JP2003176382A - 被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents
被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤInfo
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
Abstract
でもスチールコード等の補強材との間の接着性能の低下
がなく、また硬さが増強されて高弾性率となる被覆用ゴ
ム組成物、及びその被覆用ゴム組成物を用いることによ
り、耐久性、及び耐劣化性が向上する空気入りタイヤを
提供すること。 【解決手段】 補強材を被覆する被覆用ゴム組成物にお
いて、ゴム成分100質量部に対してマレイミド系樹脂
成分を0.1乃至5質量部含有し、且つ2個のtert-but
yl基を有するビスフェノール系化合物を0.5乃至8質
量部含有していることを特徴とし、空気入りタイヤはか
かる被覆用ゴム組成物をベルト層及びカーカス層等の補
強材に用いるものである。
Description
及びその組成物を用いた空気入りタイヤに関するもので
あり、特に、スチール製の補強材で補強されるゴム製
品、例えば、タイヤ等のスチールコード補強材の被覆用
として使用され、加硫後の補強材・ゴム複合部の剪断歪
みを抑制すると共に補強材・ゴム間の老化接着力の改善
を図って、ゴム製品の耐久性を向上させうる被覆用ゴム
組成物、及びその組成物を用いた空気入りタイヤに関す
るものである。
イヤに限らず、ベルト、ホース等のゴム製品にスチール
製の補強材が必要に応じて使用されている。このような
ゴム製品にあっては、その補強材・ゴム複合部の剪断歪
みや接着性がしばしば問題にされることがある。例え
ば、スチールコードで補強したタイヤのベルト層にコー
ティングゴムとして適用される被覆用ゴム組成物はタイ
ヤの耐久性に関与する重要なゴムである。このゴム組成
物に求められる性能としては、(1)硬さ、(2)低発
熱性、(3)スチールコードとの接着性、及び(4)耐
劣化性等がある。これらのうち上記(1)硬さを増加さ
せることは、上記ベルト層間の剪断歪みを抑制してタイ
ヤの耐久性を向上させるための有効な手段となってい
る。この硬さを増加させるために、(a)カーボンブラ
ック等の充填剤の配合量を増加すること、(b)樹脂等
を添加すること、(c)硫黄等の架橋剤を添加するこ
と、及び(d)加硫促進剤の配合量を増加すること等の
方法が提案されている。
填剤等の配合量の増加や樹脂の添加等では、確かに硬さ
が増加するものの低発熱性の低下や発熱耐久性の悪化を
招く。また上記(c)の硫黄の配合量の増加は、未加硫
ゴムの状態で放置した場合に硫黄がブルームするなどの
作業性の著しい低下を招く。また、製品化したとしても
ゴムの耐劣化性が低下するためタイヤの耐久性が著しく
低下することがある。更に、上記(d)の加硫促進剤の
配合量の増加はある程度まで、作業性、低発熱性、耐劣
化性について問題を起こさないが、多すぎるとスチール
コードとの接着性が低下するという問題がある。
温、高湿等の環境ストレスが加えられた後でもスチール
コード等の補強材との間の接着性能の低下がなく、また
硬さが増強されて高弾性率となる被覆用ゴム組成物、及
びその被覆用ゴム組成物を用いることにより、補強材・
ゴム複合部での剪断歪みの抑制や接着性能が高められて
耐久性、及び耐劣化性が向上する空気入りタイヤを提供
することである。
解決するため鋭意検討したところ、マレイミド系樹脂成
分、特に、ビスマレイミド系樹脂成分をゴム組成物に配
合して加硫すると、その加硫ゴムが硬くなり且つ高弾性
率となること、また上記マレイミド系樹脂成分を配合し
たことで、その接着性、例えば環境ストレスを与えた後
の老化接着性の低下が見られるが、これもビスフェノー
ル系化合物をゴム組成物に含有させることで、その加硫
後のゴムと補強材との間の接着力の低下が殆ど見られな
いということ見出し、本発明を完成するに至った。
それを使用するタイヤは、以下の(1)乃至(7)に記
載される構成或いは手段を特徴とするものである。 (1) 補強材を被覆する被覆用ゴム組成物において、
ゴム成分100質量部と、マレイミド系樹脂成分0.1
乃至5質量部と、2個のtert-butyl基を有するビスフェ
ノール系化合物0.5乃至8質量部とを配合してなるこ
とを特徴とする被覆用ゴム組成物。
記化3式で示されるビスマレイミド系化合物からなるこ
とを特徴とする上記(1)記載のゴム組成物。
数が7乃至24のアルキル芳香族基を表し、P及びSは
0乃至3の整数であり、それぞれ独立に表す。)
下記化4式で示される化合物であることを特徴とする上
記(1)又は(2)記載のゴム組成物。
キル基であり、nは1乃至3の整数であり、またY1及
びY2は炭素数1乃至10の整数であり、tBuはtert-
butyl基である。)
トランスポリブタジエンが0.1乃至15質量部の範囲
で配合されることを特徴とする上記(1)乃至(3)に
記載のゴム組成物。
ミド系樹脂成分0.1乃至5質量部と、2個のtert-but
yl基を有するビスフェノール系化合物0.5乃至8質量
部とを配合してなるゴム組成物と、スチール製部材とか
らなることを特徴とするゴム−スチール複合体。 (6) 上記スチール製部材の表面にコーティング処理
が施されていることを特徴とする上記(5)記載のゴム
−スチール製部材。 (7) トレッド部、一対のサイドウォール部、一対の
ビード部、タイヤ子午線方向への実質平行に配置された
コードにより補強されたカーカス層、及び該カーカス層
の半径方向外方に配置されたベルト層を有するタイヤで
あって、上記カーカス層及びベルトを構成するプライ層
の少なくとも一層が、上記(5)又は(6)に記載のゴ
ム−スチール複合体であることを特徴とする空気入りタ
イヤ。
の形態を添付図面を参照して詳述する。尚、本発明は以
下の実施形態及び実施例に限るものではない。図1は、
本発明に係る空気入りタイヤの半部分断面概略図であ
る。
ルコード等のスチール製のゴム補強材を被覆するゴム組
成物である。本発明に係る被覆用ゴム組成物のゴム成分
は特に限定されないが、後述するタイヤ等のスチールコ
ード等に使用する場合、天然ゴム及び合成ゴムから選ば
れた少なくとも1種からなるゴム成分であることが好ま
しい。上記ゴム成分は、天然ゴムのみ、合成ゴムのみを
含んでいてもよいし、両者を含んでいてもよい。上記合
成ゴムとしては、特に制限はなく、公知のものの中から
目的に応じて適宜選択することができるが、特にジェン
系ゴムが好ましく、スチレン−ブタジエン共重合体(S
BR)、ポリイソプレン(IR)、ポリブタジエン(B
R)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレ
ンゴム、及びブチルゴムから少なくとも1種を適宜選択
することが好ましい。特に好ましくは、天然ゴム、合成
イソプレンゴム等のイソプレン系ゴムであり、天然ゴム
であることが最も好ましい。
は、ゴム成分100質量部中にトランスポリブタジエン
を0.1乃至15質量部の範囲で含むこと、更には0.
2乃至8質量部の範囲で含むこと、特には0.3乃至3
質量部の範囲で含むことが好ましい。上記ゴム成分に上
記範囲でトランスポリブタジエンを配合すると、亀裂成
長性を抑制することができ、耐破壊特性を高めることが
できる。上記トランスポリブタジエンの配合量が少ない
と上記抑制効果が十分に発現せず、一方、配合量が多く
なると、他のゴム成分との相溶性が低下し、却って耐破
壊特性が低下する傾向がある。
タジエンは、そのトランス結合含有量が82乃至98モ
ル%であることが好ましく、更に好ましくは86乃至9
8%である。このトランス結合含量が高いほど、イソプ
レンゴムの伸張結晶性の促進効果を高くする傾向が生じ
る。一方、この含量が低くなると、イソプレンゴムの伸
張結晶性を阻害する傾向が生じる。
平均分子量は3×104乃至20×104であることが好
ましく、更に好ましくは5×104乃至15×104であ
る。分子量がこの範囲にあると、ゴム組成物の未加硫時
の加工性と加硫時の物性バランスがよい。一方、分子量
が低くなると弾性率が低下する傾向があり、分子量が高
くなると作業性が低下する傾向がある。
ド系樹脂成分を含有し、その加硫ゴムの高弾性能を十分
に高めることを特徴とするものである。上記マレイミド
系樹脂成分は、加硫時にゴム成分等のポリマー間を、硫
黄等を介さずに直接架橋しうるものであり、特に、下記
化式5で示されるビスマレイミド系化合物を含むモノマ
ー、オリゴマー、プレポリマー等が好ましい。
が7乃至24のアルキル芳香族基を表し、P及びSは0
乃至3の整数であり、それぞれ独立に表す。
は、N,N'−1,2−フェニレンジマレイミド、N,
N'−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N'−1,
4−フェニレンジマレイミド、N,N'−(4,4−ジ
フェニルメタン)ビスマレイミド、2,2−ビス[4−
(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビ
ス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニ
ル)メタン等を挙げることができ、特に好ましくは、
N,N'−(4,4−ジフェニルメタン)ビスマレイミ
ドである。上記ゴム組成物中にこれらを1種以上含むこ
とができる。尚、上記ビスマレイミド系化合物の上記式
中のP及びSが4以上では、分子量が大きくなり、配合
量の割には目的とする動的貯蔵弾性率の増加効果が得ら
れないため好ましくない。
質量部に対して上記マレイミド系樹脂成分を0.1乃至
5質量部の範囲で配合し、好ましくは0.5乃至2質量
部の範囲で配合し、その加硫ゴムの高弾性能を十分に高
めている。上述したようにマレイミド系樹脂成分、特に
ビスマレイミド系化合物はゴム成分等のポリマー鎖を、
硫黄を介さずに直接架橋するため、加硫ゴム組成物の低
発熱性及び耐劣化性を損なうことなく、硬さを増加させ
ることができる。上記マレイミド系樹脂成分がゴム成分
100質量部に対して0.1質量部未満では配合効果を
十分に発揮せず、また5質量部を超える場合には加硫戻
りが大きくなり発熱性が悪くなる。また、後述するビス
フェノール系化合物をゴム組成物に配合しても、ゴム組
成物の老化接着性を高めることができない。
いては、2個のtert-butyl基を有するビスフェノール系
化合物が含有されることを特徴とし、特に、下記化6式
で示されるビスフェノール系化合物であることが好まし
い。
ル基であり、nは1乃至3の整数であり、またY1及び
Y2は炭素数1乃至10の整数であり、tBuはtert-bu
tyl基である。
は、式中、X1及びX2は水素で、nは1乃至3の整数で
ある、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert
−ブチルフェノール)、2,2'−エチレンビス(4−
メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2'−プ
ロピレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノー
ル)等が製造及び入手容易なことから好ましい。
分100質量部に対して、0.5乃至8質量部の範囲で
含み、特に1.0乃至3.0質量部の範囲で含むことが
好ましい。上記ビスフェノール系化合物は上記被覆用ゴ
ム組成物の接着性能の点から配合されるものであり、上
記範囲内にあれば、接着性能が十分に維持され、特に、
加硫後における耐環境ストレス接着性能を有することが
できる。上記ビスフェノール系化合物の量が0.5質量
部未満であると、上記マレイミド系樹脂成分の配合によ
る老化接着性の低下を抑制することができず、その加硫
ゴムに耐環境ストレス接着性能が十分に見られない。一
方、上記ビスフェノール系化合物が8質量部を超える
と、上記マレイミド系樹脂成分を配合しても、ゴム組成
物の弾性率を高めることができない。
っては、上記配合物以外に、加硫促進剤等を添加するこ
とができる。加硫促進剤は各種のものが用いられるが、
中でもスルフェンアミド系のものが好んで用いられる。
スルフェンアミド系の促進剤の中でも、CZ(N−シク
ロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)や
DZ(N,N′−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾ
リルスルフェンアミド)が好ましい。上記加硫促進剤
は、ゴム成分100質量部に対して0.5乃至2.0質
量部の範囲で配合されることが好ましい。
は、上記ゴム成分100質量部に対してカーボンブラッ
クが40質量部以上、更には40乃至80質量部、特
に、45乃至60質量部配合されることが好ましい。カ
ーボンブラックの量が少なくなると、弾性率が低下する
傾向がある。また、カーボンブラックの量が多くなると
加硫ゴム組成物の低発熱性が低下する傾向にある。上記
カーボンブラックは、通常ゴム業界で用いられるものか
ら適宜選択することができ、例えば、SRF、GPF、
FER、HAF、ISAF等を挙げることができるが、
中でもGPF、HAFが物性とコストのバランスの面か
ら好ましい。
は、ゴム成分100質量部に対して硫黄成分を1乃至1
0質量部、特に4乃至7質量部の範囲で配合することが
好ましい。硫黄成分が1質量部未満では加硫ゴムの接着
不足が生じる一方、10質量部を超えるとEB(破壊伸
度)不足が生じる。硫黄成分は硫黄として配合しても含
硫黄化合物として配合しても良い。
た配合物の他に、他の配合物、例えば、シリカ、炭酸カ
ルシウム、タルク等の無機充填剤、老化防止剤、オゾン
劣化防止剤、軟化剤、コバルト有機酸塩等の加硫短縮剤
などを添加することができる。
あっては、硬さが増強されて高弾性率となると共に、そ
の加硫後の補強材との接着力は強力であるだけでなく、
環境ストレスを与えた後も、例えば、高温、高湿条件に
晒した後もゴムと補強材との間の老化接着性能が十分に
維持されるバランスの取れた被覆用ゴム組成物とするこ
とができる。
ーミキサー等の密閉式混練機、オープンロール等の混練
機を用いて混練することによって得られ、成形加工後、
加硫を行い、上記特性を必要とするタイヤの各種部材並
びに各種工業用品に用いることができ、特に、以下に示
すタイヤのベルトコーティング用ゴム、例えば、スチー
ルコードコーティング用ゴムとして好適に使用される
と、その走行時或いは超重量付加時等にタイヤに発熱等
が生じても上述のような耐環境ストレス接着性能を発揮
することができる。特に、補強材・ゴム複合体部での剪
断歪みが抑制されるので、タイヤは耐久性及耐劣化性が
向上する。
記ゴム組成物と、スチール製部材とからなることを特徴
とする。具体的には、本発明に係る上記被覆用ゴム組成
物でスチール部材を被覆してなるものである。上記スチ
ール部材は、そのゴム製品によってその形状を異ならせ
ることができ、特に制限されるものではなく、例えば、
後述するタイヤにあってはスチールコード、特に、ブラ
スコートされ、加硫ゴムとの接着性が高められたスチー
ルコードが好ましい。そのコーティング処理の方法は特
に制限されず、通常用いる方法を適宜用いることがで
き、例えば、メッキ処理法、各種CVD法、PVD法な
どを挙げることができる。
部、一対のサイドウォール部、一対のビード部、実質平
行に配置されたコードにより補強された補強層を有す
る。そして、上記カーカス層及び補強層を構成するプラ
イの少なくとも一層を構成するゴム組成物が本発明の被
覆用ゴム組成物よりなる。ここでいう補強層とは、ラジ
アルタイヤにおいてはベルト層、バイアスタイヤにおい
てはブレーカー層と呼ばれるものである。
について図1に従って簡単に説明する。即ち、図1に示
す実施態様の重用車用タイヤ1にあっては、ビードコア
2が埋設された一対のビード部3と、これらビード部3
からほぼ半径方向外側に向かって延びる一対のサイドウ
ォール部4と、これらサイドウォール部4の半径方向外
端同士を連ねるトレッド部5とを有している。タイヤ1
は一方のビード部3から他方のビード部3まで延びるカ
ーカス層8によって補強されている。また、トレッドの
内側にはベルト層13が配設されている。カーカス層8
はタイヤの子午線方向に実質平行に配された有機繊維コ
ードで補強されたプライの一層からなり、ベルト層13
は実質平行に配置されたスチールコードで補強され、本
発明の被覆用ゴム組成物で被覆されたプライの2層から
なる。
りタイヤにあっては、そのスチールコードの被覆用ゴム
組成物として上記被覆用ゴム組成物を用いているため、
スチールコードに対する接着性能が高くなる。環境スト
レス(高温、高湿)によっても接着性能が低下しない。
また、硬さが増強されて高弾性率となることにより、補
強材・ゴム複合体中での剪断歪みが抑制され、耐ヒート
セパレーション性を低下させることもない。このような
ことから、タイヤの耐久性をアップさせることができ
る。尚、本発明の空気入りタイヤの内部には空気のほか
に、窒素等の不活性ガスを充填することができる。
詳細に説明するが、本発明はこれらに制約されるもので
はない。
ニルメタン)ビスマレイミド(BMI)、及び2,2'-
メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノー
ル(NS−6:ビスフェノール系化合物)を使用して、
下記表1に示す各配合量(質量部)を2200ccのバ
ンバリーミキサーを使用して混練りし、未加硫のゴム組
成物を得、以下の方法でのゴム組成物の加硫後の特性を
評価した。
4のタイヤ試作にて行い、それぞれのタイヤに上記のベ
ルトコーティングゴムを用い、それ以外は同一の配合/
製法にて、試作した。試作タイヤを用いて以下の評価を
行い、その結果を下記表2に示した。 a.ドラム耐久性:ステップスピードで、速度をアップ
する耐久テスト(破壊が生じるまでの時間を指数で表
示)。 b.接着力:実地テストで、国産の1800ccの車両
に実際に装着し、5万Km走行させた後、タイヤを解剖
してゴム/スチールコード間の接着力を測定したもので
ある。 両者の評価方法は、どちらも比較例1の値を100とし
た指数で表示し、数値が大きいほど良好となる。
系樹脂成分を0から5質量部まで配合するとドラム耐久
性が増加することが判る。また、所定量のビスフェノー
ル系化合物を上記マレイミド系樹脂成分と併用させる
と、上記ビスフェノール系化合物は接着力をアップさせ
ることが判る。一方、所定量の上記ビスフェノール系化
合物の配合は、ゴム組成物の接着力をアップさせている
が、上記ビスマレイミド系樹脂成分の配合量を徐々に多
くすると、接着力が低下し、効果が相殺されることが判
る。従って、表2の結果が示すように、弾性率及び接着
性を共に高める配合組成が存在し、実施例1乃至4がこ
のような範囲に該当することが判る。
示すように、特定量のマレイミド系樹脂成分とビスフェ
ノール系化合物を被覆用ゴム組成物に配合すると、高弾
性率で、且つ環境ストレス、例えば、タイヤにあって走
行中、荷重走行中等に生じる発熱及び高湿等の環境スト
レスを与えた後もドラム耐久性及び接着力(又は老化接
着性)は低下せず維持される。
ように、ビスフェノール系化合物の配合がないと、その
接着性が悪くなってしまう。一方、比較例5に示すよう
にマレイミド系樹脂成分の配合がないと加硫後のゴムの
弾性率が低く、ドラム耐久性が低下する。またビスフェ
ノール系化合物が過剰に配合されると、比較例6に示す
ようにマレイミド系樹脂成分が配合されていても、加硫
後のゴムの弾性率が低く、ドラム耐久性が低下する。
ゴム組成物によれば、マレイミド系樹脂成分に加えて、
上記ビスフェノール系化合物を特定量配合することによ
り、スチールコード等のゴム補強材とゴムとの間におけ
る剪断歪みを抑制するだけでなく、環境ストレスを与え
た後のトラム耐久性及び接着性(老化接着性)も優れた
ものとなり、これをタイヤ等のゴム製品に使用した場合
には、耐久性及び耐劣化性に優れたゴム製品とすること
ができる。
断面概略図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 補強材を被覆する被覆用ゴム組成物にお
いて、ゴム成分100質量部と、マレイミド系樹脂成分
0.1乃至5質量部と、2個のtert-butyl基を有するビ
スフェノール系化合物0.5乃至8質量部とを配合して
なることを特徴とする被覆用ゴム組成物。 - 【請求項2】 上記マレイミド系樹脂成分は、下記化1
式で示されるビスマレイミド系化合物からなることを特
徴とする請求項1記載のゴム組成物。 【化1】 (式中、Rは炭素数が6乃至18の芳香族基、又は炭素
数が7乃至24のアルキル芳香族基を表し、P及びSは
0乃至3の整数であり、それぞれ独立に表す。) - 【請求項3】 上記ビスフェノール系化合物は、下記化
2式で示される化合物であることを特徴とする請求項1
又は2記載のゴム組成物。 【化2】 (式中、X1及びX2は水素、又は炭素数1乃至3のアル
キル基であり、nは1乃至3の整数であり、またY1及
びY2は炭素数1乃至10の整数であり、tBuはtert-
butyl基である。) - 【請求項4】 上記ゴム成分100質量部中に、トラン
スポリブタジエンが0.1乃至15質量部の範囲で配合
されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項
に記載のゴム組成物。 - 【請求項5】 ゴム成分100質量部と、マレイミド系
樹脂成分0.1乃至5質量部と、2個のtert-butyl基を
有するビスフェノール系化合物0.5乃至8質量部とを
配合してなるゴム組成物と、スチール製部材とからなる
ことを特徴とするゴム−スチール複合体。 - 【請求項6】 上記スチール製部材の表面にコーティン
グ処理が施されていることを特徴とする請求項5記載の
ゴム−スチール複合体。 - 【請求項7】 トレッド部、一対のサイドウォール部、
一対のビード部、タイヤ子午線方向への実質平行に配置
されたコードにより補強されたカーカス層、及び該カー
カス層の半径方向外方に配置されたベルト層を有するタ
イヤであって、上記カーカス層及びベルトを構成するプ
ライ層の少なくとも一層が、上記請求項5又は6項に記
載のゴム−スチール複合体であることを特徴とする空気
入りタイヤ。
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---|---|---|---|
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007211152A (ja) * | 2006-02-10 | 2007-08-23 | Bridgestone Corp | ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
US7819246B2 (en) * | 2005-01-21 | 2010-10-26 | Ntn Corporation | Rust preventive package containing bearing for machine tool and and rust preventive packaging method |
-
2002
- 2002-09-26 JP JP2002281396A patent/JP4201559B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US7819246B2 (en) * | 2005-01-21 | 2010-10-26 | Ntn Corporation | Rust preventive package containing bearing for machine tool and and rust preventive packaging method |
JP2007211152A (ja) * | 2006-02-10 | 2007-08-23 | Bridgestone Corp | ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
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