JP2003174353A - 水晶振動子 - Google Patents

水晶振動子

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JP2003174353A
JP2003174353A JP2001374687A JP2001374687A JP2003174353A JP 2003174353 A JP2003174353 A JP 2003174353A JP 2001374687 A JP2001374687 A JP 2001374687A JP 2001374687 A JP2001374687 A JP 2001374687A JP 2003174353 A JP2003174353 A JP 2003174353A
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crystal piece
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Kazuhiro Mimura
和弘 三村
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Tokyo Denpa Co Ltd
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Tokyo Denpa Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水晶振動子の性能を改善あるいは維持したう
えで更なる小型化を図ること。 【解決手段】 水晶片1の長手方向の縁部だけでなく、
水晶片の短手方向の縁部にも、その厚さを漸減するよう
な漸減部3を形成し、水晶片1の幅方向(短手方向)の
見かけ上の長さを長くすることで、水晶片1の長辺端部
における振動を無いものとする。これにより、水晶片1
の長辺端部において発生する振動エネルギーの損失を抑
制し、水晶振動子の直列抵抗値R1を小さくして水晶振
動子のさらなる小型化を図るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器のプ
リント基板に実装される水晶振動子に関わり、特に表面
実装型の水晶振動子に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化に伴い、使用さ
れる水晶振動子もリード端子型のものから表面実装型
(SMD;Surface Mount Device)に変わり、更なる小
型化が要求されている。表面実装型水晶振動子の小型化
を効率よく行うには、一般的に、その多くは長方形(矩
形)の表面実装型水晶振動子とされる。
【0003】従来の表面実装型水晶振動子(以下、単に
「水晶振動子」と表記する)は、通常、容器本体と蓋か
らなる長方形(矩形状)の気密容器の内部に水晶片を収
容して構成される。この場合、容器内に収容される水晶
片も矩形のものが用いられる。また、水晶片の表裏に
は、励振用電極が設けられており、この励振用電極が導
電性接着剤により容器内に設けられている引出電極に接
続するようにしている。
【0004】上記のような水晶振動子の電気的等価回路
は図6のように示される。ここで、Coは並列容量、L
1は直列インダクタンス、C1は直列容量、R1は直列
抵抗と称され、図示するように、水晶振動子Xtalの
等価回路は、直列インダクタンスL1、直列容量C1、
直列抵抗R1の直列接続回路に対して並列に並列容量C
oを接続した回路によって示されることになる。水晶振
動子Xtalを用いて水晶発振器を構成する際には、直
列抵抗R1の値が重要になる。
【0005】以下、水晶振動子を用いて構成される水晶
発振器を構成した際の直列抵抗R1の重要性について説
明する。図7は水晶振動子Xtalを用いて構成される
発振回路の構成を示した図である。また図8は図7に示
した発振回路の発振周波数近傍における等価回路を示し
た図である。図7に示す発振回路は同調回路を含まな
い、いわゆるコルピッツ形無調整水晶発振回路の構成が
示されている。なお、ここでは、発振回路の動作を説明
するのが主目的ではないので、発振回路の動作説明は省
略し、図8に示す等価回路を参照ながら水晶振動子の直
列抵抗R1の重要性について説明する。
【0006】図8において、Le及びRe(≒R1)は
それぞれ水晶振動子Xtalの実効インダクタンス及び
実効抵抗を表し、Ci及びRiは回路側の等価入力容量
及び等価入力抵抗を表している。ここで、等価入力抵抗
Riは、水晶振動子Xtalから見て負性抵抗となり、
この負性抵抗Riが、水晶振動子Xtalの実効抵抗R
eを打ち消すことになる。この結果、上記図7に示した
水晶発振回路は、水晶振動子Xtalの実効インダクタ
ンスLeと、回路側の等価入力容量Ciによって決定さ
れる以下の周波数fで発振する。
【数1】
【0007】従って、図8の等価回路により示される水
晶発振回路は、Re≦|Ri|、つまり、水晶振動子Xt
alの実効抵抗Reが回路側の負性抵抗Riより小さい
か、もしくは等しい場合には発振を継続するが、Re>
|Ri|、つまり、水晶振動子Xtalの実効抵抗Reが
回路側の負性抵抗Riより大きくなる場合は発振を停止
する、もしくは発振を開始しないことになる。即ち、水
晶振動子Xtalの実効抵抗Re(≒直列抵抗R1)の
大小は、水晶振動子の発振を開始させ、且つ、安定な発
振を持続させるうえで大変重要とされる。
【0008】ここで、電気的に考えた水晶振動子Xta
lの実効抵抗Re(≒R1)は、電気的な損失を示すも
のであるが、機械的に考えると水晶振動子Xtalの振
動エネルギー損失と考えることができる。従って、水晶
振動子は、この振動エネルギーの損失が小さければ、小
さいほど発振の余裕度が大きく安定した発振を持続する
ことになる。
【0009】図9は、従来の水晶振動子における水晶片
と励振用電極との構造、及び水晶片の振動分布を示した
図である。この図9(a)は、水晶振動子の内部の上面
図である。また同図(b)及び同図(c)は、同図
(a)に示す各々矢示B−B及びC−Cから見た断面図
であり、同図(b−1)及び(c−1)は水晶片の対応
する方向の振動分布を示した図である。
【0010】先ず、水晶片42を単体として扱った場合
の振動について説明する。水晶振動子に用いる水晶片を
設計する際には、エネルギー閉じ込め理論に基づき、水
晶片42の励振用電極41の面積、厚さ、材質を選択す
ることにより、振動エネルギーの大部分を、励振用電極
41の下部に集中させるようにする。このように構成し
て、励振用電極41の端部から外側においては、振動エ
ネルギーを指数関数的に急激に減少させ、水晶片42の
端部が振動しないように設計する必要がある。
【0011】しかしながら、水晶振動子を小型化するに
は、水晶片42の寸法を小さくする必要があるため、励
振用電極41の端部から水晶片42の端部までの距離も
必然的に短くなる。この場合、水晶片42の振動エネル
ギーは、図9(b−1),(c−1)に実線43で示す
ごとく、水晶片42の端部に残る状態、即ち、水晶片4
2の端部が微小ではあるが振動している状態になってし
まう。
【0012】ここまでは、水晶片42を単体として扱っ
た場合の振動について述べたが、水晶片を用いて水晶振
動子を形成する場合は、水晶片42の端部が、図9
(a)に示されているように導電性接着剤45,45で
容器本体(図示しない)に固定されるため、この固定に
より振動がクランプされることになる。この結果、水晶
片42の振動エネルギーは、同図(b−1),(c−
1)に破線44で示すように減少する。これはつまり、
水晶片42では振動エネルギー損失が起こり、水晶振動
子の直列抵抗R1が増大することを意味している。
【0013】なお、図9(b−1),(c−1)を比較
した時に、図9(c−1)に示されているほうが振動エ
ネルギーの減少が少ないのは、励振用電極41によるエ
ネルギー閉じ込め効果が、励振用電極の長さ方向(長手
方向)よりも幅方向(短手方向)のほうが大きいことに
よるものとされる。
【0014】このように、水晶振動子を小型化する場合
は、水晶片42の端部における振動を極小レベルまで抑
制しないと、水晶片42の長手方向の端部における振動
エネルギーの損失によって水晶振動子の直列抵抗R1が
増大するという問題点があった。
【0015】そこで、上記したような問題点を解決する
ために、水晶片端部に、その厚さを漸減するような加工
を施した水晶振動子が知られている。図10は、そのよ
うな水晶振動子の水晶片と励振用電極との構造、及びそ
の振動分布を示した図である。図10(a)は水晶振動
子の内部を上面から見た上面図である。また同図(b)
及び同図(c)は、同図(a)に示す各々矢示B−B及
びC−Cから見た断面図であり、同図(b−1)及び
(c−1)は対応する振動分布を示した図である。な
お、図9と同一部位に同一番号を付し説明を省略する。
【0016】図10(a)において、52は矩形状の水
晶片42の平面部を示し、53は水晶片42の厚みを漸
減した漸減部を示している。この図10(a)に示す水
晶振動子においては、水晶片42の長手方向の縁部(以
下、「短辺縁部」という)に、その厚さを漸減するよう
な加工を施した漸減部53とすることで、水晶片42が
長手方向に、あたかも図10(a)に破線で示されてい
る部分54だけ長くなったような効果を与えるようにし
ている。これにより、水晶片42の短辺端部における振
動を極小にし、水晶片42を導電性接着剤45,45で
固定した時の振動エネルギーの損失を抑えて、水晶振動
子の直列抵抗R1が増大しないようにしている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水晶振
動子の更なる小型化を図るために、水晶片42の寸法を
より小さくした場合は、上記のように水晶片42の短辺
端部に漸減加工を施して漸減部53を設けたとしても、
水晶片42において振動エネルギーの損失が発生し、直
列抵抗R1が増大していくという問題点があった。
【0018】また、水晶片42の寸法を小さくする他の
手段としては。、励振用電極41の面積を小さくして、
励振用電極41から水晶片42の端部までの距離を長く
することが考えられるが、実際には励振用電極41の面
積を、ある面積以下まで小さくすると、直列抵抗R1が
増大し、水晶振動子の性能を劣化させるため、励振用電
極41の寸法の下限は制限されていた。
【0019】このように、水晶振動子のさらなる小型化
を図るために水晶片42の寸法を小さくするには、水晶
振動子の性能(特に直列抵抗R1の値)を悪化させるこ
となく、水晶片の端部と励振用電極の端部との距離をい
かに縮めるかが重要になる。
【0020】そこで、本発明はこのような点を鑑みてな
されたものであり、水晶振動子の直列抵抗値を改善ある
いは維持したうえで、更なる小型化を図ることができる
水晶振動子を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、水晶片と、この水晶片を気密容器に収容
して、水晶片の表裏に設けられている励振用電極を、気
密容器内の引出電極に接続することで構成される水晶振
動子において、水晶片は、平面形状が四角形状とされる
と共に、四角形状の四辺の各々に対応する縁部の厚さが
漸減するように形成された漸減部を有する。
【0022】本発明によれば、四辺の各々に対応する縁
部の厚さが漸減するように形成された漸減部を有する水
晶片によって水晶振動子を構成し、水晶片の長辺端部に
おいて発生する振動エネルギーの損失を抑えることで、
水晶振動子の直列抵抗を小さくすることが可能になる。
これにより水晶振動子のさらなる小型化が可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態にか
かる表面実装型水晶振動子の概略構造を示した図であ
る。この図1(a)は、本実施の形態にかかる表面実装
型水晶振動子の上面図が示され、同図(b)には、同図
(a)に示す一点破線部分を矢示A−A方向から見た断
面図が示されている。
【0024】この図1(a),(b)に示すように、本
実施の形態にかかる表面実装型水晶振動子(以下、単に
「水晶振動子」と表記する)は、容器本体10と蓋11
からなる長方形の気密容器の内部に水晶片1を収容して
構成される。この場合、容器本体10の内部に収容され
る水晶片1は、例えば、その平面形状が矩形状のものが
用いられ、その水晶片1の表裏には励振用電極2,2
が、金、銀、あるいは、アルミニウム等の金属を真空蒸
着またはスパッタリングすることにより形成されてい
る。この励振用電極2,2は、導電性接着剤4,4によ
り容器本体10内に設けられている引出電極12,12
に接続される。
【0025】なお、本実施の形態では、水晶片1の平面
形状を矩形状として説明するが、これはあくまでも一例
であって、水晶片1の平面形状は矩形以外の形状、例え
ば正方形のものを用いることももちろん可能である。
【0026】図2は、本実施の形態にかかる水晶振動子
における水晶片と励振用電極との構造、及び水晶片の振
動分布を示した図である。図2(a)は、水晶振動子の
内部の上面図である。また同図(b)及び同図(c)
は、同図(a)に示す各々矢示B−B及びC−Cから見
た水晶振動子の断面図であり、同図(b−1)及び(c
−1)は、水晶片の幅方向(短手方向)及び長さ方向
(長手方向)の振動分布を示している。
【0027】なお、本実施の形態にかかる水晶振動子に
用いられる水晶片1は、いわゆるATカットにより切り
出したものとされる。この場合の切り出し方位及び姿勢
は、図3に示されているように、XZ面をX軸周りに+
θ(約35度15分)回転させたXZ’面内で、長さ方
向をX軸に、幅方向をZ’軸方向とされる。
【0028】さて、このような本実施の形態にかかる水
晶振動子においては、図2(a)(c)に示されている
ように、水晶片1の四辺の各々に対応する縁部の表裏を
曲率Rで変化させて、水晶片1の四辺に対応する縁部
に、その厚さが水晶片の端面部に向かって徐々に薄くな
るように漸減した漸減部3を形成するようにした。つま
り、従来のように、水晶片1の短辺縁部に加えて、水晶
片の長手方向よりもエネルギー閉じ込め効果が大きく、
その厚さを漸減するような加工が不要とされていた水晶
片1の短手方向の縁部(以下、「長辺縁部」という)に
も漸減部3を設けるようにした点に特徴がある。
【0029】図2(b−1)には、長辺縁部に漸減部3
が設けられていない水晶片の振動分布が破線7で示さ
れ、長辺縁部に漸減部3を設けた場合の振動分布が実線
8で示されている。また、図2(c−1)には、水晶片
1の短辺縁部に漸減部3を設けない場合の振動分布が破
線5で示され、水晶片1の短辺縁部に漸減部3を設けた
場合の振動分布が実線6で示されている。これら図2
(b−1)(c−1)から分かるように、水晶片1の四
辺の各々に対応する縁部が漸減部3を有するように形成
した場合は、水晶片1の短手方向と長手方向の見かけ上
の長さが共に長くなるため、水晶片1の四辺端部で振動
が存在しないようにすることができる。従って、図2
(a)に示すように、水晶片1の端部を導電性接着剤
4,4により、上記図1に示した容器本体10の引出電
極12,12に固定した場合でも、振動エネルギーの損
失が発生しないことが分かった。つまり、水晶振動子の
直列抵抗R1が増大しないことが分かった。
【0030】これは、水晶片1の短手方向の端部(以
下、「長辺端部」という)は、水晶片1の長手方向の端
部(以下、「短辺端部」という)のように、接着剤等で
振動をクランプすることはないが、水晶片1の寸法を小
さくした時に、長辺端部に破線7で示すように振動が残
っていると、振動に対する境界条件の違いにより、水晶
片1の主たる振動モードである厚みすべり振動モードの
振動(波動)が、水晶片1の端面9,9で反射され、別
の振動モードに変換されてしまい、水晶片1の寸法を小
さくした場合には、水晶片1の長辺端部における厚みす
べり振動の振動エネルギーの損失が、水晶振動子の直列
抵抗R1を増大させていることによるものと考えられ
る。つまり、水晶片1の寸法をより小さくしていくと、
これまで問題が無いとされていた水晶片1の長辺端部に
おける振動エネルギーの損失が、水晶振動子の直列抵抗
R1を増大させていることによるものとされる。
【0031】なお、本実施の形態において、水晶片1に
楕円状の漸減部3を形成する場合を例に挙げて説明する
が、これはあくまでも一例であり、漸減部3の形状は楕
円状に限定されるものではない。例えば矩形状の漸減部
3を形成してもよい。ただし、漸減部3の形成の仕方に
もよるが、水晶片1に矩形状3の漸減部を形成するより
も、水晶片1に楕円状の漸減部3を形成したほうが効率
よく作製することができる。
【0032】また、漸減部3の曲率Rや水晶片1の端部
の厚みは、少なくとも水晶片1を用いて水晶振動子を形
成した時に、その直列抵抗R1の増大がないように設定
すればよいものである。また、水晶片1の縁部に形成す
る漸減部3の形状は、図2に示されているように曲率R
で外側に膨らんだ円弧状に限らず、曲率Rで外側に窪ん
だ円弧状、あるいは面取り状(直線状)のいずれの形状
でも良い。要は、水晶片1の端部に向かってその厚さが
薄くなるように漸減されていれば良いものである。
【0033】以下、本実施の形態のように水晶振動子を
構成した時の性能結果を図4及び図5を用いて説明す
る。なお、本実施の形態では、水晶振動子の性能を評価
する指標として、水晶振動子の直列抵抗R1及びQ値を
用いることとする。ここで、直列抵抗R1は、その値が
小さいほど水晶振動子の性能は良く、そのQ値は下式に
て求められるもので、その値が大きいほど性能がよいも
のとされる。 Q=1/(ω×C1×R1) ここで、ω=2×π×f f:直列共振周波数
【0034】図4には、上記図10に示したように水晶
片1の短辺縁部のみに漸減部3を形成した従来の水晶振
動子の性能結果が示されている。また図5には、本実施
の形態のように、水晶片1の四辺縁部に漸減部3を形成
した場合の性能結果が示されている。
【0035】なお、図4及び図5に示されている水晶振
動子の性能評価は、水晶片1の寸法がL=2mm、W=
1.4mm、t=0.128mm、その発振周波数が約
13MHzのものを使用した。また、そのような水晶片
1を使用した水晶振動子の形状及び寸法は各種考えられ
るが、ここでは、その寸法が3.2mm×2.5mm×
0.7mmのものを使用した。
【0036】図4に示すように、従来の水晶振動子で
は、直列抵抗R1の値、及びQ値の平均は、各々、25
7.99Ω及び2.22×104となっているのに対し
て、図5に示す本実施の形態にかかる水晶振動子では、
直列抵抗R1の平均値は82.82Ω、Q値の平均値は
8.48×104となっており、従来の水晶振動子と比
較すると、直列抵抗R1に関しては約1/3、Q値に関
しては約4倍と大幅な改善がなされたことが確認され
た。
【0037】従って、本実施の形態のように水晶振動子
を形成すれば、水晶振動子に使用する水晶片1を小型化
した場合においても、その直列抵抗R1を大幅に小さく
することが可能になる。水晶振動子の直列抵抗R1は、
前述したように、発振回路の負性抵抗Riより小さいこ
とが要求されることから、この要求を満足したうえで、
水晶発振器の量産時における故障率を、所定レベル以下
に抑えるためには、通常、水晶振動子の回路側の負性抵
抗Riと水晶振動子の直列抵抗R1の比が5倍以上であ
ればよいとされる。
【0038】例えばトランジスタ又はLSIを使用して
発振回路を構成した場合、600Ω程度以上の負性抵抗
を実現できるので、本実施の形態による水晶振動子を使
用すると、図5に示した性能結果から明らかなように、
水晶振動子の直列抵抗R1(90.99Ω)と発振回路
の負性抵抗(600Ω)との比を5倍以上確保すること
ができる。これにより、本実施の形態にかかる水晶振動
子を発振回路に使用すると、基本的に安定した周波数発
信源として利用でき、量産時においても高い信頼性を維
持できる超小型水晶発振器を実現できるという効果があ
る。
【0039】また、このように構成した超小型発振器を
使用すると、各種移動体通信機器、例えば携帯電話、P
DA(Personal Digital assistants)、GPS(Globa
l Positioning System)装置、ワイヤレスLAN(Loca
l Area Network)モジュール等を非常に薄く、小型化で
きるという効果があり、このような超小型情報機器は、
これからの社会で広く使用されるのでその経済効果も期
待できる。
【0040】なお、本実施の形態では表面実装型水晶振
動子を例に挙げて説明したが、リード端子型水晶振動子
に対しても本発明を適用することは可能である。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の水晶振動
子は、四辺の各々に対応する縁部の厚さが漸減するよう
に形成された漸減部を有する水晶片によって水晶振動子
を構成し、水晶片の長辺端部において発生する振動エネ
ルギーの損失を抑えることで、水晶振動子の直列抵抗を
小さくすることが可能になる。これにより、水晶振動子
の直列抵抗を改善あるいは維持したうえで、水晶振動子
のさらなる小型化を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としての表面実装型水晶振
動子の概略構造を説明するための図である。
【図2】本実施の形態にかかる水晶振動子における水晶
片と励振用電極の構造、及び振動分布を示した図であ
る。
【図3】本実施の形態にかかる水晶片の切り出し角度と
姿勢を示した図である。
【図4】従来の表面実装型水晶振動子の性能結果を示し
た図である。
【図5】本実施の形態にかかる表面実装型水晶振動子の
性能結果を示した図である。
【図6】水晶振動子の電気的等価回路を示した図であ
る。
【図7】水晶発振器の構成を示した図である。
【図8】図7に示した水晶発振器の簡易的な電気的等価
回路を示した図である。
【図9】従来の水晶振動子における水晶片と励振用電極
の構造、及び振動分布を示した図である。
【図10】従来の水晶振動子における水晶片と励振用電
極の構造、及び振動分布を示した図である。
【符号の説明】
1 水晶片、2 励振用電極、3 漸減部、4 導電性
接着剤、9 端面、10 容器本体、11 蓋、12
引出電極、

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水晶片と、該水晶片を気密容器に収容し
    て、上記水晶片の表裏に設けられている励振用電極を、
    上記気密容器内の引出電極に接続することで構成される
    水晶振動子において、 上記水晶片は、 平面形状が四角形状とされると共に、 上記四角形状の四辺の各々に対応する縁部の厚さが漸減
    するように形成された漸減部を有することを特徴とする
    水晶振動子。
  2. 【請求項2】 上記水晶片の平面形状は、長方形又は正
    方形とされることを特徴とする請求項1に記載の水晶振
    動子。
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