JP2003177602A - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

現像装置及び画像形成装置

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JP2003177602A
JP2003177602A JP2002288925A JP2002288925A JP2003177602A JP 2003177602 A JP2003177602 A JP 2003177602A JP 2002288925 A JP2002288925 A JP 2002288925A JP 2002288925 A JP2002288925 A JP 2002288925A JP 2003177602 A JP2003177602 A JP 2003177602A
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Keiko Igarashi
けい子 五十嵐
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像剤にかかる圧力を弱め、現像剤担持体表
面へのワックス分散型非磁性トナー粒子の埋め込みを防
止し、スリーブ汚染の発生を防止し、現像剤の良好な搬
送性を維持し、長期間安定して画質の良い画像が得られ
る現像装置及び画像形成装置を提供する。 【解決手段】 現像容器と、現像剤担持体と、現像剤層
厚規制部材と、前記現像容器から現像剤担持体への現像
剤の汲み上げと前記現像剤層厚規制部材との対向部にお
ける現像剤担持体上での現像剤の層厚規制のための磁界
の形成とを同時に行う磁極を有する磁界形成手段と、攪
拌手段とを有する現像装置であって、現像剤として、ワ
ックス分散型非磁性トナー粒子と磁性キャリアとを有す
る二成分現像剤を用い、現像剤担持体として、磁性キャ
リアの平均粒径をDとしたときに、表面の十点平均粗さ
(Rz)がD/6乃至D/2である現像剤担持体を用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、像担持体上に形成
された静電潜像に現像剤を付着させて可視像化する電子
写真方式や静電記録方式を用いた複写機及びレーザービ
ームプリンターなどの画像形成装置に使用される現像装
置に関し、特にその現像剤の搬送に使用する現像剤担持
体の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、カラー画像を形成する場合では一
般的に非磁性トナー粒子と磁性キャリアとを有する二成
分現像剤が用いられる。このような二成分現像剤を適用
する画像形成装置に適用される現像装置9としては、図
2に示すように、現像剤を収容する現像容器9aと、現
像容器9aの開口部に回転自在に設けられると共に像担
持体4に対向して配置され、像担持体4との対向部であ
る現像領域に現像剤を担持、搬送する現像剤担持体3
と、現像剤担持体3に対して非接触に配置され、現像剤
担持体3上に担持された現像剤の層厚を規制する現像剤
層厚規制部材2と、現像剤担持体3内に固定して配置さ
れ、現像容器9a内の現像剤の汲み上げ及び現像剤の層
厚規制のための磁界を現像剤層厚規制部材2との対向部
に形成する磁界形成手段13と、現像容器9a内の現像
剤を攪拌する攪拌手段11、12とを有する現像装置が
知られている。
【0003】現像容器9aに収容された二成分現像剤
は、上記の攪拌手段11、12により現像容器9a内で
往復循環するように攪拌される。また現像容器9a内の
二成分現像剤は、磁界形成手段13によって現像剤担持
体3上に汲み上げられ、現像剤担持体3の回転に伴って
S2極→N3極→S1極と搬送される。その搬送途上で
現像剤は、現像剤担持体3に対してS2極近傍にて現像
剤層厚規制部材2により規制され、現像剤担持体3上に
は現像剤の薄層が形成される。この現像剤はS1極によ
り穂立ちして像担持体4の静電潜像を現像し、その後N
1極及びN2極の反発磁界により現像剤担持体3から現
像容器9aに落下し回収される。
【0004】カラー画像形成用の現像剤(非磁性トナー
粒子)には、定着画像の透明性や低温定着性及び耐高温
オフセット性等の種々の特性に優れることが要求され、
これらの点を改善するために、特定の貯蔵弾性率を有す
るトナー粒子を用いたり、トナー粒子にワックスを含有
させたりしている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0005】一方で、定着画像の透明性や耐高温オフセ
ット性の向上については、画像の定着手法によって解決
しようとする技術が知られており、例えば加熱定着ロー
ラへシリコーンオイルやフッ素オイルの如きオイルを塗
布せしめる手法が知られている。しかしながら、このよ
うにして得られた定着画像は、その表面に余分のオイル
が付着している。またオイルが像担持体に付着して汚染
したり、オイルが定着ローラを膨潤し、定着ローラの寿
命を短くしたりする場合がある。また定着画像上へのオ
イルスジを発生させないため、オイルを均一にかつ定量
的に定着ローラ表面上に供給する必要性があり、定着装
置が大型化する傾向にある。このように上記手法には種
々の問題点が指摘される。上記の観点からオイルを用い
る定着は好ましくない場合があり、オイルレス定着を行
うためにはワックスを含有するトナー粒子を用いること
が、良好な特性を示すトナー粒子を構成する上で有利で
ある。
【0006】また二成分現像剤を用いる現像装置におけ
る現像剤担持体としては、均一な現像剤層の形成や現像
剤の搬送性の向上を実現するために、表面を粗面化処理
した現像剤担持体が知られている。現像剤担持体表面の
粗面化方法としては、二成分現像方式の場合には、形状
の統一がなされていない不定形粒子による不定形ブラス
ト法(サンドブラスト法)が従来から主として実施され
ている。
【0007】不定形ブラスト法とは、尖った角のある不
定形の砂、アルミナ粒子や酸化ケイ素等を高速で吹き付
けることにより金属表面に細かい凹凸を作るものであ
る。不定形ブラスト処理した現像剤担持体表面は拡大し
てみると、細かい溝が無数に存在した荒れた状態になっ
ている。このように不定形ブラスト処理した現像剤担持
体の表面は、粗面化されたことにより現像剤の搬送性は
向上することとなる。
【0008】しかしながら、カラー画像形成装置におい
て、ワックスを含有する非磁性トナー粒子を含む二成分
現像剤を、上記の不定形ブラスト処理済み現像剤担持体
を有する現像装置に適用した場合では、以下に示す問題
点が指摘される。
【0009】図2に示した従来の現像装置では、現像剤
層厚規制部材2によって規制され残った現像剤が現像剤
担持体3の回転方向上流側付近でS2極やN2極の磁力
により保持されて大量に溜まり、さらに現像剤担持体3
の回転に伴って次々と現像剤が搬送されるため、現像剤
層厚規制部材2の前記上流側では現像剤に対して大きな
圧力がかかりやすい。そのため、長時間使用すると、現
像剤の劣化や磁性キャリア表面へのトナー粒子の付着
(いわゆる「スペント現象」)が生じやすくなる。この
ような現象が生じると、非磁性トナー粒子の帯電量(い
わゆる「トリボ」)が使用時間と共に変化し画像濃度が
変化する傾向にあり、初期の画像と比べると使用に伴い
極めて印象の悪い画像が形成される場合がある。
【0010】またワックスを含有する現像剤は、ワック
スを含有しない現像剤に比べて、一般に現像剤担持体や
磁性キャリア表面への非磁性トナー粒子の付着が生じや
すく、現像剤の流動性の悪化や現像剤担持体表面へのト
ナー粒子の融着(以下、「スリーブ汚染」ともいう)が
起こりやすい傾向にある。特にワックスがトナー粒子表
面に存在しやすい粉砕トナー粒子やワックスを多く含有
する場合等ではより顕著となる。
【0011】また不定形ブラスト処理の現像剤担持体
は、その表面に細かい溝が多数存在する表面状態が形成
されるため、このような現像剤担持体を用いる場合で
は、長期間の使用により非磁性トナー粒子又はトナー粒
子中の成分が、現像剤担持体表面の細かな凹凸の谷に引
っかかり付着しやすい。現像剤担持体表面に付着したト
ナー粒子は、現像剤の層厚規制時における押圧等により
融着に至ることが懸念される。
【0012】特に、近年カラー複写機等の需要増大に伴
う複写機の高画質化への要求及び消費電力低減の要求に
応じて、非磁性トナー粒子の小粒径化及び低軟化点化が
行われるに従い、長期間の使用により非磁性トナー粒子
又はトナー粒子中の成分が現像剤担持体の表面の凹凸部
分に融着し、汚染に至る傾向がより強くなる。
【0013】現像剤担持体表面にトナー融着が生じる
と、まず、現像領域への現像剤の搬送量が低下し画像濃
度が低下しやすい。また、従来、良好な現像を行わせる
ために、現像時に現像剤担持体には交番電界(現像バイ
アス)が印加される場合が多いが、現像剤担持体表面に
トナー融着が生じると、現像剤担持体表面に融着物によ
る高抵抗層ができてしまい、現像時に現像剤担持体と像
担持体との間の現像領域に所望の電界が形成されず、そ
の結果、現像バイアスによる十分な現像効果が得られ
ず、画像濃度が低下したり、白抜けのような画像不良が
生じたりしやすくなる。
【0014】
【特許文献1】特開平11−84716号公報
【特許文献2】特開平5−61238号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、非磁
性トナー粒子と磁性キャリアとを有する二成分現像剤を
用いる画像形成において、二成分現像剤にかかる圧力を
弱め、現像剤担持体表面への非磁性トナー粒子の埋め込
みや融着を防止し、スリーブ汚染を防止し、現像剤担持
体による二成分現像剤の良好な搬送性を維持し、それに
よって長期間安定して画質の良い画像を得ることを可能
にした現像装置及び画像形成装置を提供することであ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、i)前記現像剤
を収容する現像容器と、 ii)該現像容器の開口部に回転自在に設けられ、前記現
像剤を担持して現像領域に現像剤を搬送する現像剤担持
体と、 iii)該現像剤担持体に対して非接触に配置され、現像剤
担持体上に担持された現像剤の層厚を規制する現像剤層
厚規制部材と、 iv)前記現像剤担持体内に内包され、且つ現像容器に固
定して配置されており、前記現像容器から現像剤担持体
への現像剤の汲み上げと、前記現像剤層厚規制部材との
対向部における現像剤担持体上での現像剤の層厚規制の
ための磁界の形成とを同時に行う磁極を有する磁界形成
手段と、 v)前記現像容器内の現像剤を攪拌する攪拌手段と、を有
する現像装置であって、前記現像剤は、結着樹脂、着色
剤、有機金属化合物及びワックスを少なくとも含み、平
均粒径が2〜10μmであるワックス分散型非磁性トナ
ー粒子と、磁性キャリアとを有する二成分現像剤であ
り、前記現像剤担持体は、球形粒子によって表面がブラ
スト処理され、前記磁性キャリアの平均粒径をDとした
ときに、現像剤担持体の表面の十点平均粗さ(Rz)が
D/6乃至D/2である現像装置に関する。また、本発
明は、上記の現像装置を用いた画像形成装置に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】本願の構成によれば、ワックス分
散型非磁性トナー粒子と磁性キャリアとを有する二成分
現像剤を用いる画像形成において、二成分現像剤にかか
る圧力を弱め、現像剤担持体表面へのワックス分散型非
磁性トナー粒子の埋め込みを防止し、スリーブ汚染を防
止し、現像剤担持体による二成分現像剤の良好な搬送性
を維持し、それによって長期間安定して画質の良い画像
を得ることを可能にした現像装置及び画像形成装置を提
供することができ、本発明の目的が達成される。
【0018】先ず、本発明における現像装置の一実施形
態及びこれを有する画像形成装置の一実施形態を添付図
面に従って説明する。なお、本発明は必ずしも以下に示
す形態に限られるものではない。まず全体構成として画
像形成装置について説明し、次いで現像装置について説
明する。
【0019】本実施の形態における画像形成装置は、図
1に示すように四つの画像形成ステーションを有する4
ステーションのレーザービームプリンターである。各画
像形成ステーションは、マゼンタ(m)、シアン
(c)、イエロー(y)及びブラック(k)の4色に対
応して設けられ、各画像形成ステーションは、それぞれ
の色の画像を現像し転写する手段であり、本実施の形態
における画像形成装置は、各画像形成ステーションPm
(マゼンタ)、Pc(シアン)、Py(イエロー)、P
k(ブラック)と、給紙トレイ50に貯えられている転
写材を各画像形成ステーションの転写位置に搬送する搬
送ベルト49aと、搬送ベルト49aによって搬送され
た転写材上の未定着トナー像を定着するための定着装置
51とを有している、いわゆるタンデム式の画像形成装
置である。転写材は、マゼンタ画像、シアン画像、イエ
ロー画像、ブラック画像が順に重ねられるように各画像
形成ステーションに搬送され、画像形成ステーションP
kの転写位置を過ぎた転写材は、定着装置51に搬送さ
れ、ここでトナー画像の定着を受け、排出トレイ52に
排出される。
【0020】各画像形成ステーションは、各色現像剤の
特性に応じて若干の違いはあるものの同様の構成とされ
ている。画像形成ステーションは、像担持体4(4m、
4c、4y、4k)と、像担持体4を帯電させる帯電手
段46(46m、46c、46y、46k)と、帯電し
た像担持体4に静電潜像を形成する画像露光手段47
(47m、47c、47y、47k)と、形成された静
電潜像を現像剤によって現像する現像装置9(9m、9
c、9y、9k)と、現像により形成されたトナー像を
像担持体4から転写材に静電転写させる転写手段49
(49m、49c、49y、49k)と、転写後の像担
持体4上に残留する転写残トナーを除去するためのクリ
ーニング手段48(48m、48c、48y、48k)
とを有している。
【0021】像担持体4は、アルミニウムやステンレス
鋼等の材質で円筒状に形成された回転自在な導電性基体
と、この導電性基体上に形成される感光層とを有する感
光体であり、像担持体4には、OPC感光体やアモルフ
ァスシリコン系感光体等、通常用いられる種々の感光体
を用いることができる。
【0022】帯電手段46は、像担持体4を非接触で帯
電させるコロナ放電式の帯電装置である。本発明では上
記帯電手段の他にも、帯電ローラ、帯電ブレード、導電
性ブラシ、磁気ブラシ等、従来知られている種々の帯電
部材を有する接触帯電装置を用いても良い。
【0023】画像露光手段47は、不図示のレーザ光源
と、このレーザ光源からのレーザ光を走査する回転ポリ
ゴンミラーと、走査ビームを像担持体4表面の母線上に
集光するfθレンズと、その光束を偏向する反射ミラー
と、走査ビームの特定位置を検出するビーム検出装置と
で構成されている。本発明では上記画像露光手段の他に
も、現像方式や像担持体の種類等に応じて、LED等、
従来知られている種々の画像露光手段を用いることがで
きる。
【0024】転写手段49は、帯電手段46と同様にコ
ロナ放電式の帯電装置である。本発明では上記転写手段
の他にも、帯電ローラや帯電ブレード等、従来知られて
いる種々の帯電部材を有する転写帯電装置を用いること
ができる。
【0025】クリーニング手段48は、像担持体4に向
けて開口する廃トナー容器と、この廃トナー容器の開口
部に設けられ像担持体4に当接するクリーニング部材と
を有する。クリーニング部材には従来知られているよう
に、ゴム板等の板状弾性部材で形成されるクリーニング
ブレードや、ゴム等の弾性材料で形成される弾性層を有
するクリーニングローラ等を用いることができる。
【0026】定着装置51は、加熱ローラと加圧ローラ
とから構成される一対のローラを有し、両ローラのニッ
プ部に転写材を導入し、加熱加圧によってトナー像を転
写材に定着させるローラ式加熱加圧定着装置である。本
発明では上記定着装置の他にも、ヒータによってトナー
を転写材に融着させるに当たり、熱伝導性及び離型性を
有するフィルムを転写材に当接させて未定着画像を定着
させるフィルム式の定着装置を用いても良い。
【0027】また本実施の形態における画像形成装置に
は、前述した構成の他にも、例えば搬送ベルト49aか
ら転写材を円滑に離間させるための帯電手段や、クリー
ニング後の像担持体4の静電履歴を除去するための前露
光手段等、従来知られている種々の構成を適用すること
が可能である。
【0028】次に本実施の形態における現像装置9の構
成について説明する。
【0029】本実施の形態における現像装置9は、図3
に示されるように、現像剤を収容する現像容器9aと、
現像容器9aの開口部に回転自在に設けられると共に像
担持体4に対向して配置され、現像剤を担持して像担持
体4との対向部である現像領域に現像剤を搬送する現像
剤担持体3と、現像剤担持体3に対して非接触に配置さ
れ、現像剤担持体3上に担持された現像剤の層厚を規制
する現像剤層厚規制部材2と、現像剤担持体3に内包さ
れ現像装置に固定して配置され、現像容器9aから現像
剤担持体3への現像剤の汲み上げ及び現像剤担持体3上
での現像剤の層厚規制のための磁界を現像剤層厚規制部
材2との対向部に形成する磁界形成手段13と、現像容
器9a内の現像剤を攪拌する攪拌手段11、12と、像
担持体4と現像剤担持体3の間に交番電界を形成するた
めの電界形成手段(図示せず)とを有する。また現像装
置9には、現像容器9a(好ましくは攪拌室17)に、
現像で消費された非磁性トナー粒子に見合った量の新規
非磁性トナー粒子を供給するためのトナー貯蔵室(図示
せず)が必要に応じて設けられる。
【0030】現像容器9aは、仕切り部材6によって仕
切られており、現像容器9aの開口部側に現像室16が
形成され、現像容器9aの奥側に攪拌室17が形成され
ている。それぞれの室には攪拌手段11及び12がそれ
ぞれ設けられている。
【0031】仕切り部材6には、図3において紙面に対
して手前側と奥側とに開口部が形成されている。また攪
拌室17に設けられている攪拌手段12による現像剤搬
送方向(攪拌方向)は、現像室16に設けられている攪
拌手段11による現像剤搬送方向(攪拌方向)とは反対
方向に設定されている。攪拌室17の現像剤は、仕切り
部材6の前記開口部の一方から現像室16へ攪拌手段1
2によって供給され、現像室16の現像剤は、仕切り部
材6の前記開口部の他方から攪拌室17へ攪拌手段11
によって供給され、現像容器9a及び攪拌手段11、1
2は、それぞれの室において二成分現像剤を攪拌し、か
つ現像容器9aに収容されている二成分現像剤をそれぞ
れの室に循環搬送し、均一化するように構成されてい
る。
【0032】なお攪拌手段11、12には、現像剤担持
体3の長手方向の現像容器9a全域において二成分現像
剤を攪拌、搬送可能な手段であれば特に限定されず、通
常用いられる種々の攪拌手段を適用することができ、例
えば回転はねやスクリュー等を例示することができる。
【0033】現像室16に収容されている二成分現像剤
は、攪拌手段11によって現像剤担持体3の長手方向全
域に沿って現像剤担持体3に向けて供給され、磁界形成
手段13のN2極に磁性キャリアが引き寄せられること
により現像剤担持体3上に担持される。そして二成分現
像剤は、N2極により汲み上げられると共に現像剤層厚
規制部材2による層厚の規制を受ける。適正な層厚に規
制された二成分現像剤は、磁性キャリアによる磁気ブラ
シを現像剤担持体3上に一様に形成し、現像領域に対向
するS1極による磁界に至り、その磁界中で磁気ブラシ
が像担持体4に接触する。一方で前述した電界形成手段
からは、像担持体4と現像剤担持体3との間に交番電界
を形成するために、現像剤担持体3から現像バイアスが
印加される。これらによりワックス分散型非磁性トナー
粒子が静電潜像に応じて像担持体4に移行することによ
って静電潜像を現像する。
【0034】現像領域を過ぎた現像剤担持体3上の二成
分現像剤(主に磁性キャリア)は、現像剤担持体3の回
転に伴い再び現像室16内へ搬送され、N1極とN2極
により形成される反発磁界によって、現像剤担持体3上
から現像室16内に落下する。現像室16内に落下した
二成分現像剤は、攪拌部材11によって攪拌、搬送さ
れ、また前述したトナー補給室からの新規ワックス分散
型非磁性トナー粒子の補給を受け、前述した循環により
均一化し、適正濃度の二成分現像剤として現像容器9a
内に収容されている状態となる。均一化した二成分現像
剤は現像室16において攪拌手段11によって搬送さ
れ、上記の現像プロセスを繰り返す。
【0035】なおトナー補給室からのワックス分散型非
磁性トナー粒子量は、例えば静電潜像として形成される
画像情報から算出される現像時の予想ワックス分散型非
磁性トナー粒子量や、形成された画像の画像濃度から算
出される計測結果等に基づき決めることができる。
【0036】また本発明では、現像剤担持体に対して非
接触に配置される現像剤層厚規制部材と、現像剤担持体
に内包され現像装置に固定して配置され、前記現像容器
から現像剤担持体への現像剤の汲み上げと、前記現像剤
層厚規制部材との対向部における現像剤担持体上での現
像剤の層厚規制のための磁界の形成とを同時に行う磁極
を有する磁界形成手段とを有することから、層厚規制前
において二成分現像剤にかかる圧力を弱め、ワックス分
散型非磁性トナー粒子の変形や融着を防止することがで
きる。
【0037】すなわち、N2極による磁界、及びN2極
と現像剤層厚規制部材との間に形成される集中磁界によ
って、現像剤層厚規制部材付近における現像剤担持体上
に現像剤を保持する構成であることから、現像剤層厚規
制部材上流側における現像剤担持体上に現像剤を拘束す
る力が、従来技術で示した図2の如き構成に比べて弱
く、現像剤層厚規制部材上流側に溜まった現像剤が落下
しやすいため、二成分現像剤にかかる圧力が弱められ
る。
【0038】また本発明においては、現像剤層厚規制部
材2が現像容器9aの開口部において略水平に設置さ
れ、かつ現像剤担持体断面における法線方向にほぼ沿っ
て設置されていることが好ましく、現像剤層厚規制部材
2の上流側に滞留する現像剤が現像室16まで直接落下
しやすく、現像剤にかかる圧力を弱める上でより効果的
である。
【0039】また、図6に示すような現像装置を用いる
こともできる。この現像装置は、図3に示した現像装置
とは現像剤担持体3の回転方向が逆方向であり、現像剤
層厚規制部材2が、現像容器9a内から外へ出ていく現
像剤担持体3表面の現像剤の層厚を規制するように、現
像容器9aの開口部下端縁に沿って設けられている点で
異なる。このような構成の現像装置は、例えば像担持体
としてアモルファスシリコン系感光体を用いる場合な
ど、高抵抗の磁性キャリアを用いることが必要となる場
合に有効な構成である。
【0040】上記高抵抗キャリアとは抵抗が1012〜1
15程度の磁性キャリアをいうが、この高抵抗キャリア
を用いると、低濃度と高濃度の画像が進行方向に向かっ
てこの順にあるとき、その濃度段差が生じる部分の低濃
度側における下流側に、白抜けと呼ばれる異常画像が発
生しやすくなる。また高濃度部に低濃度部が連続する場
合に、高濃度部の後端がさらに濃くなる、いわゆる掃き
寄せ現象の問題も発生しやすかった。このような問題点
については、上記のように像担持体4の回転方向と現像
剤担持体3の回転方向を、両担持体の表面が現像領域に
おいて逆方向(カウンター方向)に移動するように回転
駆動させることにより解消することができる。
【0041】一方でさらに上記の構成において、高磁化
磁性キャリアを用いると、掃き目跡(スキャベンジン
グ)という穂跡画像が発生しやすくなる。しかし、これ
の解消のために低磁化磁性キャリア(7.95775k
A/mの磁界中における磁化の強さが8〜50Am2
kg)を用いると、現像剤の搬送性が落ちる傾向にあ
る。
【0042】すなわち前述した構成の全てを採用した場
合では、現像剤の搬送性低下が主な問題点として残る
が、本発明で規定される条件の現像剤担持体を用い、か
つ上記構成の現像装置を用いることで、現像剤の良好な
搬送性を維持しつつ高抵抗低磁化磁性キャリアを利用す
ることが可能となる。
【0043】なお上記の現像装置における二成分現像剤
の挙動について説明すると、N1極で引き寄せられた現
像剤は、現像剤担持体3の回転によって現像剤担持体3
上に塗布される。現像剤担持体3上に塗布された現像剤
は、現像剤層厚規制部材2を通過して適正な現像剤層厚
に規制されて現像磁極S1極に至り、その磁界中で穂立
ちした現像剤が像担持体4上の静電潜像を現像する。そ
の後N3極、S2極、N2極と搬送され、N2極とN1
極との反発磁界により、現像剤担持体3上にある現像剤
は現像室16に容易に落下する。現像室16内に落下し
た現像剤は、攪拌手段11及び12により現像容器9a
内で攪拌搬送される。上記の現像プロセスが繰り返され
る。図6に示す現像装置においても、現像剤層厚規制部
材2上流側において現像剤が落下しやすい構成となって
おり、現像剤にかかる圧力を低減することができる。
【0044】本発明において用いることのできる現像剤
担持体3は、アルミニウムやステンレス鋼等の非磁性導
電性材料で形成された円筒状のスリーブである。現像剤
担持体3は、球状粒子によって表面がブラスト処理さ
れ、磁性キャリアの平均粒径をDとしたときに、現像剤
担持体3の表面の十点平均粗さ(Rz)がD/6乃至D
/2に表面処理されている。このような範囲に十点平均
粗さを調整することにより、現像剤担持体3表面へのト
ナー融着を防止し、かつ現像剤の良好な搬送性を維持す
ることが可能となる。なお上記十点平均粗さとは、JI
S B 0601による十点平均粗さ(Rz)であり、定
性的には凸凹の山と谷の高低差を表す。
【0045】十点平均粗さがD/6よりも小さいと、現
像剤担持体3の表面に形成される凹凸が細かいものとな
りワックス分散型非磁性トナー粒子が付着してトナー融
着を引き起こしやすくなる。十点平均粗さがD/2より
も大きいと、表面に形成される凹凸の凸部に相当するエ
ッジ部が非常に鋭くなり、また現像時における現像剤の
穂立ち形成にも影響が生じやすく、結果として画像に影
響を及ぼすことがある。
【0046】尚、十点平均粗さ(Rz)とは、図7に示
すように粗面化処理した表面の断面曲線Dから基準の長
さ(測定長さ)Lだけ切り取った部分において、最高か
ら5番目までの山頂の標高の平均値と最深から5番目ま
での谷底の標高の平均値との差の値をマイクロメートル
(μm)で表したものである。
【0047】また現像剤担持体3は、磁性キャリアの平
均粒径をDとしたときに、現像剤担持体の表面の平均山
間隔(Sm)がD/3乃至6D、さらにはD/2乃至3
Dであることが好ましい。トナー融着は細かい凹部にト
ナー粒子が入り込み、長期にわたってその状態が維持さ
れることにより磁性キャリアによる押圧等を受け発生す
るが、平均山間隔が上記範囲であればワックス分散型非
磁性トナー粒子と磁性キャリアとの接触性も維持され、
かつ現像剤の良好な搬送性も維持される。平均山間隔が
上記範囲よりも小さいとトナー融着が起きやすく、上記
範囲よりも大きいと現像剤の搬送性が低下しやすい。
【0048】なお上記平均山間隔は、図7に示すように
粗面化処理した表面の断面曲線Dから基準の長さ(測定
長さ)Lだけ切り取った部分において、その断面曲線の
中心線を横切る最初の山から谷への横断点から、次の山
から谷への横断点までの間隔をS1とし、それ以降の横
断点間隔をS2、S3、・・・、Sn(nは基準長さ中の山か
ら谷への横断点の総数を示す)としてその算術平均した
もので、下記式で表される。 (数1) 平均山間隔(Sm)=(S1+S2+・・・+Sn)/n(ただし
nは基準の長さ中における横断点の総数を示す。)
【0049】また現像剤担持体表面のブラスト処理は、
砥粒に球状粒子を用いて行われる。このように球状粒子
を砥粒に用いてブラスト処理を行うと、現像剤担持体の
表面に断面形状が弧状の凹凸が形成される。この凹凸の
高低差は前述したように規定されており、この凹部にワ
ックス分散型非磁性トナー粒子がはまっても磁性キャリ
アがこのワックス分散型非磁性トナー粒子の接触し再び
担持しやすく、現像剤の良好な搬送性とトナー融着の防
止とを実現することが可能となる。なお上記ブラスト処
理は、気流中に砥粒を導入し、これを現像剤担持体とな
る非磁性導電性円筒体に吹き付ける通常の方法によって
行うことができる。
【0050】ここで上記ブラスト処理に用いられる球状
粒子とは、粒子形状が球形又は略球形に整えられた砥粒
をいい、このような球状粒子としては、例えばガラスビ
ーズ、ステンレス鋼球、セラミック球、鋼球、フェライ
ト球等を例示することができ、非磁性の球状粒子を、現
像剤担持体の材質等に応じて用いることがより好まし
い。具体例を挙げると、本発明に用いられる球状粒子に
は市販品のものを用いることができ、このような球状粒
子として、FGB(フジガラスビーズ)#100〜#6
00程度のものを例示することができる。
【0051】球状粒子は、磁性キャリアの平均粒径をD
としたときに、球状粒子の平均粒径が1D乃至10Dで
あることが好ましい。球状粒子の平均粒径が上記範囲よ
りも小さいと、現像剤担持体表面に形成された凹凸の凹
部にはまりこんだワックス分散型非磁性トナー粒子の磁
性キャリアによる回収が行われにくく、また上記凹部に
磁性キャリアが入り込むには至らないことから現像剤の
搬送性の観点から好ましくない。また球状粒子の平均粒
径が上記範囲よりも大きいと、現像剤担持体上に形成さ
れる現像剤層にムラが生じて画像に影響を及ぼすことが
ある。
【0052】現像剤担持体の表面処理は、用いられる砥
粒を適切に選択することで達成でき、ブラスト工法を含
む表面処理工程には特に限定されないが、現像剤担持体
は、ダイヤモンド研磨によって表面が研磨された後、球
状粒子によるブラスト処理によって表面が処理されるこ
とが好ましい。また現像剤担持体は、球状粒子によるブ
ラスト処理によって表面が処理された後、無電界めっき
によって表面が処理されることが好ましい。
【0053】現像剤層厚規制部材2は、磁性材料で形成
されたブレード部材であり、断面形状において、現像剤
担持体3に対向する先端部に磁界を集中させ、現像剤担
持体3上の現像剤の層厚を規制する部材である。本発明
では非接触の規制部材が好ましく用いられる。なお磁界
の強度については、現像剤担持体3との距離や、現像剤
層厚規制部材2の先端部の形状(例えば断面形状を先細
りの形状にすることで磁界をより集中させる等)によっ
て調整することができる。
【0054】磁界形成手段13は、複数の磁極を有する
ロール状の磁石であり、現像剤層厚規制部材2に対向す
る位置にN2極が配置され、以下、現像剤担持体3の回
転方向に沿ってS2極、N3極、S1極及びN1極が配
置されている。本発明では磁界形成手段として上記の磁
石の他にも、所望の磁界を任意に形成可能な電磁石等の
磁界形成手段を用いることができる。
【0055】次に、本発明に用いられる二成分現像剤に
ついて説明する。本発明に用いられる二成分現像剤は、
結着樹脂、着色剤、有機金属化合物及びワックスを少な
くとも含み、平均粒径が2μm〜10μmであるワック
ス分散型非磁性トナー粒子と、磁性キャリアをと有す
る。なおワックス分散非磁性トナー粒子とは、トナー粒
子に含まれるワックスがトナー粒子全体に分散して存在
するものをいう。
【0056】ワックス分散型非磁性トナー粒子は、平均
粒径が2〜10μm、より好ましくは6〜9μmであ
る。平均粒径が上記範囲よりも小さいと帯電不良やトナ
ー融着の促進等による不都合が生じやすく、平均粒径が
上記範囲よりも大きいと画像再現性が低下する傾向にあ
る。ワックス分散型非磁性トナー粒子の平均粒径は、製
造過程において粗製品を分級することにより調整するこ
とができる。
【0057】ワックス分散型非磁性トナー粒子は、前述
した材料を含み、前記平均粒径を有するものであれば特
に限定されず、またその製造方法についても特に限定さ
れず、使用される材料や求められる物性等に応じて製造
方法を選択することができる。本発明では、ワックスの
表面存在量がより多いトナー粒子が生成しやすい粉砕法
においても優れた効果を発現することから、ワックス分
散型非磁性トナー粒子として、粉砕法により製造された
非磁性トナー粒子を好ましいトナー粒子として適用する
ことができる。
【0058】ワックス分散型非磁性トナー粒子に含まれ
る結着樹脂は、従来知られている種々の樹脂を用いるこ
とができ、ワックス分散型非磁性トナー粒子の帯電特性
や、低温定着性及び耐オフセット性等の定着特性(粉砕
法では機械的強度)等に応じて一種又は二種以上の樹脂
を用いることができる。このような結着樹脂として、よ
り具体的にはスチレン系樹脂、(メタ)アクリル酸系樹
脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体ポリエステ
ル樹脂等を例示することができる。
【0059】ワックス分散型非磁性トナー粒子に含まれ
る着色剤は、従来知られている非磁性の着色剤を用いる
ことができ、このような着色剤としては公知の色素や顔
料、カーボンブラック等が挙げられる。
【0060】ワックス分散型非磁性トナー粒子に含まれ
る有機金属化合物は荷電制御剤であり、従来荷電制御剤
として知られている金属化合物を用いることができ、例
えば、アゾ系金属錯体や、芳香族ジカルボン酸或いは芳
香族オキシカルボン酸の金属化合物等が挙げられる。特
に好ましくは、アゾ系鉄錯体、又は、ジ−tert−ブ
チルサリチル酸アルミニウム化合物である。
【0061】ワックス分散型非磁性トナー粒子に含まれ
るワックスは、低温定着性、耐オフセット性及び定着透
明性等の特性を向上させるために配合される。このよう
なワックスとしては従来種々のワックスが知られている
が、例えばパラフィン系ワックス、精製ノルマルパラフ
ィン、エステルワックス、パラフィン、ポリエチレン、
ポリプロピレン、これらの誘導体、及びこれらの混合物
が用いられる。
【0062】ワックス分散型非磁性トナー粒子には、そ
の他にも非磁性トナー粒子の特性を向上させるために種
々の添加物を配合することができる。
【0063】磁性キャリアは、平均粒径が30乃至80
μmであることが好ましい。磁性キャリアの平均粒径が
上記範囲よりも小さいとワックス分散型非磁性トナー粒
子を十分に担持することができなくなる傾向にあり、平
均粒径が上記範囲よりも大きいと、現像剤担持体上での
磁性キャリアの担持が不十分となる傾向にある。磁性キ
ャリアの平均粒径も分級によって調整することができ
る。
【0064】磁性キャリアとしては、磁性材料そのも
の、磁性材料の表面に樹脂をコートしたもの、磁性材料
の微粒子を樹脂中に分散したもの等、種々の形態が知ら
れているが、本発明では、十分な磁化の強さや抵抗を示
し、かつこれらの特性の調整が比較的容易なことから、
磁性材料の粒子に樹脂をコートしたものであることが好
ましい。磁性材料には、公知のもの、例えば表面酸化又
は未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガ
ン、クロム、希土類等の金属及びそれらの合金又は酸化
物及びフェライト等を使用することができ、好ましいも
のとしては、フェライト粒子が挙げられる。また磁性材
料をコートする樹脂には公知の樹脂を使用することがで
き、例えば、前述した結着樹脂やシリコーン樹脂等が好
適に用いられる。また、含窒素シリコーン樹脂、含窒素
シランカップリング剤とシリコーン樹脂とが反応した変
性シリコーン樹脂等も用いることができる。
【0065】また記磁性キャリアは、7.95775k
A/m(1kエルステッド)の磁界中における磁化の強
さが8乃至50Am2/kgであることが好ましい。上
記磁界中における磁性キャリアの磁化の強さが上記範囲
よりも小さいと現像剤担持体への担持が不十分となるこ
とがあり、磁化の強さが上記範囲よりも大きいと現像剤
担持体上における二成分現像剤の流動性が不十分とな
り、ワックス分散型非磁性トナー粒子の摩擦帯電が不十
分となることがある。上記磁化の強さは、前記磁性材料
の種類や、磁性材料の酸化処理等によって調整すること
ができる。
【0066】また磁性キャリアは、抵抗が107乃至1
15Ωcmであることが好ましい。磁性キャリアの抵抗
が上記範囲よりも小さいと静電潜像に対して現像時に電
荷の注入及びキャリア付着が生じやすくなる。また上記
範囲よりも大きい場合は、静電潜像の段差(濃度変化の
大きい画像の潜像)で、白抜けやはき寄せといった、電
界の向きによる弊害が発生しやすくなることがある。
【0067】なお本発明に用いられる二成分現像剤に
は、前述したワックス分散型非磁性トナー粒子と磁性キ
ャリアの他にも、例えばシリカやアルミナ、酸化チタン
等、二成分現像剤の流動性を向上させるための無機微粉
体や、酸化スズ等、二成分現像剤の帯電特性を調整する
ための導電性微粉体等の外添剤を配合しても良い。
【0068】以上の説明からわかるように、本実施の形
態では、二成分現像剤を用いる現像装置において、球状
粒子を砥粒とするブラスト処理によって、磁性キャリア
の平均粒径をDとしたときに、十点平均粗さがD/6乃
至D/2に表面が粗面化された現像剤担持体を用いるこ
とから、現像剤担持体表面へのワックス分散型非磁性ト
ナー粒子の埋め込みを防止し、現像剤担持体表面の凹凸
の凹部にワックス分散型非磁性トナー粒子が長期にわた
って留まり発生するトナー融着及びこれに起因するスリ
ーブ汚染を防止することができ、かつ二成分現像剤の良
好な搬送性を維持することができる。
【0069】本実施の形態における現像装置及び画像形
成装置によれば、ワックス分散型非磁性トナー粒子と磁
性キャリアとを有する二成分現像剤を用いる画像形成に
おいて、二成分現像剤にかかる圧力を弱め、現像剤担持
体表面へのワックス分散型非磁性トナー粒子の埋め込み
を防止し、トナー融着によるスリーブ汚染が生じること
がなく、現像剤担持体による二成分現像剤の良好な搬送
性を維持し、それによって長期間安定して画質の良い画
像を得ることができる。
【0070】なお、本発明に関する測定方法の一例を以
下に示す。
【0071】<ワックス分散型非磁性トナー粒子、磁性
キャリア、及び球状粒子の平均粒径測定>ワックス分散
型非磁性トナー粒子、磁性キャリア、及び球状粒子の平
均粒径は、篩い法によって測定することができる。篩い
法による上記平均粒径の測定方法の一例を以下に述べ
る。
【0072】まず試料約100gを0.1gの桁まで計
り取る。一方で100メッシュから400メッシュの標
準篩(以下単に「篩」という)を用意し、これらを上か
ら100、145、200、250、350、400の
大きさの順に積み重ね、底には受け皿を置き、一番上の
篩に上記試料を入れて蓋をする。蓋をしたら、これを振
動機によって、水平旋回数毎分285±6回、振動回数
毎分150±10回で15分間ふるう。ふるった後、各
篩を0.1gの桁まで計り取り、各篩の中にある試料を
重量を計り取る。各篩で計り取った試料を重量と、最初
に計り取った試料の全量から、各篩における試料につい
て重量百分率で少数第2位まで算出し、JIS−Z84
01によって少数第1位まで丸める。なお篩について
は、枠の寸法は篩面から上の内径が200mm、上面か
ら篩面までの深さが45mmであるものを用い、又各篩
における試料重量の総和は、最初に計り取った全試料重
量の99%以下であってはならない。
【0073】上記の測定結果から、平均粒径は以下の式
より求められる。 (数2) 平均粒径(μm)=1/100×[(100メッシュ篩の残
量)×140+(145メッシュ篩の残量)×122+(2
00メッシュ篩の残量)×90+(250メッシュ篩の残
量)×68+(350メッシュ篩の残量)×52+(400
メッシュ篩の残量)×38+(全篩通過量)×14]
【0074】<十点平均粗さ及び平均山間隔の測定>現
像剤担持体の十点平均粗さ(Rz)及び平均山間隔(S
m)は、接触式表面粗さ計((株)小坂研究所製:サー
フコーダーSE−3300)を用いて測定することが好
ましい。この測定装置を用いる利点としては、現像剤担
持体の十点平均粗さと平均山間隔とを一回の測定で同時
に測定することができる点である。測定方法の一例を挙
げるならば、カットオフ値を0.8mm、測定長さ(基
準の長さ)を2.5mm、送りスピードを0.1mm/
秒、倍率を5000倍に設定して上記装置にて測定す
る。
【0075】<磁化の強さの測定>磁性キャリアの磁化
の強さは、理研電子(株)社製の振動磁場型磁気特性自
動記録装置BHV−30を用いて測定することが好まし
い。この装置を用いて測定する具体的な操作としては、
7.95775kA/mの外部磁場を作り、そのときの
磁化の強さを下記の方法によって求める。
【0076】磁性キャリアの磁化の測定は、円筒状のプ
ラスチック容器に十分密になるようにパッキングした状
態に磁性キャリアを充填し、この状態で磁化モーメント
を測定し、試料を入れたときの実際の重量を測定して、
磁化の強さ(Am2/kg)を求める。また、磁性キャ
リア粒子の真比重を、例えば乾式自動密度計アキュピッ
ク1330(島津製作所(株)社製)等により求め、上
記のようにして得られた磁化の強さ(Am2/kg)に
真比重を掛けることで、単位体積あたりの磁化の強さを
求めることもできる。
【0077】<抵抗の測定>磁性キャリアの抵抗は、い
わゆる錠剤法によって測定することができる。好ましい
測定条件を一例として挙げるならば、磁性キャリアの抵
抗値は、測定面積が4cm2である電極、及び電極間の
間隙が0.4cmのサンドイッチタイプのセルを用い、
片方の電極に1kg重量(約9.8N)の荷重をかけ、
両電極間に印加電圧E(V/cm)を印加して、回路に
流れた電流から求められる。
【0078】
【実施例】本実施例では、図3に示した構成の現像装置
を用い、現像剤担持体の表面粗さとトナー融着との関連
について検討する。
【0079】本実施例で使用される二成分現像剤として
は、平均粒径が7.5μmのワックス分散型非磁性トナ
ー粒子と、平均粒径が50μmの磁性キャリアとを含む
シアン現像剤を用いた。ワックス分散型非磁性トナー粒
子としては、結着樹脂にはポリエステルユニットとビニ
ル系共重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂成
分を、着色剤には銅フタロシアニン顔料を、有機金属化
合物にはジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウ
ム化合物を、ワックスには脂肪酸炭化水素系ワックスを
配合したものを用いた。ワックス分散型非磁性トナー粒
子全量に対し、有機金属化合物は6質量%含有され、ワ
ックスは5質量%含有されていた。
【0080】磁性キャリアには、フェライトコアをシリ
コーン樹脂でコートした樹脂コート磁性キャリアを用い
た。この磁性キャリアの7.95775kA/mの磁界
中における磁化の強さは60〜70Am2/kgであ
り、抵抗は107〜108Ωcmであった。二成分現像剤
全量に対し上記のトナー粒子が7質量%となるように両
者を混合し、二成分現像剤を得た。
【0081】現像剤担持体には、材料及び砥粒の種類の
異なる四本の現像剤担持体を用意した。現像剤担持体の
材料としては、ステンレス鋼とアルミニウムを使用し
た。砥粒には定形(球形)ガラスビーズ(フジガラスビ
ーズ)を用いた。具体的には、#400メッシュの定形
ガラスビーズ(FGB#400)、#300メッシュの
定形ガラスビーズ(FGB#300)、及び#100メ
ッシュの定形ガラスビーズ(FGB#100)を用い
た。上記メッシュの分類は、JIS Z 8810による
粒度分布用ふるいとして規格化されている正方形網目の
標準ふるいの規格によるものであり、平均粒径は、#4
00メッシュのもので37μm、#300メッシュのも
ので50μm、#100メッシュのもので100μm程
度である。
【0082】また比較用として、#400メッシュの不
定形アルミナ粒子(ARD#400)を砥粒としてステ
ンレス製の円筒体にブラスト処理を行った現像剤担持体
を用意した。
【0083】上記現像剤担持体におけるブラスト処理
は、ブラスト対象の現像剤担持体を12rpmで回転さ
せ、この現像剤担持体から100mm離れた位置から、
直径7mmのブラストノズルを現像剤担持体の軸方向に
沿って平行に移動させながら、上記砥粒を含む気流を3
kg/cm2(約2.9×105Pa)の空気圧(ブラス
ト圧)で吹き付けた。このようにして現像剤担持体表面
をブラスト処理し、粗面を得た。ブラスト処理が終了し
た現像剤担持体は、表面を洗浄した後、乾燥した。ただ
し、回転速度、現像剤担持体からのブラストノズルの距
離、ブラスト圧等の条件は、現像剤担持体の材質等に応
じて若干変更を行った。
【0084】上記の二成分現像剤と現像剤担持体を図3
に示した現像装置にそれぞれ適用し、現像剤担持体上に
おける二成分現像剤の担持量として、初期M/S(単位
面積あたりの質量)を25mg/cm2、現像剤担持体
のスピードを500mm/secに設定し、この条件に
おいて現像剤担持体を180min空回転させ、空回転
後の現像剤担持体を評価した。評価として、空回転後に
おける現像剤担持体表面の汚染度合い(トナー融着)、
及び現像剤の搬送性(M/S(単位体積あたりの質量)
の変動)をみた。
【0085】上記着色度合い及び現像剤の搬送性につい
ての評価基準を以下に示す。また使用した現像剤担持体
の種類、十点平均粗さ(Rz)、平均山間隔(Sm)、
及び空回転後の評価結果を表1に示す。
【0086】<汚染度合い> A:スリーブ表面上に汚染なし。 B:小さい汚染がわずかにある。 C:汚染は進んでいるが、まだ地肌と半々レベル。 D:さらに汚染が進み、地肌のままの部分が汚染した部
分よりも少ない。
【0087】<現像剤の搬送性> A:現像剤のコートが安定で均一。 B:コートが不均一。
【0088】
【表1】
【0089】表1からわかるように、不定形粒子を用い
たブラスト処理を行った現像剤担持体にはトナー融着が
確認された。一方、定形ガラスビーズ粒子による定形ブ
ラスト処理を施した現像剤担持体では、不定形ブラスト
処理を行った現像剤担持体に比べ、現像剤担持体表面に
融着するワックス分散型非磁性トナー粒子の量も少なか
った。さらに、それらの現像器を用いて本体で画出しを
行った結果、不定形ブラスト処理を行った現像剤担持体
に比べ、定形ブラスト処理を施した現像剤担持体は、ス
リーブ汚染に起因する画質への影響も小さかった。
【0090】上記のトナー融着に関する違いが生じた理
由を調べるために、現像剤担持体表面を顕微鏡等により
拡大して観察してみると、不定形ブラスト処理を行った
現像剤担持体の表面には荒れた細かなギザギザの溝が観
察され、この溝に磁性キャリア等の押圧によりワックス
分散型非磁性トナー粒子が埋め込まれ、動きづらくなっ
たワックス分散型非磁性トナー粒子が現像剤層厚規制部
材等への圧縮などにより蓄熱し、長期間の使用後、融着
に至ると思われる。
【0091】一方で定形ブラスト処理を行った現像剤担
持体表面には、図4及び図5に示されるように、断面が
弧状の溝(凹凸)が形成されており、定形ガラスビーズ
によるブラスト処理を施した現像剤担持体の表面は、不
定形ブラスト処理した表面に比べ細かな凹凸も少なく、
現像剤担持体表面がワックス分散型非磁性トナー粒子の
融着で汚染されにくくなったと考えられる。
【0092】現像剤担持体表面に定形ガラスビーズ等に
よる定形ブラスト処理を施せば、現像剤担持体表面が平
滑になり、スリーブ汚染のレベルを低減できる。しか
し、現像剤担持体表面が平滑になると、現像剤の搬送性
が低下し像担持体に十分な現像剤を供給することが困難
になる可能性が懸念される。本実施例の検討範囲内では
初期の搬送性に差異は現れなかったが、耐久後、現像剤
の流動性が低下した状態では、Rzが大きい、又はガラ
スビーズの粒径が大きい場合の方が、現像剤の搬送性が
良好であった。
【0093】まとめると、表1の結果から、(1)現像
剤担持体表面の十点平均粗さ(Rz)の大小、又は
(2)砥粒の粒径の大小によって、現像剤担持体表面の
トナー汚染の発生や、現像剤の搬送性が異なることが分
かる。以下、これらの二点について考察する。
【0094】まず上記(1)については、表1から、R
zが大きいほど汚染度合いの評価が良くなり(トナー融
着が起こりにくくなり)、かつ現像剤の搬送性も良好で
あることがわかる。すなわち現像剤担持体表面の凹凸に
よる山と谷の高低差が大きいと、現像剤と現像剤担持体
表面との摩擦力が増して現像剤の搬送性が向上したと考
えられる。また定形ガラスビーズによるブラスト処理で
は、現像剤担持体表面の溝はほぼ球形であり、細かなギ
ザギザも少なく比較的滑らかな溝が形成される。そのた
め、一般に現像剤担持体の十点平均粗さRzの値を大き
くすることは、ワックス分散型非磁性トナー粒子が現像
剤担持体表面の凹部に引っ掛かりやすくなり、スリーブ
汚染がより促進されると考えられるが、上記溝の形状か
ら、ワックス分散型非磁性トナー粒子は溝に埋め込まれ
ることなく、融着にいたりにくいと考えられる。
【0095】さらに、上記の観点から、磁性キャリアや
砥粒に用いる定形球状粒子の種類なども含めて詳細な検
討を行った結果、十点平均粗さが大きすぎると、現像剤
担持体上に形成される現像剤の穂の形成に悪影響が及ぼ
され、結果として形成される画像にも悪影響が及ぼされ
ることがわかった。これは、現像剤担持体表面の凹凸の
凸部に相当するエッジ部が非常に鋭くなることなどが原
因の一つと考えられる。
【0096】このような検討から、現像剤担持体表面の
十点平均粗さRzは、磁性キャリアの平均粒径をDとし
たときに、D/6≦Rz≦D/2の範囲に入っているこ
とが良いことがわかった。十点平均粗さRzが上記範囲
内であれば、磁性キャリアは現像剤担持体表面の凹凸に
十分引っ掛かり、現像剤と現像剤担持体との摩擦抵抗が
高まり、現像剤担持体表面のトナー汚染が悪化すること
なく現像剤の搬送性を向上させることができる。
【0097】なお十点平均粗さの大小は、現像剤担持体
の材質にも影響される。表1からわかるように、同じ砥
粒(FGB#400)を用いても、ステンレス鋼の現像
剤担持体とアルミニウムの現像剤担持体とでは十点平均
粗さが異なり、また評価結果においても、ステンレス鋼
の現像剤担持体が不適であるのに対し、アルミニウムの
現像剤担持体が好適である。このような十点平均粗さの
違いは、アルミニウムがステンレス鋼に比べて硬度が低
く、同一条件でブラストを行った場合に、より深く削ら
れることに起因する。
【0098】一方で、FGB#400を砥粒として用い
たブラスト処理現像剤担持体において、ステンレス鋼と
アルミニウムとでは、平均山間隔においてほぼ同じ数値
を示している。また定形球状粒子を用いたブラスト処理
現像剤担持体では、砥粒の粒径に応じて所定の平均山間
隔の凹凸が形成されている。これらのことから、溝の深
さと幅とのバランスは、用いる砥粒の種類と粒径、及び
現像剤担持体の材質(硬度)によって調整できることが
わかる。
【0099】次に、前記(2)の場合について述べる。
【0100】表1においてアルミニウムの現像剤担持体
は、粒径の異なる定形球状粒子によるブラスト処理がさ
れている。それぞれの場合の現像剤担持体上の磁性キャ
リアの様子を比較すると、磁性キャリアよりも径の小さ
い球形ビーズでブラスト処理された場合は、図4のよう
に磁性キャリアが現像剤担持体上の球形の溝の奥まで入
り込むことができず、磁性キャリアと現像剤担持体上の
球形の溝の間には隙間が開いてしまう。そのため、磁性
キャリアは球形の溝にしっかり引っかかることができ
ず、磁性キャリアは現像剤担持体表面の溝の上を転がっ
ていきやすい。よって、現像剤と現像剤担持体との間の
摩擦抵抗は低下し、現像剤担持体の搬送力は低下する傾
向を示すものと考えられる。
【0101】一方、磁性キャリアよりも径の大きい球形
ビーズでブラスト処理された場合は、図5のように磁性
キャリアは現像剤担持体上の球形の溝の奥まで入り込む
ことができ、磁性キャリアと現像剤担持体上の球形の溝
の間に隙間もない。そのため、磁性キャリアは球形の溝
にしっかり引っかかることができ、磁性キャリアは現像
剤担持体上を転がっていきづらい。よって、現像剤と現
像剤担持体との間の摩擦抵抗は増し、現像剤担持体の搬
送性は向上する傾向を示すものと考えられる。
【0102】また、磁性キャリアよりも粒径の大きい球
状ビーズでブラスト処理を行うと、磁性キャリアが現像
剤担持体表面の溝の奥まで張り込めることから、溝底部
にワックス分散型非磁性トナー粒子が付着した場合で
も、磁性キャリアとの接触性が保たれる。したがって、
磁性キャリアが、現像剤担持体上を含む現像装置内を循
環していく過程で、ワックス分散型非磁性トナー粒子は
磁性キャリアに付着し運ばれていき、ワックス分散型非
磁性トナー粒子は現像剤担持体表面に残留することが少
ない。その結果、スリーブ汚染及び搬送性劣化も起こり
づらい。
【0103】さらに磁性キャリアの種類なども含めて詳
細な検討を行った結果、砥粒である定形球状粒子の平均
粒径が大きすぎると、現像剤担持体上の磁気ブラシの穂
がランダムになり、現像剤の層(磁気ブラシ)がその凹
凸を反映してムラ状となり、画像に悪影響を及ぼすこと
がわかった。これは、現像剤担持体上で磁性キャリアが
穂立ちを形成する場合に、穂の間の距離は、形成される
磁界の磁力、磁性キャリアの平均粒径、磁性キャリアの
磁化の強さ等により異なるが、磁性材料としてフェライ
トを用いた磁性キャリアでは、おおよそ磁性キャリア粒
径の10倍あたりの間隔で配列し磁気ブラシを形成する
ことに起因する。すなわち砥粒である定形粒子の平均粒
径が磁性キャリアの平均粒径の10倍を超えると磁気ブ
ラシの穂がランダムになり、現像剤の層がその凹凸を反
映してムラ状となり、画像に影響を及ぼす。
【0104】このような検討結果から、砥粒である球状
粒子の平均粒径dは、磁性キャリアの平均粒径をDとし
たときに、1D≦d≦10Dであると良いことがわかっ
た。球状粒子の平均粒径dが磁性キャリアの平均粒径D
以上の場合には、上述のように、現像剤と現像剤担持体
との摩擦抵抗が高まり、現像剤の搬送性が向上し、また
スリーブ汚染も低減する。
【0105】なお先の表1に示したうち、球状粒子の平
均粒径が1D≦d≦10Dに当てはまらないケースであ
る、#400メッシュの球形ガラスビーズで定形ブラス
ト処理をしたアルミニウム製の現像剤担持体などでは、
現像剤の搬送性についてある程度の搬送性の向上が得ら
れるものの、全く問題がないレベルには至らないという
ものであり、例えば初期は安定しているものの、長期間
使用していく中で搬送性等に問題が出てくる等の傾向を
示した。
【0106】さらに、Smについて述べる。表1から、
球状粒子の平均粒径が大きくなると、平均山間隔Smも
大きくなっている。平均山間隔は定性的に山と山の間隔
を表しており、この間隔が大きくなると、前述したよう
に磁性キャリアが溝の奥まで入り込みやすく、大きいほ
どスリーブ汚染を防止する上で効果的であることは明ら
かである。本実施例でいうと、表1の結果のSmの異な
る結果から見ても、Smが大きい方が汚染が軽減されて
いることがわかる。
【0107】更に磁性キャリアの種類なども含めて詳細
な検討を行った結果、平均山間隔Smが磁性キャリアの
平均粒径をDとしたときに、D/3≦Sm≦6D、好ま
しくはD/2≦Sm≦3Dの範囲に入っていることが良
いことが分かった。ただし、平均山間隔Smが6Dを超
えると、現像剤担持体の現像剤搬送性が不十分となって
実用上問題が生じやすい。以上のように、平均山間隔S
mを調整することにより、スリーブ汚染のレベルは低減
する。
【0108】
【発明の効果】本発明によれば、現像に伴う二成分現像
剤にかかる圧力を弱め、現像剤担持体表面へのワックス
分散型非磁性トナー粒子の埋め込みを防止し、トナー融
着によるスリーブ汚染が生じることがなく、現像剤担持
体による二成分現像剤の搬送性を維持し、それによって
長期間安定して画質の良い画像を形成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における一実施の形態を示す画像形成装
置の概略構成図である。
【図2】従来技術における現像装置の一例を示す概略構
成図である。
【図3】本発明における一実施の形態を示す現像装置の
概略構成図である。
【図4】本発明に適用される現像剤担持体の一例におけ
る表面を拡大して示す図である。
【図5】本発明に適用される現像剤担持体の他の例にお
ける表面を拡大して示す図である。
【図6】本発明における他の実施の形態を示す現像装置
の概略構成図である。
【図7】平均山間隔の定義を説明するための図である。
【符号の説明】
2 現像剤層厚規制部材 3 現像剤担持体 4 像担持体 6 仕切り部材 9 現像装置 9a 現像容器 11、12 攪拌手段 13 磁界形成手段 16 現像室 17 攪拌室 20 磁性キャリア 21 溝 46 帯電手段 47 画像露光手段 48 クリーニング手段 49 転写手段 49a 搬送ベルト 50 給紙トレイ 51 定着装置 52 排出トレイ P 画像形成ステーション m マゼンタ画像を形成するための構成であることを示
す符号 c シアン画像を形成するための構成であることを示す
符号 y イエロー画像を形成するための構成であることを示
す符号 k ブラック画像を形成するための構成であることを示
す符号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/08 365 G03G 9/10 9/097 15/06 101 9/10 15/09 Z 9/113 15/08 507L 15/06 101 507E 15/09 9/10 351 9/08 344 Fターム(参考) 2H005 AA06 BA00 BA06 CA14 CA25 DA01 EA01 EA02 EA05 FA02 2H031 AB02 AB03 AB09 AC02 AC09 AC10 AC11 AC19 AC20 AC30 AD01 BA08 BA09 CA10 FA01 2H073 BA03 BA13 CA03 CA22 2H077 AB02 AB03 AB14 AB15 AB18 AC02 AC03 AC04 AC16 AD04 AD06 AD13 AD18 AD23 AD36 BA08 CA02 EA03 FA03 GA13

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 i)前記現像剤を収容する現像容器と、 ii)該現像容器の開口部に回転自在に設けられ、前記現
    像剤を担持して現像領域に現像剤を搬送する現像剤担持
    体と、 iii)該現像剤担持体に対して非接触に配置され、現像剤
    担持体上に担持された現像剤の層厚を規制する現像剤層
    厚規制部材と、 iv)前記現像剤担持体内に内包され、且つ現像容器に固
    定して配置されており、前記現像容器から現像剤担持体
    への現像剤の汲み上げと、前記現像剤層厚規制部材との
    対向部における現像剤担持体上での現像剤の層厚規制の
    ための磁界の形成とを同時に行う磁極を有する磁界形成
    手段と、 v)前記現像容器内の現像剤を攪拌する攪拌手段と、を有
    する現像装置であって、 前記現像剤は、結着樹脂、着色剤、有機金属化合物及び
    ワックスを少なくとも含み、平均粒径が2〜10μmで
    あるワックス分散型非磁性トナー粒子と、磁性キャリア
    とを有する二成分現像剤であり、 前記現像剤担持体は、球形粒子によって表面がブラスト
    処理され、前記磁性キャリアの平均粒径をDとしたとき
    に、現像剤担持体の表面の十点平均粗さ(Rz)がD/
    6乃至D/2である現像装置。
  2. 【請求項2】 前記現像容器は、現像容器の開口部側に
    位置する現像室と、現像容器の開口部に対して奥側に位
    置する攪拌室とに、仕切り部材によって仕切られてお
    り、該仕切り部材は前記現像剤を通過させるための開口
    部を有しており、前記現像室と前記攪拌室のそれぞれに
    は攪拌手段が設けられており、この攪拌手段はそれぞれ
    の室で現像剤を混合攪拌すると共に、仕切り部材の開口
    部を通して他方の室へ現像剤を搬送することを特徴とす
    る請求項1に記載の現像装置。
  3. 【請求項3】 前記ワックス分散型非磁性トナー粒子
    は、粉砕法により製造された非磁性トナー粒子であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
  4. 【請求項4】 前記磁性キャリアは、平均粒径が30乃
    至80μmであることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれかに記載の現像装置。
  5. 【請求項5】 電界形成手段によって交番電圧を、前記
    現像剤担持体に印加することを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれかに記載の現像装置。
  6. 【請求項6】 前記現像剤担持体は、ダイヤモンド研磨
    によって表面が研磨された後、前記球形粒子によるブラ
    スト処理によって前記表面が処理されたことを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれかに記載の現像装置。
  7. 【請求項7】 前記現像剤担持体は、前記球形粒子によ
    るブラスト処理によって表面が処理された後、無電界め
    っきによって前記表面が処理されたことを特徴とする請
    求項1乃至6のいずれかに記載の現像装置。
  8. 【請求項8】 前記現像剤担持体は、前記磁性キャリア
    の平均粒径をDとしたときに、現像剤担持体の表面の平
    均山間隔(Sm)がD/3乃至6Dであることを特徴と
    する請求項1乃至7のいずれかに記載の現像装置。
  9. 【請求項9】 前記現像剤担持体の表面の平均山間隔
    (Sm)がD/2乃至3Dであることを特徴とする請求
    項8に記載の現像装置。
  10. 【請求項10】 前記球形粒子は、前記磁性キャリアの
    平均粒径をDとしたときに、球状粒子の平均粒径が1D
    乃至10Dであることを特徴とする請求項1乃至9のい
    ずれかに記載の現像装置。
  11. 【請求項11】 前記磁性キャリアは、磁性材料の粒子
    に樹脂をコートしたものであることを特徴とする請求項
    1乃至10のいずれかに記載の現像装置。
  12. 【請求項12】 前記磁性キャリアは、7.95775
    kA/mの磁界中における磁化の強さが8乃至50Am
    2/kgであることを特徴とする請求項1乃至11のい
    ずれかに記載の現像装置。
  13. 【請求項13】 前記磁性キャリアは、抵抗が107
    至1015Ωcmであることを特徴とする請求項1乃至1
    2のいずれかに記載の現像装置。
  14. 【請求項14】 像担持体と、この像担持体を帯電させ
    る帯電手段と、帯電した像担持体に静電潜像を形成する
    画像露光手段と、静電潜像を現像剤によって可視画像に
    現像する現像装置とを有する画像形成装置であって、 該現像装置が、 i)前記現像剤を収容する現像容器と、 ii)該現像容器の開口部に回転自在に設けられると共に
    前記像担持体に対向して配置され、前記現像剤を担持し
    て像担持体との対向部である現像領域に現像剤を搬送す
    る現像剤担持体と、 iii)該現像剤担持体に対して非接触に配置され、現像剤
    担持体上に担持された現像剤の層厚を規制する現像剤層
    厚規制部材と、 iv)前記現像剤担持体内に内包され、且つ現像容器に固
    定して配置されており、前記現像容器から現像剤担持体
    への現像剤の汲み上げと、前記現像剤層厚規制部材との
    対向部における現像剤担持体上での現像剤の層厚規制の
    ための磁界の形成とを同時に行う磁極を有する磁界形成
    手段と、 v)前記現像容器内の現像剤を攪拌する攪拌手段とを有し
    ており、 前記現像剤は、結着樹脂、着色剤、有機金属化合物及び
    ワックスを少なくとも含み、平均粒径が2〜10μmで
    あるワックス分散型非磁性トナー粒子と、磁性キャリア
    とを有する二成分現像剤であり、 前記現像剤担持体は、球形粒子によって表面がブラスト
    処理され、前記磁性キャリアの平均粒径をDとしたとき
    に、現像剤担持体の表面の十点平均粗さ(Rz)がD/
    6乃至D/2である画像形成装置。
  15. 【請求項15】 前記現像装置が、請求項2乃至13の
    いずれかに記載の現像装置であることを特徴とする請求
    項14に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007264519A (ja) * 2006-03-30 2007-10-11 Fuji Xerox Co Ltd 現像剤担持体及びその製造方法並びにその現像剤担持体を用いる現像装置
US7890028B2 (en) 2006-09-13 2011-02-15 Ricoh Company, Ltd. Developing device and image forming apparatus comprising the same
WO2011030925A1 (ja) * 2009-09-10 2011-03-17 キヤノン株式会社 画像形成装置

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