JP2003175791A - エアバッグドア一体型インストルメントパネル - Google Patents

エアバッグドア一体型インストルメントパネル

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JP2003175791A
JP2003175791A JP2002274512A JP2002274512A JP2003175791A JP 2003175791 A JP2003175791 A JP 2003175791A JP 2002274512 A JP2002274512 A JP 2002274512A JP 2002274512 A JP2002274512 A JP 2002274512A JP 2003175791 A JP2003175791 A JP 2003175791A
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air bag
tear line
airbag
skin
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JP2002274512A
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Takahiro Yamaguchi
孝弘 山口
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インストルメントパネルの表皮に薄肉の破断
予定部を形成した場合において、破断予定部であるティ
アラインがインビジブルであって、経時老化してもティ
アラインをよりわかりにくくし、しかもエアバッグの膨
張時には確実に破断されることができる、新規なエアバ
ッグドア部を有するインストルメントパネルを提供す
る。 【解決手段】 エアバッグが膨出する開口部を閉成し、
前記エアバッグ作動時の膨張圧力によって開裂溝によっ
て薄肉にされた開口予定部となるインビジブルなティア
ライン7と、この開裂溝を境として、その両側にヒンジ
部を回転軸として展開するエアバッグドアを一体に形成
したエアバッグドア一体型インストルメントパネルであ
って、前記ティアライン7を断面形状が三角形又は台形
であってその底角が25°〜70°の不連続部12を有
する薄肉部としたエアバッグドア一体型インストルメン
トパネル1である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のエアバッ
グ装置に関連し、特にはそのエアバッグドア部を有する
インストルメントパネルの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車の助手席側に設けられるエ
アバッグ装置は、添付の図面の図13に示すように、折
り畳まれたエアバッグAがキャニスタと呼ばれる収容部
材(容器)C内に作動装置Iと共に収容されて助手席前
面の車室側部材Pであるインストルメントパネル内に格
納されている。エアバッグ収容部材Cの上部はエアバッ
グAが車室内に展開するための開口部Oとして構成され
ていて、この展開開口部Oは平時はエアバッグドア部D
によって覆われており、一旦自動車が大きな衝撃を受け
た有事の際には、前記作動装置Iが作動し、膨張したエ
アバッグAが当該エアバッグドア部Dを内部から押し開
いて車室内に展開するように構成されている。
【0003】このエアバッグドアの展開開口部Oを覆う
エアバッグドア部の構造としては、エアバッグドア部材
を別成形してこれをインストルメントパネルの該当空所
に取り付けるタイプのものと、インストルメントパネル
と一体にエアバッグドア部を形成するタイプのものがあ
るが、この発明は後者の構造に関する。
【0004】すなわち、図13乃至図15はインストル
メントパネルPに一体にエアバッグドア部Dを形成した
従来例を示すものであるが、このインストルメントパネ
ルPは合成樹脂発泡層71上面に表皮72を一体に有
し、該表皮72のエアバッグ展開開口部Oに対応する所
定位置にはエアバッグドア部Dを画定する薄肉の破断予
定部73が形成されている。この表皮72の薄肉の破断
予定部73は、表皮72の成形後に高周波ウェルダーや
熱刃またはコールドプレスカッター等によって切り込み
やV溝を入れることにより形成される。図中の符号74
はインストルメントパネルPの裏面に設けられた芯材、
75はエアバッグドア部Dの裏面に設けられたエアバッ
グドア用芯材、76はエアバッグ収容部材Cと芯材74
(及びエアバッグドア用芯材75)とを固定する取付部
材、Tは車室側部材Pの破断予定部である。
【0005】この構造にあっては、前記したように、エ
アバッグAが作動膨張すると、エアバッグ展開開口部O
上部の車室側部材Pにおけるエアバッグドア部Dが裏面
側から押され、エアバッグドア用芯材75を押し上げ、
その押上力によって表皮72の薄肉の破断予定部73に
応力が集中して破断し、インストルメントパネルPがそ
の開裂(予定)部Tから開裂し、図15のように、エア
バッグドア部Dが開く。図15の符号73a,73bは
分断された表皮72の破断(予定)部で、Ta、Tbは
同じく分断されたインストルメントパネルPのその開裂
(予定)部を表す。エアバッグドア部Dの開放に伴って
エアバッグAは車室内に展開する。
【0006】しかるに、前記インストルメントパネルP
の表皮72におけるエアバッグドア部Dを画定する薄肉
の破断予定部73は、該破断予定部73がエアバッグ膨
張時に確実に破断できるよう概ね0.3mm以上0.8
mm以下の厚みに形成される。しかしながら、一般に自
動車のインストルメントパネルPは、車室内に照射され
る太陽光線や車室内の高熱にさらされ、時間の経過とと
もにその表皮72が劣化、収縮することが知られてい
る。そして、このインストルメントパネルPの表皮に
0.3mm以上0.8mm以下の薄肉の破断予定部73
が形成された場合には、前記した表皮72の劣化、収縮
の影響が強度の低い当該薄肉の破断予定部73において
最も大きくなり、その結果として、該破断予定部73に
亀裂が生じたり、内側の合成樹脂発泡体層71が露出す
るなどの外観不良を生じ易いという問題や、溝のライン
が浮き上がりインビジブルエアバッグとしての商品性を
著しく低下させている。
【0007】この問題に対し、当該破断予定部73にお
ける表皮72の厚みを、劣化による亀裂を生じ難く、さ
らに、溝のラインが浮き上がらなくなる迄大きくする
と、今度はエアバッグAの膨張時に該破断予定部73が
スムーズに破断しなくなる恐れがある。
【0008】また、前記表皮72の劣化は、該表皮72
を構成する塩化ビニル樹脂等に含まれる可塑剤が表皮7
2と接する合成樹脂発泡層71中に移行することによ
り、あるいは合成樹脂発泡層71中に架橋剤あるいは触
媒等として含まれるアミンが表皮72に移行することに
よって促進され、これも強度の弱い薄肉の破断予定部に
亀裂を生じさせる原因ともなると考えられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、このよう
な問題点に鑑み提案されたものであって、インストルメ
ントパネルの表皮に薄肉の破断予定部を形成した場合に
おいて、該破断予定部が表皮の劣化、収縮により亀裂等
の外観不良を生ずることなく、通常の状態では破断予定
部が見えなく、経時老化してもティアラインをよりわか
りにくくし、しかもエアバッグの膨張時には確実に破断
されることができる、新規なエアバッグドア部を有する
インストルメントパネルを提供しようとするものであ
る。
【0010】すなわち、この発明はエアバッグが膨出す
る開口部を閉成し、前記エアバッグ作動時の膨張圧力に
よって開裂溝によって薄肉にされた開口予定部となるテ
ィアラインと、この開裂溝を境として、その両側にヒン
ジ部を回転軸として展開するエアバッグドアを一体に形
成したエアバッグドア一体型インストルメントパネルで
あって、前記ティアラインを断面形状が三角形又は台形
であってその底角が25°〜70°の不連続部を有する
薄肉部としたエアバッグドア一体型インストルメントパ
ネルである。
【0011】請求項1に記載の発明によると、前記ティ
アラインを断面形状が三角形又は台形の不連続部を有す
る薄肉部としたエアバッグドア一体型インストルメント
パネルであることから、エアバッグの開裂性を阻害する
ことなく、ティアラインを初期から経時老化後迄安定し
て見え難くできる。又、前記三角形又は台形の底角の角
度を規定することによって、経時老化した後でもティア
ラインが外観上確認できず、さらにエアバッグの開裂性
もより確実となる。
【0012】請求項2に記載の発明は、前記不連続部を
5mm〜20mmの間隔で形成した請求項1又は2に記
載のエアバッグドア一体型インストルメントパネルであ
る。
【0013】請求項2に記載の発明によると、前記不連
続部のピッチを規定することによって、請求項1の作用
と同様に経時老化した後でもティアラインが外観上確認
できず、さらに、エアバッグの開裂性もより確実とな
る。
【0014】請求項3に記載の発明は、前記三角形又は
台形の高さが前記開裂溝の深さの1〜0.5倍とした請
求項1から3のいずれかに記載のエアバッグドア一体型
インストルメントパネルにある。
【0015】請求項3に記載の発明によると、前記三角
形又は台形の高さを前記開裂溝の深さの1〜0.5倍と
することによって、開裂性を阻害することなく、経時老
化後でも安定してティアラインを見え難くできる。
【0016】請求項4に記載の発明は、エアバッグが膨
出する開口部を閉成し、前記エアバッグ作動時の膨張圧
力によって開裂溝によって薄肉にされた開口予定部とな
るティアラインと、この開裂溝を境として、その両側に
ヒンジ部を回転軸として展開するエアバッグドアを一体
に形成したエアバッグドア一体型インストルメントパネ
ルであって、前記ティアラインの断面形状が台形の不連
続部であってその上底長さが前記開裂溝の溝深さ寸法以
下である不連続部を有する薄肉部としたエアバッグドア
一体型インストルメントパネルにある。
【0017】請求項4に記載の発明によると、前記不連
続部の形状が台形であって、その上底長さが該開裂溝の
溝深さ寸法以下であることから、経時老化した後でもテ
ィアラインが外観上確認できず、さらにエアバッグドア
が開裂するときにティアライン通り開裂し、不連続部か
ら斜めに開裂するような不具合は起こらない。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1はこの発明構造の一実施例を示す自動車のイ
ンストルメントパネルの概略斜視図、図2は、図1のテ
ィアラインのA−A断面図、図3は図1のティアライン
のB−B断面図である。図1に示したように、この発明
は、エアバッグ一体型インストルメントパネル1に係
り、特に合成樹脂発泡層上面にエアバッグドア部10を
画定する破断予定部として外観上は見えないティアライ
ン4が形成された表皮を一体に有するものに係る。
【0019】この発明構造は、図2及び図3の拡大断面
図からよく理解されるように、前記エアバッグドア一体
型インストルメントパネル1の表皮3の裏面側に、破断
予定部に沿って一定幅をもって不連続に分散する局部的
な薄肉部7が形成されている。
【0020】インストルメントパネル1は所定の芯材9
がインストルメントパネル形状に形成されたもので、芯
材9の上面に発泡ポリウレタンなどからなる合成樹脂発
泡層5が、又、その上面が表皮3によって覆われてい
る。
【0021】表皮3の材質としては、塩化ビニール樹
脂、塩化ビニールとアクリロニトリル・ブタジエン・ス
チレン共重合体の合成樹脂、TPO、熱可塑性ウレタン
エラストマー、熱硬化性ウレタンエラストマーを用いる
ことができる。そして、表皮3は、真空成形又はスラッ
シュ成形又はリムスプレー成形により所定のシート状に
成形する。
【0022】又、芯材9、エアバッグドア部10の材質
としては、ポリプロピレン、アクリロニトリル・ブタジ
エン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン
共重合体、変性ポリフェニレンオキサイド、スチレン無
水マレイン酸共重合体等の樹脂を用いることができる。
好ましくは、オレフィン系熱可塑性エラストマー(以
下、TPOという。)を用いる。中でも、ポリプロピレ
ン樹脂とエチレンプロピレンゴムが1対1の組成となる
ように配合したTPOが更に好ましい。これによって、
TPOのガラス転移点を−50°C〜−60°C程度と
することができ、低温であっても脆くならず、自動車用
エアバッグドアとして十分に実用に耐えうる。
【0023】合成樹脂発泡層5の材質としては、発泡ポ
リウレタンの他に、塩化ビニール、TPO、スチレン系
熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマ
ー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等に発泡剤を
添加することで発泡する発泡材を用いることができる。
【0024】前記表皮3の裏面13側には、破断予定部
14に沿って一定幅をもって一般部よりも脆弱な局部的
な薄肉部7が形成されている。この局部的な薄肉部7
は、図示しないエアバッグの膨張によってエアバッグド
ア部10が内側から押圧された際に、前記破断予定部1
4を容易にかつ確実に破断させるだけでなく、表皮3の
破断予定部14の経時的な劣化による不都合を回避する
ためのものである。この局部的な薄肉部7の厚みは、表
皮3の一般部分の厚みが0.6〜1.5mm程度の場
合、0.3〜0.8mmとするのが好ましい。
【0025】局部的な薄肉部7は、前記破断予定部14
の形状に沿って帯状に形成されており、すなわち、図1
に示すような概略H字形状の破断予定部14を有する場
合には、これと同じような概略H字形状となる。
【0026】局部的な薄肉部7を形成する溝は、従来の
連続した表皮構造の幅方向に対する圧縮・延伸に対する
弱さを補う為に溝を不連続とし、一定間隔で一定長さの
溝を作らずに、溝の幅方向に対する強度を向上させる。
【0027】また、溝を不連続とすることによるエアバ
ッグドア開裂性の悪化は、不連続部12の構造を工夫す
ることにより解決する。不連続部12を長くすると溝幅
方向の強度は向上し経時老化に対する外観は改善する
が、強度が上がり過ぎ開裂しなかったり、不連続部12
から予定外の方向へ開裂してしまう。そこで、不連続部
12の底部に角度をつけ、断面形状を三角形又は台形形
状にし、溝幅方向の強度を上げつつ、ティアライン部以
外の表皮より強度を下げる。
【0028】前記不連続部12の断面形状例を図10に
示すが、断面形状としては三角形又は台形であればこれ
らに限ったものではない。
【0029】また、表皮3の裏側13に形成される局部
的な薄肉部7は、連続する直線状ではなく、不連続部1
2が一定の幅で形成されているものであるから、車室内
に照射される太陽光線や車室内の高熱による経時的な表
皮の劣化及び収縮などにより生じる応力が、表皮3の一
箇所に集中せず、破断予定部14上に一定幅で不連続に
分散した形状となり、表皮に発生する亀裂等を防ぐこと
ができる。
【0030】なお、本実施例においては局部的な薄肉部
7は、破断予定部14に沿って断続的に形成した方が好
ましい。このような構成にあっては、前記局部的な薄肉
部7が断続的なミシン目状となり、表皮3の破断性能を
妨げることなくさらにその耐熱性能を向上させることが
できる。
【0031】次に、図4乃至図9に従って、この発明構
造のインストルメントパネルの製法について説明する。
ここに提案されるエアバッグドア部を有するインストル
メントパネルの製法は、局部的な薄肉部を形成した表皮
を得る工程と、前記表皮裏面側に合成樹脂発泡層を一体
に形成する工程とを含む。
【0032】まず表皮の形成工程について説明すると、
図4及び図5に示すように、公知のパウダースラッシュ
成形型15によって表皮の成形がなされる。図4に示す
ように、パウダースラッシュ成形型15のバケット17
のパウダー収容部19に軟質PVCパウダーなどの熱可
塑性合成樹脂パウダーからなる表皮用樹脂材料21が収
容される。
【0033】そして、熱媒循環パイプ23,23,…に
加熱オイル等の熱媒を供給し所定の表皮の表面形状に形
成された成形型25を加熱しながら、バケット17と前
記成形型25とをクランプして矢印aのように所定回数
回転させる。その回転により、図5に示すように、バケ
ット17内の表皮用樹脂材料21が成形型25内に移動
してその型面23に接触する。前記表皮用樹脂材料21
は前記型面23の熱により溶融し該型面23に所定厚み
で層状に付着して、表皮3が形成される。
【0034】表皮成形後、開裂溝となるティアラインを
作製する。ティアラインの形成方法としては、図7に示
すような作製する溝の形状を有する刃29を150°C
〜230°Cに加熱して、図6に示すようにその温度を
維持して表皮3の裏面側から前記加熱した刃29を装着
した押し型部材30を駆動機構33を使用して押し当て
ることによって溝の作製を行う。不連続部分を作製する
為には、前記刃29に三角形や台形状の凹部31を作製
し刃29を表皮に押し当てた場合にそこだけ溝が形成さ
れないようにする。
【0035】また、上記ティアラインの作製は超音波刃
を使用しても作製できる。超音波刃は刃の幅1.5〜
5.0mmの鋼の刃を超音波振動子の先端に取り付けた
状態でロボットにてティア形状に沿って超音波振動させ
た刃を表皮裏面から押し当てて溝を作る。ここで、不連
続部分を作製するには、超音波刃を発振した状態で溝の
形状に沿って動かしながら刃を上下させることにより、
断面が三角形或いは台形の不連続部分を作製するのであ
る。
【0036】ついで、上記のようにして得られた局部的
薄肉部7が形成された表皮3の裏面側全部に合成樹脂発
泡層が一体に形成される。すなわち、図8及び図9に示
したように、発泡成形型35の下型37の型面39に、
前記表皮3を前記局部的薄肉部7が形成されている側が
内側となるようにして配置する。一方、前記発泡成形型
35の上型41の型面43には、インストルメントパネ
ル用芯材45及びエアバッグドア用芯材47を適宜手段
で保持して配置する。
【0037】そして、前記下型37に配置された表皮3
の裏面側に、注入機49よりポリウレタン原料等の合成
樹脂発泡原料51が所定量注入された後、前記上型41
を閉じて発泡成形を行う。合成樹脂発泡原料51は発泡
硬化して合成樹脂発泡層を形成する。前記表皮3裏面に
形成された局部的な薄肉部7には、合成樹脂発泡原料5
1が侵入して前期合成樹脂発泡層と一体に接合される。
そして、上面側(型内では下面側)にエアバッグドア部
10を画定する破断予定部53を備えた表皮 を有す
るインストルメントパネル1が得られる。
【0038】ここで、前記不連続部の断面形状である前
記三角形又は台形の底角の角度を25°〜70°とす
る。ここで、前記底角の角度が25°より小さいとティ
アラインの不連続部が多くなりすぎ、エアバッグドアが
開裂しない。一方前記底角の角度が70°を超えた場合
は、成形が困難となる。
【0039】また、前記不連続部を5mm〜20mmの
間隔で形成する。前記不連続部のピッチが5mmより小
さいと不連続部分が多くなりすぎてエアバッグドアが開
裂せず、一方不連続部のピッチが20mmを越えると不
連続部による溝の補強が小さくなり、経時老化時の外観
を良好に保つことができない。
【0040】また、前記三角形又は台形の高さを前記溝
の深さの0.5〜1倍とする。前記三角形又は台形の高
さが前記溝の深さの0.5倍よりも小さい場合は、表皮
の老化後の圧縮・延伸に耐えられる強度が得られず、一
方、前記三角形又は台形の高さが前記溝の深さよりも大
きくなると、エアバッグドアがティアラインに沿って開
裂し難くなる。
【0041】また、前記不連続部の形状が台形である場
合は、その上底長さを開裂溝の溝深さ寸法よりも小さく
する。前記上底長さが該開裂溝の溝深さ寸法さよりも大
きくなると、ティアライン上に表皮の一般部と同じ厚み
の部分が多く存在することになり、エアバッグ開裂時に
開裂しにくくなる。また、開裂しても台形の上底の表皮
一般部と同じ厚みのところから横方向に開裂してしまい
ティアライン通りに開裂しない。
【0042】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 (実施例)熱可塑性ウレタンパウダースラッシュを用い
て公知の方法で表皮を成形した。このときの表皮の厚み
は1.0mmであった。そして、深さ0.5mmの溝を
ティアラインに沿って熱刃、超音波刃の両方にて成形し
た。まずは、従来の通り連続溝を成形し、エアバッグ開
裂試験、耐熱老化試験(110°C雰囲気下で2400
時間放置)を実施したところ、開裂試験では表皮がティ
アライン通り開き良好であったが、耐熱老化ではウレタ
ンが熱により収縮し表皮が圧縮され図5のように凸状に
表面に現れてしまった。
【0043】次に、同じ材料、厚みの表皮を用い超音波
刃にて不連続溝をティアラインとして成形した。表皮残
厚を0.5mmとし、不連続部のピッチを3,5,1
0,20,30mm、溝底角度を25°、45°、65
°のいずれかを採用して実施した。その結果を表1及び
表2に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】表1及び表2の結果から、開裂溝が不連続
部の無い従来の連続した溝の場合は、エアバッグの開裂
試験では、問題無くエアバッグドアが開裂するが、耐熱
老化後、ウレタンが熱により収縮し表皮が圧縮され図1
1のように凸状に表面に現れてしまった。
【0047】又、不連続部のピッチを3mmとした比較
例1及び2においては、不連続部の数が多くなりすぎ、
エアバッグドアが開裂しなかった。一方不連続部のピッ
チを30mmとした比較例3及び比較例4の場合は問題
無くエアバッグドアは開裂するが、従来例と同様に、耐
熱老化後、ウレタンが熱により収縮し表皮が圧縮され図
11のように凸状8として表面に現れてしまった。
【0048】また、実施例10として、図12に示すよ
うに不連続部の断面形状を三角形ではなく台形とした。
(ピッチ=11mm、溝底角度=45°、高さ=0.5
mm)上底長さが0.5mmでは開裂試験、老化後の外
観は良好であったが、上底長さを1.0mmとした場
合、老化後の外観は良好であったが、開裂試験でティア
ライン通り開裂せず、不連続部から斜めに開裂してしま
った。これは不連続部に表皮一般部と同じ厚みの部分が
1mm程できた為に発生したと思われる。
【0049】
【発明の効果】上記のように、本発明は、前記ティアラ
インを断面形状が三角形又は台形の不連続部を有する薄
肉部としたエアバッグドア一体型インストルメントパネ
ルであることから、エアバッグの開裂性を阻害すること
なく、ティアラインを初期から経時老化後迄安定して見
え難くできる。又、前記三角形又は台形の底角の角度を
規定することによって、経時老化した後でもティアライ
ンが外観上確認できず、さらにエアバッグの開裂性もよ
り確実となる効果が有る。
【0050】請求項2に記載の発明によると、前記不連
続部のピッチを規定することによって、請求項1の効果
と同様に経時老化した後でもティアラインが外観上確認
できず、さらに、エアバッグの開裂性もより確実となる
という効果が有る。
【0051】請求項3に記載の発明によると、前記三角
形又は台形の高さを前記開裂溝の深さの1〜0.5倍と
することによって、開裂性を阻害することなく、経時老
化後でも安定してティアラインを見え難くできるという
効果が有る。
【0052】請求項4に記載の発明によると、前記不連
続部の形状が台形であって、その上底長さが前記開裂溝
の溝深さ寸法以下であることから、経時老化した後でも
ティアラインが外観上確認できず、さらにエアバッグド
アが開裂するときにティアライン通り開裂し、不連続部
から斜めに開裂するような不具合は起こらないという効
果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明構造の一実施例を示す自動車のインストル
メントパネルの概略斜視図である。
【図2】図1のティアラインのA−A断面図である。
【図3】図1のティアラインのB−B断面図である。
【図4】この発明のエアバッグドア部を有するインスト
ルメントパネルの製法に関するものであって、表皮の成
形に用いられるパウダースラッシュ成形型の表皮成形状
態を示す断面図である。
【図5】図4に示したパウダースラッシュ成形型の表皮
成形状態を示す断面図である。
【図6】パウダースラッシュ成形型内の表皮樹脂材料に
押し型部材を押圧した状態を示す断面図である。
【図7】本発明の開裂溝を形成する熱刃で不連続部を形
成する為の凹部を有したものである。
【図8】局部的薄肉部が形成された表皮の裏面側に合成
樹脂発泡材料を注入する状態を示す断面図である。
【図9】発泡成形状態を示す断面図である。
【図10】不連続部の断面形状の実施形態を示した概略
図である。
【図11】老化後、ウレタンの収縮により表皮表面に凸
状が発生した状態を示した断面図である。
【図12】不連続部の断面形状を台形としたときの台形
高さと上底の長さとの関係を示した概略図である。
【図13】一般的なエアバッグドア部を有するインスト
ルメントパネルの断面図である。
【図14】その要部の拡大断面図である。
【図15】図13に示したインストルメントパネルのエ
アバッグドア部が展開した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 インストルメントパネル 3 表皮 4 ティアライン 5 合成発泡樹脂層 7 局部的薄肉部 9 芯材 10 エアバッグドア部 13 表皮の裏側 14 破断予定部 15 パウダースラッシュ成形型 17 バケット 19 パウダー収容部 29 刃 30 押し型部材 31 凹部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアバッグが膨出する開口部を閉成し、
    前記エアバッグ作動時の膨張圧力によって開裂溝によっ
    て薄肉にされた開口予定部となるティアラインと、この
    開裂溝を境として、その両側にヒンジ部を回転軸として
    展開するエアバッグドアを一体に形成したエアバッグド
    ア一体型インストルメントパネルであって、 前記ティアラインを断面形状が三角形又は台形であって
    その底角が25°〜70°の不連続部を有する薄肉部と
    したことを特徴とするエアバッグドア一体型インストル
    メントパネル。
  2. 【請求項2】不連続部を5mm〜20mmの間隔で形成
    した請求項1に記載のエアバッグドア一体型インストル
    メントパネル。
  3. 【請求項3】 前記三角形又は台形の高さが前記開裂溝
    の深さの1〜0.5倍とした請求項1又は2に記載のエ
    アバッグドア一体型インストルメントパネル。
  4. 【請求項4】 エアバッグが膨出する開口部を閉成し、
    前記エアバッグ作動時の膨張圧力によって開裂溝によっ
    て薄肉にされた開口予定部となるティアラインと、この
    開裂溝を境として、その両側にヒンジ部を回転軸として
    展開するエアバッグドアを一体に形成したエアバッグド
    ア一体型インストルメントパネルであって、 前記ティアラインの断面形状が台形の不連続部であって
    その上底長さが前記開裂溝の溝深さ寸法以下である不連
    続部を有する薄肉部としたことを特徴とするエアバッグ
    ドア一体型インストルメントパネル。
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