JP2003176154A - 通電加熱ガラス - Google Patents

通電加熱ガラス

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JP2003176154A
JP2003176154A JP2001372764A JP2001372764A JP2003176154A JP 2003176154 A JP2003176154 A JP 2003176154A JP 2001372764 A JP2001372764 A JP 2001372764A JP 2001372764 A JP2001372764 A JP 2001372764A JP 2003176154 A JP2003176154 A JP 2003176154A
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glass
conductive film
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Kazuyoshi Noda
和良 野田
Toru Takabayashi
徹 高林
Seiichi Miyasaka
誠一 宮坂
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ほぼ面内で均一な表面抵抗の透明導電膜を用
いながら、発熱分布を均一にコントロールできる通電加
熱ガラスを提供する。 【解決手段】 ガラス板Aと、その面に設けた透明導電
膜5と、その上辺に沿って設けた上辺バスバー1、2
と、下辺に沿って設けた下辺バスバー3とを有し、下辺
バスバー3の長手方向中央部に給電部6が接続される。
下辺バスバー3は、長手方向中央部と長手方向端部との
間の中間部における抵抗値が、長手方向中央部における
抵抗値の2倍以上になるように、かつ、長手方向端部に
おける抵抗値が、中間部における抵抗値より高くなるよ
うに形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通電加熱ガラスに
関し、さらに詳しくは、たとえば、自動車などの車両用
窓ガラス、建材用ガラス板などに有用な通電加熱ガラス
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、厳冬期や寒冷地などにおいては、
汽車、電車、トラック、乗用車などの車両のフロントガ
ラスやリアガラスなどに、あるいは建物の窓ガラスに、
積雪、着氷、着霜あるいは曇りなどが生じるが、これら
の曇りなどの迅速な除去は困難である。このような事情
から、窓ガラスに通電加熱ガラスを使用することが提案
されている。
【0003】従来の通電加熱ガラスは、一般に、窓枠に
対応した二枚のガラス板と、この二枚のガラス板間に挟
持されたポリビニルブチラールなどからなる中間膜(以
下単に「中間膜」という)と、上記二枚のガラス板間の
ガラス板面にあって、窓ガラスの周辺部の上下または左
右の位置に、一対で設けられたバスバー(通電用電極)
と、これらのバスバーに接続されて設けられた透明導電
膜とから構成されている。
【0004】上記透明導電膜としては、たとえば、IT
O(インジウムと錫の複合酸化物)、金、銀などの薄膜
が使用され、バスバーを経由してバッテリーなどから透
明導電膜に通電が行われて窓ガラスなどを発熱させ、こ
の熱によって、融雪、融氷、防曇などが迅速に行われ
る。通電加熱ガラスに使用される透明導電膜も、近年、
種々のものが開発されてきており、より迅速にガラス板
を加熱することが可能な、280V以上の高電圧を印加
して加熱する酸化亜鉛系膜(例えばガリウムを含有する
酸化亜鉛膜、以下「GZO膜」という)、膜抵抗が6Ω
/□以下で100V以下の低電圧を印加して加熱する銀
系の薄膜などが知られている。
【0005】これらの通電加熱ガラスの製造に際して
は、通常、バスバーを形成するために銀とガラスフリッ
トを主成分とする所謂銀ペーストをガラス板上に印刷
し、ガラス板の曲げ成形と同時に焼き付けた後、マスキ
ングにより部分的に所要の非被覆領域がガラス板に設け
られるようにして、ガラス板表面にスパッタリング法、
蒸着法あるいはスプレー法などにより透明導電膜を形成
し、所望の通電加熱ガラスが製造されている。
【0006】また、通常、自動車用窓ガラスは、平らな
ガラス板を大気雰囲気中で、600〜700℃のガラス
軟化点以上の温度に加熱して所定の形状に曲げ成形し、
必要に応じて急冷物理強化処理を施すことにより製造さ
れる。ところが、近年、ガラス板の加熱曲げ成形時の加
熱および曲げ成形に耐える透明導電膜(具体的には、大
気雰囲気中で、500〜680℃、1〜10分間の熱処
理後も所定の導電性や光学特性が発現される膜;以下単
に「加熱処理可能な透明導電膜」という)が開発され、
該透明導電膜を用いることにより、平板ガラス専用の被
覆装置を用い、予め大版サイズの加熱処理可能な透明導
電膜をガラス板表面に均一に被覆し、その均一な被覆ガ
ラス板を適当な大きさ、形状に切断し、自動車用窓ガラ
スを成形する工程が可能になった。
【0007】平板ガラス専用の被覆装置は、通常低コス
トで透明導電膜の被覆が可能であり、自動車用通電加熱
ガラスを安価に提供することが可能になってきた。特に
膜抵抗が2〜10Ω/□の加熱処理可能な銀系の透明導
電膜を用いれば、比較的低い電圧による通電加熱が可能
である。また、SnO2系透明導電膜も加熱処理可能な
透明導電膜であって、CVD法の確立により50Ω/□
以下の膜が安価に製造可能になってきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】自動車用窓ガラスは、
車体形状にあわせてデザインされた形状である。一般
に、フロントガラスやリアガラスは、上辺より下辺が長
い略台形状であり、その上辺および下辺に沿って上辺バ
スバーおよび下辺バスバーが設けられる。上下に配設さ
れて向かい合ったバスバー間に所定の電圧を印加して透
明導電膜に通電すると、上辺バスバーおよび下辺バスバ
ーの長さが異なることから、透明導電膜を流れる電流量
が部分的に不均一となり、発熱分布が生じる。ガラス形
状によっては、その発熱分布の程度が商品上好ましくな
い場合もある。そこで、発熱分布を均一化する、あるい
は好ましい発熱分布を設けるための手法として、透明導
電膜の成膜時に膜に表面抵抗分布を設け、電流の流れる
量を部分的に制御し、発熱分布を変化させる方法が用い
られてきた。しかしながら、透明導電膜の成膜時に膜表
面に抵抗分布を設ける手法は、分布を設けるために成膜
時にマスキングを用いたりすることが必要で、調整に手
間と時間がかかり、技術的、コスト的、生産性の面で不
都合が多い。また、加熱処理可能な透明導電膜は大面積
の平板に大量に製品形状を考慮せず前もってコートする
というその製法上、表面抵抗分布を設けるのが難しい。
そのため、導電膜は均一表面抵抗のまま、発熱分布をコ
ントロールし、所望の発熱分布が得られる製法が望まれ
ていた。
【0009】米国特許第5128513号明細書には、
自動車用窓ガラスの上辺および下辺に沿って上辺バスバ
ーおよび下辺バスバーを設け、上辺バスバーの両端部を
下辺バスバーから離すように、上辺バスバー両端部の下
辺バスバー側を切り欠くことが開示されている。しか
し、これでは十分な効果が得られず、更なる改善が求め
られていた。
【0010】本発明の目的は、ほぼ面内で均一な表面抵
抗の透明導電膜を用いながら、発熱分布を均一にコント
ロールできる通電加熱ガラスを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガラス板と、
その一方の面に設けられた透明導電膜と、該透明導電膜
に通電する少なくとも一対のバスバーとを備えた、上辺
より下辺が長い略台形状の通電加熱ガラスにおいて、前
記上辺に沿って設けられた上辺バスバーと、前記下辺に
沿って設けられた下辺バスバーとを有し、前記下辺バス
バーの長手方向中央部に給電部が接続され、前記下辺バ
スバーは、長手方向中央部における抵抗値が低く、両方
の長手方向端部に向かうにつれて抵抗値が高くなるよう
に形成され、前記長手方向中央部と前記長手方向端部と
の間の中間部における抵抗値が、前記長手方向中央部に
おける抵抗値の2倍以上になるように、かつ、前記長手
方向端部における抵抗値が、前記中間部における抵抗値
より高くなるように形成されていることを特徴とする通
電加熱ガラスを提供する。本発明においては、前記下辺
バスバーは、長手方向中央部における幅が広く、長手方
向端部に向かうにつれて幅が狭くなるように形成されて
いることが好ましい。また、本発明においては、前記下
辺バスバーの前記中間部における幅が、前記長手方向中
央部における幅の1/4以下になるように、かつ、前記
長手方向端部における幅が、前記長手方向中央部におけ
る幅の1/10以下になるように形成されていることが
好ましい。
【0012】本発明において、位置、方角を表すために
いう「上」「下」とは、通電加熱ガラスを車体等に取り
付けた状態における「上」「下」を意味する。また、
「略台形状」とは、二組の対辺のうち一組の対辺が平行
な四辺形の他、一組の対辺のいずれか一方又は両方が曲
率半径の大きい緩やかな弧状の曲線からなる四辺形も含
む。さらに、平板状のものに限られず、種々の曲率に加
工された曲面状であってもよく、たとえば、各種車両の
フロントガラスに使用されているような曲面を有するも
のも含む。
【0013】本発明によれば、面内でほぼ均一な表面抵
抗の透明導電膜を用いながら、透明導電膜に通電するバ
スバー部分であらかじめ電位降下を起こさせ、透明導電
膜に印加される電圧を部分的に変化させることで、流れ
る電流量を面内で変化させ、発熱分布をコントロールす
ることが可能になる。本発明のように、下辺バスバーの
抵抗を調整すれば、寸法や形状が異なる様々な通電加熱
ガラスにおいて発熱分布を均一にすることができるた
め、本発明は汎用性が高い。
【0014】
【発明の実施の形態】つぎに好ましい実施の形態として
合わせガラスの例を挙げて本発明をさらに詳しく説明す
る。通常、通電加熱ガラスは、二枚のガラス板と、該二
枚のガラス板に挟持された中間膜と、いずれか一方のガ
ラス板表面に設けられた少なくとも一対のバスバーと、
この一対のバスバー間を接続するように設けられた透明
導電膜とから構成されているが、かかる構成は本発明の
通電加熱ガラスにおいても同様である。
【0015】本発明の通電加熱ガラスの特徴は、上辺よ
り下辺が長い略台形状の通電加熱ガラスにおいて、上辺
に沿って設けられた上辺バスバーと、下辺に沿って設け
られた下辺バスバーとを有し、下辺バスバーの長手方向
中央部に給電部が接続され、下辺バスバーは、長手方向
中央部における抵抗値が低く、両方の長手方向端部に向
かうにつれて抵抗値が高くなるように形成され、長手方
向中央部と長手方向端部との間の中間部における抵抗値
が、長手方向中央部における抵抗値の2倍以上(バスバ
ーが均一に加熱される観点からは通常は5倍以下)にな
るように、かつ、長手方向端部における抵抗値が、中間
部における抵抗値より高くなるように形成されているこ
とにある。例えば、下辺バスバーの幅、厚み、印刷パタ
ーン、材質などを部分的に変化させることで、長手方向
端部に向かうにつれて抵抗値が高くなるように形成でき
る。
【0016】こうして、表面抵抗が均一な透明導電膜を
設けた略台形状のガラス板を用いた場合においても、好
ましくない発熱不均一分布をより均一発熱化すること
や、積極的に発熱させたい部分の高発熱化が可能にな
り、発熱不均一や異常発熱などの商品上の不具合が回避
される。また、投入電力をより効率的に透明導電膜の発
熱に用いることができるため、高効率、低消費電力の設
計が可能になる。また、通電加熱ガラス全体のレイアウ
トの自由度も大きくなる。
【0017】本発明において使用されるガラス板は、特
に制限されず、たとえば、普通ガラス板、強化ガラス
板、部分強化ガラス板などが挙げられる。これらのガラ
ス板は透明性が損なわれない程度に着色されたものであ
ってもよい。また、これらのガラス板の形状は、種々の
形状および曲率に加工された曲面状であってもよく、た
とえば、各種車両のフロントガラスに使用されているよ
うな曲面を有する略台形状のものであってもよいし、建
材用ガラス板などのような平板状のものであってもよ
い。また、使用されるガラス板の厚みは特に限定されな
いが、通常は約1.5〜5mm程度の厚みである。本発
明においては、本発明の通電加熱ガラスを、同形状のも
う1枚のガラス板と中間膜を介して透明導電膜が中間膜
側となるように接着し、合わせガラスにすることができ
る。
【0018】本発明において使用される中間膜とは、合
わせガラスにした場合において、その両面に配設される
二枚のガラス板を強固に接着させるとともに、合わせガ
ラスが破損した場合にも、ガラスの破片が飛び散らない
作用を有するものであって、通常は、接着性、耐候性お
よび耐熱性などの諸物性が改良されたポリビニルブチラ
ール樹脂膜が好ましく用いられる。この中間膜の厚みも
特に限定されないが、通常は約0.2〜0.9mm程度
の厚みである。
【0019】合わせガラスの製造方法自体は、特に制限
されず、従来公知の方法でよい。たとえば、二枚のガラ
ス板を中間膜を挟持するように貼り合わせ、予備接着、
オートクレーブ処理などの工程によって所望の合わせガ
ラスが製造される。
【0020】本発明で使用される透明導電膜としては、
導電材料からなる従来公知の各種の透明導電膜がいずれ
も使用でき、通電加熱ガラスの使用目的に応じて最適な
膜が選択される。また、透明導電膜の種類により印加さ
れる電圧が異なるため、透明導電膜に接続されるバスバ
ーはこれらに適合し得るように形成される。
【0021】ガラス板上に透明導電膜を形成する方法と
しては、従来公知の方法がいずれも使用でき、特に制限
されず、たとえば、真空蒸着法、スパッタリング法、電
子線ビーム式加熱蒸着法、スプレー法、CVD方法など
が挙げられる。中でも、大面積の基板上に均一な膜厚
で、生産性よく成膜できるスパッタリング法(特にマグ
ネトロン直流スパッタリング法)が好ましい。透明導電
膜はガラス板の片面に形成され、その膜厚は、通常、2
0〜500nm程度である。ガラス周辺部に非成膜部分
を設けるためには、成膜時にマスキング枠をガラスに重
ねてから成膜する。
【0022】本発明で使用されるバスバー形成材料とし
ては、従来公知のバスバー形成材料がいずれも使用で
き、特に限定されないが、透明導電膜の印加電圧に適し
たものを選択して使用することが好ましい。
【0023】なお、本発明においては、室外側のガラス
板の中間膜側表面および/または室内側のガラス板の室
内側表面に、着色隠蔽層を設けることにより、室内およ
び/または室外からバスバーや絶縁性着色セラミックス
層などを見えなくすることが好ましい。こうすれば、安
全運転上も外観品質上も商品性がさらに向上する。
【0024】以下に本発明の通電加熱ガラスを自動車用
窓ガラスに用いた例を図面を参照して説明する。まず、
本発明に係る通電加熱ガラスの実施の形態として、自動
車用フロントガラスの一例の概略平面図を図1に示す。
以下では、たとえば、図1に示すような略台形状のガラ
ス板において、「ガラス板の上辺」は図面上ガラス板の
上辺部分を意味し、「ガラス板の下辺」は図面上ガラス
板の下辺部分を、また、「ガラス板の右辺および左辺」
は図面上ガラス板の右辺部分および左辺部分をそれぞれ
意味する。
【0025】図1において、1および2は上辺バスバ
ー、3は下辺バスバー、5は加熱処理可能な透明導電膜
が熱処理され形成された透明導電膜、6は給電部、21
は導電線、Aは略台形状の車内側ガラス板、Bはバスバ
ーの通電部、Cはバスバーの配線部である。なお、図1
では、車内側ガラス板Aの車外側(紙面に対して手前
側)に配設される、中間膜および車外側ガラス板の図示
を省略している。
【0026】車内側ガラス板Aは、略直線状の上辺と、
円弧線状の下辺と、同一長の左辺および右辺とを有して
いる。車内側ガラス板Aには、その車外側面に、これと
略相似形の透明導電膜5(破線内部分)と、上辺バスバ
ー1、2および下辺バスバー3(下辺バスバー3は上辺
バスバー1、2に共通の対極バスバーである)とが形成
されている。上辺バスバーは、図示形態に限定されず、
1本のバスバーからなっていてもよい。上辺バスバー
は、いずれの位置でも抵抗値が同じであることが好まし
い。上辺バスバーが図1のように2本からなるときは、
2本の抵抗値の和がいずれの位置でも同じになるように
形成する。透明導電膜5は、上辺バスバー1、2と上辺
で重なる様に、かつ下辺バスバー3と下辺で重なる様に
成膜され、それらバスバーと接続されている。上辺バス
バー1、2の端部には、ガラス板Aの左右の辺および下
辺に沿って延びた配線部Cが接続されている。下辺バス
バー3の長手方向中央部には、給電部6が接続されてい
る。給電部6の位置は、本発明の効果を損なわない限り
は、中央位置からずれてもよい。配線部Cおよび給電部
6は、いずれも透明導電膜5の外側に形成されている。
配線部Cおよび給電部6には、ガラス板A下辺の中央部
付近で、図示しない電源からの導電線21が接続されて
いる。
【0027】通電部Bは、上辺バスバー1、2および下
辺バスバー3の、透明導電膜5の面内に配されて、透明
導電膜5の通電発熱に供する部分である。一方の上辺バ
スバー1は、透明導電膜5の左辺から透明導電膜5の面
内に入るとともに透明導電膜5の上辺に沿って延び、透
明導電膜5の右辺に到る手前で終端している。この上辺
バスバー1は、左端から右端に向かうにつれて幅が狭く
なるテーパー状である。そして、他方の上辺バスバー2
は、透明導電膜5の右辺から透明導電膜5の面内に入る
とともに、上辺バスバー1の下側に微小間隔をあけてほ
ぼ平行に延び、透明導電膜5の左辺に到る手前で終端し
ている。この上辺バスバー2は、右端から左端に向かう
につれて幅が狭くなるテーパー状である。このように、
上辺バスバーが2本からなるとき、例えば、中央部にお
ける2本の抵抗値がそれぞれの端部の抵抗値の2倍で
も、2本の抵抗値の和(オームの法則の並列抵抗の和)
は端部の抵抗値と同じになる。
【0028】下辺バスバー3は、そのほぼ全域が通電部
Bとされ、その左右両端が、透明導電膜5の左辺および
右辺の直前で終端するように、あるいは透明導電膜5の
左辺および右辺を横切るようにされている。本明細書に
おいていう「下辺バスバー」は、下辺バスバー3の通電
部Bを意味するものとする。
【0029】下辺バスバー3の左右両端は、上辺バスバ
ー1、2による通電部Bの左右両端より左右方向(水平
方向)に突出している。そして下辺バスバー3は、給電
部6が接続されている長手方向中央部における抵抗値が
低く、左右両端(長手方向両端部)に向かうにつれて抵
抗値が高くなるように形成されている。本例における下
辺バスバー3は、長手方向中央部における幅が広く、長
手方向両端部に向かうにつれて幅が狭くなるテーパー状
に形成されている。こうすることで、長手方向両端部に
向かうにつれて抵抗値が漸増するようにしている。本例
では、下辺バスバー3が、長手方向中央部から長手方向
両端部に向かって連続的に狭くなっているが、段階的に
狭くなる構成も採用可能である。
【0030】そして、本例における下辺バスバー3は、
長手方向中央部と長手方向端部との間の中間部における
抵抗値が、長手方向中央部における抵抗値の2倍以上に
なるように、かつ、長手方向端部における抵抗値が、中
間部における抵抗値より高くなるように形成されてい
る。より好ましくは、下辺バスバー3の中間部における
幅が、長手方向中央部における幅の1/4以下になるよ
うに、かつ、長手方向端部における幅が、長手方向中央
部における幅の1/10以下になるように形成されてい
る。こうすることで、下辺バスバー3を形成する材料と
して銀ペーストなどの抵抗値が低いものを用いた場合で
も、下辺バスバー3に所望の抵抗分布を持たせることが
できる。
【0031】下辺バスバー3の通電部6に正電極を接続
し、上辺バスバー1、2の配線部Cに負電極を接続し、
透明導電膜5に図中二点鎖線で示すように電流を流すこ
とで、透明導電膜5を通電発熱させることができる。本
例によれば、下辺バスバー3で電位降下が生じて、下辺
バスバー3の電位が長手方向中央部から両端に向かうに
つれて低くなるので、ガラス板Aの左上隅付近および右
上隅付近が他の箇所に比べて高温になることがない。
【0032】図2は、図1におけるa−a線断面の分解
図である。図2に示すように、車内側ガラス板Aの車外
側面には、中間膜4を介して車外側ガラス板Dが接着さ
れる。好ましくは、車外側ガラス板Dの車内側面の周辺
部に、車内側ガラス板Aに設けられたバスバー1〜3を
隠蔽するように着色隠蔽層7を設け、車外側からこれら
バスバー1〜3を見えないようにする。また、好ましく
は、車内側ガラス板Aの車内側面の周辺部に、車内側ガ
ラス板Aに設けられたバスバー1〜3を隠蔽するように
着色隠蔽層8を設け、車内側からこれらバスバー1〜3
を見えないようにする。着色隠蔽層7、8の形成材料と
しては、隠蔽部を形成するために従来から使用されてい
る材料がいずれも使用でき、特に制限されず、たとえ
ば、ブラックセラミックスペーストなどが挙げられる。
【0033】次に、図3に基づいて、本発明に係る通電
加熱ガラスの第2例を説明する。なお、以下に説明する
例において、上記第1例で説明した部材と同様な構成・
作用を有する部材については、図中に同一符号を付すこ
とにより、説明を簡略化する。図3に示すように、本例
では、車内側ガラス板Aの車外側面の全面に、加熱処理
可能な透明導電膜が熱処理された透明導電膜5が形成さ
れている。透明導電膜5の車外側面の全周辺部には、絶
縁性着色セラミックス層18が帯状に形成されている。
つまり、絶縁性着色セラミックス層18により、透明導
電膜5の通電発熱させたくない部分を覆っている。配線
部Cは、絶縁性着色セラミックス層18上に形成されて
いる。図1における破線を、本例における絶縁性着色セ
ラミックス層18の内周縁を示す線とみなせば、図1を
本例における概略平面図とみなすこともできる。
【0034】加熱処理可能な透明導電膜5の具体例は、
比較的低電圧(高電流)で使用される透明導電膜とし
て、たとえば、基板側から誘電体膜(酸化物など)と貴
金属膜(Ag、Au、Pdなど)とが交互に(2n+
1)層(n≧1)積層され、基板と誘電体膜の間および
/または最上層の誘電体膜の上に保護膜(窒化物膜な
ど)が形成された多層膜(必要に応じて貴金属膜の上お
よび/または下に貴金属膜の酸化を防止する薄膜を設け
得る)などが挙げられる。また、高電圧(低電流)で使
用される透明導電膜としては、たとえば、バスバーに2
88Vの電圧を印加して使用されるITO膜、酸化スズ
膜、GZO膜などが挙げられる。本発明においては、低
電圧および高電圧が印加される透明導電膜のいずれも使
用することができる。
【0035】図4(a)は、本発明に係る通電加熱ガラ
スの第3例を示す概略平面図である。本例による通電加
熱ガラスは、下辺バスバー13が、導電性を有する多数
の線材13aからなる。線材13aは、ここでは波状に
形成されている。複数の線材13aからなる下辺バスバ
ー13の、長手方向両端における幅は、長手方向中央部
における幅に対して、同等でもよいし若干狭くなってい
てもよい。線材13aは、バスバー13の幅方向に微小
間隔をあけてほぼ平行に配設され、中央部の給電部6か
ら左右に延出している。この線材13aは、たとえば銀
ペーストを印刷することにより得ることができる。それ
ぞれ一本の線材13aは、所定の抵抗値を有しているの
で、通電時には線材13aによる電位降下により、線材
13aの先端側における電位ほど低くなる。
【0036】本例においては、線材13aの直径、材質
に依存する抵抗値、波形状を適宜に設定することで、バ
スバー13の長手方向中央部と長手方向端部との間の中
間部における抵抗値が、長手方向中央部における抵抗値
の2倍以上になるように、かつ、長手方向端部における
抵抗値が、中間部における抵抗値より高くなるように形
成されている。本例によれば、線材13aの直径、本数
によって抵抗値を管理できるので、所望抵抗値分布のバ
スバー13を安定して得ることができる。こうして、下
辺バスバー13は、給電部6に近接する長手方向中央部
における抵抗値が低く、長手方向端部に向かうにつれて
抵抗値が漸次高くなっている。このような抵抗分布を得
るために、図4(b)に示すように下辺バスバー13を
構成してもよい。すなわち、給電部6の一端(ここでは
上端)から横方向に、細長いバスバー基部6aを延出さ
せておき、バスバー基部6aと平行に微小間隔(例えば
2mm間隔)をあけて複数(例えば25本)の線材13
a’を配設する。各線材13a’は、拡大図に示される
ように、波状に形成され、それぞれの横方向端部から、
バスバー基部6aに向かうように折れ曲がり、バスバー
基部6aに接続されている。各線材13a’の線幅は1
mm程度にすることができ、各線材13a’は互いに交
差していない。
【0037】図5は、本発明に係る通電加熱ガラスの第
4例を示す概略平面図である。本例による通電加熱ガラ
スは、バスバー23が、導電性を有する線材23aをメ
ッシュ(網)状に印刷してなる。メッシュは、中央部か
ら長手方向両端部に向かうにつれて網目(空孔の面積)
が大きくなっている。つまり、網の目が粗くなってい
る。これにより、下辺バスバー23は、給電部6に近接
する長手方向中央部における抵抗値が低く、長手方向端
部に向かうにつれて抵抗値が漸次高くなっている。
【0038】また、本例においても、線材23aの直
径、材質に依存する抵抗値、網目粗さを適宜に設定する
ことで、バスバー23の長手方向中央部と長手方向端部
との間の中間部における抵抗値が、長手方向中央部にお
ける抵抗値の2倍以上になるように、かつ、長手方向端
部における抵抗値が、中間部における抵抗値より高くな
るように形成できる。
【0039】
【実施例】つぎに実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。 実施例1 (1)透明導電膜の成膜 板厚2.3mm、縦2m、横3mのクリアフロートガラ
ス板上にスパッタリングによって加熱処理可能な銀系の
透明導電膜(以下単に「銀系導電膜」という)を被覆し
た。この銀系導電膜の膜構成は、ガラス板側から順に、
AlN膜(8nm)/ZnAlO膜(23nm)/Ag
Pd膜(10nm)/ZnAl膜(2nm)/ZnAl
O膜(79nm)/AgPd膜(10nm)/ZnAl
膜(2nm)/ZnAlO膜(23nm)/AlN膜
(8nm)である。
【0040】AlN膜はAlメタルターゲットを用いて
Ar/N2スパッタガス雰囲気中で反応性スパッタによ
り成膜した。ZnAlO膜は、Al含有量がモル比率で
5%であるZnAlメタルターゲットを用いてAr/O
2スパッタガス雰囲気中で反応性スパッタにより成膜し
た。ZnAl膜は、Al含有量がモル比率で5%である
ZnAlメタルターゲットを用いてAr100%スパッ
タガス雰囲気中で成膜した。AgPd膜は、Pd含有量
がモル比率で0. 5%であるAgPdメタルターゲット
を用いてAr100%スパッタガス雰囲気中で成膜し
た。いずれの膜も、膜中の金属成分の割合はターゲット
とほぼ同じであった。なお、ZnAl膜は貴金属である
AgPd膜が酸化されるのを防止する薄膜である。上記
銀系導電膜の成膜直後の表面抵抗値は、5.5Ω/□、
可視光線透過率は68%であった。
【0041】(2)切り出し 上記の全面被覆されたガラス板の被覆面にダイヤモンド
ガラスカッターで所定のガラス板形状に切り目を入れ、
不要な耳の部分を切り落として所定の略台形状のガラス
板形状に仕上げた。切落とした縁をダイヤモンド面取り
ローラーで面取りを行った後、純水洗浄、エアナイフ乾
燥を行って通電加熱ガラスの基板を作製した。
【0042】(3)絶縁性着色セラミックス層形成のた
めのプリント つぎに上記被覆ガラス板の透明導電膜周辺部(幅:上辺
及び左右辺2.6cm、下辺11.0cm)に絶縁性着
色セラミックス層を形成するため、絶縁性着色セラミッ
クスペーストを印刷し、120℃で5分間乾燥した。印
刷は250メッシュ(250本/インチ)のスクリーン
版を用いたスクリーン印刷法を用いた。絶縁性着色セラ
ミックスペーストは、絶縁性ブラックセラミックスペー
ストを使用した。
【0043】(4)バスバーおよび端子形成のためのプ
リント バスバーを形成するために、上記ガラス板の絶縁性着色
セラミックス層上に、銀ペーストをスクリーン印刷法で
一括印刷し、120℃で5分間乾燥した。印刷は250
メッシュ(250本/インチ)のスクリーン版を用いた
スクリーン印刷法を用いた。銀ペーストは銀粒子とガラ
スフリットとを含み、銀とガラスフリット成分の比率は
重量比で99.5:0.5であり、焼成後にもほぼ同等
の比率となる。
【0044】(5)仮焼成 上記着色セラミックスペーストおよび銀ペーストが印刷
されたガラス板を平ローラー炉で、大気雰囲気中、55
0℃で5分間仮焼成した。
【0045】(6)外側ガラス板の作製 上記導電膜付きガラス板(内側ガラス板)とほぼ同一形
状にガラス板を切り出し、縁を面取りし、さらに洗浄し
て合わせガラスの外側ガラス板とした。但し、導電膜付
きガラス板の端子となる部分は導電膜付きガラス板より
も小さくして端子が取り出せるようにした。上記ガラス
板の周辺部(幅:上辺及び左右辺2.8cm、下辺1
1.5cm)に、導電膜付きガラス板(内側ガラス板)
に印刷されたバスバーと絶縁性着色セラミックス層を覆
うように若干広めに隠蔽着色層形成のための着色セラミ
ックスペーストを印刷し、120℃で5分間乾燥した。
印刷は250メッシュ(250本/インチ)のスクリー
ン版を用いたスクリーン印刷法を用いた。着色セラミッ
クスペーストはブラックセラミックスペーストを使用し
た。
【0046】(7)曲げ成形 仮焼成により絶縁性着色セラミックス層およびバスバー
が形成された導電膜付きガラス板(内側ガラス板)と、
該導電膜付きガラス板と同一形状で、片面に着色隠蔽層
が仮焼成により形成された外側ガラス板とを、該導電膜
付きガラス板の導電膜面と外側ガラス板の絶縁性着色セ
ラミックス層とが向かい合うように重ね、自着防止用の
粒子の細かい粉をガラス板全面にまぶした後ガラス成形
金枠に載せ、ガラス成形炉に投入して自重曲げ成形を行
い、金型形状に曲げた。成形条件は、大気雰囲気中で、
炉の温度650℃で5分間とした。
【0047】(8)合せ 曲げ成形された二枚のガラス板を冷却後引き離し、純水
ブラシ洗浄機で汚れ、ホコリを洗い流した後、エアナイ
フ乾燥させた。つぎに、二枚のガラス板の間にポリビニ
ルブチラール(PVB)フィルム(厚み0.76mm)
を挟み込み、仮圧着を行った。仮圧着の条件は、ゴム袋
にガラスを入れて、ゴム袋内部を真空に引いてガラス面
に約1気圧の静圧をかけたまま、ゴム袋を加熱した。加
熱は最高温度135℃で10分間保持とし、昇温降温を
含めてトータル30分間とした。仮圧着されたガラス板
をオートクレーブ装置に投入し、通電加熱ガラスを得
た。オートクレーブの条件は、最大13気圧、最高温度
135℃で20分間保持とし、昇圧降圧を含めてトータ
ル60分間とした。上記で製造された通電加熱ガラスの
特性を測定したところ、可視光透過率は75%、可視光
反射率は8%、日射透過率は45%であり、膜抵抗は
4.0Ω/□、上下バスバー間抵抗は2.7Ω/□であ
った。
【0048】得られた通電加熱ガラスは、上記した実施
形態の第2例と同様の形態であり、図6に示すように、
上辺長100cm、左辺長および右辺長75cm、上辺
バスバーおよび下辺バスバーの長手方向中央部における
間隔80cm、下辺バスバーの曲線長160cmであ
る。下辺バスバーは、中央の給電部が接続された箇所で
一番幅が広く、左右両端に向かうに従い徐々に幅が狭く
なっており、図7のグラフに示すように、中央部で8m
m、中央から1/2外側(中央と端部の中間点)で幅2
mm、中央から3/4外側で幅1mm前後になるように
設計した。銀バスバーの厚みは8μmであり、面抵抗は
7.5mΩ/□であった。実際のバスバーの単位長さ当
りの抵抗値を測定算出した。2本のテスター探針をバス
バー上に、バスバーの横幅延伸方向に沿って1cmの間
隔で接触させ、抵抗値を読み取り、値を100倍するこ
とで、バスバー長さが1メートル当りの抵抗値を算出し
た。中央部付近では、0.93Ω/m、中央から1/2
外側で3.7Ω/m、中央から3/4外側付近では7.
5Ω/mであった。
【0049】通電・解氷テスト 通電加熱ガラスを−20℃の低温室に放置し、霧吹きで
水をかけ、表面に厚さ2mmの霜氷を付着させ、再度2
4時間放置した。その後、上記通電加熱ガラスの上辺お
よび下辺のバスバーの端子に42Vの直流電圧を印加し
て発熱させたところ、電流量は16Aに達し、総発熱量
は690W、発熱電力は面積計算から730W/m2
なった。ガラス板表面の氷は2分間で溶け始め、10分
間で完全に溶け切った。接触式温度計により、面内の9
点で車外表面温度測定を行った。測定ポイントを図6
に、測定結果を表1に示す。面内の温度差は最大で6℃
であり、ほぼ均一な発熱をしていた。
【0050】
【表1】
【0051】電圧の測定 内側ガラス板と外側ガラス板を中間膜を介して合わせガ
ラスにする前の単板の状態で、−20℃の恒温槽内に、
導電膜が成膜された内側ガラス板を放置し、その後、4
2Vを印加し、通電加熱を行った。上辺バスバーの電圧
をグランド(0V)とし、下辺バスバーに+42.0V
の電圧をかけた。中央給電部から左右端までの電圧を測
定したところ、中央給電部では41.8Vであったが、
バスバー左右端では31.0Vに低下していた。
【0052】実施例2 下辺バスバーの形状を、上記した実施形態の第3例(図
4(b))のように変更した以外は実施例1と同様にし
て、通電加熱ガラスを作製した。下辺バスバーは、導電
性を有するバスバー基部6a(幅3mm)と、25本の
波状の線材13a’(幅1mm)とからなる。線材13
a’は、下辺バスバーの幅方向に1mm間隔をあけて平
行に配設され、中央部の給電部6から左右に延出してい
る。
【0053】実施例1と同様に、通電・解氷テストを実
施した。通電加熱ガラスの上辺および下辺のバスバーの
端子に42Vの直流電圧を印加して発熱させたところ、
電流量は20Aに達し、総発熱量は840W、発熱電力
は面積計算から880W/m 2となった。ガラス板表面
の氷は2分間で溶け始め、8分間で完全に溶け切った。
接触式温度計により、面内の9点で車外表面温度測定を
行った。測定ポイントは実施例1と同一である。測定結
果を表2に示す。面内の温度差は最大で6℃であり、ほ
ぼ均一な発熱をしていた。また、ガラスの中心が高く発
熱し、より好ましい発熱分布となっている。また、下辺
バスバー部分も発熱しており、ワイパー格納場所を暖め
るので都合が良い。
【0054】
【表2】
【0055】実施例1と同様に、単板状態で通電を行
い、電圧測定を実施した。上辺バスバーの電圧をグラン
ド(0V)とし、下辺バスバーに+42.0Vの電圧を
かけた。中央給電部から左右端までの電圧を測定したと
ころ、中央給電部では41.8Vであったが、バスバー
左右端では19.0Vに低下していた。
【0056】実施例3 下辺バスバーの形状を、上記した実施形態の第4例(図
5)のように変更した以外は実施例1と同様にして、通
電加熱ガラスを作製した。下辺バスバーは、メッシュ状
に線材が形成されてなり、中央部から長手方向両端部に
向かうにつれて網目が粗くなっている。
【0057】実施例1と同様に、通電・解氷テストを実
施した。通電加熱ガラスの上辺および下辺のバスバーの
端子に42Vの直流電圧を印加して発熱させたところ、
電流量は17Aに達し、総発熱量は710W、発熱電力
は面積計算から750W/m 2となった。ガラス板表面
の氷は2分間で溶け始め、10分間で完全に溶け切っ
た。接触式温度計により、面内の9点で車外表面温度測
定を行った。測定ポイントは実施例1と同一である。測
定結果を表3に示す。面内の温度差は最大で6℃であ
り、ほぼ均一な発熱をしていた。また、下辺バスバー部
分も発熱しており、ワイパー格納場所を暖めるので都合
が良い。
【0058】
【表3】
【0059】実施例1と同様に、単板状態で通電を行
い、電圧測定を実施した。周辺バスバーの電圧をグラン
ド(0V)とし、下辺バスバーに+42.0Vの電圧を
かけた。中央給電部から左右端までの電圧を測定したと
ころ、中央給電部では42.0Vであったが、バスバー
左右端では32.0Vに低下していた。
【0060】比較例1 下辺バスバーの形状を変更した以外は実施例1と同様に
して、通電加熱ガラスを作製した。下辺バスバーは、長
手方向中央部と、左右両端との間で幅が一定距離8mm
の形状になっている。
【0061】実施例1と同様に、通電・解氷テストを実
施した。通電加熱ガラスの上辺および下辺のバスバーの
端子に42Vの直流電圧を印加して発熱させたところ、
電流量は18Aに達し、総発熱量は760W、発熱電力
は面積計算から800W/m 2となった。ガラス板表面
の氷は2分間で上辺左右のコーナー部から溶け始めた
が、下辺の中央部付近では、上部から溶け落ちてきた水
が再氷結してしまい、30分経過しても溶けきらなかっ
た。接触式温度計面内の9点で車外表面温度測定を行っ
た。但し、氷が溶けきらなかったところは、氷を取り除
いて測定した。測定ポイントは実施例1と同一である。
測定結果を表4に示す。面内の温度差は最大で20℃で
あり、不均一な発熱をしていた。また、中央部と下辺中
央部の発熱が弱い。
【0062】
【表4】
【0063】実施例1と同様に、単板状態で通電を行
い、電圧測定を実施した。周辺バスバーの電圧をグラン
ド(0V)とし、下辺バスバーに+42.0Vの電圧を
かけた。中央給電部から左右端までの電圧を測定したと
ころ、中央給電部では42.0Vであったが、バスバー
左右端では39.0Vに低下していたが、電位低下の程
度は小さかった。
【0064】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、通電加熱ガラスが異形状で、表面抵抗が均一な透
明導電膜を設けたガラス板を用いた場合でも、好ましく
ない発熱不均一分布をより均一発熱化することや、積極
的に発熱させたい部分の高発熱化が可能になり、発熱不
均一や異常発熱などが回避される。また、投入電力をよ
り効率的に面内発熱に用いることができるため、高効
率、低消費電力の設計が可能になる。また、通電加熱ガ
ラス全体のレイアウトの自由度も大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る通電加熱ガラスの実施の形態を表
す概略平面図である。
【図2】図1のa−a断面の分解図である。
【図3】実施の形態に係る通電加熱ガラスの変形例を表
す概略平面図である。
【図4】実施の形態に係る通電加熱ガラスの他の変形例
を表す概略平面図である。
【図5】実施の形態に係る通電加熱ガラスの他の変形例
を表す概略平面図である。
【図6】実施例で製作した通電加熱ガラスの形状および
測定ポイントを表す概略平面図である。
【図7】実施例1における下辺バスバーの中心からの距
離と幅との相関関係を表す図である。
【符号の説明】
1、2 上辺バスバー 3、13、23 下辺バスバー 4 中間膜 5 透明導電膜 6 給電部 7、8 着色隠蔽層 18 絶縁性着色セラミックス層 21 導電線 A 内側ガラス板 B 通電部 C 配線部 D 外側ガラス板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮坂 誠一 神奈川県愛甲郡愛川町角田字小沢上原426 番1 旭硝子株式会社内 Fターム(参考) 4G059 AA01 AB05 AB09 AB11 AC13 DA01 DA10 DB10 GA02 GA14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス板と、その一方の面に設けられた透
    明導電膜と、該透明導電膜に通電する少なくとも一対の
    バスバーとを備えた、上辺より下辺が長い略台形状の通
    電加熱ガラスにおいて、前記上辺に沿って設けられた上
    辺バスバーと、前記下辺に沿って設けられた下辺バスバ
    ーとを有し、前記下辺バスバーの長手方向中央部に給電
    部が接続され、前記下辺バスバーは、長手方向中央部に
    おける抵抗値が低く、両方の長手方向端部に向かうにつ
    れて抵抗値が高くなるように形成され、前記長手方向中
    央部と前記長手方向端部との間の中間部における抵抗値
    が、前記長手方向中央部における抵抗値の2倍以上にな
    るように、かつ、前記長手方向端部における抵抗値が、
    前記中間部における抵抗値より高くなるように形成され
    ていることを特徴とする通電加熱ガラス。
  2. 【請求項2】前記下辺バスバーは、長手方向中央部にお
    ける幅が広く、長手方向端部に向かうにつれて幅が狭く
    なるように形成されている請求項1に記載の通電加熱ガ
    ラス。
  3. 【請求項3】前記下辺バスバーの前記中間部における幅
    が、前記長手方向中央部における幅の1/4以下になる
    ように、かつ、前記長手方向端部における幅が、前記長
    手方向中央部における幅の1/10以下になるように形
    成されている請求項2に記載の通電加熱ガラス。
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