JP2003198205A - 積層型誘電体フィルタ - Google Patents

積層型誘電体フィルタ

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JP2003198205A
JP2003198205A JP2001393205A JP2001393205A JP2003198205A JP 2003198205 A JP2003198205 A JP 2003198205A JP 2001393205 A JP2001393205 A JP 2001393205A JP 2001393205 A JP2001393205 A JP 2001393205A JP 2003198205 A JP2003198205 A JP 2003198205A
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transmission line
filter
dielectric
strip lines
lines
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JP2001393205A
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Yutaka Makino
豊 牧野
Takafumi Nogi
貴文 野木
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小型でかつ、インピーダンス整合性の良い積層
型誘電体フィルタを得る。 【解決手段】ストリップラインを第1伝送線路5a、6
aから折返した第2伝送線路5a、5bを形成した構造
にした。そして、隣り合うストリップライン5、6のグ
ランド端子3a、3bとの接地部が互い違いになるよう
に交互に配し、それぞれの接地部をインダクタンス素子
11で接続した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に高周波用電子
部品として使用される積層型誘電体フィルタに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】携帯電話の分配器等に搭載される誘電体
フィルタは、誘電体共振器を複数組合せて構成されたバ
ンドパスフィルタである。そして近年の誘電体フィルタ
は、小型で比較的安価であるなどの理由から、それまで
主流であった同軸型誘電体フィルタに替わり、共振器を
ストリップラインで構成した積層型誘電体フィルタが多
用されつつある。このような従来の積層型誘電体フィル
タの等価回路図を図5に、その等価回路図を図6に示
す。
【0003】積層型誘電体フィルタ50は、図に示すよ
うに複数の誘電体層62a〜62gを積層した積層体6
2と誘電体層62a〜62gの主面に各種、電極、電送
線路等が形成されている。共振器を構成するストリップ
ライン55、56は何れも誘電体層62eの同一面に形
成されており、一端が短絡し、他端が開放されて互いに
電磁界結合可能に並列に配置されており、誘電体層62
b及び誘電体層62gの一方主面に形成したグランド電
極63c、63dと対向して配置されている。なお、ス
トリップライン55、56は、小型にするために、一方
端をグランド電位に短絡して1/4波長の長さに設計し
ている。
【0004】また、誘電体層62c及び誘電体層62f
の一方主面に形成した結合容量素子60a、60bによ
り静電結合力を強めるとともに、誘電体層62dの一方
主面に、積層体62の側面に形成する入出力端子(不図
示)に接続する引出電極640を有した整合電極64
a、64bを形成しており、各ストリップライン55、
56で構成するフィルタの整合をとっている。
【0005】以上が従来の積層型誘電体フィルタ50の
構造であるが、これを等価回路図で示すと図6のように
なる。即ち、入力端子xから出力端子yには整合電極6
4a、64bで形成する容量成分、結合容量素子60a
やストリップライン55、56間で形成する容量成分が
直列に接続されており、各々の間にストリップライン5
5、56のそれぞれが同じ一方端に短絡させて並列に配
置し、互いに電磁静電結合することで通過域を持つフィ
ルタを構成している。
【0006】一方、積層型誘電体フィルタ50をより小
型化を実現するためにストリップライン55、56のラ
イン長を短縮する技術、即ち、グランド電位に短絡して
いないストリップライン55、56の他端からビアホー
ル導体を介して他の誘電体層に折返した構造が提案され
ている。このような積層型誘電体フィルタ70の分解斜
視図を図7に示す。
【0007】図に示すように、誘電体層72a〜72g
を積層してなる積層体72を有し、誘電体層72b〜誘
電体層72e間にストリップライン55、56が形成さ
れている。ストリップライン55は誘電体層72eの一
方主面に形成した第1伝送線路55aと誘電体層72c
の一方主面に形成した第2伝送線路55bと、両伝送線
路55a、55bを接続するビアホール導体78aによ
り構成している。ビアホール導体78aは第1伝送線路
55aの他端と接続している。ストリップライン56に
ついても同様の構造であるので説明を省略する。
【0008】このように、第2伝送線路55b、56b
を形成して、第1伝送線路の他端から少し折返した構造
にすることにより、電界強度の強い第1伝送線路55
a、56aの他端の容量成分を大きくできるので、スト
リップライン55、56の誘電体層72eに形成する長
さが短縮し、より小型な積層型誘電体フィルタ70とな
る。
【0009】なお、誘電体層72b、72gの一方主面
にグランド電極73c、73dが形成されている。ま
た、誘電体層72f上に結合容量素子70aが形成され
ており、ストリップライン55、56の一方端に対向し
ている。更に、第1伝送線路55a、56aと第2伝送
線路間55b、56b間に各ストリップライン55、5
6に対向する整合電極74a、74bが形成されてお
り、各整合電極74a、74bから積層体72の側面に
形成する入出力端子(不図示)に接続される引出電極7
40、740が形成されている。
【0010】以上が積層型誘電体フィルタ70の構成で
あるが、これを等価回路図で示すと図6のようになるた
め説明を省略する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】近年の携帯電話等に代
表されるように小型化、高機能化に伴い、用いられる電
子部品、即ち、従来技術に示した積層型誘電体フィルタ
をさらに小型にするためには、ストリップライン56の
第2伝送線路の占める割合をさらに大きくして、ストリ
ップライン開放端側の容量成分をより大きくすればよ
い。
【0012】しかしながら、第2伝送線路の占める割合
を大きくするとストリップライン55、56とグランド
電極73c、73d間の容量成分が大きくなり、その結
果、フィルタ全体の容量成分が大きくなために、フィル
タのインピーダンスが小さくなって各ストリップライン
55、56で構成する共振器の整合性が悪くなるという
問題があった。
【0013】この問題を解決するためには、入力端子x
から出力端子yまでの容量成分を大きくしなければなら
ない。即ち、ストリップライン55、56間の容量成分
やストリップライン55、56と整合電極64a、64
bで形成する容量成分を大きくする必要がある。
【0014】しかしながら、容量成分を大きくするため
に結合容量素子70aや整合電極74a、74bの面積
を大きくすることは簡単にできない。その理由は、スト
リップライン55、56の長さが短く形成するので、充
分な電極を形成する面積が確保できなくなるからであ
る。
【0015】一方、結合容量素子70aは、充分な面積
がとれず、容量成分が大きくならないので、減衰極が深
く形成できない。即ち、小型化にした為に実質的に第
1、第2伝送線路を形成する領域が小さくなっており、
結合容量素子70aを形成する面積に限界があった。従
って、減衰極が深く形成できず所望の阻止特性が得られ
ないという問題点を有していた。
【0016】本発明は、上述の問題点に鑑みて案出され
たものであり、その目的は、小型でかつ整合性が良くフ
ィルタ特性を向上させた積層型誘電体フィルタを提供す
るものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決する
ために本発明では、複数の誘電体層を積層した誘電体ブ
ロックの異なる誘電体層間に、ビアホール導体を介して
互いに接続されている第1伝送線路、第2伝送線路を形
成し、前記第1伝送線路の一端をグランド電位に接地
し、前記第2伝送線路の一端を開放した複数のストリッ
プラインを、その隣り合う前記ストリップラインの接地
端が互い違いとなるように併設配置した積層型誘電体フ
ィルタであって、隣り合う前記ストリップラインは、互
いの接地部がインダクタンス素子を介して接続されてい
ることを特徴とする積層型誘電体フィルタを提供する。
【0018】また、隣り合う前記ストリップラインは、
互いの開放端が容量素子を介して接続されていることを
特徴とする積層型誘電体フィルタを提供する。
【0019】
【作用】積層型誘電体フィルタ(単に「フィルタ」とい
う)を小型化するのに、ストリップラインの第1伝送線
路の割合を短くすることが考えられるが、第1伝送線路
の割合を短くして、第2伝送線路の割合を長くすると、
第1伝送線路の他端、即ち、短絡させない先端側は電界
強度が強いのでストリップラインとグランド電極との容
量成分が増えるようになる。ここで、一般的にストリッ
プラインで構成する共振器(以下、単に「共振器」とい
う)のインピーダンスZsは、ストリップラインの誘導
成分をLs、ストリップラインの容量成分をCsとした
とき、共振点ではZs=(Ls/Cs)1/2が成り立つ
のでストリップラインの容量成分が大きくなると個々の
共振器のインピーダンスZsが低下する。従って、イン
ピーダンスZsが低下するとフィルタのインピーダンス
もそれに伴って低下し、入出力端子間の整合性が劣化す
る。
【0020】一方、共振器の共振点におけるインピーダ
ンスZsが低下すると、フィルタ全体のインピーダンス
が小さくなり整合性が劣化する。従って、一般的にはス
トリップライン長を短くするために第2伝送線路を形成
するとフィルタとしてのインピーダンスが低下するため
に好ましくない。ここで、フィルタのインピーダンスZ
は、誘導成分をL、容量成分をCとしたときに、Z=j
{ωL−(1/ωC)}と表され、フィルタとしてのイ
ンピーダンスZを大きくするためには、従来からフィル
タの容量成分Cを大きくすると改善されることが知られ
ている。例えば、容量成分Cは各ストリップライン間に
形成する結合容量素子や、ストリップラインと入出力端
子側に形成する整合電極からなるが、これらの容量成分
を大きくすることでフィルタの容量成分Cを大きくとる
ことができる。従って、小型化するためにストリップラ
イン長が短く形成されると、充分に容量成分Cを形成す
る電極面積を取ることができないものである。
【0021】しかしながら、本発明の請求項1によれ
ば、ストリップラインは第1伝送線路と第2伝送線路を
ビアホール導体により折り返して形成しており、しか
も、隣り合うストリップラインの接地部が互い違いにな
るように交互に配した、いわゆるインターデジタル型の
配置にしている。これにより、本来、第1伝送線路の一
方端は短絡して電界強度が弱く、第1伝送線路の他方端
は電界強度が強くなっているので、フィルタとしてみた
場合、電界強度が弱い第1伝送線路の一方端の周囲に
は、隣の第1伝送線路の電界強度が強い他方側が配され
ている。従って、第1伝送線路の一方端の周囲では静電
結合が強くなり、第2伝送線路の容量成分Csと相俟っ
て十分な容量成分Cを得ることができる。また、逆も同
じような作用を有している。従って、フィルタの容量成
分Cが低下するのを防ぎ、結合容量素子や整合電極を大
きく形成しなくてもフィルタのインピーダンスZを大き
くすることができ各共振器間の整合性を良くすることが
できる。しかし、インターデジタル型の配置にしたこと
により、フィルタの容量性が強くなり、減衰極ができに
くくなるが、本発明では共振器における磁界強度が大き
いグランド電位に接地した接地部同士にインダクタンス
素子を介して互いに接続した。このインダクタンス素子
により、フィルタの誘導性が強められ、通過域付近に深
い減衰極を作ることができ、選択特性を劣化することを
防いでいる。
【0022】また、本発明の請求項2によれば、第2の
伝送線路の開放された一端が結合容量素子を介して互い
に接続するように配置した。一般的には、ストリップラ
インを第1伝送線路と第2伝送線路をビアホール導体で
接続した場合、ビアホール導体付近で電界強度が強くも
のであるが、本発明のフィルタでは、小型化をするため
に第1伝送線路の占める割合を短くして第2伝送線路の
割合を長くすると第1伝送線路と第2伝送線路の長さが
略同じになるため、第2伝送線路の開放された一端側の
電界強度が強くなってくることが解った。
【0023】従って、ストリップラインの互いの開放端
が容量素子を介して互いに接続して構成されているの
で、更に容量成分が大きくでき、インピーダンスの調整
で整合性の一層良くなり深い減衰極を有しフィルタ特性
を向上させた積層型誘電体フィルタが提供できる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図を用いて
説明する。図1は本発明の積層型誘電体フィルタ(フィ
ルタ)の外観斜視図、図2は内部構造を示す分解斜視
図、図3は積層型誘電体フィルタの等価回路図を示す。
【0025】フィルタ1は図1に示すように、主に誘電
体ブロック2の端面にグランド端子3a、3bを、誘電
体ブロック2の側面の中央に入出力端子4a、4bが形
成されている。
【0026】誘電体ブロック2は、図2に示すように複
数の誘電体層2a〜2gが積層されて構成されており、
誘電体層2a、2b間と誘電体層2f、2g間のそれぞ
れの略全面にグランド電極3c、3dが形成されてお
り、また、誘電体層2c〜2f間にストリップライン
5、6が形成されている。更に、誘電体層2c、2d間
には結合容量素子9が形成されている。
【0027】誘電体層2a〜2gの材料は、セラミック
などの高誘電率材料が望ましい。代表的な高誘電率材料
には、Ba−TiO2系、Ca−TiO2系、Mg−Ti
2系等を用いると良い。前出の材料を使用すれば、誘
電率が高いので、少ない面積でも充分な容量成分が得ら
れ、実質的なストリップライン長を短縮し、部品を小型
化できる。
【0028】ストリップライン5、6は、誘電体層2
e、2f間に配された第1伝送線路5a、6aと、誘電
体層2b、2c間に配された第2伝送線路5b、6b
と、第1伝送線路5a、6aと第2伝送線路5b、6b
とを互いに接続したビアホール導体7、8により構成さ
れる。
【0029】第1伝送線路5aと第1伝送線路6aとは
並列して配置され、第1伝送線路5aの一端はグランド
端子3bに接地されている。また、第1伝送線路5aの
他端はビアホール導体7が接続されている。更に、第1
伝送線路5aの他端の一部から配線導体が延出し、その
配線導体を略L字状に屈曲して誘電体ブロック2の側面
の入出力端子4aに接続する整合電極4cが形成されて
いる。第1伝送線路5a,6aの第2伝送線路5bは、
第2伝送線路6bと並列して配置され、第2伝送線路5
bの他端はビアホール導体7に接続され、一端が開放さ
れた開放端に延出されている。また、第2伝送線路5b
は第1伝送線路5aに対向して形成されており、第1伝
送線路5aの幅よりも第2の伝送線路5bの幅が広くな
るように形成している。
【0030】一方、第1伝送線路6aの他端は、第1伝
送線路5aが接続されるグランド端子3bと対向するグ
ランド端子3aに接地されている。また、第1伝送線路
6aの一端はビアホール導体8に接続され、第1伝送線
路6aの他端の一部から配線導体が延出し、その配線導
体を略L字状に屈曲して誘電体ブロック2の側面の入出
力端子4bに接続する整合電極4dが形成されている。
また、第2伝送線路6bの他端はビアホール導体8に接
続され、一端が開放された開放端に延出されている。
【0031】第2伝送線路6bは、その他端はビアホー
ル導体8に接続され、一端が開放された開放端に延出さ
れている。また、第2伝送線路6bは第1伝送線路6a
に対向して形成されており、第1伝送線路6aの幅より
も第2の伝送線路6bの幅が広くなるように形成してい
る。
【0032】ビアホール導体7、8は誘電体層2c〜2
eを貫通した形成されており、上述のように第1伝送線
路5a、6aの各グランド端子3a、3bと接続しない
第1伝送線路5a、6aの先端側に接続されるが、必ず
しもこれに限定されることがなく、その先端の手前側に
接続しても良い。
【0033】ストリップライン5、6の接続について
は、互いの接地部である第1伝送線路5aと第2伝送線
路6aのグランド端子3a、3bとの接地側領域とイン
ダクタンス素子11を介して互いに接続して構成されて
いる。インダクタンス素子11としては、S字状に形成
した導体で構成しても良く、蛇行状に形成しても良いが
これに限定されるものでなく、誘電体ブロック2の表面
に各第1伝送線路5a、6aから延出させてコイル部材
で接続しても構わない。
【0034】以上のようなストリップライン5、6によ
り、その各々の一端が接地され、第2伝送線路5b、6
bの一端側で開放したλ/4波長の共振器が構成され
る。また、共振器となるストリップライン5、6は、そ
の接地部が互い違いになるように交互に配した、いわゆ
るインターデジタル型のフィルタとして構成されること
になる。
【0035】なお、ストリップライン5、6は本実施の
形態では二本で示したがこれに限定されず二本以上形成
しても良い。その場合でも、互いに隣り合うストリップ
ラインの接地部がインターデジタル型となっている必要
がある。
【0036】整合電極4c、4dは、例えば、共振器間
の結合において電磁結合よりも静電結合のほうが強い容
量性のフィルタを形成した場合、各入出力端子4a、4
b間の整合をとるために、整合電極4c、4dを誘導成
分で構成し、第1伝送線路5aの他端に、第1伝送線路
5bの一端にそれぞれ接続させている。
【0037】容量素子9は共振器間の静電容量を大きく
するために形成され、電界強度の高い第2伝送線路5b
と6bを結合するように配している。このように、共振
器以外にこの容量素子9を形成することで静電結合を強
くすることができ、共振器間の整合性を向上させること
ができるとともに、通過域付近に減衰極のある阻止域の
ある急峻なフィルタを作ることができる。即ち、通過域
から阻止域にかけて急峻である、選択性の良いフィルタ
となる。
【0038】グランド電極3c、3d、ストリップライ
ン5、6、入出力端子4a、4b、整合電極4c、4
d、ビアホール導体7、8、結合容量素子9に使われる
材料としては、高周波用電子部品であるため、AgやC
uを主成分とする導体材料が望ましい。また、グランド
端子3a、3b、入出力端子4a、4bは誘電体ブロッ
ク2の表面に形成されているため、電極表面にメッキ処
理をすることが望ましい。メッキ材料にはAuが一般的
であるが、Ni等の中間メッキ層を形成しても良い。以
上がフィルタ1の構成であるが、等価回路で示すと図3
のように表される。
【0039】本発明のフィルタ1は次のような工程で製
造される。誘電体材料と樹脂材料からなるセラミックグ
リーンシートに導電性ペーストを用いて、ストリップラ
イン5、6等となる導体とビアホール導体7、8を形成
したものをそれぞれ逐次積層してなる積層体を作製す
る。その後、積層体を焼成し、所定の大きさに分割して
誘電体ブロック2が得られる。
【0040】得られた誘電体ブロック2の表面に、グラ
ンド端子3a、3b、入出力端子4a、4bとなる導体
ペーストを塗布した後、焼き付ける。その後、次にグラ
ンド端子3a、3b、入出力端子4a、4bを無電解メ
ッキ法によりメッキ処理が行われてフィルタ1が完成す
る。
【0041】次に本発明の特徴的なことを説明する。ス
トリップライン5、6は、積層型誘電体フィルタを小型
にするために、折り返すための第2伝送線路5b、6b
を形成し、更に小型にするために、第2伝送線路をスト
リップライン5、6の割合より大きくして、電界強度の
高い第2伝送線路5b、6bの開放端側の静電容量を高
めストリップライン長を短くしている。
【0042】ところが、ストリップライン5、6とグラ
ンド電極3c、3dとの間の容量成分が大きくなると、
フィルタ1全体のインピーダンスは小さくなってしま
う。そして、インピーダンスが小さくなりすぎる場合、
フィルタの整合性が悪くなってしまう。この場合の対策
としては、一般的に入力端子から出力端子までの直列な
位置にある結合容量素子9、整合電極4c、4dの容量
成分を大きくすれば良い。
【0043】ところが、本発明では、より小型にするた
め、ストリップライン5、6の長さ短くしたいので、結
合容量素子9、整合電極4c、4dの電極面積を広く形
成するスペースが充分にとれず、電極面積を広くする
と、小型化が達成できなくなる。
【0044】そこで、ストリップライン5、6をインタ
ーデジタル型に配置した。これにより、本来、第1伝送
線路5aの一方端は短絡して電界強度が低く、第1伝送
線路5aの他方端は電界強度が強くなっているので、フ
ィルタ1としてみた場合、電界強度が弱い第1伝送線路
5aの一方端の周囲には、隣の第1伝送線路6aの電界
強度が強い他方側が配されているので、結果的に、第1
伝送線路5aの一方端の周囲では静電結合が強くなり、
第2伝送線路5b、6bの容量成分と相俟って十分な容
量成分を得ることができる。また、逆も同じような作用
を有している。従って、フィルタの容量成分が低下する
のを防ぎ、結合容量素子9や整合電極4c、4dを大き
く形成しなくてもフィルタのインピーダンスの低下を防
止することができ各共振器間の整合性を良くすることが
できる。
【0045】しかしながら、ストリップライン5、6を
インターデジタル型に配置し容量成分が大きくなると誘
導成分が小さくなる傾向にあり、減衰極ができにくく選
択特性が低いフィルタになりやすい。また、磁界強度は
グランド電位に接地した一端が強くなっているのでイン
ターデジタルにしてストリップライン5、6のそれぞれ
の一端が遠く離れる配置とすると電磁結合度が弱くな
り、容量成分が小さくなってしまうのを、インダクタン
ス素子11で接続することにより、効率的に容量成分を
大きくすることができる。従って、減衰極を最適化し、
選択特性の良いフィルタが得られる。そこで、本発明で
はインダクタンス素子11で接続すると、ストリップラ
イン5、6を近づけないので、容量成分を変えずに誘導
成分のみを大きくし、減衰極を深く形成することがで
き、フィルタの選択特性を劣化させることがない。
【0046】第2の伝送線路5b、6bの開放された一
端が結合容量素子9を介して互いに接続するように配置
した。一般的には、ストリップライン5、6を第1伝送
線路5a、6aと第2伝送線路5b、6bをビアホール
導体7、8で接続した場合、ビアホール導体7、8付近
で電界強度が強くなるが、本発明のフィルタでは、小型
化をするために第1伝送線路5a、6aの占める割合を
短くして第2伝送線路5b、6bの割合を長くすると第
1伝送線路5a、6aと第2伝送線路5b、6bの長さ
が略同じになるため、第2伝送線路の開放された一端側
の電界強度が強くなってくることが解った。
【0047】従って、ストリップライン5、6の互いの
開放端が容量素子9を介して互いに接続して構成されて
いるので、更に容量成分が大きくでき、インピーダンス
の調整で整合性が一層良くなり深い減衰極を有しフィル
タ特性を向上させることができる。
【0048】図4にかかる発明の特性を示す。特性a、
bは第2伝送線路5b、6bの長さが第1伝送線路5
a、6aの長さの0.7倍に設計し、特性aは図1に示
すストリップライン構造のフィルタ特性を示し、特性b
は図7に示すストリップライン構造のフィルタ特性を示
す。
【0049】図に示すように、特性aでインタデジタル
型でストリップライン5、6間にインダクタンス素子1
1を形成しているので、特性bのようにインターデジタ
ル型でなくストリップライン間にインダクタンス素子を
形成していないものに比べて通過域付近に減衰極を持た
すことができていることがわかる。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、誘電体ブ
ロック内に形成するストリップラインをインターデジタ
ル型に配置して、互いをインダクタ素子で接続すること
により、小型でかつ整合性の良くフィルタ特性を改善し
た積層型誘電体フィルタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層型誘電体フィルタの外観斜視図で
ある。
【図2】本発明の積層型誘電体フィルタの分解斜視図で
ある。
【図3】本発明の積層型誘電体フィルタの等価回路図で
ある。
【図4】本発明の積層型誘電体フィルタと従来の積層型
誘電体フィルタの特性図である。
【図5】従来の積層型誘電体フィルタの分解斜視図であ
る。
【図6】従来の積層型誘電体フィルタの等価回路図であ
る。
【図7】従来の積層型誘電体フィルタの他の分解斜視図
である。
【符号の説明】
1・・・・・・・積層型誘電体フィルタ 2・・・・・・・誘電体ブロック 2a〜2g・・・誘電体層 3a、3b・・・グランド端子 3c、3d・・・グランド電極 4a、4b・・・入出力端子 4c、4d・・・整合電極 5、6・・・・・ストリップライン 5a、6a・・・第1伝送線路 5b、6b・・・第2伝送線路 7、8・・・・・ビアホール導体 9・・・・・・・結合容量素子 11・・・・・・インダクタンス素子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の誘電体層を積層した誘電体ブロッ
    クの異なる誘電体層間に、ビアホール導体を介して互い
    に接続されている第1伝送線路、第2伝送線路を形成
    し、前記第1伝送線路の一端をグランド電位に接地し、
    前記第2伝送線路の一端を開放した複数のストリップラ
    インを、その隣り合う前記ストリップラインの接地端が
    互い違いとなるように併設配置した積層型誘電体フィル
    タであって、 隣り合う前記ストリップラインは、互いの接地部がイン
    ダクタンス素子を介して接続されていることを特徴とす
    る積層型誘電体フィルタ。
  2. 【請求項2】 隣り合う前記ストリップラインは、互い
    の開放端が容量素子を介して接続されていることを特徴
    とする請求項1記載の積層型誘電体フィルタ。
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JP2009105865A (ja) * 2007-10-01 2009-05-14 Kyocera Corp フィルタ装置

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