JP2003176364A - 樹脂成形品 - Google Patents

樹脂成形品

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JP2003176364A
JP2003176364A JP2002036187A JP2002036187A JP2003176364A JP 2003176364 A JP2003176364 A JP 2003176364A JP 2002036187 A JP2002036187 A JP 2002036187A JP 2002036187 A JP2002036187 A JP 2002036187A JP 2003176364 A JP2003176364 A JP 2003176364A
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JP
Japan
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pigment
colorant
resin molded
molded product
resin
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Application number
JP2002036187A
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English (en)
Inventor
Nobuaki Kobayashi
宣暁 小林
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Sakura Color Products Corp
Original Assignee
Sakura Color Products Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全く新たな意匠効果を発揮することができる
樹脂成形品を提供することを目的とする。 【解決手段】 入射光に対して干渉色を呈する色剤と、
入射光に対して光輝性を有する顔料とを配合して樹脂成
型品1を成形する。樹脂成型品1は、色剤2に特有の干
渉色を呈する。色剤2を透過した光は、樹脂の内側にあ
る顔料3や色剤2で反射するなどして樹脂成型品1の外
部に放出され、前記干渉色が一層強調され鮮明となる。
また、樹脂成型品1は、全体に入射光に対して光輝性を
有する顔料3が散在しているため独特の滑り感を有し、
従来の樹脂成型品とは全く異なる意匠効果を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、日用品として好適
な樹脂成形品に関するものであり、特にボールペン等の
文房具の様に手にとって使用し、且つ趣味的要素の強い
物品に適する樹脂成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ボールペンの軸やキャップ等の部品は、
ポリプロピレン樹脂やポリスチレン樹脂等の熱可塑性樹
脂を原料とする射出成形によって成形されることが多
い。実用的な面から見れば、文房具等の樹脂成形品は、
上記したポリプロピレン樹脂をそのまま射出成形すれば
十分な性能を発揮する。しかしながらポリプロピレン樹
脂は、本来、乳白色半透明の樹脂でありポリスチレン樹
脂は無色透明の樹脂であるため、これらの樹脂をそのま
ま射出成形した成形品は、意匠的な面白みに欠ける。
【0003】そのため特に文房具等の手に取って使用す
る樹脂成形品においては、意匠的効果を発揮させるため
に、赤や青等の顔料を配合し、成形品を特定の色に着色
する等の手段が講じられる。また或いは、射出成形を行
う際の樹脂ペレットに、異なる色のものを混合し、成形
品の表面に流れ模様や斑模様を表出させる方法もある。
さらに他の方策として、アルミニウム等の金属粉を樹脂
に混合し、メタリック調の成形品に仕上げる方策が知ら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】樹脂成形品に意匠的面
白みを付加する方策としては、上記した様な特定の一色
に成形品を着色するか、斑模様にするといった方法、あ
るいはアルミニウム等の金属粉を配合する方法しか採用
されていない。そこで本発明は、全く新たな意匠効果を
発揮することができる樹脂成形品を提供することを目的
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そして上記した課題を解
決すべく、以下に示す技術的手段を講じた。
【0006】本発明は、入射光に対して干渉色を呈する
色剤と、入射光に対して光輝性を有する顔料とを含有す
る樹脂組成物を成形してなることを特徴とする樹脂成形
品である(請求項1)。
【0007】かかる構成を有する本発明の樹脂成型品
は、見る位置によって干渉色の色合いが異なる。さら
に、前記樹脂成型品は、顔料から光輝性を有する反射光
が発生するため、全体的にキラキラと輝いて見える。よ
って、本発明の樹脂成型品は、見る角度によって様々な
色合いを呈し、さらに光輝性に優れたものであるため、
従来の樹脂成型品には見られない、極めて特異な意匠効
果を発現する。
【0008】また、本発明の樹脂成型品は、上記した色
剤および顔料の双方を含むものであるため、場合によっ
ては上記した効果に加え、次のような効果も付加され
る。干渉色を呈する色剤は、一般に図2の様に基礎とな
る物質4の表面に薄い皮膜5が設けられたものである。
また、光輝性を有する顔料3には、金属や金属酸化物を
粒状や鱗片状に成形したものや、基礎となる物質6の表
面に薄い皮膜7を設けたものなどがある。なお、顔料3
は、入射光の一部が物質6および皮膜7を透過するもの
であってもよいが、説明を簡略化するため、入射光を透
過しないものとする。
【0009】色剤2における光の干渉は、色剤2の表面
及び内部の双方で反射した光によって発生する。図2
は、本発明の樹脂成型品に含有されている色剤2におけ
る光の反射を模式的に示す図である。色剤2に光が入射
すると、入射光の一部は、色剤2の表面で反射する。ま
た他の入射光は顔料表面の皮膜を通過する。顔料表面の
皮膜を通過した光は、皮膜5と物質4の間で反射する
(第1層間反射)。そして前記した表面反射と第1層間
反射が干渉し、干渉色が発生する。
【0010】またさらに光の一部は、図1の様に物質4
の内部にも光が入り込み、物質4の裏面側と裏面側の皮
膜5との境界部分で反射する(第2層間反射)。さらに
皮膜5の裏面側においても光が反射する(裏面反射)。
そして前記した第2層間反射と裏面反射についても相互
に干渉し、干渉光を発する。
【0011】しかしながら実際上は、入射光の全てが前
記した「顔料自体の表面(表面反射)」「皮膜5と物質
4の境界部(第1層間反射)」「物質4の裏面側と裏面
側の皮膜5との境界部分(第2層間反射)」及び「皮膜
5の裏面側(裏面反射)」で反射し尽くされる訳ではな
く、多くの光が色剤2を貫通する。よって、樹脂成型品
1に入射する入射光の光量に対して発せられる干渉光の
光量が少なく、干渉光の輝きが鈍いものとなってしま
う。
【0012】これに対して、請求項1に記載の発明にお
いては、上記した色剤2に加えて、光輝性を有する顔料
3が添加されている。顔料3は、入射光の大部分を反射
光として放出し、輝度の高い反射光を呈する。よって、
樹脂成型品1の表面近傍に顔料3がある部分では、光輝
性の高い反射光が放出される。
【0013】一方、図1のA部やB部のように、樹脂成
型品1の内側に顔料3がある部分においては、顔料3が
色剤2を貫通した光を反射する。A部における光の反射
の様子を、図3に示す。樹脂成型品1の表面近傍にある
色剤2に光が入射すると、上記した原理で光を反射し、
色剤2に特有の干渉光が発せられる。一方、色剤2を貫
通した光は、色剤2より内側にある顔料3に入射され
る。顔料3に入射した光は、被膜7の表面で反射し、色
剤2および顔料3の隙間から光輝性の高い反射光を呈す
る。
【0014】樹脂成型品1のB部における、光の反射の
様子を図4に示す。樹脂成型品1の表面近傍にある色剤
2に入射した入射光の一部は、上記したように色剤2の
裏面から樹脂成型品1の内部側へ透過する。色剤2から
透過した光は、顔料3の被膜7で反射する。顔料3にお
ける反射光の一部は、色剤2や顔料3の隙間から樹脂成
型品1の外部に放出され、光輝性の高い光を呈する。顔
料3における反射光の残部は、樹脂成型品1中の色剤2
の裏面側に入射される。色剤2の裏面側に入射された光
は、顔料3において反射されたものであるため、光輝性
が高い。色剤2の裏面側に入射された光の一部は、色剤
2を透過し、樹脂成型品1の外部に光輝性の高い光とし
て放出される。
【0015】色剤2の裏面側に入射された光の残部は、
被膜5で反射する。色剤2の裏面側で反射した反射光
は、色剤2に隣接する顔料3に入射し、被膜7で反射す
る。被膜7で反射した光は干渉し、樹脂成型品1の外部
に色剤2に特有の干渉色を有する反射光として放出され
る。
【0016】上記したように、色剤2を透過した光の一
部は、樹脂成型品1の内部にある顔料3で反射されるた
め、樹脂成型品1は非常に光沢に富んでいる。また、色
剤2を透過した光の残部は、樹脂成型品1の内部で反射
および干渉を繰り返した後、表面から色剤2に特有の干
渉色を呈する光として放出され、樹脂成型品1の表面近
傍の色剤2で発生した干渉光をさらに強調するため、干
渉色が極めて鮮明である。よって、本発明の樹脂成型品
は、全体が鮮明な干渉色に色づき、その中に光輝性が高
くまばゆい光が散在したものであるため、全体として絹
のような滑り感を有し、従来の樹脂成型品には見られな
い独特の意匠効果が得られる。
【0017】また、上記した樹脂成型品は、入射光に対
して特定の色を呈する着色剤を含有することを特徴とす
るものであってもよい(請求項2)。
【0018】また、本発明は、入射光に対して干渉色を
呈する色剤と、入射光に対して光輝性を有する顔料と、
黒色及び/又は暗色の着色剤とを含有する樹脂組成物を
成形してなることを特徴とする樹脂成形品である(請求
項3)。
【0019】本発明の樹脂成型品は、黒色の着色剤を含
有するものであるから、色剤2や顔料3を透過した光
は、着色剤に吸収される。そのため、色剤2の呈する干
渉光や、顔料3における反射光が一層強調されて鮮明に
なる。よって、本発明の樹脂成型品は、全体的に色剤2
に特有な干渉色を有し、さらに金属光沢感に溢れたもの
であり、従来の樹脂成型品には見られない独特の意匠効
果が得られる。なお、本発明において「暗色」とは、色
の3属性である色相、彩度、明度の内、明度が低いもの
を指し、彩度および色相はいかなるものであってもよ
い。
【0020】また、本発明は、入射光に対して干渉色を
呈する色剤と、入射光に対して光輝性を有する顔料と、
入射光に対して蛍光色を呈する着色剤とを含有する樹脂
組成物を成形してなることを特徴とする樹脂成形品であ
る(請求項4)。
【0021】本発明の樹脂成型品は、全体的に鮮明かつ
光沢感を有する蛍光色に色づいており、見る角度によっ
ては、この樹脂成型品中に散りばめられた色剤に起因す
る干渉色が発生するものであり、従来の樹脂成型品とは
一線を画した意匠効果が得られる。
【0022】また、本発明の樹脂成型品は、色剤および
顔料に加えて蛍光色を呈する着色剤が配合されているた
め、次のような効果が付加される場合がある。本発明の
樹脂成型品に配合されている着色剤は、入射光中の特定
の波長の光波を反射し、さらに入射光中の他の波長の光
波の大部分を、反射光と同位相の波長光として放出する
ものである。よって、本発明の樹脂成形品に配合されて
いる着色剤は、反射光が励起され、鮮やかな鮮やかな蛍
光色を呈する。
【0023】本発明の樹脂成型品においても、上記した
樹脂成型品と同様の色剤および顔料を含有しているた
め、上記した場合と同様に干渉色を呈する色剤2に入射
した光の一部は、表面反射、第1層間反射、第2層間反
射を行い、前記色剤2に特有の干渉色を呈する。一方、
色剤2に入射した光の残部は色剤2を透過し、樹脂成型
品1の内部側に進む。色剤2を透過した光の一部は、上
述したのと同様の原理で、樹脂成型品1の内部側にある
色剤2や顔料3において反射し、光輝性の高い反射光や
干渉光を呈する。
【0024】本発明の樹脂成型品には上記した着色剤が
含有されているため、色剤2を透過した光の一部は、樹
脂成型品1の内部側にある着色剤にも入射する。当該着
色剤に入射した光のうち特定の波長の光波は反射し、さ
らに入射光中の他の波長の光波の大部分は、反射光と同
位相の波長光として放出される。そのため、色剤2を透
過し着色剤に入射した光は、着色剤の呈する反射光を励
起し、鮮明な蛍光色を発生する。また、本発明の樹脂成
型品中には顔料が散りばめられているため、この顔料の
呈する光輝性の高い反射光により、着色剤の呈する蛍光
色には光沢感が付与される。
【0025】よって、本発明の樹脂成型品は、全体的に
鮮明かつ光沢感のある蛍光色に色づいており、さらに見
る角度によっては色剤に特有の干渉色が発生するもので
あるため、従来技術の単一色の樹脂成形品や、流れ模様
の樹脂成形品とは明らかに異なる意匠効果を発現する。
【0026】本発明は、入射光に対して干渉色を呈する
色剤と、入射光に対して光輝性を有する顔料と、前記干
渉色との色相の相違がマンセル表色法に基づく100分
割中の10以内である着色剤とを含有する樹脂組成物を
成形してなることを特徴とする樹脂成形品である(請求
項5)。
【0027】本発明の樹脂組成物についても、入射光に
よって干渉色を呈する顔料が配合されている。そして本
発明の樹脂組成物では、干渉色との色相の相違がマンセ
ル表色法に基づく100分割中の10以内である着色剤
も配合されている。すなわち樹脂成形物の全体が、干渉
色と同系色に着色されている。そのため干渉色の色彩が
周囲の地色に溶け込み、輝きだけが強調される。さら
に、本発明の樹脂成型品に配合されている顔料も入射光
に対して光輝性を有するため、前記した顔料による輝き
が一層強調される。よって、本発明の樹脂成型品は、極
めて光輝性が高く、従来の樹脂成型品には見られない独
特の意匠効果を有する。
【0028】また、上記した樹脂成型品に含有される色
剤は、無機物質を金属及び/又は金属酸化物によって被
覆した金属被覆色剤であってもよい(請求項6)。
【0029】上記した色剤は、無機物質を金属及び/又
は金属酸化物と、有機顔料によって被覆した金属被覆色
剤とすることもできる(請求項7)。
【0030】また、上記した色剤の無機物質は、ガラス
であってもよい(請求項8)。
【0031】色剤の被覆の厚さは、干渉色を生じる厚さ
であることが望ましい(請求項9)。
【0032】さらに、色剤は光の一部が透過可能である
ことが望ましい(請求項10)。
【0033】また、上記した樹脂成型品に含有される顔
料は、無機物質を金属及び/又は金属酸化物によって被
覆した金属被覆顔料であってもよい(請求項11)。
【0034】さらに上記した顔料は、無機物質を金属及
び/又は金属酸化物と、有機顔料によって被覆した金属
被覆顔料であってもよい(請求項12)。
【0035】また、上記した顔料の無機物質は、ガラス
であってもよい(請求項13)。
【0036】顔料の被覆の厚さは、干渉色を生じる厚さ
であってもよい(請求項14)。
【0037】顔料は、光の一部が透過可能であるもので
あってもよい(請求項15)。
【0038】また、上記した樹脂成型品は、全体が半透
明であっても構わない(請求項16)。
【0039】前記色剤の平均粒径が5.0〜500μm
であり、且つ、当該色剤が樹脂組成物全量中に1.0〜
5.0重量%含まれることが推奨される(請求項1
7)。
【0040】また、前記顔料の平均粒径が5.0〜50
0μmであり、且つ、当該顔料が樹脂組成物全量中に
1.0〜5.0重量%含まれることが推奨される(請求
項18)。
【0041】前記した色剤や顔料は、粒子が偏平形状を
有し、個々にばらつきを有する事が多い。このため、粒
子の大きさを表すには、平均の粒子径やメジアンの粒子
径を用いるのが適切である。本発明の樹脂成形品に含有
される色剤や顔料の平均粒径は5.0〜500μmが好
適である。色剤や顔料の平均粒径が5.0μm未満の場
合は、フレーク粒子が小さすぎるため反射光の光量が少
ない。また色剤や顔料の平均粒径が500μmを超える
と樹脂中への分散性が劣る。
【0042】また前記した様に、色剤や顔料は、樹脂成
形品に使用する樹脂組成物の全量中0.5〜10.0重
量%含まれていることが好ましい。色剤や顔料が樹脂組
成物の全量中0.5重量%未満の場合は充分な光量が得
られない。色剤や顔料が、樹脂組成物の全量中10.0
重量%を超えると、樹脂の流動性が劣り成形性が低下す
ると共に、樹脂成形品の全域が色剤や顔料で埋まり、前
記樹脂成型品に特有の意匠的効果が薄れてしまう。よっ
て、色剤および顔料の最適配合量は1.0〜5.0重量
%である。
【0043】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂成形品では、入射光
に対して干渉色を呈する色剤と、入射光に対して光輝性
を有する顔料が配合されており、特定の着色剤が配合さ
れる場合もある。入射光に対して干渉色を呈する顔料と
しては、ガラスや雲母などの無機物質を金属や金属酸化
物で被覆した金属被覆色剤が公知である。また、入射光
に対して光輝性を有する顔料としては、ガラスを金属あ
るいは金属酸化物で被覆したガラスフレーク顔料などの
金属被覆顔料やアルミニウム粉等の金属粉が公知であ
る。以下、本発明の樹脂成型品に含有される色剤および
顔料について説明する。
【0044】(金属被覆色剤)金属被覆色剤は、無機物
質を金属及び/又は金属酸化物によって被覆したもので
ある。金属被覆色剤は、光が入射すると鮮やかな干渉色
を有する反射光を発する。よって前記色剤を含有する樹
脂成形物は、鮮明な干渉色を呈し、独特の意匠効果を有
する。なお、無機物質の表面を被覆する被覆面は、単層
であっても2層以上の多層であっても良い。被覆面が多
層の場合は、各被覆面でそれぞれ干渉色を呈するため、
干渉色がより一層強調される。
【0045】前記金属被覆色剤に用いられる無機物質に
は、雲母が好適に用いられる。また、前記無機物質を被
覆する金属及び/又は金属酸化物としては、チタンや酸
化チタン、酸化鉄などが好適に使用できる。特に雲母を
酸化チタンおよび酸化鉄で被覆した金属被覆色剤は、酸
化チタンにより形成される被覆面により、反射光が干渉
し特有の色あるいは虹色の干渉色を呈する。また、前記
色剤には酸化鉄により構成される被覆面が存在するた
め、当該被覆面により前記干渉色がより一層強調され
る。よって、前記色剤を含有する本発明の樹脂成形品
は、鮮明な干渉色を呈するものである。
【0046】また金属被覆色剤の一種として、無機物質
を金属や金属酸化物の被覆層と有機顔料の被覆層を有す
るものが知られている。
【0047】金属酸化物等の被覆層と有機顔料の被覆層
を有する金属被覆色剤は、金属及び/又は金属酸化物に
より構成される被覆面において、光輝性が高く特有の干
渉色の反射光を呈する。また、前記反射光は、有機顔料
により構成される被覆面により、さらに強調される。よ
って、かかる色剤が配合された本発明の樹脂成形品は、
光輝感に溢れた鮮明な干渉色を呈する。
【0048】金属酸化物等の被覆層と有機顔料の被覆層
を有する金属被覆色剤においても、無機物質としては雲
母が好適である。また、特に雲母を酸化チタンおよび有
機顔料によって被覆した金属被覆色剤は、酸化チタンに
より構成される被覆面が光輝性が高く特有の干渉色の反
射光を発し、有機顔料により構成される被覆面が、前記
反射光の干渉色をさらに強調する。よって、前記色剤を
含有する本発明の樹脂成形品は干渉色が際立ち光輝感に
溢れたものとなる。
【0049】金属被覆色剤の中で、金属蒸着等で金属及
び又は金属酸化物が被覆された無機色剤として構成され
ているものの実例を挙げれば、酸化鉄(III )が被覆さ
れたアルミニウムがあり、例えばBASF株式会社製の
商品名「Paliocrom Gold L2000/L2002」、「Paliocrom
Gold L2020/L2022」、「Paliocrom Gold L2025」、「Pa
liocrom Gold L2800」がある。また酸化鉄(III )が被
覆された雲母を用いることができる。例えばBASF株
式会社製の商品名「Paliocrom Red Gold L2500」、「Pa
liocrom Red L4000」がある。また、アルミ−マンガ
ン被覆の雲母状酸化鉄(III )を用いることができる。
例えばBASF株式会社製の商品名「Paliocrom Copper
L3000」及び「Paliocrom Copper L3001」がある。ま
た、還元二酸化チタンが被覆された雲母を用いることが
できる。例えばBASF株式会社製の商品名「Paliocro
m Blue Silver L6000 」、「Paliocrom BlueSilver L60
01 」がある。また、二酸化チタンが被覆された雲母も
用いることができる。
【0050】また、本発明の樹脂成形品に含有される色
剤として、還元二酸化チタンが被覆された雲母を用いる
ことができる。例えばBASF株式会社製の商品名「Pa
liocromBlueSilverL6000」、「PaliocromBlueSilverL60
01」がある。また、酸化チタンおよび酸化鉄によって雲
母を被覆した色剤である、エンゲルハード社製の商品名
「Santa Fe DesertBlush 」(同社コード 9362
Z)、「Santa Fe Plum」(同社コード 9663
Z)、「Santa Fe KiwiGreen 」(同社コード 986
2Z)、「Santa Fe AdobeGreen」(同社コード 98
63Z)などを用いることもできる。また、エンゲルハ
ード社製商品名「Dynacolor BB 」(同社コード 96
39ZB15C)、「Dynacolor GB 」(同社コード
9639ZG7C)、「Dynacolor RB 」(同社コード
9639ZV19A)などの酸化チタンおよび有機顔
料を雲母に被覆した色剤も本発明の樹脂成形品に含有さ
れる色剤として好適に使用できる。
【0051】上記の金属被覆無機顔料の平均粒径も、ガ
ラスフレーク顔料と同様に、5.0〜500μmが好適
である。平均粒径が5.0μm未満の場合は、上記の色
剤粒子が小さ過ぎるため光輝性が劣り、また500μm
を超えると樹脂中への分散性が劣る。
【0052】金属被覆色剤の配合量も、ガラスフレーク
顔料と同様に、樹脂成形品を成形する樹脂組成物の全量
中0.5〜20.0重量%含まれていることが好まし
い。上記の色剤が樹脂組成物の全量中0.5重量%未満
の場合は光輝性が充分でない。上記の色剤が樹脂組成物
の全量中20.0重量%を超えると、樹脂の流動性が劣
り、成形性が低下する。上記の金属被覆色剤の最適配合
量は1.0〜10.0重量%である。また、樹脂成形品
の透過性が要求される場合は、金属被覆色剤の最適配合
量は更に低い値となる。則ち、色剤が樹脂組成物の全量
中10.0重量%を超えると、樹脂成形品の全域が色剤
で埋まり透過性が低減する。金属被覆色剤の最適配合量
は1.0〜5.0重量%である。
【0053】(ガラスフレーク顔料)本発明の樹脂成型
品に配合される顔料としては、ガラスフレーク顔料が好
適に使用できる。ガラスフレーク顔料は、金属又は金属
酸化物がガラスに被覆された鏡状の物体であり、表面が
平滑であり、入射光に対してキラキラと輝く顔料であ
る。すなわち本発明で用いられるガラスフレーク顔料
は、フレーク状ガラスが金属又は金属酸化物などで被覆
された構造からなり、極めて光輝感に溢れた顔料として
定義される。ガラスフレーク顔料を含有する樹脂成形物
は、顔料の反射光の光輝性が高く、独特の意匠効果を発
揮する。
【0054】ガラスを被覆する金属あるいは金属酸化物
は銀、ニッケル、チタン、クロム、モリブデン、真鍮、
銀合金、酸化チタンなど、ガラス上に被覆した場合に入
射光に対して光輝性の高い反射光を呈するものであれば
いかなるものであっても良い。また、金属あるいは金属
酸化物によるガラスの被覆は無電解メッキ法やスパッタ
リング法などいかなる手法を用いても良い。
【0055】上記したガラスフレーク顔料の内、ガラス
を被覆する金属が銀又はニッケルであるものは、特に光
の反射率が高く、輝きが強い。さらにガラスをチタンに
よって被覆した顔料は、光の干渉により入射光に対して
特有の色、又は虹色の干渉色を呈する。また、ガラスを
酸化チタンによって被覆した顔料は、特有の色あるいは
虹色の光輝性の高い反射光を呈する。また、上記した種
々の顔料が発する反射光は、ガラスの表面平滑性が高い
ため強く光輝感がある。ガラスフレーク顔料の内でもガ
ラスを銀やニッケル、チタン、酸化チタンによって被覆
したものは特に光輝感が高く、当該ガラスフレーク顔料
を含有する樹脂成形品はより一層特異な意匠効果が得ら
れる。
【0056】ガラスフレーク顔料の中で、フレーク状ガ
ラスが無電解メッキ法により金属で被覆されたものがあ
り、実例を挙げると、銀で被覆された日本板硝子株式会
社製の商品名「メタシャインRCFSX −5480PS」、「メタ
シャインRCFSX −5230PS」、「メタシャインRCFSX −51
50PS」(以上 同社コード9023〜9025)、「メ
タシャインRCFSX −5090PS02」、「メタシャインRCFSX
−5090PS06」、「メタシャインRCFSX −5030PS」があ
る。また同じく日本板硝子株式会社製であって、ニッケ
ルで被覆されたガラスフレーク顔料、商品名「メタシャ
インRCFSX −5480NS 又は同NB」、「メタシャインRCFS
X −5230NS 又は同NB」、「メタシャインRCFSX −5150
NS 又は同NB」、「メタシャインRCFSX −5090NS 又は
同NB」、「メタシャインRCFSX −5030NS 又は同NB」
(以上 同社コード9041〜9045 9050〜9
054)が採用可能である。さらにチタンで被覆された
ガラスフレーク顔料、商品名「メタシャインRCFSX−509
0RC」(同社コード8052,8053 8069〜8
071)が採用可能である。また、酸化チタンをフレー
ク状ガラスに被覆した顔料の一例として、商品名「メタ
シャインRC9555 又は同9548 又は同9548」がある。
【0057】また、フレーク状ガラスがスパッタリング
法により金属で被覆されたガラスフレーク顔料も使用す
ることができる。例えば、銀で被覆された東洋アルミニ
ウム社製の商品名「クリスタルカラーGF2125」、「クリ
スタルカラーGF2125−M 」、「クリスタルカラーGF214
0」、「クリスタルカラーGF2140−M 」がある。また、
ニッケル・クロム・モリブデンで被覆された同社製の商
品名「クリスタルカラーGF2525」、「クリスタルカラー
GF2525−M 」、「クリスタルカラーGF2540」、「クリス
タルカラーGF2540−M 」がある。また、真鍮で被覆され
た同社製の商品名「GF250 」、銀合金で被覆された同社
製の商品名「GF1345」、チタンで被覆された同社製の商
品名「GF1445」がある。
【0058】本発明では顔料の平均粒径は5.0〜50
0μmが好適である。顔料の平均粒径が5.0μm未満
の場合は、顔料粒子が小さすきるため光輝性が劣り、ま
た500μmを超えると樹脂中への分散性が劣る。
【0059】本発明の樹脂成型品に採用される顔料は、
樹脂成形品の成形に使用する樹脂組成物の全量中0.5
〜20.0重量%含まれていることが好ましい。顔料が
樹脂組成物全量中0.5重量%未満の場合は光輝性が充
分でない。顔料が成形品を成形する樹脂組成物の全量中
20.0重量%を超えると、樹脂の流動性が劣り、成形
性が低下する。顔料の最適配合量は1.0〜10.0重
量%である。特に、樹脂成形品の透過性が要求される場
合は、顔料の最適配合量は更に低い値となる。則ち、顔
料が樹脂組成物の全量中10.0重量%を超えると、樹
脂成形品の全域が顔料で埋まり透過性が低減する。顔料
の最適配合量は1.0〜5.0重量%である。
【0060】(金属粉)本発明の樹脂成形品において顔
料として用いられる金属粉は、入射光に対して反射光を
呈するものであれば、いかなるもであっても構わない。
具体的には、アルミニウム、銀、ニッケル、チタン、ク
ロム、モリブデン、真鍮、銀合金などが挙げられ、その
うちでもアルミニウムが最も好適に使用できる。なお、
金属粉はいかなる形状を有していても良いが、光の反射
面積をより多くすべくフレーク状とすることが好まし
い。また、表面が鏡面加工されるとともに、染料などで
着色された金属粉は、一層強い光輝感が得られる。本発
明に用いる金属粉の一例として、尾池工業製の商品名
「エルジー」シリーズの品番H25 のsilver、同品番DG G
old 、同品番Green 、同品番Blue、同品番Red 、同品番
Maroon、同品番Black などが例示できる。
【0061】(着色剤)黒色または暗色の色相を呈する
着色剤は、入射光の持つ波長の大部分を吸収するため、
上記した色剤や顔料を透過した光の大部分を吸収する。
よって、黒色又は暗色の着色剤が配合された樹脂成型品
は、色剤や顔料における反射光を散乱させる波長の光が
前記着色剤に吸収されるため、干渉光や反射光が一層強
調されて鮮明になる。黒色の色相を呈する着色剤として
は、カーボンブラックなどが好適に使用でき、実例を挙
げるとC.I.GN Pigment Black-7 やC.I.GN
Pigment Black-28などがある。
【0062】蛍光色を呈する着色剤は、入射光中の特定
の波長を光波を反射し、さらに入射光中にある他の波長
の光波の大部分を反射光と同位相の波長光として放出す
るものである。入射光に対して蛍光色を呈する着色剤の
一例として、太陽光が入射光である時、オレンジ色の色
相を呈する着色剤として、シンロイヒ社製の社製の商品
名「FX-304」がある。また、同様に黄色の蛍光色を呈す
る着色剤として、シンロイヒ社製の商品名「FX-305」や
日本触媒製の商品名「エポカラー FP-3000H」がある。
ピンク色の蛍光色を呈するものとしては、シンロイヒ社
製の商品名「FX-307」や日本触媒製の商品名「エポカラ
ー FP-2050N」等が採用可能である。また、赤色の蛍光
色を呈する着色剤として、シンロイヒ社製の商品名「FX
-303」等がある。また、蛍光色を呈する着色剤として、
蛍光増白剤を用いることもできる。蛍光増白剤は、入射
光の紫外部の光エネルギーを吸収し、このエネルギーを
紫色や青色に相当する波長の反射光として放出するもの
である。蛍光増白剤の一例として、日本化学工業所製の
商品名「NIKKAFLUOR RP conc. 」、「NIKKAFLUOR 2R co
nc. 」、「NIKKAFLUOR SB conc. 」、「NIKKAFLUOR KB
」、「NIKKAFLUOR EFS」、「NIKKAFLUOR OB 」、「NIK
KAFLUOR MC 」等がある。
【0063】本発明の樹脂成形品に用いる着色剤は、当
該樹脂成形品に含有される顔料が入射光により発する干
渉色と同系統の色相、すなわち当該干渉色との色相の相
違がマンセル表色法に基づく100分割中の10以内の
色相を有するものとすることができる。その一例とし
て、太陽光が入射光である時、緑色の色相を呈するC.
I.GN Pigment Green-7 がある。
【0064】本発明に採用される樹脂としては、射出成
形や押し出し成形が可能な熱可塑性樹脂のいずれもが使
用可能である。具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、メタク
リル樹脂、塩化ビニール樹脂、ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、AS樹
脂、EVA樹脂、セルロースアセテート樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、
変成ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリサンフォン樹
脂等が挙げられる。
【0065】(その他の添加物)なお、本発明において
はその他必要に応じて、成形する樹脂組成物中に耐候性
安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、発泡剤、離型剤、滑
剤、核剤、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止
剤等を添加することができる。また他の顔料を添加する
こともできる。
【0066】
【実施例】(実施例1)樹脂としてポリプロピレン(商
品名 MG03B 日本ポリケム株式会社製)を採用し、こ
の樹脂に全体の1重量%に相当する酸化チタンおよび酸
化鉄を雲母に被覆した色剤(商品名 Santa Fe9863Z
エンゲルハード社製、平均粒径約17μm)および全
体の1重量%に相当する銀被覆ガラスフレーク顔料(商
品名 メタシャインRCFSX-5480PS)を配合し、これを計
量後ブレンダーで混合し、さらに押出機で溶融混練りし
てペレット化した。そしてさらにこれを射出成形して、
図5に示すようにボールペンのキャップ8と本体軸9を
成形した。なおボールペンの本体軸9とは、インキが充
填されるインキ芯3の外側に配される部材であり、筆記
の際に使用者が手で保持する部材である。成形したボー
ルペンのキッャプ3及び本体軸9は、具体的にはサクラ
クレパス製「ボールサイン」(商品名)であり、キャッ
プ8の頂部は球面状をしている。
【0067】キャップ8及び本体軸9を光が反射する方
向から見ると、全体が色剤により鮮明な緑色に色づいて
おり、その中に顔料による光輝性の高い無数の点状の輝
きが認められる。そのため、キャップ8および本体軸9
は、独特の滑り感を有し、従来の樹脂成型品には見られ
ない独特の意匠効果が得られた。
【0068】(実施例2)樹脂としてポリプロピレン
(商品名 MG03B 日本ポリケム株式会社製)を採用
し、酸化チタンおよび有機顔料を雲母に被覆した色剤
(商品名 Dynacolor BB エンゲルハード社製)と、銀
被覆ガラスフレーク顔料(商品名 メタシャインRCFSX-
5150PS)と、着色剤(C.I.GN Pigment Green-7
)とを配合し、実施例1と同様にしてキャップ8およ
び本体軸9を成形した。
【0069】成形されたキャップ8および本体軸9は、
全体が緑色に着色された半透明体であり、顔料による光
輝性の高い無数の点状の輝きが認められる。ここで、確
かめられる点状の輝きは、上記実施例1において認めら
れた輝きに比べて一層光輝性が高い。これは、本実施例
の樹脂成型品が半透明体であるため、樹脂表面の色剤や
顔料を透過し、樹脂内の色剤や顔料で反射した光の減衰
が、上記実施例1の場合に比べて少ないためである。
【0070】また、キャップ8および本体軸9は、見る
角度によって色剤により青色で光輝性の高い点状の輝き
も認められる。色剤に起因するこの干渉色についても、
上記したと同様の理由で、ひときわ光輝性が高い。本実
施例のキャップ8および本体軸9は、全体が緑色で高い
光輝性を有する半透明体であり、見る角度によっては青
色で点状の輝きが認められるものであり、従来の樹脂成
型品とは一線を画した意匠効果が得られる。
【0071】(実施例3)色剤および顔料を変更し、実
施例1,2におけるのと同様にして、キャップ8および
本体軸9を成形した。本実施例において使用した色剤
は、酸化チタンおよび酸化鉄を雲母に被覆した色剤(商
品名 Santa Fe9663Z エンゲルハード社製、平均粒
径約17μm)であり、顔料は銀被覆ガラスフレーク顔
料(商品名メタシャインRCFSX-5230PS)である。この例
では、キャップ8および本体軸9は、光が反射する方向
から見ると、全体的に鮮やかなプラム色であり、その中
に顔料による光輝性に溢れた無数の点状の輝きが認めら
れる。ここで前記実施例1と全体の色が異なって見える
のは、雲母を被覆している酸化チタンおよび酸化鉄の膜
厚が異なるためである。前記したように本発明は光の干
渉を利用している。則ち、雲母に被覆するる酸化チタン
および酸化鉄の厚さを変えることにより、干渉によって
増強される波長が異なり、これによって違った色相に輝
くものである。本実施例のキャップ8および本体軸9に
ついても、従来にない独特の滑り感を有する。
【0072】(実施例4)本実施例では、上記実施例2
の銀被覆ガラスフレーク顔料の代わりに、アルミ蒸着フ
ィルム(尾池工業製 商品名「エルジー#500」)を粉砕
したものを採用した。本実施例のキャップ8および本体
軸9は、光が反射する方向から見ると、全体的に鮮やか
なプラム色であり、アルミ蒸着フィルムでの光の反射に
よる光輝性に富む点状の輝きが全体に散在している。よ
って本実施例のキャップ8および本体軸9は、全体が滑
り感のあるプラム色に色づいており、従来にない独特の
滑り感を有する。
【0073】(実施例5)樹脂としてポリプロピレン
(商品名 MG03B 日本ポリケム株式会社製)を採用
し、この樹脂に全体の1重量%に相当する酸化チタンお
よび有機顔料を雲母に被覆した色剤(商品名 Dynacolo
r BB エンゲルハード社製)と、銀被覆ガラスフレー
ク顔料(商品名 メタシャインRCFSX-5150PS)と、黒色
の着色剤(C.I.GN Pigment Black-7 )とを配合
し、これを計量後ブレンダーで混合し、さらに押出機で
溶融混練りしてペレット化した。そしてさらにこれを射
出成形して前記実施例1と同様に図5に示すようなボー
ルペンのキャップ8と本体軸9を成形した。
【0074】本実施例のキャップ8および本体軸9は、
入射光が反射する方向から見ると全体的に極めて鮮明な
青色の干渉色に色づいており、その中に顔料による光輝
性に富む点状の輝きが無数に認められ、全体的に金属光
沢性に溢れている。これは、本実施例のキャップ8およ
び本体軸9に含有されている黒色の着色剤が、色剤や顔
料を透過した光を吸収し、色剤の呈する干渉光や、顔料
における反射光が一層強調されるためである。よって、
本発明の樹脂成型品は、従来の樹脂成型品に比べて一層
金属光沢感に溢れたものであり、独特の意匠効果が得ら
れる。
【0075】(実施例6)樹脂としてポリプロピレン
(商品名 MG03B 日本ポリケム株式会社製)を採用
し、この樹脂に全体の1重量%に相当する酸化チタンお
よび有機顔料を雲母に被覆した色剤(商品名 Dynacolo
r RB エンゲルハード社製)と、銀被覆ガラスフレー
ク顔料(商品名 メタシャインRCFSX-5480PS)と、黒色
の着色剤(C.I.GN Pigment Black-7 )とを配合
し、上記実施例4と同様にしてキャップ8と本体軸9を
成形した。
【0076】本実施例のキャップ8および本体軸9は、
入射光が反射する方向から見ると非常に鮮明な紫色の干
渉色に色づいており、その中に顔料による光輝性に富む
点状の輝きが無数に認められ、金属光沢性が際だってい
る。これは、本実施例のキャップ8および本体軸9に含
有されている黒色の着色剤が、色剤や顔料を透過した光
を吸収し、色剤の呈する干渉光や、顔料における反射光
が一層強調されるためである。ここで、前記実施例4と
色剤に起因する干渉色が異なっているのは、雲母を被覆
している酸化チタンおよび有機顔料の膜厚が異なるため
干渉によって増強される波長が異なるためである。本実
施形態のキャップ8および本体軸9は、従来の樹脂成型
品に比べて金属光沢性に優れている。
【0077】(実施例7)樹脂としてポリプロピレン
(商品名 MG03B 日本ポリケム株式会社製)を採用
し、この樹脂に酸化チタンおよび有機顔料を雲母に被覆
した色剤(商品名 Dynacolor GB エンゲルハード社
製)と、銀被覆ガラスフレーク顔料(商品名メタシャイ
ンRCFSX-5230PS)と、オレンジ色の蛍光色を呈する着色
剤(商品名「FX-304」 シンロイヒ社製)とを配合し、
上記実施例4と同様にしてキャップ8と本体軸9を成形
した。
【0078】本実施例のキャップ8および本体軸9は、
全体的に鮮明なオレンジ色の蛍光色に色づいており、独
特の光沢感を有する。さらに、キャップ8および本体軸
9を入射光が反射する方向から見ると、緑色で点状の輝
きが無数に認められる。本実施形態のキャップ8および
本体軸9は、従来の樹脂成型品とは明らかに異なる意匠
効果を有する。
【0079】(実施例8)樹脂としてポリプロピレン
(商品名 MG03B 日本ポリケム株式会社製)を採用
し、この樹脂に酸化チタンおよび有機顔料を雲母に被覆
した色剤(商品名 Santa Fe9663Z エンゲルハード
社製、平均粒径約17μm)と、銀被覆ガラスフレーク
顔料(商品名 メタシャインRCFSX-5090RC)と、緑色の
着色剤(C.I.GN Pigment Green-7 )とを配合
し、上記実施例4と同様にしてキャップ8と本体軸9を
成形した。
【0080】本実施例のキャップ8および本体軸9は、
着色剤により全体的に緑色に色づいており、顔料が呈す
る干渉色も緑色である。すなわち、キャップ8および本
体軸9は、顔料の干渉色と同系色に着色されている。そ
のため干渉色の色彩が周囲の地色に溶け込み、輝きだけ
が強調される。さらに、本実施例の樹脂成型品に配合さ
れている顔料は、入射光に対して光輝性の高い反射光を
発するため、前記した顔料による輝きが一層強調され
る。よって、本実施例のキャップ8および本体軸9は、
極めて光輝性が高く、従来の樹脂成型品には見られない
独特の意匠効果を有する。
【0081】(実施例9)樹脂としてポリプロピレン
(商品名 MG03B 日本ポリケム株式会社製)を採用
し、この樹脂に酸化チタンおよび有機顔料を雲母に被覆
した色剤(商品名 Dynacolor GB エンゲルハード社
製)と、銀被覆ガラスフレーク顔料(商品名メタシャイ
ンRCFSX-5090RC)と、緑色の蛍光色を呈する着色剤とを
配合し、上記と同様にしてキャップ8と本体軸9を成形
した。
【0082】本実施例のキャップ8および本体軸9は、
着色剤により全体が緑色の蛍光色に色づいており、色剤
が呈する干渉色も緑色である。すなわち、キャップ8お
よび本体軸9は、色剤の干渉色と同系統の蛍光色に着色
されている。そのため干渉色の色彩が周囲の蛍光色を一
層強調する。さらに、本実施例の樹脂成型品に配合され
ている顔料は、入射光に対して光輝性の高い反射光を発
するため、前記した顔料による輝きが一層強調される。
よって、本実施例のキャップ8および本体軸9は、極め
て光輝性が高く、従来の樹脂成型品には見られない独特
の意匠効果を有する。
【0083】(実施例10)樹脂としてポリプロピレン
(商品名 MG03B 日本ポリケム株式会社製)を採用
し、この樹脂に酸化チタンおよび有機顔料を雲母に被覆
した色剤(商品名 Dynacolor BB エンゲルハード社
製)と、銀被覆ガラスフレーク顔料(商品名メタシャイ
ンRCFSX-5090RC)に加えて、着色剤として蛍光増白剤
(商品名「NIKKAFLUOR RP conc. 」 日本化学工業所
製)を配合し、上記と同様にしてキャップ8と本体軸9
を成形した。
【0084】本実施例のキャップ8および本体軸9は半
透明体であり、見る角度によって着色剤である蛍光増白
剤から発生する青色の蛍光色に色づいて見え、独特の光
沢感を有する。さらに、本実施例のキャップ8および本
体軸9には、青色の干渉色を呈する色剤が配合されてお
り、この干渉光が青色の蛍光色を一層際だたせる。ま
た、本実施例の樹脂成型品には、入射光に対して光輝性
の高い反射光を発する顔料がちりばめられているため、
前記樹脂成型品の蛍光色および干渉色が一層強調され
る。よって、本実施例のキャップ8および本体軸9は、
極めて光輝性が高く、従来の樹脂成型品には見られない
独特の意匠効果を有する。
【0085】(実施例11)樹脂としてポリプロピレン
(商品名 MG03B 日本ポリケム株式会社製)を採用
し、この樹脂に酸化チタンおよび有機顔料を雲母に被覆
した色剤(商品名 Dynacolor GB エンゲルハード社
製)と、銀被覆ガラスフレーク顔料(商品名メタシャイ
ンRCFSX-5090RC)に加えて、着色剤として蛍光増白剤
(商品名「NIKKAFLUOR RP conc. 」 日本化学工業所
製)を配合し、上記と同様にしてキャップ8と本体軸9
を成形した。
【0086】本実施例のキャップ8および本体軸9は半
透明体であり、見る角度によって着色剤である蛍光増白
剤から発生する青色の蛍光色に色づいて見え、独特の光
沢感を有する。さらに、本実施例のキャップ8および本
体軸9には、緑色の干渉色を呈する色剤が配合されてお
り、見る角度によっては緑色の干渉色が無数に確認され
る。また、本実施例の樹脂成型品には、入射光に対して
光輝性の高い反射光を発する顔料がちりばめられている
ため、前記樹脂成型品の蛍光色および干渉色が一層強調
される。よって、本実施例のキャップ8および本体軸9
は、極めて光輝性が高く、従来の樹脂成型品には見られ
ない独特の意匠効果を有する。
【0087】
【発明の効果】入射光に対して干渉光を呈する色剤と、
光輝性の高い顔料を含有する本発明の樹脂成形品は、全
体が色剤に特有の鮮明な干渉色に色づいており、その中
に顔料による光輝性の高い無数の点状の輝きが認められ
る。よって、本発明の樹脂成型品は、見る角度によって
様々な色合いを呈し、さらに光輝性に優れたものでり、
これにより発現する滑り感により独特の意匠効果が得ら
れる。
【0088】また、入射光に対して干渉光を呈する色剤
と光輝性の高い顔料に加えて、黒色及び/又は暗色の着
色剤を配合した樹脂成型品は、色剤の呈する干渉光や、
顔料における反射光が一層強調され、独特の金属光沢感
を有する。
【0089】入射光に対して干渉光を呈する色剤と光輝
性の高い顔料に加えて、入射光に対して蛍光色を呈する
着色剤を含有する樹脂成型品は、全体的に鮮明かつ光沢
感のある蛍光色に色づいており、さらに見る角度によっ
ては色剤に特有の干渉色が発生するものであるため、従
来技術によっては成し得ない独特の意匠効果を有する。
【0090】入射光に対して干渉光を呈する色剤と光輝
性の高い顔料に加えて、前記干渉色と同系統の色相を有
する着色剤を含有する樹脂成型品は、極めて光輝性が高
く、従来の樹脂成型品には見られない独特の意匠効果を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂成型品の内部構造を示す模式図で
ある。
【図2】本発明の樹脂成型品に配合される光の入射及び
反射の様子を示す概念図である。
【図3】本発明の樹脂成型品における光の入射及び反射
の様子を示す概念図である。
【図4】本発明の樹脂成型品における光の入射及び反射
の様子を示す概念図である。
【図5】本発明の樹脂成形品の一例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 樹脂成形品 2 色剤 3 顔料 4,6 物質 5,7 被膜 8 キャップ 9 本体軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA20 AB03 AB06 AB18 AB26 AD02 AD05 AE09 AF29 AF32 AF34 AG12 BA01 BB05 BC05 4J002 AB021 BB031 BB041 BB121 BC031 BC071 BD031 BE031 BG051 BG061 BN151 CB001 CF061 CF071 CG001 CH071 CL001 CN031 DJ056 DL006 FA016 FB076 FD096

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光に対して干渉色を呈する色剤と、
    入射光に対して光輝性を有する顔料とを含有する樹脂組
    成物を成形してなることを特徴とする樹脂成形品。
  2. 【請求項2】 入射光に対して特定の色を呈する着色剤
    を含有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂成型
    品。
  3. 【請求項3】 入射光に対して干渉色を呈する色剤と、
    入射光に対して光輝性を有する顔料と、黒色及び/又は
    暗色の着色剤とを含有する樹脂組成物を成形してなるこ
    とを特徴とする樹脂成形品。
  4. 【請求項4】 入射光に対して干渉色を呈する色剤と、
    入射光に対して光輝性を有する顔料と、入射光に対して
    蛍光色を呈する着色剤とを含有する樹脂組成物を成形し
    てなることを特徴とする樹脂成形品。
  5. 【請求項5】 入射光に対して干渉色を呈する色剤と、
    入射光に対して光輝性を有する顔料と、前記干渉色との
    色相の相違がマンセル表色法に基づく100分割中の1
    0以内である着色剤とを含有する樹脂組成物を成形して
    なることを特徴とする樹脂成形品。
  6. 【請求項6】 色剤は無機物質を金属及び/又は金属酸
    化物によって被覆した金属被覆色剤であることを特徴と
    する請求項1乃至5のいずれかに記載の樹脂成形品。
  7. 【請求項7】 色剤は無機物質を金属及び/又は金属酸
    化物と、有機顔料によって被覆した金属被覆色剤である
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の樹
    脂成形品。
  8. 【請求項8】 無機物質はガラスであることを特徴とす
    る請求項6または7に記載の樹脂成形品。
  9. 【請求項9】 色剤の被覆の厚さが、干渉色を生じる厚
    さであることを特徴とする請求項6または7に記載の樹
    脂成形品。
  10. 【請求項10】 色剤は光の一部が透過可能であること
    を特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の樹脂成
    形品。
  11. 【請求項11】 顔料は無機物質を金属及び/又は金属
    酸化物によって被覆した金属被覆顔料であることを特徴
    とする請求項1乃至10のいずれかに記載の樹脂成形
    品。
  12. 【請求項12】 顔料は無機物質を金属及び/又は金属
    酸化物と、有機顔料によって被覆した金属被覆顔料であ
    ることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載
    の樹脂成形品。
  13. 【請求項13】 無機物質はガラスであることを特徴と
    する請求項11または12に記載の樹脂成形品。
  14. 【請求項14】 顔料の被覆の厚さが、干渉色を生じる
    厚さであることを特徴とする請求項11または12に記
    載の樹脂成形品。
  15. 【請求項15】 顔料は光の一部が透過可能であること
    を特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の樹脂
    成形品。
  16. 【請求項16】 全体が半透明であることを特徴とする
    請求項1乃至15のいずれかに記載の樹脂成形品。
  17. 【請求項17】 前記色剤の平均粒径が5.0〜500
    μmであり、且つ、当該色剤が樹脂組成物全量中に1.
    0〜5.0重量%含まれることを特徴とする請求項1乃
    至16のいずれかに記載の樹脂成形品。
  18. 【請求項18】 前記顔料の平均粒径が5.0〜500
    μmであり、且つ、当該顔料が樹脂組成物全量中に1.
    0〜5.0重量%含まれることを特徴とする請求項1乃
    至17のいずれかに記載の樹脂成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007284952A (ja) * 2006-04-14 2007-11-01 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 道路標識柱及びその製造方法

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