コの字形状を有しており、上記開放端側において所定間隔離間しながら対向して配置されていることを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施の形態例を詳細に説明する。図1は、本実施の形態例に係る積層型バンドパスフィルタ(BPF)の層構成を示す分解斜視図である。同図に示すフィルタは、誘電体、あるいは磁性体材料で形成されたグリーンシート11〜15と、それらのシート上に印刷法等の方法により、例えば、AgあるいはCu等の導電率の高い材料を主成分としたペーストで形成された内部電極21〜28からなる。
【0033】
図1に示すフィルタにおいて、シート11は最上面の保護層であり、そのシート11には、内部電極は形成されていない。また、シート12には、上部シールド電極21か形成されており、その手前側と奥側が露出して、図5に示すGND外部電極303,304それぞれに接続される。
【0034】
シート13上には、入出力電極22,23、および共振器電極24,25が形成されており、入出力電極22,23は、図1に示すように、その片側が露出して、図5に示す入出力外部電極301,302それぞれに接続される。また、入出力電極22,23の他方は、共振器24,25の途中部分に接続されており、入出力のインピーダンス整合がとれるように配置されている。
【0035】
これら2つの共振器(共振器電極)24,25は、互いに平行に形成されており、その手前側A,Bが露出した構造となって、図5のGND外部電極304に接続されている。また、共振器電極24,25の他方は、開放端となっており、その開放端が互いに向き合うように配置されている。そして、各共振器電極の長さは、信号のほぼ通過帯域付近で共振するように調整されている。
【0036】
シート14には、本願発明に係るフィルタ(BPF)の特徴であるアース電極26,27が形成されている。アース電極26,27の奥側のC,D部は、露出しており、外部GND電極303に接続されている。また、シート15上には、下部シールド電極28が形成されている。この下部シールド電極28も、上記の上部シールド電極21と同様、その手前側と奥側が露出して、図5のGND外部電極303,304それぞれに接続されている。
【0037】
図2は、シート13上に形成された共振器電極24,25と、シート14上のアース電極26,27の位置関係を示す平面図である。同図に示すように、本実施の形態例に係るフィルタでは、アース電極26,27を、共振器電極24,25の開放端部を避けて共振器の一部に対向して配置されている。
【0038】
本実施の形態例に係るフィルタ(BPF)は、各グリーンシート11〜15に内部電極を形成した後、それらを積層し、チップ形状に切断して、内部電極材料の融点以下の温度で焼成後、スパッタ法、あるいは塗布によって外部電極301〜304を付け、焼付け処理、またはメッキ処理等を行って、これらの外部電極を形成する。
【0039】
外部電極301〜304には、その外部電極面に露出した内部電極パターンが電気的に接続されることで、図5に示すBPFが完成する。なお、図示は省略するが、電極が形成されていないシートを数枚、積層することにより、各グリーンシートの厚みを調整してもよい。
【0040】
図3は、図1に示す構造を有する本実施の形態例に係るフィルタ(BPF)の等価回路である。図3に示す等価回路において、Cp1は、共振器電極24と上下シールド電極11,18間の分布容量を集中定数で表した等価共振容量である。同様にCp2は、共振器電極25の分布容量を集中定数で表した等価共振容量である。
【0041】
Lp1は、共振器電極24の分布インダクタンスを集中定数で表した等価共振インダクタンスであり、同様にLp2は、共振器電極25の分布インダクタンスを集中定数で表した等価共振インダクタンスである。また、Cp3は、共振器電極24とアース電極26間の容量を表しており、Cp4は、共振器電極25とアース電極27間の容量を表している。
【0042】
本実施の形態例に係るフィルタ(BPF)では、アース電極と共振器間で形成される、これらの容量Cp4,Cp5により共振周波数が下がるため、共振器を小型化できる。
【0043】
Mは、共振器24,25の磁界結合による相互インダクタンスを表しており、Cmは、共振器24,25の電界結合による容量を表している。よって、図3に示す等価回路から分かるように、本実施の形態例に係るフィルタ(BPF)は、2つの共振器によって構成される2段のBPFとなっており、その結合度は、電界結合Cmにより必要な帯域幅が得られるように調整される。
【0044】
上述したように、従来のBPFでは、アース電極によって共振器電極を小型化できたとしても、その電極が共振器電極の開放端側に設けられているため、開放端側で強く生じている共振器間の電界結合を抑制する。その結果、共振器の短絡側で生じている磁界結合の方が強くなる。そこで、磁界結合を弱めるためには、共振器間の距離を広げなければならない。
【0045】
これに対して、本実施の形態例に係るBPFの場合は、折り曲げ共振器を用いており、例えば、図2に示すように、電界結合が強く生じている開放端が向い合うように配置している。さらに、その開放端部分を避けるようにアース電極26,27を、共振器が配された層とは別の層に設けている。
【0046】
このような構造を有するため、上記の電界結合に大きな影響を与えずにフィルタの小型化が可能となり、共振器の短絡側を離したり、あるいは、別の層に新たに電界結合電極を設ける必要がない。
【0047】
すなわち、本実施の形態例に係るBPFは、共振器の形状がコの字型であるためフィルタを小型化でき、その上、共振器の開放端を除く部分に対向するようにアース電極を設けているので、さらにフィルタの小型化が可能となる。同時に、この構造をとることで、開放端で形成している結合容量に与える影響が少ない。
【0048】
なお、上述した従来例2に係るBPFも折り曲げ共振器を使用したタイプであるが、共振器の長さは、中心周波数での約1/4波長の長さを必要としているのに対し、本実施の形態例に係るBPFは、アース電極26,27を設けたことにより、共振器長がさらに短くなり、よりバンドパスフィルタの小型化が可能となる。
【0049】
本発明は、上述の実施の形態例に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。例えば、図4に示すフィルタ構造を有するBPFとしてもよい。なお、図4において、図1に示す、上述した実施の形態に係るフィルタと同一構成要素には同一符号を付し、ここでは、それらの説明を省略する。
【0050】
図4に示すフィルタは、上述した実施の形態に係るフィルタ構造(図1参照)に対して、アース電極29,30が配されたシート12aをさらにもう一層、シート12とシート13の間に設けた構造を有している例である。これらのアース電極により、さらなるフィルタの小型化が可能となる。
【0051】
また、図1に示すフィルタ構造や、その変形例である図4に示すフィルタ構造では、入出力電極22,23を共振器から直接、引き出す構造にしているが、これに限定されず、例えば、入出力を容量結合型として取り出しても良い。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、共振器電極間の距離を広げずに積層型バンドパスフィルタの小型化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例に係る積層型バンドパスフィルタ(BPF)の層構成を示す分解斜視図である。
【図2】実施の形態例に係るシート上に形成された共振器電極とアース電極の位置関係を示す図である。
【図3】実施の形態例に係るフィルタの等価回路を示す図である。
【図4】変形例に係る積層型バンドパスフィルタの層構成を示す分解斜視図である。
【図5】積層型誘電体フィルタの外観斜視図である。
【図6】従来例1に係るBPFの内部電極構造を示す図である。
【図7】従来例における共振器電極とアース電極との位置関係を示す図である。
【図8】従来例2に係るBPFの内部電極構造を示す図である。
【図9】従来例1に係るBPFの等価回路を示す図である。
【図10】従来例2に係るBPFの等価回路を示す図である。
【符号の説明】
11〜15 グリーンシート
21 上部シールド電極
22,23 入出力電極
24,25 共振器(共振器電極)
26,27,29,30 アース電極
28 下部シールド電極
301,302 入出力外部電極
303,304 GND外部電極
Claims (3)
- 第1のアース電極と第2のアース電極の間に少なくとも誘電体または磁性体からなる複数の絶縁層を有し、それらの絶縁層の第1の層に一端が開放され他端が短絡された第1の共振器電極と一端が開放され他端が短絡された第2の共振器電極とが近接して形成された積層型バンドパスフィルタであって、
前記絶縁層のうち前記第1の層とは異なる第2の層に第3のアース電極と第4のアース電極が形成され、前記第3のアース電極は、前記第1の共振器電極の前記開放端部分を除く部分で積層方向に対向する位置に配置され、前記第4のアース電極は、前記第2の共振器電極の前記開放端部分を除く部分で積層方向に対向する位置に配置されていることを特徴とする積層型バンドパスフィルタ。 - 第1のアース電極と第2のアース電極の間に少なくとも誘電体または磁性体からなる複数の絶縁層を有し、それらの絶縁層の第1の層に一端が開放され他端が短絡された第1の共振器電極と一端が開放され他端が短絡された第2の共振器電極とが近接して形成された積層型バンドパスフィルタであって、
前記絶縁層のうち前記第1の層とは異なる第2の層に第3のアース電極と第4のアース電極が形成され、さらに、前記第1の層および第2の層とは異なる第3の層に第5のアース電極と第6のアース電極が形成され、前記第3のアース電極と第5のアース電極は、前記第1の共振器電極の前記開放端部分を除く部分で積層方向に対向する位置に配置され、前記第4のアース電極と第6のアース電極は、前記第2の共振器電極の前記開放端部分を除く部分で積層方向に対向する位置に配置されており、前記第1の層は前記第2の層と第3の層との間に位置することを特徴とする積層型バンドパスフィルタ。 - 前記第1の共振器電極と第2の共振器電極各々は略コの字形状を有しており、前記開放端側において所定間隔離間しながら対向して配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の積層型バンドパスフィルタ。
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EP3547439A1 (en) * | 2018-03-29 | 2019-10-02 | Intel IP Corporation | A band pass filter, a diplexer and method for forming a band pass filter |
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-
2003
- 2003-03-04 JP JP2003056647A patent/JP2004266696A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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