JP2003173164A - 発光装置の駆動方法 - Google Patents

発光装置の駆動方法

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JP2003173164A JP2002256640A JP2002256640A JP2003173164A JP 2003173164 A JP2003173164 A JP 2003173164A JP 2002256640 A JP2002256640 A JP 2002256640A JP 2002256640 A JP2002256640 A JP 2002256640A JP 2003173164 A JP2003173164 A JP 2003173164A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機発光層の劣化に伴うOLEDの輝度の変
化を抑えることができ、なおかつ輝度ムラのない発光装
置の駆動方法の提供を課題とする。 【解決手段】 供給される映像信号を常時または定期的
にサンプリングして各画素の発光素子の発光する期間ま
たは表示する階調を検出し、その検出値の累積から、最
も劣化が著しくて輝度が低下している画素を予測する。
そして該画素に供給される電圧を補正し、所望の輝度が
得られるようにする。他の画素においては過剰の電圧が
供給されることになるので、各画素毎に検出値の累積と
あらかじめ記憶してある発光素子の輝度特性の経時変化
のデータとを比較して、発光素子の劣化した画素を駆動
するための映像信号をその都度補正し、階調数を落と
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に形成され
た発光素子を、該基板とカバー材の間に封入した発光パ
ネルに関する。また、該発光パネルにコントローラを含
むIC等を実装した、発光モジュールに関する。なお本
明細書において、発光パネル及び発光モジュールを共に
発光装置と総称する。本発明はさらに、該発光装置を用
いた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】発光素子は自ら発光するため視認性が高
く、液晶表示装置(LCD)で必要なバックライトが要
らず薄型化に最適であると共に、視野角にも制限が無
い。そのため近年、発光素子を用いた発光装置は、CR
TやLCDに代わる表示装置として注目されている。
【0003】なお、本明細書において発光素子は、電流
または電圧によって輝度が制御される素子を意味してお
り、OLED(Organic Light Emitting Diode)や、F
ED(Field Emission Display)に用いられているMI
M型の電子源素子(電子放出素子)等を含んでいる。
【0004】OLEDは、電場を加えることで発生する
ルミネッセンス(Electroluminescence)が得られる有
機化合物(有機発光材料)を含む層(以下、有機発光層
と記す)と、陽極層と、陰極層とを有している。有機化
合物におけるルミネッセンスには、一重項励起状態から
基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から
基底状態に戻る際の発光(リン光)とがあるが、本発明
の発光装置は、上述した発光のうちの、いずれか一方の
発光を用いていても良いし、または両方の発光を用いて
いても良い。
【0005】なお、本明細書では、OLEDの陽極と陰
極の間に設けられた全ての層を有機発光層と定義する。
有機発光層には具体的に、発光層、正孔注入層、電子注
入層、正孔輸送層、電子輸送層等が含まれる。これらの
層の中に無機化合物を含んでいる場合もある。基本的に
OLEDは、陽極/発光層/陰極が順に積層された構造
を有しており、この構造に加えて、陽極/正孔注入層/
発光層/陰極や、陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送
層/陰極等の順に積層した構造を有していることもあ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、有機発光材
料の劣化に伴うOLEDの輝度の低下は、発光装置を実
用化する上で重大な問題となっている。
【0007】図18(A)に、発光素子の2つの電極間
に一定の電流を供給したときの発光素子の輝度の時間変
化を示す。図18(A)に示すように、一定の電流を流
していても、時間の経過と共に有機発光材料が劣化し、
発光素子の輝度は低くなる。
【0008】また、図18(B)に、発光素子の2つの
電極間に一定の電圧を印加したときの発光素子の輝度の
時間変化を示す。図18(B)に示すように、一定の電
圧を印加していても、時間の経過と共に発光素子の輝度
が低下している。これは、図18(A)に示したよう
に、有機発光材料の劣化により一定の電流に対する輝度
が低くなるためと、図18(C)に示すように、一定の
電圧を印加したときに発光素子に流れる電流が、時間と
共に小さくなるためと考えられる。
【0009】時間の経過にともなう発光素子の輝度の低
下は、発光素子に供給する電流を大きくしたり、または
印加する電圧を高くしたりすることで、補うことができ
る。しかし大抵の場合、表示する画像によって画素毎に
表示される階調が異なり、そのため各画素の発光素子の
劣化に差が出てしまい、輝度にばらつきが生じる。そし
て、電圧または電流を供給するための電源を各画素に対
応して設けるのは現実的ではないので、全ての画素また
は幾つかの画素毎に電圧または電流を供給するための共
通の電源を設けている。そのため、劣化に伴う発光素子
の輝度の低下を補うために、共通の電源から供給される
電圧または電流を単純に大きくすると、該電圧または電
流が供給された画素全てにおいて平均的に発光素子の輝
度が高くなるが、各画素毎の発光素子の輝度のばらつき
は解消されない。
【0010】また映像信号の周波数を分周することで表
示期間の累積を求め、該表示期間の累積を用いて各色の
階調を補正し、白バランスを調整する方法がある(例え
ば、特許文献1参照)。
【0011】
【特許文献1】特開平11−305722号公報(第3
−4頁)
【0012】しかし上記方法では、各画素毎の劣化のば
らつきに対応できない。
【0013】本発明は上述したことに鑑み、有機発光層
の劣化に伴うOLEDの輝度の変化を抑えることがで
き、なおかつ輝度ムラのない発光装置の提供を課題とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、本発明においては以下のような手段を講じた。
【0015】本発明の発光装置では、供給される映像信
号を常時または定期的にサンプリングして各画素の発光
素子の発光する期間(発光期間)または表示する階調を
検出し、その検出値の累積、言い換えるとその総和か
ら、最も劣化が著しくて輝度が低下している画素を予測
する。そして、該画素の検出値の累積と、あらかじめ記
憶してある発光素子の輝度特性の経時変化のデータとを
比較して、該画素に供給される電圧を補正し、所望の輝
度が得られるようにする。このとき、最も劣化が著しい
画素と共通の電源から電圧が供給されている他の画素に
おいては、過剰の電圧が供給されることになるので、最
も劣化の著しい画素に比べて輝度が高くなり、階調数が
高くなってしまうと考えられる。これらの画素において
は、各画素毎に検出値の累積と、あらかじめ記憶してあ
る発光素子の輝度特性の経時変化のデータとを比較し
て、発光素子の劣化した画素を駆動するための映像信号
をその都度補正し、階調数を落とす。
【0016】なお、本明細書において、映像信号とは画
像情報を有するデジタル信号を意味する。
【0017】上記構成によって、各画素における発光素
子の劣化の度合いが異なってしまっても、輝度ムラを生
ずることなく画面の輝度の均一性を保つことが出来、な
おかつ劣化による輝度の低下を抑えることができる。
【0018】なお、電源から供給される電圧の値を、最
も劣化が著しい画素を基準として補正する必要はなく、
最も劣化が小さい画素を基準として補正を行っても良
い。この場合、各画素の検出値の累積から、最も劣化が
小さくて輝度が高い画素を予測する。そして、該画素の
検出値の累積と、あらかじめ記憶してある発光素子の輝
度特性の経時変化のデータとを比較して、該画素に供給
される電圧を補正し、所望の輝度が得られるようにす
る。このとき、最も劣化が小さい画素と共通の電源から
電圧が供給されている他の画素においては、供給される
電圧がまだ不足していることになるので、最も劣化の小
さい画素に比べて輝度が低く、階調数が所望の値よりも
低いままであると考えられる。これらの画素において
は、各画素毎に検出値の累積と、あらかじめ記憶してあ
る発光素子の輝度特性の経時変化のデータとを比較し
て、発光素子の劣化した画素を駆動するための映像信号
をそのつど補正し、階調数を高くする。
【0019】なお、基準とする画素は、設計者が適宜設
定することができる。基準となる画素よりも劣化が進ん
でいる画素においては、階調数を高めるように映像信号
を補正し、劣化が進んでいない画素においては、階調数
を落とすように映像信号を補正すれば良い。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の発光装置の構成に
ついて説明する。図1は、本発明の発光装置のブロック
図であり、劣化補正装置100と、信号線駆動回路10
1と、走査線駆動回路102と、画素部103と、電圧
源104とを有している。なお、本実施例では劣化補正
装置100と電圧源104が、信号線駆動回路101
と、走査線駆動回路102と、画素部103とは異なる
基板に形成されているが、可能であれば同一基板に形成
しても良い。また、本実施の形態では電圧源104は劣
化補正装置100に含まれているが、本発明はこの構成
に限定されない。電圧源104を設ける位置について
は、画素の構成によって異なるが、必ず発光素子に印加
される電圧の高さを制御できるように接続することが肝
要である。
【0021】画素部103には、発光素子を有する画素
が複数備えられている。劣化補正装置100は、発光装
置に供給された映像信号をもとに、各画素の発光素子の
輝度が一定になるように、電圧源104から各画素の発
光素子に供給される電圧及び信号線駆動回路に供給され
る映像信号を補正する。走査線駆動回路102は、画素
部103に備えられた画素を順に選択し、信号線駆動回
路101は、入力された補正後の映像信号を基に、走査
線駆動回路102に選択された画素に電圧を供給する。
【0022】本発明の劣化補正装置100は、カウンタ
部105、記憶回路部106、補正部107からなる。
カウンタ部105はカウンタ113を有し、記憶回路部
106は揮発性メモリ108または不揮発性メモリ10
9を有し、補正部107は映像信号補正回路110、電
圧補正回路111及び補正データ格納回路112を有し
ている。
【0023】次に、劣化補正装置100の動作について
説明する。まず、発光装置に用いる発光素子について、
その輝度特性の経時変化のデータを、補正データ格納回
路112にあらかじめ記憶させておく。このデータは、
後に説明するが、主に各画素の発光素子の劣化の程度に
従って、電圧源104から画素に供給される電圧及び映
像信号の補正を行う際に用いる。
【0024】続いて、常時または定期的(例えば1秒
毎)に、発光装置に供給された映像信号をサンプリング
し、該映像信号が有する情報をもとに、各画素における
発光素子の発光期間または階調数をカウンタ113にお
いてカウントする。ここでカウントされた各画素におけ
る発光期間または階調数は、順次、記憶回路部106に
データとして記憶されていく。ここで、この発光期間ま
たは階調数は累積して記憶していく必要があるため、記
憶回路部106は不揮発性メモリを用いて構成するのが
望ましいが、不揮発性メモリは一般的にその書き込みの
回数が限られているため、図1に示すように、発光装置
の動作中は揮発性メモリ108を用いて記憶を行い、一
定時間毎に(例えば1時間毎、あるいは電源のシャット
ダウン時など)不揮発性メモリ109に書き込むように
しても良い。
【0025】また、揮発性メモリとしては、スタティッ
ク型メモリ(SRAM)、ダイナミック型メモリ(DR
AM)、強誘電体メモリ(FRAM)等が挙げられる
が、本発明はこれらを限定することはなく、いずれの型
式のメモリを用いて構成しても良い。同様に、不揮発性
メモリに関しても、フラッシュメモリを始めとする、一
般に用いられているものを用いて構成すれば良い。ただ
し、揮発性メモリにDRAMを用いる場合には、定期的
なリフレッシュ機能を付加する必要がある。
【0026】揮発性メモリ108または不揮発性メモリ
109に記憶された発光期間または階調数の累積したデ
ータは、映像信号補正回路110及び電圧補正回路11
1に入力される。
【0027】電圧補正回路111では、あらかじめ補正
データ格納回路112に記憶された輝度特性の経時変化
のデータと、記憶回路部106に記憶された各画素の発
光期間または階調数の累積したデータとを比較し、各画
素の劣化の程度を把握する。そして劣化が一番著しい特
定の画素を検出し、該特定の画素の劣化の度合いに合わ
せて、電圧源104から画素部103に供給される電圧
の値を補正する。具体的には、該特定の画素において所
望の階調を表示することができるように、電圧の値を高
くする。
【0028】該特定の画素に合わせて、画素部103に
供給される電圧の値が補正されるので、該特定の画素よ
り劣化が進んでいないその他の画素においては、発光素
子に過剰の電圧が供給されることになり、所望の階調が
得られない。そこで、映像信号補正回路110によっ
て、その他の画素の階調を決定する映像信号を補正す
る。映像信号補正回路110には、発光期間または階調
数の累積したデータの他に、映像信号が入力されてい
る。映像信号補正回路110では、あらかじめ補正デー
タ格納回路112に記憶された輝度特性の経時変化のデ
ータと、各画素の発光期間または階調数の累積したデー
タとを比較し、各画素の劣化の程度を把握する。そして
劣化が一番著しい特定の画素を検出し、該特定の画素の
劣化の度合いに合わせて、入力された映像信号の補正を
行う。具体的には、所望の階調数が得られるように映像
信号の補正を行う。補正された映像信号は、信号線駆動
回路101に入力される。
【0029】なお、特定の画素は、劣化が最も著しい画
素でなくとも良く、劣化が最も進んでいない画素、また
は設計者が定めた任意の画素であっても良い。いずれの
画素を選ぶにしろ、該画素を基準として電圧源104か
ら画素部103に供給される電圧の値を定め、該画素よ
りも劣化が進んでいる画素においては階調数を高めるよ
うに映像信号を補正し、劣化が進んでいない画素におい
ては階調数を落とすように映像信号を補正する。
【0030】図2に本発明の発光装置が有する画素の一
例を示す。図2の画素は、信号線121、走査線12
2、電源線124、トランジスタTr1、Tr2、保持
容量129、発光素子130とを有している。
【0031】トランジスタTr1のゲートは、走査線1
22に接続され、ソースとドレインは、一方は信号線1
21に接続され、もう一方はトランジスタTr2のゲー
トに接続されている。Tr2のソースとドレインは、一
方は電源線124に、もう一方は発光素子130の画素
電極に接続されている。保持容量129は、トランジス
タTr2のゲートとソースとの間に接続され、トランジ
スタTr2のゲートとソースの間の電圧を保持する。電
源線124および発光素子130の陰極には、それぞれ
所定の電位が入力され、互いに電位差を有する。
【0032】電源線124には、電圧源104から所定
の電圧が与えられている。
【0033】走査線122は、走査線駆動回路102か
ら与えられる電圧により選択され、よってTr1がオン
になる。なお、画素部103には複数の画素が備えられ
ており、走査線122も複数備えられている。複数の走
査線122は順に選択され、なおかつ互いに選択される
期間が重ならない。
【0034】Tr1がオンになると、信号線駆動回路1
01によって信号線121に供給された映像信号の電圧
が、Tr2のゲートに与えられる。ゲート電圧VGSは、
保持容量129において保持される。
【0035】走査線122が選択されているとき、電源
線124に印加する電圧の値の定め方は、2通りある。
1つは、該電圧が発光素子130の画素電極に与えられ
たときに発光素子130が発光しない程度の高さ、もう
1つは該電圧が画素電極に与えられたときに発光素子1
30が発光する程度の高さである。前者の場合、走査線
122が選択されているときに発光素子は発光せず、後
者の場合、走査線122が選択されているときに発光素
子は発光する。電圧のかけ方はいずれの方法を用いても
良いが、本実施の形態では前者の場合を例に挙げて説明
する。
【0036】走査線の選択が終了すると、電源線124
の電圧は、発光素子130の画素電極に与えられたとき
に発光素子130が発光する程度の高さに保たれる。こ
のとき、入力された映像信号の電圧と、電源線124の
電圧にしたがってTr2のドレイン電流が定まり、発光
素子130は該ドレイン電流が供給されて発光する。
【0037】なお後者の場合、電源線124に与えられ
る電圧は、画素電極に与えられたときに常に発光素子1
30が発光する程度の高さに保たれる。
【0038】本発明の発光装置では、電圧源104から
電源線124に供給される電圧の高さを、電圧補正回路
111において補正している。なお、映像信号がデジタ
ルの場合、画素に入力される映像信号の電圧は2値のみ
なので、画素の階調を制御するためには、発光素子13
0の発光する期間の長さを変えるように映像信号補正回
路110において映像信号を補正する。映像信号がアナ
ログの場合は、Tr2のドレイン電流の大きさが変わる
ように映像信号補正回路110において映像信号を補正
し、画素の階調を制御する。
【0039】図3(A)に本発明の発光装置が有する発
光素子における、輝度の時間変化を示す。上記補正によ
って、発光素子の輝度は一定に保たれる。図3(B)に
本発明の発光装置が有する発光素子における、発光素子
に印加される電圧の時間変化を示す。劣化に伴う輝度の
低下を補うため、発光素子に印加される電圧は増加して
いる。
【0040】なお、図3では発光素子の輝度が常に一定
になるように補正を行っているが、例えば一定期間毎に
補正を行った場合は、発光素子の輝度がある程度低下し
たところで補正が行われるため、常に輝度が一定になる
とは限らない。
【0041】なお、発光素子の劣化がより進むと、発光
素子に印加される電圧は際限なく大きくなる。発光素子
に印加される電圧が大きくなりすぎると、発光素子の劣
化が早くなり、光らない部分(ダークスポット)の発生
を促進してしまう。そこで、本発明においては図4に示
すように、発光素子に印加される電圧が、初期値に対し
てある一定の値(α%)だけ増加したら、補正による電
圧の増加を停止し、電圧源から発光素子に供給される電
圧を一定に保つようにしても良い。
【0042】なお、本発明の発光装置の画素は、図2に
示した構成に限定されない。本発明の画素は、発光素子
に印加される電圧を電圧源によって制御することが可能
であれば良い。
【0043】なお、本発明の発光装置では、電源遮断時
に、揮発性メモリ108に記憶されている各画素の発光
素子の発光期間または階調数の累積したデータを、不揮
発性メモリ109に記憶されている発光期間または階調
数の累積したデータに加算して記憶しておいても良い。
これにより、次回の電源投入後、継続して発光素子の発
光期間または階調数の累積したデータの収集が行われ
る。
【0044】以上のようにして、常時または定期的に発
光素子の発光期間または階調数の検出を行い、発光期間
または階調数の累積したデータを記憶しておくことで、
あらかじめ記憶してある発光素子の輝度特性の経時変化
のデータとを比較して、映像信号をそのつど補正し、劣
化した発光素子には、劣化していないものと同等の輝度
が達成できるように映像信号に補正を加えることが出来
る。よって、輝度ムラを生ずることなく、画面の均一性
を保つことが出来る。
【0045】なお、本実施の形態では発光素子の発光期
間または階調数を検出しているが、ある時点における発
光素子の発光の有無のみを検出するようにしても良い。
そして、発光の有無の検出回数を増やしていき、全検出
回数に占める発光素子が発光していた回数の割合から、
発光素子の劣化の度合いを推し量ることが可能である。
【0046】なお、図1では補正後の映像信号をそのま
ま信号線駆動回路に入力しているが、信号線駆動回路が
アナログの映像信号に対応している場合、D/A変換回
路を設けてデジタルの映像信号をアナログに変換してか
ら入力するようにしても良い。
【0047】以上は、発光素子としてOLEDを用いた
ものを例に挙げて説明したが、本発明の発光装置はOL
EDに限らず、PDP、FEDなど他の発光素子を用い
ていても良い。
【実施例】以下に本発明の実施例について記述する。
【0048】(実施例1)本実施例では、本発明の発光
装置の補正部における、映像信号の補正方法について説
明する。
【0049】劣化した発光素子の輝度を信号レベルで補
完する方法の1つとして、入力される映像信号にある補
正値を加算し、実質的に数階調上の信号に変換すること
によって、劣化前と同等の輝度を得る方法が挙げられ
る。これを回路設計で最も簡単に実現するには、上乗せ
用の階調を処理出来るだけの回路をあらかじめ用意して
おけばよい。
【0050】具体的には、例えば本発明の劣化補正機能
を有する6ビットデジタル階調(64階調)仕様の発光
装置の場合、補正を行うための上乗せ用として1ビット
分の処理能力を追加し、実質7ビットデジタル階調(1
28階調)として設計、作成し、通常の動作において
は、下位6ビットを使用して動作させる。そして、発光
素子に劣化が生じた場合には、通常の映像信号に補正値
を加算し、その加算分の信号処理は、前述の上乗せ用1
ビットを用いて行う。この場合、MSB(Most Signifi
cant Bit:最上位ビット)は信号補正用としてのみ用い
られ、実際の表示階調は6ビットである。
【0051】(実施例2)本実施例においては、実施例
1とは異なった映像信号の補正方法について説明する。
【0052】図5(A)は、図1の画素部103の拡大
図を示している。ここで、画素201〜203の3画素
について考える。画素201は、3つの画素のうち最も
劣化が進んでいない画素であり、画素202は画素20
1よりも劣化が進んでおり、画素203は最も劣化が進
んでいると仮定する。
【0053】このとき、劣化が進んでいる画素ほど、輝
度の低下も大きい。よって、輝度の補正を行わないと、
ある中間調を表示したときに、図5(B)に示すように
輝度ムラが生ずる。画素201の輝度に対し、画素20
2の輝度は低くなり、さらに画素203の輝度は低くな
る。
【0054】次に、実際の補正動作について説明する。
発光素子の発光期間または階調数の累積したデータと、
劣化に伴う輝度低下との関係をあらかじめ測定してお
く。なお、発光期間または階調数の累積したデータと、
劣化に伴う発光素子の輝度低下は、必ずしも単調である
とは限らない。発光期間または階調数の累積したデータ
に対する発光素子の劣化の度合いを、予め補正データ格
納回路112に記憶しておく。
【0055】電圧補正回路111は、補正データ格納回
路112に記憶されたデータに基づき、電圧源104か
ら供給される電圧の補正量を決める。電圧の補正量は、
基準となる画素における発光期間または階調数の累積し
たデータをもとに定める。例えば最も劣化が進んでいる
画素203を基準とすると、画素203は所望の階調が
得られるが、画素201、202においては過剰の電圧
が供給されることになるので、映像信号の補正が必要と
なる。よって、映像信号補正回路110では、劣化が一
番著しい特定の画素の劣化の度合いに合わせて、所望の
階調数が得られるように入力された映像信号の補正を行
う。具体的には、基準となる画素とその他の画素とで、
発光期間または階調数の累積したデータを比較し、その
階調数の差を算出し、階調数の差を補うように映像信号
を補正する。
【0056】図1において、映像信号補正回路110に
は、映像信号の入力と、記憶回路部106に記憶されて
いる各画素の発光期間または階調数の累積したデータの
読み出しが行われる。読み込まれた各画素の発光期間ま
たは階調数の累積したデータと、補正データ格納回路1
12に記憶された発光期間または階調数の累積したデー
タに対する発光素子の劣化の度合いとを照らし合わせ、
各々の映像信号の補正値を決定する。
【0057】例えば画素203を基準として補正を行う
場合、画素201、202は画素203と劣化の度合い
が異なるため、映像信号による階調数の補正が必要とな
る。画素201は、その発光期間または階調数の累積し
たデータから、画素202に比べて画素203との劣化
の進み具合の差が大きいと予測されるため、画素202
よりも大幅な階調数の補正がなされる。
【0058】図5(C)に、基準となる画素との、発光
期間または階調数の累積したデータの差と、映像信号に
よって補正される階調数の関係を示す。なお、発光期間
または階調数の累積したデータと、劣化に伴う発光素子
の輝度低下は必ずしも単調であるとは限らなので、映像
信号の補正により加算される階調数も、発光期間または
階調数の累積したデータに対して必ずしも単調であると
は限らない。以上のように、加算処理による補正によっ
て、均一な輝度の画面を得ることが出来る。
【0059】本発明の発光装置において、映像信号の各
ビットに対応する発光素子の発光する期間(Ts)の長
さと階調の関係を、図17を用いて説明する。図17で
は映像信号が3ビットの場合を例に挙げ、0〜7までの
8階調を表示する場合の、1フレーム期間に出現する発
光期間の長さを示す。
【0060】3ビットの映像信号の各ビットは、3つの
発光期間Ts1〜Ts3にそれぞれ対応している。Ts
1:Ts2:Ts3=22:2:1で表される。なお本
実施例では映像信号が3ビットの場合について説明して
いるが、ビット数はこれに限定されない。例えばnビッ
トの映像信号を用いる場合、発光期間の長さの比は、T
s1:Ts2:…:Tsn−1:Tsn=2n-1
n-2:…:2:1で表される。
【0061】1フレーム期間に出現する、発光している
発光期間の長さの総和によって、階調数が決まる。例え
ば全ての発光期間において発光素子が発光している場合
は、階調数が7になる。全ての発光期間において発光素
子が発光していない場合は、階調数が0になる。
【0062】そして、例えば画素201、202、20
3に階調数3を表示させようとして電圧を補正した結
果、画素203においては階調数3が得られたが、画素
201においては階調数5、画素202においては階調
数4が表示されてしまうと仮定する。この場合、画素2
01においては階調数が2つ高くなっており、画素20
2においては階調数が1つ高くなっていることになる。
【0063】よって、映像信号補正回路によって映像信
号を補正し、画素201においては所望の階調数3より
も2つ低い階調数1の補正済みの映像信号を入力し、T
s3のみ発光素子が発光するようにする。また、映像信
号補正回路によって映像信号を補正し、画素202にお
いては所望の階調数3よりも1つ低い階調数2の補正済
みの映像信号を入力し、Ts2のみ発光素子が発光する
ようにする。
【0064】なお、本実施例では、最も劣化の著しい画
素を基準として補正を行った例について示したが、本発
明はこの構成に限定されない。基準とする画素は設計者
が適宜設定することができ、該基準となる画素と階調数
が一致するように、映像信号を適宜補正するようにすれ
ば良い。
【0065】最も劣化の小さい画素を基準とする場合、
映像信号は加算処理によって補正されており、白表示に
おける補正が利かない(具体的には、例えば6ビット映
像信号として、"111111"が入力された場合、これ
以上の加算が出来ない)という欠点がある。また、最も
劣化が著しい画素を基準とする場合、映像信号は減算処
理によって補正されており、加算処理による補正とは逆
に、補正の利かない範囲が黒表示の範囲であるため、ほ
とんど影響がない(具体的には、例えば6ビット映像信
号として、"000000"が入力された場合、これ以上
の減算を行う必要なく、通常の発光素子と劣化した発光
素子との間で正確な黒表示(単に発光素子を非点灯状態
としておけばよい)が可能である。また、黒近辺の数階
調も、表示装置の対応ビット数がある程度高ければほと
んど問題とならない)という特徴がある。両者とも、多
階調化に有利な方法である。
【0066】また例えば、ある階調を境界として、加算
処理と減算処理の両方の補正方法を併用することで、双
方のデメリットを補うことも有効な手段といえる。
【0067】(実施例3)本実施例では、本発明の発光
装置が有する信号線駆動回路及び走査線駆動回路の構成
について説明する。
【0068】図6に本実施例の発光装置の駆動回路のブ
ロック図を示す。図6(A)は信号線駆動回路601で
あり、シフトレジスタ602、ラッチA603、ラッチ
B604を有している。
【0069】図6(B)に図6(A)に示した信号線駆
動回路のより詳しい構成を示す。
【0070】信号線駆動回路601において、シフトレ
ジスタ602にクロック信号(CLK)およびスタート
パルス(SP)が入力される。シフトレジスタ602
は、これらのクロック信号(CLK)およびスタートパ
ルス(SP)に基づきタイミング信号を順に発生させ、
バッファ等(図示せず)を通して後段の回路へタイミン
グ信号を順次入力する。
【0071】シフトレジスタ602からのタイミング信
号は、バッファ等によって緩衝増幅される。タイミング
信号が入力される配線には、多くの回路あるいは素子が
接続されているために負荷容量(寄生容量)が大きい。
この負荷容量が大きいために生ずるタイミング信号の立
ち上がりまたは立ち下がりの”鈍り”を防ぐために、こ
のバッファが設けられる。なおバッファは必ずしも設け
る必要はない。
【0072】バッファによって緩衝増幅されたタイミン
グ信号は、ラッチA603に入力される。ラッチA60
3は、劣化補正装置610において補正された補正後映
像信号を処理する複数のステージのラッチを有してい
る。ラッチA603は、前記タイミング信号が入力され
ると、劣化補正装置610から入力される補正後映像信
号を順次取り込み、保持する。
【0073】なお、ラッチA603に映像信号を取り込
む際に、ラッチA603が有する複数のステージのラッ
チに、順に映像信号を入力しても良い。しかし本発明は
この構成に限定されない。ラッチA603が有する複数
のステージのラッチをいくつかのグループに分け、各グ
ループごとに並行して同時に映像信号を入力する、いわ
ゆる分割駆動を行っても良い。なおこのときの1つのグ
ループに含まれるステージの数を分割数と呼ぶ。例えば
4つのステージごとにラッチをグループに分けた場合、
4分割で分割駆動すると言う。
【0074】ラッチA603の全てのステージのラッチ
に映像信号の書き込みが一通り終了するまでの時間を、
ライン期間と呼ぶ。実際には、上記ライン期間に水平帰
線期間が加えられた期間をライン期間に含むことがあ
る。
【0075】1ライン期間が終了すると、ラッチB60
4にラッチシグナル(Latch Signal)が入力される。こ
の瞬間、ラッチA603に書き込まれ保持されている映
像信号は、ラッチB604に一斉に送出され、ラッチB
604の全ステージのラッチに書き込まれ、保持され
る。
【0076】映像信号をラッチB604に送出し終えた
ラッチA603には、シフトレジスタ602からのタイ
ミング信号に基づき、映像信号の書き込みが順次行われ
る。この2順目の1ライン期間中には、ラッチB603
に書き込まれ、保持されている映像信号が信号線に入力
される。
【0077】なお、シフトレジスタの代わりにデコーダ
回路等の別の回路を用いて、ラッチ回路に順に映像信号
を書きこむようにしても良い。
【0078】図7は走査線駆動回路の構成を示すブロッ
ク図である。走査線駆動回路605は、それぞれシフト
レジスタ606、バッファ607を有している。また場
合によってはレベルシフタを有していても良い。
【0079】走査線駆動回路605において、シフトレ
ジスタ606からのタイミング信号がバッファ607に
入力され、対応する走査線に入力される。走査線には、
1ライン分の画素の、スイッチング素子として機能する
TFTのゲートが接続されている。そして、1ライン分
の画素のTFTを一斉にONにしなくてはならないの
で、バッファは大きな電流を流すことが可能なものが用
いられる。
【0080】なお、シフトレジスタの代わりにデコーダ
回路等の別の回路を用いて、ゲート信号を選択し、タイ
ミング信号を供給するようにしても良い。
【0081】本発明において用いられる駆動回路は、本
実施例で示した構成に限定されない。本実施例の構成
は、実施例1または2と自由に組み合わせて実施するこ
とが可能である。
【0082】(実施例4)実施の形態で示した本発明の
発光装置は、劣化補正装置が画素部の形成されている基
板とは異なる基板に形成されていた。そして、発光装置
に供給された映像信号が、映像信号補正回路において補
正された後に、FPCを介して画素部と同じ基板に形成
された信号線駆動回路に入力されていた。このような方
法によるメリットとしては、劣化補正装置のユニット化
による互換性があり、一般的な発光パネルを、そのまま
用いることが出来るというのが挙げられる。本実施例で
は、劣化補正装置を画素部、信号線駆動回路及び走査線
駆動回路と同じ基板に形成し、部品点数の大幅削減によ
る低コスト化、省スペース化、高速駆動を実現する例に
ついて説明する。
【0083】劣化補正装置を画素部、信号線駆動回路及
び走査線駆動回路と同一の基板に一体形成した、本発明
の発光装置の構成を、図8に示す。基板401上に、信
号線駆動回路402、走査線駆動回路403、画素部4
04、電源線405、FPC406及び劣化補正装置4
07が一体形成されている。無論、基板上のレイアウト
は図の例に限定しないが、信号線等の配置、配線長等を
考慮しつつ、ブロックごとに近接するように配置するの
が望ましい。
【0084】映像信号は、外部の映像ソースからFPC
406を介して劣化補正装置407内の映像信号補正回
路に入力される。その後、補正が行われた補正済み映像
信号が信号線駆動回路402に入力される。
【0085】一方、劣化補正装置内の電圧補正回路にお
いて、電圧源から出力される電圧量が補正される。な
お、本実施例では、劣化補正装置が有する電圧源から出
力される電圧の高さを電圧補正回路において補正してい
るが、本実施例はこの構成に限定されない。発光素子に
印加される電圧の高さを制御する電圧源は、必ずしも劣
化補正装置内に設けられている必要はない。
【0086】図8に示した例では、FPC406と信号
線駆動回路402との間に劣化補正装置407を配置し
ており、制御信号の引き回しが容易となっている。
【0087】本実施例は、実施例1〜実施例3と組み合
わせて実施することが可能である。
【0088】(実施例5)本実施例では、本発明の発光
装置が有する画素の構成について、図9に示した回路図
を用いて説明する。
【0089】本実施例の画素800の回路図を図9に示
す。画素800は信号線Si(S1〜Sxのうちの1
つ)、電圧源に接続された電源線Vi(V1〜Vxのう
ちの1つ)、第1走査線Gaj(Ga1〜Gayのうち
の1つ)、第2走査線Gej(Ge1〜Geyのうちの
1つ)を有している。
【0090】また画素800は、トランジスタTr1、
Tr2、Tr3と、保持容量801と、発光素子802
とを有している。Tr1のゲートは、第1走査線Gaj
に接続されている。Tr1のソースとドレインは、一方
が信号線Siに、もう一方がTr2のゲートに接続され
ている。
【0091】トランジスタTr3のゲートは第2走査線
Gejに接続されている。Tr3のソースとドレイン
は、一方は電源線Viに、もう一方はTr2のゲートに
接続されている。
【0092】保持容量801が有する2つの電極は、一
方は電源線Viに、もう一方がTr2のゲートに接続さ
れている。保持容量801はTr1が非選択状態(オフ
状態)にある時、Tr2のゲート電圧を保持するために
設けられている。なお本実施例では保持容量801を設
ける構成を示したが、本発明はこの構成に限定されず、
保持容量801を設けなくても良い。
【0093】Tr2のソースとドレインは、一方は電源
線Viに、もう一方は発光素子802が有する画素電極
に接続されている。
【0094】発光素子802は陽極と陰極と、陽極と陰
極との間に設けられた有機発光層とからなる。陽極がT
r2のソースまたはドレインと接続している場合、陽極
が画素電極、陰極が対向電極となる。逆に陰極がTr2
のソースまたはドレインと接続している場合、陰極が画
素電極、陽極が対向電極となる。
【0095】電源線Viに与えられる電圧は、劣化補正
装置が有する電圧補正回路において補正される。また、
信号線Siに入力される映像信号は、劣化補正装置が有
する映像信号補正回路において補正される。
【0096】Tr1、Tr2、Tr3は、nチャネル型
TFTでもpチャネル型TFTでもどちらでも用いるこ
とができる。またTr1、Tr2、Tr3は、シングル
ゲート構造ではなく、ダブルゲート構造、やトリプルゲ
ート構造などのマルチゲート構造を有していても良い。
【0097】本実施例は、実施例1〜4と組み合わせて
実施することが可能である。
【0098】(実施例6)本実施例では、本発明の発光
装置の作製方法について説明する。なお、本実施例で
は、図2に示した画素の作製方法を例にとって説明する
が、本実施例の作製方法は、本発明の他の構成を有する
画素にも適用させることが可能である。また本実施例で
は、画素が有するトランジスタTr1、Tr2の断面図
を示す。また本実施例では、画素部の周辺に設けられる
駆動回路(信号線駆動回路、走査線駆動回路)が有する
TFTを、画素部のTFTと同一基板上に同時に形成す
る例を示す。
【0099】まず、図10(A)に示すように、コーニ
ング社の#7059ガラスや#1737ガラスなどに代
表されるバリウムホウケイ酸ガラス、またはアルミノホ
ウケイ酸ガラスなどのガラスから成る基板301上に酸
化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン
膜などの絶縁膜から成る下地膜302を形成する。例え
ば、プラズマCVD法でSiH4、NH3、N2Oから作
製される酸化窒化シリコン膜302aを10〜200n
m(好ましくは50〜100nm)形成し、同様にSi
4、N2Oから作製される酸化窒化水素化シリコン膜3
02bを50〜200nm(好ましくは100〜150
nm)の厚さに積層形成する。本実施例では下地膜30
2を2層構造として示したが、前記絶縁膜の単層膜また
は2層以上積層させた構造として形成しても良い。
【0100】島状半導体層303〜306は、非晶質構
造を有する半導体膜をレーザー結晶化法や公知の熱結晶
化法を用いて作製した結晶質半導体膜で形成する。この
島状半導体層303〜306の厚さは25〜80nm
(好ましくは30〜60nm)の厚さで形成する。結晶
質半導体膜の材料に限定はないが、好ましくはシリコン
またはシリコンゲルマニウム(SiGe)合金などで形
成すると良い。
【0101】レーザー結晶化法で結晶質半導体膜を作製
する場合は、パルス発振型または連続発光型のエキシマ
レーザーやYAGレーザー、YVO4レーザーを用い
る。これらのレーザーを用いる場合には、レーザー発振
器から放射されたレーザー光を光学系で線状に集光し、
半導体膜に照射する方法を用いると良い。結晶化の条件
は実施者が適宣選択するものであるが、エキシマレーザ
ーを用いる場合はパルス発振周波数300Hzとし、レー
ザーエネルギー密度を100〜400mJ/cm2(代表的に
は200〜300mJ/cm2)とする。また、YAGレーザ
ーを用いる場合にはその第2高調波を用いパルス発振周
波数30〜300kHzとし、レーザーエネルギー密度を
300〜600mJ/cm2(代表的には350〜500mJ/cm
2)とすると良い。そして幅100〜1000μm、例え
ば400μmで線状に集光したレーザー光を基板全面に
渡って照射し、この時の線状レーザー光の重ね合わせ率
(オーバーラップ率)を50〜90%として行う。
【0102】なおレーザーは、連続発振またはパルス発
振の気体レーザもしくは固体レーザを用いることができ
る。気体レーザーとして、エキシマレーザ、Arレー
ザ、Krレーザなどがあり、固体レーザとして、YAG
レーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レー
ザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライド
レーザ、Ti:サファイアレーザなどが挙げられる。固
体レーザーとしては、Cr、Nd、Er、Ho、Ce、
Co、Ti又はTmがドーピングされたYAG、YVO
4、YLF、YAlO3などの結晶を使ったレーザー等も
使用可能である。当該レーザーの基本波はドーピングす
る材料によって異なり、1μm前後の基本波を有するレ
ーザー光が得られる。基本波に対する高調波は、非線形
光学素子を用いることで得ることができる。
【0103】またさらに、固体レーザーから発せられら
た赤外レーザー光を非線形光学素子でグリーンレーザー
光に変換後、さらに別の非線形光学素子によって得られ
る紫外レーザー光を用いることもできる。
【0104】非晶質半導体膜の結晶化に際し、大粒径に
結晶を得るためには、連続発振が可能な固体レーザを用
い、基本波の第2高調波〜第4高調波を適用するのが好
ましい。代表的には、Nd:YVO4レーザー(基本波1
064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(3
55nm)を適用するのが望ましい。具体的には、出力
10Wの連続発振のYVO4レーザから射出されたレー
ザ光を非線形光学素子により高調波に変換する。また、
共振器の中にYVO4結晶と非線形光学素子を入れて、
高調波を射出する方法もある。そして、好ましくは光学
系により照射面にて矩形状または楕円形状のレーザ光に
成形して、被処理体に照射する。このときのエネルギー
密度は0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは
0.1〜10MW/cm2)が必要である。そして、1
0〜2000cm/s程度の速度でレーザ光に対して相
対的に半導体膜を移動させて照射する。
【0105】次いで、島状半導体層303〜306を覆
うゲート絶縁膜307を形成する。ゲート絶縁膜307
はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを4
0〜150nmとしてシリコンを含む絶縁膜で形成す
る。本実施例では、120nmの厚さで酸化窒化シリコ
ン膜で形成する。勿論、ゲート絶縁膜はこのような酸化
窒化シリコン膜に限定されるものでなく、他のシリコン
を含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良
い。例えば、酸化シリコン膜を用いる場合には、プラズ
マCVD法でTEOS(Tetraethyl Orthosilicate)と
2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜
400℃とし、高周波(13.56MHz)、電力密度
0.5〜0.8W/cm2で放電させて形成することが
出来る。このようにして作製される酸化シリコン膜は、
その後400〜500℃の熱アニールによりゲート絶縁
膜として良好な特性を得ることが出来る。
【0106】そして、ゲート絶縁膜307上にゲート電
極を形成するための第1の導電膜308と第2の導電膜
309とを形成する。本実施例では、第1の導電膜30
8をTaで50〜100nmの厚さに形成し、第2の導
電膜309をWで100〜300nmの厚さに形成す
る。
【0107】Ta膜はスパッタ法で、Taのターゲット
をArでスパッタすることにより形成する。この場合、
Arに適量のXeやKrを加えると、Ta膜の内部応力
を緩和して膜の剥離を防止することが出来る。また、α
相のTa膜の抵抗率は20μΩcm程度でありゲート電
極に使用することが出来るが、β相のTa膜の抵抗率は
180μΩcm程度でありゲート電極とするには不向き
である。α相のTa膜を形成するために、Taのα相に
近い結晶構造をもつ窒化タンタルを10〜50nm程度
の厚さでTaの下地に形成しておくとα相のTa膜を容
易に得ることが出来る。
【0108】W膜を形成する場合には、Wをターゲット
としたスパッタ法で形成する。その他に6フッ化タング
ステン(WF6)を用いる熱CVD法で形成することも
出来る。いずれにしてもゲート電極として使用するため
には低抵抗化を図る必要があり、W膜の抵抗率は20μ
Ωcm以下にすることが望ましい。W膜は結晶粒を大き
くすることで低抵抗率化を図ることが出来るが、W中に
酸素などの不純物元素が多い場合には結晶化が阻害され
高抵抗化する。このことより、スパッタ法による場合、
純度99.9999%または純度99.99 %のWタ
ーゲットを用い、さらに成膜時に気相中からの不純物の
混入がないように十分配慮してW膜を形成することによ
り、抵抗率9〜20μΩcmを実現することが出来る。
【0109】なお、本実施例では、第1の導電膜308
をTa、第2の導電膜309をWとしたが、特に限定さ
れず、いずれもTa、W、Ti、Mo、Al、Cuなど
から選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金
材料もしくは化合物材料で形成してもよい。また、リン
等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代
表される半導体膜を用いてもよい。本実施例以外の他の
組み合わせの一例で望ましいものとしては、第1の導電
膜308を窒化タンタル(TaN)で形成し、第2の導
電膜309をWとする組み合わせ、第1の導電膜308
を窒化タンタル(TaN)で形成し、第2の導電膜30
9をAlとする組み合わせ、第1の導電膜308を窒化
タンタル(TaN)で形成し、第2の導電膜309をC
uとする組み合わせが挙げられる。(図10(A))
【0110】次に、レジストによるマスク310を形成
し、電極及び配線を形成するための第1のエッチング処
理を行う。本実施例ではICP(Inductively Coupled
Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エ
ッチング用ガスにCF4とCl2を混合し、1Paの圧力
でコイル型の電極に500WのRF(13.56MH
z)電力を投入してプラズマを生成して行う。基板側
(試料ステージ)にも100WのRF(13.56MH
z)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印
加する。CF4とCl2を混合した場合にはW膜及びTa
膜とも同程度にエッチングされる。
【0111】上記エッチング条件では、レジストによる
マスクの形状を適したものとすることにより、基板側に
印加するバイアス電圧の効果により第1の導電層及び第
2の導電層の端部がテーパー形状となる。テーパー部の
角度は15〜45°となる。ゲート絶縁膜上に残渣を残
すことなくエッチングするためには、10〜20%程度
の割合でエッチング時間を増加させると良い。W膜に対
する酸化窒化シリコン膜の選択比は2〜4(代表的には
3)であるので、オーバーエッチング処理により、酸化
窒化シリコン膜が露出した面は20〜50nm程度エッ
チングされることになる。こうして、第1のエッチング
処理により第1の導電層と第2の導電層から成る第1の
形状の導電層311〜314(第1の導電層311a〜
314aと第2の導電層311b〜314b)を形成す
る。このとき、ゲート絶縁膜307においては、第1の
形状の導電層311〜314で覆われない領域は20〜
50nm程度エッチングされ薄くなった領域が形成され
る。また、マスク310も上記エッチングにより表面が
エッチングされた。
【0112】そして、第1のドーピング処理を行いn型
を付与する不純物元素を添加する。ドーピングの方法は
イオンドープ法もしくはイオン注入法で行えば良い。イ
オンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜5×10
14atoms/cm2とし、加速電圧を60〜100k
eVとして行う。n型を付与する不純物元素として15
族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(A
s)を用いるが、ここではリン(P)を用いる。この場
合、導電層311〜314がn型を付与する不純物元素
に対するマスクとなり、自己整合的に第1の不純物領域
317〜320が形成される。第1の不純物領域317
〜320には1×1020〜1×1021atoms/cm
3の濃度範囲でn型を付与する不純物元素を添加する。
(図10(B))
【0113】次に、図10(C)に示すように、レジス
トマスク310は除去しないまま、第2のエッチング処
理を行う。エッチングガスにCF4とCl2とO2とを用
い、W膜を選択的にエッチングする。この時、第2のエ
ッチング処理により第2の形状の導電層325〜328
(第1の導電層325a〜328aと第2の導電層32
5b〜328b)を形成する。このとき、ゲート絶縁膜
307においては、第2の形状の導電層325〜328
で覆われない領域はさらに20〜50nm程度エッチン
グされ薄くなった領域が形成される。
【0114】W膜やTa膜のCF4とCl2の混合ガスに
よるエッチング反応は、生成されるラジカルまたはイオ
ン種と反応生成物の蒸気圧から推測することが出来る。
WとTaのフッ化物と塩化物の蒸気圧を比較すると、W
のフッ化物であるWF6が極端に高く、その他のWC
5、TaF5、TaCl5は同程度である。従って、C
4とCl2の混合ガスではW膜及びTa膜共にエッチン
グされる。しかし、この混合ガスに適量のO2を添加す
るとCF4とO2が反応してCOとFになり、Fラジカル
またはFイオンが多量に発生する。その結果、フッ化物
の蒸気圧が高いW膜のエッチング速度が増大する。一
方、TaはFが増大しても相対的にエッチング速度の増
加は少ない。また、TaはWに比較して酸化されやすい
ので、O2を添加することでTaの表面が酸化される。
Taの酸化物はフッ素や塩素と反応しないためさらにT
a膜のエッチング速度は低下する。従って、W膜とTa
膜とのエッチング速度に差を作ることが可能となりW膜
のエッチング速度をTa膜よりも大きくすることが可能
となる。
【0115】そして、図11(A)に示すように第2の
ドーピング処理を行う。この場合、第1のドーピング処
理よりもドーズ量を下げて高い加速電圧の条件としてn
型を付与する不純物元素をドーピングする。例えば、加
速電圧を70〜120keVとし、1×1013atom
s/cm2のドーズ量で行い、図10(B)で島状半導
体層に形成された第1の不純物領域の内側に新たな不純
物領域を形成する。ドーピングは、第2の形状の導電層
325〜328を不純物元素に対するマスクとして用
い、第1の導電層325a〜328aの下側の領域にも
不純物元素が添加されるようにドーピングする。こうし
て、第3の不純物領域332〜335が形成される。こ
の第3の不純物領域332〜335に添加されたリン
(P)の濃度は、第1の導電層325a〜328aのテ
ーパー部の膜厚に従って緩やかな濃度勾配を有してい
る。なお、第1の導電層325a〜328aのテーパー
部と重なる半導体層において、第1の導電層325a〜
328aのテーパー部の端部から内側に向かって若干、
不純物濃度が低くなっているものの、ほぼ同程度の濃度
である。
【0116】図11(B)に示すように第3のエッチン
グ処理を行う。エッチングガスにCHF6を用い、反応
性イオンエッチング法(RIE法)を用いて行う。第3
のエッチング処理により、第1の導電層325a〜32
8aのテーパー部を部分的にエッチングして、第1の導
電層が半導体層と重なる領域が縮小される。第3のエッ
チング処理によって、第3の形状の導電層336〜33
9(第1の導電層336a〜339aと第2の導電層3
36b〜339b)を形成する。このとき、ゲート絶縁
膜307においては、第3の形状の導電層336〜33
9で覆われない領域はさらに20〜50nm程度エッチ
ングされ薄くなった領域が形成される。
【0117】第3のエッチング処理によって、第3の不
純物領域332〜335においては、第1の導電層33
6a〜339aと重なる第3の不純物領域332a〜3
35aと、第1の不純物領域と第3の不純物領域との間
の第2の不純物領域332b〜335bとが形成され
る。
【0118】そして、図11(C)に示すように、pチ
ャネル型TFTを形成する島状半導体層303、306
に第1の導電型とは逆の導電型の第4の不純物領域34
3〜348を形成する。第3の形状の導電層336b、
339bを不純物元素に対するマスクとして用い、自己
整合的に不純物領域を形成する。このとき、nチャネル
型TFTを形成する島状半導体層304、305は、レ
ジストマスク350で全面を被覆しておく。不純物領域
343〜348にはそれぞれ異なる濃度でリンが添加さ
れているが、ジボラン(B26)を用いたイオンドープ
法で形成し、そのいずれの領域においても不純物濃度が
2×1020〜2×1021atoms/cm3となるよう
にする。
【0119】以上までの工程でそれぞれの島状半導体層
に不純物領域が形成される。島状半導体層と重なる第3
の形状の導電層336〜339がゲート電極として機能
する。
【0120】レジストマスク350を除去した後、導電
型の制御を目的として、それぞれの島状半導体層に添加
された不純物元素を活性化する工程を行う。この工程は
ファーネスアニール炉を用いる熱アニール法で行う。そ
の他に、レーザーアニール法、またはラピッドサーマル
アニール法(RTA法)を適用することが出来る。熱ア
ニール法では酸素濃度が1ppm以下、好ましくは0.1p
pm以下の窒素雰囲気中で400〜700℃、代表的には
500〜600℃で行うものであり、本実施例では50
0℃で4時間の熱処理を行う。ただし、第3の形状の導
電層336〜339に用いた配線材料が熱に弱い場合に
は、配線等を保護するため層間絶縁膜(シリコンを主成
分とする)を形成した後で活性化を行うことが好まし
い。
【0121】レーザーアニール法を用いる場合、結晶化
の際に用いたレーザーを使用することが可能である。活
性化の場合は、移動速度は結晶化と同じにし、0.01
〜100MW/cm2程度(好ましくは0.01〜10
MW/cm2)のエネルギー密度が必要となる。
【0122】さらに、3〜100%の水素を含む雰囲気
中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行
い、島状半導体層を水素化する工程を行う。この工程は
熱的に励起された水素により半導体層のダングリングボ
ンドを終端する工程である。水素化の他の手段として、
プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用い
る)を行っても良い。
【0123】次いで、図12(A)に示すように、第1
の層間絶縁膜355を酸化窒化シリコン膜から100〜
200nmの厚さで形成する。その上に有機絶縁物材料
から成る第2の層間絶縁膜356を形成した後、第1の
層間絶縁膜355、第2の層間絶縁膜356、およびゲ
ート絶縁膜307に対してコンタクトホールを形成し、
接続配線357〜362をパターニング形成する。なお
362は電源線であり、360は信号線である。
【0124】第2の層間絶縁膜356としては、有機樹
脂を材料とする膜を用い、その有機樹脂としてはポリイ
ミド、ポリアミド、アクリル、BCB(ベンゾシクロブ
テン)等を使用することが出来る。特に、第2の層間絶
縁膜356は平坦化の意味合いが強いので、平坦性に優
れたアクリルが好ましい。本実施例ではTFTによって
形成される段差を十分に平坦化しうる膜厚でアクリル膜
を形成する。好ましくは1〜5μm(さらに好ましくは
2〜4μm)とすれば良い。
【0125】コンタクトホールの形成は、ドライエッチ
ングまたはウエットエッチングを用い、n型の不純物領
域318、319またはp型の不純物領域345、34
8に達するコンタクトホール、容量配線(図示せず)に
達するコンタクトホール(図示せず)をそれぞれ形成す
る。
【0126】また、接続配線357〜362として、T
i膜を100nm、Tiを含むアルミニウム膜を300
nm、Ti膜150nmをスパッタ法で連続形成した3
層構造の積層膜を所望の形状にパターニングしたものを
用いる。勿論、他の導電膜を用いても良い。
【0127】次に、接続配線(接続配線)362に接す
る画素電極365をパターニング形成する。
【0128】また、本実施例では、画素電極365とし
てITO膜を110nmの厚さに形成し、パターニング
を行った。画素電極365を接続配線362と接するよ
うに配置することでコンタクトを取っている。また、酸
化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合
した透明導電膜を用いても良い。この画素電極365が
OLEDの陽極となる。(図12(A))
【0129】次に、図12(B)に示すように、珪素を
含む絶縁膜(本実施例では酸化珪素膜)を500nmの
厚さに形成し、画素電極365に対応する位置に開口部
を形成して、バンクとして機能する第3の層間絶縁膜3
66を形成する。開口部を形成する際、ウエットエッチ
ング法を用いることで容易にテーパー形状の側壁とする
ことが出来る。開口部の側壁が十分になだらかでないと
段差に起因する有機発光層の劣化が顕著な問題となって
しまうため、注意が必要である。
【0130】次に、有機発光層367および陰極(Mg
Ag電極)368を、真空蒸着法を用いて大気解放しな
いで連続形成する。なお、有機発光層367の膜厚は8
0〜200nm(典型的には100〜120nm)、陰
極368の厚さは180〜300nm(典型的には20
0〜250nm)とすれば良い。
【0131】この工程では、赤色に対応する画素、緑色
に対応する画素および青色に対応する画素に対して順
次、有機発光層および陰極を形成する。但し、有機発光
層は溶液に対する耐性に乏しいためフォトリソグラフィ
技術を用いずに各色個別に形成しなくてはならない。そ
こでメタルマスクを用いて所望の画素以外を隠し、必要
箇所だけ選択的に有機発光層を形成するのが好ましい。
【0132】即ち、まず赤色に対応する画素以外を全て
隠すマスクをセットし、そのマスクを用いて赤色発光の
有機発光層を選択的に形成する。次いで、緑色に対応す
る画素以外を全て隠すマスクをセットし、そのマスクを
用いて緑色発光の有機発光層を選択的に形成する。次い
で、同様に青色に対応する画素以外を全て隠すマスクを
セットし、そのマスクを用いて青色発光の有機発光層を
選択的に形成する。なお、ここでは全て異なるマスクを
用いるように記載しているが、同じマスクを使いまわし
ても構わない。
【0133】ここではRGBに対応した3種類のOLE
Dを形成する方式を用いたが、白色発光のOLEDとカ
ラーフィルタを組み合わせた方式、青色または青緑発光
のOLEDと蛍光体(蛍光性の色変換層:CCM)とを
組み合わせた方式、陰極(対向電極)に透明電極を利用
してRGBに対応したOLEDを重ねる方式などを用い
ても良い。
【0134】なお、有機発光層367としては公知の材
料を用いることが出来る。公知の材料としては、駆動電
圧を考慮すると有機材料を用いるのが好ましい。例えば
正孔注入層、正孔輸送層、発光層および電子注入層でな
る4層構造を有機発光層とすれば良い。
【0135】次に陰極368を形成する。なお本実施例
では陰極368としてMgAgを用いたが、本発明はこ
れに限定されない。陰極368として他の公知の材料を
用いても良い。
【0136】なお図示しないが、陰極を薄膜化すること
によって、光を上方に取り出すことも可能である。
【0137】画素電極365と、有機発光層367と、
陰極368とが重なっている部分が、OLED375に
相当する。
【0138】また、次に保護電極369を蒸着法により
形成する。保護電極369は、大気開放せずに陰極36
8と連続して形成しても良い。保護電極369は有機発
光層367を水分や酸素から保護するのに有効である
【0139】また、保護電極369は陰極368の劣化
を防ぐために設けられ、アルミニウムを主成分とする金
属膜が代表的である。勿論、他の材料でも良い。また、
有機発光層367、陰極368は非常に水分に弱いの
で、保護電極369までを大気解放しないで連続的に形
成し、外気から有機発光層を保護することが望ましい。
【0140】最後に、窒化珪素膜でなるパッシベーショ
ン膜370を300nmの厚さに形成する。パッシベー
ション膜370を形成しておくことで、有機発光層36
7を水分等から保護することができ、OLEDの信頼性
をさらに高めることが出来る。なおパッシベーション膜
370は必ずしも設ける必要はない。
【0141】こうして図12(B)に示すような構造の
発光装置が完成する。371は駆動回路部のpチャネル
型TFT、372は駆動回路部のnチャネル型TFT、
373はトランジスタTr3、374はトランジスタT
r2に相当する。
【0142】ところで、本実施例の発光装置は、画素部
だけでなく駆動回路にも最適な構造のTFTを配置する
ことにより、非常に高い信頼性を示し、動作特性も向上
しうる。また結晶化工程においてNi等の金属触媒を添
加し、結晶性を高めることも可能である。それによっ
て、信号線駆動回路の駆動周波数を10MHz以上にす
ることが可能である。
【0143】なお、実際には図12(B)の状態まで完
成したら、さらに外気に曝されないように、気密性が高
く、脱ガスの少ない保護フィルム(ラミネートフィル
ム、紫外線硬化樹脂フィルム等)や透光性のシーリング
材でパッケージング(封入)することが好ましい。その
際、シーリング材の内部を不活性雰囲気にしたり、内部
に吸湿性材料(例えば酸化バリウム)を配置したりする
とOLEDの信頼性が向上する。
【0144】また、パッケージング等の処理により気密
性を高めたら、基板上に形成された素子又は回路から引
き回された端子と外部信号端子とを接続するためのコネ
クタを取り付ける。
【0145】また、本実施例で示す工程に従えば、発光
装置の作製に必要なフォトマスクの数を抑えることが出
来る。その結果、工程を短縮し、製造コストの低減及び
歩留まりの向上に寄与することが出来る。
【0146】本実施例は、実施例1〜5と自由に組み合
わせて実施することが可能である。
【0147】(実施例7)本発明において、三重項励起
子からの燐光を発光に利用できる有機発光材料を用いる
ことで、外部発光量子効率を飛躍的に向上させることが
できる。これにより、発光素子の低消費電力化、長寿命
化、および軽量化が可能になる。
【0148】ここで、三重項励起子を利用し、外部発光
量子効率を向上させた報告を示す。(T.Tsutsui, C.Adac
hi, S.Saito, Photochemical Processes in Organized
Molecular Systems, ed.K.Honda, (Elsevier Sci.Pub.,
Tokyo,1991) p.437.)
【0149】上記の論文により報告された有機発光材料
(クマリン色素)の分子式を以下に示す。
【0150】
【化1】
【0151】(M.A.Baldo, D.F.O'Brien, Y.You, A.Shou
stikov, S.Sibley, M.E.Thompson,S.R.Forrest, Nature
395 (1998) p.151.)
【0152】上記の論文により報告された有機発光材料
(Pt錯体)の分子式を以下に示す。
【0153】
【化2】
【0154】(M.A.Baldo, S.Lamansky, P.E.Burrrows,
M.E.Thompson, S.R.Forrest, Appl.Phys.Lett.,75 (199
9) p.4.) (T.Tsutsui, M.-J.Yang, M.Yahiro, K.Nakamu
ra,T.Watanabe, T.tsuji, Y.Fukuda, T.Wakimoto, S.Ma
yaguchi, Jpn.Appl.Phys.,38 (12B) (1999) L1502.)
【0155】上記の論文により報告された有機発光材料
(Ir錯体)の分子式を以下に示す。
【0156】
【化3】
【0157】以上のように三重項励起子からの燐光発光
を利用できれば原理的には一重項励起子からの蛍光発光
を用いる場合より3〜4倍の高い外部発光量子効率の実
現が可能となる。
【0158】なお、本実施例の構成は、実施例1〜実施
例6のいずれの構成とも自由に組み合わせて実施するこ
とが可能である。
【0159】(実施例8)本実施例では、本発明の発光
装置の画素の構成について説明する。図13に本実施例
の発光装置の画素の断面図を示す。また本実施例では説
明を簡便にするために、画素が有するnチャネル型TF
Tと、画素電極に供給する電流を制御しているpチャネ
ル型TFTのみ図示したが、他のTFTも図13に示し
た構成を参照して作製することが可能である。
【0160】751はnチャネル型TFTであり、また
752はpチャネル型TFTである。nチャネル型TF
T751は、半導体膜753と、第1の絶縁膜770
と、第1の電極754、755と、第2の絶縁膜771
と、第2の電極756、757とを有している。そし
て、半導体膜753は、第1濃度の一導電型不純物領域
758と、第2濃度の一導電型不純物領域759と、チ
ャネル形成領域760、761を有している。
【0161】なお本実施例では、第1の絶縁膜770は
2つの絶縁膜770a、770bを積層した構造を有し
ているが、第1の絶縁膜770は単層の絶縁膜であって
も良いし、3層以上の絶縁膜を積層した構造を有してい
ても良い。
【0162】第1の電極754、755とチャネル形成
領域760、761は、それぞれ第1の絶縁膜770を
間に挟んで重なっている。また、第2の電極756、7
57と、チャネル形成領域760、761とは、それぞ
れ第2の絶縁膜771を間に挟んで重なっている。
【0163】pチャネル型TFT752は、半導体膜7
80と、第1の絶縁膜770と、第1の電極782と、
第2の絶縁膜771と、第2の電極781とを有してい
る。そして、半導体膜780は、第3濃度の一導電型不
純物領域783と、チャネル形成領域784を有してい
る。
【0164】第1の電極782とチャネル形成領域78
4とは、それぞれ第1の絶縁膜770を間に挟んで重な
っている。第2の電極781とチャネル形成領域784
とは、それぞれ第2の絶縁膜771を間に挟んで重なっ
ている。
【0165】そして本実施例では、図示してはいないが
第1の電極754、755と、第2の電極756、75
7とは電気的に接続されている。また、第1の電極78
2と第2の電極781とは電気的に接続されている。な
お、本発明はこの構成に限定されず、第1の電極75
4、755と、第2の電極756、757とが電気的に
切り離されており、第1の電極754、755に一定の
電圧が印加されていても良い。また第1の電極782と
第2の電極781とが電気的に切り離され、第1の電極
782に一定に電圧が印加されていても良い。
【0166】第1の電極に一定の電圧を印加すること
で、電極が1つの場合に比べて閾値のばらつきを抑える
ことができ、なおかつオフ電流を抑えることができる。
また、第1の電極と第2の電極に同じ電圧を印加するこ
とで、実質的に半導体膜の膜厚を薄くしたのと同じよう
に空乏層が早く広がるので、サブスレッショルド係数を
小さくすることができ、さらに電界効果移動度を向上さ
せることができる。したがって、電極が1つの場合に比
べてオン電流を大きくすることができる。よって、この
構造のTFTを駆動回路に使用することにより、駆動電
圧を低下させることができる。また、オン電流を大きく
することができるので、TFTのサイズ(特にチャネル
幅)を小さくすることができる。そのため集積密度を向
上させることができる。
【0167】なお、本実施例は実施例1〜実施例7のい
ずれか一と組み合わせて実施することが可能である。
【0168】(実施例9)本実施例では、本発明の半導
体装置の1つである発光装置の画素の構成について説明
する。図14に本実施例の発光装置の画素の断面図を示
す。また本実施例では説明を簡便にするために、画素が
有するnチャネル型TFTと、画素電極に供給する電流
を制御しているpチャネル型TFTのみ図示したが、他
のTFTも図14に示した構成を参照して作製すること
が可能である。
【0169】図14において、911は基板、912は
下地となる絶縁膜(以下、下地膜という)である。基板
911としては透光性基板、代表的にはガラス基板、石
英基板、ガラスセラミックス基板、又は結晶化ガラス基
板を用いることができる。但し、作製プロセス中の最高
処理温度に耐えるものでなくてはならない。
【0170】8201はnチャネル型TFT、8202
はpチャネル型TFTである。nチャネル型TFT82
01は、ソース領域913、ドレイン領域914、LD
D領域915a〜915d、分離領域916及びチャネル
形成領域917a、917bを含む活性層と、ゲート絶縁
膜918と、ゲート電極919a、919bと、第1層間
絶縁膜920と、信号線921と、接続配線922とを
有している。なお、ゲート絶縁膜918又は第1層間絶
縁膜920は基板上の全TFTに共通であっても良い
し、回路又は素子に応じて異ならせても良い。
【0171】また、図14に示すnチャネル型TFT8
201はゲート電極917a、917bが電気的に接続さ
れており、いわゆるダブルゲート構造となっている。勿
論、ダブルゲート構造だけでなく、トリプルゲート構造
などいわゆるマルチゲート構造(直列に接続された二つ
以上のチャネル形成領域を有する活性層を含む構造)で
あっても良い。
【0172】マルチゲート構造はオフ電流を低減する上
で極めて有効であり、Tr5のオフ電流を十分に低くす
れば、それだけpチャネル型TFT8202のゲート電
極に接続された保持容量が必要とする最低限の容量を抑
えることができる。即ち、保持容量の面積を小さくする
ことができるので、マルチゲート構造とすることは発光
素子の有効発光面積を広げる上でも有効である。
【0173】さらに、nチャネル型TFT8201にお
いては、LDD領域915a〜915dは、ゲート絶縁膜
918を介してゲート電極919a、919bと重ならな
いように設ける。このような構造はオフ電流を低減する
上で非常に効果的である。また、LDD領域915a〜
915dの長さ(幅)は0.5〜3.5μm、代表的に
は2.0〜2.5μmとすれば良い。なお、二つ以上の
ゲート電極を有するマルチゲート構造の場合、チャネル
形成領域の間に設けられた分離領域916(ソース領域
又はドレイン領域と同一の濃度で同一の不純物元素が添
加された領域)がオフ電流の低減に効果的である。
【0174】次に、pチャネル型TFT8202は、ソ
ース領域926、ドレイン領域927及びチャネル形成
領域929を含む活性層と、ゲート絶縁膜918と、ゲ
ート電極930と、第1層間絶縁膜920と、接続配線
931並びに接続配線932で形成されている。本実施
例においてpチャネル型TFT8202はpチャネル型
TFTである。
【0175】なお、ゲート電極930はシングルゲート
構造となっているが、マルチゲート構造であっても良
い。
【0176】以上は画素内に設けられたTFTの構造に
ついて説明したが、このとき同時に駆動回路も形成され
る。図14には駆動回路を形成する基本単位となるCM
OS回路が図示されている。
【0177】図14においては極力動作速度を落とさな
いようにしつつホットキャリア注入を低減させる構造を
有するTFTをCMOS回路のnチャネル型TFT82
04として用いる。なお、ここでいう駆動回路として
は、ソース信号側駆動回路、ゲート信号側駆動回路を指
す。勿論、他の論理回路(レベルシフタ、A/Dコンバ
ータ、信号分割回路等)を形成することも可能である。
【0178】CMOS回路のnチャネル型TFT820
4の活性層は、ソース領域935、ドレイン領域93
6、LDD領域937及びチャネル形成領域938を含
み、LDD領域937はゲート絶縁膜918を介してゲ
ート電極939と重なっている。
【0179】ドレイン領域936側のみにLDD領域9
37を形成しているのは、動作速度を落とさないための
配慮である。また、このnチャネル型TFT8204は
オフ電流値をあまり気にする必要はなく、それよりも動
作速度を重視した方が良い。従って、LDD領域937
は完全にゲート電極に重ねてしまい、極力抵抗成分を少
なくすることが望ましい。即ち、いわゆるオフセットは
なくした方がよい。
【0180】また、CMOS回路のpチャネル型TFT
8205は、ホットキャリア注入による劣化が殆ど気に
ならないので、特にLDD領域を設けなくても良い。従
って活性層はソース領域940、ドレイン領域941及
びチャネル形成領域942を含み、その上にはゲート絶
縁膜918とゲート電極943が設けられる。勿論、n
チャネル型TFT8204と同様にLDD領域を設け、
ホットキャリア対策を講じることも可能である。
【0181】なお961〜965はチャネル形成領域9
42、938、917a、917b、929を形成する
ためのマスクである。
【0182】また、nチャネル型TFT8204及びp
チャネル型TFT8205はそれぞれソース領域上に第
1層間絶縁膜920を間に介して、接続配線944、9
45を有している。また、接続配線946によってnチ
ャネル型TFT8204とpチャネル型TFT8205
とのドレイン領域は互いに電気的に接続される。
【0183】なお本実施例の構成は、実施例1〜7と自
由に組み合わせて実施することが可能である。
【0184】(実施例10)本実施例では、陰極を画素
電極として用いた画素の構成について説明する。
【0185】本実施例の画素の断面図を図15に示す。
図15において、基板3501上に設けられたnチャネ
ル型TFT3502は公知の方法を用いて作製される。
本実施例ではダブルゲート構造としている。なお、本実
施例ではダブルゲート構造としているが、シングルゲー
ト構造でも構わないし、トリプルゲート構造やそれ以上
のゲート電極を持つマルチゲート構造でも構わない。ま
た本実施例では説明を簡便にするために、画素が有する
nチャネル型TFTと、画素電極に供給する電流を制御
しているpチャネル型TFTのみ図示したが、他のTF
Tも図15に示した構成を参照して作製することが可能
である。
【0186】また、pチャネル型TFT3503はnチ
ャネル型TFTであり、公知の方法を用いて作製され
る。また、38で示される配線は、nチャネル型TFT
3502のゲート電極39aと39bを電気的に接続する
走査線である。
【0187】本実施例ではpチャネル型TFT3503
をシングルゲート構造で図示しているが、複数のTFT
を直列につなげたマルチゲート構造としても良い。さら
に、複数のTFTを並列につなげて実質的にチャネル形
成領域を複数に分割し、熱の放射を高い効率で行えるよ
うにした構造としても良い。このような構造は熱による
劣化対策として有効である。
【0188】nチャネル型TFT3502及びpチャネ
ル型TFT3503の上には第1層間絶縁膜41が設け
られ、その上に樹脂絶縁膜でなる第2層間絶縁膜42が
形成される。第2層間絶縁膜42を用いてTFTによる
段差を平坦化することは非常に重要である。後に形成さ
れる有機発光層は非常に薄いため、段差が存在すること
によって発光不良を起こす場合がある。従って、有機発
光層をできるだけ平坦面に形成しうるように画素電極を
形成する前に平坦化しておくことが望ましい。
【0189】また、43は反射性の高い導電膜でなる画
素電極(発光素子の陰極)であり、pチャネル型TFT
3503のドレイン領域に電気的に接続される。画素電
極43としてはアルミニウム合金膜、銅合金膜または銀
合金膜など低抵抗な導電膜またはそれらの積層膜を用い
ることが好ましい。勿論、他の導電膜との積層構造とし
ても良い。
【0190】また、絶縁膜(好ましくは樹脂)で形成さ
れたバンク44a、44bにより形成された溝(画素に相
当する)の中に発光層45が形成される。なお、ここで
は一画素しか図示していないが、R(赤)、G(緑)、
B(青)の各色に対応した発光層を作り分けても良い。
発光層とする有機発光材料としてはπ共役ポリマー系材
料を用いる。代表的なポリマー系材料としては、ポリパ
ラフェニレンビニレン(PPV)系、ポリビニルカルバ
ゾール(PVK)系、ポリフルオレン系などが挙げられ
る。
【0191】なお、PPV系有機発光材料としては様々
な型のものがあるが、例えば「H. Shenk,H.Becker,O.Ge
lsen,E.Kluge,W.Kreuder,and H.Spreitzer,“Polymers
forLight Emitting Diodes”,Euro Display,Proceeding
s,1999,p.33-37」や特開平10−92576号公報に記
載されたような材料を用いれば良い。
【0192】具体的な発光層としては、赤色に発光する
発光層にはシアノポリフェニレンビニレン、緑色に発光
する発光層にはポリフェニレンビニレン、青色に発光す
る発光層にはポリフェニレンビニレン若しくはポリアル
キルフェニレンを用いれば良い。膜厚は30〜150n
m(好ましくは40〜100nm)とすれば良い。
【0193】但し、以上の例は発光層として用いること
のできる有機発光材料の一例であって、これに限定する
必要はまったくない。発光層、電荷輸送層または電荷注
入層を自由に組み合わせて有機発光層(発光及びそのた
めのキャリアの移動を行わせるための層)を形成すれば
良い。
【0194】例えば、本実施例ではポリマー系材料を発
光層として用いる例を示したが、低分子系有機発光材料
を用いても良い。また、電荷輸送層や電荷注入層として
炭化珪素等の無機材料を用いることも可能である。これ
らの有機発光材料や無機材料は公知の材料を用いること
ができる。
【0195】本実施例では発光層45の上にPEDOT
(ポリチオフェン)またはPAni(ポリアニリン)で
なる正孔注入層46を設けた積層構造の有機発光層とし
ている。そして、正孔注入層46の上には透明導電膜で
なる陽極47が設けられる。本実施例の場合、発光層4
5で生成された光は上面側に向かって(TFTの上方に
向かって)放射されるため、陽極は透光性でなければな
らない。透明導電膜としては酸化インジウムと酸化スズ
との化合物や酸化インジウムと酸化亜鉛との化合物を用
いることができるが、耐熱性の低い発光層や正孔注入層
を形成した後で形成するため、可能な限り低温で成膜で
きるものが好ましい。
【0196】陽極47まで形成された時点で発光素子3
505が完成する。なお、ここでいう発光素子3505
は、画素電極(陰極)43、発光層45、正孔注入層4
6及び陽極47で形成されている。画素電極43は画素
の面積にほぼ一致するため、画素全体が発光素子として
機能する。従って、発光の利用効率が非常に高く、明る
い画像表示が可能となる。
【0197】ところで、本実施例では、陽極47の上に
さらに第2パッシベーション膜48を設けている。第2
パッシベーション膜48としては窒化珪素膜または窒化
酸化珪素膜が好ましい。この目的は、外部と発光素子と
を遮断することであり、有機発光材料の酸化による劣化
を防ぐ意味と、有機発光材料からの脱ガスを抑える意味
との両方を併せ持つ。これにより発光装置の信頼性が高
められる。
【0198】以上のように本発明の発光装置は図15の
ような構造の画素からなる画素部を有し、オフ電流値の
十分に低いTFT3502と、ホットキャリア注入に強
いTFT3503とを有する。従って、高い信頼性を有
し、且つ、良好な画像表示が可能な発光装置が得られ
る。
【0199】なお、本実施例の構成は、実施例1〜7構
成と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【0200】(実施例11)OLEDに用いられる有機
発光材料は低分子系と高分子系に大別される。本発明の
発光装置は、低分子系の有機発光材料でも高分子系の有
機発光材料でも用いることができる。
【0201】低分子系の有機発光材料は、蒸着法により
成膜される。したがって積層構造をとりやすく、ホール
輸送層、電子輸送層などの機能が異なる膜を積層するこ
とで高効率化しやすい。
【0202】低分子系の有機発光材料としては、キノリ
ノールを配位子としたアルミニウム錯体Alq3、トリ
フェニルアミン誘導体(TPD)等が挙げられる。
【0203】一方、高分子系の有機発光材料は低分子系
に比べて物理的強度が高く、素子の耐久性が高い。また
塗布により成膜することが可能であるので、素子の作製
が比較的容易である。
【0204】高分子系の有機発光材料を用いた発光素子
の構造は、低分子系の有機発光材料を用いたときと基本
的には同じであり、陰極/有機発光層/陽極となる。し
かし、高分子系の有機発光材料を用いた有機発光層を形
成する際には、低分子系の有機発光材料を用いたときの
ような積層構造を形成させることは難しく、知られてい
る中では2層の積層構造が有名である。具体的には、陰
極/発光層/正孔輸送層/陽極という構造である。な
お、高分子系の有機発光材料を用いた発光素子の場合に
は、陰極材料としてCaを用いることも可能である。
【0205】なお、素子の発光色は、発光層を形成する
材料で決まるため、これらを選択することで所望の発光
を示す発光素子を形成することができる。発光層の形成
に用いることができる高分子系の有機発光材料は、ポリ
パラフェニレンビニレン系、ポリパラフェニレン系、ポ
リチオフェン系、ポリフルオレン系が挙げられる。
【0206】ポリパラフェニレンビニレン系には、ポリ
(パラフェニレンビニレン) [PPV] の誘導体、ポリ
(2,5−ジアルコキシ−1,4−フェニレンビニレ
ン) [RO−PPV]、ポリ(2−(2'−エチル−ヘキ
ソキシ)−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレ
ン)[MEH−PPV]、ポリ(2−(ジアルコキシフェ
ニル)−1,4−フェニレンビニレン)[ROPh−PP
V]等が挙げられる。
【0207】ポリパラフェニレン系には、ポリパラフェ
ニレン[PPP]の誘導体、ポリ(2,5−ジアルコキ
シ−1,4−フェニレン)[RO−PPP]、ポリ(2,
5−ジヘキソキシ−1,4−フェニレン)等が挙げられ
る。
【0208】ポリチオフェン系には、ポリチオフェン
[PT]の誘導体、ポリ(3−アルキルチオフェン)
[PAT]、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)[PH
T]、ポリ(3−シクロヘキシルチオフェン)[PCH
T]、ポリ(3−シクロヘキシル−4−メチルチオフェ
ン)[PCHMT]、ポリ(3,4−ジシクロヘキシル
チオフェン)[PDCHT]、ポリ[3−(4−オクチ
ルフェニル)−チオフェン][POPT]、ポリ[3−
(4−オクチルフェニル)−2,2ビチオフェン][P
TOPT]等が挙げられる。
【0209】ポリフルオレン系には、ポリフルオレン
[PF]の誘導体、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレ
ン)[PDAF]、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレ
ン)[PDOF]等が挙げられる。
【0210】なお、正孔輸送性の高分子系の有機発光材
料を、陽極と発光性の高分子系有機発光材料の間に挟ん
で形成すると、陽極からの正孔注入性を向上させること
ができる。一般にアクセプター材料と共に水に溶解させ
たものをスピンコート法などで塗布する。また、有機溶
媒には不溶であるため、上述した発光性の有機発光材料
との積層が可能である。
【0211】正孔輸送性の高分子系の有機発光材料とし
ては、PEDOTとアクセプター材料としてのショウノ
ウスルホン酸(CSA)の混合物、ポリアニリン[PA
NI]とアクセプター材料としてのポリスチレンスルホ
ン酸[PSS]の混合物等が挙げられる。
【0212】また、上述した低分子系または高分子系の
有機発光材料の他に、分子数が20以下、又は連鎖する
分子の長さが10μm以下で、なおかつ昇華性を有さな
い、所謂中分子系の有機発光材料も用いることが可能で
ある。
【0213】なお、本実施例の構成は、実施例1〜実施
例10のいずれの構成とも自由に組み合わせて実施する
ことが可能である。
【0214】(実施例12)発光素子を用いた発光装置
は自発光型であるため、液晶ディスプレイに比べ、明る
い場所での視認性に優れ、視野角が広い。従って、様々
な電子機器の表示部に用いることができる。
【0215】本発明の発光装置を用いた電子機器とし
て、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディス
プレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーショ
ンシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディ
オコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲー
ム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電
話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備
えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc
(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しう
るディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。特
に、斜め方向から画面を見る機会が多い携帯情報端末
は、視野角の広さが重要視されるため、発光装置を用い
ることが望ましい。それら電子機器の具体例を図16に
示す。
【0216】図16(A)は表示装置であり、筐体20
01、支持台2002、表示部2003、スピーカー部
2004、ビデオ入力端子2005等を含む。本発明の
発光装置は表示部2003に用いることができる。発光
装置は自発光型であるためバックライトが必要なく、液
晶ディスプレイよりも薄い表示部とすることができる。
なお、表示装置は、パソコン用、TV放送受信用、広告
表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。
【0217】図16(B)はデジタルスチルカメラであ
り、本体2101、表示部2102、受像部2103、
操作キー2104、外部接続ポート2105、シャッタ
ー2106等を含む。本発明の発光装置を表示部210
2に用いることで、本発明のデジタルスチルカメラが完
成する。
【0218】図16(C)はノート型パーソナルコンピ
ュータであり、本体2201、筐体2202、表示部2
203、キーボード2204、外部接続ポート220
5、ポインティングマウス2206等を含む。本発明の
発光装置を表示部2203に用いることで、本発明のノ
ート型パーソナルコンピュータが完成する。
【0219】図16(D)はモバイルコンピュータであ
り、本体2301、表示部2302、スイッチ230
3、操作キー2304、赤外線ポート2305等を含
む。本発明の発光装置を表示部2302に用いること
で、本発明のモバイルコンピュータが完成する。
【0220】図16(E)は記録媒体を備えた携帯型の
画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本
体2401、筐体2402、表示部A2403、表示部
B2404、記録媒体(DVD等)読み込み部240
5、操作キー2406、スピーカー部2407等を含
む。表示部A2403は主として画像情報を表示し、表
示部B2404は主として文字情報を表示する。なお、
記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器な
ども含まれる。本発明の発光装置を表示部A、B240
3、2404に用いることで、本発明の画像再生装置が
完成する。
【0221】図16(F)はゴーグル型ディスプレイ
(ヘッドマウントディスプレイ)であり、本体250
1、表示部2502、アーム部2503を含む。本発明
の発光装置を表示部2502に用いることで、本発明の
ゴーグル型ディスプレイが完成する。
【0222】図16(G)はビデオカメラであり、本体
2601、表示部2602、筐体2603、外部接続ポ
ート2604、リモコン受信部2605、受像部260
6、バッテリー2607、音声入力部2608、操作キ
ー2609、接眼部2610等を含む。本発明の発光装
置を表示部2602に用いることで、本発明のビデオカ
メラが完成する。
【0223】ここで図16(H)は携帯電話であり、本
体2701、筐体2702、表示部2703、音声入力
部2704、音声出力部2705、操作キー2706、
外部接続ポート2707、アンテナ2708等を含む。
なお、表示部2703は黒色の背景に白色の文字を表示
することで携帯電話の消費電流を抑えることができる。
本発明の発光装置を表示部2703に用いることで、本
発明の携帯電話が完成する。
【0224】なお、将来的に有機発光材料の発光輝度が
高くなれば、出力した画像情報を含む光をレンズ等で拡
大投影してフロント型若しくはリア型のプロジェクター
に用いることも可能となる。
【0225】また、上記電子機器はインターネットやC
ATV(ケーブルテレビ)などの電子通信回線を通じて
配信された情報を表示することが多くなり、特に動画情
報を表示する機会が増してきている。有機発光材料の応
答速度は非常に高いため、発光装置は動画表示に好まし
い。
【0226】また、発光装置は発光している部分が電力
を消費するため、発光部分が極力少なくなるように情報
を表示することが望ましい。従って、携帯情報端末、特
に携帯電話や音響再生装置のような文字情報を主とする
表示部に発光装置を用いる場合には、非発光部分を背景
として文字情報を発光部分で形成するように駆動するこ
とが望ましい。
【0227】以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広
く、あらゆる分野の電子機器に用いることが可能であ
る。また、本実施例の電子機器は実施例1〜11に示し
たいずれの構成の発光装置を用いても良い。
【0228】(実施例13)本実施例では、画素数が1
76×RGBx220の発光装置において、各色の階調
が6ビットである映像信号を補正する劣化補正装置を例
に挙げ、その具体的な構造について説明する。
【0229】図19に、本実施例の劣化補正装置のブロ
ック図を示す。図1において既に示しているものは同じ
符号を付す。図19に示すように、カウンタ113はサ
ンプリング回路501、レジスタ502、加算器503
及びラインメモリ504(176×32bit)を有し
ている。また、映像信号補正回路110は、積算回路5
05、レジスタ506、演算回路507及びRGBレジ
スタ508(RGB×7bit)を有している。揮発性
メモリ108は2つのSRAM509、510(256
×16bit)を有しており、2つのSRAMを合わせ
て画素数×32bit(大凡4Mbit)の容量を有し
ている。また本実施例では不揮発性メモリ109として
フラッシュメモリを用い、記憶回路部106には揮発性
メモリ108と不揮発性メモリ109の他に2つのレジ
スタ511、512が設けられている。
【0230】不揮発性メモリ109には、発光期間また
は階調数の累積したデータと、各画素の劣化の程度がデ
ータとして記憶されている。発光装置の使用開始時は発
光期間または階調数の累積が0であり、不揮発性メモリ
109に0が記憶されている。電源投入とともに、不揮
発性メモリ109のデータは揮発性メモリ108に転送
される。
【0231】点灯が開始されると、積算回路505にお
いて、レジスタ506に記憶されている補正係数を6ビ
ットの映像信号に乗算することで、映像信号の補正が行
なわれる。初期の補正係数は1である。また積算回路5
05において補正の精度を上げるために、映像信号が6
ビットから7ビットに変更される。補正係数が乗算され
た映像信号は、補正後の映像信号として信号線駆動回路
101またはサブフレーム期間に対応するように映像信
号を処理するサブフレーム期間生成回路(図示せず)等
の後段の回路に送られる。
【0232】一方、補正係数が乗算された補正後の7ビ
ットの映像信号は、カウンタ113が有するサンプリン
グ回路501においてサンプリングされ、レジスタ50
2に送られる。なお、全ての映像信号をレジスタ502
に送る場合はサンプリング回路501は不要であるが、
サンプリングすることで揮発性メモリ108の容量が抑
えられる。例えば映像信号のサンプリングを1秒に1回
行なうとすると、揮発性メモリ108の基板上の占有面
積は60分の1に抑えることができる。
【0233】なおサンプリングを1秒につき1回とした
が、本発明はこれに限定されない。
【0234】サンプリングされた映像信号はレジスタ5
02から加算器503に送られる。また加算器503に
は、揮発性メモリ108に記憶されている発光期間また
は階調数の累積したデータが、レジスタ511、512
を介して入力される。レジスタ511、512は、揮発
性メモリ108から加算器503へのデータの入力のタ
イミングを図るために用いており、揮発性メモリ108
の呼び出しが十分速ければ、レジスタ511、512は
無くすことも可能である。
【0235】加算器503では、サンプリングされた映
像信号が情報として有する発光期間または階調数を、揮
発性メモリ108に記憶されている発光期間または階調
数の累積したデータに加算し、176段のラインメモリ
504に記憶する。なお本実施例ではラインメモリ50
4および揮発性メモリ108で処理するデータは各画素
32ビットとした。このメモリ容量で約18000時間
分の記憶ができる。
【0236】ラインメモリ504に記憶されてた発光期
間または階調数の累積したデータは、再度揮発性メモリ
108に記憶され、1秒後に再び読み出され、サンプリ
ングされた映像信号が加算される。このようにして順次
加算が行なわれていく。
【0237】電源オフ時には、揮発性メモリ108のデ
ータが不揮発性メモリ109に記憶され、揮発性メモリ
108のデータが消失しても問題ないように設定されて
いる。
【0238】図20に演算回路507のブロック図を示
す。揮発性メモリ108に記憶されている発光期間また
は階調数の累積したデータは、演算器513に入力され
る。演算器513では揮発性メモリ108に記憶されて
いる発光期間または階調数の累積したデータと、補正デ
ータ格納回路112の輝度特性の経時変化のデータとか
ら、補正係数を算出する。これを一旦8ビットのライン
メモリ514に記憶してからSRAM516に記憶す
る。このSRAM516は8ビットで画素ごとに256
段階の補正係数を記憶できるようにしている。この補正
係数をレジスタ506に一旦記憶してから積算回路50
5に入力し、映像信号に乗算して補正を行う。
【0239】なお電圧補正回路111は、実施の形態に
示した場合と同様に、あらかじめ補正データ格納回路1
12に記憶された輝度特性の経時変化のデータと、揮発
性メモリ108に記憶された各画素の発光期間または階
調数の累積したデータとを比較し、各画素の劣化の程度
を把握する。そして劣化が一番著しい特定の画素を検出
し、該特定の画素の劣化の度合いに合わせて、電圧源1
04から画素部103に供給される電圧の値を補正す
る。具体的には、該特定の画素において所望の階調を表
示することができるように、電圧の値を高くする。
【0240】該特定の画素に合わせて、画素部103に
供給される電圧の値が補正されるので、該特定の画素よ
り劣化が進んでいないその他の画素においては、発光素
子に過剰の電流が供給されることになり、所望の階調が
得られない。そこで、映像信号補正回路110によっ
て、その他の画素の階調を決定する映像信号を補正す
る。映像信号補正回路110には、発光期間または階調
数の累積したデータの他に、映像信号が入力されてい
る。映像信号補正回路110では、あらかじめ補正デー
タ格納回路112に記憶された輝度特性の経時変化のデ
ータと、各画素の発光期間または階調数の累積したデー
タとを比較し、各画素の劣化の程度を把握する。そして
劣化が一番著しい特定の画素を検出し、該特定の画素の
劣化の度合いに合わせて、入力された映像信号の補正を
行う。具体的には、所望の階調数が得られるように映像
信号の補正を行う。補正された映像信号は、信号線駆動
回路101に入力される。
【0241】本実施例は、実施例3〜12と組み合わせ
て実施することが可能である。
【発明の効果】本発明の発光装置によって、発光期間の
差による発光素子の劣化を回路側で補正し、輝度ムラの
ない均一な画面の表示が可能な発光装置を提供すること
が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の発光装置のブロック図。
【図2】 本発明の発光装置の画素回路図。
【図3】 本発明の発光装置における、発光素子の電
圧と輝度の経時変化を示す図。
【図4】 本発明の発光装置における、発光素子の電
圧の経時変化を示す図。
【図5】 加算処理による補正方法を示した図。
【図6】 本発明の発光装置の信号線駆動回路のブロ
ック図。
【図7】 本発明の発光装置の走査線駆動回路のブロ
ック図。
【図8】 本発明の発光装置のブロック図。
【図9】 本発明の発光装置の画素回路図。
【図10】 本発明の発光装置の作製方法を示す図。
【図11】 本発明の発光装置の作製方法を示す図。
【図12】 本発明の発光装置の作製方法を示す図。
【図13】 本発明の発光装置の断面図。
【図14】 本発明の発光装置の断面図。
【図15】 本発明の発光装置の断面図。
【図16】 本発明の発光装置を用いた電子機器の図。
【図17】 階調数と発光期間の関係を示す図。
【図18】 劣化による発光素子の輝度の変化を示す
図。
【図19】 劣化補正装置のブロック図。
【図20】 演算回路のブロック図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09G 3/20 G09G 3/20 641P 642 642A 670 670J H05B 33/14 H05B 33/14 A Fターム(参考) 3K007 AB11 AB17 BA06 DB03 GA04 5C080 AA06 AA08 AA18 BB05 CC03 DD04 DD05 DD29 EE29 EE30 FF03 FF11 GG15 HH09 HH17 JJ02 JJ03 JJ04 JJ05 JJ06 KK02 KK04 KK07 KK43

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の発光素子の発光期間を制御する映像
    信号から、前記複数の各発光素子の発光期間の累積また
    は階調数の累積を算出し、 前記算出された発光期間の累積または階調数の累積と、
    発光素子の輝度特性の経時変化のデータとから、前記複
    数の各発光素子の輝度の変化量を把握し、 前記複数の発光素子のうちの一の発光素子の輝度が初期
    値に戻るように、電圧源から前記複数の発光素子に供給
    される電圧を補正し、なおかつ前記一の発光素子の輝度
    の変化量と、前記一の発光素子以外の各発光素子の輝度
    の変化量との差をうめるように、前記映像信号を補正し
    て前記一の発光素子以外の各発光素子の階調を補正する
    ことを特徴とする発光装置の駆動方法。
  2. 【請求項2】複数の発光素子の発光期間を制御する映像
    信号から、前記複数の各発光素子の発光期間の累積また
    は階調数の累積を算出し、 前記算出された発光期間の累積または階調数の累積と、
    発光素子の輝度特性の経時変化のデータとから、前記複
    数の各発光素子の輝度の変化量を把握し、 前記複数の発光素子のうちの一の発光素子の輝度が初期
    値に戻るように、電圧源から前記複数の発光素子に供給
    される電圧を補正し、なおかつ前記一の発光素子の輝度
    の変化量と、前記一の発光素子以外の各発光素子の輝度
    の変化量との差をうめるように、前記映像信号を補正し
    て前記一の発光素子以外の各発光素子の階調を補正する
    発光装置の駆動方法であって、 前記映像信号の補正により、前記一の発光素子以外の各
    発光素子の階調を制御する映像信号はm(mは整数)ビ
    ット増加することを特徴とする発光装置の駆動方法。
  3. 【請求項3】複数の発光素子の発光期間を制御する映像
    信号を複数回サンプリングすることで、前記複数の各発
    光素子の発光していた回数をカウントし、 前記カウントされた前記複数の各発光素子の発光してい
    た回数と、発光素子の輝度特性の経時変化のデータとか
    ら前記複数の各発光素子の輝度の変化量を把握し、 前記複数の発光素子のうちの一の発光素子の輝度が初期
    値に戻るように、電圧源から前記複数の発光素子に供給
    される電圧を補正し、なおかつ前記一の発光素子の輝度
    の変化量と、前記一の発光素子以外の各発光素子の輝度
    の変化量との差をうめるように、前記映像信号を補正し
    て前記一の発光素子以外の各発光素子の階調を補正する
    ことを特徴とする発光装置の駆動方法。
  4. 【請求項4】複数の発光素子の発光期間を制御する映像
    信号を複数回サンプリングすることで、前記複数の各発
    光素子の発光していた回数をカウントし、 前記カウントされた前記複数の各発光素子の発光してい
    た回数と、発光素子の輝度特性の経時変化のデータとか
    ら前記複数の各発光素子の輝度の変化量を把握し、 前記複数の発光素子のうちの一の発光素子の輝度が初期
    値に戻るように、電圧源から前記複数の発光素子に供給
    される電圧を補正し、なおかつ前記一の発光素子の輝度
    の変化量と、前記一の発光素子以外の各発光素子の輝度
    の変化量との差をうめるように、前記映像信号を補正し
    て前記一の発光素子以外の各発光素子の階調を補正する
    発光装置の駆動方法であって、 前記映像信号の補正により、前記一の発光素子以外の各
    発光素子の階調を制御する映像信号はm(mは整数)ビ
    ット増加することを特徴とする発光装置の駆動方法。
  5. 【請求項5】映像信号を用いて、複数の各第1の発光素
    子について、発光期間の総和をそれぞれ算出し、 前記複数の各第1の発光素子が発光期間の総和と、第2
    の発光素子の発光期間の総和に対する輝度の変化量とを
    もとに、前記複数の各第1の発光素子のそれぞれについ
    て輝度の変化量を把握し、前記複数の第1の発光素子の
    うち、前記算出された発光期間の総和が最も長い一の第
    1の発光素子を検出し、前記一の第1の発光素子の輝度
    の変化量から、前記一の第1の発光素子の輝度が初期値
    に戻るように、電圧源から前記複数の第1の発光素子に
    供給される電圧を補正し、なおかつ前記一の発光素子の
    輝度の変化量と、前記一の発光素子以外の各発光素子の
    輝度の変化量との差をうめるように、前記映像信号を補
    正して前記一の発光素子以外の各発光素子の階調を補正
    することを特徴とする発光装置の駆動方法。
  6. 【請求項6】映像信号を用いて、複数の各第1の発光素
    子について、発光期間の総和をそれぞれ算出し、 前記複数の各第1の発光素子が発光期間の総和と、第2
    の発光素子の発光期間の総和に対する輝度の変化量とを
    もとに、前記複数の各第1の発光素子のそれぞれについ
    て輝度の変化量を把握し、前記複数の第1の発光素子の
    うち、前記算出された発光期間の総和が最も長い一の第
    1の発光素子を検出し、前記一の第1の発光素子の輝度
    の変化量から、前記一の第1の発光素子の輝度が初期値
    に戻るように、電圧源から前記複数の第1の発光素子に
    供給される電圧を補正し、なおかつ前記一の発光素子の
    輝度の変化量と、前記一の発光素子以外の各発光素子の
    輝度の変化量との差をうめるように、前記映像信号を補
    正して前記一の発光素子以外の各発光素子の階調を補正
    する発光装置の駆動方法であって、 前記映像信号の補正により、前記一の発光素子以外の各
    発光素子の階調を制御する映像信号はm(mは整数)ビ
    ット増加することを特徴とする発光装置の駆動方法。
  7. 【請求項7】請求項1乃至請求項6のいずれか1項にお
    いて、前記一の発光素子の輝度の変化量の、前記初期値
    に対する割合が一定の値に達したときに、前記電圧源か
    ら前記複数の発光素子に供給される電圧の補正を停止す
    ることを特徴とする発光装置の駆動方法。
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