JP2003176901A - ボイラ装置の制御方法 - Google Patents

ボイラ装置の制御方法

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JP2003176901A JP2001375952A JP2001375952A JP2003176901A JP 2003176901 A JP2003176901 A JP 2003176901A JP 2001375952 A JP2001375952 A JP 2001375952A JP 2001375952 A JP2001375952 A JP 2001375952A JP 2003176901 A JP2003176901 A JP 2003176901A
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  • Control Of Steam Boilers And Waste-Gas Boilers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的高圧の蒸気を発生させる第1のボイラ
と、該第1のボイラの蒸気が高圧ヘッダを介して導入さ
れるアキュムレータと、該アキュムレータから蒸気が減
圧弁を介して導入される低圧ヘッダと、該低圧ヘッダに
比較的低圧の蒸気を供給する第2のボイラとを備えるボ
イラ装置において、アキュムレータ内の蒸気蓄積量を適
正化したり、あるいは小型貫流ボイラ等の第2のボイラ
の燃焼量を適正化する。 【解決手段】 アキュムレータ4内の蒸気圧力Aと低圧
ヘッダ6内の蒸気圧力Hとを検出し、予め設定されたア
キュムレータの最高使用圧力Amax、アキュムレータ
の確保すべき最低圧力Amin、減圧弁の全閉圧力R
max、減圧弁の全開圧力Rmin、低圧ヘッダの目標
上限蒸気圧力Hmax、低圧ヘッダの目標下限蒸気圧力
minに基づいて小型貫流ボイラ20の燃焼量を制御
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はボイラ装置の制御方
法に係り、特に複数のボイラからの蒸気を低圧ヘッダを
介してプロセス(蒸気消費機器)へ供給するボイラ装置
の制御方法に関する。
【0002】詳しくは、本発明は、比較的高圧の蒸気を
発生させる第1のボイラと、該第1のボイラの蒸気が高
圧ヘッダを介して導入されるアキュムレータと、該アキ
ュムレータから蒸気が減圧弁を介して導入される低圧ヘ
ッダと、該低圧ヘッダに比較的低圧の蒸気を供給する第
2のボイラとを備えてなり、該低圧ヘッダからプロセス
へ蒸気が供給されるボイラ装置の制御方法に関する。
【0003】
【従来の技術】比較的高圧の蒸気を発生させる第1のボ
イラと、該第1のボイラの蒸気が高圧ヘッダを介して導
入されるアキュムレータと、該アキュムレータから蒸気
が減圧弁を介して導入される低圧ヘッダと、該低圧ヘッ
ダに比較的低圧の蒸気を供給する第2のボイラとを備え
てなり、該低圧ヘッダからプロセスへ蒸気が供給される
ボイラ装置の構成の一例を図3を参照して説明する。こ
の従来例では第1のボイラとして2基のボイラ11,1
2が設置され、第2のボイラとして小型貫流ボイラ20
が設置されている。
【0004】ボイラ11,12からの比較的高圧の蒸気
は、高圧ヘッダ2と、該高圧ヘッダ2内の圧力を一定圧
に保つための圧力調節弁3とを介してアキュムレータ4
に導入される。このアキュムレータ4内の蒸気は、減圧
弁(全閉圧力Rmax、全開圧力Rmin)5を介して
低圧ヘッダ6に導入される。一方、前記小型貫流ボイラ
20の発生蒸気は逆止弁(図示略)を介して直接的に該
低圧ヘッダ6に導入される。この低圧ヘッダ6内の蒸気
が蒸気消費機器(以下、プロセスという。)に供給され
る。小型貫流ボイラ20の燃焼量は、圧力センサ8で検
出される低圧ヘッダ6内の圧力が予め設定された上限圧
力Hmaxと下限圧力Hminとの間の圧力となるよう
に制御器7によって制御される。なお、Hmin<R
min<R max<Hmaxである。
【0005】図3の従来例では、低圧ヘッダ6内の圧力
Hにのみ基づいて小型貫流ボイラ20の燃焼量を制御し
ており、例えば後述の式(1)においてD=0と設定し
ている。この場合は、小型貫流ボイラ20の燃焼量Cは
低圧ヘッダ6の蒸気圧力Hが検知されると図4のグラフ
の関係に基づいて燃焼量Cが一義的に定まる。図4で
は、低圧ヘッダ圧力HはHminとHmaxとの間に納
まるように小型貫流ボイラ20の燃焼量が制御される。
【0006】この図3の構成を有するボイラ装置は、ボ
イラ11,12、高圧ヘッダ2、弁3、アキュムレータ
4、減圧弁5及び低圧ヘッダ6を有した既設のボイラ装
置に対し小型貫流ボイラなど比較的蒸気発生圧力の低い
ボイラを新たに創設する場合に採用が検討されるもので
ある。
【0007】なお、上記アキュムレータ4は、周知の通
り、蒸気発生元であるボイラ11,12と、プロセスと
の途中に設置され、ボイラの発生する蒸気量と、プロセ
スの消費する蒸気量のアンバランスを吸収することを目
的として使用される。このアキュムレータは、内部に保
有した多量の飽和水が持つ熱エネルギーを用いて飽和蒸
気を作り出す、または飽和蒸気のエネルギーを飽和水と
して蓄熱するものである。アキュムレータの入口蒸気圧
力と、出口蒸気圧力は異なっており、この圧力差に対応
した飽和水温度差分のエネルギーの蓄熱・放熱が可能と
なる。
【0008】アキュムレータ内の圧力は、飽和水の蓄熱
量に応じて変動する。しかしながら、プロセスへは一定
の圧力の蒸気を供給しなければならないため、アキュム
レータ出口には減圧弁5を設置し、一定の蒸気圧力で蒸
気を供給している。
【0009】複数のボイラを使用して蒸気を発生させる
場合は、各ボイラの発生した蒸気を高圧スチームヘッダ
2にて合流し、アキュムレータ4に導き、プロセスが要
求する圧力に減圧して、プロセスへ供給する。
【0010】ここで、小型貫流ボイラを新たに増設する
場合、アキュムレータの上流に増設できれば良いのであ
るが、次の理由で困難な場合が多い。まず、アキュムレ
ータを効率良く(即ち、保有水量当たりの蓄熱・放熱量
を多くするように)使用するには、入口蒸気圧力と出口
蒸気圧力の差を大きくしなければならない。一般的に
は、入口蒸気圧力1.5MPa、出口蒸気圧力0.5M
Pa程度で使用される。ところが、小型貫流ボイラの最
高使用圧力は0.98MPaまでであるため、小型貫流
ボイラの発生した蒸気を高圧スチームヘッダに接続する
ことができない。
【0011】そこで、図3の通り、アキュムレータ出口
に設置した減圧弁5の下流の低圧ヘッダ6にて、小型貫
流ボイラの蒸気を合流することが考えられる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】図3のボイラ装置にあ
っては、アキュムレータ4の上流に配置されたボイラ1
1,12の燃焼量と、小型貫流ボイラ20の燃焼量の比
をコントロールすることができない。また、小型貫流ボ
イラ20が100%の能力で動作しているときには、ア
キュムレータ4内の熱量は既に消費されており、この時
に負荷変動が発生した場合にはアキュムレータ4で負荷
変動を吸収することができないという短所がある。
【0013】以下、この理由について説明する。
【0014】図3のボイラ装置において、プロセス側へ
の蒸気供給圧力が減圧弁5の全閉圧力Rmaxより高い
場合は、減圧弁5は全閉となっているので、アキュムレ
ータ4から低圧ヘッダ6への蒸気供給は行われず、小型
貫流ボイラ20の発生蒸気だけが低圧ヘッダ6に供給さ
れる。小型貫流ボイラ20は、低圧ヘッダ6内の蒸気圧
力Hが許容上限圧力Hmax以下となるように燃焼量制
御される。プロセスの蒸気消費量が増えてプロセス側の
蒸気供給圧力が減圧弁5の蒸気調整圧力幅内(Rmin
とRmaxとの間の圧力)になったときは、小型貫流ボ
イラ20からの蒸気供給が継続されると共に、新たにア
キュムレータ4からも蒸気が供給される。
【0015】このアキュムレータ4は、内部に蓄熱した
熱量を全て消費してしまうまで低圧ヘッダ6に蒸気を供
給し続ける。このアキュムレータ4からの蒸気供給が継
続することによりアキュムレータ4の蓄熱量が低圧ヘッ
ダ6側から要求される蒸気量に対して不足してくると、
低圧ヘッダ6内の蒸気圧力が次第に低下する。この低圧
ヘッダ6内の圧力低下が検知されると、小型貫流ボイラ
20は、燃焼量を増加して蒸気発生量を増やし、低圧ヘ
ッダ6内の蒸気圧力をHmin以上に保持しようとす
る。
【0016】このように、従来においては図3の小型貫
流ボイラ20の燃焼量を低圧ヘッダ6内の圧力にのみ応
じて制御するところから、低圧ヘッダ6内の圧力がR
maxよりも高いときは小型貫流ボイラ20のみから蒸
気が低圧ヘッダ6に供給され、小型貫流ボイラ20の負
荷がいたずらに高くなり、ボイラ11,12が蒸気を供
給しなくなる。
【0017】また、上記の通り、アキュムレータ4から
の蒸気供給が不足して低圧ヘッダ6内の圧力が低下して
くると小型貫流ボイラ20の燃焼量が増大されるが、こ
のときにはアキュムレータ4内の保有熱量が殆どすべて
消費されているため、プロセス側での蒸気需要が急激に
増大しても折角のアキュムレータがこの需要急増に対処
するように活用されないことになる。そして、これによ
り、ボイラ装置からプロセス側への蒸気供給が需要急増
に追従できないことになる。
【0018】また、図3のボイラ装置にあっては、ボイ
ラ11,12がゴミ発電ボイラやコージェネレイション
システム(熱電併給システム)の廃熱ボイラなどのよう
に、プロセス側の蒸気需要量の変動に追従することなく
蒸気を発生させるものである場合、低圧ヘッダ6内の蒸
気圧力が減圧弁全閉圧力Rmaxよりも高いときには、
前記の通り、アキュムレータ4内に蒸気が導入され続け
ているにも拘らず減圧弁3が全閉になっているためにア
キュムレータ4から低圧ヘッダ6へ蒸気が供給されず、
その結果として放蒸弁11a,12aを開いて蒸気を放
出しなければならない。このように、図3のボイラ装置
ではアキュムレータの蒸気蓄積能力を十分に活用できな
いことがあった。
【0019】本発明は、上記従来の短所を克服し、小型
貫流ボイラなどの第2のボイラからの低圧ヘッダの蒸気
供給が適切に行われると共に、アキュムレータ内の蒸気
量を適正化することが可能なボイラ装置の制御方法を提
供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明のボイラ装置の制
御方法は、比較的高圧の蒸気を発生させる第1のボイラ
と、該第1のボイラの蒸気が高圧ヘッダを介して導入さ
れるアキュムレータと、該アキュムレータから蒸気が減
圧弁を介して導入される低圧ヘッダと、該低圧ヘッダに
比較的低圧の蒸気を供給する第2のボイラとを備えてな
り、該低圧ヘッダからプロセスへ蒸気が供給されるボイ
ラ装置を制御する方法において、該アキュムレータの蒸
気圧力と該低圧ヘッダの蒸気圧力とに基づいて該第2の
ボイラの燃焼量を制御することを特徴とするものであ
る。
【0021】かかるボイラ装置の制御方法にあっては、
アキュムレータ内の蒸気圧力と低圧ヘッダ内の蒸気圧力
の双方に基づいて第2のボイラの燃焼量を制御するの
で、アキュムレータの蒸気圧力を適正化するように第2
のボイラの燃焼量を制御することが可能である。
【0022】本発明では、例えば、アキュムレータの蒸
気圧力が所定値から上昇するほど第2のボイラの燃焼量
を減少させたり、アキュムレータの蒸気圧力が所定値か
ら低下するほど第2のボイラの燃焼量を増大させたり、
あるいは、該低圧ヘッダの蒸気圧力が上昇するほど第2
のボイラの燃焼量を減少させるように制御することがで
きる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して実施の形態
について説明する。図1は実施の形態に係る制御方法が
適用されるボイラ装置の系統図、図2(a)は小型貫流
ボイラの燃焼量と低圧ヘッダ蒸気圧力との関係線図、図
2(b)は各蒸気圧力の対比図である。
【0024】この実施の形態においても、ボイラ11,
12の蒸気が高圧ヘッダ2、弁3、アキュムレータ4及
び減圧弁5を介して低圧ヘッダ6に導入され、小型貫流
ボイラ20の蒸気が逆止弁のみを介して低圧ヘッダ6に
直接に導入され、この低圧ヘッダ6からプロセスへ蒸気
が供給される。低圧ヘッダ6及びアキュムレータ4にそ
れぞれ圧力計8,9が設置され、これらの検出圧力H,
Aが制御器7に入力され、制御器7が小型貫流ボイラ2
0のバーナの燃焼量を制御する。
【0025】この実施の形態では、アキュムレータ4の
蒸気圧力Aと低圧ヘッダ6内の蒸気圧力Hとを検知し、
これらの蒸気圧力A、Hに基づいて小型貫流ボイラ20
の燃焼量を制御する。具体的には、アキュムレータの最
高使用圧力Amax、アキュムレータの確保すべき最低
圧力Amin、減圧弁の全開圧力Rmax、減圧弁の全
閉圧力Rmin、低圧ヘッダの目標上限蒸気圧力H
max、低圧ヘッダの目標下限蒸気圧力Hminを設定
しておき、これらの設定値と現状のアキュムレータ蒸気
圧力A及び低圧ヘッダ蒸気圧力Hとに基づいて小型貫流
ボイラ20の燃焼量を制御する。
【0026】制御器7のメモリには、予め アキュムレータの最高使用圧力Amax、アキュムレー
タの確保すべき最低圧力Amin、減圧弁の全閉圧力R
max、減圧弁の全開圧力Rmin、低圧ヘッダの目標
上限蒸気圧力Hmax、低圧ヘッダの目標下限蒸気圧力
min 小型貫流ボイラ20の最大燃焼量Cmax が設定されて
いる。また、次の演算式(1)(2)がメモリに入力さ
れると共に、演算及び制御に必要なプログラムが制御器
7に格納されている。
【0027】
【数1】
【0028】上記(1)式は、小型貫流ボイラの燃焼量
Cは、従来の如くCmaxに対して低圧ヘッダ蒸気圧力
変動幅(Hmax−Hmin)に対する低圧ヘッダの上
限圧力と現状圧力との差(Hmax−H)の比を乗じる
(即ち、C=Cmax・(H max−H)/(Hmax
−Hmin)とする)のではなく、Hmax−Hmi
に対する、低圧ヘッダの上限圧力と現状圧力との差に補
正分としてD値を加えた値(Hmax−H+D)の比す
なわち(Hmax−H+D)/(Hmax−H min
をCmaxに乗じるものである。
【0029】この補正分Dは上記式(2)で算出される
ものである。
【0030】このD値は、低圧ヘッダ6の蒸気圧力最大
変動幅(Hmax−Hmin)に対しアキュムレータ4
内の現状圧力の状況を示す係数(Amax−A)/(A
ma −Amin)を乗じて得た値 (Hmax−Hmin)・(Amax−A)/(A
max−Amin) を変数値とし、この値から減圧弁全閉圧力値(減圧弁流
出上限値)Rmaxと低圧ヘッダ許容下限値Hmin
の差(Rmax−Hmin)を減じた値である。
【0031】上記の係数(Amax−A)/(Amax
−Amin)は、アキュムレータ4内の蒸気圧力の許容
変動幅(Amax−Amin)に対する現状の蒸気圧力
Aと許容上限圧力Amaxの差(Amax−A)の比で
ある。この比が大きいほどアキュムレータ4内の蒸気圧
力が消費されてしまっていることになるので、この比が
大きいほどD値を大きくして燃焼量Cを大きくする。な
お、(Hmax−H in)・(Amax−A)/(A
max−Amin)から(Rmax−Hmin)を減算
するのは、演算された(Hmax−Hmin)・(A
max−A)/(Amax−Amin)が(Rmax
min)よりも大きいとき、即ちアキュムレータ内蒸
気圧力がある程度低下している場合に限り(Hmax
min)・(Amax−A)/(Amax
min)と(Rmax−Hmin)との差分だけの値
(D値)を小型貫流ボイラ燃焼量増大に寄与させて小型
貫流ボイラ20からの蒸気量を多くし、アキュムレータ
4からの蒸気放出を抑制する。そして、逆に演算された
(Hmax−Hmin)・(Amax−A)/(A
max−A min)が(Rmax−Hmin)よりも小
さいとき、即ちアキュムレータ内蒸気圧力がそれ程低下
しておらず十分量の蒸気がアキュムレータ4内に存在し
ているときには、小型貫流ボイラ20の燃焼量を少なく
してアキュムレータ4からの蒸気放出を多目にするため
である。後者のように、アキュムレータ4からある程度
蒸気を放出しておくと、ボイラ11,12からの蒸気導
入量がアキュムレータ4からの蒸気流出量を上回るとき
に過剰な導入蒸気をアキュムレータ4に蓄積することが
できる。
【0032】上記のD値の正負が小型貫流ボイラの燃焼
量Cに与える影響は図2(a)に示す通りである。図2
(a)のD=0は従来の場合と同じである。D=+α
(α>0)のときには、D=0のときに比べて同一低圧
ヘッダ内蒸気圧力のときでも小型貫流ボイラ燃焼量が多
い。D=−β(β>0)のときには、D=0のときに比
べて同一低圧ヘッダ内蒸気圧力のときの小型貫流ボイラ
燃焼量が少ない。
【0033】
【実施例】以下、具体的な実施例について説明する。
【0034】図1において、ボイラ11,12、小型貫
流ボイラ20としていずれも最大蒸気発生量10t/H
のものとする。高圧ヘッダ2内の蒸気圧力は平均1.3
7MPaとし、アキュムレータ4の容量は120m
する。その他の圧力設定値は次の通りとする。
【0035】[比較例1]まず、アキュムレータ内蒸気
圧力に関わりなく小型貫流ボイラ20の燃焼量を低圧ヘ
ッダ6の蒸気圧力にのみ基づいて制御するD≡0の場合
について説明する。この場合、 C=Cmax・(Hmax−H)/(Hmax−H
min) であり、Hmax=0.54、Hmin=0.44 Cmax=10t/Hを代入する。低圧ヘッダ6内の蒸
気圧力Hが上限と下限の中間値0.49MPaの場合 C=10・(0.54−0.49)/(0.54−0.44) =5t/H となる。即ち、小型貫流ボイラ20はアキュムレータ4
内の蒸気圧力に無関係に低圧ヘッダ6に蒸気を5t/H
にて供給するように燃焼される。
【0036】[実施例1](アキュムレータ4内の蒸気
圧力A=1.2MPaの場合) まずD値を計算する。 D=[(Amax−A)・(Hmax−Hmin)/(Amax−Amin)] −Rmax+Hmin =[(1.3−1.2)・(0.54−0.44)/(1.3−0.9)] −0.50+0.44 =−0.035 比較例1と同じくH=0.49MPaの場合、 C=Cmax・(Hmax−H+D)/(Hmax−Hmin) =10・(0.54−0.49−0.035)/(0.54−0.44) =1.5t/H このように、アキュムレータ4内に蒸気がかなり蓄積さ
れているときには小型貫流ボイラ20の蒸気発生量が
1.5t/Hと小さい値となり、その分だけアキュムレ
ータ4から低圧ヘッダ6へ蒸気が供給される。
【0037】[実施例2](A=1.1MPaの場合) 実施例1においてアキュムレータ4内蒸気圧力A=1.
1としたこと以外は同一とすると、同様の計算により D=−0.50+0.44+(1.3−1.1)・(0.54−0.44) /(1.3−0.9) =−0.01 C=10・(0.54−0.49−0.01)/(0.54−0.44) =4t/H となる。
【0038】[実施例3](A=1.0の場合) A以外実施例1と同一とする。同様の計算によりD、C
は次の通りとなる。 D=0.015 C=6.5t/H
【0039】[実施例4](A=0.9の場合) A以外実施例1と同一とする。同様の計算によりD、C
は次の通りとなる。 D=0.04 C=9t/H
【0040】実施例1〜4の通り、アキュムレータ4内
の圧力が高い(A=1.2又は1.1MPa)の場合、
小型貫流ボイラ20の蒸気量は比較例1のときよりも少
ない。これにより、アキュムレータ4側(ボイラ11,
12側)の蒸気がプロセスに多量に供給される。アキュ
ムレータ4内の圧力が低い(A=1.0又は0.9MP
a)の場合、小型貫流ボイラ20の蒸気量は比較例1の
場合よりも多い。これにより、アキュムレータ4内から
の蒸気供給が抑制され、ボイラ11,12からの供給蒸
気がアキュムレータ4内に蓄積される。
【0041】なお、計算の結果C値が負になるときには
小型貫流ボイラ20は停止される。
【0042】
【発明の効果】以上の実施例及び比較例からも明らかな
通り、本発明によると比較的高圧の蒸気を発生させる第
1のボイラと、該第1のボイラの蒸気が高圧ヘッダを介
して導入されるアキュムレータと、該アキュムレータか
ら蒸気が減圧弁を介して導入される低圧ヘッダと、該低
圧ヘッダに比較的低圧の蒸気を供給する第2のボイラと
を備えてなり、該低圧ヘッダからプロセスへ蒸気が供給
されるボイラ装置において、アキュムレータ内の蒸気蓄
積量を適正化したり、あるいは小型貫流ボイラ等の第2
のボイラの燃焼量を適正化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るボイラ装置の系統図である。
【図2】実施の形態の説明図である。
【図3】比較例に係るボイラ装置の系統図である。
【図4】図3の装置の動作説明図である。
【符号の説明】
4 アキュムレータ 5 減圧弁 6 低圧ヘッダ 11,12 第1のボイラ 20 小型貫流ボイラ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比較的高圧の蒸気を発生させる第1のボ
    イラと、該第1のボイラの蒸気が高圧ヘッダを介して導
    入されるアキュムレータと、該アキュムレータから蒸気
    が減圧弁を介して導入される低圧ヘッダと、該低圧ヘッ
    ダに比較的低圧の蒸気を供給する第2のボイラとを備え
    てなり、該低圧ヘッダから蒸気消費機器へ蒸気が供給さ
    れるボイラ装置を制御する方法において、 該アキュムレータの蒸気圧力と該低圧ヘッダの蒸気圧力
    とに基づいて該第2のボイラの燃焼量を制御することを
    特徴とするボイラ装置の制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該アキュムレータの
    蒸気圧力が所定値よりも上昇するほど第2のボイラの燃
    焼量を減少させることを特徴とするボイラ装置の制御方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、該アキュムレ
    ータの蒸気圧力が所定値よりも低下するほど第2のボイ
    ラの燃焼量を増大させることを特徴とするボイラ装置の
    制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3において、該低圧ヘッダ
    の蒸気圧力が上昇するほど第2のボイラの燃焼量を減少
    させることを特徴とするボイラ装置の制御方法。
  5. 【請求項5】 請求項2なし4のいずれか1項におい
    て、 アキュムレータの最高使用圧力Amax、 アキュムレータの確保すべき最低圧力Amin、 減圧弁の全閉圧力Rmax、 減圧弁の全開圧力Rmin、 低圧ヘッダの目標上限蒸気圧力Hmax、 低圧ヘッダの目標下限蒸気圧力Hmin を設定してお
    き、これらの設定値と現状のアキュムレータ蒸気圧力A
    及び低圧ヘッダ蒸気圧力Hとに基づいて第2のボイラの
    燃焼量を制御することを特徴とするボイラ装置の制御方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記請求項2又は3
    における所定値は [(Amax−A)・(Hmax−Hmin)/(A
    max−Amin)]−Rmax+Hmin=0 を成立させるアキュムレータ蒸気圧力Aであることを特
    徴とるボイラ装置の制御方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、該第2のボイラの最
    大燃焼量がCmaxである場合、第2のボイラの燃焼量
    Cを C=Cmax・(Hmax−H+D)/(Hmax−H
    min) ただし D=[(Amax−A)・(Hmax−Hmin)/(A
    max−Amin)]−Rmax+Hmin にて算出される値Cとすることを特徴とするボイラ装置
    の制御方法。
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