JPH10119690A - インストルメントパネル表皮及びその加工方法 - Google Patents

インストルメントパネル表皮及びその加工方法

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JPH10119690A
JPH10119690A JP8275873A JP27587396A JPH10119690A JP H10119690 A JPH10119690 A JP H10119690A JP 8275873 A JP8275873 A JP 8275873A JP 27587396 A JP27587396 A JP 27587396A JP H10119690 A JPH10119690 A JP H10119690A
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skin
instrument panel
slit
airbag door
airbag
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JP8275873A
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Kisozou Sasaki
喜十三 佐々木
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Toyota Motor Corp
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  • Instrument Panels (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エアバッグ袋体展開時の破断性能を確保した
上で、熱老化後の口開きや亀裂の発生を抑制する。 【解決手段】 インストルメントパネル10の表皮20
の裏面20Aには、ティアライン26と対向するエアバ
ッグドア展開破断部27に沿ってH字状にスリット40
が形成されており、このスリット40は表面20Bに達
しない所定深さとされている。スリット40は入口部の
みが溶着されており、表皮20は展開する際に、このス
リット40を起点に破断するようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインストルメントパ
ネル表皮及びその加工方法に係り、特にエアバッグドア
部を一体に有するインストルメントパネル表皮及びその
加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、助手席用のエアバッグ装置のドア
部をインストルメントパネルに一体とした構造の一例
が、特開平8−58512号公報に示されている。
【0003】図12に示される如く、このエアバッグド
ア部を一体に有するインストルメントパネル170で
は、合成樹脂発泡層172の上面に表皮174を有して
おり、エアバッグドア部170Aには、表皮174の一
般肉厚面の裏面側に、表皮174の表面174Aに達し
ないハーフカット部176を設け、このハーフカット部
176によりドア開口が規定されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このイ
ンストルメントパネル170では、熱老化後の熱収縮に
よりハーフカット部176に口開きや亀裂が発生して外
観品質の悪化を招くことがある。また、表皮174中の
可塑剤が発泡層172へ移行したり、発泡層172中の
アミンが表皮174へ移行し、熱老化後に亀裂を生じ易
く、これを改善するためには、保護テープを貼付けると
いった対策が必要で、コスト高となる。また、保護テー
プを貼付けた場合には、熱老化後に保護テープの帯状部
が浮き出て見栄えを著しく損なう。さらに、保護テープ
を貼付ける場合には、テープ貼付の信頼性も低く、テー
プが剥がれ、ハーフカット部176が大きく口開きし、
亀裂が入って裂けることも考えられる。
【0005】本発明は上記事実を考慮し、エアバッグ袋
体展開時の破断性能を確保した上で、熱老化後の口開き
や亀裂の発生を抑制できるインストルメントパネル表皮
及びその加工方法を得ることが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の
インストルメントパネル表皮は、表皮の裏面にエアバッ
グドア展開破断部に沿って表面に達しない所定深さのス
リットを形成すると共に前記スリットの入口部のみを溶
着したことを特徴としている。
【0007】従って、スリットの入口部のみを溶着した
ことにより、エアバッグ袋体展開時の破断性能を確保で
きると共に、スリットの入口部を溶着したので、スリッ
トに起因する熱老化後の口開きや亀裂の発生を抑制でき
る。
【0008】請求項2記載の本発明のインストルメント
パネル表皮の加工方法は、スリット刃により表皮の裏面
にエアバッグドア展開破断部に沿って表面に達しない所
定深さのスリットを形成する工程と、寄せ刃を押し当て
ることにより前記スリットの入口部を両側から閉じる工
程と、該入口部を加熱溶着する工程と、を含むことを特
徴としている。
【0009】従って、エアバッグ袋体展開時の破断性能
を確保した上で、熱老化後の口開きや亀裂の発生を抑制
できるインストルメントパネル表皮を極めて容易に、且
つ短い工程で加工することができる。
【0010】請求項3記載の本発明のインストルメント
パネル表皮の加工方法は、スリット刃により表皮の裏面
にエアバッグドア展開破断部に沿って表面に達しない所
定深さのスリットを形成する工程と、加熱した当て刃に
より前記スリットの入口部を溶着する工程と、を含むこ
とを特徴としている。
【0011】従って、エアバッグ袋体展開時の破断性能
を確保した上で、熱老化後の口開きや亀裂の発生を抑制
できるインストルメントパネル表皮を極めて容易に、且
つ短い工程で加工することができる。
【0012】請求項4記載の本発明のインストルメント
パネル表皮は、表皮の裏面に表皮の厚さ方向に対して局
部的に形成した発泡部を有する弱化部をエアバッグドア
展開破断部に沿って設けたことを特徴としている。
【0013】従って、エアバッグドア展開破断部に沿っ
て形成した発泡部は他の表皮一般肉厚部よりも低密度で
あるため、弱化部の強度が他の表皮一般肉厚部より弱く
なり、エアバッグ袋体展開時の破断性能を確保できる。
また、発泡部を表皮の厚さ方向に対して局部的に発泡さ
せたため、熱老化後の口開きや亀裂の発生を抑制でき
る。
【0014】請求項5記載の本発明のインストルメント
パネル表皮の加工方法は、熱で発泡し易い材料を電鋳型
のエアバッグドア展開破断部となる部位に型面から所定
間隔をあけてセットする工程と、表皮をパウダースラッ
シュ成形する工程と、表皮メルト後に前記発泡し易い材
料に熱風を吹き付けて発泡させる工程と、を含むことを
特徴としている。
【0015】従って、エアバッグ袋体展開時の破断性能
を確保した上で、熱老化後の口開きや亀裂の発生を抑制
できるインストルメントパネル表皮を極めて容易に、且
つ短い工程で加工することができる。
【0016】請求項6記載の本発明のインストルメント
パネル表皮の加工方法は、電鋳型を加熱して表皮を成形
する工程と、表皮がメルト中でまだ軟らかいうちに発泡
成分を多く含んだ表皮材料を電鋳型のエアバッグドア展
開破断部となる部位に吹き付ける工程と、前記発泡成分
を多く含んだ表皮材料に熱風を吹き付けて発泡させる工
程と、を含むことを特徴としている。
【0017】従って、エアバッグ袋体展開時の破断性能
を確保した上で、熱老化後の口開きや亀裂の発生を抑制
できるインストルメントパネル表皮を極めて容易に、且
つ短い工程で加工することができる。
【0018】請求項7記載の本発明は、請求項4記載の
インストルメントパネル表皮において、前記発泡部は両
開き構成とされたエアバッグドアに沿ったH形状をな
し、インストルメントパネル基材の一対のエアバッグド
ア端末には、前記発泡部を取り囲むようにフランジが前
記表皮に向けて突出成形されていることを特徴としてい
る。
【0019】従って、表皮の発泡部は一体発泡時の圧力
によって潰され、後に表皮が盛り上がる心配があるが、
インストルメントパネル基材の一対のエアバッグドア端
末にフランジを突出形成したので、表皮の発泡部近傍の
発泡ガスを有効にインストルメントパネル基材の一対の
エアバッグドア端末間の隙間から逃がすことができ、外
観品質の悪化を抑制できる。また、エアバッグドア端末
のフランジにより、エアバッグ袋体展開時、表皮が破断
され易くなる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施形態を図1〜図
4に従って説明する。
【0021】図3に示される如く、車両の車室内に設け
られているインストルメントパネル10には、助手席側
(図3の紙面左側)の内方にエアバッグ装置12(図1
に一部を図示)が配設されている。
【0022】図1に示すように、エアバッグ装置12の
エアバッグケース14は、図示を省略したインストルメ
ントパネルリインフォースメントに固定されており、エ
アバッグケース14内には、インフレータ16及び折り
畳んだ状態のエアバッグ袋体18が収納されている。
【0023】インストルメントパネル10は、PVC
(塩化ビニル樹脂)表皮20、PUR(ポリウレタン)
発泡層22及び樹脂製の基材24を積層した構造となっ
ている。樹脂製の基材24は射出成形によって成形され
ている。この基材24のエアバッグケース14と略対向
する部位は車両前後方向中央部で前後両開き構造とされ
たエアバッグドア部28、29となっており、基材24
のエアバッグドア部28、29以外は一般部30となっ
ている。また、エアバッグドア部28、29の間にはテ
ィアライン26が形成されており、エアバッグドア部2
8の車両前側端部28Aと、エアバッグドア部29の車
両後側端部29Aが、それぞれ一般部30に、ボルト3
1及びナット33で固定されている。なお、このボルト
31及びナット33で固定された部位がヒンジ部になっ
ている。
【0024】また、表皮20の裏面20Aには、ティア
ライン26と対向するエアバッグドア展開破断部27に
沿ってH字状(図3参照)にスリット40が形成されて
おり、エアバッグ袋体展開時、表皮20は、エアバッグ
ドア展開破断部27において開裂し、図1に二点鎖線で
示される如く、基材24及び発泡層22とともに展開す
るようになっている。
【0025】図2に示される如く、このスリット40
は、表面20Bに達しない所定深さTとされており、ス
リット40は入口部40Aのみが溶着されている。
【0026】なお、エアバッグ装置12は、図示しない
機械的又は電気的な加速度センサ等によって車両の急減
速を検出すると、エアバッグケース14内のインフレー
タ16が作動して、エアバッグケース14内に折り畳ま
れて収容されているエアバッグ袋体18を基材24のエ
アバッグドア部28、29へ向けて膨張させる。エアバ
ッグ袋体18は、基材24のエアバッグドア部28、2
9を押圧してインストルメントパネル10を開裂させ車
室内に展開するようになっている。なお、エアバッグ装
置12としては、従来公知の一般的構成を適用できるた
め、本実施の形態ではエアバッグ装置12の詳細な説明
は省略する。
【0027】次に、本発明の第1実施形態のインストル
メントパネル表皮の加工方法を詳細に説明する。
【0028】先ず、図4(A)に示される如く、表皮2
0の裏面20Aにエアバッグドア展開破断部に沿ってス
リット刃42を押し当て、高周波誘電加熱によりスリッ
ト刃42を加熱し表面20Bに達しない所定深さTにス
リット刃42を挿入する。
【0029】次に、図4(B)に示される如く、表皮2
0からスリット刃42を抜き取ると、スリット40が形
成される。これと同時に、表皮20の裏面20Aのスリ
ット40を挟んで対向する部位に、寄せ刃44、46を
押し当て、高周波誘電加熱により寄せ刃44、46を加
熱し、所定深さに寄せ刃44、46を挿入する。
【0030】この際、寄せ刃44、46の各先端部は、
対向する面が傾斜面44A、46Aとなっており、これ
らの傾斜面44A、46Aによって、スリット40の入
口部40Aを両側から閉じ溶着する。
【0031】次に、図4(D)に示される如く、表皮2
0から寄せ刃44、46を抜き取ると、入口部40Aが
溶着されたスリット40が形成される。なお、寄せ刃4
4、46を抜き取った部位に凹部48、50が形成され
るが、これらの凹部48、50の深さは、熱老化により
口開きしない程度の浅いものである。
【0032】従って、本発明の第1実施形態のインスト
ルメントパネル表皮では、スリット40の入口部40A
のみを溶着したことにより、エアバッグ袋体展開時の表
皮20の破断性能を確保できると共に、スリット40の
入口部40Aを溶着したので、スリット40に起因する
熱老化後の口開きや亀裂の発生を抑制できる。
【0033】また、表皮20の肉厚も大きく変化しない
ため、熱老化後のテープ貼付けによる帯状の跡も発生し
ない。さらに、スリット40を極めて薄く形成でき、且
つ通常時は表皮20の弾性によりスリット40が両側か
ら押されて線状態となって一般肉厚部に埋設するため、
一般肉厚部と同等の熱耐久性を有する。
【0034】また、本発明の第1実施形態のインストル
メントパネル表皮の加工方法では、表皮20の裏面20
Aにエアバッグドア展開破断部に沿ってスリット刃42
を押し当てスリット40を形成すると共に、寄せ刃4
4、46を押し当てスリット40の入口部40Aを溶着
するため、極めて容易に且つ短い工程で表皮20を加工
できる。
【0035】また、スリット刃42及び寄せ刃44、4
6を高周波誘電加熱により加熱するため、高周波誘電の
出力及び時間を制御することによって、安定した品質の
スリット40及び入口部40Aの溶着を得ることができ
る。
【0036】なお、図5に示される如く、スリット40
の入口部40Aを溶着し易ければ、先端断面52Aを半
円形状等の他の形状とした一本の当て刃52を使用して
も良い。また、図6に示される如く、先端面54Aが平
坦な当て刃54を使用しても良い。さらには、スリット
刃に代えて、レーザまたは超音波等によってスリット4
0を形成しても良い。
【0037】次に、本発明の第2実施形態を図7〜図1
0に従って説明する。なお、第1実施形態と同一部材に
ついては同一符号を付してその説明を省略する。
【0038】図7に示される如く、本発明の第2実施形
態では、表皮20の裏面20Aに、エアバッグドア展開
破断部に沿って発泡部59が形成されており、この発泡
部59が形成された部位が表皮20の弱化部60となっ
ている。
【0039】図8に示される如く、この発泡部59は、
表皮20の表面20Bに達しない所定深さLの位置に形
成されている。また、基材24の両開き構成とされた一
対のエアバッグドア部28、29の隣接する各端末に
は、弱化部60を取り囲むようにフランジ62、64
が、表皮20に向けて一体発泡により突出成形されてい
る。
【0040】次に、本発明の第2実施形態のインストル
メントパネル表皮の加工方法を詳細に説明する。
【0041】先ず、図9(A)に示される如く、電鋳型
66内の曲部発泡弱化部を形成する部位に、所定の間隔
で立設された固定ピン67の根元に、例えば厚さLの隙
間調整板68を置き、固定ピン67に、発泡し易い材料
69を突き刺して固定し、隙間調整板68を抜き取る。
【0042】次に、図9(B)に示される如く、電鋳型
66を加熱後、通常のパウダースラッシュ成形により、
表皮20を成形する。
【0043】次に、図9(C)に示される如く、表皮メ
ルト後に、電鋳型66内に挿入した熱風ダクト70(図
10参照)より吹き出す熱風72で、発泡し易い材料6
9を発泡させて発泡部を形成する。
【0044】なお、この場合、型抜き後、固定ピン67
の跡に残る孔は補修するか、または、補修する必要がな
い孔径となるような細い固定ピン67を使用する。
【0045】図8に示される如く、以上の方法で加工さ
れた表皮20を使用して、インストルメントパネル10
を一体成形すると、表皮20に予め形成された発泡部5
9は、一体発泡する際の圧力で潰され、その後、表皮2
0を盛り上げる心配があるが、基材24の両開き構成と
された一対のエアバッグドア部28、29の隣接する各
端末には、発泡部59を取り囲むようにフランジ62、
64が表皮20に向けて突出成形されているため、発泡
ガス74を基材24のティアライン26の部位から逃が
すことができ、表皮20の盛り上がりを防止できる。
【0046】従って、本発明の第2実施形態のインスト
ルメントパネル表皮では、表皮20の裏面20Aに、エ
アバッグドア展開破断部に沿って発泡部59を有する弱
化部60を形成したため、エアバッグ袋体展開時の表皮
20の破断性能を確保できる。また、発泡部59が表皮
20の表面20Bに達しない所定深さLとされているた
め、発泡部59に起因する熱老化後の口開きや亀裂の発
生を抑制できる。
【0047】また、本発明の第2実施形態のインストル
メントパネル表皮の加工方法では、熱で発泡し易い材料
69を電鋳型66に型面66Aから所定間隔をあけてセ
ットする工程と、表皮20をパウダースラッシュ成形す
る工程と、表皮メルト後に発泡し易い材料69に熱風を
吹き付けて発泡させる工程と、により加工するため、表
皮20にエアバッグドア展開破断部に沿った弱化部60
を極めて容易に且つ短い工程で形成することができる。
【0048】なお、本発明の第2実施形態のインストル
メントパネル表皮の加工方法は、図9(A)〜(C)に
示される工程に代えて、次の工程としても良い。
【0049】図11(A)に示される如く、電鋳型66
内の表皮20がメルト中でまだ軟らかいうちに、発泡成
分を多く含んだ表皮材料76を電鋳型66のエアバッグ
ドア展開破断部となる部位にノズル78で吹き付ける。
【0050】次に、図11(B)に示される如く、表皮
メルト後に、電鋳型66内に挿入した熱風ダクト70
(図10参照)より吹き出す熱風72で、発泡成分を多
く含んだ表皮材料76を発泡させて発泡部を形成する。
【0051】これらの工程でインストルメントパネル表
皮を加工する場合には、発泡成分を多く含んだ表皮材料
76のセットが簡単であるため、表皮20にエアバッグ
ドア展開破断部に沿った弱化部60を更に容易に且つ短
い工程で形成することができる。
【0052】また、本発明の第2実施形態のインストル
メントパネル表皮では、表皮20の裏面20Aに発泡部
59を形成したが、これに代えて、表皮20の中間部に
発泡部59を形成しても良い。さらに、意匠面に塗装等
を行う場合には、表皮20の表面20Bに発泡部59を
形成しても良い。
【0053】以上に於いては、本発明を特定の実施形態
について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に
限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々
の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかで
ある。
【0054】
【発明の効果】請求項1記載の本発明のインストルメン
トパネル表皮は、表皮の裏面にエアバッグドア展開破断
部に沿って表面に達しない所定深さのスリットを形成す
ると共に前記スリットの入口部のみを溶着したため、エ
アバッグ袋体展開時の破断性能を確保した上で、熱老化
後の口開きや亀裂の発生を抑制できるという優れた効果
を有する。
【0055】請求項2記載の本発明のインストルメント
パネル表皮の加工方法は、スリット刃により表皮の裏面
にエアバッグドア展開破断部に沿って表面に達しない所
定深さのスリットを形成する工程と、寄せ刃を押し当て
ることによりスリットの入口部を両側から閉じる工程
と、入口部を加熱溶着する工程と、を含むため、エアバ
ッグ袋体展開時の破断性能を確保した上で、熱老化後の
口開きや亀裂の発生を抑制できるインストルメントパネ
ル表皮を極めて容易に、且つ短い工程で加工することが
できるという優れた効果を有する。また、スリット刃及
び寄せ刃を高周波誘電加熱により加熱すれば、その出力
及び溶着時間のコントロールにより安定した品質のスリ
ット及び溶着部を形成することができるという優れた効
果を有する。
【0056】請求項3記載の本発明のインストルメント
パネル表皮の加工方法は、スリット刃により表皮の裏面
にエアバッグドア展開破断部に沿って表面に達しない所
定深さのスリットを形成する工程と、加熱した当て刃に
よりスリットの入口部を溶着する工程と、を含むため、
エアバッグ袋体展開時の破断性能を確保した上で、熱老
化後の口開きや亀裂の発生を抑制できるインストルメン
トパネル表皮を極めて容易に、且つ短い工程で加工する
ことができるという優れた効果を有する。また、スリッ
ト刃及び当て刃を高周波誘電加熱により加熱すれば、そ
の出力及び溶着時間のコントロールにより安定した品質
のスリット及び溶着部を形成することができるという優
れた効果を有する。
【0057】請求項4記載の本発明のインストルメント
パネル表皮は、表皮の裏面に表皮の厚さ方向に対して局
部的に形成した発泡部を有する弱化部をエアバッグドア
展開破断部に沿って設けたため、エアバッグ袋体展開時
の破断性能を確保した上で、熱老化後の口開きや亀裂の
発生を抑制できるという優れた効果を有する。
【0058】請求項5記載の本発明のインストルメント
パネル表皮の加工方法は、熱で発泡し易い材料を電鋳型
のエアバッグドア展開破断部となる部位に型面から所定
間隔をあけてセットする工程と、表皮をパウダースラッ
シュ成形する工程と、表皮メルト後に発泡し易い材料に
熱風を吹き付けて発泡させる工程と、を含むため、エア
バッグ袋体展開時の破断性能を確保した上で、熱老化後
の口開きや亀裂の発生を抑制できるインストルメントパ
ネル表皮を極めて容易に、且つ短い工程で加工すること
ができるという優れた効果を有する。
【0059】請求項6記載の本発明のインストルメント
パネル表皮の加工方法は、電鋳型を加熱して表皮を成形
する工程と、表皮がメルト中でまだ軟らかいうちに発泡
成分を多く含んだ表皮材料を電鋳型のエアバッグドア展
開破断部となる部位に吹き付ける工程と、発泡成分を多
く含んだ表皮材料に熱風を吹き付けて発泡させる工程
と、を含むため、エアバッグ袋体展開時の破断性能を確
保した上で、熱老化後の口開きや亀裂の発生を抑制でき
るインストルメントパネル表皮を極めて容易に、且つ短
い工程で加工することができるという優れた効果を有す
る。
【0060】請求項7記載の本発明は、請求項4記載の
インストルメントパネル表皮において、発泡部は両開き
構成とされたエアバッグドアに沿ったH形状をなし、イ
ンストルメントパネル基材の一対のエアバッグドア端末
には、発泡部を取り囲むようにフランジが表皮に向けて
突出成形されているため、請求項4記載の効果に加え
て、発泡ガスを有効に逃がすことができ、外観品質の悪
化を抑制できると共に表皮が破断され易く、エアバッグ
ドアの展開性能を向上させることができるという優れた
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3の1−1線に沿った拡大断面図である。
【図2】図1の一部を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るインストルメント
パネル表皮が適用されたインストルメントパネルを示す
斜視図である。
【図4】(A)〜(C)は本発明の第1実施形態に係る
インストルメントパネル表皮の加工方法の各工程を示す
説明図である。
【図5】本発明の第1実施形態の変形例に係るインスト
ルメントパネル表皮の加工方法を示す説明図である。
【図6】本発明の第1実施形態の他の変形例に係るイン
ストルメントパネル表皮の加工方法を示す説明図であ
る。
【図7】本発明の第2実施形態に係るインストルメント
パネル表皮の断面図である。
【図8】図7の一部を示す拡大断面図である。
【図9】(A)〜(C)は本発明の第2実施形態に係る
インストルメントパネル表皮の加工方法の各工程を示す
説明図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係るインストルメン
トパネル表皮の加工方法で使用する熱風ダクトを示す概
略図である。
【図11】(A)及び(B)は本発明の第2実施形態の
変形例に係るインストルメントパネル表皮の加工方法の
各工程を示す説明図である。
【図12】従来の実施形態に係るインストルメントパネ
ル表皮を示す側断面図である。
【符号の説明】
10 インストルメントパネル 20 表皮 20A 表皮の裏面 20B 表皮の表面 24 基材 27 エアバッグドア展開破断部 28 基材のエアバッグドア部 29 基材のエアバッグドア部 40 スリット 40A スリットの入口部 42 スリット刃 44 寄せ刃 46 寄せ刃 52 当て刃 54 当て刃 59 発泡部 60 弱化部 62 フランジ 64 フランジ 66 電鋳型 69 発泡し易い材料 70 熱風ダクト 76 発泡成分を多く含んだ表皮材料
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 31:58

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表皮の裏面にエアバッグドア展開破断部
    に沿って表面に達しない所定深さのスリットを形成する
    と共に前記スリットの入口部のみを溶着したことを特徴
    とするインストルメントパネル表皮。
  2. 【請求項2】 スリット刃により表皮の裏面にエアバッ
    グドア展開破断部に沿って表面に達しない所定深さのス
    リットを形成する工程と、寄せ刃を押し当てることによ
    り前記スリットの入口部を両側から閉じる工程と、該入
    口部を加熱溶着する工程と、を含むことを特徴とするイ
    ンストルメントパネル表皮の加工方法。
  3. 【請求項3】 スリット刃により表皮の裏面にエアバッ
    グドア展開破断部に沿って表面に達しない所定深さのス
    リットを形成する工程と、加熱した当て刃により前記ス
    リットの入口部を溶着する工程と、を含むことを特徴と
    するインストルメントパネル表皮の加工方法。
  4. 【請求項4】 表皮の裏面に表皮の厚さ方向に対して局
    部的に形成した発泡部を有する弱化部をエアバッグドア
    展開破断部に沿って設けたことを特徴とするインストル
    メントパネル表皮。
  5. 【請求項5】 熱で発泡し易い材料を電鋳型のエアバッ
    グドア展開破断部となる部位に型面から所定間隔をあけ
    てセットする工程と、表皮をパウダースラッシュ成形す
    る工程と、表皮メルト後に前記発泡し易い材料に熱風を
    吹き付けて発泡させる工程と、を含むことを特徴とする
    インストルメントパネル表皮の加工方法。
  6. 【請求項6】 電鋳型を加熱して表皮を成形する工程
    と、表皮がメルト中でまだ軟らかいうちに発泡成分を多
    く含んだ表皮材料を電鋳型のエアバッグドア展開破断部
    となる部位に吹き付ける工程と、前記発泡成分を多く含
    んだ表皮材料に熱風を吹き付けて発泡させる工程と、を
    含むことを特徴とするインストルメントパネル表皮の加
    工方法。
  7. 【請求項7】 前記発泡部は両開き構成とされたエアバ
    ッグドアに沿ったH形状をなし、インストルメントパネ
    ル基材の一対のエアバッグドア端末には、前記発泡部を
    取り囲むようにフランジが前記表皮に向けて突出成形さ
    れていることを特徴とする請求項4記載のインストルメ
    ントパネル表皮。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1958759A1 (de) 2007-02-13 2008-08-20 Peguform Gmbh Airbagabdeckung und Verfahren zu deren Herstellung
US7678323B2 (en) * 2007-08-23 2010-03-16 Toyota Boshoku Kabushiki Kaisha Method of forming a groove
JP2014141160A (ja) * 2013-01-23 2014-08-07 Toyota Motor Corp 車両の内装部材

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