JP2003179382A - 電波吸収パネル - Google Patents

電波吸収パネル

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JP2003179382A
JP2003179382A JP2002034898A JP2002034898A JP2003179382A JP 2003179382 A JP2003179382 A JP 2003179382A JP 2002034898 A JP2002034898 A JP 2002034898A JP 2002034898 A JP2002034898 A JP 2002034898A JP 2003179382 A JP2003179382 A JP 2003179382A
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electric field
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JP2002034898A
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Naonobu Taniguchi
直延 谷口
Yoshiaki Ishida
義明 石田
Yoshiyuki Moriyama
義幸 森山
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Proterial Ltd
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Hitachi Metals Ltd
Hitachi Metals Kiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原価が低廉で、設計が容易で、電波吸収特性
が優れたUHF用電波吸収パネルを提供する。 【解決手段】 電界方向と磁界方向に間隔を設けて配設
された電波吸収材2と、前記磁界方向の間隔部に配設さ
れた接続材7と、前記電波吸収材2および接続材7の裏
側に配設された反射体とを具備し、且つ前記電波吸収材
2の複素透磁率の実部μ’が10〜30で、複素透磁率
の虚部μ’’が15〜25であり、前記接続材7の複素
透磁率の実部μ’が10〜30で、複素透磁率の虚部
μ’’が15〜25であり、なお且つ前記電界方向の間
隔部が誘電率1.2以下の材料で充填されていて、前記
電界方向の間隔部の電界方向寸法が、前記電波吸収材2
の電界方向寸法の30〜50%である電波吸収パネル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高層建築物の外壁
に用いられテレビ電波等の不用反射電波を防止する電波
吸収パネルに関し、特には470〜770MHz付近の
UHF帯域における不用反射電波を防止する電波吸収パ
ネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】高層建築物による不用反射電波がテレビ
放送の障害となり、テレビ画面にいわゆるゴーストを生
じさせる等の電波障害が問題となっている。この対策と
しては、例えば、電波障害が発生する地域に共同アンテ
ナを設置することが行われている。しかし、この方法で
はその設備に多大の費用がかかり、また地震などの自然
災害で基地局やケーブルが破壊されるという問題があっ
た。そこで、建築物の外壁自体に電波吸収機能を持たせ
た、いわゆる電波吸収パネルが実用化されている。この
電波吸収体としては、主にフェライト板が用いられ、前
記電波吸収パネルの表には外装材が配設されることが多
い。
【0003】このような電波吸収パネルについては種々
提案されているが、前記外装材を外観を良くするため、
化粧建材等で構成することが要求される場合、外装材に
十分な強度を持たせるために、外装材を厚くする必要が
有り、前記厚い外装材が具備されることにより、電波吸
収特性が劣化してしまう。また、このような電波吸収パ
ネルにおいては、一般的に100MHz〜200MHz
程度の周波数帯域での反射減衰量が10〜15dB(絶
対値)以上である電波吸収特性が要求されるが、前記の
ような構成の電波吸収パネルにおいては、100MHz
における電波吸収特性は良好だが、200MHzでの電
波吸収特性が不充分となり、帯域の狭い電波吸収特性と
なってしまうという問題が有った。
【0004】ここで、建築物に電波吸収パネルが設置さ
れた状態での、方向等を次のように記すことにし、以
下、本発明の説明においても同様とする。 (1)建築物の外側になる方向又は面を表、建築物の内
側になる方向又は面を裏と記す。 (2)上下方向を磁界方向と記す。 (3)前記磁界方向と直交し、前記表裏方向とも直交す
る方向(電波吸収パネルの水平の広さ方向)を電界方向
と記す。 なお、建築物に電波吸収パネルが設置された状態とは異
なる状態(例えば組立途中で電波吸収パネルを倒した状
態等)の説明においても前記方向等の記述を用いること
にする。
【0005】特開平2−170599号公報には、前記
問題を解決するための、電波吸収パネルが記載されてい
る。図11(a)はその表側から見た正面図、図11
(b)はその垂直断面図である。この電波吸収パネル
は、外装材81の裏側にフェライト板である電波吸収材
82が、更にその裏側に反射体83が配設され、構造鉄
筋84とともに、コンクリート85により一体に抱持さ
れたものである。そして、複数個の電波吸収材82を磁
界方向(図の紙面上下方向)に間隔を設けて配設するこ
とにより、外装材81が厚い場合の特性劣化を改善する
とともに、前記間隔寸法の調整により磁気特性を制御
し、反射減衰量がピ−クとなる周波数に合わせることが
可能で、特に100〜200MHzのVHF帯域におけ
る電波吸収特性が良好な電波吸収パネルが記載されてい
る。
【0006】しかし、テレビ画面のゴースト対策は、都
市の高密度化により、最近では470〜770MHz付
近のUHF帯域における対策も必要になってきている
が、前記従来の電波吸収パネルは前述のように、100
〜200MHz付近のVHF帯域における対策しかでき
なかった。
【0007】そこで、特開平11−121970号公報
には、図12に示すように、フェライト板である複数個
の電波吸収材92の磁界方向の間隔を大きく(前記磁界
方向の間隔寸法が電波吸収材92の磁界方向寸法の10
%以上になるように)して、UHF帯域において良好な
電波吸収特性を発揮する電波吸収パネルが記載されてい
る。図12(a)はこの電波吸収パネルを示す斜視図、
図12(b)はその垂直断面図である。この電波吸収パ
ネルは、前記電波吸収材92の表側に外装材91が、裏
側に反射体93が配設され、構造鉄筋94とともに、コ
ンクリート95により一体に抱持されたものである。そ
して実質的にこの電波吸収パネルは、対策しようとする
電波の周波数の変動に対して、電界方向寸法は同一にし
ておいて、磁界方向に隣接する電波吸収材92の磁界方
向の間隔寸法の調整により、あるいは電波吸収材92の
磁界方向寸法の調整により、磁気特性を制御し反射減衰
量がピ−クとなる周波数に合わせるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような電波吸収パ
ネルにおいては、前記電波吸収材92の磁界方向寸法は
一定にしておいて、前記磁界方向に隣接する電波吸収材
92の磁界方向の間隔寸法の調整だけにより前記反射減
衰量がピ−クとなる周波数に合わせられれば良いが、一
般にこのような電波吸収パネルの磁界方向寸法は、建築
材料として望ましい寸法(例えば小パネルであれば74
5mm等)にする必要が有り、前記磁界方向の間隔寸法
の調整だけでは前記建材として決められた寸法とするこ
とができず、電波吸収材92の磁界方向寸法の調整も必
要となる。しかし、前記電波吸収材92の磁界方向寸法
は電波吸収材92を製作するための成形金型により決ま
ってしまうものであり、所望の周波数に応じて専用の成
形金型を用意することは費用面から非現実的であるの
で、電波吸収材の磁界方向寸法が想定し得る最大の値と
なるような成形金型を用意し、それによって成形された
(すなわち磁界方向寸法が大き目の)電波吸収材を切断
または研削して所望の磁界方向寸法の電波吸収材92と
することとなる。しかし、フェライト板である電波吸収
材の硬度は非常に大きいため、前記切断または研削作業
は容易ではなく、その作業費用も高価なものとなり、原
価増大を招来するので、切断または研削作業は最小限度
に留めることが望ましい。
【0009】また、磁界方向の間隔寸法と電波吸収材9
2の磁界方向寸法という2項目の調整は電波吸収パネル
の設計を複雑困難なものにするという問題も有る。
【0010】また、前記特開平11−121970号公
報に記載された電波吸収パネルのうち、電波吸収材92
が電界方向に間隔をおいて配設され、前記間隔部にコン
クリートが充填される電波吸収パネルにおいては、前記
間隔部に充填されたコンクリートの水分が電波吸収特性
に影響を及ぼすという問題も有る。
【0011】そこで、本発明は前記問題を解決し、原価
が低廉で、設計が容易で、電波吸収特性が優れたUHF
用電波吸収パネルを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは種々研究の
結果、下記のような電波吸収パネルとすることにより前
記問題点を解決し、本発明を完成するに至った。すなわ
ち本願発明は、到来電磁波の電界方向と磁界方向とに間
隔を設けて配設された電波吸収材と、前記磁界方向の間
隔部に配設された接続材と、前記電波吸収材および接続
材の裏側に、配設された反射体と、を具備した電波吸収
パネルである。
【0013】本願発明では、前記電波吸収材の複素透磁
率の実部μ’が10〜30で、複素透磁率の虚部μ’’
が15〜25であり、前記接続材の複素透磁率の実部
μ’が10〜30で、複素透磁率の虚部μ’’が15〜
25であることが好ましい。
【0014】本願発明では、前記電界方向の間隔部が誘
電率1.2以下の材料で充填されていて、前記電界方向
の間隔部の電界方向寸法が、前記電波吸収材の電界方向
寸法の30〜50%であることが好ましい。
【0015】本願発明では、前記反射体の少なくとも一
部が、電界方向に配設された導電性の棒であり、前記棒
の断面積が12平方ミリメートル以上であるとともに、
前記棒が磁界方向に30mm以下のピッチで配設されて
いることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明の電波吸収パネルの
プレキャスト工法による一実施形態を示す表側から見た
正面図であって、後述する電波吸収材を分かり易くする
ため、後述する外装材1、ジョイント筋10の図示を省
略した図面である。図2は前記外装材1の図示を省略し
ない正面図である。図3は図2のX1−X1断面図(垂
直断面図)、図4は図1のY―Y断面図(水平断面
図)、図5は図2のX2−X2断面図(垂直断面図)の
特に後述するジョイント筋10を示す図面である。
【0017】外装材1としては、例えば外装タイルが用
いられる。矩形板状の外装材1の裏には溝1aが具備さ
れる。本実施の形態においては、図3に示されるよう
に、溝1aは電界方向に形成される。
【0018】矩形板状の電波吸収材2および矩形板状の
接続材7としては、例えばフェライト板が用いられる。
前記電波吸収材2と接続材7は厚さ(表裏方向)寸法は
同じであるが、磁界方向(長さ)寸法および電界方向
(幅)寸法は電波吸収材2に比べて接続材7の方が小さ
い。電波吸収材2およびの接続材7の好ましい磁気特性
は、概ね300MHzの電波に対しては複素透磁率の実
部μ’が15以上30未満で複素透磁率の虚部μ’’が
25以上であり、概ね300を超え500MHzまでの
電波に対しては複素透磁率の実部μ’が10以上15未
満で複素透磁率の虚部μ’’が20以上25未満であ
り、概ね500MHzを超える電波に対しては複素透磁
率の実部μ’が10未満で複素透磁率の虚部μ’’が1
5以上20未満である。μ’あるいはμ’’が前記値の
範囲から外れると電波吸収材2および接続材7の磁気損
失による電波吸収効果が不充分となり好ましくない。
【0019】誘電率1.2以下の矩形板状のスペーサ6
としては、例えば発泡ウレタンが用いられる。スペーサ
6の磁界方向(長さ)寸法あるいは厚さ(表裏方向)寸
法は、接続材7の磁界方向(長さ)寸法あるいは厚さ
(表裏方向)寸法と同じとする。そして電界方向にスペ
ーサ6、接続材7、スペーサ6の順で密着して配設した
状態で、それらの合計の電界方向(幅)寸法が電波吸収
材2の電界方向(幅)寸法と同じになるようにする。ス
ペーサ6の誘電率が1.2を超えるとUHF帯域におけ
る電波吸収効果が不充分となり好ましくない。
【0020】挟装材9は、裏面に前記電波吸収材2と接
続材7が配設される凹部9aと、後述するジョイント筋
10に係合する凸部9b(図4の紙面左右両端)、9c
(図4の紙面左右両端以外のもの)とから形成される。
前記凹部9aの電界方向寸法は、前記電波吸収材2の電
界方向寸法と同じか僅かに大きくし、凹部9aに前記電
波吸収材2が配設されたとき、電界方向両端部が揃うよ
うにする。前記凸部9bの高さ(凹部9aの裏面から凸
部9b、9cの先端部までの)寸法は電波吸収体2の厚
さ(表裏方向)寸法以上となるようにする。挟装材9の
材料としては、例えば樹脂モルタル、ガラス繊維補強コ
ンクリート等が用いられる。これらの材料は水に溶かさ
れて挟装材9として形成され、乾燥固化後、含水率6%
以下とする。こうすることにより、挟装材9の誘電率を
1.2以下とすることができる。
【0021】ジョイント筋10は、前記挟装材9の凸部
9b、9cに係合する、後述するプレキャスト板5に係
合する内係止部10b、および前記外係止部10aと内
係止部10bを繋ぐ繋ぎ部10cから形成される。本実
施形態では、ジョイント筋10として直径2mmのステ
ンレス棒をコ字型に折り曲げたものを用いたが、これに
限定されず、前記係合に適する任意の形状、方向、寸法
とすることができる。また、材質もステンレスに限定さ
れず、メッキ等の防錆処理が施された鉄でも良く、ある
いは樹脂でも良い。
【0022】外装材1が磁界方向および電界方向に、そ
れぞれ所定の隙間を介して必要数配置される。隣接する
外装材1の前記隙間には、モルタル等の目地材8が挟入
される。このようにして外装材集合体11が形成され
る。
【0023】前記外装材集合体11の裏に、挟装材9が
配設される。挟装材9の材料として用いられる樹脂モル
タルあるいはガラス繊維補強コンクリートは、流動性良
好で、前記隙間に注入可能であるとともに、外装材1と
の密着性にも優れ、且つ、外装材1の裏に具備され溝1
aが密着性を増大させる効果を発揮する。このようにし
て外装材1と挟装材9とが密着する。
【0024】前記のように配設された挟装材9が乾燥固
化する前に、ジョイント筋10の外係止部10aが凸部
9bに係合するようにして、ジョイント筋10が挟装材
9の凸部9bに配設される。
【0025】そして、挟装材9の凹部9aの裏に、電波
吸収材2と接続材7とスペーサ6とが磁界方向に互いに
隣接密着して、且つ磁界方向の両端部は電波吸収材2と
なるように、且つ電波吸収材2と接続材7の電界方向中
心が略一致するように配設される。
【0026】前述のように、挟装材9の凹部9aの電界
方向寸法は、前記電波吸収材2の電界方向寸法と同じか
僅かに大きくし、凹部9aに前記電波吸収材2が配設さ
れたとき、電界方向両端部が揃うようにし、且つ、電界
方向にスペーサ6、接続材7、スペーサ6の順で密着し
て配設した状態で、それらの合計の電界方向(幅)寸法
が電波吸収材2の電界方向(幅)寸法と同じになるよう
にしたので、前記電波吸収材2と接続材7の電界方向中
心が略一致するように配設すること(すなわち接続材7
の電界方向の位置決め)は、極めて容易に行える。
【0027】続いて、反射体3および(必要に応じて)
構造鉄筋4とともにコンクリート製のプレキャスト板5
が配設され、プレキャスト板5がジョイント筋10の内
係止部10bと係合する。本実施形態では反射体3とし
て電界方向に配設された鉄筋を用いた。前述のように、
外装材1と挟装材9とが密着するとともに、挟装材9の
凹部9aの裏に電波吸収材2と接続材7とスペーサ6と
が配設されていて、且つジョイント筋10の外係止部1
0aが挟装材9の凸部9bに係合しているので、ジョイ
ント筋10により結合されて、一体化されたプレキャス
ト工法の電波吸収パネルが形成される。
【0028】電波吸収材2と接続材7の磁界方向(長
さ)寸法、電界方向(幅)寸法、表裏方向(厚さ)寸法
あるいは隣接する電波吸収材2同士の間隔を、対策しよ
うとする入射電波に応じて適切な値に設定する。隣接す
る電波吸収材2同士の間隔は電波吸収材2の電界方向
(幅)寸法の30〜50%とすることが好ましく、30
%未満ではUHF帯域の高周波側における電波吸収効果
が不充分となり、50%を超えるとUHF帯域の低周波
側における電波吸収効果が不充分となり好ましくない。
反射体3として用いられる鉄筋は断面積が12平方ミリ
メートル以上となるようにするため直径4mm以上のも
のとし、隣接する前記鉄筋同士の中心間距離(ピッチ)
は好ましくは30mm以下であり、より好ましくは20
mm以下であり、鉄筋の直径あるいは隣接する前記鉄筋
同士の中心間距離が前記値の範囲から外れると電波を反
射する効果が不充分となり好ましくない。そして前記鉄
筋(鉄筋の中心ではなく、鉄筋の電波吸収材2側の端
部)と電波吸収材2との距離は15mm以下が好まし
く、15mmを超えると反射体3からの反射電波が入射
電波と逆位相となって打消し合う効果が不充分となり好
ましくない。
【0029】この電波吸収パネルは外装材1が表に、プ
レキャスト板5が裏になるように建築物に設置される。
このような構成により、建築物の外壁に入射したテレビ
電波は電波吸収材2に吸収されるか、或いは反射体3に
より入射電波と逆位相に反射されて入射電波と打ち消し
合って外壁からの反射を抑制するのである。
【0030】続いて本発明の実施例について説明する。 <実施例1>実施形態1の電波吸収パネルにおいて、電波
吸収材2の磁界方向(長さ)寸法および電界方向(幅)
寸法を各々100mm、表裏方向(厚さ)寸法を4m
m、接続材7の磁界方向(長さ)寸法を40mm、電界
方向(幅)寸法を25mm、表裏方向(厚さ)寸法を4
mm、隣接する電波吸収材2同士の間隔を50mm、反
射体3として用いられる鉄筋の直径を4mm、隣接する
前記鉄筋同士の中心間距離(ピッチ)を30mmとし、
前記鉄筋を電波吸収材2に密着配置した。そして電波吸
収材2と接続材7として、複素透磁率の実部μ’が1
3、複素透磁率の虚部μ’’が18のフェライト板を用
いた。前記寸法、特性の電波吸収材2用のフェライト板
は市販されているもの(三和電子工業製、型番SN01
Aの100mm×100mm×4mm寸法のもの)をそ
のまま無加工で使用した。前記寸法、特性の接続材7用
のフェライト板は市販されているもの(三和電子工業
製、型番SN01Aの200mm×40mm×4mm寸
法のもの)が電界方向(幅)寸法が200mmであり、
その電界方向(幅)寸法を前記25mmとなるように切
断加工した。本実施例の周波数〜反射減衰特性の測定結
果を図6に示す。
【0031】<実施例2>接続材7の電界方向(幅)寸法
を20mmとし、それ以外は実施例1と同様である。本
実施例の周波数〜反射減衰特性の測定結果を図7に示
す。
【0032】<実施例3>接続材7の電界方向(幅)寸法
を15mmとし、それ以外は実施例1と同様である。本
実施例の周波数〜反射減衰特性の測定結果を図8に示
す。
【0033】図6〜8に示すように、接続材7の電界方
向(幅)寸法を調整することで、反射減衰量がピ−クと
なる周波数を変更することが容易にできることが分か
る。且つ、図6〜8に示すように、UHF帯域である4
60MHz、730MHz、770MHzの電波に対し
て14dB以上の反射減衰量となる電波吸収パネルが得
られる。
【0034】前記実施例1〜3では、電波吸収材2と接
続材7の複素透磁率の実部μ’が同じで、電波吸収材2
と接続材7の複素透磁率の虚部μ’’も同じになるよう
にしたが、これに限定されず複素透磁率の実部μ’ある
いは複素透磁率の虚部μ’’が異なるようにしても良
い。
【0035】隣接する電波吸収材同士の間隔部にコンク
リートが挟装された、従来の電波吸収パネルに対して、
本実施形態の電波吸収パネルは、隣接する電波吸収材2
同士の間隔部に、誘電率が略1.2以下の挟装材9が挟
装されるので、電波吸収特性が向上する。また、従来の
電波吸収パネルにおいては、前述のように、磁界方向寸
法が大き目のフェライト板を電界方向に切断または研削
して所望の磁界方向寸法のフェライト板とするため、作
業費用も高価なものとなり、原価増大を招来することに
なっていた。それに対し、本実施形態の電波吸収パネル
は、接続材7の電界方向(幅)寸法の調整により磁気特
性を制御するものであり、前記接続材7の電界方向
(幅)寸法の調整は、予め電界方向(幅)寸法の大きい
(長尺の)接続材7を製作しておき、この接続材7を磁
界方向に切断加工して所望の電界方向(幅)寸法にする
が、この磁界方向の切断寸法は従来のフェライト板の電
界方向の切断または研削寸法に対してはるかに小さいの
で作業費用が廉価となり、原価増大を防止できる。な
お、接続材7として用いられるフェライト板は極めて廉
価であるので、この接続材7の価格増加分は前記従来の
フェライト板の電界方向の切断または研削作業費用に比
べて無視できる。また、従来の電波吸収パネルにおいて
は、磁界方向の間隔寸法とフェライト板の磁界方向寸法
という2項目の調整は電波吸収パネルの設計を複雑困難
なものにするという問題も有ったが、本実施形態の電波
吸収パネルは、接続材7の電界方向(幅)寸法の調整だ
けで済むので、設計が容易となる。
【0036】以上、本発明の実施の形態あるいは実施例
について説明したが、本発明は上記実施の形態あるいは
実施例に限定されるものではない。実施の形態あるいは
実施例に記した寸法形状はこれに限定されるものではな
く、機能、生産性等を勘案して最適の寸法形状とすれば
良い。例えば実施の形態あるいは実施例に記した断面形
状は、建築部材として好適な種々の形状とすることがで
きることは言うまでもない。前記本発明の実施の形態あ
るいは実施例は、電波吸収材2と接続材7の表に外装材
1が、裏にプレキャスト板5が配設されるように施工さ
れた、いわゆるプレキャスト工法の電波吸収パネルにつ
いて説明したが、これに限定されず、例えば、電波吸収
材2と接続材7の表にケイ酸カルシウム板が、裏に反射
体である反射板とケイ酸カルシウム板が配設されるよう
に施工された、いわゆるガラスカーテンウオール用サン
ドイッチ工法の電波吸収パネルとしても良い。また、そ
れ以外でも、電界方向と磁界方向に間隔を設けて配設さ
れた電波吸収材と、前記磁界方向の間隔部に配設された
接続材と、前記電波吸収材および接続材の裏側に、配設
された反射体と、を具備した任意の電波吸収パネルとし
ても良い。
【0037】また、下記のような変形も可能である。 (1)実施の形態では、外装材1として外装タイルを用
いたが、これに限定されず、外壁材に適する任意の材料
を用いることができる。 (2)実施の形態では、外装材1の裏の溝1aは電界方
向に形成されるようにしたが、これに限定されず、溝1
aが形成される方向は任意の方向とすることができる。
また、溝1aは不連続(途切れた溝)でも良いし、深さ
が不揃いでも良い。そして溝1aは、挟装材9と外装材
1との密着性を増大させるためのものであるので、溝1
aの代わりに外装材1の裏に凹部が具備されても良い
し、外装材1の裏面を目荒らし状としても良い。 (3)実施の形態では、電波吸収材としてフェライト板
を用いたが、これに限定されず、電波吸収機能を有する
ものであれば何でも良く、例えば磁性粉を含有する樹脂
あるいはゴム等を用いても良い。 (4)実施の形態においては、挟装材の材料を注入後、
乾燥固化する前に、ジョイント筋が挟装材に、配設され
るようにしたが、ジョイント筋が所定位置に(必要に応
じて、位置決め冶具等を用いて)配設されてから、挟装
材の材料が注入されるようにしても良い。 (5)実施の形態においては、隣接する外装材1の隙間
には、目地材8が挟入されるようにしたが、目地材8が
無くても良く、あるいは目地材8の代わりに挟装材の材
料が挟入されるようにしても良い。 (6)実施の形態では、1枚の電波吸収パネルに配設さ
れる外装材の数を複数としたが、1枚の電波吸収パネル
に配設される外装材を1枚としても良い。 (7)実施の形態では、電波吸収材2と接続材7の電界
方向中心が略一致するように配設されたが、これに限定
されず次のように、電波吸収材2と接続材7の電界方向
中心が一致しないようにしても良い。図9は本変形を示
す電波吸収材と接続材の正面図であり、図9(a)はス
ペーサ26、スペーサ36の電界方向寸法が異なり、電
波吸収材2と接続材7の電界方向中心が一致しないよう
にした場合であり、図9(b)は1個の接続材7に対し
スペーサ46も1個とし、接続材7が電波吸収材2と一
端が揃うようにした場合である。 (8)実施の形態では、磁界方向に隣接する電波吸収材
の1箇所の間隔部に配設される接続材7の数は1個とし
たが、これに限定されず、1箇所の間隔部に配設される
接続材7の数を複数としても良い。図10は本変形を示
す電波吸収材と接続材の正面図である。図10(a)は
2個の接続材27が電界方向に1個のスペーサ56を挟
装するようにした場合である。図10(b)は3個のス
ペーサ66の内の1個が、2個の接続材27により電界
方向に挟装され、前記2個の接続材27の電界方向両端
部に残り2個のスペーサ66が配設されるようにした場
合である。また前記図10(a)、(b)の例以外で
も、例えば1箇所の間隔部に配設される接続材の数が3
以上でも良いし、1箇所の間隔部に配設される複数の接
続材(あるいはスペーサ)の電界方向寸法が異なってい
ても良い。 (9)実施の形態では、スペーサ6の厚さ(表裏方向)
寸法は、接続材7の厚さ寸法と同じとしたが、スペーサ
6の厚さ寸法が接続材7の厚さ寸法と異なっていても良
い。スペーサ6の厚さ寸法が接続材7の厚さ寸法より大
きい場合は図3の垂直断面図において、スペーサ6が挟
装材9あるいはプレキャスト板5に食い込む状態とな
る。スペーサ6の厚さ寸法が接続材7の厚さ寸法より小
さい場合は図3の垂直断面図において、挟装材9あるい
はプレキャスト板5が磁界方向に隣接する電波吸収材2
の間隔部に食い込む状態となる。 (10)実施の形態では、接続材7の厚さ(表裏方向)
寸法は電波吸収材2の厚さ寸法と同じとしたが、接続材
7の厚さ寸法が電波吸収材2の厚さ寸法と異なっていて
も良い。接続材7の厚さ寸法が接続材7の厚さ寸法より
大きい場合は図3の垂直断面図において、接続材7が挟
装材9あるいはプレキャスト板5に食い込む状態とな
る。接続材7の厚さ寸法が電波吸収材2の厚さ寸法より
小さい場合は図3の垂直断面図において、挟装材9ある
いはプレキャスト板5が磁界方向に隣接する電波吸収材
2の間隔部に食い込む状態となる。 (11)実施の形態では、磁界方向に隣接する電波吸収
材の1箇所の間隔部に、電界方向にスペーサ6、接続材
7、スペーサ6の順で密着して(すなわちスペーサ6を
2個用いて)配設したが、スペーサ6を1個だけにし
て、接続材7を前記1個のスペーサ6に突き当てて電界
方向の位置決めをしても良い。この場合、前記間隔部の
スペーサ6の無い部分は挟装材9及び/又はプレキャス
ト板5が食い込む状態となる。 (12)実施の形態では、スペーサ6を用いて、接続材
7の電界方向の位置決めが容易に行えるようにしたが、
他の手段(例えば予め電波吸収材2に位置決めのマーク
を付ける等)により前記位置決めを行いうことにより、
スペーサ6を無くし、スペーサ6に相当する部分を空間
にするか、あるいは挟装材9により埋めるようにしても
良い。 (13)実施の形態では、反射体3として直径4mm以
上の鉄筋を用いたが、これに限定されず、断面積が12
平方ミリメートル以上の導電性(例えば鉄等の金属)の
棒としても良い。 (14)実施の形態では、接続材7を切断加工して所望
の電界方向の寸法になるようにしたが、接続材7を切断
加工せず、適切な金型を用いてこの金型による成形燒結
により、所望の電界方向の寸法になるようにしても良
い。
【0038】本発明においては、上記変形同士の組み合
わせ或いは実施の形態又は実施例と変形との組み合わせ
は、任意に行うことができる。
【0039】
【発明の効果】以上に記述したように本発明によれば原
価が低廉で、設計が容易で、電波吸収特性が優れたUH
F用電波吸収パネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す表側から見た正面図で
あって、外装材1、ジョイント筋10の図示を省略した
図面である。
【図2】前記外装材1の図示を省略しない正面図であ
る。
【図3】図2の垂直断面図である。
【図4】図2の水平断面図である。
【図5】本発明の実施形態のジョイント筋を示す図面で
ある。
【図6】実施例1の特性を示す図面である。
【図7】実施例2の特性を示す図面である。
【図8】実施例3の特性を示す図面である。
【図9】本発明の変形(7)を示す図面である。
【図10】本発明の変形(8)を示す図面である。
【図11】従来の電波吸収パネル示す図面である。
【図12】従来の電波吸収パネル示す図面である。
【符号の説明】
1,81,91 外装材 1a 溝 2,82,92 電波吸収材 3,83,93 反射体 4,84,94 構造鉄筋 5 プレキャスト板 85,95 コンクリート 6 スペーサ 7 接続材 8 目地材 9 挟装材 9a 凹部 9b,9c 凸部 10 ジョイント筋 10a 外係止部 10b 内係止部 10c 繋ぎ部 11 外装材集合体
フロントページの続き (72)発明者 森山 義幸 群馬県多野郡吉井町多比良2977番地日立金 属機工株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DH01 FA04 GA12 GA42 HA14 HA20 HB01 KA01 MA01 MA13 5E321 AA44 BB14 BB15 BB51 GG11 GH01 5J020 AA03 BA06 BD02 EA02 EA04 EA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 到来電磁波の電界方向と磁界方向とに間
    隔を設けて配設された電波吸収材と、前記磁界方向の間
    隔部に配設された接続材と、前記電波吸収材および接続
    材の裏側に配設された反射体と、を具備した電波吸収パ
    ネル。
  2. 【請求項2】 前記電波吸収材の複素透磁率の実部μ’
    が10〜30で、複素透磁率の虚部μ’’が15〜25
    であり、前記接続材の複素透磁率の実部μ’が10〜3
    0で、複素透磁率の虚部μ’’が15〜25である請求
    項1記載の電波吸収パネル。
  3. 【請求項3】 前記電界方向の間隔部が誘電率1.2以
    下の材料で充填されていて、前記電界方向の間隔部の電
    界方向寸法が、前記電波吸収材の電界方向寸法の30〜
    50%である請求項1又は2に記載の電波吸収パネル。
  4. 【請求項4】 前記反射体の少なくとも一部が、電界方
    向に配設された導電性の棒であり、前記棒の断面積が1
    2平方ミリメートル以上であるとともに、前記棒が磁界
    方向に30mm以下のピッチで配設されている請求項1
    乃至3の何れかに記載の電波吸収パネル。
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