JP2003178964A - ホットプレートユニット - Google Patents
ホットプレートユニットInfo
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- JP2003178964A JP2003178964A JP2002277937A JP2002277937A JP2003178964A JP 2003178964 A JP2003178964 A JP 2003178964A JP 2002277937 A JP2002277937 A JP 2002277937A JP 2002277937 A JP2002277937 A JP 2002277937A JP 2003178964 A JP2003178964 A JP 2003178964A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 構造の複雑化や大型化を伴うことなく、短時
間で冷却しうるホットプレートユニットを提供するこ
と。 【解決手段】 このホットプレートユニット1は、ケー
シング2の開口部4に、抵抗体10を有するホットプレ
ート3を設置してなる。ケーシング2とホットプレート
3とにより、流体を流通可能な空間S1が構成されてい
る。ケーシング2の開口部4の上縁とホットプレート3
の下面外周部との間には、シール構造14が設けられて
いる。
間で冷却しうるホットプレートユニットを提供するこ
と。 【解決手段】 このホットプレートユニット1は、ケー
シング2の開口部4に、抵抗体10を有するホットプレ
ート3を設置してなる。ケーシング2とホットプレート
3とにより、流体を流通可能な空間S1が構成されてい
る。ケーシング2の開口部4の上縁とホットプレート3
の下面外周部との間には、シール構造14が設けられて
いる。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホットプレートユ
ニットに関するものである。 【0002】 【従来の技術】半導体製造プロセスにおいて、例えば感
光性樹脂塗布工程を経たシリコンウェハを加熱乾燥させ
る場合、通常、ホットプレートと呼ばれる加熱装置が用
いられる。 【0003】この種の装置の従来例としては、例えば特
許文献1に開示されたもの等がある。同公報における装
置は、電熱部材としての窒化アルミニウム焼結体製のホ
ットプレートと、そのプレートに設けられる抵抗体とか
らなる。抵抗体はホットプレートを構成するセラミック
基材間に挟持されている。プレートの側方に突出してい
る抵抗体の両端部は、それぞれ配線を介して電源に接続
される。 【0004】そして、ホットプレートの上面側に被加熱
物であるシリコンウェハを載置し、この状態で抵抗体に
通電することにより、シリコンウェハが数百℃に加熱さ
れるようになっている。 【0005】 【特許文献1】特公平4−13837号公報 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、抵抗体への
通電により所定時間の加熱を行なって感光性樹脂を乾燥
させた場合、まずホットプレートをある程度低い温度ま
で放冷し、その後でシリコンウェハを取り外す必要があ
る。しかしながら、放冷にはある程度の時間を要し、こ
のことが生産性の向上を図るうえで障害となっている。 【0007】そこで、例えば前記プレートの下面側に冷
却用配管を設けてその配管に冷却水を通じることによ
り、プレートを強制的に冷却して冷却時間を短縮せんと
する対策が考えられる。しかし、このような対策では、
ユニット全体の構造が複雑になるばかりでなく、嵩張っ
て大型化してしまうおそれがある。 【0008】また、ホットプレートの下面側にエアを吹
き付けることにより、プレートを強制的に冷却して冷却
時間を短縮せんとする対策も考えられる。しかし、この
ような対策では、エアに含まれる水分や塵埃によって装
置の周囲が汚染されてしまうおそれがあり、現時点では
実現性に乏しい。 【0009】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、構造の複雑化や大型化を伴うこと
なく、短時間で冷却しうるホットプレートユニットを提
供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明では、ケーシングの開口部
に、抵抗体を有するホットプレートを設置してなるホッ
トプレートユニットであって、流体を流通可能な空間が
前記ケーシングと前記ホットプレートとにより構成され
てなり、前記ケーシングの開口部の上縁と前記ホットプ
レートの下面外周部との間には、シール構造が設けられ
ていることを特徴とするホットプレートユニットをその
要旨とする。 【0011】以下、本発明の「作用」について説明す
る。本発明によると、ケーシングとホットプレートとに
より構成された空間に流体を流通することによって、ホ
ットプレートを強制的に冷却することが可能となり、放
冷に比べて短時間で済むようになる。また、冷却用配管
等の設置も不要なため、ユニット全体の構造が複雑化し
たり、嵩張って大型化してしまう心配もない。しかも、
ケーシングの開口部の上縁とホットプレートの下面外周
部との間がシールされることで、当該部分の隙間を介し
た装置外部への流体の漏れ出しが防止され、前記空間に
より高い密閉性が確保される。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態のホットプレートユニット1を図1,図2に基づき
詳細に説明する。 【0013】図1,図2に示されるホットプレートユニ
ット1は、ケーシング2及びホットプレート3を主要な
構成要素として備えている。ケーシング2は有底状の金
属製部材(ここではアルミニウム製部材)であって、断
面円形状の開口部4をその上部側に備えている。このケ
ーシング2の底部2aの中心部における3箇所には、図
示しないリフトピンが挿通されるピン挿通スリーブ5が
設けられている。これらのリフトピンは、シリコンウェ
ハW1を3点で支持した状態で同シリコンウェハW1を
昇降させる。底部2aの外周部には、ホットプレート3
に電流を供給するリード線6を挿通するための配線引出
用孔7が形成されている。 【0014】本実施形態のホットプレート3は、感光性
樹脂が塗布されたシリコンウェハW1を200〜300
℃にて乾燥させるための低温用ホットプレート3であ
る。このホットプレート3は、セラミック焼結体からな
る板状基材9に、抵抗体としての配線抵抗10を設ける
ことにより構成されている。この板状基材9は、後述す
るシールリング14を介して、ケーシング2の開口部4
に設置される。これを設置することにより、ケーシング
2の内面側とホットプレート3の下面側との間には、略
密閉された空間S1が形成される。 【0015】ここで、ユニット1の厚さは5mm〜10
0mmに設定されていることがよく、特には10mm〜
50mmに設定されていることがよい。その理由は、ユ
ニット1が厚くなりすぎると、全体が嵩張って大型化し
てしまうからである。逆に、ユニット1を薄くしようと
すると、ホットプレート3やケーシング2を薄く形成し
なければならず、製造が困難になるおそれがあるからで
ある。そして、本実施形態では、以上のことに鑑みて厚
さを20mmに設定している。 【0016】図1に示されるように、ホットプレート3
を構成する板状基材9は円形状であって、ケーシング2
の外形寸法より若干小径となるように設計されている。
配線抵抗10は、板状基材9の下面側において同心円状
ないし渦巻き状に形成されている。ホットプレート3の
中心部には、各リフトピンに対応した3箇所にそれぞれ
ピン挿通孔11が透設されている。 【0017】板状基材9を構成するセラミック焼結体と
しては、耐熱性に優れかつ熱伝導率が高いという性質を
有する窒化物セラミック焼結体を選択することがよい。
窒化物セラミックとしては、例えば窒化アルミニウ
ム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等のような金
属窒化物セラミックの焼結体が好ましく、なかでも窒化
アルミニウム焼結体が望ましい。その理由は、上記の焼
結体中で熱伝導率が最も高いからである。なおこれらの
他に、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭
化タンタル、炭化タングステン等のような金属炭化物セ
ラミックの焼結体を選択してもよい。 【0018】本実施形態の配線抵抗10は、焼結体であ
る板状基材9に対して導電ペーストを焼き付けることに
より形成されたものである。導電ペーストとしては、金
属粒子、金属酸化物、樹脂、溶剤などを含むものが一般
的に使用される。 導電ペーストに使用される好適な金
属粒子としては、例えば、金、銀、白金、パラジウム、
鉛、タングステン、ニッケル等が挙げられる。これらの
金属は高温に晒されても比較的酸化しにくく、通電によ
り発熱させるにあたって充分大きな抵抗値を示すからで
ある。導電ペーストに使用される好適な金属酸化物とし
ては、例えば、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ
素、アルミナ、イットリア、チタニア等が挙げられる。 【0019】図2に示されるように、配線抵抗10の端
部には、外部接続端子としてのパッド10aが形成され
ている。これらのパッド10aには、導電性材料からな
る端子ピン12の基端部がはんだ付けされている。その
結果、各端子ピン12と配線抵抗10との電気的な導通
が図られている。一方、各端子ピン12の先端部には、
リード線6の先端部にあるソケット6aが嵌着されてい
る。従って、リード線6及び端子ピン12を介して配線
抵抗10に電流が供給される結果、配線抵抗10の温度
が上昇し、ホットプレート3全体が加熱される。 【0020】図2に示されるように、ケーシング2の開
口部4の上縁には、複数のねじ孔13が等間隔に透設さ
れている。同じく前記開口部4の上縁には、シール構造
としてのシールリング14が配設されている。同シール
リング14は、環状をなしかつ開口部4の大きさとほぼ
等しくなっている。シールリング14の形成用材料とし
ては、例えば樹脂や、ゴム等のような弾性体などが好ま
しい。シールリング14において各ねじ孔13に対応す
る箇所には、複数のねじ孔15が透設されている。シー
ルリング14の内周面には、ホットプレート3の下面側
外周部を水平に支持するための支持段部16がその全周
にわたって形成されている。なお、支持段部16にホッ
トプレート3を支持させたとき、シールリング14の上
端面の高さとホットプレート3の上面の高さとがほぼ同
一になる。 【0021】そして、本実施形態におけるシールリング
14は、ケーシング2の開口部4の上縁とホットプレー
ト3の下面外周部とがなす隙間をシールすることで、当
該隙間を介したエアの流通を防止する役割を担ってい
る。 【0022】図1,図2に示されるように、シールリン
グ14の上面には、係止リング21がねじ25により固
定されている。この係止リング21は、環状の本体22
と、複数のねじ孔23と、複数の係止片24とを有す
る。支持段部16にセットされたホットプレート3は、
各係止片24によって板厚方向から押圧されることによ
り、シールリング14に挟持固定される。 【0023】図1に示されるように、ケーシング2の底
部2aには、流体供給ポート17及び流体排出ポート1
8がそれぞれボルト等を用いて設置されている。本実施
形態において前記両ポート17,18は、互いに離間し
た位置に配設されている。両ポート17,18は、内端
面及び外端面の両方において開口する流路を備えてい
る。このため、その流路を介してケーシング2の内外が
連通されている。 【0024】流体供給ポート17の外端面側の開口部の
内周面には雌ねじ溝が形成されていて、当該開口部には
図示しない流体供給用の配管の一端が着脱可能となって
いる。この配管の他端は気体圧送ポンプに接続されてい
るため、同配管を介して冷却用流体としてのエアが供給
されるようになっている。一方、流体排出ポート18の
外端面側の開口部の内周面にも雌ねじ溝が形成されてい
て、当該開口部には図示しない流体排出用の配管の一端
が着脱可能となっている。ケーシング2内のエアは、こ
の配管を介して外部に排出される。なお、前記配管の他
端は装置からいくぶん離れた箇所にて開放されている。 【0025】図2に示されるように、上記の配線引出用
孔7には、シール構造としてのシールパッキング8が装
着されている。このシールパッキング8は環状をなして
おり、ゴム等のような好適な弾性体によって形成されて
いる。各リード線6は、このシールパッキング8の貫通
孔に挿通されたうえでケーシング2の外部に引き出され
ている。即ち、本実施形態におけるシールパッキング8
は、各リード線6と配線引出用孔7とがなす隙間をシー
ルすることで、当該隙間を介したエアの流通を防止する
役割を担っている。 【0026】さて、次にこのホットプレートユニット1
の使用方法について説明する。感光性樹脂が塗布された
シリコンウェハW1をホットプレート3上に載置し、こ
の状態で配線抵抗10に通電する。すると、加熱された
ホットプレート3との接触によって、シリコンウェハW
1の温度が次第に上昇する。所定時間のあいだ加熱を行
なうことにより感光性樹脂が充分に乾燥したら、配線抵
抗10への通電を止める。 【0027】ここで、気体圧送ポンプを駆動して流体供
給ポート17側に冷却用のエアを供給し、同ポート17
を介してエアを密閉空間S1内に導入する。流体供給ポ
ート17を経て吐出されたエアは、密閉空間S1内にて
ホットプレート3の下面側に接触しながら、流体排出ポ
ート18のほうに向かって流れる。その際、同エアによ
ってホットプレート3の熱が奪われる。熱を奪って温度
が上昇したエアは、さらに流体排出ポート18を経て再
び空間の外に流出し、汚染の心配のない別の空間にて放
出される。なお、一連のエアの流れは、図1における太
線矢印により概略的に示されている。そして、ホットプ
レート3がある程度低い温度まで冷やされたら、シリコ
ンウェハW1をホットプレート3から取り外す。 【0028】従って、本実施形態によれば以下のような
効果を得ることができる。 (1)このホットプレートユニット1では、上記のごと
く略密閉された空間S1がケーシング2とホットプレー
ト3との間に形成されている。ホットプレート3の下面
側には端子ピン12等の突起物が存在するものの、それ
らはケーシング2とホットプレート3と間に形成された
空間S1内に配置されている。即ち、前記突起物は装置
の外部に非露出となり、いわば保護された状態となる。
従って、突起物の存在如何に関係なく、ケーシング2の
底面を図示しない支持ステージに対して、困難なく取り
付けることができる。 【0029】(2)また、ケーシング2とホットプレー
ト3との間に形成された空間S1は、略密閉されている
ことから、エアを流通可能なものとなっている。このた
め、空間S1内へのエアの流通によってホットプレート
3を強制的に冷却することが可能となり、放冷に比べて
冷却に要する時間が短くて済むようになる。ゆえに、こ
のホットプレートユニット1を用いれば、1回の乾燥処
理に要する時間が確実に短縮され、もって生産性の向上
を図ることができる。 【0030】なお、空間S1は開放状態ではなく略密閉
状態であることから、装置の外部にエアが漏れ出しにく
く、それによって周囲を汚染する心配もない。即ち、本
実施形態によれば、クリーンなユニット1を実現するこ
とができる。 【0031】また、この構成によれば、冷却用配管等の
設置も不要なため、ユニット1全体の構造が複雑化した
り、嵩張って大型化してしまう心配もない。 (3)本実施形態では、ケーシング2にその内外を連通
させる流体供給ポート17と流体排出ポート18とがそ
れぞれ設けられている。従って、両ポート17,18を
介して密閉空間S1内にエアを効率よく循環することに
より、ホットプレート3を強制冷却し、比較的短時間の
うちに低い温度に戻すことができる。 【0032】(4)このホットプレートユニット1で
は、ケーシング2の開口部4の上縁とホットプレート3
の下面外周部との間にシールリング14を設け、当該部
分における隙間のシールを図っている。よって、ケーシ
ング2−ホットプレート3間の隙間を介した装置外部へ
のエア漏れが防止され、空間S1により高い密閉性を確
保できる。このことはエア排出による周囲の汚染防止の
確実化に貢献する。 【0033】即ち、シリコンウェハW1に近い部分から
のエア漏れは、シリコンウェハW1への塵埃の付着、ひ
いては半導体の歩留まり低下を引き起こす最大の原因と
なる。しかし、本実施形態によればそれが確実に解消さ
れるため、半導体の歩留まりを向上させることができ
る。 【0034】(5)また、このホットプレートユニット
1では、さらに底部2aの配線引出用孔7にシールパッ
キング8を設け、その配線引出用孔7にリード線6を挿
通させている。従って、配線引出用孔7を介した装置外
部へのエア漏れが防止され、空間S1により高い密閉性
を確保できる。このこともエア排出による周囲の汚染防
止の確実化に貢献する。 【0035】(6)本実施形態では、ユニット1の厚さ
を上記好適範囲内に設定しているため、製造の困難化及
び大型化を回避することができる。なお、本発明の実施
形態は以下のように変更してもよい。 【0036】・ 配線引き出し部である配線引出用孔7
を、ケーシング2の底部2a以外の場所、例えばケーシ
ング2の側壁部に配設してもよい。同様に、ポート1
7,18をケーシング2の側壁部に配設してもよい。な
お、配線引出用孔7やポート17,18の設置数は、必
要に応じて増減することが勿論可能である。 【0037】・ ケーシング2に区画された密閉空間S
1内には、エア(空気)以外の気体、例えば炭酸ガスや
窒素等の不活性ガスを冷却用流体として流通することも
可能である。また、電気的構成に悪影響を与えないもの
であれば、液体を冷却用流体として流通させることも許
容されうる。 【0038】・ 上記のホットプレート3を構成する板
状基材9に、必要に応じて熱電対を埋め込んでおいても
よい。熱電対によりホットプレート3の温度を測定し、
そのデータをもとに電圧値や電流値を変えることで、温
度制御をすることができるからである。この場合、熱電
対のリード線も同じくシールパッキング8を介して外部
に引き出しておくことがよい。 【0039】・ 図3に示す別例のホットプレートユニ
ット1のように、ケーシング2から流体排出ポート18
を省略して、単なる排気用孔31にしてもよい。即ち、
ユニット1の内部は、必ずしも実施形態のような略密閉
状態の空間になっていなくても(言い換えると開放状態
の空間であっても)よい。この構成によれば、部品点数
が減り、ユニット1の構造が簡略化される。 【0040】・ 図4に示す別例のホットプレートユニ
ット1のように構成してもよい。即ち、ここでは有底状
でないケーシング2Aを用いている。このような底なし
のケーシング2Aの内側には、開口としての排気用孔3
1を有する金属製の中底板41が設けられている。この
別例の中底板41は、略コ字状の支持金具42によって
支持された状態で、ねじ43及びナット44を用いてケ
ーシング2Aの被固定部45の上面に固定されている。
そして、この別例の構造においても、空間が密閉状態で
はなくなっている。エアはケーシング2Aと中底板41
との隙間からも外部に抜け出すことが可能となってい
る。前記中底板41には開口が形成されていてもよい。 【0041】ここで、前記図4の別例のホットプレート
3の製造工程の一例を説明する。 (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
1.1μm)100重量部、酸化イットリウム(Y2O
3:イットリア、平均粒径0.4μm)4重量部、アク
リル系樹脂バインダ(三井化学製SA−545 酸価
0.5)12重量部を混合し、成形型に入れて成形体と
した。 【0042】(2)成形体を窒素雰囲気中で350℃、
4時間加熱して、アクリル系樹脂バインダを熱分解させ
た。 (3)成形体を1890℃、圧力:150kg/cm2
の条件で3時間ホットプレスして、窒化アルミニウム焼
結体を得た。 【0043】(4)上記(3)で得た焼結体の底面に、
スクリーン印刷にて導電ペーストを印刷した。印刷パタ
ーンは、同心円状のパターンとした。導電ペーストとし
ては、プリント配線板のスルーホール形成に使用されて
いる徳力化学研究所製の「ソルベストPS603D」を
使用した。この導電ペーストは、銀・鉛ペーストであ
り、銀100重量部に対して、酸化鉛(5重量%)、酸
化亜鉛(55重量%)、シリカ(10重量%)、酸化ホ
ウ素(25重量%)及びアルミナ(5重量%)からなる
金属酸化物を7.5重量部含むものであった。 【0044】(5)次に、導電ペーストを印刷した焼結
体を780℃で加熱、焼成して、導電ペースト中の銀、
鉛を焼結させるとともに、それを焼結体に焼き付け、抵
抗体の一部(発熱体)を形成した。銀・鉛の発熱体は、
厚さが5μm、幅が2.4mm、面積抵抗率が7.7m
Ω/□であった。 【0045】(6)硫酸ニッケル80g/l、次亜リン
酸ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、
ほう酸8g/l、塩化アンモニウム6g/lを含む水溶
液からなる無電解ニッケルめっき浴に、上記(4)で作
製した焼結体を浸漬した。そして、錫・鉛の発熱体の表
面に厚さ1μmの金属被覆層(ニッケル層)を析出させ
て、抵抗体としての配線抵抗10とした。 【0046】(7)電源との接続を確保するための端子
を取り付ける部分に、スクリーン印刷により、銀・鉛は
んだペースト(田中貴金属社製)を印刷してはんだ層を
形成した。次いで、はんだ層の上にコバール製の端子ピ
ン12を載置して、300℃で加熱リフローし、端子ピ
ン12を接続パッド10aの表面に取り付けた。 【0047】(8)温度制御のための熱電対を有底穴に
挿入し、かつポリイミド樹脂を充填した後、190℃で
2時間硬化させ、ホットプレート3を得た。そして、こ
のホットプレート3を図3のユニット1に組み込んだ。
シールリング14の材料としてはフッ素樹脂を使用し
た。このユニット1について140℃まで温度を上昇さ
せた後、流体供給ポート17から空気を流し込んで90
℃に降温するまでの冷却時間を測定したところ、3分で
あった。 【0048】さらに、前記(1)〜(8)の手順でホッ
トプレート3を製造するとともに、そのホットプレート
3を内部に空気の流路を設けたアルミニウム板に接触さ
せ、これを比較例とした。この比較例について140℃
まで温度を上昇させた後、空気を流し込んで90℃に降
温するまでの冷却時間を測定したところ、8分であっ
た。 【0049】次に、特許請求の範囲に記載された技術的
思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技
術的思想を以下に列挙する。 (1) 請求項1において、ケーシング−ホットプレー
ト間に設けられるシール構造は、内周縁にプレート支持
段部を有するシールリングであり、前記シールリングは
前記ケーシングの開口部上面に対してねじ止めされてい
ること。 【0050】(2) 請求項1または技術的思想1にお
いて、前記流体はエア(空気)であること。従って、こ
の技術的思想2に記載の発明によれば、低反応性であり
抵抗体間ショートの心配がなく、かつ低コスト化にも有
利である。 【0051】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
構造の複雑化や大型化を伴うことなく、短時間で冷却し
うるホットプレートユニットを提供することができる。
また、よりいっそうクリーンなホットプレートユニット
を提供することができる。
ニットに関するものである。 【0002】 【従来の技術】半導体製造プロセスにおいて、例えば感
光性樹脂塗布工程を経たシリコンウェハを加熱乾燥させ
る場合、通常、ホットプレートと呼ばれる加熱装置が用
いられる。 【0003】この種の装置の従来例としては、例えば特
許文献1に開示されたもの等がある。同公報における装
置は、電熱部材としての窒化アルミニウム焼結体製のホ
ットプレートと、そのプレートに設けられる抵抗体とか
らなる。抵抗体はホットプレートを構成するセラミック
基材間に挟持されている。プレートの側方に突出してい
る抵抗体の両端部は、それぞれ配線を介して電源に接続
される。 【0004】そして、ホットプレートの上面側に被加熱
物であるシリコンウェハを載置し、この状態で抵抗体に
通電することにより、シリコンウェハが数百℃に加熱さ
れるようになっている。 【0005】 【特許文献1】特公平4−13837号公報 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、抵抗体への
通電により所定時間の加熱を行なって感光性樹脂を乾燥
させた場合、まずホットプレートをある程度低い温度ま
で放冷し、その後でシリコンウェハを取り外す必要があ
る。しかしながら、放冷にはある程度の時間を要し、こ
のことが生産性の向上を図るうえで障害となっている。 【0007】そこで、例えば前記プレートの下面側に冷
却用配管を設けてその配管に冷却水を通じることによ
り、プレートを強制的に冷却して冷却時間を短縮せんと
する対策が考えられる。しかし、このような対策では、
ユニット全体の構造が複雑になるばかりでなく、嵩張っ
て大型化してしまうおそれがある。 【0008】また、ホットプレートの下面側にエアを吹
き付けることにより、プレートを強制的に冷却して冷却
時間を短縮せんとする対策も考えられる。しかし、この
ような対策では、エアに含まれる水分や塵埃によって装
置の周囲が汚染されてしまうおそれがあり、現時点では
実現性に乏しい。 【0009】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、構造の複雑化や大型化を伴うこと
なく、短時間で冷却しうるホットプレートユニットを提
供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明では、ケーシングの開口部
に、抵抗体を有するホットプレートを設置してなるホッ
トプレートユニットであって、流体を流通可能な空間が
前記ケーシングと前記ホットプレートとにより構成され
てなり、前記ケーシングの開口部の上縁と前記ホットプ
レートの下面外周部との間には、シール構造が設けられ
ていることを特徴とするホットプレートユニットをその
要旨とする。 【0011】以下、本発明の「作用」について説明す
る。本発明によると、ケーシングとホットプレートとに
より構成された空間に流体を流通することによって、ホ
ットプレートを強制的に冷却することが可能となり、放
冷に比べて短時間で済むようになる。また、冷却用配管
等の設置も不要なため、ユニット全体の構造が複雑化し
たり、嵩張って大型化してしまう心配もない。しかも、
ケーシングの開口部の上縁とホットプレートの下面外周
部との間がシールされることで、当該部分の隙間を介し
た装置外部への流体の漏れ出しが防止され、前記空間に
より高い密閉性が確保される。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態のホットプレートユニット1を図1,図2に基づき
詳細に説明する。 【0013】図1,図2に示されるホットプレートユニ
ット1は、ケーシング2及びホットプレート3を主要な
構成要素として備えている。ケーシング2は有底状の金
属製部材(ここではアルミニウム製部材)であって、断
面円形状の開口部4をその上部側に備えている。このケ
ーシング2の底部2aの中心部における3箇所には、図
示しないリフトピンが挿通されるピン挿通スリーブ5が
設けられている。これらのリフトピンは、シリコンウェ
ハW1を3点で支持した状態で同シリコンウェハW1を
昇降させる。底部2aの外周部には、ホットプレート3
に電流を供給するリード線6を挿通するための配線引出
用孔7が形成されている。 【0014】本実施形態のホットプレート3は、感光性
樹脂が塗布されたシリコンウェハW1を200〜300
℃にて乾燥させるための低温用ホットプレート3であ
る。このホットプレート3は、セラミック焼結体からな
る板状基材9に、抵抗体としての配線抵抗10を設ける
ことにより構成されている。この板状基材9は、後述す
るシールリング14を介して、ケーシング2の開口部4
に設置される。これを設置することにより、ケーシング
2の内面側とホットプレート3の下面側との間には、略
密閉された空間S1が形成される。 【0015】ここで、ユニット1の厚さは5mm〜10
0mmに設定されていることがよく、特には10mm〜
50mmに設定されていることがよい。その理由は、ユ
ニット1が厚くなりすぎると、全体が嵩張って大型化し
てしまうからである。逆に、ユニット1を薄くしようと
すると、ホットプレート3やケーシング2を薄く形成し
なければならず、製造が困難になるおそれがあるからで
ある。そして、本実施形態では、以上のことに鑑みて厚
さを20mmに設定している。 【0016】図1に示されるように、ホットプレート3
を構成する板状基材9は円形状であって、ケーシング2
の外形寸法より若干小径となるように設計されている。
配線抵抗10は、板状基材9の下面側において同心円状
ないし渦巻き状に形成されている。ホットプレート3の
中心部には、各リフトピンに対応した3箇所にそれぞれ
ピン挿通孔11が透設されている。 【0017】板状基材9を構成するセラミック焼結体と
しては、耐熱性に優れかつ熱伝導率が高いという性質を
有する窒化物セラミック焼結体を選択することがよい。
窒化物セラミックとしては、例えば窒化アルミニウ
ム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等のような金
属窒化物セラミックの焼結体が好ましく、なかでも窒化
アルミニウム焼結体が望ましい。その理由は、上記の焼
結体中で熱伝導率が最も高いからである。なおこれらの
他に、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭
化タンタル、炭化タングステン等のような金属炭化物セ
ラミックの焼結体を選択してもよい。 【0018】本実施形態の配線抵抗10は、焼結体であ
る板状基材9に対して導電ペーストを焼き付けることに
より形成されたものである。導電ペーストとしては、金
属粒子、金属酸化物、樹脂、溶剤などを含むものが一般
的に使用される。 導電ペーストに使用される好適な金
属粒子としては、例えば、金、銀、白金、パラジウム、
鉛、タングステン、ニッケル等が挙げられる。これらの
金属は高温に晒されても比較的酸化しにくく、通電によ
り発熱させるにあたって充分大きな抵抗値を示すからで
ある。導電ペーストに使用される好適な金属酸化物とし
ては、例えば、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ
素、アルミナ、イットリア、チタニア等が挙げられる。 【0019】図2に示されるように、配線抵抗10の端
部には、外部接続端子としてのパッド10aが形成され
ている。これらのパッド10aには、導電性材料からな
る端子ピン12の基端部がはんだ付けされている。その
結果、各端子ピン12と配線抵抗10との電気的な導通
が図られている。一方、各端子ピン12の先端部には、
リード線6の先端部にあるソケット6aが嵌着されてい
る。従って、リード線6及び端子ピン12を介して配線
抵抗10に電流が供給される結果、配線抵抗10の温度
が上昇し、ホットプレート3全体が加熱される。 【0020】図2に示されるように、ケーシング2の開
口部4の上縁には、複数のねじ孔13が等間隔に透設さ
れている。同じく前記開口部4の上縁には、シール構造
としてのシールリング14が配設されている。同シール
リング14は、環状をなしかつ開口部4の大きさとほぼ
等しくなっている。シールリング14の形成用材料とし
ては、例えば樹脂や、ゴム等のような弾性体などが好ま
しい。シールリング14において各ねじ孔13に対応す
る箇所には、複数のねじ孔15が透設されている。シー
ルリング14の内周面には、ホットプレート3の下面側
外周部を水平に支持するための支持段部16がその全周
にわたって形成されている。なお、支持段部16にホッ
トプレート3を支持させたとき、シールリング14の上
端面の高さとホットプレート3の上面の高さとがほぼ同
一になる。 【0021】そして、本実施形態におけるシールリング
14は、ケーシング2の開口部4の上縁とホットプレー
ト3の下面外周部とがなす隙間をシールすることで、当
該隙間を介したエアの流通を防止する役割を担ってい
る。 【0022】図1,図2に示されるように、シールリン
グ14の上面には、係止リング21がねじ25により固
定されている。この係止リング21は、環状の本体22
と、複数のねじ孔23と、複数の係止片24とを有す
る。支持段部16にセットされたホットプレート3は、
各係止片24によって板厚方向から押圧されることによ
り、シールリング14に挟持固定される。 【0023】図1に示されるように、ケーシング2の底
部2aには、流体供給ポート17及び流体排出ポート1
8がそれぞれボルト等を用いて設置されている。本実施
形態において前記両ポート17,18は、互いに離間し
た位置に配設されている。両ポート17,18は、内端
面及び外端面の両方において開口する流路を備えてい
る。このため、その流路を介してケーシング2の内外が
連通されている。 【0024】流体供給ポート17の外端面側の開口部の
内周面には雌ねじ溝が形成されていて、当該開口部には
図示しない流体供給用の配管の一端が着脱可能となって
いる。この配管の他端は気体圧送ポンプに接続されてい
るため、同配管を介して冷却用流体としてのエアが供給
されるようになっている。一方、流体排出ポート18の
外端面側の開口部の内周面にも雌ねじ溝が形成されてい
て、当該開口部には図示しない流体排出用の配管の一端
が着脱可能となっている。ケーシング2内のエアは、こ
の配管を介して外部に排出される。なお、前記配管の他
端は装置からいくぶん離れた箇所にて開放されている。 【0025】図2に示されるように、上記の配線引出用
孔7には、シール構造としてのシールパッキング8が装
着されている。このシールパッキング8は環状をなして
おり、ゴム等のような好適な弾性体によって形成されて
いる。各リード線6は、このシールパッキング8の貫通
孔に挿通されたうえでケーシング2の外部に引き出され
ている。即ち、本実施形態におけるシールパッキング8
は、各リード線6と配線引出用孔7とがなす隙間をシー
ルすることで、当該隙間を介したエアの流通を防止する
役割を担っている。 【0026】さて、次にこのホットプレートユニット1
の使用方法について説明する。感光性樹脂が塗布された
シリコンウェハW1をホットプレート3上に載置し、こ
の状態で配線抵抗10に通電する。すると、加熱された
ホットプレート3との接触によって、シリコンウェハW
1の温度が次第に上昇する。所定時間のあいだ加熱を行
なうことにより感光性樹脂が充分に乾燥したら、配線抵
抗10への通電を止める。 【0027】ここで、気体圧送ポンプを駆動して流体供
給ポート17側に冷却用のエアを供給し、同ポート17
を介してエアを密閉空間S1内に導入する。流体供給ポ
ート17を経て吐出されたエアは、密閉空間S1内にて
ホットプレート3の下面側に接触しながら、流体排出ポ
ート18のほうに向かって流れる。その際、同エアによ
ってホットプレート3の熱が奪われる。熱を奪って温度
が上昇したエアは、さらに流体排出ポート18を経て再
び空間の外に流出し、汚染の心配のない別の空間にて放
出される。なお、一連のエアの流れは、図1における太
線矢印により概略的に示されている。そして、ホットプ
レート3がある程度低い温度まで冷やされたら、シリコ
ンウェハW1をホットプレート3から取り外す。 【0028】従って、本実施形態によれば以下のような
効果を得ることができる。 (1)このホットプレートユニット1では、上記のごと
く略密閉された空間S1がケーシング2とホットプレー
ト3との間に形成されている。ホットプレート3の下面
側には端子ピン12等の突起物が存在するものの、それ
らはケーシング2とホットプレート3と間に形成された
空間S1内に配置されている。即ち、前記突起物は装置
の外部に非露出となり、いわば保護された状態となる。
従って、突起物の存在如何に関係なく、ケーシング2の
底面を図示しない支持ステージに対して、困難なく取り
付けることができる。 【0029】(2)また、ケーシング2とホットプレー
ト3との間に形成された空間S1は、略密閉されている
ことから、エアを流通可能なものとなっている。このた
め、空間S1内へのエアの流通によってホットプレート
3を強制的に冷却することが可能となり、放冷に比べて
冷却に要する時間が短くて済むようになる。ゆえに、こ
のホットプレートユニット1を用いれば、1回の乾燥処
理に要する時間が確実に短縮され、もって生産性の向上
を図ることができる。 【0030】なお、空間S1は開放状態ではなく略密閉
状態であることから、装置の外部にエアが漏れ出しにく
く、それによって周囲を汚染する心配もない。即ち、本
実施形態によれば、クリーンなユニット1を実現するこ
とができる。 【0031】また、この構成によれば、冷却用配管等の
設置も不要なため、ユニット1全体の構造が複雑化した
り、嵩張って大型化してしまう心配もない。 (3)本実施形態では、ケーシング2にその内外を連通
させる流体供給ポート17と流体排出ポート18とがそ
れぞれ設けられている。従って、両ポート17,18を
介して密閉空間S1内にエアを効率よく循環することに
より、ホットプレート3を強制冷却し、比較的短時間の
うちに低い温度に戻すことができる。 【0032】(4)このホットプレートユニット1で
は、ケーシング2の開口部4の上縁とホットプレート3
の下面外周部との間にシールリング14を設け、当該部
分における隙間のシールを図っている。よって、ケーシ
ング2−ホットプレート3間の隙間を介した装置外部へ
のエア漏れが防止され、空間S1により高い密閉性を確
保できる。このことはエア排出による周囲の汚染防止の
確実化に貢献する。 【0033】即ち、シリコンウェハW1に近い部分から
のエア漏れは、シリコンウェハW1への塵埃の付着、ひ
いては半導体の歩留まり低下を引き起こす最大の原因と
なる。しかし、本実施形態によればそれが確実に解消さ
れるため、半導体の歩留まりを向上させることができ
る。 【0034】(5)また、このホットプレートユニット
1では、さらに底部2aの配線引出用孔7にシールパッ
キング8を設け、その配線引出用孔7にリード線6を挿
通させている。従って、配線引出用孔7を介した装置外
部へのエア漏れが防止され、空間S1により高い密閉性
を確保できる。このこともエア排出による周囲の汚染防
止の確実化に貢献する。 【0035】(6)本実施形態では、ユニット1の厚さ
を上記好適範囲内に設定しているため、製造の困難化及
び大型化を回避することができる。なお、本発明の実施
形態は以下のように変更してもよい。 【0036】・ 配線引き出し部である配線引出用孔7
を、ケーシング2の底部2a以外の場所、例えばケーシ
ング2の側壁部に配設してもよい。同様に、ポート1
7,18をケーシング2の側壁部に配設してもよい。な
お、配線引出用孔7やポート17,18の設置数は、必
要に応じて増減することが勿論可能である。 【0037】・ ケーシング2に区画された密閉空間S
1内には、エア(空気)以外の気体、例えば炭酸ガスや
窒素等の不活性ガスを冷却用流体として流通することも
可能である。また、電気的構成に悪影響を与えないもの
であれば、液体を冷却用流体として流通させることも許
容されうる。 【0038】・ 上記のホットプレート3を構成する板
状基材9に、必要に応じて熱電対を埋め込んでおいても
よい。熱電対によりホットプレート3の温度を測定し、
そのデータをもとに電圧値や電流値を変えることで、温
度制御をすることができるからである。この場合、熱電
対のリード線も同じくシールパッキング8を介して外部
に引き出しておくことがよい。 【0039】・ 図3に示す別例のホットプレートユニ
ット1のように、ケーシング2から流体排出ポート18
を省略して、単なる排気用孔31にしてもよい。即ち、
ユニット1の内部は、必ずしも実施形態のような略密閉
状態の空間になっていなくても(言い換えると開放状態
の空間であっても)よい。この構成によれば、部品点数
が減り、ユニット1の構造が簡略化される。 【0040】・ 図4に示す別例のホットプレートユニ
ット1のように構成してもよい。即ち、ここでは有底状
でないケーシング2Aを用いている。このような底なし
のケーシング2Aの内側には、開口としての排気用孔3
1を有する金属製の中底板41が設けられている。この
別例の中底板41は、略コ字状の支持金具42によって
支持された状態で、ねじ43及びナット44を用いてケ
ーシング2Aの被固定部45の上面に固定されている。
そして、この別例の構造においても、空間が密閉状態で
はなくなっている。エアはケーシング2Aと中底板41
との隙間からも外部に抜け出すことが可能となってい
る。前記中底板41には開口が形成されていてもよい。 【0041】ここで、前記図4の別例のホットプレート
3の製造工程の一例を説明する。 (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
1.1μm)100重量部、酸化イットリウム(Y2O
3:イットリア、平均粒径0.4μm)4重量部、アク
リル系樹脂バインダ(三井化学製SA−545 酸価
0.5)12重量部を混合し、成形型に入れて成形体と
した。 【0042】(2)成形体を窒素雰囲気中で350℃、
4時間加熱して、アクリル系樹脂バインダを熱分解させ
た。 (3)成形体を1890℃、圧力:150kg/cm2
の条件で3時間ホットプレスして、窒化アルミニウム焼
結体を得た。 【0043】(4)上記(3)で得た焼結体の底面に、
スクリーン印刷にて導電ペーストを印刷した。印刷パタ
ーンは、同心円状のパターンとした。導電ペーストとし
ては、プリント配線板のスルーホール形成に使用されて
いる徳力化学研究所製の「ソルベストPS603D」を
使用した。この導電ペーストは、銀・鉛ペーストであ
り、銀100重量部に対して、酸化鉛(5重量%)、酸
化亜鉛(55重量%)、シリカ(10重量%)、酸化ホ
ウ素(25重量%)及びアルミナ(5重量%)からなる
金属酸化物を7.5重量部含むものであった。 【0044】(5)次に、導電ペーストを印刷した焼結
体を780℃で加熱、焼成して、導電ペースト中の銀、
鉛を焼結させるとともに、それを焼結体に焼き付け、抵
抗体の一部(発熱体)を形成した。銀・鉛の発熱体は、
厚さが5μm、幅が2.4mm、面積抵抗率が7.7m
Ω/□であった。 【0045】(6)硫酸ニッケル80g/l、次亜リン
酸ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、
ほう酸8g/l、塩化アンモニウム6g/lを含む水溶
液からなる無電解ニッケルめっき浴に、上記(4)で作
製した焼結体を浸漬した。そして、錫・鉛の発熱体の表
面に厚さ1μmの金属被覆層(ニッケル層)を析出させ
て、抵抗体としての配線抵抗10とした。 【0046】(7)電源との接続を確保するための端子
を取り付ける部分に、スクリーン印刷により、銀・鉛は
んだペースト(田中貴金属社製)を印刷してはんだ層を
形成した。次いで、はんだ層の上にコバール製の端子ピ
ン12を載置して、300℃で加熱リフローし、端子ピ
ン12を接続パッド10aの表面に取り付けた。 【0047】(8)温度制御のための熱電対を有底穴に
挿入し、かつポリイミド樹脂を充填した後、190℃で
2時間硬化させ、ホットプレート3を得た。そして、こ
のホットプレート3を図3のユニット1に組み込んだ。
シールリング14の材料としてはフッ素樹脂を使用し
た。このユニット1について140℃まで温度を上昇さ
せた後、流体供給ポート17から空気を流し込んで90
℃に降温するまでの冷却時間を測定したところ、3分で
あった。 【0048】さらに、前記(1)〜(8)の手順でホッ
トプレート3を製造するとともに、そのホットプレート
3を内部に空気の流路を設けたアルミニウム板に接触さ
せ、これを比較例とした。この比較例について140℃
まで温度を上昇させた後、空気を流し込んで90℃に降
温するまでの冷却時間を測定したところ、8分であっ
た。 【0049】次に、特許請求の範囲に記載された技術的
思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技
術的思想を以下に列挙する。 (1) 請求項1において、ケーシング−ホットプレー
ト間に設けられるシール構造は、内周縁にプレート支持
段部を有するシールリングであり、前記シールリングは
前記ケーシングの開口部上面に対してねじ止めされてい
ること。 【0050】(2) 請求項1または技術的思想1にお
いて、前記流体はエア(空気)であること。従って、こ
の技術的思想2に記載の発明によれば、低反応性であり
抵抗体間ショートの心配がなく、かつ低コスト化にも有
利である。 【0051】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
構造の複雑化や大型化を伴うことなく、短時間で冷却し
うるホットプレートユニットを提供することができる。
また、よりいっそうクリーンなホットプレートユニット
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のホットプレートユニットを示す概略
断面図。 【図2】同じくその部分拡大断面図。 【図3】別例のホットプレートユニットを示す概略断面
図。 【図4】別例のホットプレートユニットを示す概略断面
図。 【符号の説明】 1…ホットプレートユニット、2,2A…ケーシング、
3…ホットプレート、4…開口部、10…抵抗体として
の配線抵抗、14…シール構造としてのシールリング、
S1…空間。
断面図。 【図2】同じくその部分拡大断面図。 【図3】別例のホットプレートユニットを示す概略断面
図。 【図4】別例のホットプレートユニットを示す概略断面
図。 【符号の説明】 1…ホットプレートユニット、2,2A…ケーシング、
3…ホットプレート、4…開口部、10…抵抗体として
の配線抵抗、14…シール構造としてのシールリング、
S1…空間。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 斉藤 譲
岐阜県揖斐郡揖斐川町北方1の1 イビデ
ン 株式会社大垣北工場内
Fターム(参考) 3K034 AA03 AA10 AA16 AA21 AA34
AA37 BA08 BA15 BA17 BB06
BB14 BC04 BC12 BC24 CA03
CA14 CA22 CA27 DA04 EA07
FA14 FA21 FA34 HA10 JA02
3K092 PP20 QA05 QB04 QB32 QB44
QB63 QB75 QB76 QC02 QC19
QC21 QC31 QC38 QC43 QC52
QC70 RF03 RF11 RF17 RF22
SS12 SS18 TT30 UA05 VV01
VV12
5F046 KA04 KA10
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】ケーシングの開口部に、抵抗体を有するホ
ットプレートを設置してなるホットプレートユニットで
あって、流体を流通可能な空間が前記ケーシングと前記
ホットプレートとにより構成されてなり、前記ケーシン
グの開口部の上縁と前記ホットプレートの下面外周部と
の間には、シール構造が設けられていることを特徴とす
るホットプレートユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002277937A JP2003178964A (ja) | 1999-02-10 | 2002-09-24 | ホットプレートユニット |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3289199 | 1999-02-10 | ||
JP11-32891 | 1999-02-10 | ||
JP2002277937A JP2003178964A (ja) | 1999-02-10 | 2002-09-24 | ホットプレートユニット |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000356424A Division JP3373197B2 (ja) | 1999-02-10 | 2000-11-22 | 半導体製造装置用ホットプレートユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003178964A true JP2003178964A (ja) | 2003-06-27 |
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ID=26371488
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002277937A Pending JP2003178964A (ja) | 1999-02-10 | 2002-09-24 | ホットプレートユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2003178964A (ja) |
-
2002
- 2002-09-24 JP JP2002277937A patent/JP2003178964A/ja active Pending
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