JP2003175564A - ポリエチレンフィルム被覆錫合金めっき鋼板 - Google Patents
ポリエチレンフィルム被覆錫合金めっき鋼板Info
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Abstract
その皮膜特性を向上させる作用を有するものの環境上の
問題から望ましくないとされるCrを含有させることな
く、ポリエチレンフィルムとの密着性に優れたポリエチ
レンフィルム被覆錫合金めっき鋼板の提供することにあ
る。 【解決手段】 鋼板表面上に、FeおよびNiのうちから選
んだ1種または2種を含有する錫合金層を有し、その上
層に0.5〜100mg/m2のPと0.1〜250mg/m2のSiを含有する
化成皮膜を有し、前記化成皮膜の表面に熱融着したポリ
エチレンフィルムを有することを特徴とする。
Description
般缶などに使用される缶用表面処理鋼板に関するもので
あって、ポリエチレンフィルムをラミネート被覆した錫
合金めっき鋼板に関するものである。
するには、錫めっき鋼板や薄クロムめっき鋼板に塗装を
施した表面処理鋼板が用いられていた。塗装は複数回行
われることが多く、塗料の焼き付け工程が煩雑であるば
かりでなく、塗装に使用する塗料のほとんどが大気への
放出によって公害問題を引き起こしかねない有機溶剤で
あるため、廃棄溶剤を処理する設備が必要となって、設
備コスト負担が大きくなるという問題がある。また、有
機溶剤の塗料を使用しないようにするため、水性の塗料
も開発されているが、塗膜性能が劣るため、実用化レベ
ルにまでは達していないのが現状である。
の樹脂フィルムをラミネートする試みが多数なされてお
り、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などのポリ
オレフィン樹脂のフィルムやポリエチレンテレフタレー
ト樹脂などのポリエステル樹脂のフィルムをラミネート
する検討が行われた。これらの中で、ポリエチレンフィ
ルムは最も安価であり、かつ食品包装や袋に多量に使用
されており、鋼板表面をラミネートするのには有望な材
料である。
板としては、特開昭46−6142号公報、特開平5−200961
号公報が知られているが、これらに開示されているのは
いずれも、従来の塗装缶に使われていたのと同じ公知の
缶用表面処理鋼板である。
からぶりきと称される錫めっき鋼板と薄クロムめっき鋼
板があり、錫めっき鋼板では、通常、ぶりき原板に錫め
っきを施した後に、重クロム酸、クロム酸などの6価の
クロム化合物を使った水溶液中に浸漬もしくはこの溶液
中で電解することによってクロム酸化物あるいは金属ク
ロムとクロム酸化物からなるクロメート皮膜を形成する
のが一般的であり、また、薄クロムめっき鋼板は、同様
の原板をクロム酸の水溶液中での電解処理によって金属
クロムとクロム酸化物からなる層を形成させる。これら
缶用表面処理鋼板の最表層にはクロム酸化物があり、こ
のクロム酸化物は、ポリエチレンフィルムとの密着性を
向上させる作用を有することが知られている。
のクロム化合物を使った水溶液で浸漬処理または電解処
理を行う場合、作業環境上の安全性確保及び廃水処理に
多大な費用を要するだけでなく、万が一、事故等でクロ
メート処理液が漏洩した場合には環境に大きな被害を及
ぼす危険性が大きい。昨今の環境問題から、クロムを規
制する動きが各分野で進行しており、缶用表面処理鋼板
においてもクロムを使わずに、ポリエチレンフィルムと
の密着性を向上させる化成処理の必要性が増大してい
る。
る化成処理に関する技術としては、例えば、特公昭55-2
4516号公報に、リン酸系溶液中で錫めっき鋼板を陰極と
して直流電解することにより、錫めっき鋼板上にCrを含
有しない化成皮膜を形成した錫めっき鋼板の表面処理法
が開示されており、また、特公平1-32308号公報には、
化成皮膜中にPもしくはPとAlを含有させて、Crを含有
しない化成皮膜を錫めっき層表面に施したシームレス缶
用電気めっきぶりきが開示されている。
ラミネートにおいて、上掲公報に記載された化成皮膜は
いずれも、従来の重クロム酸やクロム酸溶液によって形
成したクロメート皮膜に比べると密着性が十分に得られ
ているとはいえない。
合金めっき層の上層に形成される化成皮膜中に、その皮
膜特性を向上させる作用を有するものの環境上の問題か
ら望ましくないとされるCrを含有させることなく、密着
性に優れたポリエチレンフィルム被覆錫合金めっき鋼板
を提供することにある。
をさらに詳細に説明する。錫合金層の上層に、上記従来
技術を用いてCrを含有しない化成皮膜を形成した場合に
は、ポリエステル樹脂フィルムとの密着性を満足させる
ことは困難であった。
ける上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、錫合
金層の上層にPとSiを含有する化成皮膜を形成させた場
合には、ポリエチレンフィルムとの十分な密着性を満足
させることができることを見出した。
しくはPとシランカップリング剤を含有する化成処理液
により、適正量のPとSiを含有する化成皮膜を形成すれ
ば、このシランカップリング剤に存在する反応基が配向
して密着性に大きく寄与することがわかった。
に、FeおよびNiのうちから選んだ1種または2種を含有
する錫合金層を有し、その上層に0.5〜100mg/m2のPと
0.1〜250mg/m2のSiを含有する化成皮膜を有し、前記化
成皮膜の表面に熱融着したポリエチレンフィルムを有す
ることにある。尚、化成皮膜中のSi/P比(質量比)は
0.05〜100の範囲にすることが好ましい。
リング剤を含有する化成処理液により形成することが好
ましく、前記シランカップリング剤がエポキシ基を有す
ることがより好適である。
1〜3.0 g/m2であることが好ましい。さらにまた、前記
ポリエチレンフィルムは、融点が105℃以下である低融
点ポリエチレン層と、融点が115℃以上である高融点ポ
リエチレン層の2層のフイルム積層体によって構成さ
れ、かつ、前記低融点ポリエチレン層が、前記化成皮膜
の表面に面する配置になることが好ましく、加えて、前
記高融点ポリエチレン層は、さらに、融点が115〜120℃
である第1ポリエチレン層と、融点が120℃超えである
第2ポリエチレン層の2層のフィルム積層体によって構
成され、かつ、前記第1ポリエチレン層が、前記低融点
ポリエチレン層に面する配置になることがより好適であ
る。
に説明する。この発明の表面処理鋼板は、通常のぶりき
原板に錫合金層を形成したものであり、この発明におけ
る「錫合金層」とは、FeおよびNiのうちから選んだ1種
または2種を含有する錫合金層を意味する。
た後、そのままか、あるいはSnを加熱溶融するための一
般的な加熱処理(リフロー処理)を施すが(この場合、ぶ
りき原板とSnめっき層との間にFe-Sn合金層が形成され
ることになる。)、表面の大部分は金属Snであるため、
使用されるまでの保管期間が長いと、金属Snの表面でSn
酸化物が成長する。このSn酸化物は脆いため、ラミネー
ト後にこのSn酸化物を起点としてフィルム剥離が生じや
すくフィルム密着性を著しく悪化させる。
ト処理を施すことによって対処していたが、クロメート
処理を施したとしても、金属Snの表面で生じがちなSn酸
化物の成長を完全には抑制することができない。
錫合金層の上層に化成皮膜を形成することとし、これに
よって、優れた密着性を得ることができる。
き後の加熱処理でSnを地鉄と完全に合金化させてFe-Sn
合金層とする方法がよく用いられる。また、地鉄表面に
Ni系の前処理を施して置けば、より緻密なFe-Sn-Ni合金
層を形成することができる。
処理や、Niめっき後に熱処理するNi拡散処理がよく用い
られている。Niフラッシュめっき処理では、その上層に
施したSnめっきと常温でも合金化が進み、NiとSnの比が
1:3のときに合金化するので、Ni量とSn量の比を1:
3にしておけば、熱処理なしでNi−Sn合金層が得られ
る。また、Ni拡散処理では、錫合金層の下層にNi拡散層
であるFe−Ni合金層が存在する。
めっき後の拡散合金化反応によらず、Feイオンおよび/
またはNiイオンを含有させたSnめっき液を用いてSn合金
めっきを施すことによって錫合金層を形成してもよい。
んだ1種または2種を含有する錫合金層を有する表面処
理鋼板に限定しているが、これは上述したように、優れ
た密着性を得るのに適しているからである。
着量が0.1〜3.0 g/m2の範囲であることが好ましい。錫
合金層中のSn付着量が0.1 g/m2未満だと十分な密着性が
得られなくなるおそれがあるからであり、また、3.0 g/
m2超えだと、性能は十分であるがコスト高になるので好
ましくなく、特に熱処理による合金化の場合には、合金
化を高温かつ長時間で行う必要があり、生産性の点から
も好ましくないからである。尚、Sn付着量は、電量法又
は蛍光X線による表面分析により測定できる。
びNiのうちから選んだ1種または2種を含有する錫合金
層であればよく、特に限定はしないが、Sn-Fe合金層の
場合には、FeSn2合金層またはFeSn合金層であることが
好ましく、Sn-Ni合金層の場合には、Sn3Ni合金層または
SnNi合金層であることが好ましく、Sn-Fe-Ni合金層の場
合には、(Fe・Ni)Sn2合金層または(Fe・Ni)Sn合金層
であることが好ましい。
錫合金層の上層に、PとSiを含有する化成皮膜を有し、
該化成皮膜中のPおよびSiの含有量を付着量にして、そ
れぞれ0.5〜100mg/m2および0.1〜250mg/m2の範囲とする
ことにある。
して0.5〜100mg/m2の範囲とすること 化成皮膜中のP含有量は、その付着量にして0.5〜100mg
/m2の範囲とすることが必要である。0.5mg/m2未満で
は、密着性が十分に得られず、また、100mg/m2超えでは
化成皮膜に欠陥が生じやすくなり、密着性が劣化するか
らである。尚、P付着量は、蛍光X線による表面分析に
より測定できる。
としては、例えば、リン酸系化成処理によって行なうこ
とが好ましく、この場合、化成処理液中のPの供給源と
してはリン酸イオン換算で1〜80g/lのリン酸、リン酸
ナトリウム、リン酸アルミニウム、リン酸カリウム等の
金属塩、及び/又は、1水素リン酸塩など使用すること
がより好適である。
塩、例えば、SnCl2、FeCl2、NiCl2、SnSO4、FeSO4、NiS
O4などの金属塩を適宜添加することができる。この場合
には、促進剤として塩素酸ナトリウム、亜硝酸塩などの
酸化剤、フッ素イオンなどのエッチング剤を適宜添加し
てもよい。
系化成処理液に浸漬または電解処理することによりPを
含有させた化成皮膜を形成することができる。
して0.1〜250mg/m2の範囲とすること 化成皮膜中に含有するSiは、好ましくは処理液中に含有
させたシランカップリング剤によって含有させたもので
ある。シランカップリング剤の一般化学式は、X-Si-O
R2or3(OR:アルコキシ基)である。
ル基(Si-OR)が水により加水分解されてシラノール
基を生成し、金属表面のOH基との脱水縮合反応により
密着する。また、鋼板の上層には、一般化学式のXにあ
たる反応基が配向し樹脂と相溶もしくは結合する。
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2-
(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、N-2-(アミノエチル)3-アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N-2(アミノエチル)3-アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメ
トキシシラン、3‐メルカプトプロピルメトキシシラ
ン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキ
シ)シラン、アミノ基の存在する、N-2(アミノエチ
ル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-
(アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、3‐アミノプロピルトリエトキシシランなどが
使用できるが、特にシランカップリング剤の一般化学式
におけるX-Si-OR2o r3のXにエポキシ基が存在する2
-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシランや3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ンが好適である。
付着量は、密着性向上効果が顕著に現われる0.1〜250 m
g/m2の範囲とする。0.1 mg/m2未満だと、密着性向上効
果が十分に得られないからであり、また、250 mg/m2超
えでは、未反応のSi成分が残存する(シランカップリン
グ剤が自己縮合する)ため、密着性向上効果が低減する
からである。尚、Si付着量は蛍光X線による表面分析に
より測定できる。
ては、前述のリン酸系化成処理液を用いてPを含有させ
た化成皮膜を形成させ、さらにシランカップリング剤を
水に希釈した溶液で処理することによって行うことがで
きる。尚、シランカップリング剤を水に希釈した溶液で
処理した場合に、表面の濡れ性が悪いためはじきが発生
するときは、アルコールで希釈した溶液を使用すること
ができる。例えば、エタノールを50mass%以上、シラン
カップリング剤を0.5〜20mass%、残りを水とした溶液
にて均一に処理することができる。シランカップリング
剤を含有する溶液を用いた処理は、溶液の塗布、乾燥あ
るいは浸漬処理によって行えばよい。
あるリン酸系化成処理溶液にシランカップリング剤を含
有させることで、1液でPとSiを含有する化成皮膜を形
成することもできる。この場合、pHを1.5〜5.5の範囲
にすることが好ましい。即ち、化成処理液のpHを1.5
〜5.5の範囲に調整すれば、シランカップリング剤を化
成処理液中に均一に溶解することができ、優れた密着性
が得られる。pHが上記範囲外であるとシランカップリ
ング剤を化成処理液に均一に溶解させることが難しくな
り、密着性向上効果が十分に得られなくなる傾向がある
からである。
めっき鋼板に、ポリエチレンフィルムを熱融着させる。
化成処理した錫めっき鋼板とポリエチレンフィルムを熱
融着するには、鋼板を、熱融着するのに必要なポリエチ
レンフィルムの融点以上(融点+20℃以上)に加熱して
おき、この加熱した鋼板表面にポリエチレンフィルムを
ロール等で押しつけて圧着する方法を用いるのが好まし
い。また、ポリエチレンフィルムは、両面に化成皮膜を
有する錫めっき鋼板の少なくとも片面に熱融着すればよ
い。ポリエチレンフィルムの厚みとしては、特に制限す
るものではないが、50〜200μmが好ましい。ポリエチ
レンフィルムの厚みが50μm未満では、薄いためにフィ
ルムのバリアー性が不足し、フィルム被覆(ラミネー
ト)後の耐食性が不十分となるおそれがあり、200μm
超えだとバリアー性のそれ以上の効果が期待できず、コ
スト高を招くだけであるからである。
層で構成してもよいが、例えば、融点が105℃以下であ
る低融点ポリエチレン層と、融点が115℃以上である高
融点ポリエチレン層の2層のフイルム積層体によって構
成され、かつ、前記低融点ポリエチレン層が、前記化成
皮膜の表面に面する配置になることが好ましい。
エチレンの融点以上に加熱することによって鋼板に接す
るポリエチレンが溶融させ融着させるものであるので、
ポリエチレンの融点が低いほどラミネート性に優れかつ
鋼板表面の熱的劣化が少なくて済む。ポリエチレンの融
点は、ポリエチレンの密度を下げることで達成できる
が、一方、密度を下げると、ポリエチレンのバリアー性
が低下し、耐食性の点で好ましくない。
レン層を有し、その上にバリアー性の十分ある高融点ポ
リエチレン層を有する2層のフィルム積層体で構成する
ことが好ましい。
以下が好ましい。融点が105℃を超えると、ラミネート
作業性が悪化する傾向があるからである。前記高融点ポ
リエチレン層の融点は115℃以上であることが好まし
い。融点が115℃未満だと、バリアー性に劣り十分な耐
食性が得られなくなる恐れがあるからである。
ム積層体で構成されている場合には、低融点ポリエチレ
ン層の厚みを、ポリエチレンフィルムの厚みの25%以下
にすることが、バリアー性の観点から望ましい。
の点からすれば、融点が120℃以上であることがより好
ましいが、上層と下層の融点差が15℃以上では、下層と
上層の積層がうまくいかない場合がある。
チレン層は、さらに、中間層であり、融点が115〜120℃
である第1ポリエチレン層と、上層であり、融点が120
℃超えである第2ポリエチレン層の2層のフィルム積層
体によって構成され、かつ、前記第1ポリエチレン層
が、下層である低融点ポリエチレン層に面する配置にな
ることがより好適である。
ム積層体で構成されている場合には、低融点ポリエチレ
ン層および第1ポリエチレン層の厚みをともに、ポリエ
チレンフィルムの厚みの25%以下にすることが、バリア
ー性を確保する点で好ましい。
例を説明する。 1)化成処理錫合金めっき鋼板 通常のぶりき原板あるいはNiフラッシュめっき処理を施
した原板若しくはNi拡散処理を施した原板にSnめっきを
施した後、錫の融点(231.9℃)以上の温度で加熱溶融
(リフロー)処理を行ってSnを地鉄と合金化し、引き続
き、浸漬処理によって化成処理を行うことによって、化
成皮膜を形成した錫合金めっき鋼板を製造する。尚、リ
フロー処理後に、化成処理の反応性を向上させるため、
15g/lの炭酸ナトリウム水溶液中で1C/dm2の陰極処理を
行ってもよい。
1〜80g/lのリン酸、錫イオン換算で0.001〜10g/lの塩
化第一錫、及び0.1〜1.0 g/lの塩素酸ナトリウムを含有
し、さらにシランカップリング剤を0.5〜20.0mass%添
加した水溶液を用いる。
(浸漬)時間を1〜5秒とすることが好ましい。化成処理
後の表面処理鋼板は、35〜150℃の温風で乾燥する。
は、シランカップリング剤を含まない上記化成処理液で
処理した後、シランカップリング層を形成するためのシ
ランカップリング処理液、例えば、エタノールを50mass
%以上、シランカップリング剤を0.5〜20mass%、残り
を水とした溶液を均一に塗布し、鋼板表面温度が50〜15
0℃に到達するように乾燥する方法がある。
+20℃以上、2層以上の場合は下層の融点の+20℃以上
に加熱し、ポリエチレンフィルムをロールで圧着してラ
ミネートする。このとき、缶胴を溶接にて行う場合に
は、溶接接合される部分にはフィルムが被覆されないよ
うに避けてラミネートする。
態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の
変更を加えることができる。
に説明する。 ・実施例1〜11 板厚0.1〜1.0mmの低炭素鋼または極低炭素鋼からなるぶ
りき原板に、錫合金めっき層を形成させた表1に示す表
面処理鋼板に、4種類の化成処理条件(A〜D)のいず
れかを適用して化成皮膜を形成させた。化成皮膜を形成
した錫合金めっき鋼板を加熱後、ポリエチレンフィルム
(イ、ロ、ハ)のいずれかをラミネートし、ポリエチレ
ンフィルム被覆錫合金めっき鋼板を製造した。このとき
形成した化成皮膜の組成については表1に示し、また、
4種類の化成処理条件(A〜D)については表2に示
す。ポリエチレンフィルム(イ〜ハ)については表3に
示す。
か一方がこの発明の適正範囲外である表面処理鋼板につ
いても製造した。
理鋼板について、ポリエステルフィルムの密着性評価を
行った。
セン試験機を用いてポリエステルフィルム面が3mmだ
け凸側になるように張出し成形を行い、その後、沸騰水
中に5時間浸漬した後、凸部の剥離状況によってフィル
ムの密着性を下記に示す3段階で評価した。その評価結
果を表1に示す。 (密着性評価)評点3=フィルムが剥離しない場合 評点2=フィルムが僅かに浮き上がる状態の剥離が生じた場合 評点1=フィルムが完全に浮き上がった状態の剥離が生じた場合
〜11はいずれも、ポリエステルフィルムの密着性に優れ
ていた。一方、比較例1〜4は、ポリエステルフィルム
の密着性が悪く、実用レベルにないことがわかる。
成される化成皮膜中に、その皮膜特性を向上させる作用
を有するものの環境上の問題から望ましくないとされる
Crを含有させることなく、ポリエチレンフィルムとの密
着性に優れたポリエチレンフィルム被覆錫合金めっき鋼
板の提供を可能にした。
Claims (5)
- 【請求項1】 鋼板表面上に、FeおよびNiのうちから選
んだ1種または2種を含有する錫合金層を有し、その上
層に0.5〜100mg/m2のPと0.1〜250mg/m2のSiを含有する
化成皮膜を有し、前記化成皮膜の表面に熱融着したポリ
エチレンフィルムを有することを特徴とするポリエチレ
ンフィルム被覆錫合金めっき鋼板。 - 【請求項2】 前記化成皮膜は、Pとシランカップリン
グ剤を含有する化成処理液により形成することを特徴と
する請求項1に記載のポリエチレンフィルム被覆錫合金
めっき鋼板。 - 【請求項3】前記錫合金層中のSnの付着量が0.1〜3.0g/
m2であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリ
エチレンフィルム被覆錫合金めっき鋼板。 - 【請求項4】 前記ポリエチレンフィルムは、融点が10
5℃以下である低融点ポリエチレン層と、融点が115℃以
上である高融点ポリエチレン層の2層のフィルム積層体
によって構成され、かつ、前記低融点ポリエチレン層
が、前記化成皮膜の表面に面する配置になることを特徴
とする請求項1、2又は3に記載のポリエチレンフィル
ム被覆錫合金めっき鋼板。 - 【請求項5】 前記高融点ポリエチレン層は、さらに、
融点が115〜120℃である第1ポリエチレン層と、融点が
120℃超えである第2ポリエチレン層の2層のフィルム
積層体によって構成され、かつ、前記第1ポリエチレン
層が、前記低融点ポリエチレン層に面する配置になるこ
とを特徴とする請求項4記載のポリエチレンフィルム被
覆錫合金めっき鋼板。
Priority Applications (1)
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