JP2003096242A - 接着性ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

接着性ゴム組成物及び空気入りタイヤ

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JP2003096242A
JP2003096242A JP2001293932A JP2001293932A JP2003096242A JP 2003096242 A JP2003096242 A JP 2003096242A JP 2001293932 A JP2001293932 A JP 2001293932A JP 2001293932 A JP2001293932 A JP 2001293932A JP 2003096242 A JP2003096242 A JP 2003096242A
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adhesive
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Tomoyasu Nishizaki
友康 西崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スチールコード等の補強材との接着性を損う
ことなく、長時間の使用、或いは環境ストレスが加えら
れ後でもその接着力の低下を殆ど起こさない接着性ゴム
組成物、及びその接着性ゴム組成物を用いることによ
り、走行時のバースト等を起こすことがない空気入りタ
イヤを提供すること。 【解決手段】 補強材に加硫接着させる接着性ゴム組成
物において、ゴム成分100質量部に対して2個のtert
-butyl基を有するビスフェノール系化合物を1.5乃至
7.5質量部含有し、且つN,N’-ジシクロヘキシル-2
-ベンゾチアゾリルスルフェンアミドを0.5乃至2.
0質量部含有してなり、空気入りタイヤは、かかる接着
性ゴム組成物をベルト層及びカーカス層の補強材に用い
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着性ゴム組成物
及びその組成物を使用した空気入りタイヤに関するもの
であり、特に、スチール製の補強材で補強されるゴム製
品、例えば、タイヤ等のスチールコード補強材の被覆用
ゴム組成物として使用され、加硫直後のゴムと補強材と
の接着性の維持、及び環境ストレスを与えた老化後の接
着性の改善を図り、ゴム製品の耐久性を向上させうる接
着性ゴム組成物、及びその組成物を用いた空気入りタイ
ヤに関するものである。
【0002】近年、自動車の足廻りを支える空気入りタ
イヤに限らず、ベルト、ホース等のゴム製品にはスチー
ル製の補強材が必要に応じて使用されている。このよう
なゴム製品にあっては、その補強材とゴム組成物との接
着性が問題にされることがしばしばある。従来、補強材
とゴム組成物との接着性を高める方法としては、補強材
を種々の接着剤で処理した後、その補強材とゴム組成物
とを接着する方法、ゴム組成物の加工工程中に各種配合
剤と共に、接着剤を配合して未加硫状態の接着性ゴム組
成物を調製し、このゴム組成物と補強材とを加硫接着す
る方法等が知られている。これらのうち、後者の方法
は、補強材を接着剤で処理していなくても強固に加硫接
着することができるため広く採用されている。
【0003】また、天然ゴム、合成ポリイソプレンゴ
ム、又はこれらの混合ゴムを主成分とするゴム組成物
に、所定量の硫黄とともに、加硫促進剤としてN,N−ジ
シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミ
ドを特定の範囲内で併用するスチールコード被覆用ゴム
組成物が提案されている(特開平4−53845号公
報)。このようなスチールコード被覆用ゴム組成物はス
チール/ゴムの接着耐久性を向上させるものとして注目
されている。
【0004】しかしながら、このような接着性ゴム組成
物の提案にもかかわらず、接着処理製品、例えば、タイ
ヤ等のゴム・スチールコード複合体においては、環境ス
トレス、例えば、高速走行時、又は荷重走行時における
接着低下が問題となることがある。このようなゴム・ス
チールコード複合体の接着低下を起こしたタイヤにあっ
ては、高速走行で長時間使用した場合にバーストなどの
危険な状況を招くことがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、スチ
ールコード等の補強材との初期の接着性を損うことな
く、長時間の使用、或いは環境ストレスが加えられ後で
もその接着力の低下を殆ど起こさない接着性ゴム組成
物、及びその接着性ゴム組成物を用いることにより、耐
久性が改良された空気入りタイヤを提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意検討したところ、加硫促進剤のN,N−
ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンア
ミドの他に、2個のtert-butyl基を有した特定のビスフ
ェノール系化合物を併用することにより、そのゴム組成
物の加硫後の弾性率の低下を抑えてその物性を高く維持
し、使用経過後、例えば、環境ストレスを与えた後でも
その加硫後のゴム組成物とスチール製のゴム補強材との
間の接着力の低下が殆ど見られないこと見出し、本発明
を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明に係る接着性ゴム組成物及び
それを使用するタイヤは、以下の(1)乃至(6)に記
載される構成或いは手段を特徴とするものである。 (1) 補強材に加硫接着させる接着性ゴム組成物にお
いて、ゴム成分100質量部と、2個のtert-butyl基を
有するビスフェノール系化合物1.5乃至7.5質量部
と、N,N’-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルス
ルフェンアミド0.5乃至2.0質量部とを配合してな
る接着性ゴム組成物。
【0008】(2) 上記ビスフェノール系化合物は、
下記化2式で示される化合物であることを特徴とする上
記(1)記載のゴム組成物。
【化2】 (式中、X1、X2は水素、又は炭素数1乃至3のアルキ
ル基であり、nは1乃至3の整数であり、またY1及び
2は炭素数1乃至10の整数であり、tBuはtert-bu
tyl基である。)
【0009】(3) 上記ゴム成分は天然ゴム及び合成
ゴムから選ばれた少なくとも1種からなるゴム成分であ
り、該ゴム成分100質量部に対してカーボンブラック
が40質量部以上配合されることを特徴とする上記
(1)又は(2)記載のゴム組成物。
【0010】(4) ゴム成分100質量部と2個のte
rt-butyl基を有するビスフェノール系化合物1.5乃至
7.5質量部とN,N’-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチ
アゾリルスルフェンアミド0.5乃至2.0質量部とを
配合してなるゴム組成物と、スチール製部材とからなる
ことを特徴とするゴム−スチール複合体。 (5) 上記スチール製部材の表面にコーティング処理
が施されていることを特徴とする上記(4)記載のゴム
−スチール複合体。 (6) トレッド踏面部、一対のサイドウォール部、及
びビード部とを有し、タイヤ半径方向への実質平行に配
置されたコードにより補強されたカーカスプライと、該
カーカスプライの半径方向外方に配置されたベルト層を
有するタイヤであって、上記カーカスプライ及びベルト
層を構成する少なくとも一方のゴム組成物が、上記
(4)乃至(5)に記載のゴム組成物であることを特徴
とする空気入りタイヤ。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る好ましい実施
の形態を添付図面を参照して詳述する。尚、本発明は以
下の実施形態及び実施例に限るものではない。図1は、
本発明に係る空気入りタイヤの半部分断面概略図であ
る。
【0012】本発明に係る接着性ゴム組成物は、スチー
ルコード等のスチール製のゴムの補強材に加硫接着させ
る接着性のゴム組成物である。本発明に係る接着性ゴム
組成物のゴム成分は特に限定されないが、後述するタイ
ヤ等のスチールコード等に使用する場合、天然ゴム及び
合成ゴムから選ばれた少なくとも1種からなるゴム成分
であることが好ましい。上記ゴム成分は、天然ゴムの
み、合成ゴムのみを含んでいてもよいし、両者を含んで
いてもよい。上記合成ゴムとしては、特に制限はなく、
公知のものの中から目的に応じて適宜選択することがで
きるが、特に、ジェン系ゴムが好ましく、中でもスチレ
ン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリイソプレン
(IR)、ポリブタジエン(BR)、アクリロニトリル
−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、及びブチルゴム
から少なくとも1種を適宜選択することが好ましい。特
に、天然ゴムを主成分として用いることが望ましく、天
然ゴムの割合は耐破壊性や補強材(スチールコード)と
の接着性の点でゴム分率(質量%)の50乃至100質
量%であることが好ましく、特に60乃至100質量%
が好ましく、更には100質量%とであることが好まし
い。上記天然ゴム以外の合成ゴムは50質量%以下の割
合でブレンド使用することが望ましく、50質量%を超
える使用は耐破壊性やスチールコードとの接着を低下さ
せる。
【0013】上記接着性ゴム組成物は、基本的に加硫促
進剤であるN,N’-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾ
リルスルフェンアミドを上記ゴム成分100質量部当た
り0.5乃至2.0質量部の範囲で配合したものであ
り、その加硫ゴムの初期接着性能を十分に高めている。
しかして、上記接着性ゴム組成物において、2個のtert
-butyl基を有するビスフェノール系化合物が含有され、
特に、下記化3式で示されるビスフェノール系化合物で
あることが好ましい。
【0014】
【化3】 式中、X1及びX2は水素、又は炭素数1乃至3のアルキ
ル基であり、nは1乃至3の整数であり、またY1及び
2は炭素数1乃至10の整数であり、tBuはtert-bu
tyl基である。
【0015】特に、上記ビスフェノール系化合物として
は、式中、X1及びX2は水素で、nは1乃至3の整数で
ある、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert
−ブチルフェノール)、2,2’−エチレンビス(4−
メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−プ
ロピレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノー
ル)等が製造及び入手容易なことから好ましい。
【0016】上記ビスフェノール系化合物は上記ゴム成
分100質量部に対して、1.5乃至7.5質量部の範
囲で配合され、特に2.0乃至4.0質量部の範囲で配
合されることが好ましい。上記ビスフェノール系化合物
は上記接着性ゴム組成物の接着性能の点から配合される
ものであり、上記範囲内にあれば、加硫直後のゴム組成
物とスチール製部材との接着性である初期接着性能が十
分に維持される一方、環境ストレスを付与した後の老化
接着性能も十分に高めることができる。上記ビスフェノ
ール系化合物の量が1.5質量部未満であると、その加
硫ゴムに耐環境ストレス性、即ち老化後の接着性能が十
分に見られない。一方、上記ビスフェノール系化合物が
7.5質量部を超えると、初期接着性能に悪影響を与
え、初期段階の接着性ゴム組成物の接着性能を低下させ
る虞がある。
【0017】また、上記加硫促進剤であるN,N’-ジシ
クロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミドが
ゴム成分100質量部に対して0.5乃至2.0質量部
の範囲で配合されるが、上記加硫促進剤が0.5質量部
未満では、加硫時の加硫速度が遅くなりすぎる一方、2
質量部を超えると、未加硫時のスコーチや加硫後のゴム
組成物が硬くなりすぎて好ましくない。
【0018】本発明に係る接着性ゴム組成物にあって
は、上記ゴム成分100質量部に対してカーボンブラッ
クが40質量部以上、更には40乃至100質量部、特
に、50乃至100質量部配合されることが好ましい。
カーボンブラックの量が少なくなると、弾性率が低下す
る傾向がある。また、カーボンブラックの量が多くなる
と加硫ゴム組成物の低発熱性が低下する傾向にある。上
記カーボンブラックは、通常ゴム業界で用いられるもの
から適宜選択することができ、例えば、SRF、GP
F、FER、HAF、ISAF等を挙げることができる
が、中でもGPF、HAFが物性とコストのバランスの
面から好ましい。
【0019】本発明に係る接着性ゴム組成物にあって
は、ゴム成分100質量部に対して硫黄成分を1乃至1
0質量部、特に4乃至7質量部の範囲で配合することが
好ましい。硫黄成分が1質量部未満では加硫ゴムの接着
不足が生じる一方、10質量部を超えるとEB(破壊伸
度)不足が生じる。硫黄成分は硫黄として配合しても含
硫黄化合物として配合しても良い。
【0020】本発明に係る接着性ゴム組成物にあって
は、最適接着性条件の観点から、上述の硫黄成分と共
に、コバルト有機酸塩を配合することが好ましい。上記
コバルト有機酸塩は、ゴム成分100質量部に対して
0.03乃至1質量部、特に0.07乃至0.4質量部
の範囲で配合することが好ましい。上記コバルト有機酸
塩としては、ナフテン酸コバルト、ロジン酸コバルト、
或いは炭素数が5乃至20程度の直鎖状或いは分岐鎖の
モノカルボン酸コバルト塩等を挙げることができる。
【0021】本発明に係る接着性ゴム組成物は、上述し
た配合剤の他に、他の配合剤、例えば、シリカ、炭酸カ
ルシウム、タルク等の無機充填剤、老化防止剤、オゾン
劣化防止剤、軟化剤などを添加することができる。
【0022】以上の如く構成される接着性ゴム組成物に
あっては、その加硫後、補強材との間の接着力が従来と
同様に十分に維持されるだけでなく、環境ストレスを与
えた後も、例えば、高温、高湿条件に長時間晒した後も
ゴムと補強材との間の接着性が十分に維持されるもので
ある。
【0023】本発明に係る接着性ゴム組成物は例えば、
バンバリーミキサー等の密閉式混練機、オープンロール
等の混練機を用いて混練することによって得られ、成形
加工後、加硫を行い、上記特性を必要とするタイヤ並び
に各種工業用品に用いることができ、特に、以下に示す
タイヤのベルトコーティング用ゴム、つまり、スチール
コードコーティング用ゴムとして好適に使用されると、
その走行時或いは重量付加走行時等にタイヤに発熱が生
じても上述のような耐環境ストレス接着性能を発揮する
ことができる。
【0024】本発明に係るゴム−スチール複合体は、上
記ゴム組成物と、スチール製部材とからなることを特徴
とする。具体的には、本発明に係る上記接着性ゴム組成
物でスチール部材を被覆してなるものである。上記スチ
ール部材は、そのゴム製品によってその形状を異ならせ
ることができ、特に制限されるものではなく、例えば、
後述するタイヤにあってはスチールコード、特に、ブラ
スコートされ、加硫ゴムとの接着性が高められたスチー
ルコードが好ましい。そのコーティング処理の方法は特
に制限されず、通常用いる方法を適宜用いることがで
き、例えば、メッキ処理法、各種CVD法、PVD法な
どを挙げることができる。
【0025】本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド
部、一対のサイドウォール部、一対のビード部、実質平
行に配置されたコードにより補強された補強層を有す
る。そして、上記カーカス層及び補強層を構成するプラ
イの少なくとも一層を構成するゴム組成物が本発明の接
着性ゴム組成物よりなる。ここでいう補強層とは、ラジ
アルタイヤにおいてはベルト層、バイアスタイヤにおい
てはブレーカー層と呼ばれるものである。
【0026】次に、本発明に係る空気入りタイヤの1例
について図1に従って簡単に説明する。即ち、図1に示
す実施態様の重用車用タイヤ1にあっては、ビードコア
2が埋設された一対のビード部3と、これらビード部3
からほぼ半径方向外側に向かって延びる一対のサイドウ
ォール部4と、これらサイドウォール部4の半径方向外
端同士を連ねるトレッド部5とを有している。タイヤ1
は一方のビード部3から他方のビード部3まで延びるカ
ーカス層8によって補強されている。また、トレッドの
内側にはベルト層13が配設されている。カーカス層8
はタイヤの子午線方向に実質平行に配された有機繊維コ
ードで補強されたプライの一層からなり、ベルト層13
は実質平行に配置されたスチールコードで補強され、本
発明の接着性ゴム組成物で被覆されたプライの2層から
なる。
【0027】このように構成される本発明に係る空気入
りタイヤにあっては、ベルトプライのスチールコードの
被覆用ゴム組成物として上記接着性ゴム組成物を用いて
いるため、スチールコードに対する接着性能が高くな
る。また、環境ストレス(高温、高湿)によっても接着
性能が低下しない。このため、タイヤの耐ヒートセパレ
ーション性の問題が解消され、また耐ヒートセパレーシ
ョン性を低下させることもない。このようなことから、
タイヤは走行中、荷重走行中等にバースト等を起こす虞
がない。尚、本発明の空気入りタイヤの内部には空気の
ほかに、窒素等の不活性ガスを充填することができる。
【0028】
【実施例】次に、実施例、比較例により、本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はこれらに制約されるもので
はない。
【0029】実施例1及び2、比較例1乃至3 天然ゴム(NR)、HAFカーボンブラック(N32
6)、亜鉛華、老化防止剤(N−フェニール−N’−
1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン)、
加硫促進剤(DZ:N,N’-ジシクロヘキシル-2-ベン
ゾチアゾリルスルフェンアミド)、硫黄、コバルト脂肪
酸塩(マノボンドC22.5:商標 ローディア社
製)、及びビスフェノール系化合物(2,2’-メチレ
ンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)を
使用して、下記表1に示す各組成の質量部を2200c
cのバンバリーミキサーを使用して混練りし、未加硫の
ゴム組成物を得、以下の方法でのゴム組成物の加硫後の
特性を評価した。
【0030】
【表1】
【0031】試験評価の方法は以下のとおりである。初
期接着性と環境ストレス後の老化接着性を評価した。黄
銅鍍金(Cu:63wt%、Zn:37wt%)したス
チールコード(1×5×0.25mm(素線径))を
1.25mm間隔で平行に並べ、このスチールコードを
上下両側から各ゴム組成物でコーティングして、これを
温度160℃×15分間の条件で加硫し、幅12.5m
mの実施及び比較サンプルを作成した。
【0032】初期接着性及び老化接着性に対しては、A
STM−D−2229に準拠して各サンプルからスチー
ルコードを引き抜きスチールコードに付着しているゴム
量を各接着性の指標とした。初期接着性は上記加硫直後
の接着性の測定であり、老化接着性は温度70℃、相対
湿度100%の高温高湿条件に3日間の環境ストレスを
与えた後の接着性を測定した。尚、実施例1の初期接着
性のゴム付着量を100の指標として、他の実施例及び
比較例の値をその指標に合わせて数値化して示した(数
値が大きいほど、接着性が良好となる)。その結果を表
2に示した。
【0033】
【表2】
【0034】表2の結果が示すように、ビスフェノール
系化合物を加硫促進剤と共に添加することにより、初期
接着性を十分に維持しながら、更に環境ストレス、例え
ば、タイヤにあって走行中、荷重走行中等に生じる発熱
及び高湿等の環境ストレスを与えた後も老化接着性が十
分に維持されることが判る。しかしながら、比較例1、
2に示されるように、ビスフェノール系化合物の配合量
が少ないと、その老化接着性が十分に発揮されなくなる
ことが判る。一方、比較例3に示すようにビスフェノー
ル系化合物が過剰に配合されると、初期接着性も悪くな
ることが判る。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る接着性
ゴム組成物によれば、加硫促進剤であるN,N’-ジシク
ロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミドに加
えて、上記特定のビスフェノール系化合物を配合するこ
とにより、スチールコード等のゴム補強材とゴムとの間
の初期接着性だけでなく、環境ストレスを与えた後の老
化接着性も優れたものとなり、これをタイヤ等のゴム製
品に使用した場合には、バースト等を起こすことのない
優れた耐久性ゴム製品とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る空気入りタイヤの半部分
断面概略図である。
【符号の説明】
1 タイヤ 2 ビードコア 3 ビード部 4 サイドウォール部 5 トレッド部 8 カーカス層 13 ベルト層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 7/00 C08L 7/00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 補強材に加硫接着させる接着性ゴム組成
    物において、ゴム成分100質量部と、2個のtert-but
    yl基を有するビスフェノール系化合物1.5乃至7.5
    質量部と、N,N’-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾ
    リルスルフェンアミド0.5乃至2.0質量部とを配合
    してなる接着性ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 上記ビスフェノール系化合物は、下記化
    1式で示される化合物であることを特徴とする請求項1
    記載のゴム組成物。 【化1】 (式中、X1及びX2は水素、又は炭素数1乃至3のアル
    キル基であり、nは1乃至3の整数であり、またY1
    びY2は炭素数1乃至10の整数であり、tBuはtert-
    butyl基である。)
  3. 【請求項3】 上記ゴム成分は天然ゴム及び合成ゴムか
    ら選ばれた少なくとも1種からなるゴム成分であり、該
    ゴム成分100質量部に対してカーボンブラックが40
    質量部以上配合されることを特徴とする請求項1又は2
    記載のゴム組成物。
  4. 【請求項4】 ゴム成分100質量部と2個のtert-but
    yl基を有するビスフェノール系化合物1.5乃至7.5
    質量部とN,N’-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリ
    ルスルフェンアミド0.5乃至2.0質量部とを配合し
    てなるゴム組成物と、スチール製部材とからなることを
    特徴とするゴム−スチール複合体。
  5. 【請求項5】 上記スチール製部材の表面にコーティン
    グ処理が施されていることを特徴とする請求項4記載の
    ゴム−スチール複合体。
  6. 【請求項6】 トレッド部、一対のサイドウォール部、
    ビード部、タイヤ子午線方向への実質平行に配置された
    コードにより補強されたカーカス層、及び該カーカス層
    のタイヤ半径方向外方に配置され、実質平行に配置され
    たコードにより補強されたベルト層を有するタイヤであ
    って、上記カーカス層及びベルト層の少なくとも一層が
    上記請求項4又は5記載のゴム−スチール複合体からな
    ることを特徴とする空気入りタイヤ。
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