JP2003100818A - 支持容器および半導体製造・検査装置 - Google Patents

支持容器および半導体製造・検査装置

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JP2003100818A
JP2003100818A JP2001292438A JP2001292438A JP2003100818A JP 2003100818 A JP2003100818 A JP 2003100818A JP 2001292438 A JP2001292438 A JP 2001292438A JP 2001292438 A JP2001292438 A JP 2001292438A JP 2003100818 A JP2003100818 A JP 2003100818A
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ceramic substrate
heating element
resistance heating
refrigerant supply
support container
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JP2001292438A
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Satoru Kariya
悟 苅谷
Kazuki Nomura
一樹 野村
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 半導体製品の製造・検査工程において、抵抗
発熱体を有するセラミック基板の冷却速度を向上させる
支持容器と該支持容器に上記セラミック基板が支持固定
された半導体製造・検査装置とを提供すること。 【解決手段】 セラミック基板21を支持する支持容器
10であって、外枠11の内側に板状体12が一体又は
別個に設けられ、前記板状体12に冷媒供給管14が固
定されるとともに、前記冷媒供給管14の周囲の板状体
12に開口20が形成されていることを特徴とする支持
容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に、半導体の製
造用や検査用の装置として用いられるホットプレート
(セラミックヒータ)、静電チャック、ウエハプローバ
などを構成する支持容器およびこれを用いた半導体製造
・検査装置に関し、特には、冷却速度が速い半導体製造
・検査装置を構成する支持容器および半導体製造・検査
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製品は、種々の産業において必要
とされる極めて重要な製品であり、その代表的製品であ
る半導体チップは、例えば、シリコン単結晶を所定の厚
さにスライスしてシリコンウエハを作製した後、このシ
リコンウエハ上に種々の回路等を形成することにより製
造される。
【0003】この種の回路等を形成するには、シリコン
ウエハ上に、感光性樹脂を塗布し、これを露光、現像処
理した後、ポストキュアさせたり、スパッタリングによ
り導体層を形成する工程が必要である。このためには、
シリコンウエハを加熱する必要がある。
【0004】かかるシリコンウエハを加熱するためのヒ
ータとして、従来から、アルミニウム製の基板の裏側に
電気的抵抗体等の抵抗発熱体を備えたものが多用されて
いたが、アルミニウム製の基板は、厚さ15mm程度を
要するので、重量が大きくなり、また、嵩張るために取
扱いが容易ではなく、さらに、通電電流に対する温度追
従性という観点でも温度制御性が不充分であり、シリコ
ンウエハを均一に加熱することは容易ではなかった。
【0005】そこで、最近では、窒化アルミニウム等の
セラミックを基板として用いたセラミックヒータが開発
されている。これらのセラミックヒータは、曲げ強度等
の機械的特性に優れるため、その厚さを薄くすることが
でき、また、熱容量を小さくすることができるため、温
度追従性等の諸特性に優れる。
【0006】ところで、近年の半導体製品の製造におい
ては、スループットに要する時間の短縮化が要求されて
おり、昇温時間のみならず、冷却時間の短縮化に対する
強い要請がある。そこで、半導体製造・検査装置では、
通常、ヒータとして機能するセラミック基板を支持容器
に設置してホットプレートユニットとし、このホットプ
レートユニットの冷却を行う際には、冷却機構を用い、
例えば、支持容器内に強制冷却用の冷媒を供給して、上
記セラミック基板を強制冷却する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た構成のホットプレートユニット(半導体製造・検査装
置)では、支持容器に強制冷却用の冷媒を供給しても、
冷媒の供給量を大幅に増加することは難しいため、セラ
ミック基板の温度が充分に下がらないという問題があっ
た。
【0008】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたもので、抵抗発熱体を有するセラミック基板
の冷却速度を向上させる支持容器と該支持容器を用いた
半導体製造・検査装置とを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の支持容器は、セ
ラミック基板を支持する支持容器であって、外枠の内側
に板状体が一体又は別個に設けられ、上記板状体に冷媒
供給管が固定されるとともに、上記冷媒供給管の周囲の
板状体に開口が形成されていることを特徴とする。
【0010】上記支持容器によれば、冷媒供給管の周囲
の板状体に開口が形成されているため、冷媒供給管によ
り冷却エアー等の冷媒を支持容器の内部に導入した場
合、冷媒供給管の周囲に形成された開口から、上記冷媒
の流れに巻き込まれるようにして、支持容器の周囲の空
気が支持容器内に導入される。そのため、支持容器内の
冷媒の入れ替わり速度が大きくなり、単位時間当たりに
セラミック基板から奪う熱量を大きくすることができる
ため、支持容器に設置されたセラミック基板の冷却を迅
速に行うことができる。
【0011】また、冷媒供給管により導入する冷媒の供
給量を増やすことや冷媒供給管の個数を増やすことによ
っても、セラミック基板の冷却速度を高めることは可能
であるが、本発明によれば、これらの方法に比べて、比
較的安価に、かつ、簡便に迅速なセラミック基板の冷却
を行うことができる。
【0012】本発明の半導体製造・検査装置は、上記構
成の支持容器にセラミック基板が支持固定されてなるこ
とを特徴とする。
【0013】本発明の半導体製造・検査装置は、上述し
た本発明の支持容器にセラミック基板が支持固定されて
いる。従って、本発明の支持容器で説明した通り、上記
セラミック基板の冷却効率に優れ、支持容器に設置され
たセラミック基板の冷却を迅速に行うことができる。
【0014】また、本発明の半導体製造・検査装置にお
いて、上記セラミック基板には抵抗発熱体が設けられて
いることが望ましい。この場合、上記セラミック基板は
セラミックヒータとして機能し、本発明の半導体製造・
検査装置は、ホットプレートユニットとして機能する。
従って、一旦加熱させたセラミック基板を冷却する場
合、支持容器の周囲の空気を上記開口を通じて、支持容
器内に導入することが可能となるため、上記セラミック
基板の温度を迅速に低下させることができる。
【0015】上記冷媒供給管は複数形成されてなるとと
もに、上記冷媒供給管同士の距離をLとするとき、冷媒
供給管から半径L/4以内の領域の開口率が20%以上
100%未満であることが望ましい。開口率が20%以
上の場合、板状体の熱容量を小さくすることができ、冷
却速度をさらに向上させることができる。
【0016】また、上記冷媒供給管は複数形成されてな
るとともに、上記冷媒供給管同士の距離をLとすると
き、冷媒供給管から半径L/3〜L/2の領域の開口率
が20%以上100%未満であることが望ましい。開口
率が100%未満としたのは冷媒供給管を保持する領域
が必要だからである。冷媒供給管から半径L/3〜L/
2の領域は、冷却エアーが開口から排出される領域であ
り、開口率が大きいほど蓄熱した冷却ガスを排出させや
すい。
【0017】このように、本発明の半導体製造・検査装
置は、本発明の支持容器にセラミック基板が支持固定さ
れたものである。従って、以下においては、本発明の支
持容器および該支持容器を用いた本発明の半導体製造・
検査装置をまとめ、一つの発明として説明することにす
る。以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態に則して
本発明を説明するが、本発明は、この実施形態に限定さ
れることなく、本発明の効果を損なわない範囲で改変で
きることはいうまでもない。
【0019】本発明の支持容器は、セラミック基板を支
持する支持容器であって、外枠の内側に板状体が一体又
は別個に設けられ、上記板状体に冷媒供給管が固定され
るとともに、上記冷媒供給管の周囲の板状体に開口が形
成されていることを特徴とする。
【0020】また、本発明の半導体製造・検査装置は、
上記本発明の支持容器にセラミック基板が支持固定され
てなることを特徴とする。
【0021】図1(a)は、本発明の半導体製造・検査
装置の一例であるホットプレートユニットを模式的に示
す縦断面図であり、(b)は、板状体を模式的に示す斜
視図である。また、図2は、図1に示したホットプレー
トユニットを構成するセラミック基板の平面図であり、
図3は、図2に示したセラミック基板の部分拡大断面図
である。
【0022】このホットプレートユニット100は、例
えば、図1に示したように、セラミック基板21と支持
容器10とからなり、円板形状のセラミック基板21の
表面(底面)の最外周およびその内側に、複数の屈曲線
の繰り返しパターンからなる抵抗発熱体22a〜22l
が形成され、さらにその内側には、四重に、同心円の繰
り返しパターンからなる抵抗発熱体22m〜22pが形
成されており、これら抵抗発熱体22の表面には、抵抗
発熱体の酸化等を防止するための金属被覆層200(図
3参照)が形成されている。そして、抵抗発熱体22の
端部には、外部端子23がろう付け等により接続されて
おり、さらに、外部端子23には、ソケット29を介し
て導電線28が接続されている。
【0023】また、セラミック基板21の底面には、有
底孔24、貫通孔25等が形成されている。貫通孔25
は、リフターピン26(図3参照)を挿通させることに
より、被加熱物である半導体ウエハ19を保持すること
ができるようになっており、また、リフターピン26を
上下させることにより、半導体ウエハ19の受渡し等が
可能である。また、有底孔24には、セラミック基板2
1の温度を測定するために、リード線26が接続された
測温素子27が埋め込まれている。このようなセラミッ
ク基板21は、断面視L字型の断熱リング15を介して
支持容器10の上部の基板支持部16に載置、固定され
ている。
【0024】セラミック基板21は、断熱リング15に
嵌合された状態で、支持容器10の基板支持部16上に
載置され、基板支持部16とボルト18を介した固定金
具17とで、支持容器10に固定されている。すなわ
ち、ボルト18には固定金具17が取り付けられ、セラ
ミック基板21等を押し付けて固定している。
【0025】なお、図1において、支持容器10の基板
支持部16には、セラミック基板21が嵌合された断熱
リング15が直接載置され、固定されているが、例え
ば、略円筒形状の外枠部の内側下方にセラミック基板と
断熱リングとを支持する円環形状の基板受け部が設けら
れた断面視L字型の基板支持部材が、支持容器10の基
板支持部16上に載置され、この基板支持部材にボルト
を挿通し、固定金具により、断熱リングおよびセラミッ
ク基板を押し付けて、支持容器10に固定するものであ
ってもよい。
【0026】支持容器10は、円筒形状の外枠11の内
側上部に、略円環形状の基板支持部16が形成されてお
り、外枠11の内側底部には、複数の冷媒排出管13お
よび冷媒供給管14が配設された板状体12が一体的に
設けられ、略有底円筒形状となっている。なお、外枠1
1と板状体12とが一体的に設けられておらず、板状体
12が外枠11にボルト、溶接等により連結固定されて
いてもよい。
【0027】また、板状体12には、複数の冷媒供給管
14とともに、複数の冷媒排出管13が設けられてお
り、冷媒供給管14の周囲の板状体には、複数の開口2
0が設けられている。
【0028】開口20は、冷媒供給管14の周囲の板状
体に形成されている。従って、冷媒供給管14により冷
却エアー等の冷媒を支持容器10の内部に導入した場
合、冷媒供給管14の周囲に形成された開口20から、
上記冷媒の流れに巻き込まれるようにして、支持容器1
0の周囲の空気が支持容器10内に導入される。開口2
0を冷媒供給管14の周囲以外の板状体に形成した場
合、このような空気の流れは発生せず、支持容器10に
設置されたセラミック基板21の冷却を迅速に行うこと
ができない。
【0029】また、開口20の形状としては、特に限定
されず、例えば、不連続な円環形状、台形状、長方形状
等が挙げられる。なお、複数の開口20の形状は、同一
の形状で統一することが望ましい。開口20より支持容
器10内に導入される空気の流れを均一にすることがで
き、効率的にセラミック基板21を冷却することができ
るからである。
【0030】さらに、支持容器10には、円筒形状の外
枠11の内側上部に、セラミック基板21と断熱リング
15とを支持する円環形状の基板支持部16が設けられ
ている。
【0031】なお、図1において、冷媒排出管13は、
板状体12に5個設けられており、冷媒供給管14は、
板状体12に2個設けられているが、本発明の半導体製
造・検査装置における冷媒排出管13および冷媒供給管
14の個数は、支持容器10の内径(すなわち、外枠1
1の内径)に合わせて適宜設定される。具体的には、上
記板状体12に設けられる冷媒供給管14の個数は2〜
20個程度が望ましく、冷媒排出管13の個数は、2〜
20個程度が望ましい。
【0032】冷媒排出管13の形成位置としては特に限
定されず、例えば、冷媒供給管14を板状体12の中心
付近に形成した場合、冷媒排出管13は、冷媒供給管1
4よりも外側に形成することが望ましい。支持容器10
上にセラミック基板を載置してホットプレートユニット
を形成した場合、冷媒供給管14または開口20から支
持容器10内に導入された冷媒または空気の流れを、支
持容器10の中心付近からその外周方向に向かって規則
的なものにすることができ、冷媒を効率よく外部へ排出
させることができるからである。また、同様の理由によ
り、冷媒供給管14を板状体12の外周付近に形成した
場合、冷媒排出管13は、板状体12の中心付近に形成
することが望ましい。なお、冷媒排出管13と冷媒供給
管14とは、あまり近くに形成しないことが望ましい。
冷媒供給管14により支持容器10内に供給された冷媒
がすぐに冷媒排出管13から外部に排出されてしまい、
セラミック基板21を迅速に冷却させることができない
からである。
【0033】冷媒供給管14の内径(冷媒供給管14の
平面形状が楕円や方形である場合は平均内径または一辺
の長さ)は、1〜50mmが望ましい。冷媒供給管14
の内径が1mm未満では、支持容器10内に適量の冷媒
を供給することができないため、セラミック基板21を
迅速に冷却することができず、冷媒供給管14の内径が
50mmを超えると、支持容器10内に供給する冷媒の
量が多くなりすぎ、コストが高くなってしまう。
【0034】また、冷媒排出管13の内径(冷媒排出管
13の平面形状が楕円や方形である場合は平均内径また
は一辺の長さ)は、1〜50mmが望ましい。冷媒排出
管13の内径が1mm未満では、支持容器10に供給し
た冷媒を排出しにくく、一方、冷媒排出管13の内径が
50mmを超えると、板状体12に大きな貫通孔が多数
形成されていることと同様な状態となり、板状体12の
遮熱板としての機能が損なわれてしまう。
【0035】上記冷媒は、板状体12に設けた冷媒供給
管14から支持容器10内に供給されるのであるが、上
記冷媒は、液体、気体のどちらであってもよいが、抵抗
発熱体22の短絡を防止する観点から気体であることが
望ましい。気体としては、例えば、窒素、アルゴン、ヘ
リウム、フロン等の不活性気体、空気等が挙げられる。
また、液体としては、例えば、水、エチレングリコール
等が挙げられる。
【0036】板状体12は、支持容器10の底部に設け
られており、遮熱板として機能する。通常、支持容器1
0の下部には制御機器や電源等を収めた制御装置が存在
しており、導電線28およびリード線26が、制御装置
内の制御機器に接続されている。このような、制御装置
等の精密機器類は高温に弱いため、ホットプレートユニ
ット100を使用する場合、セラミック基板21からの
放射熱を遮蔽し、精密機器類が収められた制御装置を保
護する必要がある。そのため、上記制御装置と、セラミ
ック基板21との間には、遮熱板として機能する板状体
12が設けられている。さらに、必要に応じ、制御装置
とホットプレートユニットとの間には、放熱フィンが介
装されることもある。
【0037】この際、このような構成のホットプレート
ユニット100を用いることにより、セラミック基板2
1の温度等を、精度よく制御することができ、半導体ウ
エハ19を目的とする温度に均一に加熱することができ
るとともに、上記制御装置もホットプレートユニット1
00(セラミック基板21)の熱から保護され、正常な
動作が可能となる。
【0038】板状体12は、金属、具体的にはステンレ
ス、アルミニウム、銅、スチール、ニッケル、貴金属か
ら選ばれる少なくとも1種以上の金属で構成されている
ことが望ましい。金属は熱伝導率が高く、比熱が低いた
め冷却しやすく、輻射熱によりセラミック基板21の冷
却を阻害しないからである。
【0039】板状体12の厚さは、0.1〜5mmが好
ましい。0.1mm未満では、強度に乏しく、5mmを
超えると熱容量が大きくなるからである。
【0040】このような板状体12には、複数の冷媒排
出管13が固定されており、冷媒供給管14または開口
20から支持容器10内に供給された冷媒または空気
は、この冷媒排出管13から外部に排出される。
【0041】また、板状体12のほかに、中底板(図示
せず)を設けてもよい。中底板は、配線等の固定や遮熱
等を目的として設けられるものであるが、本発明のホッ
トプレートユニットにおいて、支持容器10に中底板は
設けられていてもよく、設けられていなくてもよい。ま
た、中底板には、底部12に固定されている冷媒排出管
13、冷媒供給管14、リフターピン(図示せず)を保
護するガイド管15等の邪魔にならないように貫通孔が
形成されている。
【0042】外枠11は円筒形状であり、その内側底部
に板状体12が設けられるとともに、その内側上部には
円環状の基板支持部16が設けられている。外枠11の
内径および基板支持部16の大きさは、セラミック基板
21の大きさ等に合わせて適宜決定されるが、その厚さ
は、0.1〜5mmが望ましい。厚さが0.1mm未満
であると、強度に乏しく、一方、厚さが5mmを超える
と熱容量が大きくなる。
【0043】また、外枠11および基板支持部16の材
質としては、金属、具体的にはステンレス、アルミニウ
ム、銅、スチール、ニッケル、貴金属から選ばれる少な
くとも1種以上の金属で構成されていることが望まし
い。金属は熱伝導率が高く、比熱が低いため冷却しやす
く、輻射熱によりセラミック基板21の冷却を阻害しな
いからである。
【0044】セラミック基板21の材料は特に限定され
ないが、例えば、窒化物セラミック、炭化物セラミッ
ク、酸化物セラミック等が挙げられる。
【0045】上記窒化物セラミックとしては、金属窒化
物セラミック、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ
素、窒化ホウ素等が挙げられる。また、上記炭化物セラ
ミックとしては、金属炭化物セラミック、例えば、炭化
ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化タンタル等が挙げられ
る。
【0046】上記酸化物セラミックとしては、金属酸化
物セラミック、例えば、アルミナ、ジルコニア、コージ
ェライト、ムライト等が挙げられる。これらのセラミッ
クは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0047】これらのセラミックの中では、窒化物セラ
ミック、炭化物セラミックの方が酸化物セラミックに比
べて望ましい。熱伝導率が高いからである。また、窒化
物セラミックの中では窒化アルミニウムが最も好適であ
る。熱伝導率が180W/m・Kと最も高いからであ
る。
【0048】なお、セラミック基板として窒化物セラミ
ックまたは炭化物セラミック等を使用する際、必要によ
り、絶縁層を形成してもよい。窒化物セラミックは酸素
固溶等により、高温で体積抵抗値が低下しやすく、ま
た、炭化物セラミックは特に高純度化しない限り導電性
を有しており、絶縁層を形成することにより、高温時ま
たは不純物を含有していても、抵抗発熱体22間の短絡
を防止して温度制御性を確保することができるからであ
る。
【0049】上記絶縁層としては、酸化物セラミックが
望ましく、具体的には、シリカ、アルミナ、ムライト、
コージェライト、ベリリア等を使用することができる。
このような絶縁層としては、アルコキシドを加水分解重
合させたゾル溶液をセラミック基板にスピンコートして
乾燥、焼成を行ったり、スパッタリング、CVD等で形
成してもよい。また、セラミック基板表面を酸化処理し
て酸化物層を設けてもよい。
【0050】上記絶縁層の厚さは、0.1〜1000μ
mであることが望ましい。0.1μm未満では、絶縁性
を確保することができず、一方、1000μmを超える
と、抵抗発熱体22からセラミック基板21への熱伝導
性を阻害してしまうことがある。さらに、上記絶縁層の
体積抵抗率は、セラミック基板21の体積抵抗率の10
倍以上(同一測定温度)であることが望ましい。10倍
未満では、抵抗発熱体22の短絡を防止することができ
ないからである。
【0051】また、上記セラミック材料は、焼結助剤を
含有していてもよい。上記焼結助剤としては、例えば、
アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類
酸化物等が挙げられる。これらの焼結助剤のなかでは、
CaO、Y23 、Na2 O、Li2 O、Rb2 Oが好
ましい。これらの含有量としては、0.1〜10重量%
が好ましい。また、アルミナを含有していてもよい。
【0052】セラミック基板21は、明度がJIS Z
8721の規定に基づく値でN6以下のものであるこ
とが望ましい。このような明度を有するものが輻射熱
量、隠蔽性に優れるからである。また、このようなセラ
ミック基板は、サーモビュアにより、正確な表面温度測
定が可能となる。
【0053】ここで、明度のNは、理想的な黒の明度を
0とし、理想的な白の明度を10とし、これらの黒の明
度と白の明度との間で、その色の明るさの知覚が等歩度
となるように各色を10分割し、N0〜N10の記号で
表示したものである。そして、実際の測定は、N0〜N
10に対応する色票と比較して行う。この場合の小数点
1位は0または5とする。
【0054】このような特性を有するセラミック基板2
1は、セラミック基板中にカーボンを50〜5000p
pm含有させることにより得られる。カーボンには、非
晶質のものと結晶質のものとがあり、非晶質のカーボン
は、セラミック基板の高温における体積抵抗率の低下を
抑制することでき、結晶質のカーボンは、セラミック基
板の高温における熱伝導率の低下を抑制することができ
るため、その製造する基板の目的等に応じて適宜カーボ
ンの種類を選択することができる。
【0055】非晶質のカーボンとしては、例えば、C、
H、Oだけからなる炭化水素、好ましくは、糖類を、空
気中で焼成することにより得ることができ、結晶質のカ
ーボンとしては、グラファイト粉末等を用いることがで
きる。また、アクリル系樹脂を不活性雰囲気(窒化ガ
ス、アルゴンガス)下で熱分解させた後、加熱加圧する
ことによりカーボンを得ることができるが、このアクリ
ル系樹脂の酸価を変化させることにより、結晶性(非晶
性)の程度を調整することができる。
【0056】また、セラミック基板21は、円板形状が
好ましく、直径200mm以上が望ましく、250mm
以上が最適である。円板形状のセラミック基板は、温度
の均一性が要求されるが、直径の大きな基板ほど、温度
が不均一になりやすいからである。
【0057】セラミック基板21の厚さは、50mm以
下が好ましく、20mm以下がより好ましい。また、1
〜10mmが最適である。厚みは、薄すぎると高温での
反りが発生しやすく、厚すぎると熱容量が大きくなり過
ぎて昇温降温特性が低下するからである。また、セラミ
ック基板21の気孔率は、0または5%以下が望まし
い。高温での熱伝導率の低下、反りの発生を抑制できる
からである。このような、セラミック基板21は、20
0℃以上で使用することができる。
【0058】また、セラミック基板21には、図1に示
すように、被加熱物を載置する加熱面の反対側から加熱
面に向けて有底孔24を設けるとともに、有底孔24の
底を抵抗発熱体22よりも相対的に加熱面に近く形成
し、この有底孔24に熱電対等の測温素子27を設ける
ことが望ましい。
【0059】また、有底孔24の底とセラミック基板2
1の加熱面との距離は、0.1mm〜セラミック基板2
1の厚さの1/2であることが望ましい。これにより、
測温場所が抵抗発熱体22よりもセラミック基板21の
加熱面に近くなり、より正確な半導体ウエハの温度の測
定が可能となるからである。
【0060】有底孔24の底とセラミック基板21の加
熱面との距離が0.1mm未満では、放熱してしまい、
セラミック基板21の加熱面に温度分布が形成され、厚
さの1/2を超えると、抵抗発熱体22の温度の影響を
うけやすくなり、温度制御ができなくなり、やはりセラ
ミック基板21の加熱面に温度分布が形成されてしまう
からである。
【0061】有底孔24の直径は、0.3〜5mmであ
ることが望ましい。これは、大きすぎると放熱性が大き
くなり、また、小さすぎると加工性が低下してセラミッ
ク基板21の加熱面との距離を均等にすることができな
くなるからである。
【0062】有底孔24は、図1に示すように、セラミ
ック基板21の中心に対して対称で、かつ、十字を形成
するように複数配列することが望ましい。これは、加熱
面全体の温度を測定することができるからである。
【0063】測温素子27としては、例えば、熱電対、
白金測温抵抗体、サーミスタ等が挙げられる。また、上
記熱電対としては、例えば、JIS−C−1602(1
980)に挙げられるように、K型、R型、B型、E
型、J型、T型熱電対が挙げられる。これらのなかで
は、K型熱電対が好ましい。
【0064】上記熱電対の金属線の接合部位の大きさ
は、各金属線の素線径と同一か、もしくは、それよりも
大きく、かつ、0.5mm以下がよい。このような構成
によって、接合部分の熱容量が小さくなり、温度が正確
に、また、迅速に電流値に変換されるのである。このた
め、温度制御性が向上して半導体ウエハの加熱面の温度
分布が小さくなるのである。
【0065】断熱リング15は、ポリイミド樹脂、フッ
素樹脂、ベンゾイミダゾール樹脂から選ばれる少なくと
も1種以上の樹脂、あるいは繊維補強した樹脂で構成さ
れていることが望ましい。繊維補強した樹脂としては、
ガラス繊維のファイバーが分散した樹脂等を挙げること
ができる。繊維補強樹脂は、昇温しても軟化してセラミ
ック基板21が傾かないため、半導体ウエハを加熱面か
ら保持して加熱する場合に、離間距離を精度よく確保で
きる。
【0066】また、本発明の半導体製造・検査装置(ホ
ットプレートユニット100)において、抵抗発熱体2
2は、セラミック基板21の底面に形成されているが、
この場合、抵抗発熱体22の表面には、金属被覆層20
0が形成されていることが望ましい。内部の金属焼結体
が酸化されて抵抗値が変化するのを防止するためであ
る。形成する金属被覆層の厚さは、0.1〜10μmが
好ましい。
【0067】上記金属被覆層を形成する際に使用される
金属は、非酸化性の金属であれば特に限定されないが、
具体的には、例えば、金、銀、パラジウム、白金、ニッ
ケル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、ニッケ
ルが好ましい。なお、後述するが、抵抗発熱体をセラミ
ック基板の内部に形成する場合には、抵抗発熱体表面が
酸化されることがないため、被覆は不要である。
【0068】本発明の半導体製造・検査装置に係るセラ
ミック基板は、図4に示すように、その内部に抵抗発熱
体が形成されたものであってもよい。
【0069】図4(a)は、その内部に抵抗発熱体が形
成されたセラミック基板の一例を模式的に示す平面図で
あり、(b)は、その部分拡大断面図である。
【0070】図4(a)に示した通り、セラミック基板
41の内部には、セラミック基板41の最外周に、屈曲
線の繰り返しパターンである抵抗発熱体42a〜42d
が配置され、その内部にも、抵抗発熱体42a〜42d
と同形状の屈曲線の繰り返しパターンである抵抗発熱体
42e〜42hおよび42i〜42lが配置されてい
る。
【0071】また、図4(b)に示すように、抵抗発熱
体42は、セラミック基板41の内部に埋設されている
ため、抵抗発熱体42の端部が存在する部分の真下には
スルーホール48が形成され、このスルーホール48
は、袋孔(図示せず)により外部に露出されるようにな
っている。そして、この袋孔に、外部端子43が嵌合さ
れ、ろう付け等によりスルーホール48と接続されてい
る。なお、この外部端子43には、図1に示したセラミ
ック基板21の外部端子23と同様、ソケットを介して
導電線が接続されており、この導電線は、制御装置や電
源等と導通が図られている(図示せず)。
【0072】本発明の半導体製造・検査装置において、
セラミック基板に形成される抵抗発熱体パターンは、図
2に示した屈曲線の繰り返しパターンと同心円形状の繰
り返しパターンとからなるものや、図4に示した屈曲線
の繰り返しパターンからなるもののほか、例えば、渦巻
き状のパターン、偏心円状のパターン等を挙げることが
でき、これらのパターンは、単独で形成してもよく、任
意に組み合わせてもよい。
【0073】なお、抵抗発熱体は、少なくとも2以上の
回路に分割されていることが望ましい。このように複数
の回路に分割することにより、各回路に投入する電力を
制御して発熱量を変えることができ、セラミック基板の
加熱面の温度を正確に制御することができるからであ
る。
【0074】また、抵抗発熱体は、貴金属(金、銀、白
金、パラジウム)、タングステン、モリブデン、ニッケ
ル等の金属、または、タングステン、モリブデンの炭化
物等の導電性セラミックからなるものであることが望ま
しい。抵抗値を高くすることが可能となり、断線等を防
止する目的で厚み自体を厚くすることができるととも
に、酸化しにくく、熱伝導率が低下しにくいからであ
る。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。
【0075】また、抵抗発熱体の厚さは、1〜50μm
が望ましく、1〜10μmがより好ましい。また、その
幅は、0.1〜20mmが好ましく、0.1〜5mmが
より好ましい。抵抗発熱体の厚さや幅を変化させること
により、その抵抗値を変化させることができるが、この
範囲が最も実用的だからである。抵抗発熱体の抵抗値
は、薄く、また、細くなるほど大きくなる。
【0076】なお、抵抗発熱体を図4のように、セラミ
ック基板の内部に設けると、加熱面と抵抗発熱体との距
離が近くなり、表面の温度の均一性が低下するため、抵
抗発熱体自体の幅を広げる必要がある。また、セラミッ
ク基板の内部に抵抗発熱体を設けるため、窒化物セラミ
ック等との密着性を考慮する必要性がなくなる。また、
抵抗発熱体を表面(底面)に設けると、加熱面と抵抗発
熱体との距離が遠くなり、表面の温度の均一性を向上さ
せることができる。また、冷却媒体を直接抵抗体に接触
させて熱交換できるため、セラミック基板の急速降温を
実現できる。
【0077】抵抗発熱体は、断面が方形、楕円形、紡錘
形、蒲鉾形状のいずれでもよいが、偏平なものであるこ
とが望ましい。偏平の方が加熱面に向かって放熱しやす
いため、加熱面への熱伝搬量を多くすることができ、加
熱面の温度分布ができにくいからである。なお、抵抗発
熱体は螺旋形状でもよい。
【0078】また、セラミック基板の内部に抵抗発熱体
を形成する場合、底面から厚さ方向に50%までの領域
に形成することが望ましい。加熱面に温度分布が発生す
るのを防止し、半導体ウエハを均一に加熱するためであ
る。
【0079】セラミック基板の底面または内部に抵抗発
熱体を形成するためには、金属や導電性セラミックから
なる導電ペーストを用いることが好ましい。すなわち、
セラミック基板の底面に抵抗発熱体を形成する場合に
は、通常、焼成を行って、セラミック基板を製造した
後、その表面に上記導体ペースト層を形成し、焼成する
ことより、抵抗発熱体を形成する。一方、図4に示すよ
うにセラミック基板の内部に抵抗発熱体を形成する場合
には、グリーンシート上に上記導電ペースト層を形成し
た後、グリーンシートを積層、焼成することにより、内
部に抵抗発熱体を形成する。
【0080】上記導体ペーストとしては特に限定されな
いが、導電性を確保するため金属粒子または導電性セラ
ミック粒子が含有されているほか、樹脂、溶剤、増粘剤
等を含むものが好ましい。
【0081】上記金属粒子や導電性セラミック粒子の材
料としては、上述したものが挙げられる。これら金属粒
子または導電性セラミック粒子の粒径は、0.1〜10
0μmが好ましい。0.1μm未満と微細すぎると、酸
化されやすく、一方、100μmを超えると、焼結しに
くくなり、抵抗値が大きくなるからである。
【0082】上記金属粒子の形状は、球状であっても、
リン片状であってもよい。これらの金属粒子を用いる場
合、上記球状物と上記リン片状物との混合物であってよ
い。
【0083】上記金属粒子がリン片状物、または、球状
物とリン片状物との混合物の場合は、金属粒子間の金属
酸化物を保持しやすくなり、抵抗発熱体とセラミック基
板との密着性を確実にし、かつ、抵抗値を大きくするこ
とができるため有利である。
【0084】上記導体ペーストに使用される樹脂として
は、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール
樹脂等が挙げられる。また、溶剤としては、例えば、イ
ソプロピルアルコール等が挙げられる。増粘剤として
は、セルロース等が挙げられる。
【0085】抵抗発熱体用の導体ペーストをセラミック
基板の表面に形成する際には、上記導体ペースト中に上
記金属粒子のほかに金属酸化物を添加し、上記金属粒子
および上記金属酸化物を焼結させたものとすることが好
ましい。このように、金属酸化物を金属粒子とともに焼
結させることにより、セラミック基板と金属粒子とをよ
り密着させることができる。
【0086】上記金属酸化物を混合することにより、セ
ラミック基板との密着性が改善される理由は明確ではな
いが、金属粒子表面や非酸化物からなるセラミック基板
の表面は、その表面がわずかに酸化されて酸化膜が形成
されており、この酸化膜同士が金属酸化物を介して焼結
して一体化し、金属粒子とセラミックとが密着するので
はないかと考えられる。また、セラミック基板を構成す
るセラミックが酸化物の場合は、当然に表面が酸化物か
らなるので、密着性に優れた導体層が形成される。
【0087】上記金属酸化物としては、例えば、酸化
鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B 23 )、アル
ミナ、イットリアおよびチタニアからなる群から選ばれ
る少なくとも1種が好ましい。これらの酸化物は、抵抗
発熱体の抵抗値を大きくすることなく、金属粒子とセラ
ミック基板との密着性を改善することができるからであ
る。
【0088】上記酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ
素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアの割
合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合、重
量比で、酸化鉛が1〜10、シリカが1〜30、酸化ホ
ウ素が5〜50、酸化亜鉛が20〜70、アルミナが1
〜10、イットリアが1〜50、チタニアが1〜50で
あって、その合計が100重量部を超えない範囲で調整
されていることが好ましい。これらの範囲で、これらの
酸化物の量を調整することにより、特にセラミック基板
との密着性を改善することができる。
【0089】上記金属酸化物の金属粒子に対する添加量
は、0.1重量%以上10重量%未満が好ましい。ま
た、このような構成の導体ペーストを使用して抵抗発熱
体を形成した際の面積抵抗率は、0.1mΩ/□〜10
Ω/□が好ましい。
【0090】面積抵抗率が0.1mΩ/□未満の場合、
発熱量を確保するために、抵抗発熱体パターンの幅を
0.1〜1mm程度と非常に細くしなければならず、こ
のため、パターンのわずかな欠け等で断線したり、抵抗
値が変動し、また、面積抵抗率が10Ω/□を超える
と、抵抗発熱体パターンの幅を大きくしなければ、発熱
量を確保できず、その結果、パターン設計の自由度が低
下し、加熱面の温度を均一にすることが困難となる。
【0091】このように、上記した半導体製造・検査装
置(ホットプレートユニット)を構成するセラミック基
板には、抵抗発熱体が設けられており、ヒータとしての
機能を有し、半導体ウエハ等の被加熱物を所定の温度に
加熱することができる。
【0092】以上、本発明の本半導体製造・検査装置に
係るセラミック基板として、セラミック基板に抵抗発熱
体のみが形成されたホットプレートを例にとって説明し
たが、本発明の半導体製造・検査装置に係るセラミック
基板の具体例としては、上記ホットプレートのほかに、
例えば、静電チャック、ウエハプローバ、サセプタ等が
挙げられる。
【0093】上記ホットプレート(セラミックヒータ)
は、セラミック基板の表面または内部に抵抗発熱体のみ
が設けられた装置であり、これにより、半導体ウエハ等
の被加熱物を所定の温度に加熱することができる。
【0094】一方、本発明の半導体製造・検査装置を構
成するセラミック基板の内部に導電層として静電電極を
設けた場合には、静電チャックとして機能する。上記静
電電極に用いる金属としては、例えば、貴金属(金、
銀、白金、パラジウム)、タングステン、モリブデン、
ニッケル等が好ましい。また、上記導電性セラミックと
しては、例えば、タングステン、モリブデンの炭化物等
が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。
【0095】図5(a)は、静電チャックに用いられる
セラミック基板を模式的に示す縦断面図であり、(b)
は、(a)に示したセラミック基板のA−A線断面図で
ある。この静電チャック用のセラミック基板では、セラ
ミック基板61の内部にチャック正負電極層62、63
が埋設され、それぞれスルーホール680と接続され、
その電極上にセラミック誘電体膜64が形成されてい
る。
【0096】一方、セラミック基板61の内部には、抵
抗発熱体66とスルーホール68とが設けられ、半導体
ウエハ19等の被加熱物を加熱することができるように
なっている。なお、セラミック基板61には、必要に応
じて、RF電極が埋設されていてもよい。
【0097】また、(b)に示したように、セラミック
基板61は、通常、平面視円形状に形成されており、セ
ラミック基板61の内部に(b)に示した半円弧状部6
2aと櫛歯部62bとからなるチャック正極静電層62
と、同じく半円弧状部63aと櫛歯部63bとからなる
チャック負極静電層63とが、互いに櫛歯部62b、6
3bを交差するように対向して配置されている。
【0098】このような構成のセラミック基板が図1に
示した支持容器10と略同じ構造および機能を有する支
持容器に嵌め込まれ、静電チャックとして動作する。こ
の際、チャック正極静電層62とチャック負極静電層6
3とに制御装置内の直流電源から延びた配線の+側と−
側を接続し、直流電圧を印加する。これにより、この静
電チャック上に載置された半導体ウエハが静電的に吸着
され、半導体ウエハに種々の加工を施すことが可能とな
る。
【0099】図6および図7は、他の静電チャックを構
成するセラミック基板の静電電極を模式的に示した水平
断面図であり、図6に示す静電チャック用のセラミック
基板210では、セラミック基板211の内部に半円形
状のチャック正極静電層212とチャック負極静電層2
13が形成されており、図7に示す静電チャック用のセ
ラミック基板220では、セラミック基板221の内部
に円を4分割した形状のチャック正極静電層222a、
222bとチャック負極静電層223a、223bとが
形成されている。また、2枚の正極静電層222a、2
22bおよび2枚のチャック負極静電層223a、22
3bは、それぞれ交差するように形成されている。な
お、円形等の電極が分割された形態の電極を形成する場
合、その分割数は特に限定されず、5分割以上であって
もよく、その形状も扇形に限定されない。
【0100】本発明の半導体製造・検査装置を構成する
セラミック基板の表面にチャックトップ導体層を設け、
内部の導体層として、ガード電極やグランド電極を設け
た場合には、ウエハプローバとして機能する。
【0101】図8は、本発明に係るウエハプローバを構
成するセラミック基板の一実施形態を模式的に示した断
面図であり、図9は、その平面図であり、図10は、図
8に示したウエハプローバにおけるA−A線断面図であ
る。
【0102】このウエハプローバでは、平面視円形状の
セラミック基板3の表面に同心円形状の溝8が形成され
るとともに、溝8の一部に半導体ウエハを吸引するため
の複数の吸引孔9が設けられており、溝8を含むセラミ
ック基板3の大部分に半導体ウエハの電極と接続するた
めのチャックトップ導体層2が円形状に形成されてい
る。
【0103】一方、セラミック基板3の底面には、半導
体ウエハの温度をコントロールするために、平面視同心
円形状の抵抗発熱体51が設けられている。抵抗発熱体
51の両端には、図示はしていないが、外部端子が接
続、固定されている。
【0104】また、セラミック基板3の内部には、スト
レイキャパシタやノイズを除去するために図10に示し
たような格子形状のガード電極6とグランド電極7(図
示せず)とが設けられている。なお、符号52は、電極
非形成部を示している。このような矩形状の電極非形成
部52をガード電極6の内部に形成しているのは、ガー
ド電極6を挟んだ上下のセラミック基板3をしっかりと
接着させるためである。
【0105】このような構成のセラミック基板が図1に
示したものと略同様の構造の支持容器に嵌め込まれ、ウ
エハプローバとして動作する。このウエハプローバで
は、セラミック基板3の上に集積回路が形成されたシリ
コンウエハ等の被加熱物を載置した後、このシリコンウ
エハにテスタピンを持つプローブカードを押し付け、加
熱、冷却しながら電圧を印加して導通テストを行うこと
ができる。
【0106】次に、本発明の半導体製造・検査装置を構
成するセラミック基板に、抵抗発熱体のみが形成され、
ホットプレート(セラミックヒータ)として機能するセ
ラミック基板の製造方法について説明し、さらに、この
ホットプレートを用いて半導体製造・検査装置(ホット
プレートユニット)を組み立てる方法を簡単に説明す
る。まず、底面に抵抗発熱体を有するセラミック基板を
備えた半導体製造・検査装置の製造方法について説明す
る(図1〜3参照)。
【0107】(1)セラミック基板の製造工程 上述した窒化アルミニウム等のセラミック粉末に必要に
応じてイットリア等の焼結助剤やバインダ等を配合して
スラリーを調製した後、このスラリーをスプレードライ
等の方法で顆粒状にし、この顆粒を金型等に入れて加圧
することにより板状等に成形し、生成形体(グリーン)
を作製する。スラリー調製時に、非晶質や結晶質のカー
ボンを添加してもよい。
【0108】次に、この生成形体を加熱、焼成して焼結
させ、セラミック製の板状体を製造する。この後、所定
の形状に加工することにより、セラミック基板21を製
造するが、焼成後にそのまま使用することができる形状
としてもよい。加圧しながら加熱、焼成を行うことによ
り、気孔のないセラミック基板21を製造することが可
能となる。加熱、焼成は、焼結温度以上であればよい
が、窒化物セラミックでは、1000〜2500℃であ
る。
【0109】次に、セラミック基板に、必要に応じて、
図示はしないが、半導体ウエハを支持するための支持ピ
ンを挿入する貫通孔となる部分、半導体ウエハを運搬等
するためのリフターピンを挿入する貫通孔25となる部
分、熱電対等の測温素子27を埋め込むための有底孔2
4となる部分等を形成する。
【0110】(2)セラミック基板に導体ペーストを印
刷する工程 導体ペーストは、一般に、金属粒子、樹脂、溶剤からな
る粘度の高い流動物である。この導体ペーストをスクリ
ーン印刷等を用い、抵抗発熱体を設けようとする部分に
印刷を行うことにより、導体ペースト層を形成する。ま
た、抵抗発熱体は、セラミック基板全体を均一な温度に
する必要があることから、例えば、図示したような、同
心円形状の繰り返しと屈曲線の繰り返し形状とを組み合
わせたパターンに印刷することが望ましく、また、複数
の屈曲線の繰り返しパターンや、同心円形状の繰り返し
パターンに印刷したものであってもよい。導体ペースト
層は、焼成後の抵抗発熱体22の断面が、方形で、偏平
な形状となるように形成することが望ましい。
【0111】(3)導体ペーストの焼成 セラミック基板21の底面に印刷した導体ペースト層を
加熱焼成して、樹脂、溶剤を除去するとともに、金属粒
子を焼結させ、セラミック基板21の底面に焼き付け、
抵抗発熱体22を形成する。加熱焼成の温度は、500
〜1000℃が好ましい。
【0112】導体ペースト中に上述した金属酸化物を添
加しておくと、金属粒子、セラミック基板および金属酸
化物が焼結して一体化するため、抵抗発熱体とセラミッ
ク基板との密着性が向上する。
【0113】(4)金属被覆層の形成 抵抗発熱体22表面には、金属被覆層200を設けるこ
とが望ましい。金属被覆層200は、電解めっき、無電
解めっき、スパッタリング等により形成することができ
るが、量産性を考慮すると、無電解めっきが最適であ
る。
【0114】(5)端子等の取り付け 抵抗発熱体22の回路の端部に、外部端子23を半田等
により取り付ける。また、有底孔24に熱電対等の測温
素子27を挿入し、ポリイミド等の耐熱樹脂、セラミッ
ク等で封止することにより、ホットプレート(セラミッ
クヒータ)として機能するセラミック基板21の製造を
終了する。
【0115】(6)支持容器の作製 次に、図1に示したような、その内側上部に円環形状の
基板支持部16と、その内側底部に板状体12とを有す
る支持容器10を作製する。支持容器10は、有底円筒
形状であり、外枠11と板状体12とを一体として形成
することが望ましい。また、板状体12には、複数の冷
媒供給管14を設け、冷媒供給管14の周囲の板状体
に、複数の開口20を形成する。さらに、板状体12に
は、上述した冷媒供給管14とともに、冷媒排出管13
も設ける。
【0116】(7)半導体製造・検査装置(ホットプレ
ートユニット)の組み立て この後、得られたホットプレートとして機能するセラミ
ック基板21を、図1に示したように、断熱リング15
を介して、支持容器10の基板支持部16上に載置し、
ボルト18を介した固定金具17により、支持容器10
に固定する。そして、測温素子27に接続したリード線
26や、ソケット29を介して外部端子23と接続した
導電線28を板状体12通して外部へ引き出すことによ
り、ホットプレートユニット100の製造を完了する。
【0117】このようなホットプレートユニット100
を製造する際に、セラミック基板の内部に静電電極を設
けることにより静電チャックを製造することができ、ま
た、加熱面にチャックトップ導体層を設け、セラミック
基板の内部にガード電極やグランド電極を設けることに
よりウエハプローバを製造することができる。
【0118】次に、その内部に抵抗発熱体が形成され、
ホットプレートとして機能するセラミック基板の製造方
法を図11(a)〜(d)に示した断面図に基づき説明
し、さらに、このセラミック基板を用いて半導体製造・
検査装置(ホットプレートユニット)を組み立てる方法
を簡単に説明する。
【0119】(1)グリーンシートの作製工程 まず、窒化物セラミックの粉末をバインダ、溶剤等と混
合してペーストを調製し、これを用いてグリーンシート
を作製する。上述したセラミック粉末としては、窒化ア
ルミニウム等を使用することができ、必要に応じて、イ
ットリア等の焼結助剤を加えてもよい。また、グリーン
シートを作製する際、結晶質や非晶質のカーボンを添加
してもよい。
【0120】また、バインダとしては、アクリル系バイ
ンダ、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニ
ルアルコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。
さらに溶媒としては、α−テルピネオール、グリコール
から選ばれる少なくとも1種が望ましい。
【0121】これらを混合して得られるペーストをドク
ターブレード法でシート状に成形してグリーンシート5
0を作製する。グリーンシート50の厚さは、0.1〜
5mmが好ましい。次に、得られたグリーンシートに、
必要に応じて、半導体ウエハを支持するための支持ピン
を挿入する貫通孔となる部分、半導体ウエハを運搬等す
るためのリフターピンを挿通する貫通孔となる部分、熱
電対等の測温素子を埋め込むための有底孔となる部分、
抵抗発熱体と外部端子とを接続するためのスルーホール
となる部分等を形成する。なお、上記支持ピンを挿入す
るための貫通孔や、リフターピンを挿通するための貫通
孔および測温素子を埋め込むための有底孔となる部分
は、後述するグリーンシート積層体を形成した後に、上
記加工を行ってもよく、焼結体とした後に、上記加工を
行ってもよい。
【0122】(2)グリーンシート上に導体ペーストを
印刷する工程 グリーンシート50上に、金属ペーストまたは導電性セ
ラミックを含む導体ペーストを印刷し、抵抗発熱体42
となる導体ペースト層420、スルーホール48となる
部分に導体ペーストを充填し、充填層480を形成す
る。これらの導電ペースト中には、金属粒子または導電
性セラミック粒子が含まれている。上記金属粒子である
タングステン粒子またはモリブデン粒子等の平均粒子径
は、0.1〜5μmが好ましい。平均粒子が0.1μm
未満であるか、5μmを超えると、導体ペーストを印刷
しにくいからである。
【0123】このような導体ペーストとしては、例え
ば、金属粒子または導電性セラミック粒子85〜87重
量部;アクリル系、エチルセルロース、ブチルセロソル
ブ、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種
のバインダ1.5〜10重量部;および、α−テルピネ
オール、グリコールから選ばれる少なくとも1種の溶媒
を1.5〜10重量部を混合した組成物(ペースト)が
挙げられる。
【0124】(3)グリーンシートの積層工程 上記(1)の工程で作製した導体ペーストを印刷してい
ないグリーンシート50を、上記(2)の工程で作製し
た導体ペースト層420、充填層480を印刷したグリ
ーンシート50の上下に積層する(図11(a))。こ
のとき、上側に積層するグリーンシート50の数を下側
に積層するグリーンシート50の数よりも多くして、導
体ペースト層420の形成位置を底面の方向に偏芯させ
る。具体的には、上側のグリーンシート50の積層数は
20〜50枚が、下側のグリーンシート50の積層数は
5〜20枚が好ましい。
【0125】(4)グリーンシート積層体の焼成工程 グリーンシート積層体の加熱、加圧を行い、グリーンシ
ート50および内部の導体ペーストを焼結させ、セラミ
ック基板41を作製する。加熱温度は、1000〜20
00℃が好ましく、加圧の圧力は、10〜20MPaが
好ましい。加熱は、不活性ガス雰囲気中で行う。不活性
ガスとしては、例えば、アルゴン、窒素等を使用するこ
とができる。
【0126】次に、上記グリーンシートの作製工程で、
測温素子を挿入するための有底孔や、リフターピンを挿
通するための貫通孔を設けなかった場合、ここで、有底
孔44や貫通孔45を設け(図11(b))、続いて、
外部端子を挿入するための袋孔49等を設ける(図11
(c))。有底孔44、貫通孔45および袋孔49は、
表面研磨後に、ドリル加工やサンドブラスト等のブラス
ト処理を行うことにより形成することができる。
【0127】(5)端子等の取り付け 次に、袋孔49より露出したスルーホール48に、外部
端子43を半田やろう材等により取り付ける(図11
(d))。また、有底孔44に熱電対等の測温素子を挿
入し、ポリイミド等の耐熱樹脂、セラミック等で封止す
る(図示せず)ことで、その内部に抵抗発熱体が形成さ
れたセラミック基板の製造を終了する。なお、加熱温度
は、半田処理の場合には90〜450℃が好適であり、
ろう材での処理の場合には、900〜1100℃が好適
である。
【0128】この後、得られたセラミック基板を、上述
したその底面に抵抗発熱体を有するセラミック基板を備
えたホットプレートユニットの製造方法における
(6)、(7)と同様の工程を経ることで、ホットプレ
ートユニットの製造を完了する。
【0129】このようなホットプレートユニットを製造
する際に、セラミック基板の内部に抵抗発熱体を形成す
るとともに、静電電極を設けることにより静電チャック
を製造することができ、また、加熱面にチャックトップ
導体層を設け、セラミック基板の内部に抵抗発熱体とと
もに、ガード電極やグランド電極を設けることによりウ
エハプローバを製造することができる。
【0130】セラミック基板の内部に静電電極、ガード
電極およびグランド電極を設ける場合には、抵抗発熱体
を形成する場合と同様にグリーンシートの表面に導体ペ
ースト層を形成すればよい。また、セラミック基板の表
面にチャックトップ導体層を形成する場合には、スパッ
タリング法やめっき法を用いることができ、これらを併
用してもよい。
【0131】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明する。 (実施例1)半導体製造・検査装置(ホットプレートユ
ニット)の製造 (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
1.1μm)100重量部、酸化イットリウム(Y2
3 :イットリア、平均粒径:0.4μm)4重量部、ア
クリル系樹脂バインダ11.5重量部およびアルコール
からなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末
を作製した。
【0132】(2)次に、この顆粒状の粉末を断面が六
角形状の金型に入れ、六角形の平板状に成形して生成形
体(グリーン)を得た。 (3)加工処理の終わった生成形体を温度:1800
℃、圧力:20MPaでホットプレスし、厚さが3mm
の窒化アルミニウム焼結体を得た。次に、この焼結体か
ら直径210mmの円板体を切り出し、セラミック製の
板状体(セラミック基板)とした。
【0133】次に、この板状体にドリル加工を施し、半
導体ウエハのリフターピンを挿入する貫通孔25となる
部分、熱電対を埋め込むための有底孔24となる部分
(直径:1.1mm、深さ:2mm)を形成した。
【0134】(4)上記(3)で得た焼結体の底面に、
スクリーン印刷にて導体ペーストを印刷した。印刷パタ
ーンは、図2に示したような同心円状と屈曲線の繰り返
しパターンとの組み合わせとした。導体ペーストとして
は、プリント配線板のスルーホール形成に使用されてい
る徳力化学研究所製のソルベストPS603Dを使用し
た。この導体ペーストは、銀−鉛ペーストであり、銀1
00重量部に対して、酸化鉛(5重量%)、酸化亜鉛
(55重量%)、シリカ(10重量%)、酸化ホウ素
(25重量%)およびアルミナ(5重量%)からなる金
属酸化物を7.5重量部含むものであった。また、銀粒
子は、平均粒径が4.5μmで、リン片状のものであっ
た。
【0135】(5)次に、導体ペーストを印刷したセラ
ミック基板を780℃で加熱、焼成して、導体ペースト
中の銀、鉛を焼結させるとともに焼結体に焼き付け、抵
抗発熱体22を形成した。銀−鉛の抵抗発熱体22は、
厚さが5μm、幅2.4mm、面積抵抗率が7.7mΩ
/□であった。
【0136】(6)硫酸ニッケル80g/l、次亜リン
酸ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、
ほう酸8g/l、塩化アンモニウム6g/lの濃度の水
溶液からなる無電解ニッケルめっき浴に上記(5)で作
製した焼結体を浸漬し、銀−鉛の抵抗発熱体22の表面
に厚さ1μmの金属被覆層(ニッケル層)を析出させ
た。
【0137】(7)電源との接続を確保するための外部
端子23を取り付ける部分に、スクリーン印刷により、
銀−鉛半田ペースト(田中貴金属社製)を印刷して半田
ペースト層を形成した。ついで、半田ペースト層の上に
コバール製の外部端子23を載置して、420℃で加熱
リフローし、外部端子23を抵抗発熱体22の表面に取
り付け、続いて導電線28を有するソケット29を外部
端子に取り付けた。
【0138】(8)温度制御のための熱電対を有底孔2
4に挿入し、ポリイミド樹脂を充填し、190℃で2時
間硬化させ、ホットプレートユニットを構成するセラミ
ック基板の製造を終了した。
【0139】この後、この抵抗発熱体22を有するセラ
ミック基板21を図1に示したような構成の支持容器1
0に断熱リング15を介して支持し、固定するととも
に、測温素子27(熱電対)からのリード線26および
抵抗発熱体22の端部からの導電線28を図1に示した
ように配設した。
【0140】この支持容器10はステンレス製であり、
外枠11の内径および板状体12の直径は220mmで
あり、厚さは1.5mmであった。また、断熱リング1
5は、ガラス繊維で補強されたフッ素樹脂である。ま
た、ボルト18、固定金具17、冷媒排出管13、冷媒
供給管14もステンレス製である。
【0141】また、板状体には、直径10mmの内径を
有する冷媒供給管14を13個設け、冷媒供給管14か
ら半径L/4以内の領域の板状体には、図12に示すよ
うな、分割された円環形状の開口81を設けた。また、
冷媒供給管14から半径L/3〜L/2の領域について
も、開口81を形成した。
【0142】図12(a)は、支持容器を構成する板状
体の一例を模式的に示す平面図であり、(b)は、
(a)の拡大図であり、開口81を破線で示している。
図12(a)に示すように、冷媒供給管14の周囲の板
状体80には、複数の開口81が設けられており、冷媒
供給管14から半径L/4以内の領域、および、半径L
/3〜L/2の領域を(b)に図示している。なお、L
は冷媒供給管同士の距離であり、開口率とは、冷媒供給
管から半径L/4以内の領域、または、半径L/3〜L
/2の領域の面積に対する、これらの領域に設けられた
開口の合計面積の比の百分率をいう。本実施例では、L
=8mmであり、冷媒供給管14から半径L/4以内の
領域の開口率は43%、半径L/3〜L/2の領域の開
口率は47%であった。
【0143】(実施例2)半導体製造・検査装置(ホッ
トプレートユニット)の製造 (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径0.
4μm)4重量部、アクリルバインダ11.5重量部、
分散剤0.5重量部および1−ブタノールとエタノール
とからなるアルコール53重量部を混合したペーストを
用い、ドクターブレード法により成形を行って厚さ0.
47mmのグリーンシート50を得た。
【0144】(2)次に、このグリーンシート50を8
0℃で5時間乾燥させた後、パンチングにより直径1.
8mm、3.0mmおよび5.0mmの貫通孔をそれぞ
れ形成した。これらの貫通孔は、リフターピンを挿入す
るための貫通孔45となる部分、スルーホール48とな
る部分等である。 (3)平均粒子径1μmのタングステンカーバイド粒子
100重量部、アクリル系バインダ3.0重量部、α−
テルピネオール溶媒3.5重量部および分散剤0.3重
量部を混合して導体ペーストAを調整した。
【0145】平均粒子径3μmのタングステン粒子10
0重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テル
ピネオール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部
を混合して導体ペーストBを調整した。
【0146】この導体ペーストAをグリーンシートにス
クリーン印刷で印刷し、抵抗発熱体42となる導体ペー
スト層420を形成した。印刷パターンは、図4に示す
ように、屈曲線の繰り返しパターン(抵抗発熱体42a
〜42lに相当)とした。また、スルーホール48とな
る貫通孔部分に導体ペーストBを充填した。
【0147】上記処理の終わったグリーンシートに、印
刷処理を施していないグリーンシートを上側(加熱面)
に37枚、下側に13枚積層し、130℃、8MPa
(80Kg/cm2 )の圧力で一体化することにより積
層体を作製した(図11(a)参照)。
【0148】(4)次に、得られた積層体を窒素ガス
中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力15M
Pa(150kg/cm2 )で10時間ホットプレス
し、厚さ3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。これ
を210mmの円板状に切り出し、内部に厚さ6μm、
幅10mmの抵抗発熱体42を有するセラミック基板4
1とした。なお、スルーホール48の大きさは、直径
0.2mm、深さ0.2mmであった。
【0149】(5)さらに、得られた板状体の底面に、
マスクを載置し、SiC等によるブラスト処理で表面に
測温素子のための有底孔44を設け(図11(b)参
照)、また、ドリル加工により、直径5mm、深さ0.
5mmの袋孔49を形成し、スルーホール48を露出さ
せた(図11(c)参照)。
【0150】(6)スクリーン印刷により、袋孔49
に、銀−鉛半田ペースト(田中貴金属社製)を印刷して
半田層を形成した(図示せず)。ついで、半田層の上に
コバール製の外部端子43を載置して、420℃で加熱
リフローし、外部端子43をスルーホール48の表面に
取り付けた(図11(d)参照)。
【0151】温度制御のための測温素子を有底孔44に
はめ込み、セラミック接着剤(東亜合成社製 アロンセ
ラミック)を埋め込んで固定させ、ホットプレートユニ
ットを構成するセラミック基板の製造を終了した。
【0152】(7)次に、実施例1と同様にして、製造
したセラミック基板を、図1に示した支持容器10と同
様の支持容器に断熱リングを介して支持し、固定すると
ともに、抵抗発熱体42および測温素子からの配線を引
き出し、半導体製造・検査装置の製造を完了した。
【0153】また、上記板状体には、直径10mmの内
径を有する冷媒供給管を5個設け、冷媒供給管から半径
L/4以内の領域の板状体には、図12に示すような、
分割された円環形状の開口を設けた。また、冷媒供給管
からL/3〜L/2の領域についても開口を形成した。
なお、冷媒供給管から半径L/4以内の領域の開口率は
20%、半径L/3〜L/2の領域の開口率は20%で
あった。
【0154】(実施例3)冷媒供給管から半径L/4以
内の領域での開口率を98%、半径L/3〜L/2の領
域での開口率を98%とした以外は、実施例1と同様に
して半導体製造・検査装置を製造した。
【0155】(実施例4)冷媒供給管から半径L/4以
内の領域での開口率を18%、半径L/3〜L/2の領
域での開口率を18%とした以外は、実施例1と同様に
して半導体製造・検査装置を製造した。
【0156】(実施例5)冷媒供給管から半径L/4以
内の領域での開口率を25%、半径L/3〜L/2の領
域での開口率を0%とした以外は、実施例1と同様にし
て半導体製造・検査装置を製造した。
【0157】(実施例6)冷媒供給管から半径L/4以
内の領域での開口率を47%、半径L/3〜L/2の領
域での開口率を18%とした以外は、実施例1と同様に
して半導体製造・検査装置を製造した。
【0158】(比較例1)支持容器10を構成する板状
体12に開口20を設けなかった以外は、実施例1と同
様にして、半導体製造・検査装置を製造した。
【0159】(比較例2)支持容器を構成する板状体に
開口を設けなかった以外は、実施例2と同様にして、半
導体製造・検査装置を製造した。
【0160】評価方法 (1)降温時間 セラミック基板を200℃まで加熱した後、冷媒供給管
から冷媒(窒素)を支持容器内に供給し、100℃まで
降温するのに要する時間を測定した。結果を表1に示
す。
【0161】
【表1】
【0162】表1に示した結果より明らかなように、セ
ラミック基板を200℃から100℃まで降温するのに
要する時間は、実施例1〜6では、3〜8分であり、い
ずれの実施例でも降温時間は比較的短い。
【0163】これに対し、比較例1、2では、セラミッ
ク基板を200℃から100℃まで降温するのに要する
時間は、15分と長時間を要した。
【0164】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の支持容器
および半導体製造・検査装置によれば、冷媒供給管の周
囲の板状体に開口が形成されているため、支持容器の周
囲の空気が支持容器内に導入され、支持容器に設置され
たセラミック基板の冷却を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の半導体製造・検査装置の一
例であるホットプレートユニットを模式的に示す断面図
であり、(b)は、支持容器を構成する板状体を模式的
に示す斜視図である。
【図2】図1に示したセラミック基板の平面図である。
【図3】図1に示したセラミック基板の一部を拡大した
部分拡大断面図である。
【図4】(a)は、本発明の半導体製造・検査装置の一
例であるホットプレートユニットを構成するセラミック
基板の別の実施形態を模式的に示す平面図であり、
(b)は、(a)に示したセラミック基板の部分拡大断
面図である。
【図5】(a)は、静電チャックを構成するセラミック
基板を模式的に示す縦断面図であり、(b)は、(a)
に示したセラミック基板のA−A線断面図である。
【図6】静電チャックを構成するセラミック基板の別の
一例を模式的に示す水平断面図である。
【図7】静電チャックを構成するセラミック基板のさら
に別の一例を模式的に示す水平断面図である。
【図8】本発明の半導体製造・検査装置の一例であるウ
エハプローバを構成するセラミック基板を模式的に示す
断面図である。
【図9】図8に示したセラミック基板を模式的に示す平
面図である。
【図10】図8に示したセラミック基板のA−A線断面
図である。
【図11】(a)〜(d)は、本発明の半導体製造・検
査装置の一例であるホットプレートユニットを構成する
セラミック基板の製造方法の一部を模式的に示す断面図
である。
【図12】(a)は、本発明の支持容器を構成する板状
体の一例を模式的に示す平面図であり、(b)は、
(a)の拡大図である。
【符号の説明】
10 支持容器 11 外枠部 12 板状体 13 冷媒排出管 14 冷媒排出管 15 断熱リング 16 基板支持部 17 固定金具 18 ボルト 19 半導体ウエハ 20 開口 21 セラミック基板 22 抵抗発熱体 23 外部端子 24 有底孔 25 貫通孔 26 リード線 27 測温素子 28 導電線 29 ソケット 100 ホットプレートユニット
フロントページの続き Fターム(参考) 3L044 AA03 BA06 CA14 DA02 KA04 4M106 AA01 BA01 CA59 CA60 DJ02 5F031 CA02 HA02 HA10 HA16 HA18 HA37 HA38 HA39 MA28 MA32 MA33 NA04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック基板を支持する支持容器であ
    って、外枠の内側に板状体が一体又は別個に設けられ、
    前記板状体に冷媒供給管が固定されるとともに、前記冷
    媒供給管の周囲の板状体に開口が形成されていることを
    特徴とする支持容器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の支持容器にセラミック
    基板が支持固定されてなることを特徴とする半導体製造
    ・検査装置。
  3. 【請求項3】 前記セラミック基板の表面または内部に
    は、抵抗発熱体が設けられてなる請求項2に記載の半導
    体製造・検査装置。
  4. 【請求項4】 前記冷媒供給管は複数形成されてなると
    ともに、前記冷媒供給管同士の距離をLとするとき、冷
    媒供給管から半径L/4以内の領域の開口率が20%以
    上100%未満である請求項2または3に記載の半導体
    製造・検査装置。
  5. 【請求項5】 前記冷媒供給管は複数形成されてなると
    ともに、前記冷媒供給管同士の距離をLとするとき、冷
    媒供給管から半径L/3〜L/2の領域の開口率が20
    %以上100%未満である請求項2または3に記載の半
    導体製造・検査装置。
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